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東京六大学リーグは佳境を迎えている。そして明日のドラフトに向けて、投手たちも猛烈なアピールを繰り広げている。以前「大学4年にピークを合わせるとドラフトに有利」と聞いた気がするし、自分自身もそう思うことがあった。逆に言えば下級生時代から頑張っても、4年で格段の結果を残さない限りドラフトには不利ということ。 今年はどうなるか? 東京六大学の投手を例に、「4年にピークを合わせた」と思える投手を<A群>に、そして「下級生時代から頑張ってきたが4年で格段の結果を残していない」と思える投手を<B群>に分類した。参考のデータは、東京六大学野球連盟HPのものを一部編集した。 即ち<A群>は、早稲田大・早川隆久(4年、木更津総合)、法政大・鈴木昭汰(4年、常総学院)、明治大・入江大生(4年、作新学院)、そして慶應義塾大・木澤尚文(4年、慶應)。 早川は1年春からコンスタントに登板、3年になるとギアを上げて登板イニング数や防御率をアップさせ、さらにこの4年秋は防御率を0.25まで押し上げた。きれいな右肩上がりの成長は評価「特A」と云われる所以だろう。 鈴木は、下級生時代はほぼ登板機会がなく、3年になってからも1シーズンあたり10~20イニングと僅かだったが、この4年秋にピークがやってきた(キャリアハイの投球回32イニング、防御率0.84)。まさに4年秋にピークを合わせた典型的な投手。ドラフトで上位指名があるか注目したい。 そして入江は、防御率こそ上記2人ほどでないものの、この秋の投球回が31.3イニングとキャリアハイの数値。同様に木澤もこの秋の投球回が29イニングと、4年間を通じて最高の数値。 一方の<B群>は、立教大・中川颯(4年、桐光学園)、法政大・高田孝一(4年、平塚学園)。2人とも1年生の頃からコツコツと投げ続けて一定の成績を残してきた。しかし残念ながら、この4年秋は格段の成績を残したわけではない。ドラフトで2人はいったいどうなるか? 心情的にはこの<B群>の2人こそを応援したい。※2020年秋季リーグの数値は10月25日現在のもの。 <A群>早稲田大・早川隆久シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦8128619 1/3115.122017秋季リーグ戦701359662018春季リーグ戦402651584.82018秋季リーグ戦8116715 2/331.722019春季リーグ戦83221351 2/3122.092019秋季リーグ戦924185451532020春季リーグ戦210641742.122020秋季リーグ戦54012635 2/310.25合計511212841208 1/3602.59法政大・鈴木昭汰シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦 2017秋季リーグ戦300346 1/357.112018春季リーグ戦 2018秋季リーグ戦 2019春季リーグ戦61210121 2/3156.232019秋季リーグ戦700611610.562020春季リーグ戦4105111 2/321.542020秋季リーグ戦6121373230.84合計263438487 2/3262.67明治大・入江大生シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦30126547.22017秋季リーグ戦300184 1/336.232018春季リーグ戦10118424.52018秋季リーグ戦5026917 1/363.122019春季リーグ戦61032833.382019秋季リーグ戦811882220.822020春季リーグ戦301481221.52020秋季リーグ戦62112731 1/3102.87合計3547426104322.77慶應義塾大・木澤尚文シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦 2017秋季リーグ戦 2018春季リーグ戦20061192018秋季リーグ戦510449 2/354.662019春季リーグ戦5218520 