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『第3章 少数精鋭でムダと戦う』■合理化の基本は少数精鋭 企業の合理化について、私の基本的な考え方は、少数精鋭主義 ということになります。 20人の官僚よりも1人のプロということです。 私はこのことを話すとき、いつも戦闘機のパイロットに例えるのですが、 太平洋戦争で開戦当時の日本海軍のパイロットは、ゼロ戦1機で 敵を10機も落としていたといいます。 職種にもよりますが、知的労働においては10人分以上の働きをする人は 実際にいるものです。 例えば営業では、1人で10人分も20人分も売る人がいます。 第一生命の柴田和子さんがその良い例です。 柴田さんはギネスブックにも載った契約高日本一の生保セールスで知られ、 1人で800人分以上もの保険料を集めておられます。 私はある方を通じて柴田さんのことを知り、わが社で講演して頂いたこと があります。 やはり、仕事への情熱、神経の使いどころなど、いずれも凡人とは違い、 さすがに日本一となる方は違うと感嘆したものです。 本当に優秀な人が1人いれば、10人あるいは20人分のことが 出来てしまうものです。 もちろん、なかなかそれほど優秀な人はいませんが、全くいないわけでも ありません。 社内にそんな人が埋もれていれば、それを引き上げるのが私の仕事です。 人材を見つけて、さらに育てることにより、少数精鋭の部隊を形成すること ができます。 これが、企業を合理化することへの近道です。(中略)■M&Aで時間を節約する 私が副社長をしていた頃、M&Aブームで、わが社にもそんな話が たくさん来たものです。 結局、どれもやらなかったのですが、それで良かったと思っています。 と言うのは、どれも皆高くて、どうソロバンを弾いてみても採算が 合わなかったからです。 ただし、条件さえ合えば、M&Aは時間の節約となる場合があります。 例えば、国内のある大手メーカーからシリコンウェハーの事業を 買ったことがあります。 わが社の子会社である信越半導体では、当初は資金がないからと 断ろうとしていたのですが、私は良いチャンスだと判断し、お話を 受けることにしました。 目論見どおりに事業は成功し、買収に投下した資金はほとんど回収 しています。 先方にとっては、本来の得意分野に経営資源を集中できたようですし、 わが社にとっても生産がより合理化されました。 これは小さな例ですが、M&Aの成功例だと言えます。 高度成長期には小さいところから育てていくのが良かったわけですが、 今はデフレ時代なので、M&Aで時間を節約できるのが大きな意味 を持ちます。 つまり、進め方を間違えなければ、M&Aで時間を買い取ることが 出来るのです。■ムダなことをするのは没落の始まり 現在、信越化学の本社は賃借りですが、自社のオフィスビルなど 買う気は毛頭ありません。 確かに今のオフィスは古くなっており設備への不満がないわけでは ありませんし、新しいところからの誘いも多々来ていますが、 そんな気はないのです。 なぜなら、もしオフィスビルなどを買えば、それはわが社の没落の始まり だと思うからです。 現在、手持ち現金が3000億円以上ありますから、そんなものは 買おうと思えばすぐにでも買えます。 私が嫌なのは、引っ越しによって一ヶ月くらい使ってしまうことに なりそうだからです。 その間に、はるかに有意義な事業を育てたいのです。 わが家も、課長のときから同じ家のままです。 社長になってからも課長当時と何ら変わらないままですから、 家内からは文句を言われています。 もちろんこれも、もっと良いところへ引っ越そうと思えば出来るのですが、 それをやれば、今のような仕事は出来なくなるでしょう。 その理由としては、「おごる平家は久しからず」という精神面の油断 を恐れるという点もあるのですが、何よりも物理的に問題があるのです。 この間、私と昔から親しい、あるアメリカ人から冷やかされました。 独自の発想でアメリカの大会社をねじ伏せた話をした時、彼から、 「あのタタミの部屋でそういう発想が出たのか」と言われたのですが、 「その通り。タタミだから出たんだ」と答えておきました。 これは半分冗談ですが、新しいところに引っ越せば、半年ぐらいは 仕事に悪影響が出てしまいます。 何よりも、物理的、肉体的に私が参ってしまうからです。 これは事務所の引っ越しも同じことです。 ムダな金を使うこともさることながら、社員に時間と労力のムダ を強いることになり、その期間、本社の能力が落ちてしまいます。 つまり、毎日時間と戦っている今のような大事な時期に、そんな ムダなことはしていられないということなのです。(続く・・・)「社長が戦わなければ、会社は変わらない」(信越化学工業社長 金川千尋著)より
2003.06.30
『第2章 会社を変革するために戦う(”抵抗勢力”にひるまない)』②(中略)■年功序列から、実績主義へ この激動の時代に、年功序列などやっている余裕はありません。 合理的に組織を運営するには、仕事で実績を上げた人を見逃さず、正当に評価し、 金銭的にも地位の面でもきちんと功に報いることが必要となります。 他人の手柄を横取りして自分のものにしてしまう人も、世間にはあるようですが、 わが社にはそういう人はいません。 むしろ、「これは皆でやりました」と手柄を譲り合ってしまいます。 これは日本の会社ではよく見られる光景だと思いますが、経営者はここで、 「皆でやりました」という言葉をそのまま受け取ってしまうわけにはいきません。 肝心なのは、成功のカギとなったその人物の存在を決して見逃さないことです。 一つの仕事がうまくいっても、それで終わるわけではありません。 また次の仕事がひかえているのですから、経営者としては、 「あの人ならこの仕事を任せられるな」という人材の存在を、少しでも多く 確認しておきたいわけです。 つまり、キーマンの存在を確かめておけば、次の仕事への布石となるのです。 また、キーマンの存在を確認しておかなければ、功績を上げた者に正しく 報いることが出来なくなってしまいます。 社員の士気を上げるには、立派なことをやったならそれに報いることが大切です。 せっかく大きな功績を上げたのに、会社が何もしてくれないのでは、 キーマンだけでなく他の社員の士気も落ちてしまいます。 必ず社員の功績をしっかりと見ておいて、その功を称える必要があるのです。 もちろん、称賛されて尊敬されれば、金銭的なインセンティブがなくても 働くということではありません。 かつての日本企業のように、社員の会社への忠誠心だけに依存して、 立派な働きをする社員を安月給で働かせるというのは、もう通用しないのです。 功績を上げた社員にはもちろん払うべきものを払い、それに加えて、 その功績をきちんと認める。 この二つがないと、これからの日本企業は運営できないでしょう。■組織改革では、切腹させてはならない 現代の私企業の社長は、組織を変えたければ変えられます。 古い慣例にとらわれて、適材適所の人材登用をためらうべきではありません。 今は昔と違い切腹するような人はいませんが、それに近いようなことは あり得ます。 切腹のようなことをされては困りますから、そうならないように配慮する 必要があるわけです。 具体的に言えば、その人のプライドを傷つけないような形で異動させれば いいわけです。 最もいけないのは、本当に切腹したくなるような気持ちにさせてしまうことです。 組織の改革は、官僚主義や非効率的な人の使い方を改革するのが目的であり、 摩擦をつくるのが目的ではありません。 摩擦は最小限にするのが一番理想的です。 摩擦は少ないほうが望ましいと言えます。 そのほうが、こちらも余計なエネルギーを使わずに済むからです。 対人関係で一番やっかいなのは、相手が傷つけば自分の気分も落ち込む ということです。 そうなると、自分が新しいことをする気力にマイナスになってしまいます。 摩擦を減らすのは、相手のためでもありますが、経営者自身のため でもあるわけです。■新しいテーマは社長が決める 新規事業を立ち上げるために、社長就任後に私が委員長となって、 Z委員会というものをつくりました。 ちなみに、この「Z」はZ旗から取ったもので、日本海海戦で勝った縁起 を担いで、こう名づけたわけです。 いくつかの欠点を抱えていたZ委員会でしたが、なかにはうまくいった 事業もあります。 この委員会が選んだテーマの一つであるフォトレジスト(半導体製造に 使われる感光材)は、世界シェア30~40%を占めており、成功した事業 だと言っていいでしょう。 Z委員会は10のテーマを選んでいたのですが、フォトレジストはその一つでした。 結局、10のテーマのうちフォトレジストについては成功し、もう一つ うまくいきそうなものがあるのですが、他のものはあまり芳しくありません。 Z委員会では10年もかけて、きちんと成功させたのは現時点では一つだけという、 大変に効率の悪いことになってしまったわけです。 このように、Z委員会は結果が思わしくなく、2000年からはニューZ委員会 という組織へと改変しました。 これは私の反省なのですが、Z委員会では、テーマの決定と事業化の進め方 について問題がありました。 まず、Z委員会では多数決でテーマを、決定していたのですが、 これがよくありませんでした。 その反省を踏まえて、ニューZ委員会では、社長である私が意思決定 するようにしています。 ただし、私には専門知識が欠けていますし、独断となる危険を避けるために、 意思決定の際には、特定の人の意見を聞くようにしています。 特定の人というのは、専門的な分野で特に私が信頼している人たちのことで、 社員だけでなく顧問の場合もありますし、私の友人に相談することもあります。 皆、私のよく知らない専門的な分野で、大きな実績を上げている人たちで、 こうした人たちの意見を聞き、私が「いける」と判断したら、事業化を 進めるわけです。 日本企業では意思決定の際にやたらと多数決を行いたがる傾向がありますが、 これは自分で責任を負う気がない場合が多く、他の人間も賛成した という保険が欲しいからでしょう。 新規事業のテーマ決定は、これからの会社の行く末を左右する重要な仕事 ですから、当然、これは社長が自らの責任で決定すべきだと考えています。■新規事業はこだわってはいけないが、こだわりがなければできない 新規事業では、撤退の見極めが大変に難しいし、これには大きな責任が伴います。 したがって、これも経営者自身が決定すべきだということになります。 私もいくつかの事業から撤退を決めたことがあります。 ある事業の場合、担当部門の役員や顧問たちは「撤退したほうがいい」 という意見だったのですが、その事業の担当者に直接意見を尋ねてみると、 「まだ脈があると思う」という答えが返ってきました。 彼にはまだその事業へのエネルギーが残っていたのです。 そこで私は彼にこう言うことにしました。 「それじゃ、あと一年やってみなさい。そこでだめだったら、みんな 納得してやめようじゃないか」 事業からの撤退は、直接担当している当事者も納得していることが 望ましいものです。 そこで、皆が「やめろ」と言ったにもかかわらず、私は逆に、 「もう一年やってみなさい」と言ったわけです。 このとき担当者はとても喜んでいました。 結局、一年やってみてもその事業はだめだったのですが、これで誰もが納得して 撤退することになりました。 担当者だった人間も、これでスッキリとした気持ちで、そのエネルギーを 新たな仕事へ振り向けることが出来たわけです。 事業を投げ出すのは簡単ですが、それでは何も成し遂げられません。 事業への情熱や成功させたいというこだわりは必要なのです。 しかし、悪い意味のこだわりは困ります。 例えば、この事業がつぶれると自分のメンツにかかわるなどといった、 つまらない見栄からくるこだわりは別です。 そんなものは見分けて、切って捨てなければなりません。 新規事業では、始めたからにはどこまでもやらなければいけない、 という玉砕精神はいけません。 こうした意味でのこだわりは禁物です。 しかし、初めからすぐ投げ出すようでは、もちろん絶対成功しませんから、 その事業への推進力となるこだわりは必要です。 矛盾しているようですが、新規事業では、こだわり過ぎては撤退のタイミング を誤るし、こだわりがなければ成功するまでやり遂げることができません。 つまり、経営者は、こだわりの質を見極めて、撤退の決断を下す必要がある ということなのです。(続く・・・)「社長が戦わなければ、会社は変わらない」(信越化学工業社長 金川千尋著)より
2003.06.29
