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春の風物詩に数えられる白魚(しらうお)。はぜの仲間の「しろうお」は別だと言いますが、どちらも5~6cmの細長いピンピンした魚を、まだ生きているうちにいただきます。おどりとか、おどり食いとか言いますが、白魚にしてみたら踊ったり躍ったりしているのではなく、苦し紛れにのたうっているのでしょう。人間はしょせん他の者の命をいただいて生きるもの。面白半分だと白魚に失礼でしょうから、おごそかに、春の訪れを喜びながら味わいましょう。今までに何度か食べたのでは、リキュールグラスとかぐい呑みとかに、10匹ほどが少ない水とともに泳いでいて、そこに酢を投入します。すると、白魚が暴れますから、酢を投入するやいなや、手のひらなどで器を覆い、ぴちぴちというのが収まったら、おそるおそる手を取りのけて、箸で1匹ずつつまんで、いただきます。大半はまだぴくぴくしていますが、その生きのいいやつを口に放り込み、ひと噛みすると、ほのかな甘みとほろ苦さが口の中に広がります。「噛まないほうが良い」という人もいますが、わたしは噛んで一気に成仏させるほうが好きです。グラスの中で泳いでいる白魚は、透き通ってほんとにきれいな魚です。噛みごたえというか、弾力性もある程度あって、白魚ならではの食べ方がおどりだと思います。もちろん、白魚はおどりだけでなく、釜揚げにしたのを卵とじにするとか、骨まで軟らかい小魚として、いろんな調理法が可能です。一見残酷ですが、わたしは旬の味としてのおどりは認めたいですね。
2007年03月29日
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長女が無事に幼稚園を卒園しました。いや、無事にではなく、卒園式をインフルエンザで休んで、3日遅れで卒園証書を受け取りました。この幼稚園には、長男の就園前クラスから数えて、計8年間にわたってお世話になりました。証書を受け取った日には、記念品やら上靴やらすべてを持って帰りましたが、卒園記念の品の中で、式当日に友達が家まで届けてくれたものが1つだけありました。卒園祝いの紅白まんじゅう、正式には「薯蕷(じょうよ)饅頭」です。薯蕷饅頭は、上用饅頭という字を当てたりもしますが、薯蕷というのは山芋のこと。餡を包む皮におろした山芋を混ぜたものだそうです。長女がもらったのは、近所の和菓子屋が作った、小さなみかんほどの紅白1つずつのまんじゅうで、中はこし餡、皮は比較的薄く、上品な仕上がりでした。淡いピンク色のほうも味は同じですが、翌日にそれぞれを切り、家族で分けていただきました。ふわっとした皮は美味しいのですが、皮ばかりが厚いと興ざめで、餡の甘みの加減とともに、餡と皮のバランスが大事です。祝い事に使う「上用」饅頭だけでなく、各地の温泉まんじゅうにも同じようなものがありますね。なお、皮のしっかりした薯蕷饅頭に対し、皮が極端に薄くてまだらに作ってあるものを、関西では田舎饅頭と呼びます。これはつぶ餡仕立てにしてあることが多いようですが、皮で差が付かない分、餡コの舌ざわりと甘さが勝負の決め手ですね。
2007年03月24日
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17日はセント・パトリック・デーでした。なんとか夕食にシェパーズ・パイを作り、晩にはグリーンビールを飲みましたが、その後ひどい悪寒に襲われ、週末は元気なく過ごしました。前の週の12日(月)~16日(金)にセント・パトリック・ウイークと称して、ギネスビールを飲み歩いた疲れが出たのかもしれません。とりあえず今回は、その写真でお茶を濁させていただきます。
2007年03月19日
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本来のコドルは、ソーセージ、ベーコン、じゃがいも、たまねぎを使った塩味の煮込み料理です。料理の本には4人前でソーセージ500g、ベーコン250g、じゃがいも中6個、たまねぎ中2個とありますが、わたしには多いように思います。かつてコドルのことを「アイリッシュ肉じゃが」と評したこともありますが、じゃがいも・たまねぎを主体にした汁気の少ない煮物、という観点から考え直しました。以下の分量は「肉じゃが」程度だと思ってご用意ください。材料(2人前):じゃがいも2個、たまねぎ1個、にんじん・無くてもよい。 ベーコン数枚、ソーセージ・美味しいのを適量。サラダ油、塩、こしょう。手順:1)じゃがいもは皮をむき、フレンチフライ状に細く切る。2)たまね ぎは皮をむき、横半分にしたあと適当な大きさの櫛切りに。3)ベーコン は色紙に切る。ソーセージは丸ごとでも、適当に切ってでも。4)フライ パンか中華鍋に油をなじませ、中火でベーコンを炒める。5)たまねぎを 加えて透き通るまで炒め、じゃがいも、ソーセージを加えて、弱い中火で さらに炒める。6)じゃがいもの芯まで火が通ったら(中まで透き通った ら)、塩とこしょうで味付けする。7)水(またはお湯)ほんの少々を加 え、鍋底のこびり付きやうまみをよくこそげ落として、じゃがいもやたま ねぎなどに絡める。8)水気がなくなれば、皿に盛り分けてできあがり。もし、にんじんを加えるなら、じゃがいもと同じように「細い拍子木」がいいでしょう。単なる「煮込み」で、ソーセージから出た味わいで鍋全体を食べてしまう、というコドルを、「炒め物」にしてみました。上の手順で言うならば、「うまみをよくこそげ落と」すのが、いちばん重要なのではないかと思います。
