the Cognitive Function and Ageing Studies I and II(DOI:10.1038/ncomms11398 Pubished Apr 2016)によれば英国における認知症の罹患率が1990年代から2011年までに20%低下しているとの報告がありました。
日本では 「脳血管性認知症(VaD)の 粗 有 病 率 は1985年2.4 %、1992年1.9 %、1998年1.7%と減少傾向にあったが、2005年には3.3%と上昇傾向に転じた。一方、アルツハイマー病(AD)の粗有病率は1985年の1.4から2005年の6.1にかけて時代とともに約4倍に増えた。その他と病型不明を併せた認知症の有病率はVaDと同じパターンを呈していた。」と久山町調査が報告しています。
低下しているという状態は日本でも同じかも知れません。しかし、糖尿病が認知症、特にアルツハイマー型認知症のリスクを高くしているということが疫学的に明らかになっていることから、今後は英国でも増加していく可能性はあります。
糖尿病の薬のなかに他の疾患のリスクを下げるという報告もあることから、日英の差が出ているのかもしれません。
地中海式食事に関しては心血管障害のリスクを下げることから有名になりました。しかし、認知症に有効かどうかに関しては諸説あります。ある特定の病気のリスクを下げることによって、長生きすることにより、老化が大きなリスクとなる病気を発症しているのかもしれません。