『第2章 会社を変革するために戦う(”抵抗勢力”にひるまない)』①■会社を変えられる人の条件 社長が戦わなければ、会社は変わりません。 経営者が強力なリーダーシップを発揮しなければ、会社の改革など 出来るはずがないからです。 では、会社を改革するために、経営者にはどのような能力が要求される のでしょうか。 私の見るところ、会社を変えられる人の条件として大切なことが2つあります。 それは、まず会社をどう変えるのかという目標をはっきりと持っていること、 そして現状を正確に判断できるということ、この2つです。 会社を変えるには、この2つの能力を持っていることが大前提となります。 私の場合、大不況にも耐えられるような強い体質の会社にするという 目標がありました。 また、社長就任当時、私は会社のなかに、官僚主義と仕事を非効率にする 陋習とがはびこっていると判断しました。 企業にとって第一の目的は、あくまでも、利益を上げて株主に報いる ということです。 この厳しい時代に、この目的を達成するには、会社の体質が堅固であること が不可欠です。 会社の体質を強化するには、官僚主義と陋習とを一掃しなければなりません。 このように、明確で適正な改革の目標を持ち、現状を的確に判断できた からこそ、私の改革は何とか成功できたのだと思っています。■悪い常識を覆すのが社長の仕事 サラリーマン文化というのは守旧派になりがちです。 悪い常識を覆すには、まず社内にある常識に疑いを持たねばなりませんが、 現実には、ほとんどのサラリーマンが常識に対して疑問を持っていないものです。 私には元々不思議なくらい思い込みというものがなく、常識にとらわれる ことがありませんでした。 このため、入社当時から、社内のいたるところで疑問に感じる慣習に ぶつかって、不満に思っていたものです。 ところが、完全に動脈硬化を起こしているような、物の考え方の硬直している 人が多いようです。 自分のやっていることについて絶えず立ち止まって考えていれば、 今まで常識だと思っていたことにも、「これはおかしいぞ」と感じることが 多々あるものです。 ところが、会社の中の常識に染まってしまうと、今までの慣習を無批判に 正しいものだと思い込んでしまいます。 改革のときに障害になるのは、そういった思い込みなのです。 私は若い社員に、 「考え方の柔軟さで言えば、私が20歳で、君は80歳ぐらいだね」 とよく言ったものです。 そして、頭の硬直している人にヒントを与えて、「やり直しなさい」 と意識の転換を促しました。 このようにして、私は社員たちにはびこっていた悪い常識を覆させてきたのです。 その甲斐あって、今では社員の意識は随分と変わってきています。 世界に通用する強い体質の企業になるには、組織を蝕む官僚主義と、 常識を疑わない硬直化した意識は、是が非でも変えなければなりません。 20世紀最高の経営者と言われているジャック・ウェルチ氏も、 GEの組織から官僚主義を一掃し意識改革を行うため戦ったと言われています。 体質強化のための社内改革では、意識改革が不可欠なのです。■仕事のなかで意識改革を促す 社員の教育は実際の仕事を通じてやるべき、というのが私の持論なのですが、 意識改革についてもこれは同じことで、私は仕事のなかで社員の意識を 変えていきました。 私はこれまで4つの大きな節目となる仕事をしたと思っています。 4つめは社長就任後の社内改革ですが、それ以前にも、大きな節目が 3つありました。 まず、本格的な海外事業の立ち上げ、次がアメリカの子会社・シンテック の経営、そして、国内の塩ビ事業の再建という3つです。 これらは、事業の実績としても大きな貢献をしていますが、それだけでなく、 社員たちの意識改革を進めることにも確実に寄与しています。 意識改革がなされたことで、これらの仕事に携わった社員たちは、 仕事の手腕を大きく上げていったのです。 このことが、会社にとっては何よりも大きいと思います。 例えば、大きな仕事のとき、若い社員たちは一生懸命やろうとするのですが、 私はこう言って、彼らの考え方を転換するよう促しました。 「一生懸命やる必要はない。問題は企画と発想なんだ。 一生懸命やらなくていい。寝ころがったっていいんだ。 ただし、勝たなければ困る。要するに勝てばいいんだ」 大切なのは労働の量ではなく質です。 どれほど汗をかいて必死に働いても、結果が出なければ何もなりません。 一生懸命やることよりは勝つことが肝心です。 それにはあくせく動くことよりも、頭を使うことです。 私はこのように意識を変えていったつもりです。(続く・・・)「社長が戦わなければ、会社は変わらない」(信越化学工業社長 金川千尋著)より
2003.06.28
『第1章 ”自分流の経営”で戦う(私のボスは株主だけ)』③■本業以外には手を出さない 例外的なことですが、社長としての拒否権を発動して、新規事業への進出を 断固として止めたことがあります。 これはまだバブルの頃で、私が社長に就任したばかりのことでした。 この事業案は主として事務系の人間がつくったもので、福井県の武生に 土地があるので、そこでビジネスホテルを始めようというものでした。 信越化学は製造会社です。 私は世界のホテルを何百と利用してきましたが、ホテル経営のノウハウもない 製造会杜が経営するホテルなどありません。 そんなものを始めたところで、二流、三流のホテルになるのが関の山です。 出来の悪いホテルを地方でやるメリットなど、どこにもありはしません。 このときはバブルの絶頂期で、社内もその熱狂に浮かされているようなところ がありました。 歴史を見ても、ノモンハン事件にせよ、満州事変にせよ、日本人には 空気に流されるという弱点があるように思います。 欧米の国々では個人という意識がしっかりと確立されていますから そんなことはないのですが、日本人はまだ個人の自覚がそれほど 確立されていないので、無責任に波に乗ってしまうようなところがあります。 バブルのときは皆そのような状態でした。 熱狂に乗ることすべてが悪いわけではありません。 私も自分の本業では熱狂にうまく乗って、儲けるときは思い切り儲けています。 ただし、熱狂を冷静に見る目を失えばコントロールが利かなくなってしまいます。 熱狂はいつか必ず冷めます。 冷静さを失ってとことん儲けを取ろうとすると手痛い目に遭ってしまいます。 本業に関してなら、たとえ熱狂の最中でも冷静さを失わず、ある程度の コントロールが利きますが、本業以外ではこうした状況を見る目を 持ち合わせていないのですから、熱狂に乗るのは危険です。■私の血は赤い 「世界に通用する企業であり続ける」 私が経営において常に意識するのはこのことです。 世界を相手に戦おうとすると、どうしても企業運営は合理的にならざるを 得ません。 私にとって、日本的な手法のうち合理的でないものは困ります。 例えば、年功序列や、セクショナリズム、横並び意識から不要な部署や役職を やたらにつくることなど、事業を非効率にするようなものは排除します。 このように、企業運営はまず合理的でなければいけないと、私は考えています。 しかし、合理的なだけでよいとは考えていません。 「株主がボス」という私の経営のやり方はアメリカ企業のそれに似て見える かもしれませんが、あくまでも私だけの独自なやり方であり、 日本的な部分もあると思っています。 アメリカ企業の経営者には冷徹な人が多いのですが、経営の基本のどこかに 温かい気持ちがないと、結局、企業はだめになってしまうと思うのです。 私はよく部下に対して怒りますが、怒ることと冷たいことは違います。 むしろ、本当に冷たい人は怒らないものです。 例えば、冷たい人は普段は何も言わずに、人事などで突然ひどいことをします。 でも、私にはそんなことは出来ません。 もっとも、ある人に何度同じことを言って聞かせてもだめなら、 別のところに行ってもらうことはあります。 たとえそんなときでも、その人を雇ったからには、なるべくきちんと してあげなければいけないという気持ちがどこかにあります。 会社を経営するには、合理的にやらないともちません。 合理的にやるには、かなり冷酷にならなければいけない場面もあります。 でも、基本に温かさを失ってはならないと考えています。 昔、ある外国企業の経営者にこんなことを言ったことがあります。 「あなたを切ったら青い血が流れる。でも、私を切れば赤い血が流れる」 これはあくまでも冗談だったのですが、さすがにこのときは怒られて しまいました。 でも、アメリカの経営者には、本当にこのように言いたくなるような 冷たい人もいます。 ある人が「鬼手仏心」という言葉を遣っていました。 仏の心を持っているからこそ、鬼の手を使えるという意味だそうです。 確かにそうかもしれません。 私はときどき自分の言動に冷たいところがあると感じると、自分で自分に 「これはいけない」と言い聞かせています。 本当に冷たい人間には部下もついてこないし、顧客も近寄ってきては くれないものです。■正々堂々と戦う 私には基本的にウエットなところがあります。 仕事をやるときにはそんなことは言っておれませんから、もちろん戦います。 戦うには戦うのですが、誰かが困っていれば、出来るだけ助けてあげたい という気持ちがあります。 ここで一番いけないのは、自分が温かい人間だからというのを、 仕事で成功しない理由にしてしまうことです。 これは単に逃げているだけです。 人としての基本は温かくとも、仕事となったら戦わなければなりません。 私が言いたいのは、同じ戦うにしても、正々堂々と戦うべきだということです。 私はこれまで正々堂々と戦ってきました。 堂々と投資をし、堂々と契約を結び、堂々とマーケットに打って出て 勝ってきたのです。 正々堂々と戦うということは、真正面から立ち向かうということですが、 日本人としての感覚では、この言葉のなかに決して無惨なことはやらない ということも含まれている気がします。 私は完全に相手を倒しても、皆殺しにするようなマネはしまぜん。 そんなことをすれば、一見徹底的に儲けられるように見えますが、 その実、かえって儲からなくなります。 本当に儲けたければ、皆を生かさなければいけないのです。 と言うのは、一回でもそんな無惨なことをすれば、もうその人のところには 絶対に人が近寄って来なくなるからです。 人を生かしてこそ、自分も生きられます。 無惨なことをすれば、誰も寄り付かなくなり、困ったときに誰も 助けてはくれません。 結局、無惨なことは自分自身に返ってくるのです。■贅沢をするよりも、会社をよくしたい 私の自宅は課長の頃のままですし、アメリカ企業の経営者のように 別荘を持ったりペントハウスを持ったりしたいとは思いません。 もちろん、今ならばそんなものも持とうと思えば持てるのですが、 別荘など持ってもまず行かないので、ムダになってしまいます。 私の場合、唯一の賛沢と言えるのは、毎年夏の終わりに栃木県の 奥日光小西ホテルに行って、2~3日休むことぐらいです。 奥日光小西ホテルでは、小西令子専務がいつも変わらず、心のこもった サービスをしてくれます。 今年は中禅寺湖のあまり知られていないところへ案内してくれましたし、 帰りがけにはおにぎりをつくってくれて、まるで修学旅行に行ったようで 童心に帰りました。 こんなことをしてくれるホテルはほかにはないでしょう。 観光ホテルとしてのプロに徹して、温かい心で客に接してくれます。 客をもてなす本当の誠実さを持ったホテルです。 経営者にとっても、誠実さは大切な要素だと思います。 私がこのホテルに行くのは、年に一回だけです。 時間さえあれば、本当はもっと行きたいのですが、多忙でそうはいかない のが残念です。 もっとも、私にとって一番休養になるのは家で寝ることです。 私は賛沢をしたくて仕事をしているわけではなく、会社をよくすること そのものが生きがいですから、これで十分なのです。■慎重は期するが、人の善意を信じる 最近、大企業の不祥事がいくつも起きていますが、私にはなぜあのような ことが起こったかよくわかりません。 信越化学ではそのようなことは起こり得ないと思います。 私は人の善意を信じています。 でも、もし間違いが起こればそれでは済まないのですから、会社としては、 善意と良心に頼るだけではいけません。 慎重を期して、間違いを事前に発見し防げるシステムを作っています。 人間である以上、誰でもミスをする危険があります。 ミスが仮にあっても事故につながらないようにするのが工場設計の 基本思想でなければなりません。 人間はミスを犯すものだという前提でシステムを構築するわけです。 例えば朝、奥さんとケンカをしていたことが不注意を招き、事故へとつながる。 そうしたことはあると思います。 そんな場合でも、機械が自動的にそれを止めるような設計にしなければ、 化学工場は危ないのです。 同じように、経理などの不正についても、もしそれがあったら発覚する ようにシステムをつくっておく必要があります。 たとえそんなことをする人間はいないと信じていても、会社としては まさかの場合に備えておくべきなのです。 率直に言って、わが社の従業員に性悪な人は99.9%いない と思っています。 そのような人は採っていないつもりですし、従業員を信頼せずに 経営は出来ません。 仮に、工場で誤操作をしたり、事務の業務で間違いをしたりなど という人が出た場合、それなりの処遇はせざるを得ません。 でも、それはその人が性悪だったのでも劣等だったからでもなく、 どうしようもない事情から起こったのだと考えます。 欧米の経営者のように、悪魔でも追い払うような、あるいは故障した 部品でも取り替えるような、そんな冷たい目で切り捨てることは出来ません。 もし、わが社の人たちが性悪な人間ばかりだったなら、到底、 私には経営など出来なかったでしょう。 本当にいい人たちのおかげで現在があります。 私は、わが社の人たちに感謝しています。(続く・・・)「社長が戦わなければ、会社は変わらない」(信越化学工業社長 金川千尋著)より
2003.06.27