1/352.212019秋季リーグ戦10082002020春季リーグ戦320451132.452020秋季リーグ戦5201152992.79合計217130373232.84<B群>立教大・中川颯シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦1020842162.572017秋季リーグ戦9119820 2/3104.352018春季リーグ戦7016011 2/386.172018秋季リーグ戦7309123 2/383.042019春季リーグ戦8121072493.382019秋季リーグ戦8117218 1/352.452020春季リーグ戦4016315 1/363.522020秋季リーグ戦60210122 2/3103.97合計5988676157 1/3623.55法政大・高田孝一シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦 2017秋季リーグ戦 2018春季リーグ戦52112831 1/3123.452018秋季リーグ戦71013331 1/3133.732019春季リーグ戦500611275.252019秋季リーグ戦5309322 2/351.992020春季リーグ戦3004510 1/321.742020秋季リーグ戦5111102793合計3072570134 2/3483.21
2020.10.25
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優勝戦線を突っ走る慶應義塾大と、すでに優勝の可能性を失った法政大。その差が最後に明暗を分けた。 慶應はエースにしてドラフト指名候補の木澤尚文(4年、慶應)だが今季はパッとしない。特に立教戦では7回を投げ被安打10、自責点6と散々だった。一方の鈴木昭汰(4年、常総学院)も、好投するも今一つ勝ち切れない不運の続くシーズン。 両投手にとってはチームの勝利はさることながら、明後日(26日)にドラフトを控え、最後のアピールの場でもあった。しかし気合が空回りした印象が拭えない。さらにチームメイトたちのハンパない残塁の山や、肝心な場面で生まれた失策がさらに2人の足を引っ張った。 さて、この試合を振り返りたい。 先制したのは、序盤の好機を潰し続けた法政だった。4回裏、二死二塁の場面で8番・高田桐利(2年、広陵)が中前に適時打を放ち、走者を迎え入れた。直前の4回表、二死二・三塁のピンチに、セカンドを守る自身とライトの間に飛んだ打球を後ろへダイビングキャッチするファインプレーがあったから、気分が乗っていたようだ。 しかし今日の法政、良くも悪くもキーマンは高田桐だった。慶應は6回表、すぐに同点に追いつく。二死一・二塁の場面で、代打・植田響介(4年、高松商)の打球は平凡な三ゴロ。法政はピンチを脱したかに見えた。ところが三塁手の中村迅(4年、常総学院)が二塁へ送球してホースアウトを狙うも、二塁ベースに入った高田が弾き、センター方向に転がる間に二塁走者は三塁を蹴って生還した(記録は三塁手の悪送球)。高田にとっては送球が二塁走者と重なったのかもしれない。このワンプレーが試合の”流れ”を変え、エース鈴木の白星も奪った。 続く7回表、慶應はこの回から登板した法政の2番手・山下輝(3年、木更津総合)を攻めたてる。四球と安打でつくった無死一・二塁の好機に、5番・福井章吾(3年、大阪桐蔭)が三塁線に送りバント。三塁手が捕球後に素早く一塁へ送球するも、途中に三塁手から一塁手へ守備変更した中村迅の足がベースを踏んでおらず、無死満塁となる(記録は内野安打)。この好機に6番・下山悠介(2年、慶應)がレフトへ犠飛を放ち加点、逆転に成功した。 さらに9回表、慶應はこの回に登板した法政の4番手・水澤天(4年、広島商)を攻め、一死一・二塁の好機に8番・瀬戸西純(4年、慶應)が右中間を破る三塁打を放ち走者2人が生還、慶應の勝利を確かなものにした。 スコア4-1だけを見れば、緊迫した試合と思える。しかし内容は間延びしたもの。試合時間は3時間半にも及んだ。慶應の残塁15、法政も9。そして法政投手陣の与四死球はなんと11も。法政は投手陣の乱調とともに、長い守備時間で緊張感を失った野手陣といった体。目標を失ったチームにありがちな敗戦となった。 プロ注目の2人の成績。慶應・木澤は5回、被安打5、奪三振4、自責点1。法政・鈴木昭は6回、被安打2、奪三振9、与四死球7。スコアを付けながら見ていたけれど、鈴木は「B」と「K」ばかりが並んだ。はてさてプロのスカウトたちは2人をどう見たろうか?
