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2024.04.26
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カテゴリ: メディア
昨今の世界情勢は、ロシア、中国による暴力的な侵攻、攻勢が目に余るが、このようなことは2012年の日記でも触れているのです。
・・・ということで、以下に復刻して見てみましょう。


*********************************************************
中ロが対シリア協調を確認したそうですね。この2国は過っては共産主義という理念を共有する地域連合であったが、今では人権軽視の地域連合なのか?

シリアや北朝鮮までも容認する中ロとは、「難治の国」と言わざるをえないのだが・・・「難治の国」という言葉は、ちょっと古い本だが「時代の風音」という本に出てくるのです。
 この本で堀田善衛と司馬遼太郎が語る内容は本質をついているだけに、いつまでたっても色褪せません。



時代
堀田善衛×司馬遼太郎×宮崎駿著、朝日新聞社、1997年刊

<「BOOK」データベース>より
20世紀とはどんな時代だったのか―。21世紀を「地球人」としていかに生きるべきか―。歴史の潮流の中から「国家」「宗教」、そして「日本人」がどう育ち、どこへ行こうとしているのかを読み解く。それぞれに世界的視野を持ちつつ日本を見つめ続けた三人が語る「未来への教科書」。

<大使寸評>
今は亡きお二人を含め、なかなかの取り合わせである♪ 博識に溢れ、思索も深い鼎談です。この「未来への教科書」を、とりあえず歴史の範疇で並べておきます。

Amazon 時代の風音

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この本のエッセンスの一部を紹介します。

<難治の国・ロシア> p12~14
堀田  過去からみても、今後未来においても、この20世紀くらい人をたくさん殺した世紀はないでしょう。この1世紀のあいだで1億人くらい殺しているんじゃないですか。
司馬  1億人は十分に。スターリンによる政治的・思想的殺害だけで2千万人を超えているのですから。殺人ということでは、ソ連は史上最悪の国でした。
 エリツィンらによる“ソ連邦消滅”宣言の、異様なほどの性急さと明快さは、「もう魔物はいなくなった」というロシア人の安堵感の上のみなりたつもので、じつはロシア人にしかわからない、身につまされるような政治的表現でしょう。
 ソ連邦の出現やその後のナチの盛衰を含め、“政治優先、政治がすべて”という迷信を20世紀の人類がもったことと、それらの政治団体(この場合は“国家”)が、思想の普遍性とともに兵器も普遍化したこと。つまり大量殺戮できる兵器を、機関銃にはじまって最後は核に至るまで大量にそろえたこと。そういう一大勢力が、このたびのソ連邦の崩壊でとりあえず消滅したわけです。
堀田  イデオロギーが崩壊したソ連ですが、この国はもともと難治の国ですな。
 ロシア帝国をつくったのはイワン雷帝ですね。このイワン雷帝という人は、二番目の奥さんをイスラムからもらい、1575年と翌年との2年間、帝位をジンギスカンの子孫のモンゴル族に譲ってモスクワから出ていった。
 イスラムとモンゴル族の双方に気を使わねばならぬ、という事態はじつに象徴的で、今日でも実態は変わっていない。ロシア史ではこの譲位を“奇矯なる行為”と捉えているようですが、こういうめんどうなことをしなければならないほどに、あの国はじつに難治の国だ。
宮崎  難治の国、なるほど。

堀田  ソ連邦の崩壊、消滅の過程をみてみると、ゴルバチョフはやはりペレストロイカとグラスノチスで、つまりは最高会議での議決にによって連邦を、というのですが、しかし、昨年までイデオロギー独裁であったので、まだプルーラリズム(複数主義)の用意がない。
 したがって、議論させれば個人攻撃になったり、極端な激論が展開されたりで、まともな政策論ができない。それで業を煮やしたエリツィンは、国民にも議会にもいっさい相談なしで、ウクライナとベラルーシとのスラブ系三共和国だけで秘密会議をベラルーシのブレストでして、ソ連邦の解体を宣言し(1991年12月8日)、議会に事後承諾を求めた。
 ペレストロイカとグラスノチスで始まったものが、再びもとの旧ソ連共産党のやり方そっくりな事後承諾、陰謀めいたボスたちの秘密会議で幕を閉じました。

司馬  ロシア史というものに、政治、経済、文化の成熟はありませんね。各エポックごとに未熟でした。中途半端ばかりでレーニンの改革になった。
 遊牧民のモンゴル族がロシアからポーランド、ハンガリーまでの草原地帯をローラーをかけるように行き来して、自分たちの土地だと思っていたわけでしょう。そこへロシアの農民が少しずつやってきて耕作をはじめたのが、遊牧民にとって邪魔でしょうがなかった。だからキプチャク汗国が、そこへ覆いかぶさって税金を過酷にとった。いわゆる“タタールのくびき”がはじまり、いつまでも観念のうえでは残っていますな。
 つまりキプチャク汗国がそうであったように、貢(ヤサク)とる官僚は偉い、むろん貴族は偉い、あとの大多数はロシア農奴だ。この図式はロマノフ王朝になっても変らず、ソ連69年間、少ししか変っていない。
 いまその図式が消滅して、帝政末期のあの薄弱な商品経済の世に戻ったのですが、その商品経済さえ、いまのロシアの人々の記憶にない。どうするのでしょうか。

