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ちはやふる 感想-その5キャラクターについて好き勝手な語り-第2弾。◆綿谷新くんについて*以下、最終回までの展開を知っている前提で記事を書いてます。最終50巻の内容について、思いっきりネタバレありです。本作品を楽しむ上でかなり重要な部分ですので、未読・未鑑賞の方は読まないでください。*かるた競技の盛んな福井県で生まれ、永世名人を祖父に持つ新くんは、幼いころより名人になるべくしてかるた英才教育を受けまくった生粋の「かるた人間」。小学生の1年生から、毎年全国大会で優勝をしており、彼が福井のみならず、かるた業界全体の期待を一身に集めることは必然でした。小学6年生で一時東京に引っ越し、千早ちゃん&太一くんと出逢い、2人をかるた競技へ導きますが、祖父の体調悪化を受け、中学に上がる段階で再び福井へ。祖父の死後、一時かるたが出来なくなっていましたが、高校生になり、千早ちゃん&太一くんがかるたに打ち込む姿に心動かされ、再びかるたの世界に戻ってきます。高校2年生の高校選手権個人戦で優勝、秋の名人戦予選で西の代表となり、3年生になってからは、苦手意識いっぱいの中でかるた部立ち上げと団体戦への挑戦をやって、推薦で東京の大学(早稲田?)進学を決めながら、名人戦予選を勝ち上がり、1月には史上最年少名人の座に輝く…かるた業界のかける期待を、驚愕のスピードで、若くしてものの見事に叶えて行きました。本作でメインで描かれる同い年(勝手に命名:Golden Age)の4人…千早ちゃん、太一くん、詩暢ちゃん、そして新くんですが、その中において、やはりこの「新くん」の描写は、これが「競技かるた人生軸の生粋であり、王道」だと強烈に感じる、絶対的な指針だったと思います。他の3人の「(競技かるたと向き合いながらの)人生軸」は、「王道」からはやはりズレた部分がありますので、他の3人の人生軸は、「新くんの人生軸と対比してどうか」という読み方に自然となりました。太一くんは言わずもがなで、もともとキャラクター設定が「かるた」をやる為には設定されていない、むしろ「かるたを否定する(要素を持った)存在」という意図すら感じるキャラ設定になっていると思っていますし、詩暢ちゃんのかるたへの向き合い方も、やはり「歌の意味を最重要視する」という「アンチ『競技』かるた」という前提を感じるようなものでした。千早ちゃんも、競技かるたの天才であり、「かるた人生軸」の王道を行きそうに一見思えるんですが、やっぱりこの娘は、家庭環境からかるたに染まっていた「生粋」なわけではないので。周囲の「かるたって?それやって何になるの?」という目線を受け、「かるたに打ち込むためには、他の大切なことも頑張る必要がある」と当然のように認識している娘でした。だからこそ、彼女が一番欲したのは「一緒にかるたをやってくれる仲間」でした。そもそもですが、「競技かるた」を人生の一番中心に据えた生き方なんて、新くんぐらい「生粋な家庭環境」で生まれ育って、それでいて本当に「才能」がちゃんとあった場合にしか、ありえないと思うんです。これまでのちはやふる感想記事群の中でも度々書いて来ていますが、「かるたでは稼げない」ので。絶対に、どう「かるた」を自身の人生の中で位置づけ、生活とのバランスを保っていくか、を考えざるを得ない。新くんのような価値観で(幼少期から)迷わずに生きられる存在の方が異様であり、かるたではなく、「競技かるた」だけにくくって話をするときに、「新くんには誰も勝てない」のは当然というか。「競技かるたのために生きている」と思っているような天才サラブレットに、誰が敵うんだ、という話なんです。ここまで書いて来て、新くんは、まぁ…あまりにも「かるた」軸人生過ぎますね、凄いですね、という話なのですが、それだけだと、あまり人間味を感じられないし、語りとしてもつまらなくなってしまいますので。私自身は、本作を読んでいて、新くんは全然「かるた」だけの子だとは思っていません。他にも良さを凄くたくさん持った子だと思っています。当然の如く暗記力に秀でている、頭もすごく良い子ですし、達筆。性格も素直・実直で家族思い・地元思いの子ですし、老若男女から可愛がられるタイプ。本人が認識しているより全然、交友関係も広く、周囲の人のことも見れていますし。(こんな若いうちから、大人のかるた人たちの中がホームだったような子、そうそう居ないですよ…。)ただ、新くんの様々な動機付けは、やはり「かるた」を起点にしていると感じます。新くん自身のプライドが、「かるた」一辺倒ですので。ここだけは誰にも譲れない…だから、「動機」になるんだと思います。以下、新くんの描写で興味深かった点の列記です。・対太一くん新くんの描写で、とにかく見応えがあったのが、対太一くんの描写です。新くんのスタンス(かるた軸)自体は、作中通して一貫して変わっていないんですが、高校生になった太一くんがとにかくかるたを頑張って頑張って、マジでトップレベルまで来て…それを受けて、新くんがすごく意識するようになっていくというか、焦りを感じて、実際に新くん自身から自己及び現状変革に向けたアクションを起こすような流れも見て取れて、そのあたりがすごく面白かったです。新くんは、17巻の高校選手権までは、太一くんのことを競技かるたの「対戦相手」だと認識していないと思います。もちろん、かるたをやり始めてくれる人のことはとてもありがたく思っていますし、太一くんのような、自分とは全然違う、なんでもできる人気者がかるたに打ち込んでくれて、初心者も含めた形でかるた部を立ち上げ、部長として絶対的信頼を得ながら、1年ちょっとで高校選手権団体戦で優勝まで登り詰める姿は、素直に「すごいなぁ」というリスペクト心を持って観ていたと思います。詩暢ちゃんにも、そのように団体戦の意義を諭していましたし。ただ、やはりこの子の中で、自分の「対戦相手」としては、B級選手は対象外で、A級選手の中でもよほどのレベル選手しか認識していないな、というのはひしひしと感じました。これはもちろん新くんが冷たいとかいうわけではなく、事実として「勝負にならない」だけだと思います。それが、2年生の秋・吉野会大会で、A級に上がったばかりの太一くんが快進撃を見せます。新くん自身がベスト8で敗退する中、太一くんは福井南雲会の先輩・村尾さんを破り、決勝進出を決めて…この大会においては、新くんは太一くんに順位的に完全に負けるという状況が訪れます。千早ちゃんと太一くんのA級決勝の熱戦を観て…ここから、吉野会大会の途中まであった新くんの余裕がなくなり、一気に目の色が変わってきます。大会終了後、突然千早ちゃんの話題を持ち出して、太一くんが動揺しそうなことを言って煽ってみたり…。普段、絶対こんなことは言わない子だと思うので、とても印象的なシーンでした。また、その後の名人戦予選で、太一くんの敗退を知ってホッとして、自己嫌悪に陥っていましたが、太一くんを「見下してた」わけではなく、やっぱり新くんの中で、太一くんに対してこの感情・価値観↓があったんだと思います。太一くんみたいな、なんでも出来る人気者に、「かるた」で負けたら、「かるたしかない」自分の存在意義、立つ瀬がなくなってしまう。千早ちゃんや詩暢ちゃんに負けるのとはまた違う…同性の同学年で、太一くんがかるたを始めるところから知っていて、でも、特別なかるたの才能は感じていなかった存在…住み分けというか、縄張り意識というか、いざ太一くんが自分と同じステージまで登り詰めようとしているのを感じたとき、「お前は、かるたで上に来る奴じゃないだろう?」と拒絶でもないですが、否定したい感情があったんだろうな、と思います。これは千早ちゃん&詩暢ちゃんの女の子同士の関係には感じなかった要素なんです。やっぱりどうしても社会性を気にせざるを得ないのは、まぁ簡単に言うと男の子同士の意地・ライバル意識だよなぁ…と思います。極めつけは、23巻。東西戦で原田先生に敗退した後、会場で(太一くんが会場を離れた後に)千早ちゃんに告白するに至るわけですが、もちろん、原田先生に負けて「このままじゃいけない」という自分自身に発破をかける意味もあっての告白だったのだと思いますが、まぁ…流れ的に、対太一くんへの対抗意識・焦りの感情がなかったとは言えないよね、と思って読みました。・太一くんとの関係性の行き着く場所新くんは3年生に上がってから、高校選手権~東西戦~名人戦 を目いっぱい闘い抜きますが、太一くんとの関係性の変遷、そして最終的に行き着く場所が見事過ぎました。高校に上がってから2年の名人戦予選の始まる秋頃まで、新くんは、太一くんが小学生時代のことをあれほど気にしているとは、思っていなかったと思います。新くん自身が、まったく気にしていませんでしたので。新くんは、太一くんがメガネを返した段階で、太一くんが千早ちゃんのことが大好きで、また、親・周囲のプレッシャーの大きい中で生きている子だということは認識していて、自分自身に対して悪意が向けられていたわけではないことは、ちゃんと分かっていました。その後、わざわざ白波かるた会を調べて連れて行ってくれたり、塾で忙しい中で一緒にかるたをやってくれたり、楽しい思い出を積み重ねており、まさか、自分が気にしていないようなことを、太一くんがずっと気にしているなんて、想像もしていなかったのではないかな、と思います。それが、太一くんが「ここ(競技かるたトップレベル)まで上がって来る」つもりなのが分かりはじめ、3年になった直後に瑞沢かるた部を退部して、千早ちゃんとも距離を置いて、個人戦に集中し始めたこと知り、東西戦予選の段階では、太一くんのモチベーションが「自分」にあることは自覚しているようでした。先ほども少し書きましたが、高2の秋頃から、太一くんがかなり(かるた軸を)生き急いで、捨て身で突っ込んで来ているので、新くんも、つられて「かるた軸」を相当生き急いだな…と思って読みました。いくら推薦で大学を決めるつもりとはいえ、高校3年生の段階で、名人位獲得まで駆け上がるに至るには、新くんに、対太一くんに対して焦り…「モチベーション」と言いますか、対太一くんへの『負けられない意地』があったんだな、と思っています。太一くんは、38巻、東西戦の2戦目が始まって、新くんが初めて「おれを見た」と思っていましたが、そんなことないんですよ。特に吉野会大会以降は、太一くんのこと、もっっのすごい意識して、新くんらしくないような言動行動してたりするんですよ。この辺りが新くんの心情筋として、人間味溢れていて本当に面白いところでした。38~40巻の、東西戦、新くんvs太一くんの3番勝負は、凄かった…!個人的には、ココが「作品としての最高潮(クライマックス)」だと思っています。周囲の人々と読者の心臓をかきむしりながら闘うんですが…真島太一が。初見の時は、ひたすら「えぐっ…えっっぐ…!」と呟きながら読んでしまいました。大事なものをいっぱい犠牲にして、バランス思いっきり崩しながら、ここにたどり着いた太一くん…そんな彼と対峙した新くんの心中たるや…だってもう…太一くん、目の前で、手震わせながら「かるた」やってるんですよ。トラウマ過ぎて。3戦目が終わった後、なんとか太一くんに、自分が思っていることを伝えなければ、と新くんが、サッカーを例えに出して、言葉を丁寧に選びながら、「太一くんがかるたをやってくれて嬉しい、ありがとう」を一生懸命伝えるシーンは、漫画史に刻まれる、屈指の名シーンだと思います。というか、ココが本作で一番濃厚なラブシーンだと思っています。おそらく作品的にも、当初には想定外だったであろう「太一くんのかるた個人競技者としての飛躍」。最終的に、その価値がどこで一番輝くかって…そりゃもう間違いなく、新くんのかるた人生においてですよね。このまま、周防名人を破り、名人位を獲った後は、孤独な天才ルートがうっすら見えている新くんにとって、太一くんがここまで無茶して頑張って、「名人」の見える一歩手前までのし上って来てくれたことが、どれほど「幸せ」なことか…!47巻のラスト~48巻の出だし、近江神宮の神前で、新くんの亡き祖父・綿谷始さんの若い頃と、太一くんがオーバーラップするシーンは、この概念を、なんて美しいシーンに昇華するんだ!と鳥肌モノの名場面でした。作中でも、一番と言っていいほど幻想的なシチュエーションです。その前の、周防名人と山城読手の会話や、千早ちゃん&詩暢ちゃんのシーンからの流れも見事で、ライバル(対戦相手)としての太一くん、そして、新くんにとって一番大事なものを届けてくれる、明るく後押ししてくれる由宇ちゃんの2人が、この先の新くんのかるた人生の、最重要キーマンになっていくのだろうな、と未来まで感じさせるというか…。この局面で、近江神宮が「新くんのために」この2人を呼び寄せたのかな、新くんは、かるたの神様・近江神宮に誰よりも愛されているんだな、と強烈に伝わって来ました。凄く好きなシーンです!・藤岡東高校かるた部の創設新くんを語る上で、なんとも面白いのがこの 明らかに向いていない、かるた部の創設と団体戦への参加 です。正直、このアクションで「新くんのかるたが強くなったか」というと…否だろうな、と思います。ただ太一くんや千早ちゃんが何をやってきたのかを、自分でも体験することで、人間レベルは劇的に上がったよね!そしてかるた人生を歩んでいく上で、ものすごく視野が広がったよね!と思います。団体戦で戦う中、新くんがすごく「チームメイトへのかけ声」に悩む場面がたくさん描写されます。いつ声をかけたら、どんな言葉を選んだら、皆の為になるんだろう…と、すごくすごく考えてる。この経験が、40巻の試合後、太一くんに対して精一杯伝えた、優しすぎる言葉の数々に、そして45巻、千早ちゃんへの「瑞澤コール」の励まし方にめちゃくちゃ活きていました。最初はこんな言い回しが出来る子じゃなかった、良い男になったなぁ! とすごく感じました。そしてこの団体戦への参加は、読者的にも「いままであまり描写されなかった、福井で同級生たちと過ごす綿谷新くん像」がどんな感じなのか、漸く分かって嬉しかった、というか。ああこの子は愛される子だ、実は一番モテるのこの子だろうな、とすごく思いました。・対千早ちゃん新くんにとって千早ちゃんはどんな存在なのかな、と考えると、個人的には、新くんのかるたの「豊穣の女神」かなぁ、と思っています。もちろん、小学生時代、外の世界で初めて「かるた」を認めて、凄いね!って言ってくれた存在ですし、高校生になってからは、都会のキレイな高嶺の花で、新くん自身の意識を、(福井以外の)外の世界…都会へ向けてくれる存在…「(自分が)このままじゃだめだ」と思わせてくれる存在でしょうか。私が今回最終回を知った上で読み進めたことも大きいのですが、やっぱり、特に20巻台の、新くんの対千早ちゃんへのアプローチの裏には、対太一くんへの対抗意識を感じています。正直、新くん主観で考えれば、小学生の頃から、太一くんの千早ちゃんへの想いの深さに、一切歯が立ったことがない…というか、常にそこには「びっくり」…正しく言うと、「ドン引きする」シーンばかりでした。高校生になって、2人で福井まで来てくれて、2人でかるた部立ち上げたかと思えば、一気に高校選手権全国大会上位に喰ってかかって来るモンスターチームを形成して来ますし…。23巻で、新くんが千早ちゃんに告白するシーンを最初読んだ時、率直に、「コイツ、(太一くんの存在を重々承知の上で)よく告白したな」と思いました。もちろん、新くんが千早ちゃんが好きな気持ちは本物だと思っていますが、先ほども書いた通り、やっぱり東西戦で原田先生に負けて、また、対太一くんの意識もあった上で、「このままじゃだめだ」という思いがこの告白に繋がっていたんだろうな、と受け取っています。新くんの動機は、やっぱり根本的に「かるた」だなぁ、と。…でも、もちろんそれだけじゃなくて、名人・クイーン戦前後では、千早ちゃんの脆い部分も観えて来て、女の子としてちゃんと好き、という描かれ方がきちんとされていたと思います。最終回、千早ちゃんと太一くんのお付き合い報告に、新くんはびっくり&「遅かった…」と落ち込みつつ、あっさり爽やかな反応を返していましたが、この反応は、私個人的にはすごくしっくり来ています。新くんは、太一くんの千早ちゃんへの想いの深さは、言わずもがなですし、それともう一方、千早ちゃんの太一くんへの想いにも、ちゃんと気づいていたな、と受け取って読んでいます。3年生の夏・太一くんの居ない高校選手権で、千早ちゃんの様子がずっとおかしいのも、千早ちゃんが「(太一くんが)居ないけど気配は感じるの」とかヤバめな発言を繰り広げているのも、3位決定戦で駆け付けた太一くんに、号泣しながら抱きつきに行ってるのも、…新くん、ちゃんと見てましたので。名人・クイーン戦の、第2戦が終わった後のシーンも、すごく印象的でした。新くんに太一くんからのメールが入っていたことを知った千早ちゃんが、自分のスマホを見に戻って、「自分には連絡なかった…」とがっかりするシーン。あの後、「み・ず・さ・わ」コールで千早ちゃんを励ます新くんを見て、「あぁ…千早ちゃんのこと、諦めてるわけではないんですけど、千早ちゃんにとっての太一くんが何なのかは、分かってるんだな」と受け取りました。最終回前の第二百四十六首、運命戦で新くんが「せ」札を送った際の、周防さんの下記のセリフ。綿谷くんはやっぱり思ってる 「読まれない札」は「せ」だとこれは、「恋愛面の決着がどこに向かうか」について、「新くんの認識」を暗喩として入れ込んだモノローグだろうな、と受け取っています。よくもまぁ、試合クライマックスに、こんな面白い表現を…!感嘆です。繰り返しになりますが、新くんが千早ちゃんを好きな気持ちは、ちゃんと本物だったと思っています。そして「相手の気持ちは、相手の気持ち」として認識していて、でもそれに左右されることなく、「自分の気持ちは、自分の気持ち」としてしっかり形に出来ることは、この子の何よりの強さだろうな、と思いました。最終回後を描いた番外編「はなのいろは」で、花野さんの太一くんへの恋の感情が、「ずっと特別」に行き着くように、新くんの千早ちゃんへの恋の感情も、同じように変遷していくよ、と、示唆的に描かれて、本作の締めとなったな、と思います。・新くんについて まとめかるたありき過ぎる価値観で生きる新くんには、なかなか一般人の感覚でついて行けない…と前半は思っていました。そもそも出番がかなり少なかったですし。ただ、やっぱり作品後半…新くんの中で、対太一くんへの感情が大きく揺れ動いたところで、すごく入っていけましたし、葛藤も、でも絶対に他人に左右されない、ぶれない「自分」を持っている点も、魅力的なキャラクターだなぁ、ととても感じました。新くんは、大学卒業後は、まだまだ未確定だと思いますが、福井に帰るのかな…という含みを、番外編からは感じました。新くんは、今後、史上最年少名人として、また東京の大学生活で、今後もより幅広い交友関係を持って、もっともっと成長していくんだろうな…と思っています。かるた史に名を残す、伝説の名人になる子、今後のかるた界を背負っていく子だと思っています。最終回、恋愛面での三角関係の結末としては、失恋という形に落ち着きましたが、決して、それだけのキャラクターではないですので。新くんは、かるたの神様に愛されて、きっと、今後のかるた人生を、豊かに生きていけるだろうことが、本編中に丁寧に描かれ続けていました。本当に、大事に描かれたキャラクター、本作の、3人の主人公の1人だと思っています。by姉