2020.10.25
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岩隈久志投手が現役引退を表明した。NPBでは近鉄ー楽天ー巨人を渡り歩き、かつて”近鉄バファローズ”に在籍した選手がまた一人、現役生活を終えた。近鉄入団時は「虫歯が多い、歯医者へ行け!」と先輩たちから盛んにイジられていたと記憶している。そして近鉄消滅時は、義父の広橋コーチがいた楽天へ移籍したけれども、中日も岩隈獲得に動いたそう。当時、中日の編成担当は井手峻さん。現・東京大学硬式野球部監督。 偶然かもしれないけど、今日10月19日という日は近鉄バファローズ史に残る、いや日本野球史に残る名勝負のあった日。1988年10月19日、近鉄対ロッテのダブルヘッダーが川崎球場で行われた。近鉄はこの戦いに連勝すれば優勝できたが、初戦にギリギリで勝利したものの2戦目に引き分けて優勝を逃した。たまたま生中継していたテレビ朝日(朝日放送)は、熱戦のあまり番組「ニュースステーション」でも生中継を続行し、CMを入れることさえ忘れて?延々と中継した。「伝説の10・19」と呼ばれている。ボクは川崎球場の三塁側でこの戦いを目の当たりにしていた。俺たちのパシフィック・リーグ 近鉄バファローズ1988 球界とパ・リーグを変えた1988年と「10.19」を総力特集。 最近、ベースボール・マガジン社からは『近鉄バファローズ1988』というムック本が発売され、書店店頭に陳列されている。表紙は阿波野秀幸。近鉄バファローズの1988年を象徴するのは阿波野か。なるほど、流石! 異論はない。ただ10・19ならば、印象的なシーンがほかにもある。 それは、ボクにとっては第一試合、3-3の同点で迎えた9回表・近鉄の攻撃時に凝縮されている。例えば、以下の3つのシーン。1.規定により延長はない、引き分けはダメ、絶対に勝たなければならない近鉄。一死二塁の場面で、鈴木貴久がライトへ安打を放ち「やった勝ち越しだ!」と歓喜したが、代走・佐藤純一は三塁をオーバーラン。そして三本間に挟まれて憤死。結果、二死二塁になった。最大のチャンスが潰えたように見え、近鉄ファンに埋め尽くされた川崎球場は「あーあ」と、大きな嘆息に包まれた。(写真)『近鉄バファローズ大全』(草思社)より。2.しかし、このままでは終わらなかった。代打・梨田昌孝は牛島投手のシュートに差し込まれたものの、センター前にポトリと落ちる幸運な安打。二塁走者の鈴木が生還して勝ち越しに成功した。塁上でガッツポーズを繰り返す梨田。現役最後の打席にして、人生初めてのガッツポーズだった。(写真)NHK『ヒーローたちの名勝負』より。3.生還した鈴木は、迎えた中西太ヘッドコーチと抱き合い、そしてそのままグラウンドに転がり、土にまみれて喜び合った。(写真)『近鉄バファローズ大全』(草思社)より。 あれから32年が経った。憤死した佐藤は現在NPBの審判員、佐藤のミスを帳消しにした梨田は、今年新型コロナに襲われた。実は、この2人には10・19に続く因縁がある。2016年5月、楽天対オリックス戦で、一塁塁審だった佐藤は判定を巡り、楽天の梨田監督(当時)から抗議を受けた。梨田の抗議は長時間に及んだため、佐藤はその抗議を遅延行為と見て、規定に基づき梨田を退場を命じた。当たり前といえば当たり前なのだけれど、こういったエピソードは面白い。
2020.10.19
