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今回の旅行のお目当て「ローエングリン」を見たのは12/27。‘Lohengrin’(12/27)[DIRECTION] Conductor:Daniel BarenboimStaging:Claus Guth[CAST] Heinrich der Vogler:Rene PapeLohengrin:Jonas KaufmannElsa von Brabant:Annette Dasch Friedrich von Telramund:Tomas TomassonOrtrud:Evelyn HerlitziusDer Heerrufer des Königs:Zeljko LucicもちろんTVで見たとおりなのですが(笑)、びっくりしたのはオケの音。第一音からしてその和音の総量(?)にしびれました。ワーグナーはオケにうっとりできないとツライですから、これは至福です。歌手にはTVで見た初日と同じ感想を持ちました。低めの声なのに高音部が力強くキレイに出るカウフマンは、以前は好きではなかったのに、最近かなりハマッています。ダッシュは健闘し、ヘルリツィウスは他を圧倒する迫力を示しました。一部で声がひっくり返りそうになったトマッソンがちょっとキツかったかもしれない。このあたりも、TVで見た初日と所感は変わりません。スカラでワーグナーはあまり熱狂されないのではと思っていましたが、カウフマンはすごいブラヴォで迎えられ、指揮のバレンボイムにはさらに熱狂的な拍手と声援が送られました。私はこの日、予算の都合で(というか海外だからと言って高い席には財布事情が許さず、かと言ってせっかく行ったのだから天井桟敷よりは低いところで見たい・・・と思って)3階BOX席のチケットをなんとか取ったのでした。BOX席の3列目(最後列)だったので、「立ってみよう」とあきらめていたところ、私の前の紳士二人が壁に張り付いてくださり、却ってスカッと舞台が見えました。BOX席は人間関係が成否を決める!?[私の横で「ブラヴィー!」を連発していたおじさまの背中越しに舞台を]終演時には真夜中12時を越えたので、近くのホテルを教えてくれた知人に感謝!です。
2012.12.27
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朝、目が覚めたらすごく喉が痛かった。前の晩にシャンプー後、髪を乾かさずに寝入ってしまったせいでしょうか。土曜定例のジム通いをやめて、殊勝に内科クリニックへ。その後、両目分を失くしてしまったコンタクトを作りに眼科へも。医者を2つ回った後、急ぎ新国立劇場へ行ったのでした。【指揮】カルロ・モンタナーロ【演出】ヨーゼフ・E ケップリンガー【アルマヴィーヴァ伯爵】ルシアノ・ボテリョ【ロジーナ】ロクサーナ・コンスタンティネスク【バルトロ】ブルーノ・プラティコ【フィガロ】ダリボール・イェニス【ドン・バジリオ】妻屋秀和【ベルタ】与田朝子【フィオレッロ】桝 貴志【合 唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団バルトロのブルーノ・プラティコが一番おいしいところを持っていきました。確かに芸達者ですね。芸達者と言えばフィガロを演じたダリボール・イェニスもそうですが、「町のなんでも屋」の気のいいヤツ、という感じではありません。堂々としすぎ(笑)。もっと軽めの雰囲気を持ったフィガロの方がいいんですが。アルマヴィーヴァのルシアノ・ボテリョは声は悪くないと思います。でもコロラトゥーラが重い(?)。よっこらしょ!と声を引っ張る感じで、惜しいことです。このプロダクションでは、バルトロ邸の外観はエラくボロなのに、内装はそれなりに手が入っています。ごちゃごちゃ感があって、却って丁寧に作られた装置、という印象を抱かせます。実は子どもころ持っていたリカちゃんハウス(!)とよく似ていて、結構気に入っているのでした。(これ↓です)
2012.12.01
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マリインスキーの「アンナ・カレーニナ」の帰りに、東劇でMETライブビューイングの《オテロ》を見ました。23日が最終日で、また見逃すところでした。指揮:セミヨン・ビシュコフ 演出:エライジャ・モシンスキー出演:ヨハン・ボータ(オテロ)ルネ・フレミング(デスデーモナ)ファルク・シュトルックマン(イアーゴ)マイケル・ファビアーノ(カッシオ)よかったのは、何と言ってもイアーゴのファルク・シュトルックマンでしょう。イアーゴは‘おいしい役’とはいえ、それなりの人が歌うとそれなりなんですが、シュトルックマンのイアーゴは場を(オペラを?)コントロールしています。私が初めてリング・チクルスを見たときのヴォータンがシュトルックマンだったので、彼の声を聞くと「あ、ヴォータン」と思ってしまうのが私的には難(笑)。ヨハン・ボータは体調不良からの復帰とはいえ、大きく通る声は期待を裏切りません。二重アゴどころか、脂肪に顔が浮いているように見えることを今回発見。オペラ歌手とはいえ、それはどうかと。ライブビューイングの功罪ってありますね・・・。フレミングは「デスデーモナは当たり役」と言っていました。そうなんでしょうか?ちょっと違和感があります。声質のせいかも。ファビアーノは、METのオーディションの映画に出ていた人ですね。ちゃんとのし上がってきました。METが後押しもしているんでしょう。20代で、この大舞台で二番手のテノールを歌えるなんて、上々です。演技はまだオドオドしているように見えましたが、よく通る軽めの声が美しかったです。
2012.11.23
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午前はジムに。シャワー後の髪が乾かないまま、開演ギリギリに席に着きました。【指揮】沼尻竜典【演出】アントネッロ・マダウ=ディアツ【トスカ】ノルマ・ファンティーニ【カヴァラドッシ】サイモン・オニール【スカルピア】センヒョン・コー【アンジェロッティ】谷 友博【スポレッタ】松浦 健【シャルローネ】峰 茂樹【堂守】志村文彦【看守】塩入功司【羊飼い】前川依子【合 唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団何度も見たオーソドックスなトスカ。サイモン・オニールがお目当てでした。結果的には‘声はよく出るけど大味’と思っていたノルマ・ファンティーニがなかなかよかったです。声を張り上げたりせず、最初から美しい響きを保っていました。「え?そこまでやる?」と思うほど大仰なところもありましたが、プリマドンナ・オペラですからまあいいかと。オニールも美声で声量があり、申し分ないカヴァラドッシでした。でも、聞かせどころのアリアでそんなにやんやのブラヴォにならなかったのは、どこかイタリア・オペラ特有のというか、イタオペに許されている‘溜め’みたいなものが感じられないからではないでしょうか?ヘルデン・テノールも、演目によっては多少スタンスを変えてくれるといいのにと思います。スカルピアも声はよかったのですが、なんでしょうか、妙に小物に見えました。単なる悪者ではなく、王制側の支配者として上流の風情がほしかったと思いました。オケの第一声が大きかったのにはびっくりしました。沼尻さんは金管を鳴らしまくり。悪くはないけど、そう来るんですね・・。トータルではまずまず満足した上演でした。
2012.11.17
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翌日の経営会議資料が完成してないのにこの公演へ出かけ、気が気ではありませんでした。公演後に会社に戻ることにしていたので、公演の進み具合にもハラハラ。。。歌劇「ランメルモールのルチア」<コンサート形式>ルチア : ナタリー・デセイ (ソプラノ)エンリーコ : ウラジスラフ・スリムスキー (バリトン)エドガルド : エフゲニー・アキーモフ (テノール)アルトゥーロ : ディミトリー・ヴォロパエフ (テノール)ライモンド : イリヤ・バンニク (バス)アリーサ : ジャンナ・ドムブロフスカヤ (メゾソプラノ)ノルマンノ : 水口聡 ( テノール) グラス・ハーモニカ:サッシャ・レッカート 新国立劇場合唱団 指揮:ワレリー・ゲルギエフ 管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団 やはりナタリー・デセイの一人舞台でした。前半はそれでも抑制されていました。それに声がかすれ気味だったような気がします。休憩後に狂乱の場になって、デセイの本領発揮。不安定なヒロインの心理を表現したら、デセイはすばらしいです。コロコロところがる声の魅力を堪能しました。エドガルドは力みがありましたが、まあよかったかと。こっちの気持ちを察したわけではないでしょうが、ゲルギエフの指揮は高速でした。緊迫感も出て、それがなかなか効果的でした。それに、劇的興奮というものを作り出すという点では、ゲルギエフとマリインスキー管は上手いと改めて思いました。先般のウィーンの前半の公演で残念だっただけに、オペラの醍醐味を感じさせるオケの演奏でうれしかったです。公演後は残念ながらカーテンコールをせずに、一目散に会社へ。結局終電までやっても資料作成は終わらず、家に持ち帰りになったのでした。自分が悪いんですけどね。。。