2022.12.30
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最近、休みの日はひたすら精神力&体力回復に全振りしております・・・妹です。おかしいな全く大それた仕事してるわけでもないんだけどな・・・。出来る形で、感想記事を続けて行けたら、と思っております^^遅ればせながら、超々簡単本誌感想×3話分参ります~!*以下単行本40-41巻収録分のネタバレ含みます。ご注意ください!*暁のヨナ 第233話「打って出る」・「ゴビの件は全て片がついた お前達のお陰だ 今度は我ら真国が力を貸そう」byコウレン様サラッと言ってますが、ゴビの件をどう片付けたのか・・・ちょっと気になったりしましたが、なんかエグそうなのでやっぱり言わなくていいですハイ!!・「俺の考えだと」byハク様 「チャゴルさんは今 南戒の野営地にいるかもしれません」byスウォン様だから貴方達、もう一緒の席について話し合えってばよ!!・「最後の男以外はちょっと欲しいな」byヴァル将軍 ヴァル将軍、馴染んできましたね。ジェハ兄さんにとっても、彼は弄りがいのあるキャラ・・・のようでいて、サラッとかわしていて普通に大人な対応!そういえばこの御方、何歳なんだろう?・「・・・わかりました 出来るだけ速やかにメイニャンさんを奪還して下さい」byスウォンヨナ姫&スウォン様、なかなか良い感じに話し合い&意思疎通出来るようになったなぁ、と思います。良いですねぇ!・ヒッタン将軍&ラーン将軍&カジ将軍南戒の兵士側で、ヴァル将軍の味方になってくれそうなのはこの3名でしょうか。ラーン将軍はハク様との絡みもありますしね!・「ヴァルは私のせいで 死んじゃった・・・!!」byメイニャンメイニャンの身を案じて、チャゴル殿下の天幕に忍び込んだカジ将軍。生きる気力を失ってるメイニャンが可哀想です・・・早くヴァル将軍に会わせてあげたいですね~><そこに忍びよる海坊主・・・チャゴル殿下!このキャラは・・・何がしたいんだろうなぁ。う~ん・・・「支配したい」のか・・・。暁のヨナ 第234話「虎穴虎子」・扉絵 ウインクハク様なんだ?これ見よがしに胸の包帯と青金石を見せつけてきていますね…??ハク様、本当に心身共に元気になりましたね…貴方のメンタル面にはもう心配してません!ファイト~!・カジ将軍拘束南戒軍のトップ陣達が不安と不満でバタつく中、高華国軍から闇夜の進軍が…!!・「火に照らされて… 丸見えだよ君達」byジュンギ将軍ジュンギ将軍が活躍した… だと!!??は…初めて見た ジュンギ将軍が活躍する場面!(ヒドイ)そして正直に懺悔しますが、今の今まで「ジュンキ将軍」だと思ってました…「ジュンギ将軍」だったんですね…12年以上勘違いしてました。ホントすみませんでした;;・「ヨナ姫が提案して陛下が整頓した作戦ですね」byケイシュク参謀真国の大軍に松明を持たせ進軍し、敵方を混乱させる…その好きにメイニャンを奪還する。作戦を立てたのはヨナ姫、そして彼女の力を真自、実行出来る形にしたのはスウォン様でした。本当に…ケイシュクさんは「参謀」の肩書きの名のもと、一体何をやっているのでしょうか。(言うな)・「姫さんつかまって下さい」byハク様えっ いきなりどうした雷獣さん!!?(やだもう超カワイイ!!!)流れ的に、直接ジェハ兄さんにおんぶさせたくなかったのでしょうか…?それと嫌がらせも何割か入ってるような気がしましたが…。とりあえず、ヨナ姫が超嬉しそうなのでヨシ!!・「この方が早い」byキジャ&アルギラ&ヨタカお兄さんの頑張りを、全て無にする君たちが好きだよ…!ヴァル将軍がいちいち四龍の能力に驚いてくれるので、なんか嬉しい。・「くっついてればもっと力が湧いてくるかも なーんて」byジェハ兄さんそういえば、さっきまで倒れてた四龍さん達が凄く元気。何故…!?「緋龍王が傍にいるからかも!」という結論に落ち着きました。そして緑のお兄さん、タチの悪い軽口はほどほどにね!雷獣さんの態度がですね、なんかこう… ヨナ姫の相手としてこなれてきてるよね、と。嬉しくもあり、寂しくもあり…いや嬉しいなぁ! と。・ドロモス&ラーン将軍との対峙!この辺りの、ページめくるたびに「わっ」となる流れ、草凪先生節爆発で良かったです!暁のヨナ 第235話「苦楽を共にした仲間」いや235話、めっちゃ面白かったです!読み応えが凄かった!アクションも良かった!そして各々のドヤ顔も光ってました!!・「よぉラーン将軍」byハク様 運命の再会…!そして流石のラーン将軍、ヴァルの存在に気付いたようです。・「かつての仲間とは闘いたくないかなと思って あの人…知ってる人でしょう?」byヨナ姫前回のラスト、ヨナ姫がいきなりヴァルの前に出て行ったのにはこーゆー意図があったのですね!相変わらず、なんという無茶をするお姫様なの…;でも図星だったみたいです。ヴァル将軍は軍人として優しすぎますよ…;; ・「お前…何か持ってる? 緋龍城の地下に入って何か持ち出したか…?」byゼノ仙人闇夜のドロモスvs四龍!見応えのあるアクションシーンが続きます。そんな中で、ゼノ仙人にとある疑念が…「自分たちの回復が早すぎる」!うぉぉおおお何ですか??緋龍城の地下に何があったんですかぁああ!!?四龍たちの精気の源に関係しているみたいなので、今後四龍たちや、緋の病のスウォン&メイニャンの行く末にも絡んでくる最重要アイテムな気がします。ワクワクハラハラが止まらない…!そしてゼノ仙人が真面目な顔すると、私がテンション爆上がりで大喜びしますハイ!・「とにかく今は早く あいつの顔が見たい」byヴァル将軍主役をよそに、メロドラマを繰り広げるメイニャン&ヴァルのお二方であります。ハク様の「ああ分かるわぁ」って顔がなんとも…。力になってあげたくなっちゃうよね。・「戻ってね」byヨナ姫 「了解です」byハク様あああこっちもメロドラマっぽいじゃんああありがとうございますありがとうございます…!!ヨナ姫、まだまだハク様と離れるの不安だと思うんですよ。目を離す度に、誰かのために死にかけてる男なので(言い過ぎ)!・(そうだ来い 全部 俺に来い そんでとっとと取り戻して来い ヴァル!)byハク様熱いじゃん… いつの間にかヴァル将軍とめっちゃソウルメイトになってるじゃん…!!・(気付いたらそう言ってて でも そんな軽い気持ちでもなかったんだ が あまりにも皆に迷惑をかけた)byヴァル将軍なんで来ちゃうの!!? 本当…優しすぎて義理堅すぎて、軍人向いてないよヴァル将軍…;;でもメイニャンは、ここが好きなんだろうなぁ…と思いましたよ。次回は年開け! またまたヨナ付録が付くそうですね! 楽しみです♪by妹
2022.12.25
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大好きな米澤穂信先生の新作!発売から少し時間が経っちゃいましたが、昨日ようやく読みました。簡単に感想を!『栞と嘘の季節』(米澤穂信先生、集英社、2022年)2月、高校の図書委員である堀川次郎は、独り、未返却者への催促状を作成していた。そこに現れたのは、同じ図書委員の松倉詩門だった。共に委員の仕事をしていた松倉詩門は、11月末から図書室に姿を見せていなかった。その理由を、堀川次郎は知っていた。彼は、彼自身が抱えていた問題に、どのような決着をつけたのだろうか。ふと、本棚に戻すべき返却本が溜まっていることに気づいた二人は、返却本に何か挟まっていないか確認を始めた。一番最後、顔は見なかったが、先ほど女生徒が返して行った本に、ラミネート加工の押し花の栞が挟まっていた。花を見た松倉詩門が硬直し、植物図鑑を持ち出し、該当ページを見せて来た。そこに書いて文字を見て、堀川も驚愕する。…「トリカブト」。*以下、発売直後のミステリー小説に関するネタバレあり感想です。未読の方は、お気をつけください*いやぁ…相変わらず、面白かったです!!本作は、2018年に発売された、「本と鍵の季節」の続編です。前作は、数編の連作短編集という形でしたが、本作は1冊通して一つの謎を追う長編です。本作は、米澤先生の作品としては、珍しいと感じるほど、「前作を踏襲した」作りになっていました。絶対に、前作「本と鍵の季節」を読んでからの鑑賞が良いと思います。本作で描かれる一つの事件は、それはそれできちんと描かれていますし、もちろんミステリー作品として楽しめるとは思います。最後、(犯人の誘う)真夜中の廃屋に乗り込んでいくシーンも、ザ・米澤穂信!なクライマックスシーンの作りで、ドキドキしました。ただ正直、最後に明かされる犯人像自体は結構とんでいて(これも米澤穂信作品ではよくありますが)、「???話は分かったんだけど、なんかしっくり来ない。」となるかなぁ、と感じました。本作に関しては、実は犯人とかは結構どうでも良くて…一番の見どころは、登場人物全員…特に、堀川次郎くん、松倉詩門くん、そして一緒に謎を追うことになる瀬野さんの3人が、仲間内に対して各々につく「嘘」の描写だと思います。「嘘」というか、「隠してること」ですかね。本作において、一番の嘘つきは誰か、と言ったら、間違いなく主人公であり、語り手(主観)をずっと手放さなかった堀川次郎くんを置いて他にないと思います。彼は、「トリカブトの栞」の謎を追うふりをしながら、超重要情報の切り札を、仲間内にずっと明かさなかったり…。様々な「嘘」を(読者にも)つきながら、危なそうな本案件に足を突っ込んでいきますが、その間ずっと、隣に居る松倉くんの動向・反応を「試してる」というか、観察してます。堀川くんのやりたかったことが、作品後半、瀬野さんと櫛塚さんの過去話、瀬野さんの動向と照らし合わせる形で、(なんとなく分かってはいたんですが)、より鮮明になっていく過程が、一番面白いところでした。友人への疑いの眼差しと、信じていてあげたいという感情の両方が入り混じって、「嘘」を生むんですが、…この感情が鮮明になるほど、「嘘」が嫌な感じがしないんですよ。クロかシロか…シロだと信じてあげたいけど、クロだったときに、気づかなかったふりもしてあげられるように…という、思いやりというのも適切かは分かりませんが、この友人のことが、大事なんだな、意志を尊重してあげたいんだな…と感じるというか。本作は、誰が何故使うのかよく分からない「猛毒・トリカブト」という、「なんか気持ち悪い」要素でずっと話が展開します。でもなんか最後、「嘘」が優しく感じられる場所に辿り着いている、不思議な感覚になる作品でした。本作があって一層、前作の「本と鍵の季節」も優しく輝くな、と思いました。いやぁ、じわじわとなんか…面白かったです!米澤先生、次回作も気長にお待ちしております。by姉
2022.12.18
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公開初日に鑑賞して来ました!『THE FIRST SLAM DUNK』(原作・脚本・監督 井上雄彦、東映、2022年)予告編⇒こちら*以下、公開直後の映画作品のネタバレあり感想です。本作は、公式が意図を持って概要について事前公表しておりません。映画概要についての事前知識が少ない状態で鑑賞する方が楽しめる作品だと思いますので、未鑑賞の方は読まないでください。*数年前・沖縄…3つ年上の兄とバスケットをしていた少年・宮城リョータ。中学で神奈川へ引っ越し、高校2年生になった彼は、インターハイで最強・山王工業と対戦することになる。無名の湘北高校が、山王工業にどこまで食いつけるか。最強のPGと名高い山王キャプテン・深津と対峙したリョータは…。観て来ました。…はい…はい…。何から語れば良いのかな…。まず、今回の映画作品ですが、基本的には原作最後の試合である、インターハイ2戦目・「湘北VS山王工業戦」の映像化です。山王工業戦は、TV・劇場アニメとして映像化されていなかったと思います。ですので、本劇場版の製作が公表された際、「山王工業戦の映像化か」と真っ先に思いました。ただその後、あらすじ等がなかなか公開されず、また映画タイトルが『THE FIRST SLAM DUNK』とのことで、「FIRST??山王戦じゃないのかな?」と不思議に思っていました。本編を鑑賞して、やはり当初想像していた通り、原作一番の盛り上がりであり、最長の試合である山王工業戦を、今の発達した3D技術で、井上雄彦先生の納得のいく形で、思いっきりこだわって映像化し切る作品だったな、と思いました。連載終了が96年ですから、26年越し…ですね。ファンの悲願でもあったと思いますし、井上先生にも、きちんとした形(映像)にしたいという思いがずっとあったのだろうな、と感じました。ただ…本映画作品、それ(映像化)だけじゃなかった!!これは、概要について事前公開をしないわけだ…と納得するような作品でした。主観・宮城リョータ。原作既読者も知らない、彼のバックグラウンドについて、ガッツリ新エピソードを試合シーンと同時並行で魅せて行きます。これがですね…超重いっっっ!リョーちん…そんなっ…まさかそんなバックグラウンドを抱えていたなんてっっ…!いや、原作でも、安西先生が倒れたときに、ちょっとだけ描かれた桜木花道の中学生エピソードが超重かったよなぁ…と、それを思い出すような感じです。かなり強いエピソードと感情で、従来読者の情緒をタコ殴りにしながら、「既に知っている」山王との試合が、ハイクオリティ映像で進んでいきますが、まぁもう…全然違うシーンやセリフに感じられますよね…。新鮮でしたし、とにかく驚きがいっぱいでした。試合シーンの映像ですが、本当に素晴らしかったです。今回、よりハイクオリティで、より立体的になったSLAM DUNKを体感して、何故本作が宮城リョータ目線だったのかも、しっくり来ました。もちろん、(原作ではほぼ描かれていなかった)彼のバックグランドについて描きたいというのもあったと思いますが、試合シーンの大迫力映像を、彼の「小さな」目線・主観を軸にして魅せるのが妥当という考え方だったのかな、と思いました。対戦相手のでかさが、すごく怖いんですよ。また、山王戦ですが、他のチームメイトたち…三井・赤木・桜木・流川は、それぞれのターンというか、魅せ場がかなりはっきり存在します。ただ、宮城リョータは、ドリブル突破のシーンが印象的ではありましたが、エピソードとして、そこまで大々的に描かれていた印象はありませんでした。彼目線で、他のチームメイトたちをしっかりと見る…そこにあるリスペクトの視線も、原作で読むより非常に際立っていました。特に、立体世界で体感する三井寿の3Pシュートの威力。そして何より、素人・桜木花道の動きの異常性・天才性です。リバウンド時の瞬発力がとにかく凄くて、動きが異質で…原作でももちろん実体感出来てはいたのですが、改めて「天才・桜木花道」を堪能することが出来ました。今回、この目線の持ち主である宮城リョータ…彼のバックグラウンドをガッツリ観て、年上・年下のチームメイト(問題児)への非常に寛容的な目線も凄く納得がいきました。ここから…まだ年齢も身体も小さく、不安な中で大きなものを背負おうとしていたお兄さんの存在、彼への憧れが、リョーちんを大きくしていくんだな…としっくり来ました。SLAM DUNK…私にとっては、小学生低学年の頃から読んでいた、「思い入れが強い」という次元も超えた、もはや「神話」のような存在の作品です。インターハイ予選の陵南戦あたりからだったと記憶していますが、当時、父が元バスケ部だったこともあり、ハマりにハマって、コミックスを揃え、特にこの山王工業戦のあたりは、週刊少年ジャンプを毎号購入していました。後にも先にも、父が漫画雑誌を購読する姿は、この時しか観たことがありません。私の、スポーツ漫画…いや、少年漫画との出逢いが、SLAM DUNKだったのだろうと思います。それどころか、実際のスポーツ観戦もまともにやったことがない状態だったと思いますので、最初の「スポーツ観戦」がSLAM DUNKだったんじゃないかな、と思います。(それか、キャプテン翼のアニメ鑑賞が先か…どっちか、という感じ)四半世紀を経て、神話のように染みついた名場面の数々を、こうして劇場の大スクリーンで、ド迫力の映像として鑑賞できる、というのは…なんというか…真の名作を、幼い頃に鑑賞出来た幸せを改めて感じるというか…。「感慨深いなぁ」…というのが、映画を鑑賞して一番に残った感情です。山王戦、ラスト無音の20秒…圧巻でした…っっっ!!!!…すみません。私の語彙力では上手く表現できませんので、是非劇場で鑑賞してみてください。2022年は、東映のジャンプ映画(全てレジェンド級)がお祭り状態でしたね。6月に『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』8月に『ONE PIECE FILM RED』そして12月に『THE FIRST SLAM DUNK』3作品とも、公開直後にウキウキと鑑賞しましたが、原作者の作家性・色が本当によく見て取れて…考え方も全然違っていました。それぞれ単体としてももちろん面白かったのですが、3作品を見比べるのも、非常に面白かったです。80~90年代の漫画発ヒーローたちが、こうして2020年代になっても、ヒーローを現役でバリバリにやってくれちゃって…幸せです!こうやって、これからもどんどん(私のような)大人になりきれない童心を忘れない漫画好きを、量産していってください!by姉