『第1章 ”自分流の経営”で戦う(私のボスは株主だけ)』②■長期的な視点は目先の仕事から 長期的視点というのは、抽象論ばかり言っていて持てるものではなく、 目先の仕事の積み重ねから生まれます。 目先のことを本当にしっかりとやっていれば、そこから中長期的な発展の見込める よい芽が見つかるものです。 仮に、ある新規事業があったとしましょう。 経営者は、今年の売り上げが年3億円だけれども、1年後には10億円に、 3年後には50億円に、そして5年後には100億円に持っていこうなどと考えます。 そして、常に利益率を下げないためにはどうしたらいいか、10年後には これをどのような仕事へと発展させるのか、どんなマーケットに持ちこむのか などと、そのために必要なことをあれこれと考えるはずです。 これは長期的な視点からの展望です。 このような展望が持てない新規事業などはやる価値がなくなってしまいます。 ただし、長期的な視点からの計画を実際の形にするには、目先のことを しっかりと積み重ねるしかありません。 目先のことをしっかりしておかないと、当初立てた計画に縛られて 先入観を持ってしまいます。 こちらの思惑通りにマーケットが動いてくれるはずもなく、これでは 長期的な計画も達成できはしません。 計画を形にするには、新たな事態が出現するたびに、計画を即座に 修正する必要があります。 変な先入観なしに、マーケットを冷静に見ていないと、このような現実的な 転換や発展が出来なくなるわけです。 つまり、目先のことをしっかりやらなければ、長期的な視点も無意味 だということです。■「朝令暮改」は当たり前 私も一応は、未来についての予測をします。 でも、それに基づいて計画は立てません。 むしろ、自分の予測より事態は悪くなるという前提で、計画を立てる ようにしています。 予測は立ててもいいのですが、そんなものは間違うものだと考えておくべきです。 どれほどもっともらしく、説得力のある予測の場合でも、外れることは いくらでもあるからです。 私は、「事態が悪くなったら、そのときにどうする」ということを いつも考えながら計画を立てます。 さらに、この計画でさえも、前提としていたこととは違う事態が しばしば起こりますから、そのたびに修正しています。 自分の予測を立てるとそれにこだわってしまう人がいますが、 それはまさに奈落に落ちる道です。 誰しも「自分の予測は正しい」と思いたいものですが、そのような つまらないメンツからこだわりが生じてしまうのだとすれば、 そんなものは無意味です。 自分の予測に縛られないのですから、原則的には「朝令暮改」は当たり前 ということになります。 もちろん、実際には朝に出した命令をその日のうちに撤回するというのは 少し極端で、そのようなことはまず起こりはしません。 でも、数ヶ月前に出した方針の前提となる事態に大きな変化が起こり、 その方針を素早く変えるということはしばしばあります。 前提が変われば結論が変わるのは当たり前なのですから、それに応じて 方針や命令が変更されるのは当然です。 目の前に実際に起こったことに対応し、臨機応変に判断を変えていかなければ、 会社経営など出来るわけがありません。 自分の予測に縛られて判断を誤るようなことは、経営者には許されないのです。■経営指標についての考え方 私は財務について複雑には考えません。 重要なポイントだけを的確に押さえるようにしています。 現在の信越化学は、無借金経営に近い状態です。 「会社が潰れるときは借金で潰れる」というのが私の経験則で、 有利子負債は少ないほどいいと考えています。 次に、配当についての考え方ですが、配当性向が高ければよいとは 思っておりません。 信越化学の配当性向は一般的なアメリカ企業の半分ぐらいですが、 長期的に安定した業績を上げ、配当を出していければ、そのほうが 株主に報いられると考えています。 株主に報いる方法は配当のみではないのですから、これを高くしなければ などと固定化して考える必要はありません。 また、ROE(株主資本利益率)については、現在(2002年3月期)は 9%台の数字ですが、これをとりあえず10%にしたいとは思っています。 これは、株主資本に対する純利益の割合のことで、利益を出せば それだけ株主資本も増えます。 そのため、利益を出してもかえってROEが減ることさえあります。 ですから、当面は10%にとは思っていますが、それほどこだわって いるわけではありません。 数字のみにこだわるのならば、自社株を買って消却すれば資本の部が減り、 簡単にROEの数字を上げることが出来ます。 その気になれば、今すぐにでも10%に出来るわけですが、私は、 あまりそれをやりたいとは思いません。 経営の指標としては、配当性向やROEなどよりも、当期純利益 を見るようにしています。 毎期の純利益を上げていくのが、最も簡単明瞭な考え方だと思っております。■キャッシュはむやみに投資しない わが社ではここ数年、年間に約2200億円のキャッシュフロー (当期純利益+償却費)があります。 これをどんどん投資しなければもったいないという意見がありますが、 そうは思いません。 高い確率で成功する見込みのある仕事でなければ絶対にキャッシュは 使わないというのが、私の考え方だからです。 アメリカ流の経営ならば、2200億円もキャッシュフローがあれば、 自社株を買って消却するところでしょう。 そうすれば、キャッシュはなくなり、ROEも上がります。 また、経営者がストックオプションを持っていれば、上がった株価で 差額を儲けることも出来るわけです。 しかし、私はそれをやりたくないのです。 キャッシュフローで自社株を買えば、そんな気は毛頭ないのに、 私が多少のストックオプションを持っているからそんなことをやったのだと、 言われかねないからです。 そのような誤解の芽はつくるのも嫌ですので、キャッシュフローで 自社株を買うことはしません。 それよりも重要なのは、ぜひとも投資したい大きなチャンスが出てきたときに、 手元にキャッシュがないと困るということです。 アメリカの一般的な経営者なら、短期的に好業績を上げるためにも、 潤沢な資金があれば全部使うでしょう。 「俺はトップだから何でも出来る」と思って、どんどん投資するわけです。 でも、私はそれが嫌なのです。 なぜなら、株主の長期的な利益を考えているからです。 キャッシュフローをそのままにしておくというのは、アメリカの風土では 多分考えにくいことでしょう。 でも、株主の利益を真に考えると、これがベストだと思えるのです。■スピードが市場を制する 商品の投入タイミングの早さが、事業成功の決め手になることがあります。 例えば、300ミリ口径半導体シリコンウエハーという商品は、 信越化学が他社に先駆けて市場投入することで成功しました。 この商品は2001年2月に商業生産を開始したのですが、結果的に これは他社に比べて10ヶ月ほど早い市場投入となり、これが決め手となって、 60%前後の世界シェアを確保できたのです。 この前年から、シリコンウエハーの市況は熱狂状態にありました。 年初からその兆しがあり、その年の10月になると熱狂はピークに 達していたのです。 その市況を見て商品投入のタイミングを決断したのですが、この熱狂は せいぜい半年しか続かないと私は見ていたので、後はひたすらスピードの勝負でした。 このため、事業化の決定から工場の建設まで、すべてを迅速に行いました。 わが社の意思決定はいつも速いのですが、これには理由があります。 よくあるように事業案を会議にかけ、全役員が揃って相談する といったことはしません。 そんなことをすれば、異論が百出し結論が出なくなります。 事情をよく知らない人の一般論などは重要でないのですから、 事情を本当に理解している人間同士で話をすれば、それで十分です。 そこから出た結論について、トップである私が全面的に責任を負い、 事業化を決めてしまいます。 ですから、意思決定が素早くなるわけです。 トップである私が全面的に責任をとるシステムにより、迅速に意思決定をする。 少数精鋭の実戦部隊を編成することで、工場建設も速く進む。 さらには、ユーザーの二ーズを迅速にとらえる。 このようにしてスピードアップを図り、300ミリウエハーは 他社より10ヶ月早く市場投入できたわけです。 この時は未曾有の半導体不況と一言われた時期で、半導体関連製品を扱う ほとんどの企業は大幅に利益を落とし、赤字となるところもありました。 でも、わが社ではこの早い市場投人が功を奏し、シェアを確保できたおかげで、 シリコンウエハー事業では6%の増益となりました。 わが社の事業化スピードが、この不況に打ち勝ったわけです。(続く・・・)「社長が戦わなければ、会社は変わらない」(信越化学工業社長 金川千尋著)より
2003.06.26
『第1章 ”自分流の経営”で戦う(私のボスは株主だけ)』■会社の目的は株主に報いること 会社経営の目的は株主に報いることにあります。 したがって、経営者である私のボスは株主だけです。 コーポレート・ガバナンス(企業統治)の大前提からしても、従業員は 企業の一部であって、決してボスではありません。 「従業員は使用人だ」と、経営者は堂々と言わなければいけないと思います。 さもなければ、従業員のために企業があるかのごとく、本末転倒した 錯覚に陥ることになります。 従業員はボスではありませんが、株主に本当に報いるには、従業員に やる気になってもらう必要があります。 そうした意味で、従業員は大事だということです。 企業の目的は、経営者自身が大金を儲けることでも、従業員の福祉のため でもなく、あくまで会社を強くして株主に報いることにあります。 そして、それは従業員を幸せにしなければ達成できないわけです。 つまり、これは企業の目的ではなく手段の一つなのです。 株主に報いるという目的を達成するのに必要なのは、従業員のことだけ ではありません。 資金の調達、研究開発の体制、マーケティングの方法、最も競争力のある 製造技術、あるいは環境対策やPL(製造物責任)問題など、数々の課題 を解決する必要があります。 それらを乗り越えて本当に強い会社に成長させて、株主に報いることが、 経営者に求められているすべてなのです。 もっとも、会社の目的は、いくら株主に報いるこだと言っても、 何をしてもいいということではありません。 私は、「遵法精神を基本とする」ということを、わが社の経営目標の最初に 明記しております。 最近、大企業の不祥事が相次ぎ、企業倫理ということが言われるように なりましたが、遵法精神が必要なのは当然のことです。 また、私企業を強くすることは、それだけで最大の社会貢献をしていること になるはずです。 最近では少し下がって法人税の実効税率はおおよそ40%になりましたが、 ついこの間までは実効税率は50%もありました。 これだけ大きな税金を国家が持っていくのですから、これを最大の社会貢献 と言わずに何と呼べばよいのでしょうか。 間違えてはいけないのは、社会のために大きな貢献をするのは、 私企業にとってはあくまでも結果であり、目的ではないということです。 「会社経営は社会のため」にとか、「従業員のために」というのは、 一種の偽善としか思えません。 私企業はあくまでも営利を目的とした組織です。 株主は経営者を信頼して選んでくれたのであり、それに報いるというのは 当たり前のことです。 この企業としての原則を忘れて、「従業員のため」「社会のため」などと おかしなことを言っていると、いずれ競争力を失い、企業の価値が下がること になりかねないのです。■ヒーローになりたいとは思わない 私はヒーローになりたいとは思いません。 時代の寵児になりたいとも、会社を何が何でも巨大化させたいとも 考えてはおりません。 それより、信越化学という会社を本当の意味で成功させたいと思っております。 ほんの一時だけ会社が好成績を収めたとしても、それは本当の成功とは言えません。 本当の成功とは、どんな厳しい時代にも利益を出し、それを出来る限り 長く続けることです。 それを実現するには、強い体質の会社でなければいけないわけです。 ヒーローになどなっても仕方がありません。 利益を出し続けること、これこそが経営者に求められている役割であり、 私の望みでもあるのです。■熱狂にあっても冷静に 熱狂というのは比較的短いものですが、それでも一週間や二週間で 熱狂の期間が終わるということはありません。 大体は三ヶ月や半年は続き、一番長いときでは一年以上も続くこともあります。 でも、熱狂は必ず冷めます。 そうした熱狂の時期には確実に儲けておこうというのが私の考え方で、 この儲けで次の谷間の時期に備えておきます。 例えば、不良資産などがあるようなら全部きれいに処理します。 だから、わが社のバランスシートはいつも健全さを保っています。 つまり、熱狂にどんどん乗っていくのではなく、次に必ずやって来る 落ち込みの時期に備えて、その布石にしてしまうわけです。 あまり熱狂を深追いするのは危険です。 熱狂にあっても冷静に判断し、時流にやみくもに乗らない。 これが私のやり方なのです。■オールドエコノミーを切り捨てない 欧米の経営者には、古いものを全部捨てて新しいものに特化し、 時代のヒーローになろうとする人がいますが、私はそのようなことはしません。 オールドエコノミーでも利益を出せるものは大切にしています。 一時の熱狂に惑わされず、古い事業といえども利益が出せるものは大切にする というのが私の考え方です。■「百年の大計」よりも「常在戦場」の心構えを 経営者には、「景気が悪いから」という言い訳は許されません。 ブームがあった後は必ず落ち込むものです。 それを想定し、手を打っておけば、悪い情勢になってもある程度は 乗り切れるわけです。 悪いときに備えておくことは経営者ならば当然のことです。 それを怠って、景気の悪さを言い訳にするのは間違いだと思うのです。 「山高ければ谷深し」と言います。 山を歩いているときも、次には谷がくることを忘れるべきではありません。 山の高さをじっと見ながら、「ああ、いずれ相当ひどい谷がくるぞ」 と覚悟しておくべきです。 もちろん、高い山は少しでも長くもってくれたほうがいいのですが、 たとえ谷が明日やって来ても、それに対応できるだけの態勢をつくって おくことが肝心なのです。 そのためには、足元と目先のことをしっかりと積み重ねることです。 そうしておいてこそ、深い谷にも対応できるはずだからです。 よく、「目先のことをあまりうるさく言うな。それよりも、大所高所から判断して、 百年の大計を立てるのが経営者だ」と言う人がいますが、それは違うと思います。 誰も100年後になど生きてはいないのですから、「百年の大計」 などというのは、単なる言い逃れではないでしょうか。 あるトップアナリストから次の話を聞きました。 「『百年の大計』だの『長期的な展望に立って』だのと、足元をおろそかにする ようなことを言う人が多いけれど、こんなことを言いたがる人の経営する会社 に限って実績がない」 まったく同感です。 ただ誤解してほしくないのは、長期的な展望など不要だと言っている のではありません。 現在の課題をおろそかにして、長期的展望など持てるはずがない と一言いたいのです。 今日やるべきことが出来ていないのに、1年先、10年先に必要なことなど 出来るでしょうか。 今日、自分の目の前にある課題が難しいのですから、それをまず 克服しなければ始まりません。 1年先、10年先を見ているから、現在のことはどうでもいい などというのは言い訳にすぎないのです。 経営者はいつも戦場にいます。 敵はいつ来るかわかりません。 戦場では一瞬の油断が命とりとなります。 経営者は戦場にいるということを忘れず、いつでも戦えるように 備えておかねばなりません。 こうした心構えを表したものに、「常在戦場」という言葉があります。 私はかねてより、旧日本海軍の山本五十六・連合艦隊司令長官に 深い尊敬の念を抱いており、関連の歴史書などをよく読んでいるのですが、 山本長官はこの「常在戦場」を座右の銘としたそうです。 経営者もこの心構えで現在の問題に取り組むべきではないでしょうか。 「常在戦場」の心構えがあれば、真に長期的な展望がひらけて、 最悪のときに備えることが出来るようになるはずだと思うのです。(続く・・・)「社長が戦わなければ、会社は変わらない」(信越化学工業社長 金川千尋著)より