2012.11.12
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現代オペラへの一抹の不安(?)はありながらも、歌手が揃っていたので見に行こうと思いました。指揮:下野竜也演出:飯塚励生管弦楽:読売日本交響楽団メデア:飯田みち代 ゴラ:小山由美 イヤソン:宮本益光クレオン:大間知覚 クレオサ:林美智子 ヘロルド:彌勒忠史現代音楽もここまで来ると、私には旋律をあまり捉えられませんでした。だから返って、演劇的に舞台を見ていました。(それでいいかどうかは別ですが・・・)ギリシャ悲劇に題材を取り、それを忠実に演出していたので、わかりやすい上演ではありました。メデアの心の内を表現したオペラであり、所詮夫のイアソンは脇。そういった点で、飯田みち代さんは熱演だったと思います。衣装はなかなかオシャレ(特にギリシャ方)。知人はウィーンでの初演版を映像で予習して臨んだようですが、ウィーン版の方が歌唱が激しく(?)全部見終えることなくギブアップしたと言っていました。どうなるか予測がついただけに、予習する意欲に感心しました。来年は「リア」ですね。素材に興味はあるけど、見に来るかどうかはやっぱり歌手次第かな。。。
2012.11.11
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グルベローヴァの日本での最後の舞台でした。「式典」に参加するような気持ちで臨みました。指揮:エヴェリーノ・ピド演出:エリック・ジェノヴェーゼエンリーコ8世:ルカ・ピサローニアンナ・ボレーナ:エディタ・グルベローヴァジョヴァンナ・シーモア:ソニア・ガナッシリッカルド・パーシー卿:シャルヴァ・ムケリアロシュフォール卿:ダン・ポール・ドゥミトレスクスメトン:エリザベス・クールマンハーヴェイ:カルロス・オスナウィーン国立歌劇場管弦楽団 ウィーン国立歌劇場合唱団 ウィーン国立歌劇場舞台上オーケストラ 式典だと思っていても、前半のグルベローヴァ様は、やっぱり厳しかった。ブラヴォを飛ばす方々の愛の深さを知りました。しかし後半、みごとに往年の(というか私の記憶にある)ようなグルベローヴァの見事な弱音・張りのある高音を聞けて、やっと事前期待は満たされました。演目がアンナ・ボレーナでよかった。多少キズがあっても、傷心と狂気の王妃という役柄と違和感がありません。そして、日本最後の公演としてこれで締めくくってくれて、よかったのではないかと思いました。思いのほか、他のキャストもよかったと思います。ソニア・ガナッシ、エリザベス・クールマンは評判どおりでした。エンリーコ8世のルカ・ピサローニもなかなかよいではありませんか。外見からしてハンサムで傲慢な王にピッタリでした。私はこの演目ではじめて今回のウィーン国立歌劇場管の音に酔いました。あとの2演目は、巧者ではあってもなかなかノレない音楽でした。絶対指揮者の影響だと思っています。4年に1回来日することになっている(?)ウィーン国立歌劇場の次の公演は2016年ですね。今度は「薔薇の騎士」とワーグナーの演目との噂です。今から指揮者が気になります。
2012.11.04
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今年もMETライブビューイングが始まりました。1週間連続上映されるとはいえ、週末に見るようにしないと結局ウィークデイは見られず、昨年は見逃してしまった作品が多くなりました。今年はちゃんと計画的に見ることにしようと思っています。指揮:マウリツィオ・ベニーニ 演出:バートレット・シャー出演:アンナ・ネトレプコ(アディーナ)マシュー・ポレンザーニ(ネモリーノ)マリウシュ・クヴィエチェン(ベルコーレ)アンブロージョ・マエストリ(ドゥルカマーラ)MET上演日:2012年10月13日決して好きなオペラではないんです。ネモリーノのいじけ具合と、アディーナの‘ツンデレ’(古い?)ぶりにイライラするからです。でもこの演出では、主役2人の人物造形をあまりコメディの方向にデフォルメすることなく、その辺にいそうな人物に設定されていました。ネトレプコも、これまでは声そのものが魅力的でないと思っていて、決して好きな歌手ではなかったのですが、最近声に艶が出てきたと思います。旬ということなんでしょうか。彼女はこういう喜劇的なオペラもうまい。演技力もありますね。心なしか、若干体重を落とした気もします。ポレンザーニを気にしたこともなかったのですが(好きじゃないことだらけ・・・笑)、結構いいテノールだと思いました。彼の「人知れぬ涙」は絶品でした。スクリーンの向こうのMETでは、怒涛のような歓声が上がっていました。アンコールすればよかったのに。しかしですね、バリトン好きの私はやはりクヴィエチェンに目が釘付け。すごいなあ。ベルコーレがカッコよかった。もう押しも押されぬ大スターの貫禄を感じます。楽しい幕開けとなりました。次は2週間後に「オテロ」です。
2012.11.03
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私的には、今回のウィーン国立歌劇場公演で一番楽しみにしていた演目です。バリトン好きな私としては、やはりカルロス・アルバレスとアーウィン・シュロットに期待していたのでした。指揮:ペーター・シュナイダー演出・美術:ジャン=ピエール・ポネル合唱監督:トーマス・ラングアルマヴィーヴァ伯爵:カルロス・アルバレス伯爵夫人:バルバラ・フリットリスザンナ :シルヴィア・シュヴァルツフィガロ :アーウィン・シュロットケルビーノ:マルガリータ・グリシュコヴァマルチェリーナ:ゾリャーナ・クシュプラーバジリオ:ミヒャエル・ロイダードン・クルツィオ:ペーター・イェロシッツバルトロ:イル・ホンアントニオ:ハンス・ペーター・カンメラーバルバリーナ:ヴァレンティーナ・ナフォルニータ村娘:カリン・ヴィーザーウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団終わってみたら、My感想はやはり「フリットリを聞けてよかった」に収斂されました。伯爵夫人のアリアには息を飲みました。(というか思わず息を止めて聞いていた・・・)スザンナ、ケルビーノ、マルチェリーナ、バルバリーナと女声陣は大変充実していました。カルロス・アルバレスを久しぶりに聞けてうれしかったです。声質が好きです。でも「第一声からして圧倒される」と新国立マクベスで感じたあの声を聞けなかったのは残念。まあ、伯爵ですしね、しょうがないとも思います。シュロットは常々セクシーさがたまらないと思っているのですが、フィガロはあまりはまり役ではないような。‘楽しくてうきうきする気のいいヤツ’という感じではありませんもの。最初からオケと合ってなかったのには、こっちがドキドキしました。あまりの合わなさ加減に、「このホール・このセットはオケが聞こえにくいのでは?」などと心配していましたが、他の歌手はそうでもなさそうでした。。。結局、一番ブラボーを浴びていたのは、指揮のシュナイダーでした。イン・テンポで十分音を引っ張って美しい音楽にしている、ということでした。(周囲の評)それでも今日もノレなかった私は、期待しすぎだったのでしょうか。はっきり言えば、モーツァルトはもうちょっと軽快な方が好きです。そして、セットもさすがに見飽きた感が。丁度ウィーンでは新しい演出で上演されているんですよね。そっちでもよかったなと思います。
2012.10.20
