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2024.01.07
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カテゴリ: エタニティ


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2023年3月刊
エタニティ文庫
著者:にしのムラサキさん

勤め先が倒産した日に、恋人にも振られた凪子。これからどうしたものか……と思案していたら、偶然そこに現れた幼なじみの海上自衛官・康平からいきなりプロポーズされた! 勢いに流されてOKし、始まった新婚生活だけれど……旦那様は不器用ながらも甘く優しく、とことん一途。おまけに職業柄、日々鍛錬(たんれん)を欠かさないものだから精力絶倫! 溢れるほどの熱情で、凪子は身も心も溶かされてーー? 妻一筋のコワモテ夫と恋に鈍感なユルふわ妻のキュン甘?溺愛ライフ、文庫だけの書き下ろし番外編も収録!



登場人物
 鮫川凪子=アラサーの元OL。
      勢いで応じた求婚によりエリート自衛官の妻になった。

 鮫川康平=海上自衛官。幼い頃から凪子一筋で再会した際にプロポーズした。
   裕之=凪子の元カレ。


勤め先が倒産し無職になった凪子は長年付き合っていた彼氏にフラれ一人やさぐれていた所、数年ぶりに幼馴染の康平と再会した。
今の状況を話し、今はフリーだと溢すと康平は俺と結婚してくれないかといきなりのプロポーズ。
康平とはお互いの家がご近所さんで高校卒業まで毎日顔を合わせていた仲だが、てっきり恋愛対象として見られていないと思ってたのに何がどうしてこうなった。
その場は一先ず別れたものの、翌日バラの花束を持って実家に訪れた彼の姿に母親が盛大な勘違いをかましてくれて、交際してたのは康平だったのねと大喜び。
それもそのはず、彼は海上自衛隊の士官でエリートコースまっしぐら。そんな人と結婚すれば将来は安泰だ。盛り上がってる母を他所目に、普段はキリッとしている彼も実はぼんやりした性格なのを思い出した。なんか私がここで断ったらいずれ悪い女に騙されて自殺でもしそうで怖い。
そんな失礼なことを考えながら、つい流されて凪子はそのプロポーズを受け入れたのだった。

海上自衛官は訓練などで海上にいることが多く、その兼ね合いで二人が結婚するまで1年近くかかった。が、お互い気心は知れているので交際期間をすっ飛ばして婚約者となり、いざ結婚に至っても当初凪子はあまり関係性の変化を感じていなかった。
しかし、康平の方は凪子を溺愛。こいつってこんなに暑苦しい奴だったっけ?と戸惑いつつも、何だかんだと彼がいないと調子が狂う。
入籍してすぐに佐世保に転勤になっても喜んで付いて来たし、専業主婦で良いと言ってくれている。こういう所が元カレとは違うんだなとしみじみ。
よくよく思えば元カレの裕之は俗にいうモラハラ気質で、かねてより専業主婦は寄生虫だと見下していた。だから無職になった凪子をあっさり捨てたのだ。
今思うと本当に理不尽で腹が立つ。でも康平がいない間は暇なので、週二ではあるがハンバーガーショップでパート務めすることに決めた。

そんなある日、店に裕之が偶然訪れて二人はバッタリ。
実は新婚旅行後にSNSで結婚報告した際に、俺に黙って結婚したのかと噛みつかれたのだが自分で振って置いて、その言い分に唖然。彼の話では再就職すればまた付き合いを再開するつもりだったらしい。さすがに勝手すぎると切り捨て、それから連絡は無かった。なのに、どうやら彼も佐世保に転勤になったという。海上自衛官と結婚し悠々自適な生活をしているんだろうと凪子を馬鹿にし、例の専業主婦を馬鹿にする持論を言い始めた時は心底呆れた。
とはいえ、店長たちの怒りを買い追い出された挙句出禁にされていた。二度と会いたくないけれどもし近所に住んでるとしたら嫌だなー。
別れて改めて判る、なんでこんな奴と付き合ってたんだろう。貴重な20代を返して欲しい。康平が訓練から帰って来れば、でろでろに甘やかしてもらって幸せな気分を味わえるのに。

すっかり康平がいないと生きていけない体質になった凪子は、偶然知った勤め先の店長たちの複雑な恋模様をじれったく思いながらも、プライベートでは幸せを満喫していた。
しかし、裕之は今更ながら凪子が惜しくなり、彼女を付け回すと言うストーカー行為を繰り返し・・・。


このクソモラハラ男は世の中の専業主婦の皆さんに袋叩きにされても文句言えませんね。案の定、この持論を職場でも言ってて同僚達もドン引き。
こいつ絶対友達すらいないだろう。
凪子はぼんやり+にぶにぶな性格だったから付き合ってこれただけで、そんな彼女を溺愛する康平と結婚した今では元カレの酷さに気付き、復縁を望まれてもとんでもない。
ましてや後を付けられていたことが判り、当然夫に報告すると、康平の兄が警察のお偉いさんだったこともあり裕之は御用。
まぁ、凪子のことを脅してもいたので脅迫罪とどうも別件で警察にマークされていたらしく、その後彼女達の前から姿を消します。罪状的に相当絞られただろうから仕事もクビだろうしイイ気味。
この騒動後、今イチ康平に対する気持ちが判ってなかった凪子は漸く自分の気持ちに気付き、恋心を自覚。めでたくラブラブ夫婦となり、第一子も授かって終わり。
文庫版の書下ろしは後日談で康平目線の長女・希が産まれてんやわんやの鮫川家の日常のお話でした。

終始コメディ調であっという間に読み終えてしまいました。
ぼんやりで少し鈍い似た者同士が結婚したら?的な内容で、明るい話が読みたい方におススメです。


評価:★★★★★





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最終更新日  2024.01.07 09:00:08
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