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今日(10月4日)は、早稲田大ー法政大2回戦が行われた。昨日敗れた法政にとってはどうしても勝ちたい試合だったが、途中リードするも終盤に追いつかれて引き分けに終わった。見どころは、昨日投げ合ったばかりの早稲田・早川隆久(4年、木更津総合)と法政・鈴木昭汰(4年、常総学院)がリリーフで登板したこと。 それは8回。この2人の対決は、またも早川に軍配が上がった。法大 040 000 200 =6早大 202 000 020 =6 7回に大柿廉太郎(2年、健大高崎)の適時打で2点をリードした法政は8回、2つの四球と安打で一死満塁の好機を迎える。打者はチーム内で一番安定感ある中村迅(4年、常総学院)。すると、ここで早稲田は5番手投手に、昨日112球を投げ完封勝利した早川をマウンドに送る。中村は8球粘り早川攻略を試みたが、9球目、内角へ直球をズバッと投げ込まれ、手も足も出ず見逃し三振。続く宮崎秀太(2年、天理)も差し込まれて三邪飛に終わり、法政の好機は潰えた。早川は雄叫びを上げた。(写真)法政大・大柿廉太郎。(写真)早稲田大・早川隆久。 そして直後の8回裏。早稲田は、この回から登板した法政の2番手・尾崎完太(1年、滋賀学園)の代わり端を捕らえる。二死二塁の好機を作ると、熊田任洋(1年、東邦)が右中間に三塁打を放ち、まず1点を返した。すると法政ベンチは、昨日先発し138球を投げた鈴木をマウンドへ。しかし早稲田の勢いを止められない。続く鈴木萌斗(3年、作新学院)がレフト超えの二塁打を放ち、同点に追いついた。昨日に続き、鈴木昭にとっては痛恨の投球となった。(写真)早稲田大・熊田任洋。(写真)法政大・鈴木昭汰。 この試合は、結局スコア6-6のまま引き分けに終わった。解せないのは、8回の法政の采配。前述のとおり左腕・尾崎が登板したが、この厳しい場面は1年生投手に少々荷が重いように思えた。この回、早稲田の先頭打者は当たっている左打者の丸山壮史(3年、広陵)だったため、ワンポイントかと思い納得していた。が、しかし丸山に四球を与えた後、次々打者の熊田に適時打を浴びるまで計3人と対戦が続いた。そして、その直後に、法政は鈴木昭をマウンドに送った。 この場面で鈴木昭を出せるのならば、なぜこの回の頭から出さなかったのか。その理由が判らない。ともあれ、法政は勝たなければならない試合に引き分けてしまった。※写真は10月3日、早稲田大ー法政大1回戦のもの。
2020.10.04
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10月3日に行われた早稲田大ー法政大1回戦は、早稲田・早川隆久(4年、木更津総合)と法政・鈴木昭汰(4年、常総学院)の息詰まるエース対決。8回まで両チームとも0行進だったが、9回、早稲田は相手守備の乱れを衝き、2点を挙げて勝利した。 特に早川は圧巻だった。試合開始早々に4者連続三振を奪うと、以降も危なげない投球で、法政打線を散発4安打に抑え勝利した。最速151kmだったが直球は常に140km台後半、変化球も抜群だった。112球、奪三振13、与四死球0、三塁を踏ませない初の完封勝利は、通算10勝目になった。 一方の法政・鈴木も意地を見せた。いつもながらの走者を背負う投球だったが、そのたびギアを上げて無失点で乗り切った。残念だったのは9回、二死二・三塁の場面で3番・瀧澤虎太朗(4年、山梨学院)を二ゴロに打ち取ったように見えたが、二塁手から一塁への送球がわずかに逸れて1点を失った(記録は内野安打)。ここで鈴木は降板、三浦銀二(3年、福岡大大濠)にマウンドを譲った。鈴木の成績は8回2/3、被安打10、奪三振13、与四死球2、自責点2。 早川と鈴木、戦っていたのは相手チームだけではなかった。ネット裏に陣取るスカウトたちの熱視線も浴びた。スポーツ紙によれば「早川は真っすぐは力があって角度があるし、変化球も豊富。間違いなくドラフト1位候補」(横浜・三原球団代表)。一方の鈴木に対しては「鈴木は早川にないものを持っている。確実に指名候補になってくる」(ロッテ・永野チーフスカウト)。早川はもちろん、鈴木も及第点だったようだ。
2020.10.04
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