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通常は、新国立へはゲストの時しか観に行かないのだけど、なんとなく年末に「くるみ」を観ておきたかった。金平糖の精:さいとう美帆 王子:マイレン・トレウバエフ クララ:小野絢子 雪の女王:堀口純 ドロッセルマイヤー:森田健太郎シュタルバウム:逸見智彦シュタルバウム夫人:楠元郁子フリッツ:加地暢文 ハレーキン:江本拓コロンビーヌ:伊東真央トロル:八幡顕光ねずみの王様:市川透くるみ割り人形:八幡顕光スペイン:西川貴子/古川和則アラビア:寺島ひろみ/貝川鐵夫中国:寺島まゆみ/江本拓トレパック:福岡雄大/八幡顕光/福田圭吾葦の精:高橋有里/長田佳世/大和雅美花のワルツ:遠藤睦子/丸尾孝子/西山裕子/寺田亜沙子/陳秀介/高木裕次/輪島拓也/芳賀望ほんとに何気に行くことにしたので、新制作のプロダクションだとも知らずにでかけた。装置も衣装も新しくなった。華やかさと繊細さがあって、なかなかステキ。冒頭のシーンで窓の外に見える高層ビル街は・・・あれ?新宿じゃないですか。どことなく都庁に似ているビルがある。いや、東京都庁に違いない。。。現代の東京、という設定なんですね。それでも、以降はスタンダードな「くるみ」の演出でホッとする。時計が12時を告げると、舞台に登場したねずみの王様が、すごく大きくて存在感があった。雪の精のシーンや花のワルツのところの衣装や装置も美しい。?と思ったのはスペインとアラビア。スペインは普通の市民の格好。他の演目のスペインの踊りは闘牛士のような華やかがあり、それに慣れているので、この平服(?)は違和感がある。アラビアはバックにスフィンクスが描かれていた。男性ダンサーのかぶりものもエジプト風だったので、そういたちう設定にあえてしたのかしらと不思議。振付はトレパックと葦の精がよかった。トレパックは3人が舞台いっぱいを使って元気よく踊っていた。ここでの拍手が大きかったのも当然という感じ。葦の精たちもなかなか技巧を見せ、ピケターンなどの回転技が華麗でした。通常なら、クララ・金平糖の精・王子サマにまず目が行くのだけど(そして最終日の今日の主役たちはもちろんすばらしかったのだけど)、主役以外のキャストも充実していてなかなか楽しい「くるみ」だった。
2009.12.26
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会社から1駅ということもあり、ふらっと出かけてみた。NYCBのアシュリー・ボーダーとロイヤル・バレエのアリーナ・コジョカルというお目当てはあったけど。第1部1. グラン・デフィレ YAGP 2010 日本予選参加者 2. ワン・タンゴ 玉川 貴博 シュツットガルト・バレエ ジョン・クランコ・スクール 3. サタネラよりグラン・パ・ド・ドゥ 毛利 実沙子、末原 雅広 ソウダバレエスクール 4. オラ 淵上 礼奈 英国ロイヤルバレエスクール 5. コッペリアよりスワニルダのバリエーション 左右木 茉琳 左右木健一・くみバレエスクール YAGP 2010 日本予選 プリコンペティティブ部門第1位6. グラン・パ・クラシックよりバリエーション宮川 新大 坪田バレエ団附属坪田バレエスクールYAGP 2010 日本予選 シニア部門男子第1位 7. アワ・ソングズ 小池バレエスタジオ YAGP 2010 日本予選 アンサンブル部門 8. パリの炎よりグラン・パ・ド・ドゥ 涌田 美紀、木ノ内 周 ABT ジャクリーン・ケネディ・オナシス・スクール 9. シャドウ 金田こうのバレエアカデミー YAGP 2009 NYC ファイナル アンサンブル部門 金メダル10. グラン・パ・ド・ドゥ 酒井 はな 新国立劇場バレエ団、ジェイソン・レイリー シュツットガルト・バレエ団 第2部1. デフィレ YAGP 出身者 YAGP 2010 日本予選参加者 2. ノット・エニー・モア スカイラー・ブラント、テルモ・モレイラ ABT II 3. ロミオとジュリエットよりパ・ド・ドゥ 康村 和恵、清水 健太 K バレエカンパニー 4. プシュケ酒井 はな 新国立劇場バレエ団、島地 保武 ザ・フォーサイス・カンパニー 5. コントラディクション ルビナルド・プロンク モルフォーセス/ザ・ウイールドン・カンパニー6. チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ アシュリー・ボーダー、ゴンザロ・ガルシア ニューヨーク・シティ・バレエ 7. ゴパック ゲナディ・サヴェリエフ アメリカン・バレエ・シアター 8. 海賊よりグラン・パ・ド・ドゥアリーナ・コジョカル、セルゲイ・ポルーニン 英国ロイヤルバレエ団 第1部は酒井はなさんとジェイソン・レイリーの「グラン・パ・ド・ドゥ」が面白かった。酒井さんは役者ですねえ。 睡眠不足で、第2幕ははじめから沈没。「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」の途中から目が覚めたが、なんでかって言うとすごいノリノリな拍手だったから。踊る方には迷惑だったよねえ、と思う。明らかに音楽のテンポに合ってない。(というか音楽の拍より遅いし。)不思議な出来事だった。。。そして、圧巻はやっぱり最後のコジョカル。テクニックも存在感も圧倒的で、踊りながらキラキラと細かい宝石を捲き散らかしているようでした。
2009.12.22
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今回、スケジュールの都合で私が全幕で見られなかったヴィシニョーワ&コールプが最大の楽しみだった。仕事は早めに切り上げて(ちょっと同僚にお任せしてしまって)文化会館へ。≪シェエラザード≫ シャリヤール王:ソスラン・クラーエフ王の弟:カレン・ヨアンニシアン宦官長:ロマン・スクリプキンゾベイダ:ウリヤーナ・ロパートキナ黄金の奴隷:ダニーラ・コルスンツェフオダリスク:アナスタシア・ペトゥシコーワ、エフゲーニヤ・ドルマトーワ、リュー・チヨンロパートキナのゾベイダも期待していたのだけど、ちょっと好みでなかった。王妃というより愛妾という雰囲気。色っぽいのはいいけど、あんまり存在感を感じない=王の付属物としての女性、という感じだった。一方、コルスンツェフの黄金の奴隷は、実直で堂々としていて逞しくて・・・こっちは奴隷というより騎士。セクシーではないけど、すごく好感持ちました(笑)。どうもデフォルトがマハリナ&ルジマトフなので、私的には≪シェエラザード≫ でない別の物語のようだった。≪ジゼル≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ アリーナ・ソーモワ、ミハイル・ロブーヒン この≪ジゼル≫はちょっと。。。ソーモワは「イワンと仔馬」の姫君でぐっとMy評価がアップしたのも束の間、このジゼルで一挙にまたキライなダンサーに戻ってしまった。丁寧に踊っていたけど、威勢よすぎ。生命感あふれる・・・わけではないのに、力強くてシャープで、死んでウィリーになったわけでなく、もともとこういう存在として初めからあるような。まだしもミルタだったら違和感がなかったかも。ロブーヒンのアルブレヒトはそれなりでした。。。≪グラン・パ・クラシック≫ エフゲーニヤ・オブラスツォーワ、マクシム・ジュージン どちらも、上手いし新鮮味がある。なかなか見せてくれました。 ≪シンデレラ≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ ディアナ・ヴィシニョーワ、イーゴリ・コールプ 待ってました!という感じ。ラトマンスキーの振付はやっぱり好み。ヴィシはもうこれまでとは異なるフェーズに入ったのだろうか。振付があって踊っているというのではなくて、もともとそういう動きをする生命体のよう。からだの動きにムリがないのに、すごい超絶技巧。コールプはエレガントで、やっぱり今のマリインスキーの中ではお気に入り。今回、この2人の全幕を観なかったことを、とても後悔した。 ≪瀕死の白鳥≫ ウリヤーナ・ロパートキナ これもガラを12/10にした目的の1つだった。この演目では、知る限りやはりロパートキナが最高。≪タランテラ≫ ヴィクトリア・テリョーシキナ、レオニード・サラファーノフピアノ・ソロ:リュドミラ・スヴェシニコワはああ・・・この2人も本当にハイ・テクニック。それでいて、エレガントでユーモラスでなかなか楽しかった。バランシンには見えなかったけど(笑)。≪海賊≫ 組曲 華やぎの国~メドーラのヴァリエーション~オダリスク~パ・ダクション~コーダ メドーラ:アリーナ・ソーモワコンラッド:エフゲニー・イワンチェンコアリ:ウラジーミル・シクリャローフギュリナーラ:エフゲーニヤ・オブラスツォーワオダリスク:マリーヤ・シリンキナ、ヤナ・セーリナ、エリザヴェータ・チェプラソワソーモワはこういう役柄はなかなかいい。イワンチェンコもカッコイイ踊りなのだけど、強面すぎてコワイ。あ、シクリャローフも王子サマよりはこちらがかなり似合っていた。しかし、面子のせいか、最後に盛り上がるというほどではなかったのが残念。
2009.12.10
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あまり情報がなくて事前期待はそこそこ(おまけにソーモワをそれほど好きでないし・・・)だったけど、終わってみると最近これほど楽しい公演もなかった♪ 音楽 : ロジオン・シチェドリン振付 : アレクセイ・ラトマンスキー (2009年)台本 : マクシム・イサーエフ装置・衣裳 : マクシム・イサーエフ指揮 : ワレリー・ゲルギエフ管弦楽 : マリインスキー歌劇場管弦楽団 姫君 : アリーナ・ソーモワイワン / 皇子 : レオニード・サラファーノフ仔馬 : グリゴーリー・ポポフ侍従 : イスロム・バイムラードフ皇帝 : アンドレイ・イワーノフ父親 : ロマン・スクリプキン雌馬 / 海の女王 : エカテリーナ・コンダウーロワ大きな馬たち : アンドレイ・エルマコフ/ カミーリ・ヤングラゾフダニーロ : イワン・シートニコフガヴリーロ : コンスタンチン・ズヴェレフ娘たち : ヤナ・セーリナ/エレーナ・ユシコーフスカヤ/クセーニャ・ロマショワ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/エリザヴェータ・チェプラソワ/オリガ・ミーニナジプシーたち : アントン・ピーモノフ/フョードル・ムラショーフ/カレン・ヨアンニシアン/エレーナ・バジェーノワ/アナスタシア・ペトゥシコーワ/ポリーナ・ラッサーディナ/リュー・チヨン/アリサ・ソコロワラトマンスキーにブラヴォ!彼の舞踊言語は好みだが、割と散漫なイメージもあった。今日はほんとに彼の才能を感じる。シチェドリンの音楽もいい。ゲルギエフとマリインスキー管で聴けてうれしい。そして、ソーモワとサラファーノフは、それぞれの役柄にぴったり。(ソーモワが登場してしばらくしたら、苦手だったことを忘れていた。このちょっと高ビーで現代的なお姫様役がすごく似合う。)ポポフの可愛くてジャンプ力のある仔馬や、スタイル抜群なコンダウーロワの雌馬などキャストも贅沢だったと思う。思いだすと、最初から最後までいろいろと書けそうなぐらい、見どころ満載だったので、そうなると短い時間じゃ何も書けない。この演目を持ってきてくれて、ほんとにマリインスキーとジャパン・アーツに感謝したくなった。
2009.12.08
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テリョーシキナとシクリャローフ、なんでこのキャストの日にしたんだろう・・・と自分でもわからなくなったけど、よくよく考えてみたら、一番行きたかったヴィシニョーワ&コールプの日は、前からハイドン・フィルを聴きにいこうと決めていたし、ソーモワ&サラファーノフは他の演目で観に行く予定だから(ソーモワは1回でいい・・・)、まあテリョーシキナをちゃんと全幕で観てみるのもいいかも、と考えたのだった。結局ハイドン・フィルは仕事の都合で行けなかったので、その日にヴィシとコールプのチケットを取らなかったのはまあそれでよかったのだけど。オーロラ姫 : ヴィクトリア・テリョーシキナ国王 : ウラジーミル・ポノマリョーフ王妃 : エレーナ・バジェーノワデジレ王子 : ウラジーミル・シクリャローフ求婚者たち : コンスタンチン・ズヴェレフ、マクシム・ジュージン、アレクセイ・チモフェーエフ、デニス・フィルソーフリラの精 : ダリア・ヴァスネツォーワ優しさの精 : マリーヤ・シリンキナ元気の精 : アンナ・ラヴリネンコ鷹揚さの精 : エレーナ・ユシコーフスカヤ勇気の精 : ヤナ・セーリナのんきの精 : ヴァレーリヤ・マルトゥイニュクダイヤモンドの精 : アナスタシア・ペトゥシコーワサファイアの精 : ヤナ・セーリナ金の精 : アンナ・ラヴリネンコ銀の精 : エリザヴェータ・チェプラソワ悪の精カラボス : アントン・ピーモノフカタラビュット / ガリフロン : ソスラン・クラーエフ家来 : アナトーリー・マルチェンコフロリナ王女 : マリーヤ・シリンキナ青い鳥 : アレクセイ・チモフェーエフ白い猫 : ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク長靴をはいた猫 : フョードル・ムラショーフ赤ずきん : エレーナ・ユシコーフスカヤ狼 : アナトーリー・マルチェンコ子供たち : バレエ シャンブルウエスト指揮 : ボリス・グルージン管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団テリョーシキナはとてもよかった。彼女はちょっとお顔がコワイけど(失礼!)、すごくたおやかな踊り方をしていた。テクニカルに強いイメージ(勝手にそう思っていた)があったけど、パキパキに技巧を前面に出すことはない。正確で、必要以上に何かを誇張することのない優雅な踊りで、とても好感を持った。それでいて、もちろんローズ・アダージョのバランスは、微塵のゆるぎもなく完璧。思い切り拍手をしてしまった。ところで、相方(パートナーというには差がありすぎ)のシクリャローフ君はまだ発展途上。以前の頼りないイメージが払しょくできなかったけど、それでも月日は彼を成長させたかなと期待していた。・・・彼にはもうちょっと時間が必要かも。バラ色の頬は以前のイメージをとどめるけど、体型はもうちょっとコントロールした方が王子様らしい。そして相変わらずソロで踊る分にはジャンプも高いし回転も速いのだけど、サポートはダメダメなまま。必死でテリョーシキナを抱えるシクリャローフを見て、落とさないか心配だった。次に観るときまでには頑張って精進してほしいな。4人の求婚者王子は割とラテンな感じで、彼らの表情が面白くてオペグラでずっと見ていた。この王子サマたち、ほんとに王女サマに求婚してるの?と思うくらい無表情なバレエ団が多いけど、今回は4人とも明るい微笑みを絶やさず、今にもウィンクしそうな茶目っけを感じる。バレエ シャンブルウエストの子どもたちもしっかり踊ってて、なかなかレベルが高く、これは楽しめました。
2009.12.05
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マリインスキーで気持ちが盛り上がっていて、キエフ・バレエを忘れそうになっていた。だけど、それは私のスタンスで、客席は結構埋まっていた。オーロラ姫:エレーナ・フィリピエワデジレ王子:セルギイ・シドルスキー指揮:オレクシィ・バクラン演奏:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団 フィリピエワの出演する日を選んだのだけど、「白鳥」のグラン・フェッテが大変そうだったので、ローズ・アダージョはどうだろう・・・と心配だった。しかし、彼女は回転よりバランスの方がぐっと安定してて、ローズ・アダージョはビクともしない完璧さ。ベテランではあっても、容姿が可愛らしいので、オーロラのイメージにぴったりだ。だけど、今日心を持っていかれたのはシドルスキー♪「白鳥」のときよりさらに好調。からだのキレもすばらしいけれど、エレガンスをすごく感じる。等身大王子もよいけれど、‘いかにも’っていう感じの生活感のない王子サマもやはりよいです(笑)。うっとり。伴奏もすばらしく、時として聴き入ってしまう。金管も木管もハープも何だか日本のオケと音色が違うんだよね、とマリインスキー・バレエで誤解したくせにやっぱりここでも思っていたら、今日の伴奏はウクライナ国立歌劇場管弦で指揮はバクラン氏だった。こちらは納得です。ところで、休憩時間が終わりそうな頃合いに席に戻ろうと思ったら、通路にどこかで見たようなスタイルのよいカッコイイ男性が立っているのが目に入った。数人で談笑しているうちの一人であるそのお方は・・・イーゴリ・コールプ!普段の服装もオシャレだわ。何となく、キエフ・バレエの客層ってマリインスキー・バレエと違うと思うのだけれど、そのせいもあって露骨に客席の視線は集めていない。すごく目立つ存在なのに、あまり誰も見ていない。・・・ってそれも不思議なことだと思う。
2009.11.28