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ウィーン国立歌劇場日本公演が開幕しました。指揮:ペーター・シュナイダー演出:ボレスラフ・バルロク美術:ユルゲン・ローゼヘロデ:ルドルフ・シャシンクヘロディアス:イリス・フェルミリオンサロメ:グン=ブリット・バークミンヨカナーン:マルクス・マルカルトナラボート:ヘルベルト・リッペルト小姓:ウルリケ・ヘルツェル第1のユダヤ人:ヘルヴィッヒ・ペコラーロ第2のユダヤ人:ペーター・イェロシッツ第3のユダヤ人:カルロス・オスナ第4のユダヤ人:ウォルフラム・イゴール・デルントル第5のユダヤ人:アンドレアス・ヘール第1のナザレ人:アルマス・スヴィルパ第2のナザレ人:ミハイル・ドゴターリ第1の兵士:アレクサンドル・モイシュク第2の兵士:ダン・ポール・ドゥミトレスクカッパドキア人:ヒロ・イジチ奴隷:ゲルハルト・ライテラーウィーン国立歌劇場管弦楽団わぁ、引っ越し公演だーと思えるほどの興奮を感じませんでした。やっぱりスター歌手を楽しみにしているんです。知人に「オペラファンの風上にも置けないミーハー」と言われましたが、仕方ないです。いつも聞けないようなあこがれの歌手を聞きたい、と思う気持ちは止められません。そうですね。やっぱりウィーンフィルはさすがでした。知ってる顔(と言っても知り合いではありませんが)の首席陣をオケピに見つけて、うれしくなりました。昨年と違い、日本に来てくれたのね・・・。シュトラウスの中では、このサロメの音楽は気に入っている方ですが、ときどきハッとするほど美しい、と思うのはオケの力でしょう。でも・・・でも・・・なんかこう沸き立つような感情は起きませんでした。W=メストだったら良かったのにと思うわけではありませんが、責任の一旦は指揮にあったのではないでしょうか。演出は、暗くて地味で今ひとつです。私は、何度も見た新国立の華やかで妖しく美しいあの演出が結構好きです。テントの中での宴の模様も垣間見えてよかった。今回は井戸の周囲でだけの出来事でした。フィガロを楽しみにしています。
2012.10.14
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噂の新国立「ピーター・グライムズ」を楽しみにしていました。前評判は演出に集中していましたが、さて・・・。指揮:リチャード・アームストロング演出:ウィリー・デッカー美術・衣裳 :ジョン・マクファーレンピーター・グライムズ(漁夫):スチュアート・スケルトンエレン・オーフォード(寡婦、村の女教師):スーザン・グリットンバルストロード船長(退役船長):ジョナサン・サマーズアーンティ(ボーア亭の女将):キャサリン・ウィン=ロジャース姪1(ボーア亭の看板娘):鵜木 絵里姪2(ボーア亭の看板娘):平井 香織ボブ・ボウルズ(漁夫、メソジスト教徒):糸賀 修平スワロー(判事):久保 和範セドリー夫人(東インド会社代理人、未亡人):加納 悦子ホレース・アダムス(牧師):望月 哲也ネッド・キーン(薬剤師でやぶ医者):吉川 健一ホブソン(保安官、運送屋):大澤 建合唱 :新国立劇場合唱団管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団私は、生で「ピーター・グライムズ」を見るのは2度目。最初は松本のサイトウキネンだったと思います。もうあの時から10年経っているんですね。記憶も薄らいでいました。今回の演出が話題になるのはなぜかと思いましたが、群衆の描き方~合唱の動かし方が、このストーリーに合っているからではないでしょうか。「大多数VS.個」というのを描くなら、多数派の方をどう描くかが肝要です。異質なものを許さなかったり、それが見当たらなければ異質なものをあぶりだしてでも誰かを孤立させないとすまない風土。そうして初めて優位性感じたり、心の安定を得られる人たちが多いのでしょう。舞台を見た人たちの共感は、ここのところ社会問題化している日本のいろんな世相にも拠るのだと思いました。そして、この舞台は、その「大多数」がすごくうまく描かれている。アーンティもピーターに同情しながらも、村人の存在に気づくとサッとその中に戻り、同化するところなどは、3階席から見ていても「上手いなあ」と思いました。私はあんまりブリテンのことを知りませんでしたが、新国立のオペラのパンフレットが充実していて、今回は特に役立ちました。作品ノートの他に、ブリテンと(パートナーの)ピアーズの関係について述べた記事、舞台となったオールドバラの紹介・・・とオペラのバックボーンを知る情報が満載です。「ピーター・グライムズ」の音楽って、こんなにストーリーを具現化していると感じたのも今回が初めてでした。これまでブリテンもこのストーリーも、全体に漂う重苦しい雰囲気も苦手でしたが、今回そういうものが払拭されて、オペラを堪能しました。演出の効果だと思っています。そして、「多数派」を演技し歌った新国立合唱団は、本当に素晴らしかった。音楽の面では、今回の上演の一番の功労者でしょう。2回目を見る余裕がないのが残念です。
2012.10.08
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滅多に上演されないから見ておこう・・・そんな気持ちでした。なので、ゲットした座席は5階のR2列。ちょっとくらい見えなくてもいいや、と。指揮:飯守泰次郎 演出:クラウス・グート アムフォルタス:黒田博ティトゥレル:小田川哲也グルネマンツ:小鉄和広パルジファル:福井敬クリングゾル:泉良平クンドリ:橋爪ゆか2人の聖杯守護の騎士:加茂下稔、北川辰彦4人の小姓:渡海千津子、遠藤千寿子、森田有生、伊藤潤6人の花の乙女たち:青木雪子、坂井田真実子、岩田真奈、鈴木麻里子、磯地美樹、小林紗季子 合唱:二期会合唱団管弦楽:読売日本交響楽団反省モノです。もっとイイ席を取ればよかった。日本でこのレベルのワーグナーを聞けるなんて、思ってもみませんでした!二期会を見くびっていました。申し訳ないことです。何と言っても、歌手陣がよかったです。ソリストの誰をとっても、満足のいくレベル。低音の歌手が好きな私は、黒田さんの魅力に参ってしまいました。治らない傷でフラフラの頼りない王様役とはいえ、その苦悩ぶりがセクシーだわ・・・と見ていました。出番が多いわけではないのに、印象が強かったです。出ずっぱりの小鉄さんも、こんなにいい歌手だったんだと改めて認識。というか、そんなに大きな役で見たことはなかっただけかもしれません。パルジファルの福井さんは、最後まで声の勢いが落ちないところがさすがです。だけど、ほんの少しだけ惜しいのは、あんまりイメージに合ってない気がするところですね。飯守さんお手の物の演目なので、読響もワーグナーの世界をしっかり披露してくれました。オケも殊勲賞ものでした。ところで、事前にちょっと私の周囲で話題だったのは演出。皆さん、複数回見ていたらしい。しかし、誰も教えてくれない。「まあ、見てのお楽しみ」と。私は「ネタバレ」だなんてあんまり気にしないのに。それよかボーッと見ていて、気付かないことがあると損した気持ちになる(笑)。ちょっとレトロな現代読み替えだけど、雰囲気のある時代でいいな、なんて呑気に見ていたら、あれあれ最後はナチに結びついてしまいました。??どんなメッセージなんでしょうか?「権力は集中させてはいけない」みたいなことなの?アムフォルタスとクリングゾルがどうやら兄弟らしいとは、最後にやっとわかりました。冒頭の家族の決裂は、伏線だったんですね。クンドリは出て行く。目覚めた女は自立するんでしょうか。ナチだけが私の中ではオチないけど、それでも全体に漂う雰囲気と、歌手を棒立ちにさせない動かし方はとてもよかった。納得できる説明さえ聞ければ(?)、この演出でもいいと思うのですが、さて。。。
2012.09.16