2003.06.25
「社長が戦わなければ、会社は変わらない」(信越化学工業社長 金川千尋著)この本は、8期連続最高益を更新中の日本を代表する辣腕経営者信越化学の金川社長が、その経営哲学とノウハウを明らかにした本である。以下にその抜粋を。『序章 成功体験には引きずられない(常に最悪のケースを想定する)』■成功は忘れて、新たな挑戦へ 信越化学工業が7期連続(出版時)で最高益を更新ということで注目され、 経営者である私も、いろいろなメディアから取材を受けるようになりました。 わが社のような素材メーカーを、日本中、あるいは世界中に正しく理解してもらう 手助けをしてもらえるのですから、とても有り難いことだと思い、 原則的に取材の申し込みは全部受けるようにしています。 ただし、7期連続最高益という現状に関しては、決して浮かれてなどいられません。 絶頂期というのは、市況の熱狂に似ています。 私は何回も経験していることですが、需要家が熱狂的に商品を欲しがる時期 があります。 このような熱狂にあるときは、商品が飛ぶように売れて、常に品不足になります。 その熱狂に乗せられて、過剰な設備投資などを行ってしまうと、 熱狂が冷めてから取り返しのつかないことになる危険があります。 このことは、会社全体の業績についても言えることです。 現状を過小にも過大にも評価しないで、今いかなる時期にあるのかを、 客観的に見なければなりません。 危険な要素はいつやって来るかわかりませんから、そのような時期が 近づいているのかもしれないという腹づもりだけは、常にしておく必要があります。 私にとって重要なのは、昨日よりも今日と明日のことです。 過去はもう歴史なのですから、決して変えられません。 事実として正確に書き留めておけばそれでよいことです。 それよりも、現在の厳しい経済状況にどう挑戦するかについて、 日々、考えなければなりません。 それが、私にとって一つの張り合いであり、生きがいでもあるのです。■最悪を想定し、常に備えよ 変転の激しい現代にあって、企業経営者は、常に変化に備えておかなければ なりません。 ことに、厳しい経営環境下では、常に最悪に備える心構えがなければ、 不況の波をまともに受けて、山の頂から谷底へ転げ落ちてしまうことさえ 珍しくはないのです。 現在、経営者の目の前には、実に多くの課題が積み上げられています。 我々が今生きているのは、自らの経営力が試される時代なのです。 私はこれまで、自らが信じる経営哲学と手法で、何とかこの荒波を 乗り越えてきました。 変転の激しい現代において、企業が安定して収益を上げ続けるには、 バランスのよい事業展開が不可欠です。 もう一つ、安定的な利益を上げるには、経営者の先見性が大切で、 時流の変化をいち早く感じ取り、それに素早く対応できなければなりません。 私は毎日、市況に目を光らせており、その変化を見逃しません。 また、常に需要家の声を聞き、変化の兆候をとらえてきております。 このため、最悪のときが来ても、その一歩先に対策を打ち出してきました。 不況のなかで利益を出し続けるには、高い経営力と、市況の変化に 常に備えるという厳しい心構えが必要となります。 経営者がこの要求を満たし、必死に戦うことなしには、この厳しい時代 に生き残り、発展を続けることは出来ないのです。■疾風に勁草を知る 現在、日本は大変な不況のなかにあり、化学業界も苦しい経営環境に 置かれています 「疾風に勁草を知る」という言葉があります。 激しい風が吹いているときにこそ、強い草が見分けられるという意味で、 艱難に遭ってこそ、節操の固さ、意志の強さがわかるというたとえです。 この厳しい経営環境下で、企業が利益を出し続けるのは並大抵のことではありません。 苦しいときにこそ、その企業がどれほどの強さを持っているのかが 試されているのだと思います。 不況下では、企業は自らの体質を強化しなければ生き残れません。 そして、そのカギを握るのは、経営者なのです。■日本の企業経営者よ、共に戦おう 「世界に通用する企業になる。わが社は欧米企業には負けない」 私が常に意識してきたのはこのことでした。 現在、わが社は世界に通用する企業だという評価をいただいておりますが、 最初からそうだったわけではありません。 残念なことに、12年前に私が社長に就任した当時は、官僚主義が 社内に蔓延しており、非効率的な仕事のやり方や組織運営がそこここに 散見されました。 このままでは、世界に通用する企業どころか、経済状況が悪化すれば 不況の波にのみ込まれ、倒産の危機を迎えるとさえ思ったほどです。 このままの体質では会社が危ない。 そう判断した私は、企業体質の強化を図るため、官僚主義と非効率的な 陋習とを一掃する戦いを開始しました。 経営者には株主に報いるという重い責任があるのですから、その責任を 果たすべきです。 そのために、現代の企業経営者には強い権限が与えられているのであり、 堂々と必要な改革を行わねばなりません。 私は自分の信念に従い、社内改革を推し進めました。 正しい改革は理解を得られるものです。 あれから十余年、現在のわが社は企業体質の強化に成功し、世界の企業を相手に 戦っております。 今、日本は長い不況に苦しんでいます。 不良債権問題を抱え、金融システムは動脈硬化した状態のまま、 改善の兆しは依然として見えておりません。 もう10年以上もこのような状況が続いているのに、政府は相変わらず 無策なままです。 もう、誰もあてになど出来ません。 会社を救えるのは経営者しかいないのです。 経営者が戦わなければ、会社は変わりません。 日本企業の経営者が戦ってこそ、日本経済は再生します。 私はそう信じて、今日も戦い続けています。(続く・・・)「社長が戦わなければ、会社は変わらない」(信越化学工業社長 金川千尋著)より ※注意(念の為) 信越化学は株主にとっても良い会社だと思いますが、個人的には、 今の相場環境で買うことはオススメしません。 本書に関する記載は、投資勧誘を目的としたものではありませんので、 投資判断は自己責任でお願いします。
2003.06.24
4月頃からニュースメール等で紹介されていたが、ご存知でない人も多いようなので、参考までに。(以下、メンタルマネジメント社のHPより)緊急対談:『会社と社員そして家族のためのうつ病への対応の仕方』現在、年間3万人以上の人が自殺で亡くなっています。これは、なんと交通事故の3.5倍といわれ、「うつ」は深刻な社会問題となりつつあります。 また、企業においても「うつ病」や「うつ予備軍」による、欠勤、遅刻、あるいは倦怠感から来る能率の低下は企業の生産性の25%を下げているというアメリカでのデータさえあります。もはや「うつ」は社会問題だけではなく、企業としてもしっかりとした対応と対策を採らなければ、企業存続の危機に見舞われてしまいます。つまり、心のケアの部分からも企業は社会的な公器となることが求められているのです。この対談テープを聴くだけで、どの職場にもうつ予備軍が潜んでいることの危険性とその対応の仕方がわかります。たとえば・・・・ なぜ、うつになるのか?そのメカニズムとは?・ 多くの人が見過ごす、うつの初期症状とは?・ 自分がうつと感じたときの改善のための生活とは?・ 間違った常識でもっと結果を悪くしてしまううつへの対応法とは?・ 本人とその家族へのサポート方法はどうあるべきか?・ 効果的な上司、同僚としての対応とは?・ 効果的な家族の対応方法とは?・ 企業として未然に取り組むべきことこのようにうつ対して、過去17年にわたり現場で問題解決に取り組んできたセラピストでもあり、横浜国大の助教授でもある、堀之内高久先生が、その対処法を最先端の心理学と現場での体験を下にして、優しく対応策を解説したのがこのインタビューテープ。(インタビュアーは神田昌典氏。)現在、このテープは1万本まで無料で配布されている。(無料配布分が終了した時点で有料配布となる。)企業が成長すればするほど、このような心の問題でトラブルに見舞われ、本来の力を発揮できずにいることがわかってきたそう。ご興味がある方は、こちらからどうぞ。http://www.mental-m.com/tape.htm (特に大阪の○○さん、聞いてみた方がいいと思うよ。)
2003.06.23
今日の日経新聞のマネー面「第5回マネー専門家調査 夏のボーナス私ならこうする」を見て呆れた。10人の専門家が自分が買いたい金融商品を各々2種類挙げているが、いい加減としか思えない。だいたい、4月から6月にかけて日経平均は1500円も上昇し、そろそろピーク打ちしそうで、絶好の売り場が近づいているのに、今頃日本株やETFはないでしょ?(NYダウも同様)どちらにしろ、これを見た素人が買ってくるとしたら、その時がピークになるので、今は秋~冬の買い場に備えて、キャッシュにしておくのが正しいと思う。今から下手な株を買うとしたら、それは投資というよりも、浪費に近い気がする。ここは格言の通り、「当たり屋につけ」「曲がり屋に向かえ」◆おまけ お酢は、健康に良いと言われているが、ビジネスにもいいらしい。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ その理由は? ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ スッパイは、成功の素。(以上)
2003.06.22
各曜日に合わせて、一週間にやるべきことを決めておく。◆例 (月) 月の日なので、月光浴をする。 (火) 火にまつわる食事をとる。(焼肉・焼鳥・バーベキューなど) (水) 水にまつわる食事をとる。(刺身・寿司など) プールで泳ぐ。温泉にいく。 (木) 木のある公園にいく。ガーデニングをする。 (金) お金の事を考える。 (土) 土いじり、山歩きをする。 (日) 日光浴をする。意識して続けると、健康にも、ビジネスにも、家庭にもいいらしい。■おまけ <本当にあてにならない心理テスト> 質問「次の料理を一緒に作りたい人を思い浮かべてください。」 ①ビーフシチュー ②ケーキ ③お寿司 ④焼鳥 答え ①ビーフシチューを一緒に作りたい人は、『好きな人』 ②ケーキを一緒に作りたい人は、『一緒にいて楽しい人』 ③お寿司を一緒に作りたい人は、『都合のいい人』 ④焼鳥を一緒に作りたい人は、『どーでもいい人』 結論 ①お寿司屋さんと焼鳥屋さんが可哀想。 ②多分、これを考えた人は、コックさんかケーキ屋さんだろう。(以上)
2003.06.21
■ルール10『自分に授かったもの(健康、家族、能カ、仕事など)を数えて感謝する』I am happy, because …….◆幸福をもたらす I’m happy, because …….ピール博士の有名な「幸福の方程式」(Happiness Formula)。極めて簡単。“I am happy, because…….”(私は幸せだ。なぜなら……)これだけ。やり方は、1.眠りに入る時、ベッドの中で。2.目を閉じる。そして“I am happy, because…….”と自分に話しかける。 あえて日本語ではなく、英語のオリジナルで言った方が良い。 英会話も身についてくるので、「一石二鳥」。3.それから“Number one”と言って頭の中でフルスピードで 自分は何に恵まれているかを考える。 洋の東西を問わず“health”(健康)が第1の願い。 そこで英文で組み立てる。 “I am happy, because I am healthy.”と言う。 ただし、becauseにパンチを入れて言う。 これは心理学的にいう「自己暗示」。4.そして、次に何が自分にとって幸せなことか、を真剣に考える。5.人間の第2の願望はおおむね「家族」。 前例にならって、英語で“I am happy, because I have a wonderful family.”6.次に自分の仕事。 “I am happy, because I love my job.”・・・と、 No.10まで“I am happy, because…….”と続けていくと、人は何となく 幸せなムードに包まれてくる。 そこで、ゆっくりと感じを込めて“I am happy.”と言いながらスーッと眠りにつく。翌朝の目覚めもよい。これを1年も続けると、自然と朝の太陽の輝きのような顔を持った「人」になる。前述のアイク・アイゼンハワー大統領がそのモデル。以上、「デカい態度で渡り合え! 世界中で通用する人間関係10のルール」近藤藤太著(フォレスト出版)より
