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2023.12.09
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カテゴリ: ソーニャ文庫


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2023年4月刊
ソーニャ文庫
著者:栢野すばるさん

不治の病におかされ、何年も闘病生活を送っているアリス。幼い頃から変わらず愛してくれているカイルダールを解放したいと、婚約破棄を勧めてみるも、まったく聞く耳をもってくれない。困ったアリスは、「悪女になって嫌われれば、悲しませずに別れられるのでは?」と思いつく。しかし、純真なアリスの意地悪はまったく伝わらず、逆に喜ばれる始末。そんな中、アリスは男性の身体のとてつもない秘密を知り、カイルダールに無邪気に迫ってしまい…!?

​     ↑楽天ブックスより、あらすじ引用

登場人物
  アリス=難病を患う余命僅かな侯爵令嬢。自分を溺愛する婚約者のカイダール
      のために悪女になることを決意する。
カイダール=メスディア王国第二王子。アリスの婚約者で彼女の病を治すべく医師
      となった。

 グリソン=カイダールが所属する研究棟での同僚。
  ソフィ=国王の側妃。
  薬の君=王家に秘匿されている不老の女性。


8年前、白葉病という不治の病に罹ったアリスは​家族による献身的な看護と婚約者のカイダールの支えによって、何とか生きて来た。どうやら遺伝子異常からなる疾患のようだが、罹患するとまず助からず、発症して1,2年で確実に死に至る。
アリスの様に8年も持ちこたえることができたのは偏に国一番の財を持つという侯爵家の力あってこそだろう。しかしながらしょっちゅう高熱を出しほとんど寝たきりの彼女は内心ではそろそろお迎えが来るのではと覚悟していた。
でも、自分が死んだらカイダールはどうなるんだろう。
常日頃、彼はアリスが死んだらすぐに後を追うと明言しており、普段の言動から本当に実行しそうで怖い。本当は嫌だけど、彼には良い人を見つけて幸せになってほしいのに。

そんなある日、妹が貸してくれた恋愛小説を読んだアリスは、物語のある登場人物の生き様に衝撃を受けた。
所謂王道な不遇ヒロインとそれを愛する王子とのラブロマンスなのだが、彼女が注目したのはレディ・マリエールという悪女キャラだった。
この女、とにかく唯我独尊で傲岸不遜。なにかといえば金をばら撒いてヒロインを苛め抜き、果ては王子さえも跪かせる。しかも最後までザマァされることなく別の国の大金持ちに嫁ぐという、ぶっちゃけこの悪女が主役なのではと思える内容だった。
主人公と王子の恋物語は大して面白くなかっただけに余計にそう思う。

だが、この人メッチャ格好いい。
そうだ、私もこのレディ・マリエールみたいな悪女になってカイダールに嫌われるのだ。そうすれば自分が死んでも後を追おうなんて思わなくなるはず。
早速、同じように振舞おうと決意したアリスではあったが、悪女らしい服を着ようと衣装室に行こうとするのさえ動悸と息切れで倒れ、作中にあった大量の虫を投げつけるなんて嫌がらせも自分が苦手なので集めるのは無理だった。
虫の代わりに作った蜘蛛に見立てたお手製のぬいぐるみも、手作りを貰えるなんてとカイダールに感動される始末。
悪女になるってなんて難しいの。

そもそもカイダールは正王妃の子で本来なら王太子になるはずだった。が、国王が正王妃を嫌い側妃のソフィに入れ込み、その間に産まれた子を王太子に据えてしまったのだ。
それだけでなく、幼少期の彼は国王から酷い虐待も受けていた。
ソフィ妃との確執で正王妃が自害してからは余計にカイダールの立場は悪くなり、アリスは胸を痛めていた。将来は娘の夫になるのだし侯爵は援助をしたいと申し出たが彼は丁重に辞退。
アリスの為に医師となり白葉病の研究をしてくれている。

ふと思う、自分が死んで後を追わせないにしても、後ろ盾のない彼は苦労し続けることになってしまう。ならいっそのこと、生きているうちにカイダールと結婚して父にアリスの死後も変わらぬ援助をお願いすればいい。遺言に残すつもりだし義父からの申し出なら断れないはず。
両親にウェディングドレスを着たいと我儘を言い、結婚の時期を早めてもらった二人は結婚。カイダールも普段暮らす研究棟ではなく、侯爵家で暮らすように。
アリスも一応、後を追わせない予防策のため、彼に嫌われるべくレディ・マリエール作戦を実行中だったが、ある時彼女は自身の変化に気が付いた。何だか嘘のように身体が楽。
実は白葉病には衝撃の事実が隠されており・・・。


余命ものですが、ハッピーエンドですのでご安心を。
アリスを蝕むこの病気、元をたどるととある稀少種族が持つ特性が発現したものでした。
その特性を数代前の国王が欲し種族からの協力者の力を借りて実験が行われた。
そして異なる種族の血は交わり王家を介して、降嫁などで貴族達にも巡り不幸にもアリスが発症。8年も生きられたのは無論侯爵家が手に入れた薬のおかげでもあるものの、数少ない成功例だったのです。
病に似た症状ながら遺伝子によって体を作り替えられていたアリスを国王が二人目の薬の君として秘匿しようとしますが、カイダールがそれを許すはずも無く。
王宮に乗り込んだ彼はソフィ妃から真実を聞き、母が亡くなった日のことを思い出します。もうね、国王が本当にクズ。自分に人望が無いものだから出来の良い正王妃を厭い、ソフィに入れ込んだ挙句、その気を引きたくて正王妃に手を掛けるとか。しかも普段からDVとモラハラしてたって言うからドン引き。
当然ながら国王は相応しい末路を辿りますが、ホントいい気味。
一方、アリスは自らの身体が別なものに変わってしまったことに悩むも、カイダールの同僚・グリソンの協力のおかげで変化は止まり元の身体に戻ります。
このグリソンさんにも裏事情があって正体が明かされた時はやっぱり、と。
アリスを無理矢理逃がしたことでカイダールが王籍を剥奪される憂き目に合ったりと最後まで波乱万丈ではあったけど、最後は大団円な結末になって本当に良かった。
作家さんによれば今作はラブコメとのことで、えっ???
まぁ確かに悪女になり切ろうとするアリスの言動は一々面白かったかもw


評価:★★★★★
伏線がとにかく素晴らしい。





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最終更新日  2023.12.09 12:37:04
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