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座・高円寺で劇「風が吹いた、帰ろう」を観ました。
劇団桃唄309の劇で、ハンセン病の療養所の島が舞台です。
港から、船で二十分のところに、美しい小島がある。
無知や誤解の元に「業病」「天刑病」などと呼ばれていた病。
ハンセン病。その療養所の島。
かつては、わたしやあなたと変わらない人たちでひしめきあっていた。
今は、ただ静かな島。まばゆい白砂。青々とした松。
手を伸ばせば届きそうな空。
想像してみよう。家族と引き離され、社会からほぼ隔絶され、
わたしやあなたは、何を感じながらここにいたのだろうか。
世の中は、つまりわたしたちは、なにを間違えたのだろうか。
繰り返す波が、浜に砂を運び寄せ、時に砂を削る。
織りなす思い、その海に漕ぎ出そう。
たとえ小舟しかなくても。」
劇の前に佐藤達の紙芝居もあり、ほのぼの系で面白かった。
劇の後のポストパフォーマンストークでも、戯曲・演出の長谷基弘が
「ハンセン病を患者側から描くと寄り添い過ぎて偽善になってしまうから、
外周から描こうと思った」と言ってた通り、普通の人々から見たハンセン病のこと。
現在は軽いノリだけど、過去に遡った時だけ重くなる・・・
劇やジェストダンスで演じようとハンセン病を取材していくうちに、ハンセン病の差別の重さが分かってくる。
現在でさえ、祖母がハンセン病というだけで、婚約破棄になるほどだから。
当時は離縁され、父親は自殺し、断種させられ、遺骨さえ遺族に受け取ってももらえない・・・
それでも今は島を出て、結婚して幸せになれた人も居る。少ないけど・・・
シェイクスピアの「テンペスト」は知らなかったけど、内容を聞くとこの大島の療養所の患者と重なりますね。
離島に閉じ込められ、帰ることは許されないけど、
島の中で結婚し、親代わりになって面倒みる子どもも居る。
ささやかな幸せを追い求め、透明になっていく。
結婚しても、夫婦寮が無かった時は、通い婚なんて人間扱いされてないけどね。
完治しても家族が受け入れ拒否して帰れなかったりもする・・・
「帰ろう」という歌が切なくも美しかった。声も曲もよく、楽譜が欲しかったけどないそうです・・・
うつ?ひきこもりの少女が、人ごみが怖いと言ってたけど、人は海と言いながら、溶け込み始め、
人と関わることで成長していくのも良かったですね。
言葉の連想から詩を作るワークショップも面白かった。
この劇を誘ってくれたKさんありがとうございます。
お嬢さんのYちゃんがバレエの練習で行けなくなって、代わりに誘ってくれたのですよね。
ロビーに貼ってあった大島の写真。夕焼けが美しい。空が近いのかな?・・・
「療養所の様子」の写真。
「未感染児童」と呼ばれた入園者の子どもたち。
清瀬にハンセン病の療養所・多磨全生園があるのは知っていたけど、
その中に国立ハンセン病資料館があるのは知らなかった。
機会があれば行ってみようかな。
遺伝病では無く、伝染病としても感染力が弱いのに、業病として救われず、
差別され忌み嫌われてきた。「もののけ姫」に出てくるのもハンセン病患者らしい。
いろいろ考えさせられる劇でしたね。
Kさんにチケット代を出してもらい、駅から家まで車で送ってもらいました。
本当にありがとうございます!
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