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久しぶりに8時間睡眠を取り、さわやかな気分。ここのところ平日はその半分強なので、常時眠かった。さて、「夢遊病の女」はMETライブビューイングで見た他は、映像でもそれほど見た記憶がありません。珍しさと高橋薫子さんへの期待で、この日に見ることにしたのでした。公演監督:岡山廣幸指揮:園田 隆一郎演出:岩田 達宗アミーナ:高橋薫子 エルヴィーノ:小山陽二郎 ロドルフォ伯爵:妻屋秀和 テレーザ:森山京子 リーザ:関真理子 アレッスィオ:和下田大典 公証人:藤原海考合唱/藤原歌劇団合唱部管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団ほんとに高橋さんが引っ張った舞台でした。彼女は以前はもっと線が細い気がしましたが、声量も増え、一方で弱音部分も美しく、彼女が締めた(?)シーンだけが気合いが入っていました。エルヴィーノの小山さんは、以前別の舞台で聞いたときには、こんな歌手がどうしてもっと主役級で歌う機会がないんだろうと思いましたが、今日は納得のいかない出来でした。高音に当てようとして中音が疎かになっていたように思いましたが、そこは推測でホントはどうだったのかよくわかりません。妻屋さんの声域の歌手は日本に少ないので貴重ですが、今日のように準主役をやるときには、やはりもっと演技力を発揮してくださっていいように思います。へりくだった伯爵(?)というのは違和感があります。リーザ役の歌手の方には私の席の近くの何人かが、ブラヴァを連発していました。若い人たちだったようなので、お仲間でしょうか。でも、それほどでは・・・。これで指揮でも感情豊かだったらよかったんですが、それなりでした。団体行動ばかりの村人たちの演技も、舞台を単調にさせました。高橋さんの声が聞けてまあよかったかな、と思う舞台でした。
2012.09.08
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METライブビューイングの「神々の黄昏」は、初回の上映時に、見ている途中で体調が悪くなって途中で映画館を出てしまっていました。再上映を待っていた演目の1つです。今日からアンコール上映と聞いて、夕方から東劇へ。指揮:ファビオ・ルイージ演出:ロベール・ルパージュブリュンヒルデ:デボラ・ヴォイトジークフリート:ジェイ・ハンター・モリスハーゲン:ハンス=ペーター・ケーニヒワルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤーグンター:イアン・パターソングートルーネ:ウエンディ・ブリン・ハーマーアルベリヒ:エリック・オーウェンズ管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団合唱:メトロポリタン歌劇場合唱団2012年2月21日上演 NYメトロポリタン歌劇場主役はデボラ・ヴォイトですね。初役だとは思えないです。生で聞くと、巨漢ジークフリートの声も凌駕しているとか。しかし、彗星ジェイ・ハンター・モリスも落ち着いて主役を張っています。見た目も声質も悪くなく、このままワーグナー歌手の大器として育ってくれると楽しみが増えます。外見が若々しいので、ぐっと年齢も若いのかと思いきや、それなりに年輪も重ねているとのことでした。ブロードウェイにも出ていたんですよね。アメリカン・ドリームは健在です。そしてその対象者が若すぎないところもまたいい(笑)。脇もケーニヒ、マイヤー、パターソン、オーウェンズと、ほんとに豊富な人材で固めています。私的には、パターソンのグンターが一番のハマリ役でした。本当にピッタリ!インタビューでハーマーが「声を成長させてジークリンデを歌いたい」と言ってましたが、パターソンも何か言いたそうでした。いつの日か、ヴォータンを狙いたいとか?ヘロヘロになりながら、5時間半見ていました。帰路についてもそれでもしばらくは、リングの余韻から醒めませんでした。この録画のあと、4-5月にMET現地ではリングチクルスをやったはず。そのときはどうだったのか、J・H・モリスはつつがなくスター街道を走っているのか、大いに知りたいところです。
2012.08.18
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みなとみらいでミンコフスキ&OEKを聞いてから→荒川区民オペラへ。東京都心と横切って、自宅と反対方向へ向かうのは、土曜でなくてはできないことです。。。久々に「マクベス」を聞いてみたくなったのです。だから、演目オリエンテッドな行動。でも、まあ配役もまずまず期待できると思っておりました。指揮 小崎 雅弘演出 澤田 康子マクベス 井上 雅人マクベス夫人 大隅 智佳子マクダフ 田代 誠バンコー 熊谷 幸宏マルコム 内田 吉則侍女 山村 望実医者 斉藤 大輔従者 青木 海斗刺客 井出 壮志朗伝令 谷本 喜基荒川オペラ合唱団荒川区民交響楽団初めて「サンパール荒川」へ行きました。オペラ仲間に「行かないの?」と聞いたら(だって千葉の市民オペラにまで顔を出している人がいるんですよ)、「遠い」と一言。私も「行き」はよかったんですよね。会場の前で盆踊りをしている、という地元指向も悪くない。チラシ↓を見て、サイバーな演出かと期待しましたが、そんなことはありませんでした。それはそうか。でも、だったらなんだったんでしょう、このイラストは。肝心の歌唱は、やはり主役2人がよかったなと。マクベスの井上さんの声は、いい響きのバリトンですね。好きな声質なので、声そのものに聞き惚れていました。ドラマチックさでは、マクベス夫人の大隅さんの方が勝っていたでしょうか。マクベス夫人は彼女の歌い方に合っているので、別の役のときほど違和感はありません。だけど、高音になると力づくで引っ張り上げるところは残っていて、それは残念です。中音域では美しい声の持ち主だと思うので。田代さんは演歌歌手的なドロ臭さがあって、それは本当はヴェルディにピッタリなんでしょう。だけど、周囲とあまりに違うので、聞いていて戸惑いました。全体に、思ったよりちゃんと(失礼!)上演されていて、そこはいい意味で裏切らました。案外、楽しめたのでした。ちょっとだけイヤになったのは・・・音楽が終わらないうちにやんや!の拍手、というところ。「いつから常識が変わったの?」と思えるくらいの、当然のような満場の拍手(笑)。まあいいですけどね、そういうものだと思えば許せるような気にならなくもない。帰りは・・・悲惨でした。都電荒川線の一両きりの路面電車には、3本目でやっと乗車できました。ここで30分以上は時間を食い、結局帰宅は12時15分前。やっぱり、翌日が休日のときしか来れないわ。。。
2012.07.28
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カリニャーニの指揮を楽しみに、二期会カヴァ・パリへ。新国立で果たせなかったので、今回が初お目見えです。指揮:パオロ・カリニャーニ 演出:田尾下 哲≪カヴァレリア・ルスティカーナ≫サントゥッツァ:清水華澄トゥリッドゥ:大澤一彰ルチア:池田香織アルフィオ:松本 進ローラ:澤村翔子 ≪パリアッチ(道化師)≫カニオ:片寄純也ネッダ:高橋絵理トニオ:上江隼人ベッペ:与儀 巧シルヴィオ:与那城 敬合唱:二期会合唱団管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団お目当てのカリニャーニ指揮のオペラが、やっと聞けました。ツボを押さえているとでも言うのでしょうか。躍動感のある演奏だけど、泣きどころもしっかり確保、というような感じです。「ええと・・・オケはどこだっけ?」「え?東フィルなの?」という会話を知人としてしまいました。こう言ってはなんですが、いつもの東フィルとはかなり違いました。カリニャーニはイタリア人とはいえ、「好きなオペラは『ルル』」とのことで、ドイツでの経歴が長いんですね。思ったより若く、アスリートのような体型で(毎日2キロ泳ぐのだそう!)、新時代の指揮者という感じがします。≪カヴァレリア≫は大澤一彰さんという歌手を初めて聞くことができたのが収穫でした。いい声だと思います。ちょっと引っ張るようなく歌い方が気になりましたが、トゥリッドゥという役柄ならまあいいかと。歌手は≪パリアッチ≫の方が全体のバランスが取れていたように思います。あ、演出は思ったよりよかったです。どっちも「どこかで見たような」感じはしますが、奇をてらいすぎた演出も伝統的すぎる演出もあんまり・・・。特に若手の歌手陣だと、どっちもキツイと思うのです。それなりに中庸で、「ここがいいよね」と部分的に思えるところがあるというのがイイ。どっちも群衆がちゃんと動かされていましたし。注目していた「1960年代に設定されたパリアッチ」も、感情移入はしやすかったので、既視感はあるもののまずまずでした。
2012.07.14
