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2024.03.27
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カテゴリ: 蜜夢文庫


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2021年5月刊
蜜夢文庫
著者:奏多さん

高級ブランドの社長令嬢の美桜は、母の死後、父の再婚によって境遇が一変。継母と義姉から家政婦扱いされ、ホステスをして資金を稼ぎ家を出ようとしていた。そんな美桜の前に実家のライバル会社の秘書室長・碓氷浬(かいり)が現れ、シンデレラ嫌いの彼女にシンデレラをテーマにしたブランド商品の企画を命じる。自分を変えてくれる魔法使いのような浬に惹かれる美桜だったが……。



登場人物
 茅野美桜=社長令嬢ながら継母と義姉に虐げられこき使われていた。
  碓氷浬=大手企業・音羽コーポレーションの秘書室長。
 音羽芳人=音羽コーポレーションの御曹司で副社長。
 仙賀綾女=美桜が勤めていた高級クラブのママ。
小鳥遊燎子=美桜の先輩社員。
  榛木真=プロジェクト参加メンバーの一人。


服飾ブランド「KAYANO」の社長令嬢・美桜は、実家を出るために内緒で夜の仕事をしながら必死に金を貯めていた。伝説のホステスだったという綾女が営む高級クラブは客の質も良く随分と稼がせてもらった。この調子なら目標額まであと少しと思っていた矢先、代議士の息子という男が泥酔して新人ホステスに絡み、止めに入った美桜と悶着になってしまったのだ。
当然ながらいくら後輩を助けるためとはいえ、客に立てつくなど上級クラブのホステスとしてはあるまじき行為。大恩ある綾女にこれ以上迷惑はかけられないと美桜は自ら退職を申し出たのだった。実入りの良さで言えばこれ以上ない職場だったが仕方ない。そんな失意の彼女に声を掛けて来たのは先程の悶着の際に間に入ってくれた青年。
彼は碓氷浬と名乗り、仕事が欲しいならうちに来いと名刺を渡し、いきなりキスをして来たかと思うと目を白黒させている彼女を残し颯爽と立ち去った。

自宅に戻ると、継母と義姉は待ってましたとばかりに美桜を顎で使い、眠れたのは深夜を大分過ぎた頃。
継母は人を雇う金が勿体ないと先妻の子を家政婦扱いしているだけでなく、昼間働いて得た給料は9割取り上げられている有様。ここまで邪険にされるなら一人で暮らしたいと訴えたら今までの養育費3千万を払えと無理難題を言われ、残業してると嘘を吐きホステスのバイトをしていたのだが、それも辞めてしまった。
継母は元々父の会社の社員で義姉を女手一つで育てるシングルマザーだった。生前の母が気の毒に思い、援助もしていたと聞く。だが母を溺愛していた父はその死に耐えられず酒浸りになり、恩返しとばかりに継母が父を励まし立ち直らせたのが縁で後妻として迎え入れられた。
だが、社長夫人に収まった途端、継母は本性を現し、美桜は数えきれないほどの嫌がらせを受けた上、仕事で多忙の父が継母の嘘に騙されて美桜を嫌い遠ざけるようになるまでそう時間はかからなかった。母の形見も金目の物は全て取り上げられ、それ以外の思い出の品は部屋に隠している状態だ。
でも、イミテーションだと思われたのか無事だったネックレスを10年ほど前に人とぶつかった衝撃で落としたのか失くしてしまったのが悔やまれる。母が亡くなる直前にくれたものだったのに。
そういえば、あの時の少年には衝突した拍子に唇までぶつかってしまい、あれがファーストキスなのだと思うと苦い思い出でもある。そして今夜出会ったあの碓氷にイメージが重なってなんだか胸がモヤモヤするのは何故だろう。

