血小板上の受容体「CLEC-2」は糖鎖とペプチド鎖の両方を認識
2014年11月10日、理化学研究所と東北大学は、血小板上の受容体「CLEC-2」が、糖タンパク質「ポドプラニン」と結合する際に、糖鎖とペプチド鎖の両方を認識することを発見したと発表した。
研究成果はStructureに2014年11月6日からオンライン版で公開されている。
一方、CLEC-2受容体は、糖鎖を持たないタンパク質性のマムシ毒「ロドサイチン」とも結合するが、ポドプラニンとロドサイチンのように性質の異なる2つのリガンド(受容体と結合する物質)をどのように特異的に認識し結合するのか、その仕組みは不明であった。
研究グループは、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の放射光科学研究施設「フォトンファクトリー」を利用し、CLEC-2受容体とポドプラニンとの複合体、およびCLEC-2受容体とロドサイチンとの複合体の結晶構造をX線回折により解析。
ポドプラニンと結合する際には、糖鎖だけでなくペプチド鎖を同時に認識し結合することが判明。
一方、糖鎖を持たないマムシ毒のロドサイチンと結合する際には、ペプチド鎖だけを認識し結合。
また、CLEC-2受容体は共通の領域を使ってロドサイチンおよびポドプラニンと結合していることを突き止めた。
ポドプラニンは一部のがん細胞の表面に発現している。また、ポドプラニンがCLEC-2受容体と結合し、血小板上に凝集する領域を認識する抗体は、がん細胞の転移を抑制することが知られてる。
CLEC-2受容体がリガンドを特異的に認識する仕組みの詳細が明らかになったことで、これまで不明な点が多かったO-結合型糖鎖が持つ生理的意義の理解がさらに深まることを示唆。
ペプチド鎖は糖鎖に比べ合成が簡単なため、糖鎖を模倣したペプチド性薬剤の合理的設計など薬学分野への貢献や、ポドプラニンが関与するがん細胞の転移を抑制する抗体医薬品の開発など、医療分野への応用を期待。
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