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週末は仕事をすると決心しての先週のコンサート通いでしたが、ほんっとに気がノリません。マスネの「エロディアード」の音楽は美しい・・・とオペラ仲間に教えられて、あっさり新国立劇場へ足を向けました。エロディアード:福田玲子 サロメ:鈴木慶江 ジャン:星洋二 エロデ王:杉野正隆 ファニュエル:佐藤泰弘ヴィテリウス:和田ひでき 大司祭:白井和之 バビロニアの娘:木村綾子 寺院の使者:西塚巧 オスカー・ワイルドではなくて、フローベールの小説に基づいています。ジャン(=ヨハネ)は首は切られませんし、サロメも脱いで踊ったりしません。サロメはエロデ王の妃エロディアードの連れ子の王女ではなく、幼い時に誘拐され、今ではエロデ王の宮殿の舞姫で王の寵愛を受けるという設定です。そして、母はエロデ王を挟んで恋敵と娘を見なし、敵>娘と言い切る女そのものの存在。サロメはここでもジャン(フランス語読みだとなんだか軽いですね)に思いを寄せますが、ジャンの位置づけも軽めです。音楽はすばらしかった。いえ、演奏がというのでなく(すみません・・・)、曲自体が。2幕のエロデ王のアリアが美しかったです。だけど、歌手の皆さんはもうちょっと頑張ってほしかったです。満足したのは、ファニュエル(預言者?)の佐藤泰弘さんくらいでしたでしょうか。珍しいオペラを聞けたことで、よしとしておくことにします。
2012.06.23
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前評判も高く、期待でいっぱいになって新国立へ出かけました。【指 揮】ペーター・シュナイダー【演 出】マティアス・フォン・シュテークマン【美術・衣裳】ロザリエ【ハインリヒ国王】ギュンター・グロイスベック【ローエングリン】クラウス・フロリアン・フォークト【エルザ・フォン・ブラバント】リカルダ・メルベート【フリードリヒ・フォン・テルラムント】ゲルト・グロホフスキー【オルトルート】スサネ・レースマーク【王の伝令】萩原 潤【4人のブラバントの貴族】大槻孝志/羽山晃生/小林由樹/長谷川 顯【合 唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団クラウス・フロリアン・フォークト・・・第一声を聞いたときには「甘っ!」と思いました。白馬の(白鳥の?)王子様系の声。しかし、次の瞬間に(ホントに瞬時に)「まあこういうローエングリンもありか」と納得する自分(笑)。結局、よく通るイイ声ならOKなんです。劇場でオペラ仲間の友人に会いましたが、彼女は「今日が2回目。先日聞いたとき、第一幕終了後に今日のチケットを買ったの。」と申しておりました。そういうオペラファンは私の回りでは多かった。ストレスなくのびのびと、ワーグナーのテノールの声を堪能できます。(でも、ヘルデンテノールというのとは違いますよね。)一方で見た目も白鳥の騎士にピッタリで、ヨハン・ボータはこの点で惜しい。オペラに外見は関係ないとは言っても、聴衆は目からも情報を得ていますし。「キャンセルせずに良く来てくれた」とは幕間のロビーでよく聞かれた会話です。有名な一部の歌手は、昨年は日本に現れませんでした。フォークトも、もう今後新国立に登場することはないと思いますが、株は確実に上がりました。今日、知人と話していて、「そうだ・・・新国立の『ホフマン物語』にも登場したんだった」と話題になりました。そのときもいい声の歌手だと思った記憶がありますが、ガランチャの印象が強くて、あまり彼のことを思い出せない。その時と比べると、彼もビッグになりました。他の歌手も粒が揃っていて、テルラムントのグロホフスキーを気に入りましたが、殊勲賞はやはり合唱ではと思います。新国立劇場合唱団の完成度はすごい。日ごろから評価の高い合唱団ですが、今日は本当にこの劇場の財産だなあと感じ入りました。いつも文句が残る東フィルですが、今日はかなり健闘していました。音楽性を云々する前に、金管にガッカリすることが多かったのですが、久々に聞くこのオケの金管は立派でした。テコ入れされたのでしょうか。ワーグナーはこうでなくては。(うるさくブーイングする人が一人いましたが)ここしばらくの新国立の演目の中では、最高の出来だったと思います。すごく満足し、税金を使ってこのレベルのオペラをこの金額で見られることがうれしかったです。(私の席ランクだからこそ言えるのかもしれませんが。)あ・・・演出と衣装はかなりガッカリではありました。歌手をほとんど棒立ちで歌わせていました。衣装もなんだかな・・・。エルザの衣装は、どれも今ひとつです。一幕の襟に旅行用枕がくっついたような服とか、3幕の喫茶店ウェイトレスのエプロン風とか。でも、まあ、他が大いに満足したので、許せる気分です。
2012.06.10
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オペレッタの中でも、この『メリー・ウィドウ』は特に好きです。ちょっと切ないメロディがたまりません。指揮:エンリコ・ドヴィコ演出・美術:マルコ・アルトゥーロ・マレッリミルコ・ツェータ:アンドレアス・ダウムヴァランシェンヌ:マルティナ・ドラークハンナ・グラヴァリ:アレクサンドラ・ラインプレヒトダニロ・ダニロヴィッチ:モルテン・フランク・ラーセンカミーユ・ド・ロション:ヴィンセント・シルマッハーカスカーダ子爵:ミヒャエル・ハヴリチェク ラウル・ド・サン・ブリオシュ:ロマン・マルティンボグダノヴィッチ:ヨアヒム・モーザーシルヴィアーヌ:リディア・ペスキクロモウ:ライムント・マリア・ナティエスタオルガ:ベアーテ・リッタープリチッチ:フランツ・ズーラーダプラスコヴィア:スーリエ・ジラルディニェーグシュ:ロベルト・マイヤーウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団ウィーン・フォルクスオーパー合唱団ウィーン国立バレエ団主役の2人も、取り立てて歌手として声がいいというわけではありません。ただ、息のあったアンサンブルと演技力で、魅せてしまう。声の威力という点では、ロションのシルマッハーがやはり一押しですね。そして、場を制する演技という点では、ニェーグシュのロベルト・マイヤー。さすがです。彼がいると舞台が締まります。最後のマキシムのカンカンですが、このはじけ方は本場モノならでは。日本人ではこういうわけにいきません。なんたって、ヴァランシェンヌ役の歌手のマルティナ・ドラークが、歌いながらカンカンを踊ってしまうんですから。千秋楽を『メリー・ウィドウ』にしたのは「わかる!」と思いました。とにかく楽しい公演でした。
2012.05.27
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体調が悪いとは思いませんでしたが、座ったとたんに眠気が。前半は夢うつつで過ぎてしまいました・・・。指揮:サッシャ・ゲッツェル演出:アルフレート・キルヒナーファルスタッフ: フランツ・ハヴラタフルート氏: モルテン・フランク・ラーセンライヒ氏: マルティン・ヴィンクラーフェントン: ダニエル・ベーレシュぺ―ルリヒ: ジェフリー・トレガンツァカーユス: マルコ・ディ・サピアフルート夫人: ジェニファー・オローリンライヒ夫人: アレクサンドラ・クルーゼアンナ: アーニャ=ニーナ・バールマン給仕: フランツ・ズーラーダ野ウサギ: フロレンティーナ・クビツェクウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団ウィーン・フォルクスオーパー合唱団ウィーン国立バレエ団ずっと前からニコライの『ウィンザー・・・』を見たいと思ってはいましたが、それほど楽しめませんでした。もっとも、後半しかちゃんと見れていないのですが。あんまりこういうストーリーが好きではない、というだけのことかもしれません。(だから「ファルフスタッフ」も同様なんですが、ヴェルディの方が音楽がずっとノリやすい。)それでも、歌手のアンサンブルは乱れがないですし、なかでもフランツ・ハヴラタのファルスタッフは低音がよく響いてなかなかよかった。ゲッツェルの音楽もイキのいいものでした。前半をほとんど眠ってすごした、と会場で出会った知人に言ったら、「後半はフェントンが飛行機に乗って歌うし、ウサギが大化けするからちゃんと目をあけておくように」と言われました。(彼はこの演目を見るのが2回目だったらしい。)必死で見ていました。ウサギさんはいったいなんでああなったのか、ついに合点がいかないままでしたが、つきつめて考えても仕方ないかと(笑)。フォルクスワーゲンのバン(?)も登場したので、装置にお金はかかっていそうです。
2012.05.20
