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有川さん、本当にスゴイ作家さんになられましたね。 私も、これまでに有川さんの作品は、結構読んできましたが、 (『三匹のおっさん』、『植物図鑑』等々) 本著は、それらの作品から、一段ステップアップしたものでした。 同時期に、同じ作家が書いた作品が二つ (『図書館戦争』と『県庁おもてなし課』)が、それぞれ映画館で上映され、 さらに、TVでは別の作品(『空飛ぶ広報室』)がドラマ放映されています。 通常では考えられない、異常な人気振りですが、それも頷けます。フィクションの世界とノンフィクション世界が、上手くクロスオーバーしてるところが、この作品の素晴らしいところ。おもてなし課の奮闘振りや、それを後押しした作家・吉門さんの言動からは、本物のおもてなし課の人たちや、作家・有川さんのリアルな熱意が強く伝わってきます。一方、史貴と多紀、そして喬介と佐和の二組のラブ・ロマンスは、有川さんらしい、ふんわりとしたほのぼの系で、何時もの通りイイ感じ。そして、巻末の特別企画で、有川さん自身が語っておられるように、この作品をお話しとして読むだけで、地方観光に関する様々な知識が身に付きます。さて、このお話しの中で、私の心に引っかかった言葉、吉門の掛水に対する言葉を、最後に紹介します。 「客っていうのはタダなら何でも持ってってくれるわけじゃない。 自分の興味があるものしか受け取ってくれない。 役に立たないものは単なるゴミだ。 いくらタダだからってゴミもらってくれる人はいないだろ」(p.408)
2013.06.23
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前作を読んだときには、続巻が出るとは思ってもいなかったし、 また、出たとしても、自分が読むことはないと思っていました。 が、書店で前巻が「80万部突破」という帯の活字が目に入り、 本著を手にしてしまった私は、結局購入、読んでしまいました。 カスタマーレビューは、まだまだ厳しい意見が多いようです。 実際読み始めると、スタートから読み進めるのに苦労しました。 なかなかすんなりとページを捲ることが出来ないのです。 これは、前作と同じパターンか……しかし、途中からは、小ネタの寄せ集めのような前作とは打って変わって、ミステリー色が強く前面に押し出され、かなりスリリングな展開に。関連のなさそうに思えた冒頭のいくつかのお話も、ちゃんと本筋に絡ませ、最後は、一つのまとまった作品に仕上がっていました。それでも、途中で挿入されるトリビア・蘊蓄話は、作品の良いスパイスになるというよりは、かなり邪魔になっているし、読み手への配慮は、まだまだ行き届いていないというのが正直なところ。未だ若葉マークですね。(前巻、ホントに80万部突破したの?)とは言っても、前巻よりは、かなりステップアップされた感はあります。次巻が出たら、また買ってしまうんだろうなとも思います。人気作と比べられ、貶されるのは、逆にそれだけ注目されているということ。これからどんな風に、成長されていくのか、逆に楽しみになってきました。
2013.06.16
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モデルとしてデビューし、今では女優やミュージシャンとしても活躍する杏さん。 そんな彼女にとって、初めての著書となったのが本著。 これまでに彼女が出会った様々な人たちについてのエッセイ集。 その文章の至るところから、彼女の人間性があふれ出している。 どんな仕事に対しても、決して手を抜かず、真剣に取り組もうとする姿勢。 色々なことにチャレンジしていく好奇心の旺盛さは、余暇をも充実させ、 その中で、人と人との繋がりをどんどん広げていく。 そして、その人たちとの出会いを通じ、人間としてさらに成長する彼女。本著を読み始めて、すぐに「これは、ただ者ではない」と気付かされた。まず、小学校のクラス替えについての次の一文。 とはいえ、クラスが変わっても変わらないモノは変わらないし、 新しいクラスでも新しく楽しい関係は構築できるから、 結局は一時的な杞憂なのだ。(p.9)ごく当たり前のことを記しているのだが、何だか思索的で、とっても良い感じがした。 価値というのは、それが生み出された経緯と、 それに対する人の思い入れで十分変わり得るものである。(p.12)これも同様。何かしら高級な、気品が漂う文章。これは、彼女がかなりの読書家であり、さらに、歴女であることに起因するのではないかと思う。しかし、彼女が出会った人たち、プロフェッショナルはさらにスゴイ。 「一票の差とはいえ、ギロチンにかけられたのが“歴史”。 “歴史”とは、必ずしも真実ではないのだよ。 過程ではなく、結果なんだ」(p.44)ルイ16世が、ギロチンにかけられたことについて、竹本忠雄という学者さんが、フランスで杏さんに語った言葉。なかなか深いものがあるが、こんな言葉が飛び出す会話を交わせる杏さんも、やはりスゴイのでは?本著を全体として眺めると、物書きとしてはまだまだ未熟な部分も多々ある。が、タレントさんたちが出版する、ごく一般的なエッセイ集とは明らかに別物。気楽に読み飛ばし、後に何も残らないような駄文の集まりでは決してない。女優やミュージシャン同様、文筆家としても、さらなる成長を期待したくなった。
2013.06.16
