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2022.10.30
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カテゴリ: 角川ビーンズ文庫

2022年10月刊
角川ビーンズ文庫
著者:江東しろさん
冷遇された末、夫ユリウスに「死んでみろ」と煽られ自害した元伯爵令嬢ナタリー。気づくとまだ幸せだった十年以上前に時が戻っていた。病と戦争で両親を失い、国を救った漆黒の騎士ユリウスに嫁がされるーーそんな人生はもう嫌! けれど未来を変えようとするたびに予想外の事件に巻き込まれ、なぜかいつもユリウスに助けられて!? 突然「君を守りたい」と言われても困ります……! WEB発大人気逆行転生ストーリー!
​    ↑楽天ブックスより、あらすじ引用

登場人物
  ナタリー=ペディグリュー伯爵家の一人娘。癒しの魔法を使える。
       両親亡き後、隣国の公爵に嫁ぎ、10年後に不幸な死を遂げたが死
       に戻りを果たす。
  ユリウス=ファングレー公爵家の当主でナタリーの夫。
       とある事情から妻を遠ざけ続け最終的に死なせてしまう。
 エドワード=フリックシュタイン王国の第二王子。
   マルク=ユリウスの副官
   ミーナ=ナタリー付きの侍女
ファングレー公爵夫人
      =ユリウスの母。

今回はTL小説ではなくライトノベルです。
前世では散々な目に合ったヒロインが、死に戻って人生をやり直すお話。

戦争の褒賞として隣国の公爵に嫁いだナタリー。
そこで待っていたのは地獄の日々。
夫であるユリウスは妻を一切顧みず、姑からはモラハラに暴力。食事抜きなど日常茶飯事で、終いには姑の使い込みの罪迄彼女に擦り付けられた。
息子を取り上げられ泣き暮らしていたナタリーは体調を崩し、ほぼ寝たきりだったのだが、ある日我慢の限界で夫に直談判。
つい「死んだほうがマシ」と口走り、なら死んで見せろと渡された短刀で、ためらいなく彼女は自らの胸を刺して28年の人生に幕を閉じた。

クソみたいな半生、よく我慢していたものだ。
これで両親の元へ行けると思っていたナタリーは何故か目を覚まし、その場所に驚いた。
何故なら忘れようにも忘れられない自分の生家だったのだから。
しかも、鏡を見ると随分若い。17,8歳の頃だろうか。
自分付きの侍女・ミーナに今は何年かと尋ねると、自分が死んだ10年前と判明。
まさか、あの誰が見ても不幸だった結婚生活を神様が憐れんでくれたのだろうか。
死に戻った理由は不明だが、この時点ならまだ両親は健在。
もしかしたら、この後の展開を変えられるかもしれない。
ナタリーは自らの幸せの為に力を尽くすことを決意するのでした。

とは言え、時間があまりない。
恐らくあと数か月もしないうちに母が病を患い亡くなり、悲しみに暮れる間もなく戦争が始まって父は戦死してしまうからだ。
先ずは母の病を何とかしよう。この頃はまだ治療法が確立していなかったが、10年後を知っている自分にはそれを治療できる医者を知っている。
彼に資金援助と薬草の支給をすればきっと母も。
そうと決まればと早速行動に移したナタリーは、伯爵領の外れに住んでいた医師のフランツを尋ね薬の作成を依頼。
資金も材料も提供してくれるとあってフランツは快諾してくれた。ギリギリになりそうだが母はきっと助かる。
ナタリーはこの時、フランツを頼って秘密裏に運び込まれていたこの国の第二王子・エドワードを癒しの魔力で助けます。
どうやら、毒を盛られていたようだが、そういえばこの王子の死も戦争の原因だったっけ。

伯爵家の一族に発現するこの癒しの魔力は、自分や肉親には効果を発揮しないと言う一種の枷があった。
母を救えなかったのはそういう理由もあったのだけれど、こうして王子を救えたことによって戦争は防げるかもしれない。
エドワードにも随分感謝をされた。
明るい兆しを感じながらの帰宅途中、盗賊に襲われたナタリーを救ったのは、かつての夫ユリウス。
勿論、この時には初対面なのだけどやっぱり外見だけは本当にカッコイイ。
複雑な心境ながら丁寧にお礼を述べたが、ユリウスは何か言いたげ。
副官のマルクが屋敷まで送ってくれることになり、その場は別れたが、以降何故か事ある毎にユリウスと出くわすのは果たして偶然か。
それに、当時とは比べようもないほど穏やかな彼の様子に違和感。
因みに舞踏会で見た彼の母は相変わらず嫌な女だった。

それからしばらく経って、フランツに依頼していた薬が完成。母の病は完治した。
しかし、回避されるかと思っていた戦争は期待も虚しく勃発。エドワード暗殺を目論んだ宰相が敵国と手を組み宣戦布告をしたのだった。
国境近いペディグリュー伯爵家領は真っ先に攻め込まれ、父が指揮を執ることになったのだが、このままではあの時と同じように戦死してしまう。
何とか助けたいと戦地に入り込んだナタリーが見たのは、父を庇って刺されるユリウスの姿で・・・。

回想と序盤を読んでると公爵家の面々の行いが胸糞なんですけど、一応これには理由がありました。
ユリウスの家は代々当主が受け継ぐ力があり、そのおかげで無類の強さを誇っていたものの、その力が膨大過ぎて抑え込めなくなりやがて死に至るという厄介なものでした。
彼はナタリーを好ましく思っていたのに、暴走に巻き込まんと彼女を遠ざけていたのです。
ユリウスの母は夫の死に様を見て精神に異常をきたし性格が激変、パワハラやモラハラで使用人たちは多大なストレスを抱えていた頃、褒賞として嫁いで来たナタリーは彼らの格好のターゲットになっていたのでした。
当然、彼女を遠ざけていたユリウスは母や使用人たちのの非道を知らず、助けてもやれなかった。
加えて晩年のナタリーはユリウスの母から毒を盛られ続け死にかけていたのに、キレた彼女を煽って止めを刺したのは自分。その後判ったのは母による彼女への熾烈な虐めと擦り付けられた謂れのない使い込みの罪。
彼は息子共々後悔し嘆き悲しんだ後、息子は自らの命を捧げ、ユリウスはこの膨大な魔力を使ってナタリーを生き返らせたと言うオチ。

一連のユリウスの態度からして、これは絶対に覚えてるなと思ってたら案の定でした。
これは後悔するよなぁ。一番悪いのは彼の母だけど、そもそもこの因果な力が発端なだけにやり切れませんよね。
息子のリアムも母の人生のやり直しに賛同したのは、自らの態度に思う所あったようだし、不器用な家族ですよ本当に。

その後諸々国家転覆を狙う宰相が色々仕掛けて来るも、ナタリーとユリウスが協力し合って撃破。
一応の決着がつき、お互いの誤解が解けた所で終わっています。
宰相がまだ捕縛されていないのと、エドワードからもナタリーは想いを寄せられていることもあって、続編が出そうな気がする。
まぁ、どう転んでもユリウスと一緒になるんだろうなぁ。
でないと母親の復活の為に死んだリアムも産まれてこれないし。


評価:★★★★★
死に戻りモノが好きな方は是非





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最終更新日  2022.10.30 21:39:17
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