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残業・・・のはずが、急遽予定がなくなったので、夕方はいそいそと東劇へ。METライブビューイングの「椿姫」の上映期間は今日で終わりですから。指揮:ファビオ・ルイージ 演出:ヴィリー・デッカー出演:ナタリー・デセイマシュー・ポレンザーニディミトリ・ホヴォロストフスキー[ MET上演日 2012年4月14日 ]デセイが不調なのが惜しいですね。咳き込んでいましたから、風邪でしょうか。高音は出ますが、あきらかに鼻声になっていました。演技力はさすがです。スクリーンでUPで見ていると、女優かと思うほどの動きですね。今回は、タイトルロールより男声2人がよかった。マシュー・ポレンザーニはそれほど好きではありませんでしたが、いい声ですよね。すごく伸びやかで。若くて純粋なアルフレードという感じがします。ホヴォロストフスキーのパパ・ジェルモンは、やっとここにきて年齢と役がマッチしてきました。以前は「どっちがパパでどっちが息子?」と思うようなバランスでした。一見冷酷そうで威厳のある父親です。若干くぐもった声も、貴族的な要素を加えます。オケを煽るルイージもなかなかよかった。ドラマティックな音楽でした。ヴェルディは呑気に演奏しないでほしいわ・・・というこちらの期待にほんとに応えてくれます。何度も見た、このデッカーの演出ですが、登場人物の動作が現代的なところが好ましいです。ああ、このテキストはこういう意味なんだな・・・と今さら理解が深まるところがありました。
2012.05.18
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エコノミーで珍しく3階Lの1列目が手に入ったので、そこそこ楽しみにしていました。ヨハン・シュトラウスII世『こうもり』指揮:アルフレート・エシュヴェ演出:ハインツ・ツェドニクアイゼンシュタイン:セバスティアン・ラインターラーロザリンデ:エリーザベト・フレヒルアデーレ:ベアーテ・リッターイーダ:マルティナ・ドラークファルケ博士:ダニエル・シュムッツハルトオルロフスキー公爵:アルクサンドラ・クルーゼアルフレート:ヴィンセント・シルマッハーイワン:ハインツ・フィツカフランク:クルト・シュライプマイヤーフロッシュ:ロベルト・マイヤーブリント博士:ロマン・マルティンウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団ウィーン・フォルクスオーパー合唱団ウィーン国立バレエ団楽しかった。独特の‘溜め’があって、それに酔ってるのが心地よいです。指揮者とオケには感謝!キャストは、フロッシュのロベルト・マイヤー以外は、誰が突出しているわけではない。でも総じて聴かせますよね。あんまり拍手はありませんでしたけど、私はロザリンデのチャールダッシュが気に入りました。カルメンとこのチャールダッシュは、ややドスの効いた声で聴くのが好みです。アデーレはイーダ役から急な交替でしたが、多少ふらついたものの、なかなか芸達者なころを見せました。ホームの劇場でも、よくあることなのかもしれません。オルロフスキー公爵はアルクサンドラ・クルーゼ。雰囲気に合ってました。バレエ団は先日の「こうもり」(バレエのプティ版)の上演から、そのまま日本に残ったのでしょうか。もう見知った顔がいくつか。このバレエ団のコールドは、本当に体型が揃っていて、身体能力も高い人が多いですね。2幕のバレエだけでも楽しい。新国立のダンサーも皆うまいけれど、弾けるようなところがなくて、残念に思っていました。ウィーンの「こうもり」はどこをとっても、楽しめました。
2012.05.13
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マリウシュ・クヴィエチェンがお目当ての、新国立ドン・ジョでした。【指 揮】エンリケ・マッツォーラ【演 出】グリシャ・アサガロフ【美術・衣裳】ルイジ・ペーレゴ【照 明】マーティン・ゲップハルト【ドン・ジョヴァンニ】マリウシュ・クヴィエチェン【騎士長】妻屋秀和【レポレッロ】平野 和【ドンナ・アンナ】アガ・ミコライ【ドン・オッターヴィオ】ダニール・シュトーダ【ドンナ・エルヴィーラ】ニコル・キャベル【マゼット】久保和範【ツェルリーナ】九嶋香奈枝【合 唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団クヴィエチェンの、圧倒的な一人舞台と言ったところでしょうか。高速で歌われる「シャンパンの歌」の歯切れの良さにホレボレします。他の歌手では、アガ・ミコライの強い声が、ドンナ・アンナとしては新鮮でした。残念なのはダニール・シュトーダ。調子が悪かったのでしょうか。マッツォーラ&東フィルは、思ったより舞台心のある演奏でした。煽り方も悪くないと思いました。
2012.04.22
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偏頭痛がひどくて、朝から薬を飲み続けていました。開演時には何とか治まってよかったです。大好きなタンホイザーですから。【出演】指揮:アダム・フィッシャータンホイザー:ステファン・グールドエリーザベト:ぺトラ=マリア・シュニッツァーヴェーヌス:ナディア・クラスティーヴァヴォルフラム:マルクス・アイヒェ ヘルマン:アイン・アンガーヴァルター:ゲルゲリ・ネメティビーテロルフ:シム・インスンハインリッヒ:高橋 淳ラインマール:山下浩司 牧童:藤田美奈子管弦楽:NHK交響楽団合唱:東京オペラシンガーズ合唱指揮:マティアス・ブラウアー、宮松重紀 ※ドレスデン版 全3幕/ドイツ語上演、字幕付 4/5の公演を聞いた知人から「空席が多かった。あまり盛り上がらなかった。」と聞いていたんですが、それが信じられないくらい私は感動しました。この歌手の顔ぶれを見ただけでも、どんな公演になるか、検討がつこうというもの。それに、指揮は‘名匠’アダム・フィッシャーです。グールドやシュニッツァーがどうくるかはもちろんわかっていましたが、今日の収穫はヴォルフラムのアイヒェ。バリトンなのに、高い声が出るんですね。ヴォルフラムはこんふうに歌ってほしいというのが私にあって、なかなか満足できる歌手が少ない。普段はとても好きな歌手でさえ、ヴォルフラムを歌ったとたん、「大したことない」と思ってしまうほどです。しかし、アイヒェ は違いました。エリーザベトに向けられる気持ちが、苦しいくらいに伝わってきました。悲しくて、ホントに泣いてしまいました。単なる「片思い」を越えています。ヘルマンのアンガーもいい声ですね。見っけもの、でした。アダムは思ったより、起伏の激しい指揮ぶりでした。ここまでやるのかと思うほど、遅いところと早いところの差が激しくて、テクニック的には上手なN響も、ついていくのが難しそうなところがありました。オペラ慣れしていない、ということもあるような気がします。しかしまあ、やはり弦楽器はさすがのレベルで、幻想的なな雰囲気が出ていたと思います。演奏会形式なのでオケピに入らないとはいえ、オケはフルフルの大人数。いろんな意味で大サービスでした。バックの映像は静的なもので、ちょっと期待はずれ。でも、まあ、事前に‘演奏会形式’と断られていますから不満はありません。歌競技会(?)の会場などは、こちらが場面を想像するのを助けてくれるような画像が投影されてよかったです。終演後、私は思い切り拍手をしました。「もう一度聴きたい」と思う(ことは私は滅多にない)、すばらしい公演だったと思います。
2012.04.08
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最近の体調不良は睡眠不足のせいだと思っていましたが、たっぷり寝た週末でもやはり異常にダルイ。這うようにして新国立劇場へ。【指 揮】ジャン・レイサム=ケーニック【演 出】マリオ・マルトーネ【オテロ】ヴァルテル・フラッカーロ【デズデーモナ】マリア・ルイジア・ボルシ【イアーゴ】ミカエル・ババジャニアン【ロドヴィーコ】松位 浩【カッシオ】小原啓楼【エミーリア】清水華澄【ロデリーゴ】内山信吾【モンターノ】久保田真澄【伝 令】タン・ジュンボ【合 唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団歌手のレベルは、客観的にまずまずではありました。でも、私の気分がのらなかったのは、オテロのフラッカーロのせいです。この声でカラフを聞くのはよかったんですけど。私的オテロじゃないんです。ドミンゴのようなバリトン並みの重みが感じられないせいか。自分の中のスタンダードって、どうやっても崩せませんね。デスデーモナはポプラフスカヤからマリア・ルイジア・ボルシに。これは替わってくれてうれしかったです。単に好き嫌いの問題ですが、先にキャスティングされた方は苦手なんです。イアーゴのミカエル・ババジャニアンはよかった。性格描写のうまいバリトンで、わかりやすい(?)イアーゴでした。屈折してなくて、はっきり悪者。1階席にいた知り合いによると、目の演技もすごい!?らしい。(私は4階・・・)まあ、こんなものかなと思った「オテロ」でした。