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もちろん、ロパートキナのオデットがお目当て。どんなことしても行くぞ!と固い決心で仕事を調整したのだった。(来週がコワイ・・・)オデット/オディール:ウリヤーナ・ロパートキナジークフリート王子:ダニーラ・コルスンツェフ王妃 (王子の母):エレーナ・バジェーノワ王子の家庭教師:ソスラン・クラーエフ道化:グリゴーリー・ポポフ悪魔ロットバルト:コンスタンチン・ズヴェレフ王子の友人たち:ヤナ・セーリナ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/マクシム・ジュージン小さな白鳥:エリザヴェータ・チェプラソワ/ヤナ・セーリナ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/エレーナ・ユシコーフスカヤ大きな白鳥:ダリア・ヴァスネツォーワ/ユリアナ・チェレシケーヴィチ/アナスタシア・ペトゥシコーワ/リリヤ・リシューク2羽の白鳥:ダリア・ヴァスネツォーワ/オクサーナ・スコーリクスペインの踊り:アナスタシア・ペトゥシコーワ/ヴァレーリヤ・イワーノワ/イスロム・バイムラードフ/カレン・ヨアンニシアンナポリの踊り:ヤナ・セーリナ/マクシム・フレプトフハンガリーの踊り:ポリーナ・ラッサーディナ/ボリス・ジュリーロフマズルカ:アリサ・ソコロワ/オリガ・ベリク/ナターリア・ドゥゼヴリスカヤ/スヴェトラーナ・シプラトワ/ドミートリー・プィハチョーフ/カミーリ・ヤングラゾフ/ニコライ・ナウーモフ/セルゲイ・サリコフ指揮:ボリス・グルージン管弦楽:東京ニューシティ管弦楽団今回のマリインスキー・バレエ公演の私的初日。改めて思ったのだけど(そして当たり前だけど)、端役に至るまで本当に上手い。あぁマリインスキー・バレエだな、と実感する。ロパートキナの白鳥は期待どおり。もちろん何回か観てるので、その記憶をなくしたわけではなかったが、彼女が白鳥になると途端に現れるあの独特の世界にまた浸れてうっとりした。腕も脚も独特の動きで、そうそうこういう踊りをする人だった・・・と思いだした。どこが違うのかなーと今さらじっくり観てみたが、からだのしなやかさや優美な手足の動きもさることながら、音の取り方もどうやら違う。バレエダンサーは拍で踊るので、大抵は音符の頭で動くのだけど、彼女はそれぞれの音が持つ時間の間、ずっとからだを動かしている。その連続性もとても優雅だな、と思う。それでいて、小節単位ではちゃんと音の辻褄があっているし。惜しいのは、ロパートキナの場合、オディールになってもかなりオデットに似ていること。もちろんそれでいいんだけど、1人2役の妙はあまり楽しめない。コルスンツェフは、鷹揚さを感じる気立て良さげな王子。私のツボにはまる王子サマというわけではないのだが、コルスンツェフは思ったより小芝居をしているというか、実在の王子様の日常に自分が入り込んでいるかのように演技していた。宮廷の周囲の人間にさりげなく気を配ったり、花嫁候補が気に入らないからあえて視線を向けずに通過したり、舞台を歩くときもちゃんと行く手にいる人をめざして歩いていると思わせる。大げさなマイムをするわけでもないのに、妙に心に残る‘等身大王子’(!)でした。道化のグリゴーリー・ポポフも際立ったテクニックを示し、単に出番が多いという以上に、存在感があった。場面によっては、この場の主役は道化かも・・・と勘違いしてしまいそうなところもあったくらい。ロットバルトのコンスタンチン・ズヴェレフは優雅だった。ただ、そうするとこの主役2人では若干迫力負け。王子の友人たちも、ここでそんなテクニックの見せ場が?と思うほど、随所でそのハイパーな技巧によって観客の驚きの声を集めていた。びっくりしたのはオーケストラ。いかにも伴奏然とした演奏ではなく聴かせる音だった(上手いとかいうより、ロシアの風を感じた)ので、あれマリインスキー管がビットに入っているのかな?と思ったら、なんと東京ニューシティ管。指揮者がツボを心得ているのかしら。何にしてもトータルで満足度の高い舞台だった。ところで・・・今回のパンフの表紙に使われている薄いグリーンがかったブルーは、マリインスキー劇場の内装に使われている色。最近は滅多にパンフを購入しないのに、つい懐かしくなって(一度オペラを観に行った)、勢いでこのパンフを買ってしまった。
2009.11.27
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もともとはコジョカルがお目当て。マックレーと替わったコボーは安定してるのでいいのだけど、マックレーを観たかった気持ちもちょっと残る。クララ:アリーナ・コジョカルくるみ割り王子:ヨハン・コボー【第1幕】クララの父:柄本武尊クララの母:井脇幸江兄フリッツ:青木淳一くるみ割り人形:氷室友ドロッセルマイヤー:後藤晴雄ピエロ:平野玲コロンビーヌ:高村順子ムーア人:小笠原亮ねずみの王様:梅澤紘貴【第2幕】スペイン:乾友子-木村和夫アラビア:西村真由美-柄本弾中国:佐伯知香-高橋竜太ロシア:田中結子-松下裕次フランス:高村順子-吉川留衣-長瀬直義花のワルツ:矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、日比マリア宮本祐宜、梅澤紘貴、安田峻介、柄本武尊東京バレエ団としてはワイノーネン版の上演は数年ぶりなのでかなり心配だったが、装置がちょっと古びた(笑)ということ以外は、ダンスの見せ場が多くて東バには合うんだろうなと思う。「くるみ」だと何もテクニカルに強靭なアリーナじゃなくてもいいんだけど、彼女の雰囲気はほんとにクララにピッタリ。大柄じゃないから、東バの中に溶け込んでいるし。コボーは大人のエレガンスを感じさせる王子様。やりすぎないけど完璧、というのがホントにいい。ドロッセルマイヤーの後藤さんは若々しく‘お兄さん’という風情で、それもありかもしれない。ただ、ちょっと不安定さが残るし、音に遅れるところがあるのが、(相変わらずだけど)目についてしまった。他の日なら木村さんがドロッセルマイヤーだったので、どうせならそっちが見たかったな。印象的だったのは、やはりスペインの木村さん。キレがいいし、足のつま先まで気合いが入っている。主役以外では圧倒的な存在感なのだった。別な意味で目立ったのはフランスの長瀬さん。いつにもまして端正なお顔が目立つ衣装と振付だったけど、いまひとつ生気がなかった気がする。今年はじめての「くるみ」。早々とあちこちにクリスマスツリーを見かける昨今だけど、気持ち的にもクリスマスのあのうきうきする雰囲気を味わったのは今日がはじめてだった。そういう意味では楽しかった。
2009.11.22
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キエフ・バレエ・・・すごく楽しみにしてたのだけど、ここはいつもキャストを遅い時期まで発表してくれない。フィリピエワとシドルスキーの日に行こうと決めていたから、かえってなかなかチケットを買えなかった。おかげで、S席なのにオーチャードのすごく後方。オデット/オディール:フィリピエワジークフリート王子:セルギイ・シドルスキーヴェニスの踊り:菅野英男よかったなあ。正統派ロシア・バレエをたっぷり楽しめた。フィリピエワの白鳥って、出てきたときから‘悲劇の主人公’。ちょっと眉根を寄せる表情とか、昔読んだバレエ漫画の主人公みたいだ。ロパートキナやザハロワみたいに、心まで白鳥になっちゃったんじゃないの?という風情とは違う。シドルスキーもけれんのない正統派の王子さま。後ろ姿も隙がなくて美しい。。。ただ、2人とも少々お疲れ気味のように見えたところもあった。フィリピエワはグラン・フェッテを途中でやめちゃうし。一方でロットバルトのワーニャ・ヤンは元気いっぱい。こんなに舞台狭しと走り回るロットバルトは見たことない。(長身・足長なこともあって、あっという間に舞台の端から端にたどり着いてしまう。)ヴェニスの踊りの菅野さんも丁寧に踊っていて好感。お値段の割にはオケも指揮者も同行してきていて、日本のオケの伴奏とはかなり違っていて、耳で音楽を聞くのも楽しかった。ハープがボロンボロンと大きく弾くところからして、なんだかロシア風。そういえば、ティンパニの効かせ方も。キャストをチケット発売と同時に発表してくれないかな。とてもすてきに正統だったし、トータルでもお得感いっぱいなので、キャストがわかってれば張り切って早めにS席を買ったのに、と思う。
2009.11.15
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久々のKバレエ。熊川さんの出る日にしか観に行ったことがないので、彼がケガしているとどうしてもKバレエと間遠くなってしまう。ロミオ:熊川哲也ジュリエット:R.マルケス マキューシオ:橋本直樹 ティボルト:遅沢佑介ロザライン:松岡梨絵ベンヴォーリオ:伊坂文月パリス:宮尾俊太郎キャピレット卿:スチュアート・キャシディキャピレット夫人:ニコラ・ターナ乳母:樋口ゆり僧ロレンス:ブレンデン・ブラトーリック僧ジョン:小林由明もともとの雰囲気もあって、熊川さんはロミオがよく似合う。30代も半ばすぎとは思えない(笑)。それでもキャストの中では一番スピードのある動き。熊川さんの振付はかなり高度なので、彼が主演の日以外のロミオ役は大変なのではと気の毒になるくらい。マルケスは実はロイヤルの舞台でも観たことがなかった。思ったより小柄でかわいい。日本人ダンサーより小柄なくらいだが、テクニックは強靭。熊川さんとマルケスの2人がいると、そこだけ周囲とレベルが異なるのが、あと一息という感じ。休憩後には、2階バルコニーに美智子皇后が現れ、会場中で拍手。長いカーテンコールの間も席をたたずに拍手されていたのが印象的でした。一方で、はっと気付くと、私の席の斜め前には歌舞伎の勘三郎丈がおわしました。
2009.10.18
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ザハロワとウヴァーロフのドンキはもう何回も観たけどなー、と思いつつ新国立へ。生の舞台の魅力には勝てない。【キトリ(ドゥルシネア姫)】スヴェトラーナ・ザハロワ【バジル】アンドレイ・ウヴァーロフ【ドン・キホーテ】長瀬信夫【サンチョ・パンサ】吉本泰久【ガマーシュ】澤田展生【街の踊り子】西川貴子【エスパーダ】貝川鐵夫【キトリの友達(ジュアニッタ)】寺島まゆみ【キトリの友達(ピッキリア)】西山裕子【メルセデス】湯川麻美子【ギターの踊り】楠元郁子【ジプシーの頭目】小口邦明【二人のジプシー】八幡顕光 福田圭吾【森の女王】厚木三杏【キューピッド】高橋有里【ボレロ】楠元郁子 貝川鐵夫【第1ヴァリエーション】寺島まゆみ【第2ヴァリエーション】さいとう美帆観に行って本当によかった。ザハロワ・・・いつもと違う、というかより一層進化していました。ザハロワと言えば、キトリを踊ってもどこかお姫様風だし、いたずらに回転やバランスにこだわらないで美しく踊ると思っていたのに、果敢なチャレンジを見せてくれた。グラン・フェッテではすごいスピードでダブルを取り入れ、そこかしこでバランスをとる。うまくキマらないところもあったけど、ザハロワにしてそういう変化を取り入れようとするんだということそのものが、すごく前向きでちょっとした驚きだった。それは、テクニック的なことだけでなく、演技の面でも感じられ、細かい身振りや所作におきゃんで跳ね返りな町娘を反映させていたと思う。ザハロワでありながら、別人を見ているような気さえした。ウヴァーロフも、そのザハロワに対応して、パワーUPしてサポート。夏のバレエフェスのときには、そろそろからだの動きが追いつかなくなったかと(!)心配したけど、それはまだまだ先のことみたいだ(笑)。主役2人を大いに見直し、賛嘆の気持ちでいっぱいになったので、あとはあまり観ていなかったのが心残り。少なくとも、エスパーダの貝川さんが、はじけてる主役2人に比べあまりに大人しいというか、肉食系キトリ&バジルに対する草食系エスパーダみたいだったのは残念な気持ちがした。
2009.10.14
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NYCBは前回も前々回もフルに全プロ観たのだけど、今以上にクラシック・バレエに傾倒していた私にはピンとくることが少なくて、ダンサーの健康的な体型とか、そのせいか‘重い’感じがする踊りに閉口していた。今回はその記憶があって、1回だけ観ておこうかな、とAプロに足を運ぶ。◆「セレナーデ」ダーシー・キスラー/スターリン・ヒルティン/ケイトリン・ジリランド/チャールズ・アスケガード/エイドリアン・ダンチグ=ワーリング◆「アゴン」マリア・コウロスキー/ジャード・アングル/ショーン・スオッツィ/レベッカ・クローン/アシュレイ・ララシー/テレス・レイクレン/アマール・ラマザール/エイドリアン・ダンチグ=ワーリング◆「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」タイラー・ペック/ゴンザロ・ガルシア◆「ウエスト・サイド・ストーリー組曲」ベンジャミン・ミルピエ/ジャスティン・ペック/アンドリュー・ヴェイエット/フェイ・アーサーズ/ジョージナ・パズコグィン/グレッチェン・スミス ◆指揮者:ファイサル・カルウィ、管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団・・・今回、なんだかとても面白い!すごく「音楽的」。NYCBが変わったとは思えないので、私が変わったのかも。事前に気を付けたのは、舞台上のフォーメーションが見える上階の、それもちょっと舞台に近いバルコニー席を取るようにしたことかな。「セレナーデ」ダーシー・キスラーが出てる!まだ踊っていたんだわ。。。(失礼!)15歳でバランシン最後のミューズとなってデビューして30年、と言っていたので、現在45歳?(でも、それ以上に見える。)舞台上の存在感はすごいけど、体型は管理していないようだった。そろそろ引退と聞いているし、今彼女を観れたのはよかった。この演目はNYでも観ている。だけど、ステートシアターの1Fセンター真ん前で見たら、今ひとつだった。それに、確かそのときは、オペラ歌手のドミンゴが客席に来ていて、私は気もそぞろになってしまって舞台をあまり覚えていないのだった(笑)。今回観た「セレナーデ」は、新国立みたいに揃っているわけではないが(そもそもそんなこと考えてもいないかのようだ)、音の上にきちんと乗っているというか、♪の1つ1つをダンサーが抱えて踊っているかのようだ。「アゴン」生で観たことはなかったと思う。こっちはやはりマリア・コウロスキーの存在感がすばらしい。女性は黒のレオタードのみという衣装が、肌の色の対比とあいまって、すごく美しい。それに、音楽性を際立たせるために装飾性を省いたと言われる、衣装選びの意図がすごくよくわかる。音をつかまえて抱きしめて踊っているかのような印象が、この「アゴン」ではさらに強まる。ストラヴィンスキーの音にこのように乗れるんだ・・・と驚愕。「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」そして、その音楽性への感動は、このチャイパドでさらに高まった。すごく速い!これまで観た中で最速。そして、その音にこうまで振付が合うんですか!、と思う。ほんのちょっとも遅れない。回転の余韻までが音の終了までに終わるように、ピタッとキマる。トリプルすらもちゃんと音の長さの中に収まっていました。。。NYCBのダンサーが何を大事にして、何を表わそうというのか、実感する。「ウエスト・サイド・ストーリー組曲」おなじみの名曲。アリアのためにソリストもNYから帯同。しかし、ちょっとした曲はダンサーが歌っていた!(もちろんセリフもダンサーがしゃべる。)さすがブロードウェイにも出演することも多いNYCB。このミュージカルはブロードウェイでも日本でも何回も観たことがあるけど、バレエダンサーによるダンスシーンの完成度はそれらと全然違う。改めて、ダンサーって身体能力高いんだわ。。。と感心することしきり。すでにNYCBの音楽性に開眼していたので、そうなるとこの演目など個人的にもすごく盛り上がった。会場もすごく沸いていた。ほんとに楽しくて、バレエというより音楽のコンサートを視覚化したものを堪能したという気持ちになった。どうしてこれまでそう思わなかったのか、自分でもわからない。そうしてみると、Bプロはコンチェルトが2つもあるし(1つは珍しい曲だし)、このチケットを取ってなかったことが悔やまれた。おまけにこの回は、ホアキン・デ・ルースもウェンディ・ウィーランも見れない。11日の当日券があったら、Bプロも観に行きたいと本気で思った。(会場発売があったとは知らなかったの・・・)
2009.10.10
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装置と衣装に惹かれて、東バ「ラ・バヤデール」へ。映像でしか見たことなかったので、生で見たかった。振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ衣裳:ヨランダ・ソナベントニキヤ(神殿の舞姫):吉岡美佳ソロル(戦士):木村和夫ガムザッティ(ラジャの娘): 田中結子ハイ・ブラーミン(大僧正): 後藤晴雄ラジャ(国王):高岸直樹マグダヴェーヤ(苦行僧の長):高橋竜太アヤ(ガムザッティの召使):松浦真理絵ソロルの友人:柄本弾ブロンズ像: 松下裕次侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):西村真由美、乾友子パ・ダクシオン:佐伯知香、森志織、福田ゆかり、村上美香吉川留衣、矢島まい、川島麻実子、小川ふみ、平野玲、横内国広影の王国(ヴァリエーション1):岸本夏未影の王国(ヴァリエーション2):奈良春夏影の王国(ヴァリエーション3):乾友子吉岡さんが儚げでありながら芯のあるニキヤを好演。期待していた木村さんはちょっと生気がなかった。面白いほど性格付けした高岸さんのラジャは似合いすぎ。同様に演技的に頑張っていた後藤さんのブラーミンだけど、そり繰り返っていた高岸さんに比べ少々猫背気味だったので、威厳はなかった。ブロンズ像の松下さんのキレのいい踊りは小気味よかったけど、もうちょっと細部まで気を配ってくれるともっといいのに、と思う。だけど一番の殊勲賞ものは、「影の王国」コールドだろう。あの揃い方は、東バの面目躍如といったところ。マカロワ版の第三幕はアクロバティックで面白かった。一方で通常楽しみにしているシーンがカットされていたりして、もの足らない感じもする。花篭の踊りを吉岡さんで観たかった。/////////////////////////////////////////////////////////////////////////ところで・・・帰宅して朝日新聞を読んでいたら、挟み込みのタブロイド誌に「海外のセレブが感じる日本の魅力とは?」という記事があった。その中にアニエス・ルテステュのコメントが。曰く「日本は世界のどこより観客の声援や拍手が温かくてうれしくなる国。今回はラクーアに入ってリラックスしました!・・・・」。ラクーアって・・・後楽園のあそこ?アニエスがラクーア??想像がちょっと難しかったけど、ある意味日本的なリラクゼーション・サービスと言えるものねえ。。。
2009.09.26
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キャストの豪華さに惹かれて、絶対行こうと決めていた公演。中でもやはりアダム・クーパーが一番のお目当て♪AMPの「白鳥の湖」以来のファンという人は多いのではないだろうか。ロンドンの2004-2005の公演では、日本人もたくさん駆けつけたらしい。私は2003にアダム主演のミュージカル"On Your Toes"を観にロンドンに出かけたが、そのときも日本人をたくさん見たものだ。(その翌年、"On Your Toes"は日本で公演されたけど、テンションはずっとロンドンでの方が高かったのを覚えている。。。現地とツアーではやはり違うのねーと思った次第。) さすがに2年続けてロンドンに行くのは躊躇したので、今回はそれなりに楽しみにしていた。兵士:アダム・クーパーストーリーテラー:ウィル・ケンプ悪魔:マシュー・ハート王女:ゼナイダ・ヤノウスキー音楽 イゴール・ストラヴィンスキー演出・振付 ウィル・タケット脚本 ラミューズ原作 アファナシェフ指揮 ティム・マーレー演奏 ソルジャーズ・アンサンブル・オーケストラ今回はダンサーがセリフもしゃべる。ロンドン初演のときにはボイストレーナーのクレジットもあったよ、と言われていたが、その成果があってか、まあイケルのではないだろうか。高めのアダムの声がちょっとね・・・とも言われていたけど、ベッカムほどの違和感はない(笑)。全体に舞踊というより演劇ですね。わかっていたけど、キャスト陣容を見て期待していたのだった。マシュー・ハートもウィル・ケンプも芝居っ気たっぷり。こういうダンサーは日本にはいない。アダムとゼナイダのPDDがすばらしかった。ちょっとバレエの舞台を彷彿させた。アダムがもはやバレエから遠いのはわかっていても、もっと踊ってほしいなあとやっぱり思ってしまう。英国ではアダムの評価はここのところ厳しいのよね、とこれも友人氏の弁だけど、彼の舞台での‘華’は健在。グッドルッキングであるからというだけでなく、そういうものを持ってる彼は、果たしてこういう演目に向くのか?演劇として観た場合の評価はさておき、キャストからダンス指向が強いはずと考えていた私はちょっと肩すかし。そして何より、ストラヴィンスキーの中でもこの音楽があまり好きではないので、なかなかツラいものがあった。