2022.12.04
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ちはやふる 感想-その4◆瑞沢かるた部&綾瀬千早ちゃんについて*以下、最終回までの展開を知っている前提で記事を書いてます。発売前の最終50巻の内容について、思いっきりネタバレありです。本作品を楽しむ上でかなり重要な部分ですので、未読・未鑑賞の方は読まないでください。*◆瑞沢高校 百人一首競技かるた部高校に入学した千早ちゃんが、再会した太一くんと一緒に立ち上げたかるた部。2人で部室に畳を運び込むシーンが、最終回に向かう中でもずーーっと、千早ちゃんの回想として「お守り」のように登場します。瑞沢かるた部…これが、最高過ぎました。キャプテン・千早ちゃんのかるたへの情熱と才能を原動力に、部長・太一くんが高校生離れしたリーダーシップ・求心力を発揮してチーム形成をし、かるた年長者にして、あらゆる面でバランス感覚の良い肉まんくんが、部全体のクオリティを底上げする。初心者として、着物と和歌を愛し、競技だけではない「かるた」の世界を深め、広げてくれる観点を持ったかなちゃんと、いちプレイヤーにとどまらず、データ収集・分析という視点で仲間たちに的確なアドバイスをする机くん。創設1年目は、1年生5人という団体戦ギリギリの人数ですが、各構成員が個性・持ち味を存分に発揮し、少数精鋭の爆発力を持ったチームとして、高校かるた会全国トップレベルに一気に駆け上がる描写に、説得力がありました。かなちゃんの意向で、高校選手権地区大会予選や、各種かるたの大会に、場違い感を醸し出しながら、超やる気のある「はかま」集団・瑞沢かるた部が乗り込んでいく描写は漫画画面としても華やかで、非常に爽快感がありました。2年進級後に入って来た菫ちゃん、筑波くんの2人も、個性的だけど気遣いの出来る子たちで、どんどん成長していく姿が頼もしかったです。3年次は、創設時からの部の支柱2人が大荒れに荒れたため、かるた部自体も転覆寸前でしたが、2・3年生たちの頑張りが、瑞沢かるた部を未来に繋げる結果を残したと思います。3年次の名人・クイーン戦予選~本戦では、かるた部の面々は、綾瀬千早後援会 兼 真島太一ファンクラブでした。読者目線で癒しでした。出て来てくれるとすごく嬉しかった。ちなみに、瑞沢かるた部を「綾瀬千早後援会」に誘導したのは太一くん、「真島太一ファンクラブ」に誘導したのは千早ちゃん だと思います。瑞沢かるた部の創部時に、初心者として一緒に入部した感覚で読み進める個人的には、これが本作・ちはやふるワールドへの入り方の基本形というか、大前提なんじゃないかな、と思っています。(部長至上主義がデフォ)◆綾瀬千早誰もが振り返る167cmの長身美人にして、ド級のかるた馬鹿であり、天才。以前、10巻まで読んだ際は、なかなか入っていきづらい娘が主役なんだな、と驚いた記憶があります。この作り自体が、天才を主役に据えたスポ根モノの印象を強めた原因かな、と思います。今回、10巻以降をじっくり読み進めて、一番印象が変わった…というか、意外な面がすごくある娘でした。もちろん、千早ちゃんはかるたを愛しかるたに愛された、クイーンになるべくして生み出されたヒロインで、それは大前提としてあるんですが、ただ、全然それ(かるた)だけに生きる娘じゃなかった!千早ちゃんの、「かるた」以外の部分が本当に面白かった。特に17巻以降の、ラブストーリーとしてのこの娘の描写は見応えがあり過ぎて驚愕しました。以下、かるたに関わらない部分で、千早ちゃんの気質や描写で面白いな、と思った点の列記です。・甘え下手1巻1話、冒頭でお姉ちゃんが千早ちゃんに「あんた 思ったことすぐ 口に出しすぎ!」というセリフが出て来ます。音を聞いて考えるより先に手が動く、反射神経の良さが「かるた」に直結すると理解できる点があり、「なるほど、猪突猛進な娘なんだな」と読者も一度認識します。刷り込みのようなもので、高校生に上がってからの、かるた部創設時の強引な行動言動も、その認識を後押しします。ただ、よく見てみると、千早ちゃんは「かるた」以外に関しては、別に全然強引な面はありませんし、他の人とモメるのは、かるたにおいても苦手。もっと言うと、「自分のこと」を言って、相手を引き寄せるような、自己アピールをするのはものすごく苦手な娘です。この面は、「1巻から、家族に対してそうだったな」なんです。家族に対しては、最後まで自分から「見て見て!」アピールはほとんど出来ず…。(1回、吉野会大会でお母さんにメール打ってましたが)一言で言うと、「甘え下手な娘」だなぁ、と思って読みました。かなちゃん、みちるちゃんといった、本当に千早ちゃんを近くで観ていた同性の同級生たちが、「この娘を甘えさせてあげたいな~!」という目線で見ているのもよく分かりますし、千早ちゃんが上手く口に出せないようなところまで察して、先んじて動けちゃう太一くんだよ!絶対この2人に一緒に居て欲しい!とかなちゃんは思っていたんだな、とも受け取っています。(かるた部では、太一くんの優しさに甘えたくってましたけどね…26巻までは。27巻以降の千早ちゃんの甘えられなさは、見ていて本当に可哀想でした。)最終回に至るまで、千早ちゃんのこの「甘え下手」な気質が本当に活きていたな、と思いますし、だからこそ、最終回…この娘の告白(一番苦手なこと)に、運命をひっくり返す…「運命」を掴み取る重み・パワーがあったんだと思います。・愛を捧げたい気質もう1点、読んでいてすごく面白かったのが、この娘の「献身性」…と言うと語弊があるかもですが、特に対お姉ちゃんや、ほんのりと対詩暢ちゃんからも感じられるような、「これ」と決めた人への見かえりを求めない愛の捧げ方・応援の仕方です。かるた以外だと、本当に「人を立てる」のが大好きな娘なんですよ。そしてその対象者に対して、恐ろしいほどに「寛容的」。言い回しが古いかもしれませんが、旦那さんを目いっぱい立てることに幸せを感じる「奥さん気質」というか。これが、作中、対太一くんへのアクションやモノローグにも、如実に見て取れます。(特に26巻のバレンタイン~太一杯の流れと、それ以降のモノローグが顕著ですが、きちんと初期から、なんなら小学生時代からもさりげなく随所で描いてありました。)この娘の「愛」は、ナチュラルにヤバいと思うんです。だって千早ちゃん…本気の本気で、何ひとつ疑うことなく、世界中の人たちが、お姉ちゃんと太一くんのこと、大好きだと思ってますよね、と。お姉ちゃんの写真集を部活仲間に配り回ったり、太一杯の敢行や優勝賞品を「太一くんのキス」に設定するなど、なかなか行き着いた価値観でないと、ここまでの発想は出来ないというか。この千早ちゃんの愛し方は、普通は対象相手が受け取ることが困難なレベルだと思います。…重い。ただ、千早ちゃんはちゃんと相手を選んでる…この愛され方が「嬉しい」奴にしか行ってないのが、なんとも面白いというか。本編45巻で、千歳ちゃん(お姉ちゃん)と太一くんの、取り繕わない濃い会話が展開されていました。千歳ちゃんも、太一くんが「自分と同類(根本的にジャイアン気質で、千早ちゃんの無償の愛を欲しがってる子)」だと感じたから、こんな会話が出来たんでしょうね…。凄く好きなシーンです。千早ちゃんは、この「特殊な愛し方」をお姉ちゃんに向けるあまり、1話で「お姉ちゃんの夢」を「自分の夢」として語り、新くんに「自分のことでないと夢にしたらあかん」とはっきり否定され、愛を捧ぐ相手に依存しない「自分自身のかるた道」を進むことになりました。千歳ちゃんと太一くんの2人の会話は、「かるたの才能にあふれて、かるた人生を極めていく千早ちゃんに自分を一番優先して欲しい、見てて欲しい、なんて言ったらダメだよね」という…かなり恐ろしい、独特な価値観を持った者同士の会話ではありました。ただまぁ…これに関しては、本編の最後まで、千早ちゃんに根付く「愛を捧げたい」気質は変わってないと感じています。対象相手に「夢を乗せる」ことはしないように心がけていますが、基本的に、自主的に、対象相手に「愛を捧げたい」娘だと思うんです。実際、千早ちゃんがお姉ちゃんと太一くんに向けた愛情は、作中、深まることはあれど、薄まるようなことはなく、きっと今後もそれは変わらないだろうな、と思って読みました。・人生モデルの社会人キャラクター特に18巻以降、かるた界隈の社会人たちの描写が格段に増えます。ここからの登場人物たちは、かなり意識的に、主役主体たちに、今後の「人生のモデル」として認識してね、参考にしてね、という描かれ方がされているなぁ、と思います。千早ちゃんの人生モデルとしては、もちろん身の回りの先生たち…宮内先生をはじめ、瑞沢高校の教師陣や、坪口さん 等々が居りますが、高校生の千早ちゃんにとって、部活顧問として、強豪富士崎を確立したカッコイイ桜沢先生が、目指すべき人物像として、一番分かりやすく、想像しやすい人物像だったのではないかな、と思っています。…なんですが、実際には作中、千早ちゃんの人生モデルとして一番丁寧に描かれていたのは、猪熊元クイーンだろうな、と思って読みました。「感じの良さ」を武器としたプレイスタイル、それが今後衰えていくという観点も含め、猪熊さんはキャラクター設定のすべてから、千早ちゃんの今後を示唆するモデルとして作中に登場していると思っています。作品が、猪熊さんの描写に費やした尺は非常に大きく、吉野会大会~千早ちゃんたちが2年生次の東西線~名人・クイーン戦で母親兼トップレベルで闘う選手としての姿を描写し、その後、3人目のお子さんの出産を経て、3年次のクイーン戦に向けた千早ちゃんの練習相手として、わざわざ猪熊さん宅に千早ちゃんを行かせて、育児を抱えた生活の慌ただしさと、その中でかるたに向き合う姿をしっかり観せる描写もありました。もちろん、他の社会人モデルたちの軸、千早ちゃん独自の軸も混ざりながら…だと思っていますが、、千早ちゃんの今後の人生の中で、猪熊さんのバランスのとり方に近しくなる時期が訪れうる、おそらく訪れる、というメッセージだろうな、と思って読みました。・対新くんの恋愛観について少女漫画の三角関係モノですと、基本的にはヒロインが「恋愛」というフィールド上で「どちらかを選ぶ」というニュアンスになりますが、本作に関しては、この固定観念はまず取っ払って、きちんと本編に描かれているバランスで読むことが必要だと思っています。千早ちゃんは、新くんへの感情と太一くんへの感情を同じフィールドで測りにかけたことはありませんし、新くんと太一くんを比べて、太一くんを選んだ、などという意識もないと思います。「新くんより太一くんの方が好き!」なんて認識する瞬間も、もちろんないです。17巻の「一生 かるたが好きで 新が好きなんだ」という千早ちゃんのモノローグ。これはインパクトありますよね…。「新くんへの憧れ、これは恋なのかも?」って本人が思っている場面もありましたので、千早ちゃんにとって、新くんは初恋の人なんだな、と認識して読みました。ただこれが、お互いの人生軸や生活を、一生懸命織り合わせることが必要になるような「(生涯を伴にする次元の)恋愛」かと言うと…「そうではない」と言えるような描かれ方は、随所でされていました。上記の「好きなんだ」は、指の骨折&入院でかるたが長期間出来ず、その間、高校選手権の決勝戦(新くんvs詩暢ちゃん)の映像を見まくって、どうしたらかるたで強くなれるか考え過ぎた先で出て来たモノローグでした。「かるたが好き」=「新くんが好き」、この同一視が面白いですよね。千早ちゃんにとっての「新くんの存在」が、「かるたの定義」なんだろうな、と。恋愛面では、23巻で新くんの方から千早ちゃんにアプローチがありました。告白された後の千早ちゃんは、嬉しくないわけではもちろんありませんし、ふわふわきらきらしていましたが…正直なところ、8巻で見ず知らずの他校男子に告白されて舞い上がってた時と、反応にそうも大きな差があるようには見えませんでした。その後に、太一くんの方がいろいろ大変になって、それどころじゃなくなって、33巻まで、新くんに告白されたことはすっかり忘れているようでしたし…多分その後も、本当に、最終回までそれどころじゃなさ過ぎて、完全に忘れてたんだろうな…酷いけど、まぁしゃーないな、と思って読みました。千早ちゃんは「かるたと新くんが一生大好き」ですし、それはもう、誰にも全く脅かしがたい唯一無二の感情だと思っています。千早ちゃんが、本当に「生粋のかるた馬鹿」なら、これがシンプルに「運命の恋」になってたと思います。でも、全然かるただけに生きる娘じゃなかったので。千早ちゃんからは、新くんに「何かをしてあげたい」といった献身的な感情は感じませんし、新くんに「(自分に向けて)何かをしてもらいたい」と求める感情も感じません。「かるた」をやってれば必然のように巡り逢える、運命的な関係性…それが、千早ちゃんと新くんだな、と思って読みました。・対太一くんの恋愛観について2人で瑞沢かるた部を立ち上げて、高校選手権でのし上って、最高で最強!無敵のコンビだった作品前半からの、26巻の世界暗転。作品後半…千早ちゃんが、太一くんを想ってどれだけ泣いたか…。26巻で、あんまりにもあんまりな関係崩壊を起こして、最終回まで、千早ちゃんの、人生をかけた「伸るか反るか」なギリギリの闘いが繰り広げられることになりました。千早ちゃんの、太一くんへの感情が「恋愛」かと言うと、26巻以降は、まず本当に「それどころではない」状態だったと思います。26巻は、太一くんもやらかしましたけど、千早ちゃんもやらかしたんですよ。もう全てが限界で、「部長は頑張れない」と判断して退部届を出した太一くんに、「嫌だ辞めないで」って、自分の気持ちを押し付ける形で泣いてすがりついちゃって、結果、悲し過ぎる作中唯一のキスシーンを生み、太一くんにあんな捨て台詞まで言わせちゃいましたので。26巻は太一くんがフラれたというより、千早ちゃんが告白(懺悔)されてギブアップ宣言されて、突き放された場面だと思ってます。こっからの太一くんは、千早ちゃんをひどい傷つけ方した、もう近づいちゃダメだ、と強烈に思って、本当に最終回までずーっと、極力千早ちゃんに自分から話しかけることをしませんし、(34巻で「かるた特番観ろよ」って言いに、フラっと近づいた位)最終回、卒業式・部室の告白シーンですら、最初は目を伏せがちで、千早ちゃんの方をしっかり見ることが出来ないような状態でした。こっからの千早ちゃんは、一度完全に見失ってしまった「太一くん」を時間をかけて、1個ずつ、見つけ直す・定義し直す…それを、特に37巻まで…いや、40巻までかな…はずっとやっていました。27巻は、千早ちゃんにとって「人生で一番大事にしたい、瑞沢かるた部の創設」が、太一くんにとっては、自分に付き合って迷い込んでしまった、苦しいだけの場所だったのなら、自分の土台も崩れて、とてもかるたなんて出来ない…まで暗転して、でも、太一くんが居なくても、千早ちゃんはかるたが好きだし、やろうと思えば出来るし、部長を欠いた瑞沢かるた部も、皆の力を合わせて立ち上がることが出来ました。31巻で、近江神宮まで太一くんが来てくれたところで、「良かった、瑞沢かるた部や部員のみんなが嫌いなわけじゃないんだ」、32巻で、太一くんがかるたを続けていることが分かって、「良かった、かるたが全く嫌いだったわけじゃないんだ」「太一くんが次を語る。未来が開けた」34巻で、周防名人とテレビに出演しているのを一緒に見て、「そうか、今までと全然違うところで勉強してるんだ」35巻で、東西戦予選が始まって、千早ちゃん自身は、(受験勉強もあって)すこぶる絶不調…でも頼れる人の居ない中で独り踏ん張りながら、横目で、新しいスタイルで真剣勝負して来てる太一くんを見て、「やっぱり、この予選会にかけて頑張って来てたんだ」そして決定的に太一くんを見つけられるのが、37巻…これだけ真剣な思いで臨んで来ているであろう大事な大会に、太一くんが瑞沢かるた部Tシャツを着こんで来てるのを見た瞬間…です。あのシーンは凄い。太一くんが、今どこに立って…というか、何を心の支えにして闘っているのか、それが自分と同じ『瑞沢かるた部』だとはっきり感じられた瞬間ですね。千早ちゃんにとっては、自分が一番大事にしたいものが間違いではなかったのだと、過去と今が一気に繋がる瞬間というか…ここまでの千早ちゃんはもう…高校に上がって、太一くんをかるた部創設に巻き込んで…千早ちゃんの幸せに付き合わせてしまって、結果、太一くんを苦しめて、不幸にしてしまったのではないかと、間違っていたのではないかと、怖くて怖くて、仕方がなかったと思いますので。38~40巻の東西戦までくれば、太一くんが何をやりたかったのか…「小学生の時に出来なかった、新くんとの真剣勝負」をやり直しに来てるんだ、もっと言うと「新くんに本気で闘ってもらって、かるたで『ちゃんと負ける』ために来てるんだ」というのは、千早ちゃんを含め、当時からの3人・チームちはやふるのバランスを知る人たちなら、ぼんやりかもしれませんが、想像がつく…という状況だったと思います。千早ちゃんもここまで来て、小学生の頃から観て来た太一くんが、今の太一くんにしっかり繋がって、取り巻く環境の全部を含め、改めてこの子がどういう子なのか、冷静に認識できたのだろうな、定まったんだろうな、と思います。40巻・布団回は、太一くんが一旦「かるた」は落ち着いて、「受験に全力」に切り替えよう、卒業後を見据えて行こう、という段階で、千早ちゃんも、当然焦りも感じるし、つられそうなんですけど…まだ自分はクイーン戦があるし、もちろん受験もあるし、ここで切れるわけにはいかん!!!と、1話通して挙動不審の権化みたいになっていて、すごく面白い回だと思っています。40巻の布団回以降、最終回に至るまで、千早ちゃんと太一くんが直接会話をする場面はありません。40巻以降の、独りでクイーン戦に向かう…荒野に立ち、富士の高嶺に挑みに行く千早ちゃんのあまりに強力過ぎる、謎モチベーションの源泉が、どこにあるのか。