2012.04.07
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ワーグナー続きでうれしいことです。指揮:沼尻竜典 演出:ミヒャエル・ハンペヘルマン:妻屋秀和 タンホイザー:福井敬 エリーザベト:安藤赴美子 ヴェーヌス:小山由美 ヴォルフラム:黒田博ヴァルター:松浦健ハインリヒ:二塚直紀ビテロルフ:萩原潤ラインマル:山下浩司 牧童:森季子合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル、二期会合唱団?管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団日本人歌手としては、最高の布陣です。タンホイザーの福井さんの声は、明瞭でよく通りますね。ヴェーヌスと絡むところは、桃源郷にいるにしては現実的なタンホイザーでしたが、だからこそ彼女の元を去ったとも言え(笑)、まあいいかと。エリーザベトの安藤さんは、以前聞いたときより格段にすばらしくなっていました。繊細なのに威厳があって、それでいて大音量にも負けません。2幕の幕開けで、歌合戦の会場に感謝するところでの登場感もなかなかだったと思います。ヴォルフラムの黒田さんは相変わらずの美声だったし、ヴェーヌスの小山さんともども、「ベテラン健在」でもありました。一方、オケは沼尻さんの指揮のもと、陶酔感が出ていました。一本調子の感は否めないですけど、新国あたり(!)よりはるかによかった。演出は、今時オーソドックスすぎる舞台にびっくりもしましたが、その分音楽に集中できました。かなり満足した「タンホイザー」となりました。こういう上演を、オール日本人で見ることができるのはいいですねえ。
2012.03.25
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お目当てはニキティンのオランダ人。前評判の高い指揮者にも、興味津々でした。【指 揮】トマーシュ・ネトピル【演 出】マティアス・フォン・シュテークマン【ダーラント】ディオゲネス・ランデス【ゼンタ】ジェニファー・ウィルソン【エリック】トミスラフ・ムツェック【マリー】竹本節子【舵 手】望月哲也【オランダ人】エフゲニー・ニキティン【合 唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京交響楽団噂のネトピルの実力はこんなものなんでしょうか。ちょっと音が薄いと思うところもあって、それはオケのせいかもしれません。期待のニキティンは、(まあ以前からそうですが)美声ではあるものの、ここぞというときにちょっと物足りない。どちらかと言うと、上品なオランダ人ではありました。はっとするほど存在感を感じたのは、舵手の望月哲也さんでした。いい声ですねえ。それでも、日本で聞ける「オランダ人」としては、まずまずなんじゃないでしょうか。すごく期待していたので、それほどでもないかとは思うものの、4階最後列の席で聞くには悪くなかったです。
2012.03.17
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なんか体調がよくないけど、16:30開演なので休日にしか観に行けないからとムリに出かけました。指揮:ファビオ・ルイージ 演出:ロベール・ルパージュ出演:デボラ・ヴォイトジェイ・ハンター・モリスエリック・オーウェンズヴァルトラウト・マイヤー結局・・・半分見たところで、もう映画館を出てしまいました。心身共に好調でないと、ワーグナーは堪能できませんね。しかし・・・それでも歌手はよかった。ジェイ・ハンター・モリスはもはや代役とは思えません。声も容姿もジークフリートにぴったりです。演技力も、前作より磨きがかかったような気がします。初役というデボラ・ヴォイトも、ブリュンヒルデがこんなに合うとは思いませんでした。前半を聞く限りは、声がキツイという気はしません。そして、ワルトラウテがヴァルトラウト・マイヤーだとは知らずに出かけたので、うれしい驚きでした。METは、脇にこんな配役ができるんですね。でも、体力が続かなかったのが残念です。後半の方が見どころなのに。そして、映画なのに5,000円という料金をうらめしく思いました。
2012.03.04
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あっという間に巷の話題になった新進の指揮者を聞きに(?)、上野に出かけました。指揮:アンドレア・バッティストーニ 演出:ダニエレ・アバド ナブッコ:上江隼人 イズマエーレ:松村英行 ザッカーリア:ジョン・ハオ アビガイッレ:板波利加 フェネーナ:中島郁子 アンナ:江口順子 アブダッロ:塚田裕之 ベルの司祭長:境 信博 合唱:二期会合唱団管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団「ナブッコ」というオペラそのものが、日本で上演されるのはとても珍しいものだけに、歌手やオケがどうであれ、聞きに行かねばとは思っていました。確かに、歌手もオケもそれなりではありましたが、若手指揮者の力量は評判どおり!「イタリアの血」を感じさせてくれる指揮者というのが、まだいるもんなんですね。若き日のマエストロ・ムーティのようです。音楽に年は関係ないとはいえ、24歳とは恐れ入りました。序曲のところだけでブラヴォが上がるのも、珍しいです。歌手陣の中では、ナブッコの上江隼人さんがよかった。日本人でアビガイッレを歌う歌手がいるのかと思っていましたが、板波さんが堂々とこなしていました。古典的な(?)歌い方が私の好みでなく、少々残念。この日、指揮者を除けば、敢闘したのはそうは言っても合唱とオケでしょうか。「行け我が想いよ・・・」は、お約束のアンコールで繰り返してくれてうれしかった。「日本でここまでやってくれれば、細かいコトは言わない」というのが知人一同の意見でしたが、難を言えば、歌手の棒立ちは改善の余地があると思います。チラシにあったように、演出家に「DNAに刻まれる音楽感」があったらよかったのに。オペラは音楽が牽引するのは事実で、それがためにすごく満足した公演でした。
2012.02.19
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‘そんなに好きじゃない’割には、かかるとついつい見てしまうオペラです。【指揮】コンスタンティン・トリンクス【演出】粟國 淳【ミミ】ヴェロニカ・カンジェミ【ロドルフォ】パク・ジミン【マルチェッロ】アリス・アルギリス【ムゼッタ】アレクサンドラ・ルブチャンスキー【ショナール】萩原 潤【コッリーネ】妻屋秀和【べノア】鹿野由之【アルチンドロ】晴 雅彦【パルピニョール】糸賀修平【合 唱】新国立劇場合唱団【児童合唱】TOKYO FM少年合唱団【管弦楽】東京交響楽団主役級4人はバランスが取れているものの、あまり圧倒的な人はいませんでした。特にミミとロドルフォは、声は出ているのにちょっとしたクセが好きになれません。ミミは1幕の最高音で聞こえたカタイ声質が、ロドルフォはなんとなくベッタリ引っ張るような歌い方が気に入りませんでした。そういう意味では、ムゼッタのアレクサンドラ・ルブチャンスキーとマルチェッロのアリス・アルギリスの方が、私的にはよかったです。あくまでも‘好み’の問題ですが。演出はもう見なれたものとは言え、凝っていてなかなかいいですね。新国立の力量、みたいなものを感じます。仕事で呼び出され、最後の幕は見られませんでした。でも・・・まあ・・・そう惜しくないところがまた残念だったりします。。。
2012.01.29