2009.09.12
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とっても盛りだくさんの公演だったけど、とても疲れていたので、興味のあった「The Invitation」まで見て帰ることにした。(この時点で21時前)アシュトンとマクミランを、1作品づつ観ることができてよかった。【レ・ランデヴー】[振付]フレデリック・アシュトンプリンシパル・ガール:小野絢子プリンシパル・ボーイ:中村誠オントレ:真野琴絵/佐々木淳史/八幡顕光/萱嶋みゆき/松居聖子/荒木恵理/倉持志保里/工藤彩奈/秦 信世/喜入依里/林 詠美/中尾充宏/佐藤禎徳/澤田展生/冨川直樹/土方一生/アンダーシュ・ハンマルパ・ド・カトル:難波美保/宮澤芽実/志村美江子/秦 信世/瀬戸桃子ヴァリエーション1:中村誠アダージオ:小野絢子/中村誠パ・ド・トロワ:真野琴絵/佐々木淳史/八幡顕光ヴァリエーション2:小野絢子パ・ド・シス:中尾充宏/佐藤禎徳/澤田展生/冨川直樹/土方一生/アンダーシュ・ハンマル小野さんと中村さんという、新国立でよくお見かけするダンサーお二人が主役。どちらも、清々しい感じでふんわりと踊るところがすてき。ストーリーのほとんどないバレエなのに、舞踊語法は平凡でないので、なかなか面白い。【The Invitation(インヴィテーション)】[振付]ケネス・マクミランThe Girl(少女):島添亮子Her Cousin(少年):後藤和雄Her Mother(母):大森結城Her Older Sisters(姉妹):小野絢子/萱嶋みゆきThe Governess(住み込みの家庭教師):楠元郁子The Wife(妻):大和雅美The Husband(夫):ロバート・テューズリーEntertainers:高畑きずな、(雌鳥を争う2羽の雄鳥) 冨川祐樹/冨川直樹Children(子供たち):難波美保/宮澤芽実/志村美江子/真野琴絵/井口裕之/佐々木淳史/八幡顕光Guests(招待客):松居聖子/倉持志保里/荒木恵理/藤田奏子/中尾充宏/佐藤禎徳/澤田展生/冨川直樹/アンダーシュ・ハンマルWaiters(ウェイター):笠原崇広/照沼大樹/望月一真Waitresses(ウェイトレス):宮崎由衣子/廣田有紀/瀬戸桃子あぁ、マクミランですね。バレエというより演劇的。お目当てはテューズリーでした。彼は、相変わらず英国紳士風なたたずまいで、舞台上で見かけるだけでドキドキする。・・・なのに、このストーリー(笑)。テューズリーにレイプされる役の島添さんもすばらしかった。コトが終わったあとの脱力感や、からだの痛み、うちひしがれた精神・・・などが饒舌に表現される。テューズリーと島添さんの力関係が変わるところも、すごい表現力と思った。もう1組のアンバランス・カップル、後藤さんと大和さんは、大和さんの心理表現が微妙なニュアンスまで伝わってきて秀逸。この演目は、「うわ、ここまでする?」と思いながら、リアリズムに目の覚める思いだった。でも、体力が続かず、最後の演目は失礼して帰路に。
2009.08.20
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ついに、今年の私の夏が終わりました。一連のバレエフェス通いも今日でおしまい。もちろん、まだ余韻は残っているが。。。<第一部>「ルーミー」 音楽:クドシ・エルグネル高橋竜太、平野玲、松下裕次、氷室友、長瀬直義、横内国弘、小笠原亮、宮本祐宜、梅澤紘貴、中谷広貴、安田峻介、柄本弾、佐々木源蔵、杉山優一、岡崎隼也、八木進「ザ・カブキ」より由良之助のソロ 音楽:黛 敏郎後藤晴雄「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」 音楽:クイーンエリザベット・ロス「鳥」 音楽:マノス・ハジダキス高岸直樹高村順子、西村真由美、乾友子、佐伯知香、高木綾、奈良春夏、田中結子、村上美香、岸本夏未、阪井麻美、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、加茂雅子「アダージェット」 音楽:グスタフ・マーラージル・ロマン本日は1階L席ながら、非常に舞台がよく見えて満足。「ルーミー」がすごい迫力で、なかなかお気に入り。ジルの「アダージェット」は昨日よりさらによかった。単に席が前になったせい?一層胸に響きます。<第二部>「バクチ」 音楽:インドの伝統音楽シャクティ:吉岡美佳、シヴァ:木村和夫「さすらう若者の歌」 音楽:グスタフ・マーラーローラン・イレール、マニュエル・ルグリ「ボレロ」 音楽:モーリス・ラヴェル上野水香平野玲、松下裕次、長瀬直義、横内国弘今日も私は「さすらう若者の歌」だけを楽しみにし、そしてやはり魅了された。それにしても、イレールって今でも華がある。ほんのちょっとしたつま先の出し方、腕の広げ方で、一瞬にして会場中の視線を自分に集める。本人はわかっているようでもあり、意識してやっているわけではなさそうでもあり。ううむ、ルグリ命(!)の私でも認めざるを得ない。からだのキレはルグリの方があると思うのに、より鋭角的な感じがするのもイレール。ルグリとの間に妙な緊張感が漂わないのも、最近は顕著になったと思う。ルグリは相変わらず、からだ中から発散するエレガンスで私を惹きつける。だけど私の愛するルグリの特質が、ベジャールの持ち味とは違うよね、と思ってしまう。今日はオマージュだから、そんなこと考えちゃイケナイわ!と自分に言い聞かせたけど、昨今はこの演目が多くなって、実は私的にはほんのすこーし残念かも。(イレールと踊ってくれるから、とても‘お得’なんですけどね。)あ、それでも、そんじょそこらの方に踊ってほしい演目ではございません(笑)。ところで・・・「バクチ」の吉岡さんは、これを踊るのはキツそうだった。「ボレロ」の上野さんも最後はそう感じた。ムリをしちゃ、いけませんよ。。。↑文化会館のレストランで開演前に食べたバレエフェス特別メニュー。白鳥さんが向こう側になってしまいました。名付けて「輝き続けるエトワールたち」(だったと思う)。名前に惹かれてオーダーしました。
2009.08.17
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■第1部■ 「白鳥の湖」第1幕よりパ・ド・トロワ振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキールシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カランドラマティックなのに短すぎ~。客席が暖まるところまでいかない。「カルメン」振付:ローラン・プティ/音楽:ジョルジュ・ビゼータマラ・ロホ フェデリコ・ボネッリボネッリって意外にかっこいいな。ちょっと頼りなさげで、セクシーさもないけど。ここで言及すべきはロホだと思うけど、彼女を見ていても「なんか違う」。肩のそびやかし方とか。これまでの偉大なダンサーの踊り方が刷り込みされてるせいかも。「ダンス組曲」振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:J.S.バッハニコラ・ル・リッシュバッハの無伴奏チェロ組曲とダンスの組合せは面白いと思っていたけど、ニコラを見ていると、難しそうな気が。ニコラだからこそここまで踊れるけど、意外に踊る人を選ぶという気がする。ニコラは、音楽に乗っているというより、彼そのものが音符みたいだと思った。「いにしえの祭り」振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:リヒャルト・シュトラウスエレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディンとにかくエレーヌの長くてまっすぐな脚が饒舌で。180度に開脚して、ボァディンの背を転がったときには、その脚の存在感に息を飲んだ。絶対、畳一畳より長いわ。。。「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ振付:ジャン・コラーリ /ジュール・ペロー/音楽:アドルフ・アダンアニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネスガラの中でも愁眉の演目でした。この完成度で「ジゼル」を観れるなんてすごすぎ。アニエス&ジョゼには、数年前まで「キレイに踊るけど・・・」と感想を持ちがちだったけど、才能あるダンサーってさらに進化し続けるもんなんだわ、と実感した。全幕で観たい!■第2部■ 「ジュエルズ」よりダイヤモンド振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフダイヤモンドの硬質さと孤高の豪奢を感じさせる2人でした。ほうっ・・・とため息が出ました。「カンティーク」振付:モーリス・ベジャール/音楽:ユダヤの伝承音楽エリザベット・ロス ジル・ロマンジルはいくつになっても、相変わらずのからだのキレ。彼は「衰える」ということがあるのだろうか。。。「グラン・パ・クラシック」振付:ヴィクトール・グゾフスキー/音楽:ダニエル・オーベールポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲルこうやってすごい先輩たちを見た後だと、ポリーナ&フォーゲルもまだまだ若いですね・・・。「TWO」振付:ラッセル・マリファント/音楽:アンディ・カウトンシルヴィ・ギエム開演前はまた「TWO」ね、と思ったけど、実際見てみたらギエムはやはりすごい。照明の妙に支えられているとはいえ、ギエムだからこそのパフォーマンス。「ソナチネ」振付:ジョージ・バランシン/音楽:モーリス・ラヴェルオレリー・デュポン マニュエル・ルグリ日本のファンの間では、‘幻の’と冠がつくこの演目をやっと見ることができた。ルグリの腕と脚さばきはいつものごとくで、からだのパーツだけ見ても絶対ルグリとわかる独特の柔らかさとエレガンスだった。ずーーっとオペグラでルグリだけ見ていたので(笑)、残念ながらオレリーを見ていない。「海賊」振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴマリア・コチェトコワ ダニール・シムキン白いハーレムパンツはフェス・ガラ仕様?シムキンは「パリの炎」よりは抑えめだったが、それでもやっぱり540を3回連続+締めで1回とはやってくれる。すっかり今回のバレエフェスの「若手の部」の顔になりました。■第3部■ 「ラ・シルフィード」振付:オーギュスト・ブルノンヴィル/音楽:H.S.レーヴェンスヨルドナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフオシポワのシルフィードって?と思ったけど、なかなかよかった。元気があって溌剌としたシルフィード。ティンカー・ベルみたい。サラファーノフのジェームズも悪くない。ブルノンヴィルか?と言われるとちょっと違うけど。1月の東バのシルフィードはやっぱり観ておこうかな。「アルミードの館」よりシャムの踊り振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ニコライ・チェレプニンティアゴ・ボァディン周囲で「ニジンスキーみたい」と感想がもれてた。はい、私もそう思います。すごく印象的な演目でした。「マクベス」 振付:ウラジーミル・ワシーリエフ/音楽:キリル・モルチャノフスヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフマクベス、というタイトルを思い出さなければ、ロシアの皇帝と皇妃と思ったに違いない。この前見た旧ソ連の映画「アレクサンドル・ネフスキー」に出てきた皇帝みたいだな。それは、衣装とウヴァのヘアスタイル(前髪おろしボブ)のせいね。「ロミオとジュリエット」より "寝室のパ・ド・ドゥ"振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフシオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ(カレーニョ様のもしかしたら最後の演目かもしれないのに、これはほとんど記憶にない。疲れてきていたかも。)「じゃじゃ馬馴らし」振付:ジョン・クランコ/音楽:クルト・ハインツ・シュトルツェマリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ数年前に全幕で観た。そのときは、とても楽しく観ていたけど、「いくらじゃじゃ馬っていったって、子どもじゃないんだから、妙齢の女性があんなことする?」とかましてや「年頃の女性にあんな‘しつけ方’ってするもの?」という疑問があった。今回も改めてそう思ったけど、それはさておき、アイシュヴァルトもバランキエヴィッチも‘自家薬籠中の’演目で、すごく生き生きしていた。■第4部■ 「パリの炎」振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ今回のフェスでこのペアの踊った中では、これが一番よかった。「三人姉妹」振付:ケネス・マクミラン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーマリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレスソアレスも、このヴェルシーニン中佐役が今回の中ではベストだった。「ザ・ピクチャー・オブ」振付:パトリック・ド・バナ/音楽:ヘンリー・パーセルマニュエル・ルグリ昨年末に観たときのバージョンの方が、冒頭は面白かった。だけど、あのホテルの会場は観にくくて、ちゃんと居住まいを正して(?)観れたというわけではない。今回、遠目ながらやっとじっくり観ることができた。ルグリのからだの動きがほんとに彼ならではで、音楽もピッタリ。正直なところ「ソナチネ」よりこっちが好きかも。「ロミオとジュリエット」振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフオレリー・デュポン ローラン・イレールプレルジョカージュ・・・苦手なときもあるけど、これはいい。オレリーが、(イスに座って死んでいる)イレールの上に乗っては転げ落ちるところが涙を誘いました。「春の声」振付:フレデリック・アシュトン/音楽:ヨハン・シュトラウスアリーナ・コジョカル ヨハン・コボーすごく華やかで、幸せな気持ちになる。アリーナは手に花びらを持って、踊りながら振りまく。いっそ、これを‘トリ’にすればよかったのに。「ドン・キホーテ」振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス上野水香 デヴィッド・マッカテリ「こう来たか・・・」思わず口から出ちゃいました。このテンポ。ここでバランス?ううむ。。。最後を除けば、やっぱりガラはA・Bプロよりさらに充実していたと思う。長時間だったけど至福でした。
2009.08.13
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順番は逆だけど、やっぱり備忘録としてはファニー・ガラの方から。今回もファニー・ガラはあるようだ、と噂は飛び交っていた。体調は万全・・・とはいかず、第1部~第4部までは、薬を飲んでもガンガン頭痛がした。ここまでで22時を越えてる・・・これから「お楽しみ」とはマジ?と思ったが、不思議なことに朝から悩まされた頭痛が、このタイミングですーーっと消えたのだった。佐々木さんが幕の前に出てくる。恒例のファニー・ガラのご紹介。え?「今回は‘奮発して’伴奏を東フィルにした」んですか?まあ、確かにいつもよりはね。(でも、東フィルにしてみれば、手を抜いたような気がしてならない。。。)フェッテで手拍子はやめてね、と言ってくださり、これは溜飲が下がる思い。ダンサーが拍をとりづらくなるからだろうけど、大衆演劇のようで私は手拍子がキライなんです。今回は文化会館2階正面なので、遠くてダンサーの顔がよくわからない。もちろん、オペグラはのぞきっぱなし。ファニー・ガラの第1部(?)は「コッペリア~ジゼル~海賊~青い鳥~パリの炎の抜粋合作」というところか。ここではやはり、マラーホフのジゼルと、サラファーノフのフロリナ王女と、シムキンのギュリナーラと、オシポワのパリの炎が圧巻だった。(圧巻がいっぱい)マラーホフ、すごくないですか?ポワントで脚が頭まで上がるんですね。おふざけモードにしてるけど、ちゃんとやればジゼルのまま全幕だって踊り切りそう。化粧顔ですぐにマラーホフとわからなかった私は、同じくアルブレヒトに扮したヴィシニョーワもすぐにはわからなかった。美青年~。男性が女装するとあのマラーホフですらゴツイとか、女性が男装すると小作りでキレイな顔になるとか、いつもは気付かなかった男女の違いが余計明らかになる。それにもまして、私がとっても感心したのはサラファーノフ。化粧した顔から、もとの顔が想像できない。フロリナ姫は誰?と横の人が知り合いなら聞きたかった。すごくノリノリな上に、またとんでもなく上手い。御三家(マラーホフ・ジョゼ・カレーニョ)ではないことは判別できたが、あのニコリともしないサラファーノフだとは思わなかった。けど、あのスタイル、あの踊り方・・・消去法で考えてもサラファーノフしかいない、とわかったときの私の気持ちは「先輩たちの伝統を引き継いでくれてありがとう」。あ、シムキン君はもっと女装が似合い、あの柔軟性は、てっきりギュリナーラだけは女性が踊っていると思った。ここまでだとバレエ界の早乙女太一君(?)かと。。。男性が女性の役を踊るだけではなく、オシポワは男性顔負けの超絶技巧でパリの炎。跳躍高いですねえ。デカい女性陣(女装陣?)に花を捧げられていた。いいなあ。ファニー・ガラの第2部は「ラ・バヤデール」の影の王国。ニキヤがジョゼ。ジョゼってば、慣れてる(?)とはいえ、ポワントでの踊りがなじんでる。マラーホフと同じくらいすごくて、あのイタリアン・フェッテを見たら、周囲から「おおっ!」という感動の声が上がった。カレーニョも相変わらずご活躍で、ヴァリをこなしてくれる。本編では跳躍なんかしなかったと思うのに、こっちではポワントで跳躍しちゃうんですね。ブシェの側にいるのを確認するまで判別できなかった(けどやっぱり上手かった)ティアゴ・ボァディンとか、結構ノッてたフリーデマン・フォーゲルとか・・・あぁ後継者がいっぱいいて安心。マッカテリ、バランキエヴィチもなんとか判別しましたが、あとはついにわからず終い。頭にブラジル国旗,がきっとティアゴ・ソアレスなんだろう。そういえば御三家は本編の最後の第4部に出演しなかった。今回のファニー・ガラは大がかりだったので、準備に余念がなかったのね・・・と勝手に納得した(笑)。愛するルグリ様は今回はいよいよ卒業なのかしら・・・と思ったが、一説によると密かに(かどうか知らないけど)コールドしてらしたとか。どこの何に扮してたの・・・ちょっと悶々としそう。