2003.06.20
■ルール9『他人の名前をがんばって覚える』Try hard to remember the names of others.英単語を覚えるよりも、他人の名前を覚える昔、日本から40人の国会議員がアメリカ大統領アイク・アイゼンハワーへ表敬訪問にやって来た。皆がタマげたことは、アイク大統領は40人の議員の名前を正確に覚え、太陽のような明るい笑顔で一人一人に名前を言って「ウエルカム」と挨拶をした。それには全員大感激。カクテル・パーティーに入り、筆者が大統領の側近ホーキンズ中佐に近づいて話した。筆者「大統領が外国人である日本人の顔と名前を40人も正確に記憶されているとは驚きましたよ」側近「大統領は人の名前を覚える天才なんですよ」筆者「ほほう、では何人くらいの名前を閣下は覚えられるのですか」側近「まあ、何人くらいか当ててご覧なさい」筆者「100人?」側近「それっぽちじゃありませんよ」筆者「じや、500人?」側近「いやいや、それっぽちじゃありません」筆者「じゃ、1000人?」側近「大統領が他人の名前を覚えられた記録は、何と1万5000人ですよ」筆者「1万5000人? それは信じられませんね」側近「そうでしょう。しかしそれは事実なんです。 1944年6月、ご存じのノルマンディー上陸作戦の2年前から、総司令官として 行動を共にする1万5000人の米軍将兵の名前と略歴を覚えようと決意された。 それから毎日20人ずつ、兵籍簿の兵隊の顔写真と名前を克明に暗記し始めた。 そして2年後には約2個師団の将兵の顔と名前を覚えられたのです。 そこで連隊ごとに閲兵される時に何気なくひとりの兵士の前へ行かれ、 『ジョーン、最近お母さんの身体の具合はどうかね?』 とまた例のアイク・スマイルできかれた。 聞かれた兵士はビックリ仰天すると同時に大感激した。 こんな将軍とならば、自分は死んでもいいという気になるのは当然でしょう。 これをほとんど毎日のように実行されたので、いざ上陸作戦開始となると、 1万5000人全員の士気は高揚して天をついた。 そして、あのノルマンディー作戦は大成功に終わった。 これは大戦の秘話ともいえましょう」パーティーの席で、筆者はアイク大統領のところへ挨拶に行き、たずねた。筆者「閣下の側近のホーキンズ中佐から伺いましたが、閣下はノルマンディー作戦の時、 共に戦った1万5000人の米軍将兵の名前を覚えられたそうですね」アイク大統領「そのとおり」“That’s correct.”筆者「閣下、それには何か秘訣がおありなのですか?」“What’s your secret?”大統領「ホーキンズ中佐が知っている」とビッグスマイルで答えた。◆アイク大統領の「他人の名前を覚える秘訣」は『FI+R.A』方程式。・FIは、First Impression(第1印象)・Rは、Repeat(繰り返し)・Aは、Association(連想)1.First Impression(第1印象) 誰かに初めて会う時、その人の第1印象を素早くキャッチしてメモに 書き留めること。 例えば、のっぽ、中背、ちび、でぶ、やせ、猫背、顔は○▽△。 次に、性格は明るい、暗い、積極的、タフ、弱虫、正直。 これらのイメージを頭の中に焼き付ける。 変な第1印象を与えたら最後までたたる。(First impressions last long.)2.Repeat(繰り返し) 相手の名前を聞いたら、黙って頭の中で何べんも繰り返して覚える。 あるいは、相手の名前を会話のうちに何度も繰り返す。 例 「How are you, Mr.Smith?」 「Quite well thank you and yourself, Mr.Friend?」 「I feel great thank you, Mr.Smith.」 「How big is your family, Mr.Friend?」 「There are four of us; my wife, my self and two children; a boy and a girl, Mr.Smith.」 このようにしてrepeatすれば、たいていの名前は覚えられる。3.Association(連想) 何かにブレンドして、あるいはコジツケて覚える。 ●連想法事例 筆者の名前「コンドウ・トウタ」を外国人に紹介するときに相手の頭に 絵を描かせる場合。 例1.I want you to draw a mental picture of a condor, a big bird, is flying against the blue sky, slowly coming to down the ground. And a small boy TOTO, riding on the big bird Condor stands up, and saysto you, "Hello." Remember my name, Tota Kondo. (まず、皆さんの頭の中に大きなコンドルがブルースカイを背景に 大空を飛んでいる絵を描いて下さい。 やがてゆっくりと着地しました。すると小さい男の子TOTOが コンドルの背から降り立った) ※TOTO・・・イタリア語で小さな男の子 日本語と英語をブレンドする方法 例2.In Japanese my family name "Kondo" means "this time" and "next time", therefore I’M pleased to see you this time and shall be delighted to meet you next time too. (このたびお目にかかれてうれしいです。 そしてまた、次の機会にお目にかかれたら本当にうれしいです) 「ルイ・アームストロング」を頭に絵として描かせる場合 例3.Make a mental picture. A man who has strong arms holding a shiny golden trumpet starts playing St.Louis Blues. His name is Louis Armstrong. (ちょっと頭に絵を描いて下さい。 強い腕の男がピカピカ光るトランペットを持っている。 やおらセントルイスブルースを吹き始めた。 彼の名前はルイ・アームストロング)(続く・・・)
2003.06.19
■ルール8『自分が間違っていると分かったときは、はっきりとその場で「非」を認める』When you find that you are wrong, admit it promptly and openly.“I’m sorry.”の使い方欧米人という人種は、自分が悪くても余程でないと、“I’m sorry.”と言わない。何でもニコニコ笑って「すんまへん。すんまへん」と言う日本人とは随分違う。◆交通事故の例日本の旅行者がレンタカーを借りてドライブをしている。ある街角で止まって、大きなトラックが通り過ぎるのを待っている。そこに若いヤンキーが、前方不注意で日本人の車にドカーンと突っ込んだ。その日本人は、泡を食って車を飛び出し、後ろへ行ってみると、無残にもぶつけられたショックでトランクのフタが後ろに跳ね上がっている。相手の若いヤンキーのドライバーもやって来る。そして、日本人はうかつにも、ニッコリと笑って英語で“I’m sorry.”と言った。すると、相手のヤンキーは「0K」と言って、車に乗り現場を去ろうとする。すると、日本人は仰天して“Stop! Stop! You! You! ・・・”と言うだけで、言葉が出てこない。そのうちに交通巡査もやって来る。巡査「どうしたんだ?」“What’s the matter?”ヤンキー「この日本人は“I’m sorry."と言って自分の過失を認めた」“This Japanese said "I’m sorry", therefore he admitted his fault.”巡査「本当か?」“Are you sure?”ヤンキー「もちろんですよ」“Of course, sir.”警官は日本人の方へ来て巡査「君は“I’m sorry.”と言ったのか?」“Did you say I’m sorry?"日本人「ハイ、言いました」“Yes, sir.”すると巡査は「アハン」といって、その場を去る。相手も同時に消えてしまう。日本人は、ただ茫然とするばかり。こんなことはニューヨークでもオーストラリアでもよくある。気の毒なのは、日本人。例え、相手の車のナンバーを控え、警察へ持って行ったとしても、結局は法廷で争うことになる。弁護士も頼まなくてはいけない。お金がかかる。結局、泣き寝入りとなる。だから外国では“I’m sorry.”とは、うかつに言わない。◆ルール8の本論こんなに“I’m sorry."と言うな!、としつけられている社会で、もし自分の非を認め、堂々と人前で“I’m sorry.”と謝罪する人がいれば、滅多にないことなので、今度は逆にその人のことを非常にノーブルで勇気のある人物だと思われ、賞賛され尊敬される。このように、逆手を取る。また、人のおかしな心理現象は、他人から何か誤りを指摘されるとムキになって自分を弁護しようとするが、自分で自分の非を責める場合には、痛くもかゆくもない。むしろ、快感を覚えたりもするヘンなもの。試してみよう。(続く・・・)
2003.06.18
■ルール6『他人の長所を見いだして「ヤル気」を置こさせること』Find the strengths of others, and arouse an "eager want" in them.■ルール7『相手をほめて重要感を与える。ただし、心にもないことを言ってはいけない』Praise and make others people feel important. But do it sincerely.上記、2つのルールを併用して実行すると?①夫婦生活は建設的で楽しく充実した人生を送ることになる。 (逆にあら探しを始めると、結婚は人生の墓場になる)②親子関係が素晴らしく良くなり、子供はスクスクと伸び、健康で豊かな 個性を持った「人」として成長する。(以上)(以下は男性限定。女性は読まない方がいいと思います。)◆事例夫婦関係について筆者によると、悪妻ナンバーワンの国はアメリカらしい。特にニューヨークにいた時は、ちょくちょく仲間の夫婦ゲンカに巻き込まれたそう。それも、だいたい奥さんが旦那にイチャモンをつけるのが常。たまたま筆者が現場にいあわせたりすると、奥さんは、まず「証人」として筆者を呼び込む。奥さん「トウタ、こっちに来てよ。そして証人として2人の話を聞いてよ」“Tota, I want you to come here us and listen to our conversation as a witness.”と言って、旦那の方に向き直り“You!”といって人さし指を旦那の鼻先につきつける。奥さん「あんた、この小さなダイヤの指輪、10年前、私たちが結婚したときにくれたものよ」“You see this small diamond ring. You gave it to me ten years ago when we got married.”奥さん「あんた、覚えてる? 10年前あんたはただのセールスマン。今やあんたはセールスマネジャー、収入も10倍になった。あたしのおかげよ」“You also remember (that) ten years ago you were just a salesman. Now you are the sales manager, and your income has been increased ten times since then, because of my help.”奥さん「それなのに、こんな安っぽい0.5カラットのダイヤの指輪をくれて以来、何も買ってくれないじゃない!」“Despite of this fact, the point is ― You have not bought me anything but this cheap 0.5 karat diamond ring!!”奥さん「お隣のブルースなんて、結婚10周年記念に高価な1カラットのダイヤモンドリングをエリザベスに買ったじゃない!!」“But Bruce, next door, bought an expensive 1 karat diamond ring for his wife Elizabeth for their 10th wedding anniversary!!"奥さん「その上、友人のジャネットの夫のディックは豪華なミンクのコートを昨年のクリスマスにプレゼントしたそうよ。それなのに、あんた何よ。安っぽいドレスだけじゃないの」“On the top of that, you know Janet, our friend, her husband Dick bought her a gorgeous mink coat for a Christmas present last year. But all you bought for me was a cheap dress.”奥さん「おまけに、あんたさ、セックス弱いでしょう。だから子供が出来ないのよ?!」“Furthermore, you are not good at sex. That’s why we don’t have any children yet, isn’t it?!"奥さん「結論として、あんたはもう私を愛していない。私にとってはゴーモンだったわ。離婚しましょう。私の弁護士に会ってね」“So, I’m obliged to come to the conclusion that you do not love me anymore. This has been a torture for me. I want a divorced. I want you to see my lawyer.”これで一巻の終わり。筆者は何度もこんな場面に立ち会わされたので「セリフ」をみんな覚えてしまった。当時は「三下り半」は男が出すものと思っていた筆者は、女が男に「三下り半」を出すなんてタマげた。こんな状態なので、アメリカのエリートで40歳代になっても独身でいるヤツは多い。ところが、最近は、アメリカ人ジャーナリストの表現によると、“Japanese women, young and old, seem to be becoming more American than Americans.”(日本女性の老いも若きも、アメリカ婦人よりもっとアメリカナイズしたように見える)そうだ。(そういえば、身近でも似たような例を聞くことがあるな~。(他人事))(続く・・・)