この描かれ方が、『ミステリー』だったかな、と思います。最終回を読んだ上で、その答えが何かな、と考えると、この↓強烈な想いだと思います。「太一くんと一緒に生きていける自分になりたい」41巻の、初詣のシーンはすごく示唆的で、印象的でした。かなちゃん・机くん・肉まんくんにそれぞれ何をお願いする、って挙げ連ねて、「太一にはなにを…」の先が、求めたいものが重すぎてでかすぎて、心の中ですら言葉に出来ませんでしたので。・最終回の告白『太一くんと一緒に生きていく』って、ものすごい覚悟が必要なことだと思います。太一くんは、大きな総合病院?の家系で…作中で明言されていたわけではなかったと思いますが、まぁおそらく、跡取り…なのかな?と思って読みました。太一くんはこの先、千早ちゃんに合わせて、自分の人生を選んだりすることは基本的には、出来ません。高校の2年間、親の信頼も勝ちえて、勉強で結果を残し続ければ、それ以上は特に何も言われない状況になり、そこで千早ちゃんの望む形に合わせて、かるた部を一生懸命出来たこと自体、奇跡とまでは言いませんが…幸運が重なって作れた時間だったな、と思います。ただこの先は、太一くんは、太一くんの軸を何よりも優先してくれる人としか一緒に生きていくことは出来ません。「これを千早ちゃんに求めるのは、違うよね」と、太一くん本人が一番感じていたんだと思います。でも実は、千早ちゃんは、かるた以外のものは全部譲れちゃう娘だと思います。元来「捧げたい気質」の娘ですから。ただやはり唯一、かるただけは、一生かけて大事にしたいし、譲りたいものではないだろうな、と思います。千早ちゃんのかるた軸と、太一くんの軸とがぶつかってしまったのが26巻でした。結果、一緒に居られなくなりました。この先、太一くんと一緒に居るために、千早ちゃんがした覚悟は、この2つ↓かな、と思います。①この先、自分のかるたのために、太一くんを求めない。②この先、自分のかるた軸と太一くんの軸がぶつかる瞬間が来た時は、 一切の躊躇なく、太一くんの軸の方を優先する。いや、「覚悟」と言っても、高校生の千早ちゃんの中で言語化できるような明確なものではなく、まだまだ直感的・感覚的なものだとは思いますが…でも、26巻であれほどのクラッシュを起こした太一くんとの関係性をもう一回作っていく…そこに臨むのに、「自分が変わる」という大きな覚悟は、絶対に必要だと思うんですよ。そうでなければ、いずれ同じことを繰り返して、傷つけ合うだけなので。上記2つの覚悟はいずれも、千早ちゃんが、たった一人でも、どんな状況下においても、自分なりにかるたに向き合っていける、幸せで居られる、という自信があって、その上で成り立つ覚悟だと思います。この「自信」を担保するのが、高校3年生、受験と同時並行でのクイーン戦を、太一くんに頼ることなく、一切の妥協なく、精一杯闘い抜くことだったんだな、と受け取っています。この千早ちゃんの覚悟を示唆するようなシーンやモノローグは、ここにこんな風に描いてあった!…とかではなく、…普通に考えて、太一くんがどんな立場の子なのか、きちんと認識してたら、この覚悟がないと、この先を一緒に生きていくことは出来ないよね! …という読み取り方しか出来ないかな、と思います。あえて言うなら、「千早ちゃんの覚悟が見て取れるシーンは、最終回の告白シーンです」としか言いようがないと思っています。告白シーンで面白いな、と思っているのが、卒業式での告白自体、千早ちゃんにとっては意図せざる…フライングだったんじゃないかな、という点です。太一くんに、きちんと自分の気持ちを伝えよう、というのは、クイーン戦が終わる段階で、決心していたと思いますが、お互いの受験がちゃんと終わってから、と思っていたと思うので。千早ちゃんが太一くんに言いたかったことを、そのまま素直に言葉にすると、こう↓なんじゃないかな、と思っています。なにがなんでも太一くんと一緒に居たいし、ずっと一緒にかるたをやっていけたらこんなに嬉しいことはないんだけど、かるたと自分が太一くんの負担になってしまう、苦しめてしまうことは絶対にしたくないので、自分は自立して、独りでもかるたが出来て、強くなって最高峰で闘えるようになりました。今後も、太一くんが、太一くんのためにかるたを続けてくれることはもちろんすごく嬉しいけど、そこに自分は依存しないから、無理はしなくて大丈夫です。だから、なにがなんでも一緒に居たいんですが、どうですか?それが、太一くんに先に動かれていまして。まさか東大じゃなくて京大受けてるとか… 千早ちゃん、迂闊でしたね。「離れる気満々だよ」と宣告され、更に「大丈夫、かるたがあるからまた会えるよ」とかすげぇ作品のテーマに上手く集約した!みたいなドヤ顔で言われて…「もうダメだ」と観念して、でももう「一緒に居たい」という言葉が使えなくなってしまって、他の言葉を探して、絞り出したのが…「好き だ よ」だったんじゃないかな、と思っています。太一くんへの感情を、千早ちゃんがしっかり「恋愛」にしたのは、この時だろうな、と思います。ただ、ココに至るまでの千早ちゃんの想いの変遷…「太一くん」をひたすら探して、一個ずつ見つけていったり、太一くんと一緒に居ることが出来る強い自分になりたいと願ったり…これらを全部ひっくるめて、何と表現するかと言ったら、「恋心」しかないな、と思っています。・千早ちゃんについて まとめぐるぐると長くなり、これまで語ってた記事とかなり内容重複してしまいました。でも、特に物語後半の「千早ちゃん」を語ろうと思ったら、最終回から逆算して、「太一くん」という切り口から語らないと、絶対に分からなくなるんですよ。千早ちゃん…この娘はものすごく「愛」に生きる娘だな、と思いました。正直、千早ちゃんが「かるた至上主義」で「かるたを一緒にやれないなら、意味が無い‼」と思う娘なら、そんなに無理してまで、太一くんでなくても良かったと思うんです。太一くんが、本当に特殊な立場の子なので。でも、第1話から千早ちゃんは、「愛を捧げたい」娘だと明確に描写されていましたので。だったら…太一くんは、千早ちゃんが笑っていられるように、とあんなに頑張れちゃうくらい、千早ちゃんのことが大好きなんだから…お互いに、求めているものと与えたいものが完全合致している、(実は「かるた」は全く関係ない部分なのが面白い)こんなに相性のいい相手はそうも居ない。運命の相手だ、頑張れ!と思うわけです。別に、最後にここに持っていくために、第一話から対お姉ちゃんの描写があったとは全く思っていないのですが、最終的にものすごく活きたな、この設定…と。ちはやふるの神秘。これから「ちはやふる」を読み直す際は、本当に是非、千早ちゃんの心情筋は、絶対に意識していただきたいです。本当に本当に、深くて繊細な愛情が浮かび上がって来ますから…!こんな描かれ方した「恋心」、漫画作品で今まで観たことがない…至宝ですよ…!!!by
2022.11.26
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書きました・・・!一度書きそびれると、ずるずると書くのが億劫になってきてしまうので駄目ですね;;超遅ればせながら、超々簡単本誌感想×2話分参ります~!*以下単行本40巻収録分のネタバレ含みます。ご注意ください!*暁のヨナ 第231話「燃える夢」・「まずい!このままだと白龍達も炎に落ちてしまう やめろこいつらは堪えられない 助けて 誰か 王さま・・・!」by黄龍ゼノ緋龍城炎上と同時に倒れてしまった四龍達。ここぞという場面で王様に何とかして欲しいと願ってしまう、ゼノ仙人の深層が見えた場面でした。・「タレ目おいっ 死んでるなら返事しろっ」byハク様ハク様、ここでギャグ入れ込んでくるのは辞めて下さい(もっとやれ)・「・・・お腹空きません? ここから城まで軍エ移動は早くて2日 急いで行ったところで火は消えませんよ」byスウォン様緋龍城が襲撃された可能性が高い!と周囲がせっつく中、この発言。スウォン様らしいなぁ、と思いました。トップが焦って指示しては皆混乱するだけですからね!スウォン様はやっぱり生まれながらの王族だなぁ!と。それにしてもテウ君、良い味出し過ぎです・・・!・「ただこの度の戦で貴女は何度か危険を事前に察知していたようなので カシ様の能力を継いでいるのかと」byスウォン様いやこんな状況で「貴方が棺桶に入ってました」とか言えるかカァアアア!!何も答えずに立ち去るヨナ姫であります。カシ様の能力・・・成程! この能力は緋龍王には無かったもの・・・なのかな??えーっと、正直連載当初からこの予知能力設定があったとは思ってないんですが(めんどくさい読者)、最初にこれっぽい描写が出てきたのは19巻収録の番外編「今日はおやすみ」かなぁと思ってます。う~んでも15巻の夢の描写でも、四龍&ハク様の顔色を予見するような描写はありましたが・・・う~ん。。・「ハク・・・!寝ててって言ったのに」byヨナ姫居るのかよ!!!おまっ・・・安静にしてろよォオ!!こんなに近くに来てるなら、もう天幕に入ってスウォン様に向き合いなさいよ!ヨナ姫任せにしてないでさぁ・・・ そしたら全部解決するからさぁ・・・ はぁ。。まだもう少し・・・あとちょっと!・・・って感じかな!!・「ただの夢だと思ってた でも・・・緋龍城は 夢の通りに・・・」byヨナ姫 「ただの夢だ 俺がさせない」byハク様ハク様が若干回復の兆しを見せた途端に、全力で甘えに行くヨナ姫。流石ッスね!!ヨナ姫のこれはもう・・・条件反射なんだろうな、と思います。自分の中でも形になってなかった不安や想いが、ハク様と二人きりになるとあふれ出すんだろうなぁ、と。そしてそれはスウォン陛下も同じだと思うんですが、まぁそれは置いておいて。。ヨナ姫とハク様の手の演技、いつも印象的ですよね。本当に草凪先生は表情と触覚に特化した作家様だなぁ!と感じるというか・・・たまらんです。。・「メイニャンが連れて行かれたんだ 俺はこれから南戒に助けに行く」byユン君野営地に馬に乗った侵入者が!ハク様が迎え撃つと・・・ ヴァル将軍&ユン君!緋龍城方面はこうなっていたのね・・・・・・・・・・・・ああ、なんかまたハクヨナが離ればなれになる未来が、一瞬脳裏をよぎりました・・・ ヴァル将軍たちと一緒に向かうハク様&緋龍城に向かうヨナ姫・・・ははっ(悲しい笑い)。~いやいやどうなるかな?確定するまでは希望は捨てないでおきましょう!暁のヨナ 第232話「正夢に近づく」・「えええ雷獣ーーー!!??」by顔面崩壊ユンくん私は草凪先生のこーゆー思い切った遊びゴマが大好きです!ハク様があまりにも平然と登場するので、皆漫才みたいになっちゃうんですよ・・・;そしてヴァル将軍は倒れ込んでしまいました。重症です。。・「わかりません 追ってきたと思ったら巾着奪って帰って行きましたし」byカジ将軍その時の場面がありありと目に浮かぶ解説をありがとうカジ将軍。ハク様に1武将を殺され、2武将を戦闘不可にされた戒帝国軍・・・しかし撤退許可も出ず。こっちの陣も追い詰められてます。・「愚鈍なお前達を我は許そう 顔を上げよ 仕上げだ鳳凰の戦士よ あそこにいるゴミ虫共をひねりツブしてこい」byチャゴル殿下士気の下がった野営地に到着し、緋龍城を自ら乗り込んで焼き落とした、と告げるチャゴル殿下。圧巻のブラックオーラで兵士達は大喜びです。草凪先生の描くキャラクターの中でも、かなり振り切れたキャラクター。良い味出しますね。いやまぁ「少女漫画雑誌・花とゆめを買って、何を見せられてるのかな!!??」という気持ちにもなりますけどね;カジ将軍だけが気付いた、メイニャンの生気のない表情が可哀想です・・・花とゆめで何を見せられて(以下同文)・ロックオンされるハク様&ヴァル将軍優秀な存在は、脅威ですからね・・・ 名指しでロックオンされてます。天幕の中で目覚めたヴァル将軍、ハク様と早速絡んでくれました。何だろう・・・この二人は似てるんですけど、並ぶとやっぱりヴァルさんは「真面目でストイックな武人」という印象ですね。・「だってユン君を味方につけたんだから」byジェハ兄さん 「ユンを味方につけるということは 我らを味方につけたようなもの」byキジャさん 「うちの姫さんもな」byハク様我らがユン君(15歳男児)!! 神と緋龍王と高華の雷獣に愛されし無敵のジョーカーですね!!・「四龍やハクはわかるけれど 私はそこまで役に立っているの・・・?」byヨナ姫 「その通りです」byスウォン陛下ヨナ姫、スウォン&ケイシュクに「メイニャンを奪還しに行きたい」意向を伝えます。あ ヨナ姫、雷獣さんと一緒に行動する気なんだ 良かった!(そんな所ばっかり気になる読者)スウォン様のあっさり返答は、なんというか流石ですね。ヨナ姫的には、そりゃ嬉しくない言葉ではないですが。お前・・・おま・・・ そもそも追い出しといてからに・・・他に何か言うことはないのか・・・;・真国 コウレン王の1万の援軍が到着!!お久しぶりコウレン様!!!でもヴォルドとアルギラは、全然お久しぶりな感じかしないですよ!!?次回も・・・楽しみ・・・いや嘘です。もう読んでます。発売日に欠かさず読んじゃってます。 感想頑張って追いつきます!by妹
2022.11.19
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ちはやふる 感想-その3◆三角関係の構築過程と発展についてちはやふるの作品構成の中で、特筆しなければならないと思うのが、千早ちゃん・新くん・太一くんの三角関係についてです。本作のメインビジュアルを思い起こす際、必ずこの3人がバシーーと出て来ますし、本作を「少女漫画基軸」の作品に保ち続けた最重要要素だと思っています。かるたへの情熱と才能に溢れる女子高生と、明確に役割が異なるWヒーロー。この三角関係図式について、どのように構築していったのか、実際に、作品を押し進めていく中で、どのような発展を遂げたのか、ぐるぐる考え始めると、とにかくオモシロい!*以下、全部勝手な想像の上で、妹と「こういう順番・考え方なんじゃないか」と話している内容です。最終回までの展開を知っている前提で記事を書いてます。発売前の最終50巻の内容について、思いっきりネタバレありです。本作品を楽しむ上でかなり重要な部分ですので、未読・未鑑賞の方は読まないでください。*1、着想段階・プロトタイプ第1号企画初っ端の段階。「競技かるたという題材で少女漫画を描く」、となった時に、最初の最初に設定された、ものすごく単純なプロトタイプがあったのだろう、と考えられます。ヒーロー・ヒロインが「名人・クイーン」として対になる。名人・クイーンという独特な名称も面白いですよね。もちろん、ここで設定されたのは、新くんにあたるキャラクターと、千早ちゃんにあたるキャラクターの2人だったのだろうと思っています。名人になるべくして、人生がそこに向かっている男の子・新くんと、かるた競技で一番重要な「感じ」の才能を持った女の子・千早ちゃんが、「名人・クイーン」として、近江神宮で並ぶ…お雛様とお内裏様のようなイメージもありますし、恋の物語として、筋道も、クライマックスの絵面も良い。ただ、やはり話筋として、ヒーロー・ヒロインが名人・クイーンとして対になることが目的地となると、一緒にかるたを頑張らせるわけにはいきません。そのため、クライマックスの絵面を盛り上げるためもあり、小学生時代に一度出逢い、離れて、かるたを通じてふたたび巡り逢う、という物語の大筋をここで敷いたのかな、と想像しています。「ちはやふる」の恋の歌という解釈を取り上げ、「千早ちゃん」と名前を付けたり、「せをはやみ」の詩をモチーフとして持ってくるのも、この辺りで構築しているのではないかな?と思います。また、これはすべて想像の域ですが、この初期初期段階で、第1巻・第1話の、特に前半部分のエピソードのプロットや、ひょっとしたらネームに起こすまでに、一度着手されていたのではないかな、と思っています。この段階で、話回しの要員として登場したのが、千早ちゃんに好意を持っていて、新くんの存在が面白くなく、2人をいじめて来る太一くんにあたるキャラクターだったんじゃないかな、と想像しています。キャラクターの設定要素も、新くんと完全に真逆。「かるた」だけに特化した新くんに対し、「なんでもできる」キャラクターという設定方法かな、と思います。「かるたでは稼げない」を体現するかのように、新くんの家庭は貧困というわけではないのですが、「裕福ではない」描かれ方になっているのに対し、太一くんにあたるキャラクターは、比較として単純に「かなり裕福」設定になったのかな、と思います。2、話回しの構想段階・プロトタイプ第2号実際に、話回しを詰めていく段階。ここで、大きな懸念点が出て来たのかな、と思います。末次先生のキャラクターへのアプローチとして、何か「やること」「反応対象」を設定して、キャラクター向き合わせて、しゃべらせて、動かしてなんぼ…というところがあるのだろうと思っています。ヒロインのやるべきこととして、実際に何を仕掛けて、面白く描写していくのか。ヒロインがかるた会で頑張って練習を詰んで、大会に個人でいっぱい出て、クイーン戦で勝ち上がる…?でも、そもそも、名人になるべくしてなるヒーローと、クイーンになるべくしてなる、かるたの天才ヒロイン…2人とも、基本的に天才なわけで、「天才2人が、勝ち上がって、最高峰で並びました!」と言われても、読者的には「ふうん…だろうね。」で終わってしまいますので。話筋がキレイに整っていても、キレイな一直線過ぎて、話回しが面白く描けない。ヒーローとヒロインが離れてる設定で、しかも個人競技で、キャラクターを動かすことがなかなか難しかったのではないかな、と思います。ここで、妹が調べた情報で面白かったのが、2007年当時の、現実のかるた業界におけるトレンド動向です。2005年1月に、当時中学3年生の15歳で、楠木早紀さんという史上最年少クイーンが誕生されているとのことでした。圧倒的強さで、2014年まで10連覇を達成された後、勇退されたとのことで。連載開始時、明らかに、千早ちゃん&詩暢ちゃんのモデルとして、この方が念頭にあったんだな、と思います。