2009.08.13
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お友達に教えてもらった公演。「ムハメドフの‘今’が観たい」という一心でめぐろパーシモンへ向かう。PART1◆「オリジナル ルーマニアンバレエ」振付、演出:リアナ・ヤンクシビウバレエシアター◆「エフゲニー・オネーギン」よりパ・ド・ドゥ 振付 イレク・ムハメドフ 出演:イレク・ムハメドフ、針山愛美PART2◆「La Fille Mal Gardee」全幕構成、振付、演出:ヴァレンティン・バルテス リーズ:宮崎たま子 コリン:アレクサンドル・ブーベル アラン:ヴァレンティン・バルテス シモン:マキシム・グージェレフフルートダンス:セルゲイ・サボチェンココリンの友人:輪島拓也 他なんとなく雰囲気が発表会めいてるなーとは覚悟していたけど、関係者とダンススタジオの教え子さんの家族でいっぱい、という雰囲気だった。それでもルーマニアからのゲストは異国情緒いっぱいのオリジナル・ダンスで楽しめた。結構好きです。ルーマニアって国の名前でわかるとおり、ラテン系なんですよね~。一番の目的は、ムハメドフと針山愛美さん(ベルリン)。オネーギンはバレエフェスでクランコのを見たばかりで、それがスタンダードなだけに、全然違うのを見てもピンとこない。というか「オネーギン」と言われても、そうは見えない。第一、もはやすごく貫禄のあるムハメドフと針山さんだと、‘父と娘’。そうねえ・・・タチアナの足元にすがりつくところを見れば、「もしかしてオネーギン?」と思うかもしれないけど。ムハメドフは、直情的な表現が、ロイヤルの「三人姉妹」の頃を彷彿とさせてくれました。お元気でよかった。(いや、まだ若いですけどね)そしてチラシをよく見たら、オレンジ色のバックで踊っている(ぼかしてある)のは若き日のムハメドフではないかと胸が熱くなりました。(なんか「あの人は今」風になってきたので、止めておこう。。。)あ、針山さんはからだがすごく柔らかくてエレガント。でも、コンテの多い最近のベルリンで何を踊っているのだろう?そして、ただでさえ若く(というよりは幼く)見える日本人女性の中でも、とりわけ可愛い感じだったので、ドイツでのポジンションを心配してしまいました。(余計なお世話かもしれませんが)その後、やっと「La Fille Mal Gardee」全幕。すごく盛りだくさんでお得感あり。会場に行くまで知らなかったけど、元K-Balletのアレクサンドル・ブーベルがコリン(コーラス?)で、その友人役で同じくK-Balletにいた輪島拓也さんが出ていた。確かにこの2人が抜きんでて上手かった。振付、演出のヴァレンティン・バルテスさんはアラン役で出ていて、コミカルな演技力がさすが。キッズ(見たところ3歳よりも小さく見える子も出ていてびっくり)は、出ているけで心がなごんだ。楽しかったのだけど、体力がない時期だけに、「La Fille Mal Gardee」の1幕終了時で20:20だったのには目まいがしそうになった。脂汗が出るほどつらくなってきたので、1幕で失礼することに。残念。
2009.08.10
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サブタイトルの~海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて~にひかれて新国立へ。というか、自宅から20分の新国立で、B席なら映画とほぼ同じ料金・・・というのが、観に行った大きな理由。でも、さらに本音は「久しぶりに岩田さんが観たい!」。第1部オープニング:◆「シンフォニエッタ」(振付:牧阿佐美、音楽:シャルル・グノー/福田一雄編曲) 新国立劇場バレエ研修所修了生 (小野絢子、寺田亜沙子、八幡顕光、篠宮佑一、 井倉真未、今村恵、今井奈穂、今村美由起、大湊由美、細田千晶、柴田知世)◆「ラ・シルフィード」パ・ド・ドゥ (振付:オーギュスト・ブルノンヴィル、音楽:ヘルマン・ルーベンシュキョル) 本島美和(新国立劇場バレエ団、新国立劇場バレエ研修所第1期修了生) ラグワスレン・オトゴンニャム(牧阿佐美バレヱ団)◆「サンデイ・アゲイン」パ・ド・ドゥ (振付:ジョー・ストレムグレン、音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ) 寺山春美(シーダーレイク・コンテンポラリーバレエ) ジューバル・バティスティ(シーダーレイク・コンテンポラリーバレエ)◆「海賊」パ・ド・ドゥ (振付:マリウス・プティパ、音楽:リッカルド・ドリゴ) 菅野真代(ディアボロ・バレエ団) ケーシー・ハード(オランダ国立バレエ団)◆「ロメオとジュリエット」バルコニーのパ・ド・ドゥ (振付:アラン・ジョーンズ、音楽:セルゲイ・プロコフィエフ) 安川千晶(オーランド・バレエ団) エディ・トバー(オーランド・バレエ団)◆「サタネラ」パ・ド・ドゥ (振付:マリウス・プティパ、音楽:チェーザレ・プーニ) 岩田唯起子(岩田バレエ団) 岩田守弘(ボリショイ・バレエ団)第2部◆「眠れる森の美女」第3幕のパ・ド・ドゥ (振付:マリウス・プティパ、音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー) 伊藤友季子(牧阿佐美バレヱ団、新国立劇場バレエ研修所第1期修了生) 京當侑一籠(牧阿佐美バレヱ団)◆「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」パ・ド・ドゥ (振付:ウィリアム・フォーサイス、音楽:トム・ウィレムス) 浅見紘子(ドレスデン国立歌劇場バレエ団) オレグ・クリミュク(ドレスデン国立歌劇場バレエ団)◆「白鳥の湖」第2幕のアダージォ (振付:マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ、音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー) 針山愛美(ベルリン国立バレエ団) ヴィエスラウ・デュデク(ベルリン国立バレエ団)◆「ドン・キホーテ」パ・ド・ドゥ (振付:マリウス・プティパ、音楽:ルートヴィヒ・ミンクス) 長崎真湖(遼寧バレエ団) 呂萌(遼寧バレエ団)フィナーレ:◆「カプリチョ・エスパニョール」(振付:小島章司、音楽:スペイン伝統音楽) 新国立劇場バレエ研修所第3期研修生、第4期研修生、第5期研修生、第6期研修生文化庁の事業として、公募により選ばれたダンサーが出演、とのことでした。あの方もですか。。。声援は圧倒的に岩田さんに。みんな私と同じだったのね。その他の演目は、バレエフェス週間中はちょっとツラかったかも。ついつい較べてしまうのだ。(そりゃ酷というものですが・・・)印象に残っているのは、コミカルなコンテ「サンデイ・アゲイン」と、「海賊」のアリのすてきな夜色濃紺のパンツと、「イン・ザ・ミドル・・・」の浅見さんの長~い脚だった。振付と衣装と体型が印象的だった、という失礼な私をお許しください。他の時だったら、もっとちゃんと観れたと思う。それでも客席は完全に埋まっていて、世の中のバレエファンがすべてバレエフェスに行くわけではないと実感(当たり前ですね~)。
2009.08.09
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体調は悪かったが、ここでヘタッては何のために働いているんだか・・・。そう思うと立ち上がって上野に向かうことができた。(オーバーかな)■第1部■ 「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーマリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレスゆっくりしたテンポのチャイパド。テクニック的には美しかったけど、ここではまだ盛り上がらず。「コッペリア」振付:アルテュール・サン=レオン/音楽:レオ・ドリーブヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナヤーナも結構頑張っている。だけどバレエフェスの中ではやはり地味で、あとで思い返すのに一番苦労した。「アレクサンダー大王」振付:ロナルド・ザコヴィッチ/音楽:ハンス・ジマーポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲルAプロよりずっとよかった。今のこの2人に合っている。(特にポリーナちゃん)振付が斬新とは思わないけど、結構面白く観れた。フォーゲルは・・・結構りっぱな筋肉美でございました。ポリーナちゃんは、デビュー時に目立ったバレリーナらしからぬ大きなムネはどこへ?ふくらはぎから太ももまで一直線に‘すじ’のはいった筋肉を見つめながら、その答えは想像がついたけど。「海賊」より "寝室のパ・ド・ドゥ"振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴシオマラ・レイエス ホセ・カレーニョカレーニョのソロがなかった。。。悲しい気持ちになったけど、難易度の高いリフトをこなす彼を見て、水香さんが「マジックハンド」と言っていたのを思い出した。「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー上野水香 デヴィッド・マッカテリ水香さん、一向に変わりませんね。いくら黒鳥でも、これほどパキパキ踊られてはねえ。マッカテリが必死でフォローしていてお気の毒でたまらず。「パリの炎」振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフマリア・コチェトコワ ダニール・シムキンなんと言っても本日のメインイベントだった。Aプロより格段によい出来で、会場は沸きに沸いた。シムキン君はこっちの方が踊り慣れてるのね。ふわっとした180度の開脚も540もキメてくれて、ここでやっとフェス中盤らしい盛り上がりになった。■第2部■ 「ナイト・アンド・エコー」振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:イーゴリ・マルケヴィッチエレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディンこのノイマイヤーはわかりにくかった。エレーヌ・ブシェの、腰から下が長さがすばらしいプロポーションに、しばし目を奪われた。「スリンガーランド・パ・ド・ドゥ」振付:ウィリアム・フォーサイス/音楽:ギャヴィン・ブライアーズアニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネスフォーサイスにしては冴えなかった。(そう思うのは、私の体調のせいかもしれない。)衣装はビミョーすぎる。(濃淡の肌色?の総レースタイツ。)UFOみたいなスカートが付いてるアニエスはまだしも、ジョゼは遠目には全裸に見えたかも。なんにしても、この2人しか着こなせない衣装ではありました。「白鳥の湖」第3幕より振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキールシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カランルシンダ・ダンの演技力がすごかった。この役はプリンス・チャールズ夫人となったカミラだと言われてるけど、ほんとかな。チャールズ(=王子)とダイアナ(=白鳥)はそうかも・・・と思ってしまうけど。「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネアリーナ・コジョカル ヨハン・コボーアリーナはかわいいマノンだった。小悪魔性はそう感じないが、テクニックの冴えがその部分をちょっと補っているかも。「アパルトマン」より "ドア・パ・ド・ドゥ"振付:マッツ・エック/音楽:フレッシュ・カルテットシルヴィ・ギエム ニコラ・ル・リッシュこの2人で踊るコンテの中では、この演目は好きな方です。なぜなら、これだとニコラはギエムのサポート役に回るだけではないからです。「ベラ・フィギュラ」振付:イリ・キリアン/音楽:アレッサンドロ・マルチェッロオレリー・デュポン マニュエル・ルグリ全く別格の2人。それでも、オーレリはやっぱり完全復調ではないようだ。一方、ルグリのからだのキレを見ていると、この人は完全に踊れる間しか、そして完全に踊れる演目でしか舞台に上がらないのだろうな、と思った。もっと目に焼き付けておきたいけのに、妙に短く感じてしまった。■第3部■ 「海賊」振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフサラファーノフもいろいろ超絶技巧をやっていて、なおかつ以前よりエレガントになっていると思う。だけど・・・シムキン君とかぶるところが多く、なんとなくほんのちょっと不利な感じ。「ル・パルク」振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルトディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフヴィシニョーワがよかった。妖婦というより、愛(愛欲?)に溺れた感じがよく出ていた。マラーホフはヴィシを立てる側に回っていたと思う。だけどこのル・パルクでは、男性は貴族的でありながらも男っぽさを感じさせる方が合っていると思う。マラーホフに望むのはムリかな?「ブレルとバルバラ」 振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラエリザベット・ロス ジル・ロマンジル様が大好きですが、歌声は、エリサベット・ロスが踊っているときに歌っていたジャック・ブレルが好きかなと。。。「エスメラルダ」振付:マリウス・プティパ/音楽:チェーザレ・プーニタマラ・ロホ フェデリコ・ボネッリ今日の第二のメインイベント。タマラのバランスの長さと回転で会場は大沸き。バランスのときには「1,2,3・・・・」と内心数えていたが、みんな同じだったみたい。あとで「15秒」と周囲でも言い合っていたから(笑)。回転はもはや私には4回転かそれ以上か判別つかなかった(!)「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーマリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチこの2人だとやはりこういう演目の方がいい。でも、バランキエヴィッチを観て、ガラの短い時間にその演目の世界に観客を入り込ませるのは大変なんだな・・・とクールに思ってしまった。とてもステキなオネーギンではありましたが。でも、バランキエヴィッチも脚がキレイね。。。「ドン・キホーテ」振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクススヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ〆はやはり女王ザハロワ様でした。いかにも君臨しているかのようなオーラが出ていてよかった。しかし、あの手拍子はいただけないわ。佐々木氏が「NBSの公演ではやめてほしい」と以前アナウンスしたことがあったけど、観客層が広がっているようなので、今一度言ってくれないかな。Aプロよりさらに盛り上がり、もう1回チケットを取っておけばよかった・・・と思った公演でした。そして伴奏の東フィルの金管には、ちょっと憤りを感じます
2009.08.08
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お盆も近いのに、そしてバレエフェス開幕中なのに、また仕事が忙しくなってきて、夕方上野に向かうために昼から必死で仕事の調整をした。平日は大変。。。オデット/オディール:タマラ・ロホジークフリート王子:フェデリコ・ボネッリ王妃:松浦真理絵悪魔ロットバルト:木村和夫道化:松下裕次【第1幕】家庭教師: 野辺誠治パ・ド・トロワ:高村順子-佐伯知香-長瀬直義ワルツ(ソリスト):西村真由美、乾友子、吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子【第2幕/第4幕】四羽の白鳥:森志織、福田ゆかり、岸本夏未、阪井麻美三羽の白鳥:高木綾、奈良春夏、田中結子【第3幕】司会者:永田雄大チャルダッシュ(第1ソリスト):乾友子-長瀬直義(第2ソリスト):森志織、福田ゆかり、高橋竜太、氷室友ナポリ(ソリスト): 高村順子-松下裕次マズルカ(ソリスト): 田中結子、山本亜弓、横内国弘、野辺誠治花嫁候補たち:西村真由美、佐伯知香、村上美香、岸本夏未、渡辺理恵、川島麻実子、大塚玲衣スペイン:高木綾、奈良春夏、後藤晴雄、平野玲もう誰もが書いてるけど、タマラ・ロホはほんとにすばらしかった。体型が造形的に美しいわけではない(ダンサーにしては)のに、決めのポーズが美しい。アームスもドラマティックだった。なんといってもグラン・フェッテで4回転を入れてきたのにはびっくり。会場が湧きました。サーカスみたいなダンスはキライと言いながら、彼女はそういうのとはレベルが違う。テクニックが強いダンサーに魅力を感じないのではなくて、テクニックしか売りがないダンサーにピンとこないだけだ。ボネッリは「サポート役に徹した王子」という感じだが、ノーブルさがあってよい感じ。この2人を観ていて、テクニックの派手さがこんなに違うのに、ちょっとした仕草の1つ1つが2人とも演劇的で、ああロイヤルだなあと思う。今日の満足度が高かった他の要因としては、やはりロットバルトの木村さんが挙げられると思う。からだのキレもいいし、存在感では今回の王子を喰っていたかも。他に目を引いたのは、スペインの平野さんかな。道化も、ジャンプはよかったと思うけど、私のお隣の方は「脚が曲がってる」と評価が低かった。クセのある演技も悪くなかったのに、惜しいところだ。休憩時間には、ジョゼ・マルティネズやティアゴ・ボアディンがまったくゆうゆうと(?)ロビーにいて、しっかり凝視できてうれしい限り。ジョゼはあの長身なのに、すごく一般ピープルな格好で、お友達に「ほら、後ろよ!」と囁かれるまで気付かなかったくらい。ボアディンはAプロのときは遠目でわからなかったけど、ラテン系のハンサムで、‘濃い’感じもあまりせず、結構素敵。知ってれば、先日は気合いの入れ方が違ったかも(!?)。(バレエでは)重要視されないようだけど、今日の東フィルの伴奏はひどかった。ここまでレベルが低い東フィルの演奏は、コンサートでは聴いたことがないので、「バレエのときには力を抜いてるの?」と勘繰ってしまう。
