体内時計は視交叉上核によって支配されていることは定説になっていますが、視交叉上核ではどのような方法で覚醒と睡眠を制御しているかに関して、この3か月ほどに日本、スエーデン、アメリカで少しずつ違いはありますが、イオンチャンネルを介して行われているという文献がそれぞれ独立に報告がありました。
2016年5月4日にNature Onlineに掲載されたのが「BK channel inactivation gates daytime excitability in the circadian clock」
2016年4月29日にScience Onlineに掲載されたのが「Changes in the composition of brain interstitial ions control the sleep-wake cycle」
2016年Neuron 90(1)70-85 April 6 2016 で論文掲載されたのが「Involvement of Ca2+-Dependent Hyperpolarization in Sleep Duration in Mammals」
どの実験もマウスの覚醒リズムを変更することで、視交叉上核のイオンチャンネルが睡眠-覚醒リズムを支配していることを明らかにしています。
Ca-Naイオンチャンネルは比較的ポピュラーな受容体です。降圧剤や筋弛緩剤がサーカディアンリズムに対して影響を与える可能性があります。
各論文は総合失調症などのサーカディアンリズムの変化に対する治療ターゲットになるとしているますが、薬剤の副作用の方が心配です。