堀田  共産党の支配下でいちばんひどかったのは、ヒューマン・ロス。商品がないから行列して並んでいるあいだは、何もできないわけでしょう。考えることもできない。苛立つだけです。
司馬  そのロスは大きかったと思います。20世紀のソ連人は、国家の重作業については、大いに手伝わされた。大砲から核までの重工業、先端技術の兵器工業化、国家行動としてはハンガリーやチェコスロバキアへ戦車部隊を派遣したり、アフガニスタンへの侵攻をやらされたりしたのに、個人としてたとえば個々にいい靴を作って婦人客をよろこばせようとか、交配させてきれいな花を作って商品化しようとかいう方向のやる気を起こした経験がない。
 19世紀のロシアの小説を読んでみると、商売はほとんど出てこないです。官吏や軍人は商人でないし、靴屋はあってもイタリア人やドイツ人がやっている。技巧をつくした靴はヨーロッパから来るものだと思っている。江戸時代の商売の種類の10パーセントもないんです。やはり未成熟のままエリツィン時代を迎えたのです。

堀田  紙、鉄、商店、マガジン・・・、ロシア語のこうした単語は、アラビア語、トルコ語といったイスラム系の言語からの導入です。いずれも重要な言語ばかり。
司馬  それに鉛筆(カランダーシュ)。みなモンゴル経由ですけど。
堀田  文化的にいえば、そもそもロシアよりイスラムのほうがずっと高かった。



<20世紀の迷惑> p16~18
堀田  ロシア革命のとき、農民が二人、レーニンに会いに行った。戻ってきて言うには、「今日はレーニンというツァー(ロシア皇帝の称号)に会った」(笑)という話がありますよ。

司馬  ソ連はわりあい法体系のしっかりした国なのですけれども、しかし共産党というツァーがいるわけです。ツァーは、法から超然、超越した存在です。エリツィンさんにしてもやはり似たようなもので、大統領令をしきりと出す。これも、ソ連共産党がツァーそのものであるという型を、やっぱり示しているのですね。アメリカでは大統領令はそう出しません。
宮崎  もう一つの大国、中国の場合ですが、ウイグルとかチベットが中国領というのは私は信じ難いんですね。征服としか思えないのですけど。
堀田  しかし、困ったことに征服そのものがあの国の歴史の実体なのです。漢族、蒙古族、満州族などの交替征服が歴史を形成している。海外へ華僑として、あるいは難民として大量にどどーと出て行った時期を調べてみますと、交替征服の時期と一致しています。
宮崎  その難治の清をそのまま引きずっている状態の今日の巨大化した中国の姿というのは・・・。

司馬  ロシアと中国の二つの古い帝国が世界のお荷物になりつつあるわけです。しかも、“両帝国 ”ともじつに帝国らしいところは、帝国の固有領土はむろんのこと、帝国たらしめていた“版図”も失いたくない。
 明という漢民族王朝(1368~1644)の時代の版図というのは、だいたいわれわれが納得できるような中国人の住む領土の範囲でした。宮崎さんのおっしゃるように、清という異民族による征服王朝(1616~1912)ができて、征服がお得意の王朝らしく崑崙まで征服し、やがて崑崙からシルクロードの果てまで自分のものにしました。モンゴル、チベットという異域が帝国の版図に入るのは、清王朝のときです。

 その拡大した版図を、国民党政府と毛沢東政権とが相続し、ここからここまではおれのところだという非常に強い線引きがある。寸土を失うことは中国を失うことだ、という迷信ができているわけです。
 大領土国家というのは、科学技術を開発したり社会化したりするうえで、とても間尺に合わない。たらいの水に数滴の水を加えても水位はあがりませんが、試験管ぐらいの小さな容器に加えると、水位があがる。ともかく政治をうまく機能させるうえでも、ほどほどのサイズが必要ですね。

堀田  たしかアダム・スミスだったと思いますが、政治と経済がうまく機能するのは、人口5千万までが限度だと言っていましたよ。

司馬  ドグマで支配するのは大領土国家の一つの型ですよね。中国は、春秋戦国のころは諸子百家の時代で、思想は自由で、国家は思想によって
裏打ちされるということはありませんでした。ところが、秦帝国によってはじめて中国が統一されると、法家の思想でもってすべてを統御せざるをえなくなりました。漢という統一帝国の時代となり、漢の武帝の時代にはじめて儒教が国教になりました。帝国の御用ドグマとして帝国を支配した。
 その儒教の箍がはずれると、毛沢東さんがマルクス・レーニンというドグマを津々浦々まで行き届かさなければならなかった。
 これはロシアも同じで、けっきょくマルクス主義を持たざるをえなかった。大領土国家の一つの型の常です。それがじつに世界の迷惑だった。20世紀の迷惑だった。


2012.06.07XML
「難治の国」あるいは「20世紀の迷惑」 https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201206070000/





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