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2024.01.10
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カテゴリ: スターツ出版文庫


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2023年12月刊
スターツ出版文庫
著者:夏みのるさん

人間とあやかしの混血である“稀血”という特別な血を持つ深月は、虐げられる日々を送っていた。奉公先の令嬢の身代わりに縁談を受けることになるが、祝言の夜、あやかしに襲われてしまう。深月を守ってくれたのは、冷たい目をした美しい青年ーー最強の鬼使いと名高い軍人・暁だった。「ずっと待っていた。君と出会う日をーー」ある理由から“稀血”を求めていた暁は、居場所の無い深月を偽りの花嫁として屋敷に連れ帰る。最初はただの偽りの関係だったはずが…傷を秘めたふたりは徐々に惹かれ合いーー。



登場人物
  深月=あやかし『禾月』と人との混血「稀血」の少女。
     養父の残した借金返済のために奉公女中として働いている。
 朱鳳暁=妖刀使いの軍人。はぐれの禾月に襲われていた深月を救った。
  麗子=老舗和菓子店の一人娘。深月を目の敵にして虐めていた。


産まれてすぐに両親から捨てられ、養父・貴一の援助で育った深月。
しかし、15歳になったある日、貴一は何者かに襲われ命を落とした。悲しみに暮れる深月だったが、貴一に借金があることが発覚。
当然、天涯孤独の彼女に支払える額ではなく途方に暮れたが、養父の友人だと名乗る老舗和菓子店・庵楽堂の大旦那が肩代わりしてくれることにとなった。
だが、大旦那は深月に奉公女中になることを強要。以来、彼女は屋敷に住み込み働き出したのだが、深月の美しさと佇まいに女将と娘の麗子が嫉妬し、壮絶な虐めを受けるように。
特に麗子からの当たりが酷く、主人がそうだからと他の女中たちからも仕事を押し付けられ寝る間もないほど忙しい日々を過ごしている。
女学校に通う麗子の宿題や持ち返りの刺繍なども深月が引き受け、女中たちの意地悪で範疇外の仕事のミスも全て彼女のせいにされた。おかげで深月の身体には麗子の虐めと折檻によって生傷が絶えない

それでも何とか屋敷で4年過ごしていたのだが、ある時大旦那に呼び出された彼女は天子の親族に嫁ぐよう命令された。老舗和菓子店とは言え平民。やんごとなき家柄からの命では娘を嫁がせなければならない。例えそれが女癖が悪く何かと悪評の多い男の所であっても。
だが、本妻ならともかく妾の一人ともなると渋りたくなるのも当然で、代わりに深月はどうかと薦めたら先方はあっさり承諾したそうだ。
深月は親もいないから身代わりとして嫁がせるのに丁度良い。加えてその美しさはあちらもさぞ気に入るだろう。これで援助金も定期的に貰えるはず。
内心で絶望していた深月に自由意志などなく、嫁ぐなら借金はチャラにしてやると言われ、彼女は早々に先方の屋敷に行かされた。
だが、初夜の時、麗子に負わされた腕の傷が開いて出血。
その香りを嗅いだ夫が豹変して襲われた深月は間一髪、軍服を着た青年に助けられたのだった。

ショックで気を失った彼女が目覚めると帝国軍の施設で、あやかしを狩る特命部隊の宿舎であった。深月を助けた青年は特命部隊部隊長の朱鳳暁と名乗り、彼女を襲ったのはあやかしで、その血の香りで正体を現したのだと告げた。
よくよく説明を聞くに深月は希少な「稀血」の持ち主らしく、今まであやかしに見つからなかったのは奇跡に近いという。どうやら貴一がくれた組紐に付いていた石が「稀血」の香りと気配を遮断していたようで、祝言の日、最後の麗子の虐めでそれが切れたのが原因ではとのこと。
「稀血」とは『禾月』というあやかしの一族の者と人間との混血の者を指すのだが、現存数は極めて少ない。そして特殊な力を持つともされていて何かと狙われる存在なのだそうだ。
そこで、暁からの提案でこの宿舎で彼が直々に保護するとして、周囲に気取られぬよう暁の花嫁候補という名目で匿われることに。

宿舎での生活は庵楽堂での生活とは180度違い、お世話をしてくれる女中まで付いて戸惑うばかり。隊士の中には「稀血」というだけで深月を毛嫌いする者もいたけれど、それ以外は平穏な毎日を過ごしていた。一見とっつきにくく見える暁はぶっきらぼうだが優しく、食事を共にし言葉を交わすようになると少しずつだが打ち解けてきたように思う。それでも卑屈な性格は治らず、つい気まずい雰囲気にはなってしまうのだが。
そんな最中、深月の不注意からあやかしに襲われ、助けに来た暁が負傷。
毒も受けてしまったようで意識不明の彼を見て自分を責めていた彼女は暁の妖刀から話しかけられ、自分に癒しと浄化の力があることが判り・・・。


養父によって隠されていた深月は自分が「稀血」であることを19歳になるまで知りませんでした。本来なら然るべき所で保護(+監視)される存在だったのに、暁は奉公女中としてこき使われていた彼女のことを不憫に思います。同情もあったんでしょうが、段々お互いに二人は惹かれ合い、みたいな展開に。
庵楽堂の面々はクズの集まりで借金のことも実は、という真実がラスト近くで発覚。だよねー、だと思ってた。それまでの悪事も露見し、いい具合に報いを受けて転落してったのでこの顛末にはスッキリ。
やっぱり、不遇ヒロインものはこの手のザマァが無いとね。
深月についても調査の結果色々判明して親族とも対面。この親族、某カヲルくんを思い出すんで脳内ではあの声優さんの声で読んでましたw
暁の仇の「稀血」とか、深月の実の親関連など、まだ色々謎があるのできっとシリーズものですね。


評価:★★★★★





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最終更新日  2024.01.10 11:55:49
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