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2022.11.12
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カテゴリ: ジュエル文庫

2022年11月刊
ジュエル文庫
著者:草野來さん
汚れ仕事も忠犬の如くこなす冷酷な将校・緑雨。彼の暗殺を謀って近づいたユキは囚われの身に!「いい度胸だ。女中として飼ってやろう」容赦なく身体中を嬲られ、凶暴な楔に貫かれー。こいつは兄の仇!絶対に堕とされない!けれど夜ごと激しく抱かれて、気づく。無慈悲な顔の裏に秘めた優しさ、そして哀しさを。心揺れるなか、軍の反乱事件に巻き込まれるユキ。身体を張って護ってくれたのはなんと緑雨で…。


登場人物
 三好ユキ=元助産師見習いの少女。
      兄を殺害した緑雨に復讐を誓う。
 中村緑雨=陸軍将校。「統制派の始末屋」と呼ばれている。
 上月 勇=皇道派の将校。
 三好太陽=陸軍少尉。皇道派であり、緑雨の暗殺を謀るが返り討ちにされた。

こちらもつい最近発売の作品なので、ざっくりと。
とは言え、あらすじでもう終盤くらいまでの展開が書いてありますね(^_^;)

助産師見習いをしていたユキは、ある日電報にて自慢の兄・太陽の訃報を受け取ります。
死亡原因は演習中の事故との説明だったが、後に詳しい事情を聞くに、兄は汚れ仕事を率先して行う将校・中村緑雨によって殺害されたらしい。
その日、ユキは大好きだった兄を殺した緑雨に復讐を誓った。

住み込みの女中として緑雨に近づいたユキは、太陽から護身用にと譲られた懐剣で緑雨に襲い掛かるもあっさり鋳なされ、純潔を奪われてしまいます。
これが、皇道派が仕向けたものではなく、彼女単独の恨みによるものと判り、ユキは解放されますが、緑雨の寝首を掻くために、女中として屋敷に止まることを決意。
その気概を緑雨は気に入ったようで、その後もめげずに襲い掛かる彼女を昼は女中として使い、夜はその身体を恣にしていた。
ユキは悔しい気持ちに苛まれながらも、緑雨の為人や軍の内情などを知り、複雑な心境を抱くように。
兄のしでかしたことで、彼は右肘を壊し軍人として活躍することはもうできないと言う。
統制派と皇道派の対立は凄まじく、更に皇道派は大規模なクーデターを目論んでいるようだ。
恨みは消えないが、緑雨に絆されてきているのは否めない。

そんなある日、ユキは太陽の友人の将校・上月と出会い、緑雨の書斎を調べて情報を流してほしいと頼まれます。
切実な願いに緑雨への後ろめたさを感じながらも、彼の手帳を盗み見たユキは皇道派の計画がほぼ統制派側にバレているのを知り、上月達にクーデターの中止を訴えるも逆に緑雨の情婦として人質に取られ・・・。

手帳を盗み見たことで緑雨にスパイと疑われ、せっかく築き始めていた二人の信頼関係が壊れかけるんですけど、上月達にユキが殺されかけた際、アジトに踏み込んで彼女を助けたのは緑雨でした。
間一髪ユキは助かったものの、代わりに緑雨は重傷を負い、二人は離れ離れに。
事件から数年後、彼らは無事に再会を果たし、ユキはまた緑雨の女中に戻ってお終い。
曖昧な関係で終わっているとはいえ、理由はどうあれ緑雨がユキの兄を手に掛けたのは変わらないから、色々難しいのは仕方ない。
巻末のおまけ短編では、本編よりほのぼのとした雰囲気のユキたちの様子が描かれてて、何だかんだと仲が良くやってるのが判って良かったです。

愛憎渦巻くハード系の展開だったものの、ヒロインが妙にしぶとい子だったおかげで、これはきっと乗り越えると妙な安心感はありました。
ヒーローもあの状況じゃ鬼になるしかないよなと。
組織の中枢に身を置いていると命を狙われるのも日常茶飯事ですしね。
親友だと思ってた人がスパイと判明し、何とも言えない気分になってたりと、このヒーローも結構な苦労人だと思う。
作中のクーデター計画はあの2.26事件のことだそうで。
結局、あの後事件は起きてしまったんだなぁ。


評価:★★★★★
ハードな内容でしたが、時代背景や当時の情勢等含め、読み応えは充分。





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最終更新日  2022.11.12 19:05:34
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