2003.06.17
■ルール5『ほんの小さな親切でも、心を込めて感謝する』Give sincere thanks to others even for small kindnesses.自己中心の人間の本性から生じる悪い癖は「他人から良くしてもらうのは当たり前」という感謝の念に欠けること。「オレ様が偉いから他人が何かしてくれる。それをいちいち感謝なんてアホらしくてやっちゃいられねえ」というヤツ。旧大蔵官僚の役員の中には「沈黙は金」(Silence is golden.)とばかり、口を「へ」の字にしてなかなか他人に感謝しないヤツがいる。「なぜ?」と聞くと「感謝なんてものは、心の中にジッと秘めておき、軽々しく口に出すものではない」なんて言いやがる。日本人は何となくヒネくれている。☆心を込めて感謝する筆者(近藤氏)の友人に佐藤久という人がいる。東大の法科を出て、ある有名な外国銀行の東京支店長代理を長くやっていた。豪気な男で愛想はないが信頼に足る良い男。しかし、米国の本社から来るアメリカ人の支店長に、「ここは日本だ」などと言って、盾突くものだから「彼は万年支店長代理だ」などと下馬評を立てられていた。ある日、この久が何か浮かない顔をして筆者のオフィスに訪ねて来た。筆者「どうしたんだ?」久「どうもオレは家の中でも職場でもエラく人気がないらしい。 だいたい連中の目つきが気に食わねえ。 白い目でジーツとオレのことを見つめやがる。 家でも会社でもあんな白目がちな目ん玉で見られるなんて、 気色の良いものじゃねえぞ、近藤」久「社員に何を頼んでもツンケンしやがる。針のムシロってヤツだ。 要するに家では最も人気のない夫であり父親、そして職場では最も不人気な 上司ってわけだ」筆者「ふ一ん、そりゃ深刻だ。 何が原因かお前の胸に手を当てて考えてみろ」久「まあ、正直言ってオレの性格かなあ?」筆者「どんな性格なんだ。ぶっちゃけたところ」久「原因はオレのオヤジのスパルタ教育にあるな」筆者「具体的に言ってみろ」久「例のサムライ教育よ。オヤジは佐賀で生まれたから『葉隠れ』だ。 それでオレは小さいときから 『オイッ、久、お前は名門のサムライの家系から出た男子、しかも家を継ぐ長男だ。 沈黙は金である。お前は口をグッと引き締めて白い歯を出してはいけない。 特に女、子供、そして部下にニヤニヤしてはいけない。笑うな』だ。 そして、これがオレの第2の天性になってしまった。 つまりは、これがトラブルの源だと思う。 お前、ほかに何か気がついたことはないか?」筆者「そうだな、第1にお前は滅多に家族、そして部下にニコッと笑いかけた ことがないみたいだ。 第2にお前が自分の大切な人たちに、ありがとうと言ったのを見たことがない。 ざっくばらんに言って、お前はテレビ番組のセサミストリートの意地悪じいの グラウチとやり方も顔つきもそっくりだ」久「お前、まさかオレが自分のカミさんや娘、そのうえ従業員にまでペコペコして 『ありがとう』なんて言えと言うんじゃないだろうな。 バカバカしい! それは“ヘツライ”だ。人を甘やかすことになる」そんなやり取りを交わしているうちにエラいことを発見した。久は結婚生活25年にもなるのに、奥さんにまともに「感謝の意」(sincere thanks)を表したことが1度もなかった。モノはついでに、さらに突っ込んだ質問をすることに。筆者「おい、久、お前は奥さんを本当に愛しているのか?」久「何をまたアホな質問をしやがるんだ。 愛してなかったら25年も一緒に生活出来るか!」筆者「わかった。じゃ聞くが、お前は奥さんに心から『愛しているよ』と 言ったことがあるか?」筆者「何だ、お前! お前はオレにあの古女房に“I love you.”なんて 言わせるのか?! お前はアメリカかぶれしていやがる!」それでも筆者は屈せず、筆者「ああ、本気だ(Yes,I mean it.)。 だいたい、お前は今日、オレのところにどうしたら今の窮地を打開することが 出来るか、アドバイスを求めに来たんじゃないか。 だからオレは友達として忠告したんだ」すると、久がグッと折れてきた。久「そうだな、・・・わかった」筆者「じゃあ、久、どうだ、覚悟を決めてオレのいうことを実行したらどうだい。 英国の諺にいわく『まず施しは我が家から始めよ』(Charity begins at home.) というだろ」久「わかった。お前がそれほどまでに言うのならトライしよう。 ただし、期限は1週間限りだぞ。 ダメだったら、お前、銀座で一晩飲み食いをおごれ」筆者「OK、男の約束だ(That’s the deal.)」1週間後、久はやって来た。久「オイッ、近藤、うまく行ったぞ。 だが、しんどかった。死にそうだったぜ。 とにかく、お前と会った次の日、朝食のテーブルで深呼吸をして下っ腹に力を入れ、 『エーッ、Junko』と呼び掛けた。 『何よ』例のぶっきら棒な調子で返事をしやがる。 そこで、また深呼吸をして、 『Junko、今日の朝食はおいしかった。 もっとも、いつもおいしいんだけれど。 キミは優秀なコックさん。 そして素晴らしい妻。 そのうえ、立派な母親だ。 オレはラッキーなハズバンドだと思う。 “I love you.” この“I love you.”をオレは随分長い間、キミに言おう言おうと思っていた』 とJunkoに言った」筆者「それじゃ、奥さん喜んだろう」久「とんでもない! Junkoは何か感電したように、一瞬ガクンとのけぞった。 そして、あいつは目をいっぱいに見開いてオレの顔をマジマジと見つめた。 きっと突然気が狂ったと思ったんだろう。 本当に心配そうな顔つきだった。 だけど、オレは長年言おうと思っていた“I love you.”を言ってしまったので、 なんともウキウキと楽しい気分で足取りも軽く家を出た。 50メートルも歩いた頃か、何か首筋に視線を感じたので、立ち止まり振り返って見た。 そこには私に手を振っている妻の姿があった。 Junkoは朝の日差しを受けて輝くほど美しく見えた。 その瞬間、私は改めて自責の念にかられた。 そうだろう、こんなに素晴らしい女性と結婚して、25年間も共に暮らしてきた 幸せを本当に認識していなかったことに初めて気がついた。 オレは自分の人様に対する態度を180度転換する決意をしたんだ」それから1年後、久は同じ銀行の横浜支店の支店長に昇格した。一般の人々は、他人にはあまり感謝の表現をしない。だからこそ、その逆手をとって、どんなに小さな親切にも心からなる感謝を捧げる。すると、格差がつく。(続く・・・)
2003.06.16
■ルール4『話上手より聞き上手』Be a good listener, rather than a good spaeker .聞き上手はアメリカでも貴重品欧米人の中でもアメリカ人はI、I、I、Iと自己中心にしゃべりまくる。仕事上の会話の途中で意見を差しはさもうとしても“I haven’t fiished yet. So,please let me finish.”(私はまだ話が終わっていない。だから最後までいわせてくれ)といって、機関銃のように自分の主張をまくしたて、自分の言いたいことが終わると、「アッ、次のアポイントメントだ」と行ってしまう。この主張に悩まされた日本人商社マンは多い。一般的にこんな調子なので、他人の話をよく聞く人は、彼らの社会では「貴重品」。◆英語で覚えよう! 相槌の10パターン1.Is that right! ※イントネーションは下げる (本当ですか) Is that so! ※イントネーションは下げる (本当にそうですか)2.Really!/Truly! ※イントネーションは下げる (本当に!)3.That’s fantastic! (それは素晴らしい!) That’s wonderful! (それは素晴らしい!) That’s terrific! (スゴい!)4.Oh,no! (ウッソー!?) Unbelievable. (全く信じられない)5.I can hardly believe it. (そんなこと、とても信じられません)6.That’s horrible! (まあ、恐ろしい!)7.Absolutely impossible. (まさに不可能です)8.You don’t mean that? (本気でそんなことおっしゃるのですか?)9.Then what happened? (それから何が起きたのですか?)10.Then what did you say? (それから何とおっしゃったのですか?) Then what did you do? (それからどうなさったんですか?)これらのパターンを入れて、相手の話をじっくり聞けば、どこに行っても歓迎される。(続く・・・)
2003.06.15
■ルール3『他人の利益または興味にそって話をすすめること』Talk in terms of the other person’s interest and/or hobby.相手のオフィスや応接室に通されたとき、直ちにすることは何か?●壁面に掛けられているモノを見よう・卒業証書・資格証明書(医師、公認会計士、学位)・表彰状・出身校のペナント(pennant)・スポーツ関係(ゴルフ、テニス、フットボール、水泳・・・)最後に最も大切なもの「家族の写真」、これはおおむねデスクの上にある。以上、これらのものを素早く見てとり、頭に入れる。そのうち、相手が入ってきて、あいさつが終わる。そして、話に入る。しかし、すぐビジネス・トークに入ってはブチこわし。まず「クッション」を置く。なぜか?それは、お互いに初対面のため、両者の間に何か障壁があるから。これを「コミュニケーションの壁」という。これを除去するために、相手の関心のあることから話し始めることが最も賢明。「偉大な実業家は優秀な心理学者」( A great businessman is a great psychologist.)でなければいけない。まずは、家族の話でコミュニケーションの壁をブチ破る。相手がfamily man(家庭を大切にする人)と見たら、「ご家族のお写真を見せて下さいませんか?」“May I take a look at a picture of your family?”と頼み、手にとって見る。「素晴らしいご家庭をお持ちですね」“You have a lovely family.”と賞賛し、さらに、「ジョーンズ夫人はお美しい方で、あなたはお幸せなだんな様ですね!」“Mrs. Jones is a beautiful woman. You are a lucky husband!”と明るくサラッとやる。日本人はヒネているから「いやいや、ブスですよ」などと言うが、ケトウはそんなヤボなことは言わない。「ありがとう。私も同感」“Thank you, I believe so,too.”なんてヌケヌケと抜かす。「卑下自慢」はもう時代遅れ。それから、「商談のお話に入りましょう」”Now shall we talk about the business.”と商談に入る。(続く・・・)
2003.06.14
■ルール2『他人の観点に立って物事を見ること。』See things from the other person’s point of view.リーダーシップを発揮するこのルールの原文は、自動車王ヘンリー・フォードの「座右の銘」からきている。”Try to see things from the other person’s point of view as well as your own.”(物事を自分の観点のみならず、他人の観点からも見るように努めること)沙漠のトラで「我欲中心主義者」サダム・フセインとテキサスカウボーイの「国益中心主義者」ジョージ・ブッシュの衝突は、全世界に災害を及ぼす大事件であった。そのようなお国柄、国民性、風土に反し、「他人の観点に立って・・・」と主張するヘンリー・フォードというかつての米国産業界の代表的指導者は、余程の人物であった。この人間関係10のルールの中で、ルール2はアメリカ人にもアラブ人にとっても最も難しいルール。なぜなら「他人の観点に立って物事を見る」には、次のプロセス(1~3)が包含されている。1.相手の人(グループ)を真剣に関心を持って観察すること2.そして、相手は何を(What)求めているか3.なぜ(Why)それを求めているかをジーッと見てつかむことつまり、ルール2を実行するには、大変なリーダーシップが要求される。アメリカの企業陣は、このセオリーを次の2つのことに適用して成功を収めた。1.製造業界はこのセオリーをマーチャンダイジング(商品化)に活用した。 すなわち「顧客の二一ズ」を徹底的に追求したのち、新製品を開発し、 セールスにかけた。 そして大成功!2.大企業の人事部はホワイトカラー、ブルーカラーを含む全従業員の要求事項を 徹底的に追求して、新しい勤務規定と労働条件をつくった。 その結果、今まで頻発したストライキがピタッと止まった。 「経営者中心」から「従業員中心」に切り替えた。(続く・・・)