で、Wiki情報を見ると、この方が高校進学後に立ち上げたかるた部で、創部2年目に全国高等学校かるた選手権大会の団体戦で優勝されている…とあって、なるほどーー!!とすごく納得しました。2005年で中学3年生だった楠木さんが、高校に入り、創部2年目で全国優勝ということは、2006年の出来事だと思います。※ちはやふるの連載開始が2007年の終わり。高校生になった千早ちゃんが、実際にかるたに取り組む姿をどう描写していくか、に対し、瑞沢かるた部創設と団体戦描写…これがあれば、グッと作品が面白くなる!千早ちゃんを活き活きと描写することが出来る!、という作品形成の上での活路だと思ます。この段階でピックアップされて来たのが、「千早ちゃんと一緒にかるた部をやってくれる」存在、第1話段階では話回しの為のキャラとして設定していた、太一くんにあたるキャラクターだったのかな、と想像しています。千早ちゃんの隣に居る存在…ということで、「ちはや」に対し「たち」…太一くん、と名前が付いたのかな、と思います。※50巻収録予定の二四六首で大々的に明かされた、「小倉山荘の襖の対札」という驚異の理論武装。で、この段階で既に、実際の漫画描写の中で、太一くんの描写が大きく、重くなることは分かり切っているんですよ。ずっと千早ちゃんと一緒に居るわけですから。これはもうWヒーローを据えた『三角関係モノ』だな!面白そう!となったのかな、と思っています。3、連載開始時上記の流れで考えてみると、連載開始時には、最終的な恋愛相手としては、本当に、新くん・太一くんのいずれになっても良い、どちらも理論武装出来てる、という形でスタートしているんじゃないかな、と思っています。あとは、キャラクターが能動的に紡いでいく物語の中で、千早ちゃんの想いに沿って、その部分は構成して行く、というか。末次先生のお話構成力を見れば、それは全然可能だと思いますし、キャラクターの自由度こそが、連載作品としての面白さだ!という考え方かな、と思います。実際に、そうやって50巻を駆け抜けたんだな、と思っています。ただし、先ほども少し書いたように、第1話の、特に前半部分。新くんの部屋で、千早ちゃんが初めて「競技かるた」に触れるシーンまでは、おそらく、プロトタイプ第1号の形を色濃く残しているため、出だしだけだと、一見「千早ちゃんと新くんの恋物語」に見える導入になっていると思います。やっぱり、第1話前半の、太一くんのいじめの描写も、後の展開を考慮すれば、かなり強い描写だと感じるんですよ。これは、わざと残したのかなぁ…と思います。第1話後半は、千早ちゃんvs太一くんの試合になるという展開も含め、既に意識が「団体戦」へ向かい、プロトタイプ第2号を前提とした話回しになっていると思います。4、連載開始後、序盤~ここからは、読み進めていく中での感想です。実際に走らせてみて…作者様の中で正直、まぁもう…かなり序盤…2巻の中頃時点では、既に「太一くんだろうなぁ」…と思っていたんじゃないかな、と受け取っています。千早ちゃん・太一くんの2人のやり取りが明らかに走っていますし、かるた部創設以降は…もう…千早ちゃんが楽し過ぎて嬉し過ぎて、浮かれ切っていますので。千早ちゃんのかるたの原風景は、一貫して「チームちはやふるの団体戦」です。この子の大好きなかるたは、「みんなで楽しくやるかるた」であり、それを夢のように叶えてくれたのは、太一くんですので。高校生になって、中学と同じように一人も仲間を作れないかもしれないと失望しかけていた時に、太一くんが目の前に現れて、「一緒にかるた部作ろう」と言ってくれたことが、千早ちゃんにとってどれほどの…一気に未来が開け、世界が光り輝き始めるような奇跡だったか。千早ちゃんはここで将来の夢を見つけましたし、物語終盤、部活がメインの場ではなくなってからも、千早ちゃんはずっと「私の帰る場所はここなんだ私はこの場所で、誰よりも無敵なんだ」と明言しています。三角関係について、思ってたより、勝負する間もなく、勝負決まっちゃったかな…という意外性はありますが、ここまでは基本的に、連載開始時の想定内。仕掛けたものが花開いた、という状態だと思うんです。5、想定外の動きここからは、恋愛部分から話が脱線しますが、当初想定していたであろう作品の流れからの逸脱について。この作品が進むうえで、一番の想定外な出来事は、間違いなくコレ↓だと思います。太一くんが、かるたで本気で勝ちに行こうとし始めたこと。もともと、太一くんはプロトタイプ1号の設定を引きずっていますので、新くん(かるたで名人になる子)と、極端に真逆の設定で構築してある子だと思っています。言ってしまうと、「かるたをやる」こと自体、違和感を感じるような子…かるたをやるべきではない男の子。ただ、団体戦の中でこの子の社交性・リーダーシップが活きるのは納得がいくので、千早ちゃんと一緒に部活を頑張ってくれる…「助けてくれる」「支えてくれる」役割としての、少女漫画的Wヒーローの一角として走らせるつもりだったんだろうと思います。これだけで、十分少女漫画ヒーローとして三角関係で闘えると思いますし、むしろこれだけやってた方が、恋愛軸としては分かりやすかったかもしれません。それが…高校生編が始まった直後・2巻収録の第7首で、作品を一新してしまうような名ゼリフが爆誕しました。「おれは・・・ 青春ぜんぶ懸けたって 新より強くはなれない」by太一くん「“青春ぜんぶ賭けたって強くなれない”?まつげくん 賭けてから言いなさい」by原田先生…ちょっっっと待て!!お前が、かるた強くなるために頑張るの!?もしかして、お前が、新くんのところに行こうとし始めるの!?そんなことが出来るキャラとして設定されてないけど!?でもそういえばそうだったね!貴方は元々死ぬほど負けず嫌いな子だったね!千早ちゃんと新くんのキャラクター設定を見れば分かりますが、この2人は、かるた競技で漫画を描こうとした際に、真っ先に設定した「かるたで名人とクイーンになる子」だと思っています。おそらく…ですが、かるた競技で漫画作品を描こうと、末次先生が競技自体を観察して、この競技の最高峰レベルには「特別な才能」の一線がどうしてもある、と認識されたんじゃないかな、と思います。もちろん、才能があったとしても、名人・クイーンという領域にたどり着くには並々ならぬ努力、そして運は絶対に必要です。ただ、「非・かるたの天才」を、その次元で闘わせる話にするつもりは連載を仕掛けた段階ではなかったのだと思います。もし、ココ(「非・かるたの天才」を名人・クイーンの次元で闘わせる)をもともと描くつもりなら、作品構造上、千早ちゃんを「非・かるたの天才」設定にしたと思うんです。プロトタイプ1号の筋立て…「名人になるはずのヒーローを目指して、ヒロインがクイーンになるべくかるたを頑張る話」を、一番情熱的に描こうと思ったら、こうするのが最適だと思いますので。でも、そこまでやるつもりはなかった。かるた競技という題材を用いたラブストーリーを描く、が考え方の基軸で、現実のかるた競技を観察して、そこで感じた大きな「才能の壁」を突破しに行くような、そんな壮大な目標は掲げていなかった、のではないかな、と思っています。それが…ここで、太一くんが「新くん」に目を向けるということは、連載開始時には想定していなかったような激高ハードルに、キャラクター自身が自ら挑み始めてしまった、ということで…こんなことされたら、作品が太一くんに乗っ取られるに決まってるじゃないですか。繰り返しになりますが、この子は、個人競技者としてかるたを頑張る必要なんか全くない設定にしてある子のはずなんです。かるた部を、千早ちゃんと一緒に頑張ってくれるだけで、恋愛面でも十分勝機はあるはずですし、それがこのキャラクターの役割だったはずです。それがっ…まさかこいつが、部活は部活で頑張って、創部1年ちょっとで、「クイーンになるより難しい」団体戦の全国大会優勝をもぎ取った挙句、個人競技者として、かるた競技の限界(才能の壁)を突破するべく、えげつない頑張り方し始めて、周囲も千早ちゃんもめちゃくちゃ心配し始めるんですけど、どうしようもなくて、結局、部活の「部長像」と両立できなくなって、3年入ってすぐに退部…という、初期設定の「そばに居て支えてくれるヒーロー」像をかなぐり捨ててキャラクターとして本末転倒な動きをし始めるとか…。これは本当に…末次先生の作家性だなぁ…と思います。「ちはやふる」という作品を語る上で、なんとも面白いところなんじゃないかな、と思います。結局、プロトタイプ1号時の設定…太一くんが、「かるたで名人になる子」と真逆の要素から作ってあるという部分が、千早ちゃんと太一くんの人生軸を織り合わせる際の、一番大きな心理的障壁となっていました。最初から想定していなかった分、この障壁が強大で、これを超えるのが、「名人・クイーンになる」よりよっぽど大変になってた感が見受けられます。6、千早ちゃんの主観・恋愛感情の描写について作品後半~終盤、がっつり描写されまくっているのに絶対言語化されないミステリーのような描かれ方をしていたのが、千早ちゃんの、太一君に対する恋愛感情部分でした。作品後半、千早ちゃん本人が「太一くんに頼らないで一人で立つんだ!想いを、表に出しちゃ絶対にだめだ!」と気張りながらクイーン戦(&受験)まで駆け抜けようとしていたことが一番の原因だと思うのですが、作品の作りとしても、意図的に「言語等での明確化」せずにずっと来ていて…最後の最後、この部分の答え合わせを一気に行うという構成になっていました。名人・クイーン戦第5戦目の最終局面、「せ(新くん)」札と「たち(太一くん)」札の運命線・・・どっちも出る気がする!どっちも出る気がする!!運命の札は果たしてどっちだ!!?~からの、最終回・最後の最後での告白シーン。これは、三角関係モノとして、作品を一番面白く魅せることができる構成として、やる気満々で壮大に作り込んであった、本作一番の大仕掛けと言っていい部分だと思っています。私的には、間違いなく「ちはやふる」で一番面白い部分です。本当に、本作の恋愛面…三角関係部分は、構築段階~発展の仕方も独特だと思いますし、キャラクターはキャラクターで想定外の暴走を始めるし(真島太一)、ラストに向けての仕掛けが壮大且つ強烈過ぎて、着いて行くのは相当難しかっただろうなとはすごく感じましたが…千早ちゃんの、太一くんに対する心情描写は…是非っっ!必然的なミステリーとして壮大に作り込んであると思って、是非じっくり読み直してみていただきたいです!脚本好きには堪らない構成でした!最高でした!!by姉
2022.11.13
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ちはやふる 感想-その2◆かるた競技への芸術的・創造的アプローチについてこれは…すごい。この漫画にしか絶対にない。今回、私の方が先に「ちはやふる」のコミックを揃えて、読み進めて、「面白いよ!」って妹に一生懸命薦めていたのですが、なかなか読んでくれませんでした。妹は、作品前半…17巻までのスポ根描写について、「面白いのは分かるが、根拠のない精神論を押し付けられる感じが、どうしても自分にはストレスだ」、と言うんです。妹は、完全芸術系思考回路の持ち主でして。いわゆる「体育会系」のノリが大の苦手…というか、「楽しんでいる方たちは全然それでいいし、全く否定する気持ちはないが、ただひとつ。こっちに押し付けてくんな!」なスタンスなんです。こっちはこっちで、考えて段階的な試行錯誤をやってるから!放っておいてくれ!!と。この妹が、18巻以降になった瞬間に、めちゃくちゃ喰いついて来ました。「何コレぇええ!!最高ーーーっ!!」って言いながら読んでます。作品後半において、特に、太一くんと詩暢ちゃんの2人のキャラクターが暴走…というか、かるた競技というものに対し、「芸術的・創造的アプローチ」で突っ込み始めます。この2人は、やはり作者の末次先生の化身というか…漫画で天下を獲るような、トップオブトップ芸術家が、「かるた競技」をめちゃくちゃ観察して、その上で、その中で自分だったらどうアプローチしていくかを、本気の本気で考えて、織り込んで来ているのが、太一くんと詩暢ちゃんだな、と思います。◆若宮詩暢詩暢ちゃんの方は、読者もついて行きやすいかな、と思います。読み札・絵の印象と、更に踏み込んで、詩の意味・作者の背景や、詩の使われ方等まで調べつくした上で、札を擬人化・キャラクター化して、その子たちとの対話を通してかるたと繋がる。実際のかるた業界に詳しいわけではないので、すべて想像ですが、この詩暢ちゃんのかるたへの向き合い方は、おそらく、現実のかるた競技を観察して、そこで行われていることを漫画にしようと思っただけでは、絶対に出て来ないようなアプローチ方法だと思います。ものの見事に、ザ・漫画家!な観点から捉える「かるた」ですよね。この娘が、作品後半から「かるたで食べていく」ために頑張り始める描写は、「うおぉぉおお!」と手に汗握りました。感動しました。これも、やはり末次先生がかるた業界を漫画家視点で観て、率直に感じたフラストレーションが、強烈に投影されているのだと思います。こんなにすごい高尚な闘いをしているのに、何故やっている人々が、それを「趣味」という地位のままで良いと、漫然としているのか!?何故、「かるた」そのものの価値をもっとアピールして、マネタイズしようとしない!?何故、選手がプロとしてその道だけで生きていけるようにしようと努力しない!?詩暢ちゃんのおばあちゃんが、詩暢ちゃんのことを単なる「競技者」ではなく、一貫して、より創造的な「芸術家」と捉えているところもすごく興味深いところです。◆真島太一やろうとしていることが高尚過ぎて、おそらくついて行けてない読者も居るんじゃないかな…と思っているのが、作品後半の、太一くんのかるたへの「芸術的・創造的アプローチ」の描写です。この子のアプローチが、どれだけ独創的で凄いことか…漫画作品で、こんな「天才」の領域の試行錯誤を追いかけられるなんて、感涙モノです。ここにしかないオモシロさですよ!太一くんですが、この子の自己評価は「かるたに関しては『才能がない』」です。かるた競技において最も重要とされる「感じ」のような分かりやすい特技がなく、2年生の夏まで、なかなか大会で勝ちきれずB級に甘んじていたこともあり、作品出だしから長い期間、周囲の大人たちもふくめ、いち個人選手として注目を集めることはありませんでした。この子の個人選手としての伸びが緩やかだった理由としては、主に下記点が挙げられます。・白波かるた会・原田先生の教えである「攻めがるた」が基本的に合っていなかった点・2年生目いっぱいまで、瑞沢かるた部部長として組織全体の責任を負い、 安定性を求められ、また本人も全体に気を配ることに注力していた点2年次いっぱいまでは、これら制約の多い中でも試行錯誤を繰り返し、A級選手たちの大会において上位入賞を繰り返すまでになっていましたが、どうしても特別な天才たち…言うなれば新くんの居るところには行きつけなかった。本作を読み進める上で、ここは注意しなければならない…というか、肝に銘じておくべきだと思うのですが、太一くん、この子のモノローグ・自己評価に騙されないことです。太一くんの言う「才能がない」って、かるた界の期待を一身に背負う天才サラブレット・新くんや、5連覇中の永世名人・周防さんと張る感じの良さを持つ千早ちゃんの2人と比べて、「かるた」で分かりやすい才能がない、っていう意味ですから。明らかに、この子の認識と実際の状況が乖離している場面がたくさん出て来ます。あくまで、太一くん自身のかるた競技における評価についてだけですよ。…あ、あとは、千早ちゃんの恋心的なところに関しても、ひっでぇもので、罠(ミスリード)を読者に仕掛けまくって来てましたが…。作中で「千早ちゃん&新くんはお似合い過ぎだ!」なんて思ってたの、コイツだけでしたからね。ホント。上記2点以外は、周りのことは非常に適切に、よく見えている子なんですけどね…。太一くん、この子は「模倣・分析/咀嚼・思考/応用・表出の天才」として描かれています。ちはやふる本編をじっくり読み進めて、読み切って、千早ちゃんや新くんをはじめ、様々な面で特出した天才たちが登場して来ましたし、もちろん「うん、天才だねぇ…」と思いながら読みました。誰が一番怖かったって、太一くんが一番怖かった。真っ先に、この子の天性の強味としてあるのが、「観察眼・鑑賞眼」です。周囲の状況や他の人の機敏を一瞬で適切に察知しますし、受け取った情報に対して、ニュートラル…より更に上を行き、好意的・肯定的に取り込んでいきます。作品前半、太一くんは瑞沢かるた部部長として、圧倒的なリーダーシップを発揮しますが、その土壌にあるのも、基本はこの「観察眼・鑑賞眼」だと思っています。その上で17巻以降では、個人競技者として、「観察眼」から「アレいいな」と思う情報を探し出し、自身の中で再生産を試みるため、「模倣・分析/咀嚼・思考/応用・表出」サイクルを回しまくり始めます。その「模倣」が、最初は競技かるた内の技や考え方というとっかかりだったのですが、27巻以降は、周防名人の日常生活における身振り・手振りまで、出来る限りの完コピを始めます。頭ひとつ飛び出した「天才」の、思考回路・価値観を掴みに行こうとしてる。守りがるたを主軸にしたうえで、周防名人の「人にミスをさせるかるた」が、太一くんに向いているのはよく分かるんです。もともと観察眼がずば抜けていますので、そこにフィットするのも納得です。(と言っても、そう簡単にまねできるようなものだとも思いませんが…)ただ、それと同時にいきなり、かるた業界内では「天才だけのもの」とほぼ諦められている、「感じの良さ」の底上げプロセスに行ったんです。「天才」レベルでの100%の再生産は不可能ですよ。どうしても天性のものなので。でも、いくら「天才」と一口に言えど、トップにまで踊り出るような方たちには、必ず意識的にやっている部分がある。その部分について分析が出来れば、50%でも60%でも、ある程度の形での再生産は可能だと、太一くんがここで手ごたえを得ている。意識的に再生産したものは、当然、自身の武器として使えますから。で、こっから更に恐ろしいのが、再生産したものを実際に再構築する…表出する過程で、ただの周防名人の完コピではなくて、自身のもともと持っている特性(容姿の良さ、目の大きさ等)に合わせて、受け手目線を意識して、カスタマイズして出して来るんです。身振り手振りに関しては、周防名人ではなく、より身近で想像のしやすい、自身のお母さんの無駄のないきれいな動き方を参考にしようとしていました。東西戦本線では、対新くん用に、千早ちゃんの無邪気(な攻撃)を取り入れて演ってみたり。私は、これはもう「俳優さん」の次元での、(複数対象の)模倣から始まる再生産及び再構築・表出アプローチだと思っています。「あぁ、この子は俳優さんなんだ」と思って、その上で1巻から読み直すと、また面白いんですよ。作品前半の「瑞沢かるた部部長」像も、後半のように意識的ではないにせよ、基本的には、太一くんが「作って、演ってる」んです。アイドル性を活かしながら。本作を読んでいて、「何このキャラクター、怖い!」と思うのは、この子は登場シーンを、基本的に「自分の世界」にしてしまうんです。「真島太一劇場」を展開し始めちゃう。ちはやふるという作品の前半部分、「団体戦」描写を確立したのも、太一くんというキャラクター性だな、と思っています。太一くん、この子が3年生に上がり、瑞沢かるた部や白波会を離れてまでやった、かるた競技への独創的なアプローチ。原田先生の教え・攻めを信条としたスタイルや、千早ちゃんの志向するクリーンでまっすぐなスタイルに逆行しており、太一くんの中で、大きな葛藤を抱えながらも、試行錯誤の上で、本人が「試作」と言いつつ繰り出して来たプレイスタイルでの、東西戦予戦への突っ込み方の恐ろしさ…もともと頭脳・身体能力ともずば抜けたこんな子に、こんなエグい突っ込み方されたら、並の「(かるたの)天才」たちなど、ひとたまりもないだろうという説得力がありました。これは本当に凄い描写でした・・・唸りました!その3に続く!by姉かるた競技への芸術的・創造的アプローチについてかるた競技への芸術的・創造的アプローチについて