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外部での打合せを終えたあと、はっと気付きました。METの「ファウスト」を見るなら今日しかない!他の日は仕事の調整つかない。・・・出先から会社へ戻らず、東劇へ向かいました。指揮:ヤニック・ネゼ=セガン 演出:デス・マッカナフ出演:ヨナス・カウフマンマリーナ・ポプラフスカヤルネ・パーペ[ MET上演日 2011年12月10日 ]カウフマンとパーペ、という2大スターの競演です。どっちも役柄にピッタリです。カウフマンは、もうホントに大スターなんですね。旬のスターの輝き(声・容姿・オーラ)に改めてクラクラしました。現代の読み替えした衣装もよくお似合い・・・。(上記↑写真)こんな男性にすがりつかれたら、お断りできる女のイメージが湧きません(笑)。彼の声が以前は苦手だったんですが、艶のある声に今さらびっくりです。日本に来なかったときに、周囲が言うほどショックは受けなかったのですが、それは認識が足らなかったせいかも。今のカウフマンを聞いたなら、やっぱりこれは生で聞きたくなります。ルネ・パーペは役にはまりすぎなくらいでした。最初の幕で、パーペはスキップした足を上に振り上げていました。マジックもお上手。ノリノリです。ファウストより出ずっぱりのメフィストフェレスですが、幕が進むにつれて邪悪さが表に出てくるのを上手く演じていました。演出にブーイングが出ていました。現代的すぎるということでしょうか。私的には、原爆をモチーフにした演出のところが白けました。なんでこのオペラにああいうふうに取り上げられるのか、解せません。歌手の力量がそろっているプロダクションですが、実は一番印象に残ったのはオケの音でした。映像に気を取られていると気付かないときも多いのですが、今回はオケの紡ぎ出す音楽に気がひかれました。それぞれのシーンにぴったりの音楽がクリアに流れてきていました。METのオケの実力はすごいなと改めて思いましたが、指揮者の効力かしれませんね。
2012.01.18
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やっぱり胃が痛い。お医者に頓服の胃薬ももらって(他の薬ももらってる)、それを飲んでやりすごしています。それを服用したらとりあえず痛みは治まるんだけど、「じゃあそれでいい」(byドクター)んでしょうかねえ。毎日、キリキリ痛いんですけど。。。グレギーナが出るというので、オーチャードへ出かけました。トゥーランドット:マリア・グレギーナカラフ:オレグ・クリコ (テノール) リュー:アーラ・ミシャコワティムール:セルゲイ・ザムィツキーアルトゥム:イェヴゲニー・ガヴリジピン:アレクサンドル・ラーピンパン:ヴィクトル・チェルヴォニュークポン:イーゴリ・コルナトフスキー役人:アレクサンドル・ブラゴダールヌイ指揮:ユーリィ・ヤコヴェンコ管弦楽:ウクライナ国立オデッサ歌劇場管弦楽団合 唱:ウクライナ国立オデッサ歌劇場合唱団バレエ:ウクライナ国立オデッサ歌劇場バレエオーチャードって、ホントに遠くから舞台を見ることになるんですね。武蔵野は近くてよかった。だけどグレギーナだから、ビンビン声が飛んできます。なんだかスカッとします(笑)。グレギーナが指名した(?)とかいうテノールのクリコも、声量はまず問題なかったんではないでしょうか。ちゃんと歌い通すというミッションさえ果たせない歌手が多い。リューはまずまずでしたが、ピン、パン、ポンの3人はもっとはじけていてもいいのにと思いました。今回は知人にチケットを譲ってもらったので、珍しくも2階席。でも・・・座るところを間違えたかもしれません。「イナバウアーが楽しみ」とか「ほら、イナバウアーの歌よ」(もう古いですよね)とか言う声が周囲から聞こえてきて、興ざめです。仕方ないですけどね。演出もそんなに文句ありません。簡素なセットも、あまり中国中国してなくて、遠目にはキレイでしたし。グレギーナよければ・・・ということで、まあ満足して帰ってきました。
2012.01.15
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武蔵野で18時開演でしたので、新宿での打合せを17時で切り上げ、会場に向かいました。武蔵野の公演は評判が高いけど、交通が不便で、平日は絶対間に合いません。なのでこちらに行ったのは、過去1回きりでした。しかし、14日の都心での「イーゴリ公」に行けないので、今回は仕事の方を調整。指揮:ユーリィ・ヤコヴェンコイーゴリ公:アレクサンドル・ブラゴダールヌイヤロスラーヴナ:エレーナ・スクヴォルツォヴァガリツキー公:セルゲイ・ザムィツキーコンチャク汗:ヴラディーミル・グラシェンコヴラディーミル:アレクセイ・スレブニツキーコンチャコーヴナ:リリア・クチシェヴァウクライナ国立オデッサ歌劇場管弦楽団 ・合唱団・バレエ団ロシア・オペラの素朴さが好きですが、ここまでして出かけるお目当てははっきり言って「韃靼人の踊り」でした。そしてその期待は裏切られませんでした!20名ばかりの劇場付きのダンサーと思われましたが、そのコンパクトさにもかかわらず、すごい迫力です。これだけは、やはり生のロシアのダンサーに限りますよね。申し訳ないけど、歌手陣よりレベル高かったかも。。。ダンサーの名前が発表されていないのが残念です。肝心のオペラは、かなりカットされていました。第三幕ほとんど(全部?)と第四幕の一部がカット。イーゴリ公の敵方からの必死の大脱走がないと、なんか締まりませんね。夫の不在を嘆く妻が、突然「あ、帰ってきたわ!」となるのは劇的でない。歌手の方々は、まずまずでした。想定したレベルどおりか、それ以上で歌ってくれました。これは武蔵野市民文化会館という会場のせいもあるかもしれません。オーチャードほどの大きさがないので、声量の問題はあまりない。中では、コンチャク汗を歌ったヴラディーミル・グラシェンコの声のキャラが立っていて、会場が沸きました。安かったし、見やすかったし、このホールへは三鷹駅からバスが頻繁に出ていることを初めて知ったし、割とファンになりそうです。実は客席は満席でした!今回、これにはびっくり。「イーゴリ公」ですよ・・・。それに、平日18時開演なんですよ。そりゃ、私は絶対行こうと思っていたけど、普通はあまり入らないでしょう。リーズナブルさが受けているんでしょうか。会場で知人に会った際に、「イーゴリ公の脱出のところ」とか、息子とコンチャク汗の娘との恋愛(結局息子は捕虜のまま、汗の娘婿となる)とかのシーンも欲しかったよね。史実でもあるしさ。」と話しました。オペラの構成はさておき、物知りな知人によると、驚きの事実が。◆当時はロシア貴族諸侯と汗国は頻繁に姻戚関係を結んでいたそうで、息子の件は珍しくない出来事だそう。なんと、イーゴリ公の祖母も汗国の女性で、彼の中にもタタールの血が流れていた・・・。◆件の息子は、後年、妻と息子を連れてロシアへ帰国。妻はキリスト教(ロシア正教)への改宗した記録があるそうです。少しでもリアリティのある冒険ドラマはいいですね。いろんな意味で満足し(笑)、帰路につきました。
2012.01.13
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昨日に引き続きヘンデル。上映期間のうち、見るとしたら今日しか都合がつかないので、早めにオフィスを出ました。指揮:ハリー・ビケット 演出:スティーヴン・ワズワース出演:ロデリンダ:ルネ・フレミンググリモアルド:ジョセフ・カイザーベルタリード:アンドレアス・ショルエドゥイージェ:ステファニー・ブライス ウヌルフォ:イェスティン・デイヴィースガリバルド:シェン・ヤン単純でわかりやすいストーリーなので、音楽的な部分も楽しみやすいです。バロック・オペラのアリアとなると、すべての動きを止めて歌いますが、ワズワースの演出では舞台上でストーリーが進行しています。私は正直なところ、この方が取っつきやすかった。楽しみにしていたショルは、映像のせいか、あまり声に張りがないような気がしました。カウンタテナーだから、とも言えないでしょう。イェスティン・デイヴィースはそうでもなかったです。(それどころかデイヴィースは演技力も発揮していました。)ジョセフ・カイザーはバロック的ではないものの、舞台では華がありますね。演出のワズワースも「彼が舞台を活性化する」というようなことを言っていました。もっと他の舞台も見てみたい歌手です。私はバックグラウンドも何も知らず見に行きましたが、ロンバルディア王国の話なんですね。7~8世紀頃のことなので、この衣装や舞台装置ですら読み替えなのだと気付きました。欧米の人には浸透している歴史的な事実なんでしょうけど、「王国の一部だけで我慢する」とかいうグリモアルドの発言などがあって、途中でちょっと混乱しました。兄弟で王国を分割相続して争い、その弟の方にグリモアルドは付いていたのでした。オペラを楽しむのにそんなことは適当でいいじゃない、と会場で会った知人に言われましたが、いやいやそうは行きません。。。それでも、すごく楽しめた作品でした。新しい試みもありますが、作品の力が大きいと思います。
2012.01.10
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