2003.06.13
「デカい態度で渡り合え! ~世界中で通用する人間関係10のルール~」近藤藤太著(フォレスト出版)この本は、87歳で現役の国際トラブルシューター 近藤藤太氏が、世界で通用するコミュニケーションのとり方について書いたものである。今日から、この10のルールを一つづつ追ってみよう。■ルール1『真剣に「他人」に関心を持て。そして他国の歴史、文化などにも関心を持つこと。』Be sincerely interested in other people, as well as the history and culture of other countries.世界的に有名な調査機関ギャラップによると、「人間は自分の時間の95%を自分のことに使っている」。「I、I、I、I、・・・」と主張しているから。洋の東西を問わず「人」は自己中心的なのだから、その逆をやって心から他入に関心を示せば、どこに行っても敬愛される。そのやり方について簡単な例を示すと、親しい人の誕生日には心を込めたお祝いの言葉を自筆で書いたカード。おめでたいときや不幸のときには花束。クリスマスにはカードと簡単でも気の利いたギフト。赤ちゃんが生まれたらカードとお人形など。入院のときは「早く治ってね」の”get well”カード。(5千円~1万円もするバカデカいメロンなんて贈らない。)結婚式のときは、豪華なカードと気の利いた家庭用品。(他の仲間と割り勘にして贈ってもよい。)余計なお金を使わなくても、とにかく相手が「欲しいなあ」と思うものを選んで贈る。これがキーポイントで、セールスの原則ともいえる。この「ルール1」は国際外交の根本姿勢。筆者は、英国の女王が名誉総裁をしている団体の日本代表を18年ほど務めていたが、日本古来の文化と歴史、特に明治維新直前から敗戦までの近代史の説明、解説をロンドン本部の幹部に対してすることが重要な任務の1つであった。それこそが、英国が世界の七つの海を制した秘訣の1つだと感じたそうだ。(続く・・・)
2003.06.12
■チェックリスト・スクラップブック・情報ファイル・データベース・テンプレート etc.気になったことを自分なりにクリッピングしておく。集めた情報を使うことが主眼。集めること、集め方に懲ってしまいがちだが、それよりも集めた情報を見返す仕組みやタイミングをどうするのか、を考える。大事なのは、アイデアや企画というアウトプットを出すこと。まあ気が向いたら、ぐらいの感覚で。考具の目的は結局のところ、情報やアイデアのネタ素を発見し吸収すること、そして集まった要素を組み合わせて直面する課題を解決するアイデア・企画を考え出すこと。であれば、あらゆるものがアイデアのヒントになる可能性を秘めている。周りにある事象をうまく取り込んだり、組み合わせたりすることができれば、それがアイデア。アイデアのヒントは至るところにある。それを発見できるかどうか、が大事。ヒントたちを探しているか、見つけようとして問いかけているか、がポイント。自分の意識がアイデアマン、になっていれば、世の中全てが違って見えてくる。(「考具」終わり)
2003.06.11
■人間・空間・音楽・嗜好品 etc.活字やテレビはやはり間接的なメディア。リアルでライブな環境から、身体全体で受け取るナマ情報もやっぱり欠かせない。五感がフル活用されてしまう場所へたまに出かけてみる。ちょっとだけ雰囲気を感じに行く、空気だけを吸いに足を向けてみる。それだけで身体はたくさん感じ取ってくれる。いつもの自分、自分の好みや得意技があって、そこに時々、ちょっぴり違う何かを放り込めればそれで十分。食事に行ったら、一緒にいる人がオーダーした料理を「ちょっと食べていい?」「それどんな味のカクテル?」とやるのと同じで、その延長。来るものは拒まず、ぐらいの感覚で。(続く・・・)
2003.06.10
■デジタルカメラ・携帯電話・文房具・ICレコーダー 考具、というとまずこのジャンルを思い浮かべる人も多い。 デジタルカメラの記録装置としての機能はすごい。 枚数を気にすることもないし、NGカットもすぐ消せ、撮ったその場で見られる。 さらにデータをパソコンに移して、誰かに送ったりするまでのスピードも速い。 カラーバスとの相性は抜群。 街を歩くときにパチパチやって、後で眺めてみる。 実際に歩いていたときには気がつかなかったことを再発見でき、 気づきのチャンスが倍増する。 携帯電話も立派な考具。 カメラ機能があれば、タウンウォッチングの際にカラーバスをするときのメモに。 メール機能も便利。 パソコンに来たメールを携帯電話に転送すれば、行動の自由度が一気に高まる。 時間を有効に使うための必須機能かもしれない。 また、無視できないのが電話帳機能。 クイズ番組さながらに、いざというときに電話して何かを確認したり、 聞いたりすることができる。 筆記具にもまだまだ可能性がある。 お気に入りの筆記具を使っていると、メモを取ったり、アイデアスケッチしたり、 といった手を動かすことが苦にならない。 そして、楽しくなってくると、勢いがついてくる。 アイデアの出もいいような気がする。 手書きがアイデアの基本、手を動かすことを忘れてはいけない。 同じことがメモやアイデアを書きつける紙の方にも言える。 筆記具と同様、メモ紙にもちょっと気を配ってみる。 ICレコーダーは、声のメモに使える。 音声メモは聞き取るために時間がかかるのが難点だが、その分ニュアンスも伝わる。 あるいは、携帯電話のボイスメモ機能。 咄嵯の出来事に遭遇したときなどは重宝。■かばん・椅子・机・洋服 身の回りにある、あるいは身にまとうものも「考具」と捉えることができる。 洋服、かばん、家具など身体に近い世界のデザインは、人間工学的な世界と 伝統工芸の匠の技、そして最先端のデザインとが同居している。 少し視点をずらしてみると、アイデアのヒントがたくさん埋まっている。 流行を知る、というだけではなく、カラーバス的な別の視点で捉えてみると 発見がありそう。 単純に「綺麗だな、格好いいな」だけではなく、「あのベルトの太さが ○○に結びつかないかな?」などなど。 連想ゲームの材料としても使いでがありそう。 考具を持ち歩くなら、かばんは必需品。 どんな考具を選ぶかで、大きく変わってくる。 ポケットの数やらマチが拡がったりの機能性を追求したもの、片やデザイン重視で バッサリ機能を切り捨てたタイプのもの。 例えばポケットのサイズがブランド別にどう違うか、などといった視点に 目を向けてみるのも一考。 かばんに限らず、出かける際は、買い物客としての自分とアイデアマンとしての 自分の両方を意識しながらショッピングを楽しむ。 家具もデザイナーが腕をふるうジャンル。 珠玉のアイデアはリラックスできる環境で。 自分に合った椅子に座っていると、ぺースが上がったり、ということも・・・。(続く・・・)
2003.06.09
■本 世の中に存在する情報を凝縮させたもの、としては破格の価値がある。 誰かが必死になって研究してきた成果を、その何十分の一、何百分の一の時間 で取り込むことができる。 小説や詩などの文芸作品からは、練り抜かれた表現を通して、微妙な人間の 心の動きを知ることができる。(一部の漫画も) ノンフィクションやルポルタージュからは他人の人生や事件の真相を知る ことができる。 本を読むことは疑似体験をすること。 アイデアや企画を考えるためには、誰かの身になり代わってみることが大事。 多くの本に接することは、そうした疑似体験のバリエーションを拡げ、 自分以外の視点、視座を持つことの近道でもある。 ただし欠点もある。 まず本が出版されるまでにタイムラグがあるということ。 それから筆者の視点が強く打ち出されてしまうこと。 世間を真っ二つにしているような話題があった場合、一方の主張を聞いた だけでは総合的な判断はできない。 時としてバランス感覚を要求されるメディア。 (あと、繰り返し聞くことができるテープも。 個人的には、大竹愼一氏・一倉定氏がダントツのお気に入り。)■新聞・雑誌 新聞や雑誌は、書籍に比べればスピード感は抜群。 しかし、雑誌はターゲットとする読者をセグメント化しているため、個性は強烈。 新聞は全生活者対応型だが、やはり個性はある。 同じ話題に関しても、新聞によって取り上げ方や見出しはかなり異なる。 いつも同じ新聞だけを目にすることが多いが、時々は駅のスタンドや 会社の新聞棚等で他の新聞に浮気する。 読み比べてみると面白い。 眺めるだけでも発見がある。 雑誌も同じ。 明らかに自分がターゲットではない雑誌も、たまに手に取ってみる。■テレビ・ラジオ テレビのような映像情報には、非常に多くの情報が盛り込まれている。 情報化されるスピードも速いメディア。 その中から何をピックアップするか? 制作サイドが見せようと思っているメインの画像から、後ろに何気なく 映り込んでいた背景まで、普段見ている番組の中だけでも、たくさんの 引き出しがある。 すると、いつもの番組も、違った見方ができる。 ラジオは典型的な「ながらメディア」。 ボーッと聞いているときにフッとおいしい情報が飛び込んでくることがある。 ラッキーを感じることが多いメディアかもしれない。 ただ、音声が含まれるメディアの欠点は、一定の時間、拘束されること。■ウェブサイト もはや見逃せない情報の大集合メディア。 しかし、インターネットという同じ回路に新聞・雑誌的な要素から テレビ的な要素、個人の趣味部屋の要素までがごちゃ混ぜになっているため、 使い方は様々。 信用度についても、怪しいサイトがある。 既存のマスメディアとは違う情報を提供してくれるサイトや、海外情報など ウェブ経由の方が手っ取り早いサイトはお薦め。 (個人的には、 Financial Times http://www.ft.com CNN http://www.cnn.com あたり。)■広告・記事 広告と記事はいろんな視点を見せてくれる情報源。 特に他業種の広告や記事にも目を向けてみる。 企業側の立場に立って情報を編集加工している広告と、生活者の立場や 社会的正義の側から情報を提えている記事。 企業とマスコミとの立場のギャップも見えてくる。 同じ情報が違う扱われ方をしていたり、着目するところが違っていたり するところがアイデアのヒントになったりする。■写真集・辞書・年表・地図・カタログ・データベース アートとしてのレベルが高いものなどは、何度見ても、いつ見ても その都度発見がある情報源。 また辞書・年表・地図などは、全てを一度では見切ることができなくて 何度もアクセスするタイプ。 そこに記載されている情報は同じであっても、こちら側の問題意識が違うと 新鮮な発見があるのが不思議。 オフィスや自宅の机、あるいはトイレ?に何冊か置いておくと役に立つ。(続く・・・)
2003.06.08
■魔術のような効き目。展開のツールがここでも大活躍アイデアを考え出すことに慣れてくると、サッと思考を展開させることができるようになる。それでも、必ずぶつかる壁がある。企画をまとめることは、比較的簡単にできるようになったが、どうもアイデアそのものがパッとしない。あるいは、アイデアの向いている方向が真正面すぎて、ひねりがないように思える。この販促キャンペーンも20回目。斬新な案、と言われても・・・。あるいは、今回は本当に予算がなくて”裏技”を考えなければいけないが・・・などなど。大半の課題では、真っ当な方向から攻めていって解決するが、時には、狭い関門をくぐり抜けていかなければならないケースもある。では、どうやってそれを解決するのか?残念ながら、特効薬はない。アイデア・企画はもともとオーダーメイド。業態によっても条件は違うし、同じ会社・部署であっても時期が違えば企画の方向もまた違う。その場合の突破口。それは「問いかけ方」を変えてみること。ビジネスに正解がないのは、質問の設定が毎回違うから、あるいは受け止め方によって問われている課題が異なってみえるから、と考える。そこで、与えられた課題を変えてみる、ずらしてみる。どうやるか?頭の中だけで悩んでいてもダメ。こんなときこそ、身につけた考具をフル活用する。どの考具から?「マグカップのお歳暮商戦企画」と課題を与えられた場合。調子の悪いときは、傾向として、何かお得な一品を追加するようなアイデアや割引などのアイデアに片寄りがち。それはちょっと違うような・・・と、自分自身でもうひとつ納得がいかない、と感じたら考具の出番。例えば、「マンダラート」を使ってみる。マンダラの真ん中に「お歳暮商戦」と置いて、問いの言葉そのものを展開していく。とにかく8つ言い換えてみる。「お中元の冬版」「慣習」「いやいや?」「使い回しギフト」「11月、でも商品決定は春」「デパートで売る」「値段」「全国配送サービス」そもそもお歳暮って何だっけ?、と新聞記者的なノリで、お歳暮という言葉に置き換えていく。少し外れているかな?、と思ってもそのままいく。概念を他の言葉、そしてもう一段階深く、マンダラを展開していく。「お中元の冬版」を中心に置いて、あれこれ思いつく言葉をマンダラに載せる。連想ゲームなども使いながら頭の中を捜索していく感じ。「お中元と合体」「秋版」「夏版」・・・中元か。「春版」「毎月」になるかな?「誕生日」「カレンダー」「シール」ブツブツつぶやきながら、言葉を拾い上げてみる。最後はシール?、少し離れたけれど、ヒントにはなりそう。このくらいまで展開できたら、アイデアが溢れてくる。「誕生日ギフトにマグカップ」お歳暮と関係ないけどアリかも。「毎月1つずつ送られてくるマグカップ」・・・5つのコースから選べる、みたいな。「お中元とのセット販売」春夏秋冬の季節デザイン・・・変かな?「マグカップのカレンダー」数字が書いてあって1人31個買ってくれる・・・無理か?「オリジナルシールをつけてあげる」ウチのデザイナーに作れるかな?問いかけ方をずらしただけで、切り口の違うアイデアが出てくる。お歳暮と直接関係ないアイデアもついでに出てきそうだが、それも一緒に提案するのもよし。「オズボーンのチェックリスト」も、こんなときに使える。「お歳暮商戦」という問いかけをいろいろ動かしてみる。◆転用したら? 売る相手、他にいるか?◆応用したら? グラスメーカーはどんなことをしてる?◆変更したら? 贈る名目を変える?意味合いを変えてしまう?◆拡大したら? 早期受注?年明けまで売るための大義名分は?◆縮小したら? お歳暮時期のうち、特定の日はないか?◆代用したら? 贈る相手を変える?マグカップの新しい意味は?◆置換したら? 中身を入れ替え?マグカップ以外の商品は?◆逆転したら? 上司から部下に贈るギフトなんていうのもあるか?◆結合したら? 他のお歳暮と一緒にする?抱き合わせ商法?マンダラートとは違ったアイデアも生まれてきそう。ある程度、考具の使い方がアタマとカラダに染み込んでいると、スムースに質問のバリエーションを展開できる。問いかけ方を変えたことによって、生まれたアイデアの拡がりを実感できる。アイデアに行き詰まったら、質問、問いかけを拡げまくる。脳は、必ず応えてくれる。(続く・・・)