2022.11.05
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いろんな観点で語りたいことがあり過ぎます。まとめようにもまとまらないので、取り留めなく語ります。死ぬほどオモシロかったです!!なんだコレ!!!ちはやふる 感想-その1(末次由紀先生、講談社、BE LOVE、2007~22年)小学6年生。福井から来た転校生・綿谷新。友達の居ない、一見大人しい彼が情熱を注いていたのは、競技かるただった。彼と出逢い、かるたと出逢った綾瀬千早、そして真島太一は、3人でかるた会へ通い始める。次第に千早は、天性の聴力を発揮し始め…。*以下、最終回までの展開を知っている前提で記事を書いてます。発売前の最終50巻の内容について、思いっきりネタバレありです。本作品を楽しむ上でかなり重要な部分ですので、未読・未鑑賞の方は読まないでください。*◆「かるた」について「かるた」という題材が、なんとも面白かったです。百人一首も、競技かるたも、ほぼ知らない状態で鑑賞を始めました。素人目で「こんなルールなんだ」と教わりながら読みました。ものすごく単純に、よくもまぁ、こんなややこしいルールで作り込んだな、「難しい競技だな」と思いました。上の句・下の句の100首暗記が、最低ラインって…どんだけ高いところに入り口作るんだよ、と。言語は日本語のひらがなオンリーで、翻訳不可(音読が変わるから)ですから、世界で展開できるはずもありません。ここまで難しく入り組んだルールというのは、「門戸を狭くすることで、既にやっている人たちの地位を守る」…まぁ「守る」というか、「気分よく競技が出来るようにする」意図もあったんだろうな、と感じました。ひと昔前の、ゴルフの会員権みたいなもの…というか。ゴルフは、会員権にお金が出せて、そのコースで打ち慣れている方が当然有利なわけで、世間一般の社会的地位に相関して、気分よくプレイが出来るようになっているスポーツだと思っています。もちろんそれだけではないですが、特色というか、使い勝手の良さがあるんだろうな、と。かるたの大会の描写もたびたび登場しますが、とにかく体力・精神力的に負担が大きい。社会人の感覚で、休日をあのように大会に費やし、更にそれに向けての練習時間をとればとるほど、確実に仕事・生活に支障をきたします。その上で、特に作品後半、キャラクターたちに人生を選ばせる際非常に重要な観点としてあったのが「かるたにプロはない」という点です。今回「かるた」のルールを知って、将棋や囲碁はプロがあるけど、「かるた」はない、というのはある意味では非常にしっくり来るというか…どこまでも難しく、重くしたからこそ、本当に他に類似を見ないようなニッチで独特かつ難解な発展をした競技文化だな、と感じました。◆17巻まで2年生の高校選手権終了まで。「ちはやふる」という作品を、単なる少女漫画とは別次元のヒット作へ導いたのは、やはり17巻までの、特に「団体戦」の描写だと思います。末次先生の、少女漫画離れした力強いアングル・構図取りの力、画力…脳が手に繋がっていることが分かる、生き生きとしたキャラクター描写、それらによって生み出される「かるた」シーンの臨場感、ですね。これが、個人戦描写ももちろん凄いんですが、団体戦描写だと、読んでいるだけで、一緒にチームメイト、もしくは会場の観戦者として、その場に参加しているような気さえしてくる。チームとしてのモチベーション・流れ、場の空気をいかに引き寄せるかという駆け引きが、とにかく面白い。いろんな立場のキャラクターたちが、ガンガン仕掛けて来ますので。運命戦や、それに絡んだ札分け・札合わせといったかるた競技独特のルールや、そこで展開されるトリッキーな戦略戦も、観たことがない面白さでした。この団体戦の臨場感が、少年漫画・スポ根といった表現で、漫画読者に高く高く評価されたことは明らかだと思いますし、本当に圧巻でした。個人的な印象としては、17巻までは、爽快感のあるエンタメ作品として、大勢の目線を極楽浄土信仰に連れていける大乗仏教。主人公たちのかるたへの取り組み方も、団体の空気感という、大勢の読者が着いていきやすい要素で説明されています。◆18巻以降17巻(団体戦としては正確には15巻?)がチームものとしての最高到達地点であり、転換地点。この先は物語の最終地点(3年冬の名人・クイーン戦及び最終回)に向けて、更にはキャラクター達が生きていく『その先の未来』までを壮大に描いていく物語になります。17巻までのような、高揚感に満ちた楽しいばかりのシーンだけではなく、正直、読み進めるのが辛くなるほど、暗い展開にもなってきます。また、ここからの各キャラクターのかるたへの取り組み方は、個人的には修行僧が悟りを開くまでの過程を、末次先生が漫画画面に落とし込んでくださり、それを拝見させていただいているような感覚でした。超高濃度な情報が、非常に高度な描写・ニュアンスで漫画画面に落とし込まれています。立体的な視界世界に散在して描かれるこれらの情報ですが、読者側に人生経験やその視点の素養がないと、なかなか拾うのが難しいようなものも多くあります。読者はそれらを一生懸命拾って、自分の中で物語の骨格や各キャラクター像を組み立てながら読む必要があります。この作品で描かれている情報・メッセージのすべてを、正確に捉えられている読者は、現時点でかなり少ないんじゃないかな、と思います(もちろん私も含め)。計算ずくで壮大に描かれているものもあれば、こんなの計算ずくでは不可能だろうと思われるような各キャラクターの能動的な動きが、「これしかない」という作品の集約感を生んでいたり…。本作の作りについて考えをまとめようにも、神がかってるとしか言い表せない部分も多く、面白さの作りを、とてもではないけどかみ砕き切れない敗北感があります。…超オモシロかった!!!神がかってます。こっからが真骨頂!!!◆ラブストーリーとして構成という観点で観たときに、個人的な印象としては17巻までがスポ根・チームものとして、最高に楽しい!なら、これ以降の流れは、噛むほど味が出るするめ作品、そしてラブストーリーとして超オモシロい!です。描いているのは、人生です。主には主役主体たち…千早ちゃん・太一くん・新くんの幼馴染3人と、あとは詩暢ちゃんの4名ですが、この作品が17巻まで描いてきたものと、かるた競技への向き合い方を、高校2~3年生という、将来に向けた重要な1年半をかけて、それぞれの人生に丁寧に丁寧に織り込んでいってあげよう、という意識を凄く感じました。18巻以降、かるた界隈に携わる社会人たちの描写が極端に増えていきます。人生の先輩たちのかるたへの向き合い方を、しっかり観て、参考にして、その上で、自分なりの大事にしたいものとかるたへの向き合い方をしっかり選んでいけ!という描き方だったな、と思います。ただし、どこまでも貪欲に。可能性と未来は、現状のかるた業界が是とする狭い範囲の外にも無限に広がっているんだから!!4人の中で、新くん・詩暢ちゃんの軸は、基本的には独立している印象です。新くんは、ものすごく段階的で堅実な、間違いのない「かるた人生」軸が描かれていました。詩暢ちゃんは詩暢ちゃんで、この子だけで長編漫画1作描けるくらいの「競技かるた」の本質にグイッと食い込んでいくような、独特な動きをし始めて。すごく応援したくなるし、本当に見応えありました。この辺は、後で各キャラクターの感想でそれぞれ書きます。で、問題なのが、千早ちゃんと太一くんの2人です。この2人の軸は、お互いに大きく影響し合っていました。特に26巻以降の、一度関係性が破綻してからは、お互いにものすごい勢いでけん制し合って…まぁ~…読んでて、何度も展開に驚愕しました。周囲も巻き込んだ、凄まじいひっちゃかめっちゃかっぷり…なんですが、それもそのはずで、本来は高校生の段階で行うような次元ではない、人生軸の確立とすり合わせを行っていました。これがきちんと、題材が「かるた」だからこうなった、これほどややこしくなった、というのが分かるように描かれていますので。それがすごく面白かったです。今回、私が最終話をちらっと立ち読みして、「よし、しっかり読もう!」と思ったのは、最後の最後にぶっこまれた(のだと思われる)告白シーンで、千早ちゃんが太一くんの手を握って、下を向いたまま、「好きだよ」の4文字を絞り出すという演技筋・表情を見たときに、この娘、これ言うのすごくすごく怖かったんだと強烈に伝わって来たからです。以前、コミック10巻くらいまで読んでいて、キャラクターの立ち位置を知っていたのもあり、ここのシーンに至るまで、これは相当作り込んであるな、凄そうだな、と感じました。実際読んでみて、本当に凄かったです。まさかこれほどの巻数をかけて、壮大に描いて来ていたとは…。千早ちゃんと太一くんは、物語の序盤というか始まりから運命共同体です。2巻で一緒に、最高of最高の瑞沢かるた部を創設してから…そもそもの、かるたを始めた経緯という点でも同じ場所からでしたし、もっと言うなれば、かるたをやり始める以前より仲が良く、かるたへのモチベーションや、かるたを介したアイデンティティが強固に入り組んでいて、相互にかなりの依存状態にありました。かるたで稼げて、食べていけるのであれば、全然「依存」でもいいんですよ。「依存」という言い方だとニュアンスが微妙に聞こえますが、2人がかりで、何よりもかるた(仕事)を最優先して頑張れるならば、それが最高のバランスなので。かるたは違います。稼げません。先ほども書きましたが、描いているのは「名人・クイーンになる」だけではない、キャラクターたちが「その先の人生を生きていく」ことが念頭にあります。各々の立場やライフステージの中で、かるたから遠ざからざるを得なくなる場面は、大小あれ、必ず訪れます。特に太一くんは…今までも、そしてこれからもものすごく重いたくさんのものを背負って生きて行かなければならないことが分かり切っている子ですので。この子に「ずっと一緒にかるたをやって欲しい」を求めるのは、基本的に酷です。千早ちゃんが、太一くんにかるたを求める理由が「でないと私もかるたを楽しめない、強くなれない」なら、太一くんにとって、千早ちゃんは幸せな存在ではなくなってしまうので。また、太一くんの方も、かるたと一緒にある自己嫌悪・自己否認のスパイラルは、千早ちゃんに救いを求められるようなものではなく、やはり自分自身で向き合い、なんとかしなければならないものです。この子の中で「かるた」の存在が大きくなればなるほど、今後、「自己肯定」していけるかどうかがかかった、人生レベルの、本当に大きな問題・心の枷だったと思いますので。26巻で一度依存状態を解消して、(2人とも世界暗転して、共倒れになりかけてましたが)とにかくいったん、自分と相手をちゃんと分けて認識する。この時間が必要だったんだな、と思います。千早ちゃんと太一くんは、26巻の段階では お互いの意識の中で自分と相手すら混同して、しっかり分けれてなかったと思います。相手の事を自分事のように、自分の気持ちを相手の気持ちであるかのように認識している場面がとても多かった。千早ちゃんの強固な「自分が楽しい=太一くんも楽しいはず」の圧が太一くんを追い詰めたよなぁ、と。自分と相手をちゃんと分けて認識する。大事な事です。その上で、相手とかるたを、ちゃんと分ける。自分とかるたを、ちゃんと分ける。自分にも相手にも、当然、かるた以外にやらなければならないことがたくさんある。それも冷静に認識する。相手が今、どんなバランスでそれらを頑張りたいのかちゃんと認識する。自分が今、どんなバランスで様々なものに向き合いたいのか、向き合わなければならないのかをちゃんと認識する。自分のことには、自力で向き合えるようになって、強くなって、その上で、依存ではなくて、相手をちゃんと見て、尊重しながら求め合える、「大事にしたいもの」を共有して支え合える、最高の関係性・最高の未来に向かえるか。27巻以降は、自立しなきゃだし、相手の邪魔しないようにしなきゃだし、お互いに全力で避けまくってるので、そもそもの会話がかなり少ないのですが、…40巻台はまた凄くて。名人・クイーン戦が42巻から始まりますが、その前の41巻から、50巻収録予定の最終回まで、コミック10巻程の間、千早ちゃんと太一くんが、一切直接言葉をかけ合いません。クイーン戦第5戦、最期の最後、運命戦まで「太一くんに依存せずに」頑張って来れたところでようやく、千早ちゃんが、太一くんに「一緒に生きていく」ことを求められる自分になったと、自分自身を許す…というか、認めることが出来たのかな、と思います。「せ」札と「たち」札の対比も、作品的(読者の興味視線的)には、新くんと太一くんのどちらが選ばれるか!?の対比になっていますが、千早ちゃんの主観的には、「流れに任せる」か「自分から求める」かの対比になっていると受け取っています。それにしても、思い切った…恐ろしい構成だなぁ…とびっくりしました。末次先生、キャラクターに持たせる自由度の幅が大きい…演技や発言はかなり任せてる、だからこその生き生きとしたキャラクター描写で、そこが凄く印象的なのですが、作家性として、根本的にはものすごい構成作家で、ものすごいラブストーリーテラーだな、というのが本作を読んだ印象です。末次先生の過去作も、是非読んでみたいなー…。その2に続く!by姉
2022.11.04
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暁のヨナ、39巻ということで。どこまでの壮大な物語になるのか…。暁のヨナ 39巻感想(姉編)南戒軍兵士に紛れていたハクと、四龍の奮闘もあり、南戒国境線における、防衛戦が決着。満身創痍の中、終戦の報を聞いたハクのとった行動は…!?39巻で一番書きたいことについては、既に224話感想で書き切っているので、簡単感想です。この作品の、ここまでの本当に大きなところの流れとしては、私の認識ではこんな感じ↓です。・1~3巻 序章(1巻ヨナ姫崩し・2~3巻でヨナ姫第二の人生開幕)・4~8巻+9/10巻 ヨナ姫の成長(&四龍集め・閑話休題)・11~16巻 ハク様崩し・17~30巻 ハク様の立て直し・31~39巻 スウォン様崩し(&親世代過去編)基本的には、「暁のヨナ」の大きな流れは、ヨナ姫・ハク様・スウォン様の3人の誰かを主軸に作られている、と認識しています。11~30巻までは、ひたすら「ハク様」を一旦壊して、作って来て、31巻の緋龍城帰還以降は「スウォン様」を壊して…この後はどうなのか、スウォン様を作ろうとしているのかな?と思っています。今巻・39巻に関しては、ハク様のターンにおける16巻の位置づけ…かな、と。ハク様とスウォン様が向き合う、ハク様がスウォン様に手を伸ばすというシーンとしても、16巻の「対比」というか、「続き」のような印象でした。ただ今回は、ハク様が30巻を経て「自分が出来上がっている」ので、16巻ではハク様自身も認識できていなかった、ハク様の「スウォン様への思いの答え」を体現するようなシーンになっていました。今回のシーンで、「スウォン様崩し」が行きついたのかは分かりませんが、ただ、この作品の中で、今回のシーン以上にスウォン様を打ち崩すためのシーンを作ることは出来ないだろう、…それくらいのインパクトのあるシーンだと思って読みました。ハク様は16巻でのブチキレ回以降、17~19巻くらいにかけて放心状態というか、思考を無にするような期間が描写されていましたが、今のスウォン様がその状態かな、と思っています。花とゆめの付録連動のスウォン様ラッコアクキーのこの惨状↓を見て、「あっ…」(察し)ってなりました。それにしても、225話を読んでも思いましたが、ハク様は安定していますね。いや、大けがを繰り返して満身創痍ではありますが。ちゃんと「自分」があって、動きたいことに全力で動けて、欲しいものが欲しがれてます。本当に良かった。ハクヨナの2人間の関係性は、30巻にきちんと完成したんだな、ということがよく分かる回でした。39巻後半は、メイニャン・ヴァル将軍のターンでした。ここから、また新章ということだと思います。何かやりたいことがあるのだと思いますが、正直、何をするターンなのか、さっっっぱり見当がつきません。スウォン様がフリーズしている間に、緋の病と四龍たちの「呪い」関連の突破口が少しでも見えると良いのですが…さて、どうなるんでしょうか!?次巻・40巻も楽しみにしています。by姉