2009.08.06
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バレエフェスが開幕した。3年に1度とはいえ、今年は私的に妙に緊張感漂います。。。■第1部■ 「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーマリア・コチェトコワ ダニール・シムキンシムキン君はけれんみを出さず、キレイに踊っていました。それでも技巧的には目を見張るものがあるので、一気に盛り上がり、トップバッターの役目は十分果たした。外見が華奢だから頼りなく見えてしまうけど、舞台度胸はかなりと思う。「くるみ割り人形」より "ピクニック・パ・ド・ドゥ" 振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキールシンダ・ダン ロバート・カランマーフィーの「くるみ」を見たことないけど、おしゃれな雰囲気だった。全幕も見たくなったものの1つ。「海賊」振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴマリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレスヌニェスを見たことなかったが、なかなかよいなあと。ソアレスはからだが固いし、低空飛行(?)だったので、調子悪いの?と思ってしまった。「エラ・エス・アグア ‐ She is Water」振付:ゴヨ・モンテロ/音楽:コミタス、クロノス・カルテットタマラ・ロホ上からぶらさがったドレスを着るのに、苦労してるなーとどうでもいいことに気を奪われた。上階から見たら雰囲気が違ったようです。「くるみ割り人形」振付:レフ・イワーノフ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナよいのだけど、フェスの中では埋もれるなあ。。それでも、コンヴァリーナが前よりずっと上手くなったのはしっかり確認。「コッペリア」振付:アルテュール・サン=レオン/音楽:レオ・ドリーブアリーナ・コジョカル ヨハン・コボーコジョカルの超絶技巧で、第1部最後を締めくくることができた。最初にシムキン君でわくわくしたあと、ここまで落ち着いて見てしまったので、フェスがこれでいいのか!と思ったけど(笑)、ようやく盛り上がって休憩になったのだった。■第2部■ 「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー/音楽:アドルフ・アダン上野水香 マチュー・ガニオマチューが出てきたときに、その貴公子ぶりにオペグラが離せなくなった。わあ・・・久しぶりね。。。怪我は大丈夫かしら。Aプロだけでも出演してくれてうれしいけど、Aプロだけのために呼んだの?と申し訳ない気持ち。水香さんは重かった。地上にしっかり根付いてる。浮遊感がここまでないジゼルも珍しいもの。「クリティカル・マス」振付:ラッセル・マリファント/音楽:リチャード・イングリッシュ、アンディ・カウトンシルヴィ・ギエム ニコラ・ル・リッシュマリファントでしたね。ギエムはさておき、ニコラがこういう演目にお付き合いしての出演になってしまうのが、私には悲しい。だけど、ニコラ本人は本当にうれしそうなんだよね。。。「ライモンダ」より第3幕のパ・ド・ドゥ振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフマリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ衣装はステキでした。アイシュバルトとバランキエヴィッチなら、他の演目で観たい。「スカルラッティ・パ・ド・ドゥ」(「天井桟敷の人々」より)振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:ドメニコ・スカルラッティアニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネスこれも、ここだけ切り取られるとよくわからないので、やっぱり全幕で見たい。振付自体はそれほど目新しくはないけど、今日私はあらためて、ジョゼの踊りが端正でエレガンスいっぱいなのを認識した。やっぱりパリ・オペのTOPダンサー♪そしてアニエスも、誰と踊るよりアニエスらしい。踊っているときはわからなかった衣装を、カーテンコールの明るい光の中で見たら、すごく素敵。本日の衣装の中ではダントツにおしゃれだった。「ディアナとアクティオン」振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニシオマラ・レイエス ホセ・カレーニョカレーニョの魅力を改めて感じ、この人もそろそろ見おさめなのよね、としみじみしてました。「オテロ」 振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルヴォ・ペルトエレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディンエレーヌ・ブシェが人魚姫をやった人と同一とは思えないなーと見ていたら、ボァディンのお尻に目を奪われて(笑)、思考が中断いたしました。■第3部■ 「椿姫」より第1幕のパ・ド・ドゥ 振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパンオレリー・デュポン マニュエル・ルグリ私は何やかやと言いながら、やはりルグリに会いにフェスに来たのだけど、彼の足さばきには誰も及ばないことを今さら確認。そして、おなじみの笑顔を見て、またしてもハートに火が付きました(笑)。オレリーのお疲れぶりが激しく、顔も老けていたのが気になるばかり。「フォーヴ」 振付:ジャン=クリストフ・マイヨー/音楽:クロード・ドビュッシーベルニス・コピエテルス ジル・ロマンコピエテルスの体型はすさまじく芸術的。この演目がマイヨーのものだと知っていなくて、ジル・ロマンだけ見ていると、これもベジャールさんの振付かと思ってしまう。帰りに一緒になった方が「何を踊ってもジル」とおっしゃっていましたが、そのとおり!だった。「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキースヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフザハロワは白鳥ほどには黒鳥が得意でないと思うけど、女王オーラはすごい。このフェスの出演者の中でも他を圧倒していた。「カジミールの色」振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィチディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフどうということないコンテと思うのに、この2人に踊られると絶品。冬のマリインスキーは、スケジュールの都合でヴィシニョーワを見られないのだけど、それを何とかしてやっぱりヴィシを見ようかしら、と思ったほど。「マノン」より"寝室のパ・ド・ドゥ"振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲルフォーゲル君は年齢的に、ちょうどデ・グリューのお年頃。テクニック的に申し分ないと思うけど、マノンへの狂おしいほどの愛は感じませんでした。さらに、ポリーナの方は愛を感じないどころか、クールな感じさえ受けました。「ドン・キホーテ」振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクスナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフテクニック的に、この2人にしては抑えめにしたのだと思う。それでもすごい!のだけど。シムキンが出てきたので、サラファーノフがぐっと大人に見える昨今。笑顔がチラともよぎらないバジルって寂しいので、もっと愛想よくなってほしいなあ。いろいろ思ったけど、3年に1度の祝祭で、ちょっと浮かれていました。ほしかったグッズも買い損ねたので、Bプロで挽回予定。
2009.08.01
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シムキンをクラシックの全幕主役で観たかった。願いがかなってルンルンな気持ちだった。キトリ/ドゥルシネア姫:マリア・コチェトコワバジル:ダニール・シムキンドン・キホーテ:野辺誠治サンチョ・パンサ:高橋竜太ガマーシュ:平野玲メルセデス:奈良春夏エスパーダ:後藤晴雄ロレンツォ:横内国弘―第1幕―2人のキトリの友人:乾友子‐佐伯知香闘牛士:松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、梅澤紘貴、安田峻介、柄本弾、柄本武尊、森川茉央若いジプシーの娘:吉岡美佳ドリアードの女王:田中結子3人のドリアード:吉川留衣、渡辺理恵、川島麻実子4人のドリアード:森志織、福田ゆかり、村上美香、阪井麻美キューピッド:高村順子―第2幕―ヴァリエーション1:佐伯知香ヴァリエーション2:乾友子私は、いくら「ドンキ」でも、サーカスみたいなラテン系ダンサーのノリが実は苦手。だから超絶技巧続きでも、ふわっとした軽さの漂うシムキンの踊りが気に入っている。回転の最後がゆっくりになって止まるのも、軸がブレないのもいい。一方で、これまで短い演目でしか彼を観たことなかったので、想像とはちょっと違った。あまりに華奢なので、片手でリフトなんてしないだろーなーと思ったら、そこは立派にクリア。若く見える(実際若いけど、もっと若く少年のように見える)から、もっとシャイかと思ったら押し出しがいいと言うか、多少テンポをはずしても技をアピールしてくる。ランベルッセでのすごい反りかえり(?)を目にして、あぁやっぱりロシア系だわと思い、どこにもカテゴライズされなさそうだったので、ちょっとホッとしたりした。でも、どこかエレガンスも感じるし、総じて好きではあります・・・はい。パートナーは、あまり知らなかったコチェトコワ。こちらも小柄だが、ぐっと正統派ロシア系。安心して観れた。私は、東バのキャストにもそれほど文句はないけど、客席にスーパースターが揃っていることを思えば、エスパーダにもうちょっと頑張ってほしかったな。ガマーシュの平野さんは、キャラクター性を出して、本来の設定以上に大活躍だった。バレエフェスの始まりとあらば、スターが客席に座るので客席ウォッチも楽しみだったけど、そういうこと(観客の中からお目当てを見つけ出すとか、化粧&衣装のないままダンサーを判別する・・)がすごく苦手。結局、名前と顔がわかったのは、カレーニョとバランキエヴィッチだけ。カレーニョをすぐ側で何度も見たのだけど、舞台では背が高い方ではないのに、客席で見るとスラリとしてかっこよく、プレイボーイ的と言えるほどのスマイルを振りまいていて、ドキドキした。せっかくだから(?)マチューも見たかったな。。。
2009.07.29
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喉の痛みに加え、市販のカゼ薬のせいで胃痛も激しく、会議中はイスから落ちるかと思った(汗)。早く帰って寝ることにしたら、その帰宅途中、珍しく自宅近所で手に入った『DANZA』。【インタビュー】デヴィッド・ホールバーグ/服部有吉/井関佐和子/秋元康臣 【特集】ニューヨークシティ・バレエ来日特集映画「パリ・オペラ座のすべて」 表紙が麗しいデヴィッド・ホールバーグ。昨年、小林紀子シアター「ラ・シルフィード」のジェームズ以来だわ。インタビューでは、誠実にキャラクター分析する彼の姿勢が窺えて好感!服部有吉さんの今度の振付は「七つの大罪」ですか。チャレンジブルだなあ。パラパラと頁をめくっていたら、海外公演のレビューのコーナーがあって、そのTOPにベルリンでのプレルジョカージュの新作「白雪姫」の写真があった。白雪姫はSHOKOだけど、この衣装がスゴイ。からだの真横に布切れは見当たらないから、真横だけ全身の裸体が見える。さすがベルリン(?)。デザインはゴルチエらしいけど。いや、衣装はさておき、題材から想像するメルヘンチックなことなど何もないかのような、現代的なアプローチを感じさせて(そう思うというだけです)、実際に観たくなった。
2009.07.28
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何気にこのガラは楽しみにしていた。パリ・オペからも、ミュリエル・ズスペルギー、カール・パケット、ジョシュア・オファルトの3人が出ることになっていたし。「ライジング・スターズ」アクリ瑠嘉、加藤清流、水井駿介、出野佑都、佐野朋太郎、大藤明礼生、井福俊太郎、加藤凌、池内寛人、内堀裕仁、鈴木詠翔、熊谷駿、酒井大、関口啓、三浦丈明、吉田邑那、松野乃知「フーガ」ヤニーナ・パリエンコ、アレクセイ・コリャーギン「サタネラ」エフゲーニャ・オブラスツォーワ、秋元康臣「眠れる森の美女」オクサーナ・クチュルク、ロマン・ミハリョフ「ブルジョワジー」ジョシュア・オファルト「スターズ&ストライプス」シャロン・ウェナー、久保紘一「アザーダンス」アシュレイ・ボーダー、サイモン・ポール「村のドンファン」ヤニーナ・パリエンコ、アレクセイ・コリャーギン「ジゼル」ミュリエル・ズスペルギー、カール・パケット「白鳥の湖」より黒鳥 クリスティナ・タランティエワ、アレクセイ・タランティエフ「ドン・キホーテ」アディアリス・アルメイダ、ジョセフ・ガッティデフィレ・ドゥ・ラ・ダンス(全員)私がジョシュア・オファルトを観る機会があったときには、かなり地味めだったり、パリ・オペの周囲のダンサーと比べると雑だったりという印象を持っていた。こうして彼だけ観ると、やっぱり彼もパリ・オペのダンサー。脚さばきがキレイだし、どことなく洒落てて優雅だとさえ思う。ちょっと評価UP。楽しみにしてたのは、カールとミュリエル。翌週出張するんでなければ、今週末には彼らの「ジゼル」全幕を観に、びわこホールに行きたかった。カール・・・あんなにステキなのに、どうしてアルブレヒトがあんなに単調なの?ひいき目もあって、彼は余力があると思っているんだけどな。全幕で観るともっと違ったのかもしれない。ミュリエルはもっと華があるといいのに。予想以上だったのは、コレーラバレエの2人。おとなしめだった会場の拍手を、最後に独り占め状態。アルメイダのトリプルがいっぱい入ったグラン・フェッテもすごかったし、ガッティの180度に脚を開いたジャンプも高さと勢いがあった。アンヘルのDNAは受け継がれてる?あと、かわいくて上手いオブラスツォーワとか、久々だけど安定してて見応えあるオクサーナ・クチュルク&ロマン・ミハリョフとか、小粒だけ圧倒的な存在感のシャロン・ウェナー&久保紘一組とか・・・・結構お得感のあるガラだった。
2009.07.26
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ルジマトフ最後の「シェヘラザード」を観ておこうかな、とゆうぽうとへ。<第1部>「白鳥の湖」よりグラン・アダージョ ヴィクトリア・クテポワ、ミハイル・ヴェンシコフ、コンセルヴァトワール・バレエ「くるみ割り人形」よりパ・ド・ドゥ オレーシア・ガピエンコ、ユーリー・カリーニン「海賊」よりパ・ド・トロワ イリーナ・コシェレワ、西島千博、ミハイル・ヴェンシコフ「阿修羅」ファルフ・ルジマトフ「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ オクサーナ・シェスタコワ、ミハイル・シヴァコフ、コンセルヴァトワール・バレエ<第2部>「ディアナとアクティオン」 オレーシア・ガピエンコ、アンドレイ・ベーソフ、コンセルヴァトワール・バレエ「眠りの森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ ヴィクトリア・クテポワ、ドミトリー・シャドルーヒン「ラ・シルフィード」よりパ・ド・ドゥ ユリア・ルンキナ、ミハイル・シヴァコフ「NEO BALLET ~牧神の午後~」西島千博「シェヘラザード」よりアダージョ ファルフ・ルジマトフ、イリーナ・コシェレワ私の周囲の人間が必ず「そう来たか!」とコメントしたくらい意表をつかれた西島千博さんの出演。私も、彼はもう本格的なバレエからは遠ざかったと(失礼!)勝手に思っていた。でも、違和感はあったけど想像してたほどではない。西島さんの外見が日本人離れしていることもあって違和感が少ないんだろうけど、もともと持ってるものがあまりに違うのでしっくりこないのもちょっと事実。感情の表出の少ないルジマトフの横で、ニコニコ笑っている西島さんという図があまりにわかりやすかったな。それでも、西島さんが一人で踊る「NEO BALLET~牧神の午後~」は、彼のセクシーな雰囲気が悪くない。肝心のルジマトフは「阿修羅」「シェヘラザード」に出演。正直なところ、私には「阿修羅」の良さがわかりかねる。。。ルジマトフ・ファンに叱られそう。一方で、「シェヘラザード」はこれが最後とうるうるしそうになった。なんやかや言いながら、「シェヘラザード」の黄金の奴隷はルジマトフがMyスタンダードなのだった。穴のあくほど見つめながら、やっぱりバレエって「これが最後」と銘打って踊るものじゃないんじゃないかなあ・・・と思ったりした。いつのまにか踊らなくなって、後で「あれが最後の○○だったわね」なんて言っているくらいがいいのかも。ルジマトフですら、かつてのオーラが減じている。そして、ほんのほんのほんのわずか・・・体型が変わった気がする。久しぶりに観れてうれしかったのではあるけれど。ルジマトフ公演恒例の「着物姿の女性陣による花束攻勢」は健在でした(笑)。
2009.07.22