2003.06.07
■仕事に生活、社会問題。せっかく出したアイデアは、こっそり記録しておくアイデア・企画を考え出せるようになると、止まらなくなる。1つの課題に対して、20や30のアイデア出しは当たり前。時と場所とを選ばず、ひらめいてしまうアタマとカラダになる。そうなると、仕事以外のことも「ああなったらいいのに、こうしたらいいのに・・・」とついつい考えてしまう。アイデアが出てくる領域は自社に他社、自分自身の生活や行動の周辺。市区町村や県、国の行政にも・・・。ちょっとした革命家さながら。そのアイデア、そのままにしないで、できるだけメモって記録する。この考具は、樋口健夫さんという商社マンの方が提唱・実践されている方法で「アイデアマラソン」と言う。至って単純、自分が生み出したアイデアをノートに書いていく、それだけ。ミソは通し番号を振ることと、その通し番号とマラソンをスタートした日からの通算日とのギャップを計算していくこと。今日1日で5つのアイデアを思いついたら、「+4」となる。これを毎日積み重ねていく。通算のナンバーを見ると、とにかく数を出してきたことに安心する。そのアイデアの数は、自分の可能性が尽きていないことの証明でもある。また、細々とでもアイデアマラソンを続けていると、モチベーションが高まる効果もある。もしも死ぬまで続けたら、ちょっとした自分史にもなる。考えることを習慣化するためのツールとして、トライしてみる価値はある。しかし、ノスタルジックな使い方だけでは考具とは呼べない。アイデアマラソンは、自分専用のアイデアバンクでもある。アイデア出しに困ったときは、アイデアマラソンのノートを見返す。過去のアイデアが今日の自分を強力にサポートしてくれる。これは、頭と手を動かし続けているアイデアマンだけの特権。「アイデアがアイデアを生む」法則は、こんなところでも実感できる。考えれぱ考えるほど、新しいアイデアが自分のモノになる。業務上遭遇する課題は、いくつかのタイプに分類できることがほとんど。A社の昨日の課題が、B社の今日の課題。そのまま当てはまることはなくても、あるアイデアは次の企画のヒントとなる。アイデアが復活するチャンスはいくらでもある。もしかすると「早すぎたアイデア」がどこかに眠っているかもしれない。『アイデア発想が湧き出る本』の中で著者の樋口さんも推奨されているが、アイデアを記録しておく癖がつくと、自分のアイデアを人に話すようになる。仕事関係はもちろん、身の回りのアイデアも、家族や友達に誰彼となく話すようになるもの。自分が何かアイデアを話すと、聞いた相手は賛成したり、欠点や漏れている点を教えてくれたりもする。場合によっては、盛り上がってさらにアイデアが発展する、ということも・・・。これが考具としてのもう一つの効果。自分が口火を切らなかったら、相手から意見も引き出せない。恩いついたアイデアは、誰かに話す。そしてアイデアを題材にした対話を重ねる。対話を通じて、アイデアが様々な角度から検証されていく。その中には、自分では気がつかなかった視点が必ずといっていいほどある。考えることの楽しさを知ってしまったら、今日からマラソンランナー。1案1行でOK。アイデアは記録する。アイデア貯蓄のリターンは、そこらの金融機関も相手にならない。(続く・・・)
2003.06.06
■最後に清書。誰が読んでもイメージをつかめるようにアイデアを企画にまとめる段階では、パソコンソフトが活躍する。アイデアスケッチは手書きのメモでも良かったが、企画は企画書という表現方法でまとめる。使うアプリケーションは、ワード、パワーポイント、イラストレーター、など何でも良い。肝心なのは、「原稿」。そこに何が書かれるのか、ということ。企画書の見栄えに多くの時間を使う必要はない。それよりも、原稿の構成に80%の時間をかける。(巷の本は、時として企画書の体裁にばかり目が向いているので、要注意。)企画書の原稿を書くことは、これまで積み重ねてきた知的作業の集大成。まずタイトル=企画の名前と売り文句。それから5W1H。基本となる条件をしっかり押さえる。原稿の表現においては、読んだ人がビジュアライズできるかどうか、に配慮する。文字原稿だけで構成されている企画の最終形をビジュアライズさせることは、なかなか高度。もしプレゼンする機会があれば、相手の頭の中でうまく絵が浮かぶように話をする。自分が描いている「絵」と、相手の「絵」が同じになったら、企画書とプレゼンは大成功。言葉で伝えられる状況になかったり、相手にとってあまりにかけ離れた世界を想像してもらわなければならないのなら、補足説明としてビジュアルをつける。想像図のイラストや世界観を伝えられるような写真が威力を発揮する。しかし絵があればいい、というものでもない。せっかく想像してもらうのだから、自分のイメージに近いものを用意する。しかし、今ひとつピンとこないときは、使うのを止める。変な写真を使ったために間違った理解をされてNGを出されるなら、足りなくても身振り手振りで説明した方がまだまし。企画を実現させるための企画書、そしてプレゼンを通じて、相手の頭の中で企画をビジュアライズさせたいが、そのための中心ツールは、やはり言葉。優れた小説は、言葉だけで本当に豊かなイマジネーションを生み出す。グラフィックやムービーがなくても、企画のゴールイメージを描くことは可能。アイデアマンにとって一番必要なプレゼンテクニックは、言葉のチカラを磨くこと。言葉のチカラで、プレゼン相手の頭の中に「絵」を描く。(続く・・・)
2003.06.05
■5Wを一目瞭然に収めれぱ、全体像が明確になる前回は、思考を解き放ち、どんどん展開させ、いつの間にかアイデアにつながっていく使い方をした。今回は、同じシンプルな形が、アイデアを企画に収束させる。まず最初に5Wのフォーマットをマンダラに載せる。真ん中のセルにWHO、下にWHY、上にWHAT、左にWHERE、右にWHENと置いてみる。そして、真ん中のWHOに、その企画の対象者(顧客)を置く。■■■■■■■■■■■■■■ ■ ■ ■■ ■WHAT ■ ■■ ■ ■ ■■■■■■■■■■■■■■■ ■ ■ ■■WHERE■WHO ■WHEN ■■ ■ ■ ■■■■■■■■■■■■■■■ ■ ■ ■■ ■WHY ■ ■■ ■ ■ ■■■■■■■■■■■■■■縦軸(WHAT-WHO-WHY)は主体的な行動の軸。横軸(WHERE-WHO-WHEN)は対象者を取り巻く環境の軸。その企画が、対象者(顧客)の立場からすると、どういうものなのか?WHO以外の4つの疑問詞のセルをもう一段階開いて周辺セルを埋め、企画成立のための条件を具体化していく。条件によっては、さらに深くマンダラを開く必要もある。開けば開くほど、条件が細かく詰まっていく。常に5Wの全体を視野に収めながら、アイデアを企画としての具体的な姿に作り込んでいくと、5Wが埋まったマンダラ全体がHOWになる。こうして5Wを分解しながら明確にいていくことで、実施のための条件が出揃い、企画としてまとまる。(続く・・・)
2003.06.04
■企画は必ず「絵」になる。立体的に考えてみる5W1H、タイトルなどは、文字べースでアイデアを企画にまとめる考具。しかし定着のさせ方が「文字」だけ。実際の企画は、どんなものであれ、生き生きとして動くもの、立体的なもの。アイデアを考えるとき、そして企画にまとめていくときには、理想型のイメージを立体的に描く。ビジュアルで考える。ビジュアルの持つ情報量たるや、膨大。「絵にならないもの」は企画として成立しない。企画が実施されたとき、何がどうなっているか?それはどんな姿・形をしているか?自分がイメージできずに、話を聞いただけの人が想像図を頭の中でうまく結べるはずはない。このビジュアライズの作業、自分の企画では一度は必ずやっておく。細かいところはボンヤリしていてもよい。ビジュアライズできていると、どんな質問が飛んできても、まず答えられる。これが企画として詰まっているということ。予算、期間などまだ検討を要する条件は残っていても、企画立案者である自分の中での理想型がはっきりとした像として結ばれていること。新しいアイデアも既存要素の組み合わせ、そして自分の頭にあることの再構成なのだから、隅々まで想像することができるはず。できるだけ細かく細かく、丁寧に想像してみる。自分のやりたいことをどれだけ明確にできるか?企画が成功するかどうかの判断基準にもなる。そりゃそうだ、自分のやりたいことがハッキリしていなかったら、フラフラして終わる。ビジュアライズ、アイデアの企画化において大変重要なスキルである。(続く・・・)
2003.06.03
■第一印象はやっぱり大事。聞く人の想像力を呼び起こすズバリ、企画には必ずタイトルをつけるようにする。「記事の見出し」「TVの番組予告」「お店のPOP」をイメージする。企画提案を受ける人が、「おっ、何それ?」「それって、○○な感じのこと?」と予想できるようなタイトル。できたてホヤホヤの企画には、自分以外にタイトルをつけてくれる人はいない。その一言で、企画の理解度がググッと高まる。相手が理解しやすいように、そして好意を持ってくれやすいように、こちらへ歩み寄れる桟橋を出しておく。特に人の話を聞かずに企画書を先めくりするタイプの人を相手にする場合には効果的。タイトルに関連した小技を一つ。企画書やアイデアスケッチには、できるだけ情報を盛り込んでおきたい。同時に、あまりゴチャゴチャもしたくない。文字だらけの企画書は、当然読む気が失せる。そんなときは「具体的に置き換える」テクニックを使う。同じ文字数でも具体的に書くだけで、より深く理解できるようになる。通常、目にする企画書には、抽象的な言葉やさほど必要のない文章が多すぎるのかもしれない。何となく長い方が高級な文章に感じられたり、厚い方が良い企画書と思われていたせいか・・・。評価されるべきは「良い企画かどうか」であって、本来、企画書はどのようなスタイルでもいいはず。少ない分量でも、大量の情報を届けることができる。企画にタイトルをつけるのも、同じこと。実現したい企画に何と名付ければ、分かりやすく、魅力的に聞こえるか?まずは企画書の1行分レベルからスタート。(続く・・・)
2003.06.02
■基本中の基本。まずは5W1Hで条件固めこれまででアイデアがまとまったら、次のステップ、アイデアを企画にする。企画書は、案件によって仕様は様々。最終的には、相当のぺージ数が必要かもしれないが、企画書は簡潔に1枚でまとめられるようにしておく。どんな企画でも1枚にまとめられる。しかし暖味模糊としたアイデアをいきなり紙1枚にまとめるのは至難の技。その前段階として、企画のアウトラインを固める作業をしておく。一番基本になるフォーマットは、やはり「5W1H」。WHO 誰が?WHEN いつ?WHERE どこで?WHAT 何を?WHY なぜ?HOW どうやって?まず、アイデアがありき。そのアイデアを実現するとしたら・・・とある程度進めてみて、与件的な条件との折り合いをつける。「わがまま」から始める。そうやると、たいてい一度は折り合えなくて壁にぶつかる。しかし、新しい企画は予定調和の中からは生まれない。このアイデアを何とかして実現できないか?という視点で5Wを詰めていく。「5W1H」のフォーマットはありきたりのものだが、これを「アイデアを企画の落とすための考具」として捉えると、使える道具になる。(続く・・・)(独り言)昨日、大竹愼一氏の緊急収録テープ「2003年NY最新経済予測」が届いたので、早速聞いてみた。期待通りの内容で、例によって笑いが止まらない。(いろいろな意味で)内容は、百数十名の人からの個別の質問(「経済・社会・国際」「為替」「相場・投資」等)に対し、氏が答える形のもの。僕の質問は、信越化学と金川社長(日本を代表する経営者の一人)についてのものであったが、丁度7月3日に金川社長をゲスト・スピーカーに迎え、議論を交わされたいとのことで、また楽しみが増えてしまった。大竹愼一氏についてご存知の方に参考までに。2003年NY最新経済予測http://www.jmca.ccsj.com/ 2003年6月25日発行予定の同氏の待望の最新刊http://www.jmca.net/book.html(目次を見ただけで、著者のエッセンスが凝縮されていることが分かる。独断と偏見であるが、おそらくこの本を越える経営書は、そうザラにはないと思う。)
2003.06.01
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