翌日出社すると美桜は上司に呼び出され、音羽コーポレーション本社への転籍を命じられた。元々ここは音羽系列の会社なのだが、子会社もいい所の設計事務所なので気にせず勤めていた所だった。でもいきなり親会社しかも本社に行けなんて。戸惑っていると碓氷が会社に現れ美桜を有無を言わせず新しい勤め先へと連れ去った。
そこで引き合わされたのは新しい上司である副社長・音羽芳人。
名前からして社長の息子だろうが、碓氷とは親戚で幼馴染だといい、気安く会話していた。状況がつかめずにいる美桜に芳人が命じたのは音羽の服飾ブランドである「Cendrillon」での新しいプロジェクトのリーダーになれというもの。突然の抜擢に驚愕したが、まるで美桜が父の為になればと色々勉強してきたことを知っている様だった。新プロジェクトはシンデレラを題材にした商品の企画開発。
無難なのはアクセサリーか。プロジェクトのメンバーも紹介されたが皆曲者揃いだし、新参者の美桜への当たりもキツく早くも心折れそうだ。
そして、碓氷のことを激しく意識している自分に驚きつつ、甘く迫られてついに一線を越えてしまった美桜。

どうせ遊びに違いないと思い込んでいたら何と彼は本気だったようで、仕事面では厳しいがプライベートでは彼女を溺愛。初めてできた恋人と言う存在が心の余裕に繋がったのか、メンバーとのコミュニケーションも上手く行き始めている。
それから暫く経ったある日、珍しく父から買い物と食事に誘われた美桜は向かったレストランに継母と義姉がいたので嫌な予感が。すると高橋と名乗る代議士が息子を連れてやって来たので、これは見合いだと思い至った。しかも結婚は決定事項だという。よくよく見ればお相手の高橋良樹は以前綾女の店で騒ぎを起こした最低男。二人きりになった際に会話したが、あの日のことを謝罪された上に良樹もこの結婚には乗り気ではないようだった。でも父に逆らえないから仕方ないと。ならお互い愛人でも作るかと笑えない冗談を言われたが、どうしよう。自分には碓氷がいるのに。
悪いことは続くもので、決まりかけていたプロジェクトの新商品が「KAYANO」のものとして発表されていて・・・。


このレーベルにしてはページ数多目なせいか、ヒーロー・碓氷とくっついてからも色々起こります。新商品がリークされたことで当然美桜が真っ先に疑われるも、碓氷が否定。
結局、実家が「KAYANO」の子会社だという榛木の仕業だと判明します。しかも、継母に脅されてのことで榛木も反省していることから、これを逆手に取ってこのまま二重スパイとして残ってもらう算段に。
榛木の方も、このメンバーに愛着があったため、汚名返上のチャンスを与えられたと喜び、一から考えることになった新商品の開発の為奔走。
そんな最中、美桜が思い付いたのはシンデレラと言えば、の靴。
働く女性に優しい靴というだけでなく、シンデレラを連想させるものが欲しいと考えついたのはガラス繊維を使うと言うもの。そもそも「KAYANO」が元は靴ブランドだったため、こちらは不利に思われたが、榛木の意外な交友関係のおかげで無事新作は完成となるのでした。
まぁ、色々一筋縄じゃ行かなくて芳人の過去なども絡んだ騒動も起きて、何度かピンチに陥ったりもするのだけど、美桜の実母が残してくれた日記をもとに隠されていた彼女名義の遺産も見つかり、最後は継母たちの悪事もバレてザマァ要素もしっかりありました。
父に関しては美桜が罰を望んでなかったので、許された形になったけど、これまでの苦労を思うと正直甘いと思う。女を見る目が無い上に娘を無理矢理結婚させようとしたこと忘れてないから。
後、株を挙げたのは高橋良樹くんかな。店で暴れたのはあれだけど、美桜の意図を汲んで自ら身を引いてくれたので、根は悪い人ではないんでしょう。
碓氷については、ですよねーってことで彼が美桜がぶつかった相手でペンダントも拾って保管してくれていた人物でした。おかげで継母たちにとり上げられず済んだので結果オーライ。綾女と知人関係だったのも功を奏し美桜を見つけることも出来たのだから世間は意外に狭いもので。
実は彼の方こそ音羽の御曹司だったりして、見事美桜は玉の輿。
現代版シンデレラストーリーと言った印象です。
それにしても、制作にかなり特殊な材料と工程に手間暇かかっていたあの靴、一体いくらで販売するつもりなんだろ(^_^;) 

お話としてはキャラも皆良かったし面白かったんですけど、芳人さんのエピソードは別で1作にした方が良かった気も。胸糞要素もあるので難しいのかもだけど何か色々勿体ない気が。


評価:★★★★☆





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最終更新日  2024.03.27 10:30:55
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