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エマニュエル・ティボー見たさに井上バレエ団の公演へ。シンデレラ:島田衣子 王子:エマニュエル・ティボー 冬の精:鶴見未穂子春の精:宮嵜万央里夏の精:小高絵美子 時の精:西川知佳子 仙女:小高絵美子 オレンジの精:田中りな 継母:足川欽也姉娘:堀 登妹娘:坂本登喜彦芸術監督・振付:関 直人美術・衣裳:ピーター・ファーマーティボーのエレガントさが大好きなんだけど、ここに客演するときはいつもちょっと不安定な感じ。公演日ギリギリに来日しているんじゃないかなあ・・・と思う。疲れてるとかいうより、まだバレエ団の間合いを取れてないというか。それでも、つまさきまで伸びた優雅な足さばきを観れて、うっとり。王子様さまらしいキラキラ感を持ってる人って昨今少ないことだし、気付くと「目に焼き付けておきたい」とばかりに、凝視していた(笑)。惜しいのは、王子様の振付が地味なことかな。島田さんは、指先まで神経が行きとどいている繊細な踊りだけど、それでいて安定感もばっちり。見ていて、島田さんなら大丈夫(何が?)と感じさせる。この主役2人の組合せはなかなか良くて、もう少し息が合うまで事前に時間が取れたらいいのに、と思う。(←勝手な推測が入ってます。。)継母と姉妹は3人とも芸達者で、ほんと面白い。姉妹は、男性が演じているとちゃんとわかるのだけど、継母の足川さんは立ち居振る舞いがホントに女性のままで、まじまじと見つめてしまった。制服のようにみんなおそろいの衣装と、道化より地味な王子の衣装がやや残念。(そういえな、道化役は誰なんだろう?なかなかよかった。)すご~く残念なのは、あり得べからざることだけど、赤ちゃんの泣き声が聞こえたこと。あの声は幼児でなくて、乳児だわ・・・。なんで、公演のさなかにそんな声が聞こえるの??教え子さんもいっぱい来るこういった公演では、容認されるのかしら?音楽が主体でないバレエだから?一瞬、頭の中が真っ白になった。
2009.07.19
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ダブルヘッダーで新国立へ。昼に日経ホールで見かけた人もいて、同じような行動を取った人がそれなりにいるんだなと共感。【振付】ローラン・プティ【音楽】レオ・ドリーブ【演奏】東京フィルハーモニー交響楽団【スワニルダ】タマラ・ロホ【フランツ】ホセ・カレーニョ【コッペリウス】ルイジ・ボニーノ【スワニルダの友人】西山裕子/さいとう美帆/寺島まゆみ/丸尾孝子/伊東真央/寺田亜沙子この日にしたのは、もちろんタマラ・ロホ&ホセ・カレーニョという組合せを観るため。どっちもスワニルダとフランツは似合わないと思うけど、久々にこの2人が観たかった。特にカレーニョはノーブルさが勝って、普通のお兄ちゃんであるフランツには違和感がある。それでも、引退が発表されたことだし、少しでも目に焼き付けておかなくちゃ、と思ったのだ。ローラン・プティのコッペリアは、都会的でおしゃれ。一方で、老人に対する冷たさを、他の版より一層感じる。ルイジ・ボニーノ演じるコッペリウスは、その悲哀の表し方が優れていると思った。
2009.06.28
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日曜の大手町は友人とお茶する場所もないほど閑散としていた。今後この日経ホールで週末のコンサートがあっても、気乗りしないだろうな。。。「ロミオとジュリエット」 振付:スキビン 音楽:ベルリオーズマーゴ・フォンティーン イワン・ナジー 第1回(1976)より「ラ・バヤデール」 振付:プティパ 音楽:ミンクス マリアーナ・チェルカスキー フェルナンド・ブフォネス 第1回(1976)より「レダ」振付:ベジャール 音楽:日本の伝統音楽マイヤ・プリセツカヤ ジョルジュ・ドン 第2回(1979)より「パ・ド・カトル」 振付:ドーリン 音楽:プーニアリシア・アロンソ カルラ・フラッチ ギレーヌ・テスマー エヴァ・エフドキモワ 第2回(1979)より「ドン・キホーテ」 振付:M.プティパ,A.ゴールスキー 音楽:ミンクス エカテリーナ・マクシーモワ ウラジーミル・ワシーリエフ 第2回(1979)より「ボレロ」振付:ベジャール 音楽:ラベルジョルジュ・ドン 第3回(1982)より「海賊」振付:プティパ 音楽: ドリゴ エヴァ・エフドキモワ ペーター・シャウフス 第3回(1982)より「ジゼル」振付:コラーリ&アロンソ 音楽:アダンアリシア・アロンソ ホルヘ・エスキヴェル 第3回(1982)より「白鳥の湖」黒鳥のパ・ド・ドゥ 振付:プティパ 音楽:チャイコフスキージョイス・クォーコ ピーター・ブロイヤー 第3回(1982)より「オネーギン」 鏡のパ・ド・ドゥ 振付:クランコ 音楽:チャイコフスキー、シュトルツ マリシア・ハイデ リチャード・クラガン 第4回(1985)より「ドン・キホーテ」振付:プティパ 音楽:ミンクスモニク・ルディエール パトリック・デュポン 第4回(1985)より「失われた時を求めて」 振付:プティ 音楽: サン=サーンスドミニク・カルフーニ デニス・ガニオ 第4回(1985)より「グラン・パ・クラシック」 振付:グソフスキー 音楽:オベールシルヴィ・ギエム マニュエル・ルグリ 第5回(1988)より特別プログラム「白鳥の湖」第5回(1988)より 1幕ペーター・シャウフス(王子)パトリック・デュポン(道化) アニー・マイエ、ヤナ・クーロワ、イルジ・ホラック(パ・ド・トロワ)2幕エヴァ・エフドキモワ(白鳥)デヴィッド・ニクソン(王子)3幕カルラ・フラッチ、ウラジーミル・デレヴィヤンコ(ロシア)シルヴィ・ギエム(黒鳥)マニュエル・ルグリ(王子)シリル・アタナソフ(ロットバルト)4幕マリシア・ハイデ(白鳥)リチャード・クラガン(王子) 「ライモンダ」振付:グリゴローヴィチ 音楽:グラズノフニーナ・アナニアシヴィリ アンドリス・リエパ 第6回(1991年)「椅子」振付:ベジャール 音楽:ワーグナーマリシア・ハイデ ジョン・ノイマイヤー 7回(1994年)「パリの炎」 振付:ワイノーネン 音楽:アサフィエフフェルナンダ・タバレス=ディニス ホアン・ポアダ 第8回(1997)より「エスメラルダ」振付:プティパ 音楽:プーニアニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス 第8回(1997)より「マノン」 寝室のパ・ド・ドゥ 振付:マクミラン 音楽:マスネアレッサンドラ・フェリ ウラジーミル・マラーホフ 第9回(2000)より「アダージェット」振付:ベジャール 音楽:マーラージル・ロマン 第10回(2003)より「チャイコフスキー・パ・ドドゥ」 振付:バランシン 音楽: チャイコフスキーアリーナ・コジョカル アンヘル・コレーラ第10回(2003)より「優しい嘘」 振付:キリアン 音楽:C.モンテヴェルディ、C.ジェズアルド、グレゴリオ聖歌シルヴィ・ギエム ニコラ・ル=リッシュ 第10回(2003)より「椿姫」 第3幕パ・ド・ドゥ 振付:ノイマイヤー 音楽:ショパンジョエル・ブーローニュ アレクサンドル・リアブコ 第11回(2006)より「扉は必ず…」振付:キリアン 音楽:ハウブリッヒ(クープランの「プレリュード」を基に)オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ 第11回(2006)より「Two」振付:マリファント 音楽:カウトンシルヴィ・ギエム 第11回(2006)より「ロミオとジュリエット」より“バルコニーのパ・ド・ドゥ” 振付:クランコ 音楽:プロコフィエフポリーナ・セミノオワ フリーデマン・フォーゲル 第11回(2006)より「ジュエルズ」より'ダイヤモンド’ 振付:バランシン 音楽:チャイコフスキーディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ 第11回(2006)より一番の驚きはパトリック・デュポン。さすがにここまではじけたドンキのバジルは見たことがない。高速の回転も、浮いているような跳躍も、彼の前にも後にもこんな人材はいないだろう。映像なのに、会場内が一瞬沸いた。あまり観たことのなかったブフォネスやワシーリエフの映像が見れてうれしかった。ワシーリエフのような踊り方をするダンサーは近頃のボリショイにはいない。私はやっぱり前回の「扉は必ず…」が印象的。ルグリは年を経ただけの完成度をいつでも感じさせる。この短い上演の中で3回観たけど、まだもの足らないわ(笑)。他の映像ももっと出してほしいと思わせる上演だった。
2009.06.28
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会場は「東京文化会館」だと思い込んでいた。15時2分前に、セーフ!とばかりにチケットを差し出した私に、係員が「あの・・・」。それから「ゆうぽうと」に向かうことになった(涙)。ジゼル:吉岡美佳アルブレヒト:フリーデマン・フォーゲルヒラリオン:木村和夫【第1幕】バチルド姫:坂井直子公爵:後藤晴雄ウィルフリード:野辺誠治ジゼルの母:橘静子ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):高村順子-宮本祐宜、乾友子-長瀬直義、佐伯知香-松下裕次、吉川留衣-横内国弘ジゼルの友人(パ・ド・シス):西村真由美、高木綾、奈良春夏、田中結子、矢島まい、渡辺理恵【第2幕】ミルタ:田中結子ドゥ・ウィリ:西村真由美、吉川留衣結局1幕途中から観た。1幕はモニターで見るのかしら、と思ったら、ここはいつでも会場に入れる。休憩までは立ち見だけど。花占いなど若い2人のカップルのラブラブなところには間に合わず、見られなかった。フォーゲルは似合ったろうな。狂乱の場にたたずむ貴公子としては、等身大とも言えるし、芝居しなさすぎな気もする。自分の席に座って第二幕。吉岡さんは、これまで私が観た中では一番よかった。テクニカルなことがどう、というのではなくて、吉岡さんのジゼルは「この世の者ではない」という感じがすごくする。一方で、フォーゲルのアルブレヒトは、すごく元気な生身の若い男の子のまま。普通は、ジゼルの世界に引っ張られて、すでに精神的にはマイっていて、体力的にも踊らされ続けるところでヘロヘロになる。フォーゲルは、反省はしていても人生観にまで影響してなさそうな、パワーあふれるアルブレヒトだった。。。ジゼルがウィリーになっても「好きだよ~」とか言っていそう。ただ、フォーゲルのハンサムぶりには、熱い声援が周囲から上がっていた。私の後ろの女性たちもヒートアップぶりがすごかった。カーテンコールでフォーゲルが吉岡さんを見つめたりすると「私も見つめられたい~」「今夜は夢見そう~」という合唱でした。気持ちはわかる(笑)。けど、さらに素敵なアルブレヒトになるために、もっと役を熟成させてね、とフォーゲルには伝えたいな。
2009.06.13
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この公演前に、バレエのお友達からルグリのアデューみやげを頂きました。胸がいっぱいで、帰りの電車の中ではパンフを抱きかかえていました。周囲の人は不審だったでしょう・・・。さてノイマイヤーのロメジュリ。キャピュレット家キャピュレット夫人:ギッテ・リンストロムキャピュレット公:モーエンス・ボーセンジュリエット:スザンネ・グリンデルロザライン:エイミー・ワトソンヘレナ:セシリー・ラーセンエミーリア:ディアナ・クニティボルト:マス・ブランストルップ乳母:イェッテ・ブックワルドピーター:イェンス・ヨアキム・パレセンモンタギュー家モンタギュー夫人:ルイーズ・ミヨールモンタギュー公:フレミング・リベアロミオ:セバスティアン・クロボーベンヴォーリオ:アレクサンダー・ステーゲルバルタザール: オリヴィエ・スタロポフキャピュレット家の使用人サンプソン:アルバン・レンドルフグレゴリー:クリスティアン・ハメケンポットパン:バイロン・マイルドウォータールチェッタ:エレン・グリーングラティアーナ:ブリジット・ローレンスカミーラ:ヒラリー・ガスウィラーウルスラ: ホリー・ジーン・ドジャーネル:マティルデ・ソーエスーザン:エリザベット・ダムモンタギュー家の使用人アブラハム:ジェイムズ・クラークアンジェロ:グレゴリー・ディーンマルコ:エリアベ・ダバディアシルヴィア:エスター・リー・ウィルキンソンフランシス:レベッカ・ラッベマルガレータ:サラ・デュプイポーリーナ:レナ=マリア・グルベールリヴィア:アマリー・アドリアンマリア:ジュリー・ヴァランタン僧ローレンス:コンスタンティン・ベケルエスカラス(ヴェローナ大公):エルリング・エリアソンマキューシオ:モーテン・エガトパリス伯爵:マルチン・クピンスキー娼婦イモーガン:キジー・ハワードヴィオレンタ:マリア・ベルンホルト旅芸人の一座イザベラ: ティナ・ホイルンドヴァレンティン:ジャン=リュシアン・マソルシアーナ:アナスタシア・パスカリラヴィニア:ジョルジア・ミネッラアントーニオ:クリストファー・リッケルビアンカ:キジー・ハワードセバスティアン:セバスティアン・へインズみんな背が高くて脚が長くて顔が小さくて。その上、濃くなくて、すっきりさわやか系多し。セバスティアン・クロボーは何年か前、井上バレエ団で観た。まだ十代だったな。そのうち主役を張るようになるんだろうな、とは思ったけど早かったわ。「誰も突出していない」って周囲の誰かが言ってたけど、違うんじゃないかな。全体にレベル高い。ロミオとマキューシオとベンヴォーリオの3人が悪さしてても、洋服の色が違わなければ、遠くからじゃテクニックと容姿で見分けつかない。僧ローレンスが若くてロミオのお友達なのもポイント高い(笑)。このノイマイヤー版を観たら、最初に誰でも、他とは違う僧ローレンスに「あれ?」と思うはず。その段階でノイマイヤーの罠にはまっている。キャピュレット家、モンタギュー家の一族だけでなく、それぞれの使用人まで名前が決まっていて演劇性が高い。ダンサーの一人一人がストーリーの中で息づいてるな、と思う。いまさらロミジュリの別の版?と思ったけど、このノイマイヤー版がすごく好きになった。デンマーク・ロイヤル・バレエがくるまで何となくテンション低かった(私も世間も・・・)けど、もっと気合いを入れて観ればよかったな、と思う。楽日にやっと観に行ったりせずに、今回の来日でせめてもう1回観たかった。
2009.05.24
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ルグリ・ショック(=喪失感)から立ち直るには、それなりの配役のバレエを見なくちゃあ・・・。ザハロワとウヴァーロフの白鳥なら、気を取り直すことができるのではないかと期待。【振 付】マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ【演出・改訂振付】牧 阿佐美【装置・衣裳】ピーター・カザレット【指 揮】アレクセイ・バクラン【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団オデット/オディール:スヴェトラーナ・ザハロワジークフリード王子:アンドレイ・ウヴァーロフルースカヤ:川村真樹ロートバルト:貝川鐵夫王妃:西川貴子道化:八幡顕光王子の友人(パ・ド・トロワ):さいとう美帆、小野絢子、江本 拓小さい4羽の白鳥:さいとう美帆、本島美和、寺島まゆみ、小野絢子大きい4羽の白鳥:川村真樹、丸尾孝子、堀口 純、小村美沙スペインの踊り:寺島まゆみ、楠元郁子、芳賀 望、中村 誠ナポリの踊り:伊東真央、井倉真未、福田圭吾ハンガリーの踊り:西山裕子、マイレン・トレウバエフ2羽の白鳥:川村真樹、大湊由美新国立劇場バレエ団観に行ってよかった。ザハロワの白鳥は現世を忘れさせてくれます。。彼女の踊りは益々‘ボリショイ化’していると思う。もう移籍して何年も経っているので当然だけど、観るたびに‘ボリショイ化’の傾向は進行している。それは悪くないけど、「所属するバレエ団を変わるってこういうことなんだな」と実感する。ザハロワは当初のザハロワっぽさを変えないと思っていた。というか、ダンサーにとっては自分の個性の方が強いものだと思いこんでいた。(なんでそう思っていたのかは自分でも不明。)特にアームスの使い方が変わってきていて、「白鳥って大きい鳥なんだわ!」と思わせる(苦笑)。いや、いいんです、それでも。青白いライトの中、白鳥と王子とそれを見つめてる自分だけしかその場にいないかのような、あの静寂感はやはりザワロワの天性と思う。びっくりしたのは黒鳥の方。相変わらず回転系はそれ以外と比べると得意ではないようだけど、グラン・フェッテはシングルながら高速で軸のぶれなく廻りきる。そして、その力強さは一時期のステパネンコ姉さんか(!)と思ったくらい。今日はじめて「白鳥の湖」&ザハロワを観たオペラ仲間の男性は,「ザハロワって黒鳥が得意なんだよね?」とのたもうたのだった。ダンサーは変わっていくから、こちらも同じ演目でも見続けていくんですけどね。そしてウヴァーロフ。5月初めの「ザハロワのすべて」のときより、すでに体がダブついた気がしてならない。動きも鈍いし。連休のときは「まだまだイケるわ~」と期待したのに。からだが重そうだったが、それでも足音が全然しないのはさすがではある。道化の八幡顕光さんもよかった。見せ処がいっぱいあって、ある意味おいしい役だけど、それをちゃんと活かしてる。ジャンプや回転などの技巧的な点だけでなく、舞台のあちこちで芝居していて、そのスパイスがちょっとしたことに利いている。久しぶりにすごく緊張感を持って観ることができた。最後に、新国立版ならではのハッピーエンドになって、わかってはいたけど感動の度合が薄れたのだったが。
2009.05.23
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仕事は山場続き。ここで海外旅行なんかで休暇取ったら、間違いなく帰国後に「机がない」か「降格」が待っていたと思われ。。。仕事のしがらみを振り切って会社を出てきてしまったので、明日の朝は早出覚悟。ジゼル:東野泰子アルブレヒト:熊川哲也 ヒラリオン:スチュアート・キャシディ 【第1幕】6人の村人達の踊り:副智美、遅沢佑介、白石あゆ美、中村春奈、伊坂文月、西野隼人 ジゼルの母親ベルト:ニコラ・ターナ クールランド公爵:ショーン・ガンリー公爵の娘バチルド:松根花子 アルブレヒトの従者ウィルフリード:デイビッド・スケルトン 【第2幕】ウィリーの女王ミルタ:浅川紫織 モイナ:木島彩矢花 ズルマ:樋口ゆりヴィヴィアナ・デュランテはケガで降板。(5月9日大宮公演中に「左腓腹筋部分断裂」・・・全治3週間見込み、とのこと。)Kバレエのチケット代ははっきり言って高い。だけど、今回はデュランテ価格だったんだけどなあ、個人的には。それでも、熊川さんも久し振りだし、まあいいかという気持ち。席は抽選だったので、あまり意識せずに会場に向かったら、最前列センター近く。滅多にないのでうろたえた(?)けど、それでもバレエだかよく見えてうれしいこともあるかと思ったら、それは大きな誤算だった!・・・指揮者が目の前。そして今日はすごくオケピットが浅い。その上、この指揮者は身振りがすごく大きい。結果的に、上演中ずーーっと指揮者のハデで大仰な身振りを見ることになった。主役が細やかな振りをしていても、天に向かって振り上げた指揮者の両腕が私の視界を遮る。ひどい(涙)。アルブレヒトが「許して」と懇願し、ミルタが「いんや、ダメ!」なんてやりとりをしてるときも、彼は今度は一歩右に踏み出して左右にからだをスイングさせながら両肘を引き上げてタクトを振る。さんざんだった。それでも久し振りの熊川さんには結構目が釘付け。1幕では華やかなオーラは健在で、「貴公子」の佇まいは立派だったし、感情表現が以前より細やかになっていると思う。1幕最後では一旦立ち去ろうとしながら、そうもしかねてちょっと戻ってきてしまったりする。2幕で百合の花を抱えて出てくるシーンもよかった。ルジマトフとかマラーホフとか、ナルシズムの極致のような歩き方で現れるのも、それはとても好きなのだけど、熊川さんの‘トボトボ’感が等身大に感じられて、そういう貴族の若様もありだと思わせる。一言で言えば芸が細かくなった気がして、私は彼を再評価したのだった。もちろん、お約束の高いジャンプも健在で、歓声がすごかったが、私は別な点で今後に期待している。