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かなり衝撃的なタイトル。 しかし、中身はスゴク真っ当な一冊。 もう少し、フツーのタイトルにした方が、 より多くの人が、もっと手にしやすかったかも。 2011年1月に第1刷が発行されていますが、古さを感じさせません。 自分自身が就活に励んでいた頃、もしこんな一冊があれば、 ひょっとすると、現在とは異なる就職先を選択していたかも。 まぁ、それは随分昔の話で、就職状況も、現在とは全く違っていましたが。 ***就職後、その「仕事内容」が自分に向いていなかったと、気付かされることはままあります。その時、どうする?日本の会社には、様々な種類の仕事を、いくつもの部署で分担し、そこを、定期的に異動していくというシステムがあります。就職先を「会社」で選んだ人たちは、この定期異動を素直に受け入れ、自分が選んだ「会社」の中で、異なる分野の仕事に再チャレンジ、そこで、新たな自分の才能を開花させることが十分可能です。どこの部署に異動しようが、そこには自分にとって好ましい「社風」が漂っています。ところが、「仕事内容」で就職先を選んだときは、そうはいきません。他の部署への異動は、自分がしたい仕事ができなくなってしまうことを意味します。「仕事内容」を優先して退職するのか、それとも、その会社に留まり異動を受け入れるのか。就職先は「仕事内容」ではなく「社風」「会社のカラー」で選べと、著者が繰り返す理由です。本著では、「社風」や「会社のカラー」を見抜くため方法や、入社後の現実、就活終盤戦で直面する「迷いや悩み」についても、丁寧に説明してくれています。中でも、第3章の『「入社後のリアル」を知っておく』には、最も多くのページを費やしています。巷に溢れる一般的な就活本とは一線を画する一冊、一読をお薦めします。
2013.06.09
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シーザーを倒し、 ドフラミンゴの放ったベビー5とバッファローも打ち破り、 パンクハザード島を後にすることになった麦わらの一味。 命を救った子どもたち、スモーカー、たしぎらG-5との別れ。 ローは、ドフラミンゴに捕獲したシーザーを引き渡す条件として、 「王下七武海」を辞めることを要求。 頭に来たドフラミンゴは、ローに会おうとスモーカーたちが乗っている船に飛来。 そして、スモーカーの絶体絶命のピンチを救ったのは、青キジ。ルフィーはローと同盟を結び、「四皇」全員を倒すことを目指す。時を同じくして、キッド、オンエア、ホーキンスも同盟を結成。新世界が大きく動き出す。ドフラミンゴが王位を退いたドレスローザで、こらから一体何が起こるのか!?
2013.06.08
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「慰安婦」を巡る発言で、窮地に追い込まれたかに見えた橋下大阪市長。 しかし今、ニュースになっているのは「オスプレイ」に関することばかり。 「慰安婦」に関する発言は、一旦棚上げ状態になったようにさえ思える。 世間の関心を、巧妙に別の問題にスライドさせることに成功したのか? しかし、今回程ではないにしろ、橋下氏が追いつめられたことは多々ある。 それは、どういう経緯で、そのような状況となったのか、 そして、その状況を、どのような手段・方法で切り抜けてきたのか、 そういったことも、本著を通じて知ることができる。色々な相手、色々な場面での鬩ぎ合いにおいて、時に、相手のガードを奪い去り、突き破りながら、激しく攻撃し、時に、相手の攻撃を上手くかわし、自らの体力とポジションを維持しつつ、常に自分に有利な状況を作り出し、最後は自らを勝利へと導いていく。橋下氏のこれまでに見られた行動を、『兵法三十六計』になぞらえ解説した本著は、なかなかユニークで、読み応えがあった。そして、一見、橋下氏を大絶賛しているように見える本著ではあるが、全て肯定的な記述に終始しているわけでもない。 「一族郎党どうなるか」というセリフは、フツーの人間でも使うまい。(p.18) 死にものぐるい、議席を得るためだけではない、根本を変える、 安定した生活を過ごしていてはダメ、もう一回ギラつこう-。 文言を並べてみると論旨がよくわからなくなるが、 なんだかデッカイ構想をぶち上げているということは確実に伝わってくるではないか。(p.83) なんや、ようわからんけど、とにかく大阪はいまのままじゃアカンみたいや-と 聴衆の心に「大阪は都であるべし」という思いが刷り込まれることになる。(p.193)橋下氏が用いる「言葉」や、述べている内容、そのメッセージを受け取った聴衆の感覚、そして、大風呂敷を広げ、前言撤回を厭わない姿勢。読み手が、そこに何をどう感じ、橋下氏にどんな印象を抱くかは、人それぞれ、かなり違ってくるように感じた。
2013.06.08
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以前、新聞の書評で見かけ、気になっていた一冊。 読んでみると、私の好きなタイプの本格ミステリー。 TVで人気の霊能力者・能城あやこ、その敏腕マネージャー鳴滝昇治、 さらに侵入のプロ・草壁賢一、天才ハッカー・藍沢悠美。 この4人がチームを組み、世間に霊能力と思わせる状況を演出。 そして、その力に疑問を抱き、執拗に真実を暴き出そうとするのが、 ゴシップ週刊誌の記者・稲野辺俊朗。 彼の存在が、このお話しに適度な緊張感をもたらしている。それにしても、チーム4人の一人一人を、全8話の中で上手く描きあげ、それぞれのキャラクターを、強く印象付ける筆力は、並大抵ではない。個人的には、『謎解きはディナーのあとで』より、かなり好印象。なぜ、この作品が、まだ映像化されていないのだろう?
2013.06.08
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