2007年03月13日
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イーストではなく重曹を使ったソーダブレッドで、全粒粉(皮ごと挽いた小麦粉)を使うため、噛みごたえと香ばしさがあります。アイルランド仲間のりるさんに教えてもらった方法をアレンジして作っていたのですが、りるさんのページがなくなっているため、ここに改めて記します。3月17日のセント・パトリック・デー(Saint Patrick's Day)には、薄く切ったブラウンブレッドを食べながら、グリーンビールやギネスビールを盛大に飲んでお祝いしましょう!材料:強力粉、全粒粉各1カップ、重曹小さじ1、砂糖大さじ2、塩小さじ1。 卵1個、ヨーグルト80cc、軟らかくしたバター20g。レモン汁10cc。手順:0)オーブントースターを2~3分間温めておく。1)塩までの粉類を ボウルでよく混ぜる。2)卵、ヨーグルト、バターを加え、よく混ぜる。 3)最後にレモン汁を加えたら、手際よく混ぜて、クッキングシートの上 に2cmぐらいの厚みで丸く延ばす。濡らしたナイフで十字に切り込みを 入れる。4)温めたオーブントースターで10~15分焼いて、できあがり。りるさんの方法では、ヨーグルト(またはサワークリーム)は100cc、レモン汁は20ccでしたが、生地を硬めにするために減らしました。レモン汁は重曹との反応のスターターです。この直前に、ナッツ類や干しぶどう、アンゼリカなどを入れることもできます。十字を入れるのは、焼けやすくするためと、おまじないも兼ねています (^_^)。特別な材料もなく、オーブントースターで、表面が焦げる手前まで焼けばいいだけなので、簡単です。ぜひ一度お試しを。
2007年03月10日
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ひな祭りといえば、おすしに、はまぐりのうしお汁、わけぎのぬた……というラインナップでしょう。はまぐりでなくとも貝汁は美味しいものですが、せっかく行事でもあるのですから、少量でもはまぐりをいただきましょう。はまぐりを買ってきたら、貝が重ならない程度の大きさの容器に並べ、ひたひたの薄い塩水を入れて、数時間ほど静かにしておくと、機嫌良く砂を吐いてくれます。いよいよ食事の20分ほど前、そのはまぐりを、殻をこすり合わせるようにして洗ったら、人数分×150cc程度の水とともに鍋に入れます。わかめか昆布だし少々を加え、中火から強火で沸かします。貝の口が開いたら、汁のあくをよくすくってから貝を取り出し、めいめいのお椀に分けます。貝はあまり火を通しすぎると固くなるので、沸騰前か沸騰直後に出すようにします。汁は酒少々と醤油(うす口があればなお良い)適量で味付けし、味付け後に一度沸かして、あくを取ってから火を止め、お椀に注ぎます。吸い口は、三ツ葉か木の芽で。貝ももちろん美味しいですが、エキスの溶け出た汁も絶品です。薄めの味加減のほうがいいでしょう。なお、一昨年に書いた「わけぎのぬた」ですが、子たちが酢味噌を嫌がるので、今年は竹輪を縦に細く切ったのとともにマヨネーズであえ混ぜました。同じ「酢」分が入っていても、マヨネーズだと抵抗がないようですね。本来は酢味噌なんだと言い聞かせながら食べましたが、味はそこそこでした。こんど作るときは、マヨネーズに白味噌も混ぜてみましょうか。
2007年03月04日
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ドイツ語で「木のお菓子」。年輪を模したケーキは、竹輪のような心棒の周りに、次々と生地を重ね塗りしながら焼くことで大きくなっていきます。いちいち焼き目をつけると、切った断面が年輪のようになるなんて、すごいアイデアですね。本来はそうして焼いたものを、ケーキショップなどで切り分けていただくものなのでしょうが、昨今では個包装された駄菓子としてもあるようです。主な材料は、小麦粉と卵、牛乳、砂糖、ふくらし粉で、ホットケーキなどと同じですが、何回も焼き目をつけることで、香ばしさや独特の噛みごたえを出しています。薄焼きの生地を何枚も重ねるミルフィーユという手法を、パイではなくクレープに応用すると、バームクーヘンを思い起こさせるような味わいになることがあります。それでもやはりクレープのミルフィーユの生っぽさとは異なり、バームクーヘンそのものの存在意義をおびやかすものではありません。岡山の倉敷チボリ公園に行ったとき、園内の「バウムクーヘンの館」で、生クリームを添えてチョコシロップを掛けたものを、コーヒーやジュースなどとの飲み物とのセットでいただきました(セットで368円)。有名な洋菓子メーカーのJ社関連の出店のようですが、店で菓子職人さんが、デモンストレーション的に焼いているものを切って出してもらうと、割安でもあるし、お得感もあって、素朴なバームクーヘンをちょっと見直そうかな、という気になりました。
2007年03月03日
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