2009.05.13
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荷物を持って18時ギリギリに上野に到着。あぶなかったなー。≪カルメン組曲≫[カルメン] スヴェトラーナ・ザハーロワ [ドン・ホセ] アンドレイ・ウヴァーロフ [闘牛士] アルテム・シュピレフスキー [コレヒドール] ヤン・ヴァーニャ [運命] オクサーナ・グリャーエワ [たばこ売りの女たち] タチヤーナ・リョーゾワ,オリガ・キフャーク キエフ・バレエのメンバー 男性ダンサー3人の身長が揃っていて圧巻。3人とも190センチはある。コレヒドール(ツニガ?)のヤン・ヴァーニャが一番ハマっていた。シュピレフスキーは一生懸命やっていた(?)と思うが、ドン・ホセに対峙する闘牛士にしてはウヴァーロフに釣り合わない。あんなに見た目がいいのにもったいない!私はと言えば、ドン・ホセらしくなくても、やはりウヴァーロフ が観れてうれしかった。ほんのちょっとした指先の動きや足捌きに優雅さを感じる。TOPダンサーの違いってそういうところに現れると思うのだ。あ、肝心のザハロワは、これまたカルメンらしくないとは言え、十分想定できた範囲で、やはり美しかった。 ≪海賊≫ 第2幕のパ・ド・ドゥニーナ・カプツォーワ イワン・ワシーリエフ 噂のワシーリエフを初めて観た。ジャンプの高さやキレ、回転には目をみはる。アリというより、奴隷商人みたいにアヤシかった。 ≪アダージョ≫アンドレイ・メルクーリエフ ≪Revelation≫スヴェトラーナ・ザハーロワ あぁ平山さんの振付だなとわかる作品。ザハーロワの身体の美しさが生かされている。 ≪エスメラルダ≫ パ・ド・ドゥオリガ・キフャーク ヤン・ヴァーニャ ≪ブラック≫スヴェトラーナ・ザハーロワ アンドレイ・メルクーリエフこれはカッコよかった。シンクロする2人。難を言えば・・・メルクーリエフの体型かな。あの美しかったラインはどこへ?メタボ傾向に拍車がかかっている。顎にダブつきが。。。 ≪マグリットマニア≫ デュエットネッリ・コバヒーゼ アルテム・シュピレフスキー ≪クレイジー≫イワン・ワシーリエフ 思いきり客席は沸いていたが、私的にはいまいち。跳んで回って・・・というのをそのまま取りいれた振付。 ≪ドン・キホーテ≫ 第3幕のグラン・パ・ド・ドゥスヴェトラーナ・ザハーロワ アンドレイ・ウヴァーロフ タチヤーナ・リョーゾワ オリガ・キフャーク ウヴァーロフのお得意な演目で締めてくれてよかった。ここからフィナーレに突入。ワシーリエフはノリノリで、さすがにウヴァーロフは体力差が示されたような感じ。シュピレフスキーは芸のなさが露呈していて・・・まあ仕方ないか。十分楽しいガラだった。客席はもっと埋まってもよかったのに、と思う。
2009.05.02
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マクミラン版の「眠り」を観たかった。なんたって、この↓チラシを見たら、その瞬間から別のワールドに連れていかれたものだから。 振付:ケネス・マクミラン舞台装置:ピーター・ファーマー監修:デボラ・マクミランオーロラ姫:島添亮子デジレ王子:ロバート・テューズリーリラの精 :高畑きずなカラボス :楠元郁子国王 :本多実男王妃 :深沢祥子式典長カタラビュット:井口裕之青い鳥 :八幡顕光フロリナ皇女:中村麻弥オーロラ姫の島添さんもデジレ王子のテューズリーも、この独特にファンタジックな舞台の中で、とてもエレガントな存在だった。超絶技巧めいた踊り方を見たわけではないが、すごく充実した気持ち。島添さんもテューズリーもいい意味で手慣れたものだというか、踊りに微塵も迷いがない。たどるべき軌跡の上をからだが動いていって、あるべき方向に脚と手が動いていくというか。そういうこともエレガンスにつながると思う。そこまで思い入れなくとも、ピーター・ファーマーの装置とニコラス・ジョージアディスの衣装だけでも観る価値は大あり。それにしても、先日の草刈さんの「エスプリ」といい、公演最終日にはプログラムって売り切れるものなんだ。。。残念。
2009.04.26
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学校公演とは言え、パリ・オペともなると客席はほとんど埋まってる。「ペシェ・ド・ジュネス」振付:ジャン=ギヨーム・バール音楽:ジョアッキーノ・ロッシーニ弦楽ソナタ第1番ト長調、および第3番ハ長調、第4番変ロ長調、第5番変ホ長調より 「スカラムーシュ」振付:ジョゼ・マルティネス音楽:ダリウス・ミヨー 他「ヨンダーリング」振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:スティーブン・.フォスターによる西部アメリカの民謡将来のスターを見つけたいなあ、と思っていたけど名前と顔が繋がらないので、漫然と見てしまった。その中で、「スカラムーシュ」のスカラムーシュ役のジュンタロウ・オオグチ=コストだけはしっかり覚えた。子どもたちと言っていい生徒の中で、最高学年の彼は目立つのだった。ジョゼの発案だという日本語のセリフも難なくこなしていた。だけど、まだ役に助けられていたかな、とお姉さんは思う。学校公演で、それ専用の演目とはいえ、3演目とも見ごたえがあってこれらが観られたことそのものが本日の収穫。もちろん、ダンサーの卵たちも、もはや普通のバレエ団なら通じるであろう技量を感じさせて、安心して見ていられるどころか、十分楽しめる。ロッシーニの曲に合わせて踊る「ペシェ・ド・ジュネス」は、バールの振り付けらしく端正な演目。「スカラムーシュ」はほんとに楽しいし、華やかさもある。低学年用の演目なのね。小学生くらいの子どもたちなのに、遊び心や洒落っ気があるのを感じて、「おぉ、さすが!」と思ってしまった。子どもたちにそんな振付をしたジョゼの方がさすがなのかもしれないけど。それにしても、カーテンコールのジョゼはあいかわらずカッコよかったなあ。「ヨンダーリング」は才人ノイマイヤーの舞踊言語の多様さを認識した。面白い動きがたくさん。終演後もモタモタしていて、文化会館を出るのがちょっと遅くなったら、JR改札口に赤と黄色のキャップをかぶった少年少女の一団が。引率の先生らしき人がプラカードを持ってる。遠足かしら・・・と思ったら、どうやらバレエ学校年少組の一団。舞台上だといっぱしの舞台人に思えるのに、駅中を歩く統率感のなさはまるきり遠足のノリ。普通のお子ちゃまたちにしか見えない(笑)。その側にいるのは。。。プラテル先生だったので、あんまりじっと見るのはやめて帰路につきました。
2009.04.25
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職場でトラブルの気配があって、この公演に行こうかどうか迷ったが、週末の間には解決できそうもなかったので、するりと会社を出て渋谷へ。実は行く前から不満だったのは、S席なのにオーチャードの2階後方席だったこと。発売から随分経っても、まだ行くかどうか迷っていた方がいけないのかもしれないけど、私的感覚ではそこはB席。遠い。。。草刈さんの引退公演というだけでは最初は全然食指が動かず、そのうちムッルやコルプやロホの出演が本決まりになって、やっとチケットを取ったのだった。振付:ローラン・プティ ●アルルの女(「アルルの女」より)音楽:ジョルジュ・ビゼー草刈民代/マッシモ・ムッル●ヴァントゥイユの小楽節(「プルースト ~失われた時を求めて~」より)音楽:セザール・フランクタマラ・ロホ/イーゴリ・コルプ●コッペリウスと人形(「コッペリアより」)音楽:レオ・ドリープ ルイジ・ボニーノ●タイス パ・ド・ドゥ(「マ・パブロヴァ」より)音楽:ジュール・マスネタマラ・ロホ/リエンツ・チャン●切り裂きジャック(「オットー・ディックス」より)音楽:アルバン・ベルク「ルル組曲」より草刈民代/イーゴリ・コルプ ●【日本初演!】「白鳥の湖」 第2幕より男性のソロ/パ・ド・ドゥ音楽:P.I.チャイコフスキー草刈民代/マッシモ・ムッル●エスメラルダとカジモドのパ・ド・ドゥ(「ノートルダム・ド・パリ」より)タマラ・ロホ/リエンツ・チャン●ティティナを探して、 小さなバレリーナ(「ダンシング・チャップリン」より)音楽:チャーリー・チャップリンルイジ・ボニーノ●ジムノペディ「「マ・パブロヴァ」より)音楽:エリック・サティ草刈民代/リエンツ・チャン●モレルとサン=ルー侯爵 パ・ド・ドゥ(「プルースト ~失われた時を求めて~」より)音楽:ガブリエル・フォーレマッシモ・ムッル/イーゴリ・コルプ ● チーク・トゥ・チーク 音楽:アーヴィング・バーリン草刈民代/ルイジ・ボニーノ行く前から評判は耳に届いていたけど、ムッルとコルプによる「モレルとサン=ルー侯爵」がすごかった。2階の後方の壁際から、オペグラをずっと離さずに見てた。こんな世界を作り出せるなんて、この演目とダンサー人選には草刈さんに一票!と思う。肌色のタイツを身に付けた2人は、2階最後方からだと(しつこい?)フルヌードに見えてものすごくドキドキする。それに2人とも身長も体型も似ていて(背が高くてスレンダー)、余計な肉はないのに必要なだけ付いている筋肉が美しくうごめいて、もう参ってしまう。今でも目の前に浮かんできそうだが、もう一回映像でちゃんと観たい。(録画していたけど、あれはいつ放映されるんだろう???)あとはムッルが男性の白鳥を踊った「白鳥の湖」と、コルプの「切り裂きジャック」がやっぱりこの公演の見どころだった。コルプは想像どおりだけど、ムッルはどちらかと言うと「端正には踊るけどサポート役に徹する」というタイプだと思っていた。だからこれまでの印象は弱め。しかし、今回の公演では、やり過ぎないところが彼の美意識なのではないかと思えたし、それがとても生かされたキャスティングだった。改めて注目しておこうかな。こういうストーリー性のある演目ばかりだと、すごく満足感があり、こういう内容だと知っていたら、もっと間近で見られるようにチケット取りに積極的に頑張ったのにな、とちょっと悔しい。草刈さんは女優業に・・・とのことだけど、こういう公演をもっとプロデュースしてくれてもいいのに。
2009.04.24
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フォーゲルとサラファーノフがお目当て。ノイマイヤーの‘和モノ’がどんなものなのかも、ちょっと興味があった。■「エチュード」上野水香、フリーデマン・フォーゲル、レオニード・サラファーノフ■「月に寄せる七つの俳句」月:木村和夫月を見る人:斎藤友佳理-高岸直樹■「タムタム」ソロ:松下裕次パ・ド・ドゥ:西村真由美-横内国弘フォーゲル、サラファーノフというNBSの次代を担う(?)若手スターが出てきては、もう水香さんもカタナシ。フォーゲルの最近の成長はすごいなと思う。テクニックの安定とともに、エレガンスをまとってきたというか。腕の動きにほんのすこおし‘ルグリ’入っていてうるうる。Parisに行きた~い!と思いこんでいるので、気のせいかもしれないけど(笑)。とにかく、私的には昨年くらいから目を離せない存在。一方でサラファーノフは軽やかに飛んで回って・・・。こっちはつま先の動かし方が優雅だと思う。新国立にゲストの予定はなさそうだけど、マリインスキーでまた会えるよね、と(内心)声をかけておいた。幕開けのレッスン風景のところは、東京バレエ団のいいところがよく出ていた。ここまで揃っているレッスン風景を見せられるバレエ団は少ないのでは、と思う。「月に寄せる・・・」は期待はしてきたのだけど、始まってすぐに退屈してしまった。私はバレエは(オペラもだけど)日本を題材にしたものがもともとあまり好きじゃない。クラシック音楽もそうだけど、バレエやオペラって、その演目そのものやアーティストの魅力が第一なのはもちろんなんだけど、これらの芸術が育ってきた文化そのものへの好みがある人がやっぱり好きになると思う。そういう意味で、こういった芸術の‘和モノ’はもともと好きじゃないんです。(あ、歌舞伎や能・狂言などは別。同じ理屈で‘日本’の心を堪能できるから。)前夜いーっぱい寝たのに、うとうとしてしまった。木村さんが登場したのに気付いてからは、ところどころ見ていたけれど。私は、諸般の事情でアッサンブレ会員席のど真ん中に座っていた。周囲には斎藤さん、高岸さん、木村さんという主役級3人の根強いファンの方々がいらして(休憩時のおしゃべりなどでわかる)、寝ている私をきっと許せなかったに違いない。。。最後の「タムタム」は、次にダブルヘッダーでオケを聴きにいく予定があって、気もそぞろだった。つまらなかったら途中退出しようと決めていたけど、なかなか面白い演目だったので、最後まで観ることに。西村サンが強い生命力を感じさせて、セクシーでよかったと思う。これは機会があれば今後も観てみたいなあ。
2009.04.18
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マチネへ。『セレナーデ』(ジョージ・バランシン)寺島ひろみ、厚木三杏、堀口 純、森田健太郎、中村 誠ほか予想よりずっとよかった。これまでこの演目は「ちょっと退屈」と思ってきたけど、今回は途中で全然飽きない。新国立のダンサーってこんなにキレイに踊るんだ、と思った。それに、バランシンの振り付けにいまだに発見するところがあって、堪能することができた。 『空間の鳥』(井口裕之)真忠久美子、貝川鐵夫、江本 拓、八幡顕光、高木裕次、佐々木淳史、末松大輔、アンダーシュ・ハンマル、泊 陽平、清水裕三郎、野崎哲也、原 健太、三船元維新しいのに、新しくないような気がする不思議な演目だった。『ポル・ヴォス・ムエロ』(ナチョ・ドゥアト)湯川麻美子、遠藤睦子、西川貴子、本島美和、丸尾孝子、小野絢子、吉本泰久、貝川鐵夫、陳 秀介、冨川祐樹、芳賀 望、末松大輔ドゥアトはいいなあ。ドロ臭いのに洗練されてる。妖艶さも感じる。中世の衣装を着けながらも超近代的。貝川さんの雰囲気がピッタリで、すごく目立った。『プッシュ・カムズ・トゥ・ショヴ』(トワイラ・サープ)デニス・マトヴィエンコ、川村真樹、本島美和、西山裕子、山本隆之ほか ううーん。。。ミーシャには合ってても、マトヴィエンコには合わないなあ。最後まで違和感いっぱいでした。。。
2009.03.28
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実は体調が悪くて、会社を休んでしまった。おかげでぼーっとはしてたが、録画した東バのベジャール・ガラとベジャール・バレエ団のセレクションをゆっくり見ることができた。-東京バレエ団“ベジャール・ガラ”-「中国の不思議な役人」平野玲、宮本祐宜、柄本武尊、西村真由美、首藤康之「ボレロ」シルヴィ・ギエム東京バレエ団これを劇場で観たときは前から15列目だったけど、そんなにダンサーの表情までは見えなかった。今日あらためて観ると、首藤さんてばホントにイッっちゃってる。怖くなるほどだ。そして、やっぱり前から15列目ではわからなかったが、舞台上方から俯瞰したダンサーの配置はとても絶妙。-ベスト・オブ・モーリス・ベジャール セレクション-「春の祭典」「ロメオとジュリエット」「ヘリオガルバス」「ブレルとバルバラ-いつ帰ってくるの」ジル・ロマン、エリザベット・ロス「ブレルとバルバラ-ヴァルス」「ブレルとバルバラ-愛しかないとき」「ルミ-ダンサーと詩人」「カスタ・ディーヴァ」「ロメオとジュリエット」「2つの大戦の間」ジル・ロマン「バレエ・フォー・ライフ-アイ・ワズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」「春の祭典」「バレエ・フォー・ライフ-ショー・マスト・ゴー・オン」モーリス・ベジャール・バレエ団ジュリアン・ファブローが目立ってました。どの舞台でも彼は目立つけど、映像でもそう。「ロメオとジュリエット」が特に良かったな。女性ではエリザベット・ロスの力強さが美しくて目が離せなかった。ベジャールの生命力を感じる舞台には、こういうダンサーが似合う。
2009.03.25
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熊川さんの復活を確かめに(?)K-BALLETへ。でも、ピーターラビットもとても気にいった。≪放蕩息子≫放蕩息子:熊川哲也 サイレーン:浅川紫織 父:ルーク・ヘイドン 放蕩息子の召使:ビャンバ・バットボルト、ニコライ・ヴィユウジャーニン姉妹:木島彩矢花、松根花子9人のならず者:西野隼人、合屋辰美、石黒善大、小山憲、森田維央、長島裕輔、酒匂麗、 高島康平、内村和真 ●振付:ジョージ・バランシン ●音楽:セルゲイ・プロコフィエフ●舞台美術・衣裳:ジョルジュ・ルオー 熊川さんはすっかり復調したように見える。2階バルコニー席から見たら、あのジャンプの高さが実感できないけど、確かに会場はよどめいていた。でも、ジャンプだけじゃない。以前の彼よりドラマを感じる。放蕩息子は、熊川さんらしく若干軽いというか現代的な若者だが、ボロボロになって家に帰ってきて父の腕の中で丸くなってしがみつく彼は、ほんとに痛々しくて胸が痛んだ。≪バレエ ピーターラビットと仲間たち≫まちねずみジョニー:石黒善大 チュウチュウおくさん:副智美 ねずみくんたち:荒井英之、内村和真ねずみちゃんたち:中谷友香、渡部萌子ティギー・ウィンクル:デイビッド・スケルトンあひるのジマイマ・パドルダック:樋口ゆりきつねの紳士:宮尾俊太郎ピグリン・ブランド:ニコライ・ヴィユウジャーニン ピグウィグ:東野泰子ぶたくんたち:奥山真之介、酒匂麗ぶたちゃんたち:浅野真由香、木島彩矢花、松根花子ペティトーおばさん:ショーン・ガンリージェレミー・フィッシャーどん:清水健太2ひきのわるいねずみトム・サム:ビャンバ・バットボルトハンカ・マンカ:神戸里奈ピーターラビット:橋本直樹 りすのナトキン:長島裕輔 4ひきのりすたち:星野姫、笠井千愛、湊まり恵、山口愛8ひきの小さなねずみたち:K-BALLET SCHOOL●振付:サー・フレデリック・アシュトン ●演出:サー・アンソニー・ダウエル ●舞台美術・衣裳:クリスティン・エドザード ●マスク:ロスティスラフ・ドボジンスキー 着ぐるみがよくできていて、感心する。映画で観たまんまだわ。可愛いさTOPは、いたずらが過ぎてシッポを失くしたりすのナトキン。ピーターラビットは、タイトルロールなのに出番が少なくて寂しい。2ひきのわるいねずみ、トム・サムとハンカ・マンカもなかなかおしゃまで、悪いねずみとは思えない。ミニチュアの家(人形の家?)の模造の料理を食べようとして、食べられないから、2ひきして癇癪おこしてその偽物(陶器)の料理を割りまくる。ダンサーはバレエの振りをちゃんとしているのに、ピーターラビットの世界の住人のように動物っぽい動きもしていて、どれもみな可愛い。この余韻に浸ったまま、東急百貨店6階のウェッジウッドの喫茶室へ。バレエの「ピーターラビット」を記念したセットがあったので、思わず注文した。(これ↓)ピーターラビットの姿を焼き押ししてあるパンは食べるのが勿体なかった。