2022.10.10
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ため込んでしまっていましたが・・・次が発売される前に!低カロリーの超手短本誌感想参ります!*以下単行本40巻収録分のネタバレ含みます。ご注意ください!*40巻・・・かぁ。。本誌で「四龍集め~!」とか追いかけていた時は、まさかこんなに遠くまで連れてきて貰えるとは夢にも思ってませんでした。暁のヨナ 第229話「我が物」・「いいから早く!ここを火の海にしたいの!?」byリリリリ様格好良い!!「背負う・動かす」という点に関してはヨナ姫よりも数倍意識の高い娘ですよね。・「素晴らしい剣の使い手であった だがそれも死んだ」byドロモス画面のあちこちが血だらけです・・・少女漫画・・・;;いやヒューリさん死んじゃったの!!??いやいやまさかエェエエエ!!?↑ヒューリさんにはまだ色々役割があるんじゃないかと期待してる読者。・「ドロモスは5人 1人は恐らく人質を連れてどこかにいる」byヴァル将軍ヴァルさん、パッと見完全に The・武闘派 って感じなんですが、めちゃくちゃ落ち着いた性格なのはどことなくハク様と似てるなぁ~と感じます。血の気の多いじゃじゃ馬姫系のメイニャンとはお似合いですよね!・「私・・・ 今すごく何でも出来そうなんだよ ユンも自分も渡さない あんた達はここで死んで」byメイニャン格好良い!メイニャンは本当に、草凪先生が描く「The・自分本位なヒロイン」で良いですねぇ!・「慎重に 慎重に 敵が 俺から注意をそらす その瞬間」byユン君我らがユン君!!格好良い!!ヨナ姫もユン君も、非力ながら時に大胆な動きをする事が出来る子たちです。ヨナ姫が反射的に動くタイプなら、ユン君は熟考して機を待って動くタイプですね。ユン君、あらゆる人間からの信頼が厚すぎて素晴らしいです15歳・・・!・「・・・無事かメイ」byヴァル将軍 「ん?今メイって言った?」byメイニャンこーゆーほっこり会話を挟んでくる所がなんとも草凪先生イズムですね。メイニャンさん、あまり突っ込むのも可愛くないですよ・・・ヴァルさんなりに色々考えて、思い切って呼んでみたのかもしれないじゃん。・「会いたかったぞ猫・・・ 冒険は楽しかったか?」byチャゴル殿下お前かよ!!!まさかの国王自ら乗り込んできましたよ・・・ いやなんというか て、手っ取り早いな!!?なんか自分的には、チャゴル様の格がだだ下がりして、気持ち悪さがうなぎ登りした感じではあります。メイニャンの脚から仕留める辺りが本当にイヤ・・・ 嫌な男だ。。暁のヨナ 第230話「毒がまわる」・「この人がチャゴル 南戒の最高権力者・・・ 禍々しい まるで毒蛇だ」byユン君流石ユン君!ハッキリ表現してくれてスッキリ!・「よしよし お前が戻れば殺しはしない 任務は遂行したのだろう? ランタンは上手く殺せたようだな」byチャゴル殿下えぇえあの毒殺事件の実行犯はメイニャンでしたか!しかし改めて見返すと、34巻・35巻あたりのメイニャンさんと今の彼女の描写の違いは面白いなぁ。。・「殺したり裏切ったり それを喜んで迎える飼い主は我くらいだろう 我はお前の帰る場所だ」チャゴル殿下命じてやらせておいてからにこの言い草!!!さすが草凪先生、少女漫画あるまじきDVサディスト野郎の描写が光ってます!(コラ)・「いいえ いい加減その手を離して頂きたく そいつは貴方が案ずる程孤独ではありませんよ」 「メイてめぇこの 勝手に決めるな 怒るぞ」byヴァル将軍ヴァル将軍・・・心ひっっっっろ!!!「メイニャン お前そんな事を・・・!?」とか言わない!!ヴァルさん(メイニャンならそれ位やるだろーな)と思ってたんだな、というか。そんな事承知の上で一緒に生きていきたいって思ってるんだな、と。男前だなぁ!チャゴルも、ヴァルの事は凄く買ってたみたいですしね。・「それより見よ 緋龍の消滅だ」byチャゴル殿下イヤめっっっっっっっちゃ燃えとる!!なんか思ったよりあっっさり消滅したな 緋龍城ぉオ!!どうなるのコレ・・・;;;そしてヒューリさん生きてた!!生きて・・・い、生き残ってね・・・??・「四龍様がお倒れになられました・・・!」byミンス一方のヨナ姫サイド。嫌な予感がするので、城に戻るようケイシュク参謀に打診するヨナ姫であります。そこに四龍が倒れたとの報が・・・何でだぁあ!?コレ・・・今の段階で立ち上がれるの、腹減りの中だとハク様(一番重傷者)だけになりそうだけど大丈夫!?イヤ~・・・次回も楽しみです!by妹
2022.09.18
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白泉社公式WEBくじ『漫福ガチャ』の、暁のヨナ第二弾。今回も第一弾と同様、「10回」と回数を決めて、2人でわいわい回しました。昨日、商品が届きました。こちら!↓すごく良い感じにキャラクターがバラけて出て来ていたので、途中から「腹減り全員出したい!」と願掛けしながら回しましていました。「あとユンくんとゼノさんの何か…!」と思いましたが、10回ではちょっと無理でしたね…。でも、大勢の子が出てくれてとても嬉しかったです。相変わらず、A賞・B賞にはかすりもしませんでしたが…C賞のヨナ姫とハクさまのアクスタを自引きできて、大満足です♪アクリルスタンドも、想像より大きくて迫力がありました。また、実際にモノが届いて、D賞フレームマグネットがとてもとても高品質なんです!どんなものなのか、あまり想像出来ていなかったのですが、小さなフレームの中に、イラストの印刷された板?のようなものが入っていて、大事に閉じ込めた「絵画」感があって、満足度がとても高かったです。こちらも、大好きな「ハク様に花冠を被せるヨナ姫」のイラストを自引き出来ました。ハクヨナの関係性の真髄が込められたイラストなんじゃないかと思っています。これは欲しかった!出た瞬間は、2人で「わっ!」と歓声を上げました。キジャさんのwith猫イラストも、見応えがあります。黒ぶちフレームが合っていて、とても良いです。D賞品は、冷蔵庫に付けて、ちらちら目に入れて、日々のささやかな幸せにしていきたいですね。すぐに来られても困りますが…漫福ガチャ・第三弾も、1年後くらいに是非。お待ちしております。by姉
2022.09.17
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『ちはやふる』読み始めました!*以下、最終回の展開を知っている前提で記事を書いてます。本作品を楽しむ上でかなり重要な部分ですので、未読・未鑑賞の方は読まないでください。*15年間の長期連載『ちはやふる』が堂々のフィナーレを迎えると聞き、8月発売のBE LOVE 本誌をそれとなく本屋で立ち読みしました。…「うん。なるほど。よし☆!」と思い、それとなくU-NEXTでTVアニメのシーズン1・2・3と流し観をはじめ…面白いわぁ…瑞沢かるた部尊いわぁ…団体戦熱いわぁ…と思っている間に、うっかり手元にコミック1~49巻が揃っていました。50巻(最終巻)の発売を楽しみにしつつ、今じっくり読み進めているところです。本作に関しては、少女・女性漫画の枠を超え、男女別問わない幅広い年齢層のファンに支持される大人気作であることは認識していました。ただ、世代的に、自身の学生時代とフィットしていなかったため、(自身の学生時代とフィットしていたのは、もろに「のだめカンタービレ」です)自身よりも若い代の方たちがジャストフィットの作品、という印象でした。とはいえ、もう10年以上前ですが、レンタルで10巻くらいまで…だったと思いますが、主役の千早ちゃんたちが2年生に進級するあたりまで、ざっと読んだことがありました。キャラクターの大雑把な把握や、試合シーンの熱さを鑑賞し、「まぁ~…これは売れるわ!面白い!!」ともちろん思いました。その時の感想が、コレ(抜粋)↓主役の女の子が、「かるた馬鹿」なのはだいたい想像していましたが、こんなに美人美人言われる娘だとは思いませんでした。・・・いい!主役美人!袴で決闘!素敵!とりあえず・・・主役はこれ・・・太一くんですよね。だって、彼にばっか感情移入しちゃうというか・・・彼視点の描写だらけというか・・・。とにかく・・・太一くんが報われて欲しいです。今、改めて読み進めていても、なんとも面白いなぁ、と思っていますが、太一くん…このキャラクターの描写が、あんまりにも強い。少女漫画のヒーローとして…あるいは、少年漫画的な、スポ根・チームモノの主人公として…あるいは、男主人公目線でのラブコメ主人公として…また、それだけではない、内面に葛藤を抱えた成長主体として、あらゆる側面で、このキャラクターの描写が強い。ただ、どれも全部、最初からこの子を描こうとして仕掛けてるわけじゃないと思うんです。1巻の小学生時代のエピソードも、この子を描こうとして作ったエピソードじゃない。そもそも、上記のような少女漫画ヒーロー・少年漫画ヒーローとして描くつもりなら、こんな、頭脳明晰・運動神経抜群・容姿端麗なうえ、超裕福な医師家庭の子、なんて設定にはしません。ただ…本作の、キャラクターに任せる、その言葉を引き出しながら漫画作品を推し進めていくパワーと言いますか…群像劇になればなるほど、周囲のキャラクターが、自由に活き活きとしゃべって、我を押し通そうとすればするほど、太一くんというキャラクターの感情・存在感が、他になくて、群を抜いて鮮やかで、引きずられるんですよ。支配しちゃってるというか、乗っ取っちゃってるというか…。この「バランス」「描写」については、「普通ではないな」と思います。以下は個人的な認識ですが、「ちはやふる」という連載作品自体、作者の末次先生にとって「普通の」「平常な」状態で立ち上げた作品ではない…詳しいいきさつは存じ上げませんが、漫画家・クリエイターとして、社会的にも大きな傷を負い、絶体絶命…もう無理だ、という大変な時期を経て、その上で繰り出された作品だと認識しています。「ちはやふる」は、女性誌掲載ですので、そもそもが「少女漫画」というくくりではないかもしれませんが、それにしても読んでいて、「この感情まで使うか」と驚く場面が山ほど出て来ます。エンタメ作品を形作る上で、普通持ってこないような感情が渦巻いてて、感情に関しての「リミッターが外れてる」という印象です。小学生の頃に、新くんをいじめ、焦りからメガネを隠してしまった…「かるた」と一緒に、思い出したくない、向き合いたくない「自分」が居る太一くんが、作中ずっと、どこかで「自分がかるたに愛されていない」のを「当然だ」と思ってる。それでも、あんまりにも太一くんが頑張るので…自分の傷をえぐりながら、「かるた」にあんまりにも真摯に喰らい付いて行くので…。見ていて、「もういい!お前もう頑張らなくていい!かるた辞めろ!」と言いたくなる瞬間が何度もあるんですが、でも、そこで太一くんを励まし、肯定してくれるのが「かるた」を通じて築いた瑞沢かるた部の面々であり、その日々であり…というのも、キャラクターが生きているからこそだな、とすごくしっくり来ます。末次先生の経緯・漫画製作にかける思いが、このキャラクターと繋がったからこその、ブラックホール的な惹きの強さを持った描写だな、と思いますし、だからこその、本作の大ヒットだな、とひしひしと感じています。いやぁ…他にない!面白いっっ!!!まだまだ鑑賞途中です。追って、感想記事をポツポツと上げていきたいと思います。by姉
2022.09.11
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映画感想『ONE PIECE FILM RED』(2022年、原作・総合プロデューサー 尾田栄一郎、監督 谷口悟朗)音楽の島、エレジア。電伝虫を使用した個人発信で、世界的な人気を獲得しているシンガー・ウタの、初ライブが開催されることになった。麦わらの一味をはじめ、世界中から彼女の歌を聴きにファンが集まり、あるいは電伝虫で会場の様子を見守る中、ライブが幕を開ける。姿を現したウタに、ルフィが駆け寄り、「昔馴染みで、コイツはシャンクスの娘」という衝撃の事実を明かすが…。予告編→こちら。*以下、公開間もない映画作品の、ネタバレを含む感想記事です。未鑑賞の方はお気をつけください。*いやぁ…これはこれは…天下の『ONE PIECE』がらしくないことして来たなぁ~!!いや…流石、天下の『ONE PIECE』というか…なんてオモシロいんだ!!!予告編を見ていただくと分かると思いますが、ネット展開を意識した歌姫…とか、明らかに、「ONE PIECEファンが、ONE PIECEに求めているもの」ではないんです。私も、「なんなのかな、コレ?」と不思議に思ってて。いちONE PIECEファンとして、全然惹かれるパッケージじゃないですし。公開日を迎えるまで、全然、映画館へ行く気はありませんでした。ただ、前作の『ONE PIECE STAMPEDE』の時に、海賊たちの共闘とか言われても、あまりそそられないしな…と思って、観に行かなかったのですが、配信で鑑賞したら、これが超オモシロくて。『STAMPEDE』は、とにかく尾田栄一郎先生が漫画で描くアクションシーン…同時多発的にあちこちで、間髪いれずに展開されるド派手アクション。そのノリを、想像の通りに、そのままの形で見事に映像化してやろう、という映像意欲作でした。3D技術の進歩と、劇場版という潤沢資金・製作期間でしか実現できないド迫力なアクションシーンがエンドレスで展開し、やりたいことが明確で、仕上がりも素晴らしい作品でした。…しまった、これは劇場に行けば良かった!と後悔してたんです。今回の「FILM RED」も、なんかよく分からないけど、気になるし…『STAMPEDE』の二の舞を踏むのは嫌だ、ということで、公開2日目・まだまだ非常に劇場が混んでおりましたが、行ってきました。本編をしっかり鑑賞して、うなりました。なるほど。そういうことか…!うん。オモシロい!!!これは、天下の『ONE PIECE』が、怖いものを「怖い」と言って、迎え入れている作品、というか。でも「俺は負けない」と言っている…「マウントの取り合い」をセルフで演じている作品、というか。要は、今回メインで描かれるウタちゃんという歌姫の持つ力…ネットワークを通じた個人発信で、世界規模の人気(興味)を生み出せてしまう力。彼女は、音楽とダンスを中心とした映像、そして「世界に対するアンチ心の共感」という武器で、クローズドワールドと言いますか、「自分の世界」を作って、アプリゲーム文化にも通じるような「囲い込み」をしてくるんです。そこに意識を傾ける人の規模が、シャレにならないくらいでかい。個人発信で、「トレンド」を作ってしまう。たかが「世間知らずの小娘」の作り出す世界ですから。はっきり言って、「軽薄・浅はか」ですし、危ういんです。ものすごく軽く、他と比較対象があるわけでもなく、「私が最強!」の世界を作って来る。集英社・ジャンプというNo.1の漫画雑誌で、25年キングとして君臨し、全世界発行部数5億部突破の、明確に歴代No.1漫画作品である『ONE PIECE』からしたら、勝負する相手じゃない。内容で勝負をすれば、積み上げた歴史とコンテンツの質・深さで、絶対に勝てるんですよ。…でも、怖い!!!個人端末から、「クローズドワールド」にシャレにならない規模の人々が直にアクセスして、意識が「その世界」で完結しちゃう。そこで完結した意識の中に、エンタメNo.1作品として『ONE PIECE』はないので。今回の映画ですごく印象的だったのが、「ウタちゃんの世界」の中で、「海賊とはこういうもの!古臭くて滑稽なもの!」と勝手に色付して来たり、勝手にキャラクターを「矮小化」して、マスコット的に落とし込んだりして来る描写です。これは面白かった。この脅威は、『ONE PIECE』が連載を開始した25年前・97年には、存在しなかったんです。ジャンプでNo.1作品として、アニメ化されて、「大人気!」って言われれば、世間一般の意識の中でも、「みんな読んでる」作品だったんですよ。私が、超『ONE PIECE』初期世代なので。アニメ化された段階で、私からしたら「天下を獲った作品」でした。当時、朝5人くらいで学校に登校してましたが、全員コミックス買ってましたから。25年間…四半世紀です。2020年代…この令和の時代に、「みんな読んでる」「みんな観てる」なんてものは、漫画にもTVにももうない…時代が変化し、個人が使用するメディアが全然違う世界線に来て、当然です。『ONE PIECE』を自分たち向けコンテンツだと認識していない、物心ついた時からスマホ等の個人向け情報端末が当たり前な世代からしたら、『ONE PIECE』もなんかよく分からない、自分には関係のない、他の「クローズドワールド」の一つに過ぎない。当然のことで、別に、否定することじゃない。でも、尾田栄一郎先生・『ONE PIECE』が、「だから仕方がない」って言いたくないんだな、と。『ONE PIECE』という作品は、私の知る限り、25年に渡り、「我」を貫き通し続けて来ました。特に、尾田先生自身が繰り出してくるものに関しては、「俺が通る道、それが『王道』だ!!」というスタンスです。「もう『最高の道』を突っ走ってるんだから、外から余計な口出しすんな!」と。それが今回、このタイミングで、明らかに「我」ではない外部のものを、「怖い」と言って、「物語の始まり・シャンクス」とドッキングさせながら、抱きかかえようとしてきた。これまでのスタンスでは考えられない、らしくないことやって来たなぁ…!と。これから、『最終章』…史上最強のエンディングに向けて走り出す『ONE PIECE』が、名実ともに、「みんなが観てる」No.1エンタメ&トレンドであり続けるがために、『ONE PIECE』に興味がない視線にまで、マウントを取りに来てる…というか、『ONE PIECE』に取り込もうとして来てる…というか。時代変遷にすら抗って、「みんな」の作品であり続けよう、とか、別に、ここまでやんなくてもいいんですよ。「いち漫画作品」に、…ファンも、誰もそこまで求めてないし。でも、こうやって「らしくないもの」が、映画作品として公開されましたので。