2009.03.01
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バレエ・リュスというのに惹かれたのと、マリア・アイシュバルトとカリン・アヴェルティを見られるというので出かけてみた。「ショピニアーナ」マズルカ:原嶋里会、ワルツ:佐藤香織、プレリュード:菅原翠子、青年:ヤロスラフ・サレンコ「レ・ビッシュ(牝鹿)」ロンド:菅原翠子、田口麻衣、小山真貴子、加藤摩耶、佐藤香織、笹田ももこ、辻春花、深山圭子、関口祐美、関口純子、小林由枝、嶋田もなみシャンソンダンセ:ヤロスラフ・サレンコ、秋元康臣、オリバー・ホークスアダージェット:マリア・アイシュバルトジュー:ヤロスラフ・サレンコ、秋元康臣、オリバー・ホークスラグ・マズルカ:カリン・アヴェルティ、秋元康臣、オリバー・ホークスアンダンティーノ マリア・アイシュバルト ヤスロフ・サレンコシャンソン・ダンセ:峰岸千晶、猪俣陽子フィナーレ:マリア・アイシュバルト、カリン・アヴェルティ、ヤロスラフ・サレンコ、秋元康臣、オリバー・ホークス、峰岸千晶、猪俣陽子「ポロヴェッツ人の踊り」ポロヴェッツの隊長:アレクサンドル・ミシューチン捕われの人:佐藤圭 他ポロヴェッツの戦士:マクシム・グージェレフ 他ポロヴェッツの少女:野木康子 他ポロヴェッツの少年:中村浩司 他「ショピニアーナ」は何回か見たものとそこかしこが違う。さらに再振付がされているようだ。「レ・ビッシュ(牝鹿)」に期待していたけど、ストーリーは特にないのね・・・。女主人役のカリン・アヴェルティにはさすがにパリのエスプリを感じる。日本人は軽妙に踊っているつもりでも、なんかきっちりしてて退廃的な面白みがない。アダージェットのマリア・アイシュバルトが、紫の衣装で非常に美しかった。この役回りがいったい何かよくわからなかったけど。「ポロヴェッツ人の踊り」は、ミシューチン率いるポロヴェッツの戦士たちの踊りが迫力でいっぱい。小柄な日本人男性ダンサーにもこの衣装なら違和感ないし。結局、これが一番よかったかな。
2009.02.21
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神奈川県民ホールに18時半に着くために、今日はいくつかの会議を調整して早退。まだ予算案できてないし、次年度事業計画もできてないし、人事折衝は勝率5割でほしい人をもらえたりもらえなかったり。忙しい時期なので、このしわ寄せは週末にきっとくる・・・。 【演出・振付】ジョン・ノイマイヤー【舞台美術・衣装】ユルゲン・ローゼ【出演】 マルグリット:ジョエル・ブローニュ アルマン:アレクサンドル・リアブコ アルマンの父:カーステン・ユング ナニーナ(侍女):ミヤナ・フランチャリッチ 公爵:ヨロスラフ・イヴァネンコ ブリュダンス:レスリー・ヘイルマン N伯爵:ヨハン・ステグリ ピアニスト:リチャード・ヘインズ マノン・レスコー:エレーヌ・ブシェ デ・グリュ:チャゴ・ボアディンリアブコが素敵だった。まだ恋愛経験の少ない青年の、恋の情熱をすごく感じる。からだのキレと動きのスピードが、まるで感情そのままにように思えた。「マルグリットに夢中でたまりません!」といったところ。‘演じてる’というより、完全にその役の人生を生きているかのようなところがすごい。ジョエル・ブローニュはきれいな人だけど、私はときどき舞台上で彼女を見失ってしまった。他のダンサーといると、そしてよく似た衣装を着ていると、なかなか見分けがつかない。華がないというか。マノンのエレーヌ・ブシェの方が、視線を集めるなあ。ちょっとオタクっぽいN伯爵のヨハン・ステグリは健気で独特な役作り。デ・グリュのチャゴ・ボアディンも端正だった。キャストはみんなイイ。「人魚姫」で泣けない(まあ、大抵どんなもので泣かないんだけど)自分がいて、お隣が号泣してたので、それからすごく気になってしまった。私は・・・‘鈍い’のではないかと。でもねえ、少しでも自分と似ている部分や経験がないと共感は難しい。(少なくとも私には)だけどリアブコには、目がうるっとした。なんでだろう?女性に夢中な男性を、単純に「可哀そう」と思ってしまうところは確かにあるんだけど。オペラの「椿姫」はヴェルディの音楽がすばらしいと思うが、決して泣いたことはない。でも、バレエの「椿姫」で泣けるのは、私の中でのアルマンへの共感がぐっと高まるからだと思う。自分がひどいことをしたのに気付いたのに、その事実を伝えられずに相手は死ぬ。以後の人生の中でずっと後悔を引きずっていく(かのように見える)なんて泣かないでどうしましょう。このバレエがほんとに好き、と再認識した。
2009.02.18
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もうすでにNET上ではハンブルクの話題がいっぱい。演出・振付・舞台装置・照明・衣装:ジョン・ノイマイヤー音楽:レーラ・アウエルバッハ指揮:サイモン・ヒューウェットヴァイオリン:アントン・バラコフスキーテルミン:カロリーナ・エイク演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団詩人:イヴァン・ウルバン人魚姫/詩人の創造物:シルヴィア・アッツオーニエドヴァート/王子:カーステン・ユングヘンリエッテ/王女:エレーヌ・ブシェ海の魔法使い:オットー・ブべニチェクシルヴィア・アッツオーニの人魚姫を観れてよかった。ほんとうにお魚みたいな腕とヒレの動き。彼女の周りに水流を感じる。詩人のイヴァン・ウルヴァンは最初の登場がとても印象的。だけど、あらすじを読んでおかなかったら、「詩人の他の男性へのあこがれが、人魚姫の姿に変わった」なんて読み解けなかっただろうな。彼が王子でもよかったなと思ったが、あの救いようのない悲哀はウルヴァンのものか。王子はもっと‘天然’入ってる。王子のカーステン・ユングも、王女のエレーヌ・ブシェも、それなりにキャラは立ってたし、魔法使いのオットー・ブべニチェクに至っては、違和感があるくらい強烈だった。でも、今回『人魚姫』を初めて見て、やはり目が離せないのはシルヴィア・アッツオーニとイヴァン・ウルバンだったので、他をあまり見られなかった。くまのぬいぐるみとイヴァンのからみも気が付かなくて残念(笑)。隣の人が豪勢に泣いていた。それを聞いたら、逆に落ち着いてきてしまった天の邪鬼な私。。。あの人魚姫とその一族のメークは、「人間と愛し合うことなんかできない」‘異形’のものであるとはっきりわからせるためのものでは?王子や王女と別の世界に存在していて、所詮相容れないものだと表わしているようだと思った。だって、人魚姫に二本の脚ができても、メークは変わらないんだもの。アンデルセンの失恋の人生を比喩した作品であると言われているけど、単純に泣けなかった私は、「あなただって恋をしたことがあるでしょ?!」とまで友人に言われた。切ない恋の思い出が遠くなったからかなと思い、逆な意味でちょっと寂しい。
2009.02.15
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ザハロワとマトヴィエンコがお目当てで、新国立へ。【振 付】 マリウス・プティパ【改訂振付・演出】牧阿佐美【作 曲】アレクサンドル・グラズノフ【装置・衣裳】ルイザ・スピナテッリライモンダ:スヴェトラーナ・ザハロワジャン・ド・ブリエンヌ:デニス・マトヴィエンコアブデラクマン:森田健太郎 ドリ伯爵夫人:楠元郁子アンドリュー2世王:市川 透クレメンス:丸尾孝子ヘンリエット:西川貴子ベランジェ:マイレン・トレウバエフベルナール:芳賀 望第一ヴァリエーション:厚木三杏第二ヴァリエーション:寺田亜沙子スペイン人:湯川麻美子、江本 拓チャルダッシュ:西川貴子、マイレン・トレウバエフグラン・パ ヴァリエーション:西山裕子主役2人には満足。ザハロワはキレイに踊るが、あまり感情の起伏を感じない。でも、このライモンダはそれでいいと思うし。マトヴィエンコの髪型には最近ついつい目がいってしまう。。。しかし、彼こそはテクニックを正確に美しく踊り、端正なジャン。パワーもある。でもねえ、なんだか気持ち的に盛り上がらないのはなぜかなあ。きっと、颯爽としたジャンも、彼と対峙することでこのバレエの愛情関係を浮きあがらせるアブデラクマンも、とても出番が少ないせいだ。美しいザハロワは堪能できたけど。初演時からもちろん違和感があったが、アブデラクマンの衣装は盗賊とか山賊とかそんな感じなので、3回目とはいえやはり慣れない。思うに、衣装からしてジャンと対等に争えないし、ライモンダも目もくれなさそう。そんなふうに最初から人間関係の心理も整理されてるところも、面白さがダウンする一因だと思う。完成度が一段と高まったマトヴィはもっと頻繁に見たいな。
2009.02.14
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大阪からのトンボ帰りは間に合って、無事ゆうぽうとへ。「ギリシャの踊り」音楽:ミキス・テオドラキス1.イントロダクション2.パ・ド・ドゥ(二人の若者):高橋竜太‐小笠原亮3.娘たちの踊り4.若者の踊り5.パ・ド・ドゥ:吉岡美佳‐中島周6.ハサピコ:井脇幸江‐木村和夫7.テーマとヴァリエーション ソロ:後藤晴雄パ・ド・セット:西村真由美、高木綾、佐伯知香、田中結子、福田ゆかり、川島麻美子、阪井麻美8.フィナーレ:全員「中国の不思議な役人」音楽:ベラ・バルトーク無頼漢の首領:平野玲第二の無頼漢‐娘:宮本祐宜ジークフリート:柄本武尊若い男:西村真由美中国の役人:首藤康之「ボレロ」音楽:モーリス・ラヴェルシルヴィ・ギエム平野玲‐松下裕次‐長瀬直義‐横内国弘「ギリシャの踊り」は2回目くらいかな。あまり観たことがなかったけど、ベジャールの中でも好きなタイプの演目。ギリシャの海辺とそこを吹きわたる風、陽光などを感じさせる。経験値が少ないので、誰と比べるというのでもないけど、私的には後藤さんと木村さんでしょうか、やはり。後藤さん、この演目の明るさと伸びやかさが合っていて、空気の中に溶け込んでいくようだった。木村さんはあいかわらずキレのある動きで、いつまでたっても(もちろんそんなお歳じゃないけど)若々しいわ~と見ていた。「中国の不思議な役人」は、この日の「役人」は首藤さん。首藤さんの役人見たさで選んだ日程。これまでのこの演目は、木村さんの「役人」の印象が強かった。機械人形のような無機質な感じが木村さんにはあって、それが結構コワカッたな、と。一方‘イッちゃってる’感は首藤さんの方がある。首藤さんは最近演劇づいていたと思うけど、芝居っ気があり、それはまた別の大きな存在感を感じさせた。「ボレロ」を後ろの座席で観たのはこれまた初めて。手や腕に当たっている照明の光の筋がはっきり見えて、なんだか神々しい。それが手足の長いギエムだからなおさらだった。ギエムの「ボレロ」は、以前はとても‘巫女’のようだと思ったものだけど、そういうのよりもっと人間臭く、ギエムの本音とか本質とかが出ている感じ。もとより、そういう演目ではある。だから、ギエムが好きでなければ、すごーく苦手な1幕でもあったと思う。
2009.02.09
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今、大阪。明日は朝から会議なので、前泊したのだけど、正直な話、出張はキライ。移動の時間というのを生産的に過ごせないし、(飛行機ならまだしも)新幹線移動というのがまた好きじゃないんだな(あの車内の臭いとか、雰囲気とか)。ブツブツ・・・。今日この公演を観た後移動してきたのだけど→明日のベジャール・ガラまでに帰京できるかな。大きな荷物を持っての公演通いも憂鬱。ラ・ベル(オーロラ姫) ノエラニー・パンタスティコ若者/王子 アシエ・ウリアゼレカリラの精 エイプリル・バール女王(王子の母)/カラボス ガエタン・モルロッティ父王(王子の父) ジュリアン・バンション王(姫の父) ロドルフ・ルカス王妃(姫の母) ナタリー・ノルドクイスト3人の妖精 キャロライン・ローズ エロディ・プーナ サラ・ジェーン・メドレー 3人の護衛 ステファン・ブルゴン ピョートル・ツボヴィクス ジョアキム・スティヴンソン以前見たことがあるのだけど、2度目だとまたいろいろな発見がある。前回は衣装の近未来な感じや、透明な球体の中にオーロラが入る発想そのものに圧倒された。今回はマイヨーの振り付けが結構好きだと自己発見。ほんのちょっとセクシーだわ。肩をちょっと落とすところとか、腰のひねりとか。誰か一人がそうだとそのダンサーの特質かなと思うけど、群舞もそうだから、振り付けのテイストだと思う。あぁ、いいなあ・・・といまさら気に入った次第。でも、オーロラはベルニス・コピエテルスじゃなかった。彼女がマイヨーのオーロラのスタンダードだと思っていたので、何に失望したかというと、オーロラの体型。今日のオーロラ、ノエラニーはふっくら系。スリムを絵に描いたようなコピエテルスで、庶民を超越した雰囲気を感じていたので、親しみやすいオーロラはちょっとね。それと、あの露出度の高い衣装では、ノエラニーは肉々しい(?)というか生々しい。お尻だけでも引き締めてほしい、と思った。
2009.02.08
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熱は下がった。咳も止まった。あとは頭痛と吐き気だけ。。。ライモンダ:イリーナ・ペレン騎士ジャン・ド・ブリエンヌ:アルチョム・プハチョフアブデラフマン:ウラジーミル・ツァル伯爵夫人シビラ・ド・ドリス:アンナ・ノヴォショーロワハンガリー王アンドレイ二世:アンドレイ・ブレクバーゼ侍従:パーヴェル・シャルシャコフクレメンス:タチアナ・ミリツェワヘンリエット:イリーナ・コシェレワベランジェ:デニス・モロゾフベルナール:アンドレイ・マスロボエフ夢の場面ヴァリエーション:ダリア・エリマコワ、オリガ・グローモアサラセンの踊り:ナタリア・クズメンコ、ニキータ・クリギンパナデロス:オリガ・セミョーノワ、アンドレイ・カシャネンコハンガリーの踊り:マリーナ・フィラートワ、マクシム・ポドショーノフ3幕ヴァリエーション:アンナ・クリギナ指揮:ミハイル・パブージン管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団衣装が美しくて、アブデラフマンは新国立とえらい違い。2幕でのペレンの紫(群青?)の衣装も美しくて、冷たい雰囲気で、ペレンにとても似合っていた。主役3人はそれぞれにイメージに合っていてよかった。ペレンのクールさが、ライモンダにはなんて似合うんだろう。プハチョフは端正な踊りをするので、本当に中世の騎士のようだったし。グラズノフのオリエンタルな音楽はなかなか好きなのだが、やはりもう少し繊細に演奏してほしかったと思うことしきり。
2009.01.29
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風邪が進行している・・・気はしたんだけど、悪寒も吐き気もおさまったし、マスクしてればまああまり咳は出ない、ということで予定どおり「ミハイロフスキー劇場ガラ」へ。久々のルジマトフを観たかったの。第1部「眠りの森の美女」よりローズ・アダージョ イリーナ・コシェレワ、コリパエフ、モロゾフ、カシャネンコ、ヴェンシコフ「人形の精」より サビーナ・ヤパーロワ、ヴャチェスラフ・チュチューキン、マクシム・ポドショーノフ「ロミオとジュリエット」よりバルコニーの場面 イリーナ・ペレン、アンドレイ・マスロボエフ「せむしの仔馬」より“海と真珠の踊り” アンナ・クリギナ、ユリア・チーカ、アンドレイ・ヤフニューク「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ オクサーナ・シェスタコワ、ミハイル・シヴァコフ、タチアナ・ミリツェワ第2部「ムーア人のパヴァーヌ」 ファルフ・ルジマトフ、イリーナ・ペレン、アンナ・ノボショーロワ、アンドレイ・カシャネンコ第3部「エスメラルダ」より エカテリーナ・ボルチェンコ、ニコライ・コリパエフ「スパルタクス」よりアダージョ イリーナ・ペレン、マラト・シェミウノフ「アダージェット」 ファルフ・ルジマトフ「海賊」第3幕より花園の場&第2幕より メドーラ:オクサーナ・シェスタコワ、ダリア・エリマコワ、エカテリーナ・ボルチェンコ アリ:アントン・プローム、ヴャチェスラフ・チュチューキン、アレクサンドル・オマールギュリナーラ:タチアナ・ミリツェワ 指揮:カレン・ドゥルガリヤン 管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団「ムーア人のパヴァーヌ」「アダージェット」でルジマトフ登場。やはり誰よりも圧倒的な存在感。だけど・・・・・・舞台の上でのオーラは以前よりはかなり希薄になった。まあ仕方ない。現役から離れていくってそういうことかも。最後は「海賊」で〆かあ、でもルジマトフは出ないのね。でも・・・きっとそんなはずはない!「アダージェット」後に帰ったお隣さんにそう言いたかったな。そして、もちろんルジマトフは、最後に青のハーレムパンツに着替えてすごい勢いで出てきてマネージュ。会場からは「わああっ!!」とすごい歓声。3人のメドーラのフェッテ合戦、ルジマトフ含む4人のアリのピルエット合戦でフィニッシュ!これ以外では、海と真珠の踊りのヤフニュークの端正な踊り、スパルタクスのマラトのリフトがよかった。カシャネンコは今日はどうということなく。。。それでも、バレエ部門の芸術監督として、いかにダンサーを魅力的に見せるかに腐心しているルジマトフに感心してしまう。オペラの芸術監督オブラスツォワは辞任したはずだから、今やほんとにからだを張って劇場のためにも踊っているといった感じがする。指揮のドゥルガリヤンは私的には全然受け付けないかも。なんでバレエであそこまで打楽器の爆演?耳が割れそう。そしてその必要のないボリューム。こう思うのは、こっちの体調のせいかしら。
2009.01.21
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