…分かってるつもりでいたけど、全然分かってなかったな。なんっっっって貪欲なんだ。『ONE PIECE』、超オモシロいな!!と思いまして。ちょうど昨年、「テニスの王子様」の許斐剛先生が製作総指揮をした映画、『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』が公開されました。こちらの作品は、ハッピーメディアクリエイターを名乗る許斐先生が、メディア変遷を「味方につけてやろう」というか、「3D」「多メディアの咀嚼」「時代変遷」を使って、「作品の自己実現・自己再生」を仕掛けてくるような映画作品でした。今回の『ONE PIECE FILM RED』も、『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』も、語りどころとしては、「メディア変遷」という観点だと思っているんですが、これまでの作品展開・歴史の違いもあって、アプローチの仕方がかなり真逆を行っていて、なんともオモシロいな、と思っています。結局、『ONE PIECE』は、No.1漫画作品として、ピコピコサウンド・映像、3Dダンス、共感を促す個人発信のメッセージといった文化を使って、作品として自己実現していくことは不可能なので。映画のラストのアクションシーンが、かなり漫画劇画調・墨絵風で描かれていたのが面白かったです。「勝負」じゃないんですが…「マウント合戦」しか出来ないんだな、と。それがよく分かりました。というわけで、今回の映画作品は、たぶん、元からの『ONE PIECE』ファンには大不評だと思います。「は?何コレ?」「なんで『ONE PIECE』でこんなもんやんなきゃいけないんだ?」って感想であふれかえると思います。「いらんやろ、これ以上のファンは」という天下の『ONE PIECE』が、わざわざ他の畑を荒らしに来てるような…、戦ったら絶対勝てる、「相手にしなくていいもの」を、わざわざ欲しがって、丁重に迎え入れているような作品なんで。もちろん、出し手は分かっててやってます。まぁ…ファンが思っているより、『ONE PIECE』は「他の畑」まで欲しがるような、貪欲な「海賊」なんだな、ってことだと思います。本当に、90年代後半からのジャンプ作家様たちは、「漫画家」と言うに留まらない…いや、逆ですね。「漫画」に生み出されたワールドが、全トレンドの支配者として、No.1でないと気が済まない。故に、漫画媒体以外の、畑違いの分野・メディアにまで手を出してきて、自分のワールドに引き寄せようとして来る…もしくは、マウントを取ろうとして来る。メディア最前線・トレンド最前線が体感できました。鑑賞しながら、尾田先生・『ONE PIECE』の想像を絶するあまりの貪欲さに、思わず笑ってしまいました。興味がある方は、是非、劇場で鑑賞してみてください。by姉
2022.08.07
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・・・はぁはぁ。とりあえず次の本誌発売までに間に合った・・・;駆け足すぎる超簡単本誌感想×2 参ります~!*以下単行本39巻収録分のネタバレ含みます。ご注意ください!*暁のヨナ 第227話「夜陰に蠢く」・「何が俺が面倒見るだ ふざけんな!! 私が戻ってどんな目に遭うと・・・」byメイニャンうん。このグロテスクさの辺りはあまり描写しない方向性で良いと思います!少女漫画!メイニャン、ヴァル将軍にだけはこーゆー適当な事言われたくないんだなぁ・・・と思いました。・「やばい・・・逃げるよ やばい奴がこの空都に入り込んでる 南戒の暗殺集団・・・ ドロモス・・・」byメイニャン強さと不気味さの演出方法がおかしい気が・・・;う~んコイツラは、雷獣さんとは別ベクトルの「本当に人間??」的な存在なのかなぁ?・(絶対帰りたくない 死にたくない だけどその前に ユンは守るんだ・・・!)byメイニャンどんな雷獣でも猛獣でも手懐ける心優しいユン君!!あんな高飛車な登場したメイニャンまで・・・(萌)!・「では貴方がメイニャンさんの青春のお相手?」byテトラ外野の大人のオネーサン、良い仕事しすぎて笑いましたw・ 「お前は 別にどうでもいいだろうけど 頼むから 静かに死なせてよ」 「どっちに転んでもめんどくさい女はお前の前から消えるから」byメイニャン「ヴァル将軍は基本的に メイニャンの身に起こることを、自分事としては捕らえてくれない。同僚として仲は良かったけど、そこまで大事に想ってはいない」メイニャンの認識は↑こんな感じだったんだろうな、と思います。・・・そんなことあるわけないじゃん!少女漫画ですよこの世界は!!しかしさりげなくヴァル将軍側に移動するホーちゃん可愛いな!!!・「脚だけならば切っても良いと殿下から仰せつかっております」byドロモス脚だけならば・・・、すごくやらしい条件ですね。愛情を一切感じません。暁のヨナ 第228話「離叛」・「こいつからは手を引いてもらえませんかね 俺らの事は忘れて下さい」byヴァル将軍ヴァル将軍!!少女漫画ヒーローとして花丸満点な台詞をありがとうございます!!・「代わりに連れてゆく 姫と交換だ 緋龍城まで来られよ・・・」byドロモス攫われるユン君!! もはや(ヨナ姫の代わりに)完全にお姫様ヒロイン扱いぃいいいい!!!ユン君を人質にとられては動かざるを得ませんね!これは「暁のヨナ」という作品の基本理念です!・「私と一緒にい いるってことでいいわけ!?」byメイニャン 「お前と一緒に生きる でいいよ」byヴァル将軍 「えっ ええ 求婚!?」byメイニャン速っっ!!!あんなにこじらせきっていたのに・・・光の速さでハクヨナがまだ見ぬ境地まで辿り着いたお二方であります。まぁ二人とも10代って訳でもないし、人生経験をそこそこ積んでいるからこそ!なんでしょうね。まだまだ問題課題ありまくりですが・・・とりあえずメイニャン、良かったね!・ドロモスの暗躍闇に紛れて、火龍城の衛兵達を討ち取っていくドロモス。怖いですね。ユン君が可哀想です。ヒューリさんがこんなに頼もしく見える日が来ようとは!・「それにここが焼け野原になったら ウォンが泣いちまうだろ」byオギさんオギさん、ウォンの事可愛がりすぎ 健気すぎ・・・;;・「メイニャンはユン君のお友達ですもの 私達ユン君へは絶対の信頼がありますの」byテトラ 「何者だ ユン君」byヴァル将軍若干15歳にして 高華の雷獣と緋龍王と伝説の四龍たちを手懐ける 天才美少年お母さんです!!ヴァル将軍、腹減りたちの代わりに助けてあげて下さいね・・・!・不穏な気配を感じ取るヨナ姫ヨナ姫、ずっと眠るハク様の傍に居たんでしょうか?(萌)また物語が動きそうで楽しみですね!ーでも雷獣さんはもう少し寝ていて欲しいなぁ! きっと動くんだろうけど!!次回も楽しみです♪by妹
2022.08.02
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Twitterで知りましたが、本日は許斐剛先生のお誕生日だそうですね。昨年の7月に、映画『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』の本予告映像を見て衝撃を受け、漫画原作を爆速で漁り、9月の公開以降劇場に総計21回通いつめ、BD発売以降は、毎週末に必ず鑑賞、なんならミュージカルシーンは毎日鑑賞、というとんでもない中毒症状に私(&妹)が見舞われているのですが、そんな状態に陥ってから、もうすぐ1年が経過してしまうということですね!…怖いですね!少年漫画感想『LADY COOL - RENTAL BODYGUARD -』(許斐剛先生、全2巻、2013-14、ジャンプLIVE)人の心を先読みする能力に長け、向き合った相手とラジカセで会話をする女性…レンタルボディーガードの「COOL」。ボディーガード依頼をするため、喫茶店『JAM』を訪れたのは、「命を狙われている」と言う少年・鼓太郎で…。許斐先生の初連載作・『COOL - RENTAL BODYGUARD -』の主人公を、「闘う女性」に変換して展開されている作品です。こちらですが、ジャンプLIVEという、現在のアプリ・ジャンプ+の前身アプリ雑誌での配信作品だそうです。ジャンプLIVEですが、2013年の初期初期にジャンプが初めて立ち上げたアプリ雑誌とのことで、Wikiを見る限り、紙雑誌ではできない、アプリならではの面白味・企画(動画等?)を盛り込んだ、かなり挑戦的な内容になっており、このジャンプLIVE創刊号で、本作『LADY COOL』の1巻にあたる連載が行われたようです。こういった条件の中で、許斐先生の仕掛けたのが本作ということですね。『許斐メソッド』と紹介されていましたが、とても面白い企画だと思います。・全8回で、4日おきに十数ページの更新を行う。・各話のラストで、A・Bの二つの選択肢が提示され、読者が投票を行う。 ⇒1日で投票を締め切り、多い方の選択肢に沿って次の話が展開する。この企画自体の概要を読んで、真っ先に思ったことが、「許斐先生自身が、自身の最も得意とする『構成』部分を当て込んだ企画だな」でした。私は、許斐剛先生の漫画作品の魅力は…もちろん、キャラクターセンスですとか、いろいろあるのですが、一番の強みは何か、を挙げるとしたら「構成・演出」だと思っています。どんなところに居ても、そこから限られた時間・リソースの中で、実現可能な表出の形に向けて一気に、「構成」できる。その中で、魅せるべきインパクトを「演出」できる。だからこそ、「テニスの王子様」についても、連載当初は想定していなかった、集団アイドルとしての作品展開に、あれほどまでに柔軟で発展性を持った形で、どんどん広がる展開が出来たのだと思います。ですので、掲載から「今後の展開の選択肢のアンケート」を取り、4日ペースで漫画作品の更新をする、というのは、もちろん、出し手としては超高等級の挑戦的な企画なのだと思いますが、私的には、「うん、許斐先生だったら出来るだろうね」というのが素直な印象でした。*以下、本編のあらすじの完全なるネタバレを含む感想です。本作品は、絶対に漫画作品として鑑賞した方が面白いです。未読の方はご注意ください。*◆LADY COOL 1について(2013年8月~)元の「COOL」の「青年・女子高生」という設定を、「女性・少年」に置き換え、出だしの話筋自体は、かなり元作に近い形で展開していきます。ただ。本作については、LIVEがLIVEであるが故の恐ろしさが、後半で大爆発炎上を起こし、言い表すのであれば、構成作品としては「事故作品」とも言えるようなとんでもないところに突っ走っていってしまいます。これがまた…その事故り方が、あまりにもクリエイティブで超オモシロいんですよ。第3話で、殺人事件の容疑者として、許斐先生を模したキャラクターが登場します。<キャラクター詳細>・名前:漫画家 越前たけし・「ラブミュ」として人気を博す「ラブラブ王子様」の作者・女性ファンにキャーキャー言われている<キャラクター発展>・ラブプリ音楽プロデューサー松井氏と、暴露本の件でトラブルになり、彼を殺害・COOLたち主役主体に追い詰められ、鼓太郎くんを人質にして逃亡。・超早業で整形・外国人タケシ・クロフォードとして生まれ変わる・心も外国人になったのか、突如会話の中で英語を使い始める・捨て台詞が、ONE PIECEのゴールド・ロジャー級に名セリフ「俺は天才漫画家 越前たけし!!無限の輝き!無二の個性派貴様ごときに奪われる安い命ではないわ!!」はっきり言って、「LADY COOL1」については、許斐先生作品では初の試み・女性主役のCOOLや、作品としての構成云々の話はすっ飛び、ひたすら越前たけしの暴走と、彼に作品が乗っ取られていく様を楽しむものになります。◆LADY COOL 2について(2013年12月~)舞台は沖縄。「超人気アイドル」のボディーガード依頼を請け負ったCOOLだが、その対象は子豚で…。2回目の本作について、やり方は前回と全く同じです。ただ、1回目は当初やろうとしていたことが出来なかった(越前たけしに乗っ取られた)ので、そこをやり直す…「最初にやろうとしたことをやり切る」点に注力している印象です。こちらの作品は、企画に対しては大成功な仕上がりだと思います。・許斐先生の物語構成力・演出力がいかんなく発揮されている・シチュエーションが、陸地~海中・海上、昼~夜とバリエーションに富んでおり、 1冊の漫画作品として、読み応えがあり、満足感が高いそもそも、各話毎に設定される、読者に選択を委ねる「分岐」も、その選択肢自体、第1回目よりかなり恣意的なものになっています。その2つを提示されれば、おおよそどちらが選ばれるかは想像できたり、(たいてい刺激的な方)あるいは、どちらを選んでも大筋はそうも変えずに、進められるようなものです。読者に「選ばせてる」ようで、話筋自体は安定している印象です。これだけ、読み物としての面白さのある作品ですので、逆に、画面の「薄さ」が気になってしまうくらいです。このLADY COOLの画面は、基本、鉛筆画をラフなデジタルカラー処理したものです。アプリ配信である点を考え、カラーは維持しつつ、基本作画作業時間が3日間しかない点を考慮し、この形にしたということが1巻のコメントで記載されていました。この「LADY COOL2」については、先ほども言ったようにシチュエーションも多様で、「もっとしっかりした画面で読みたいな」と思いました。(1の時より、ずっと画面も安定しているのですが、この話筋を魅力的に読ませようと思ったら、このレベル感だと勿体ないな、ってニュアンスです。)◆LADY COOLの企画全般、メディア変遷について結局、この「LADY COOL」ですが、「ジャンプLIVE」自体がコンテンツ量で飽和状態となり、第3号の発行に至らず、「ジャンプ+」アプリ立ち上げへ向かったそうです。それに伴い…だと思いますが、「LADY COOL」も2巻までの発刊で続編は今のところありません。おそらくですが、この「LADY COOL」を出すまでの2013~2014年頭頃までは、許斐先生はテニプリ以外の、新規連載作品を世に出すことを画策されていたのではないかと思っています。この「LADY COOL」の企画終了後、だと思いますが、2014年の段階で「新テニスの王子様」の展開を大きく動かし、(リョーマくんの日本合宿離脱&アメリカ代表入り、世界大会編の開始)このタイミングで、新規作品(テニプリ以外の作品)の企画立ち上げは断念(見送り?)されている、と勝手に認識しています。「テニスの王子様」に絞った、というか。この「LADY COOL」と連動した「テニスの王子様」本編の動きに関しては、時代の変遷という点で観ても、とても面白いところだな、と思っています。そもそも、ジャンプがアプリ雑誌を発刊するという試みをしたことからも分かるように、個人向け携帯端末のスマホ・タブレット移行とともに、電子書籍化が大きく進んでいるのが、この頃、2013~14年頃のようです。要は、メディアの一大変革期ですね。更に掘り下げると、「テニスの王子様」に関しては、作品の年表を見る限り…多分なのですが、2015年初め頃に最後のDSソフトを発売した後、メディアミックスの一大スポンサーだったコナミが撤退していることが見受けられます。ゲーム文化については全然知識がないのですが、これも従来のパッケージ販売から、アプリゲーム…ソシャゲ?へのメディア転換という流れもあった上でのことなんじゃないかな、と想像しています。↑こういったメディア変遷の流れの中で、「テニスの王子様」がいったん、いち時代、2000年代から続いた、第一線でのメディア展開の形・スキームを終えた、というか。このタイミングで、ひとまず「LADY COOL」でアプリに漫画作品を掲載することも試験的にやってみた許斐先生が、新しいメディア…新しい、電子書籍や様々なアプリ文化に展開させていく作品として注力したくなったのは、「新しい企画作品」ではなくて、「テニスの王子様」であり、まだまだ満足いくまで描き切れていない、愛すべきキャラクターたちだったんじゃないかな、と思っています。◆越前たけしについてここまで「LADY COOL」について、メディア変遷がどうこうと、小難しく語って来ましたし、それはそれで大きな流れとして、当然あると思っています。また、そもそも漫画作品として非常に高度な試みで、レジェンド作家様の自己研磨の仕掛け方も、よくよく観察できます。素晴らしいと思います。…ただ、何が一番心に残ったかって…当然のごとく、越前たけし一択です。最初はそれこそ、こんなに暴走させるつもりも全然なかったと思うんですよ。それが、蓋を開けたらLIVE感の中で超暴走し出して…許斐先生ご自身が抱え込んでいたであろうフラストレーションをぶちまけて来ました。「LADY COOL 1」を読み終わった感想は、一言でした。許斐先生、完全に「ラブラブ王子様」の作者演るのに疲れてるじゃん。ファンに「幻滅」され、終いには、整形して別人になろうとしてまして…。これは、本当にご本人も描いてみて、びっくりしたんじゃないかと思うんです。「なんだコイツ」って。「越前」ってつけちゃったのもそれに拍車をかけた…というか、リョーマくんのフラストレーションも乗っかって来たのかな、と。いや、許斐先生は女性向けコンテンツの始祖みたいになってますけど、もともと「鉄人~世界一固い男~」とかでデビューされた方ですから。おそらく、ご本人が一番好きなのは、男らし~い、古風でベターなゲッテゲテの少年・青年王道作品なので。基本的に、気質もやろうとして仕掛けたことも、明らかに「女性向けコンテンツ」ではない作家様だと思っています。ただ、「SLAM DUNK」「ONE PIECE」という大人気王道少年漫画と比較される立ち位置で仕掛ける連載作品として、そことの差別化もあって、「越前リョーマ」「王子様」を前面に押し出したし、それが見事にはまって、大成功を収めた、というか。そこから更に、構成の鬼であり、ファンサービス精神の塊だったために、行った先でどんどん求められるものを形にしちゃうというか、できちゃって、気づいたら、立ってたのがココ、というか。(もともとの気質じゃない方がやってるアイドル展開だからこそ、「創造的」「分析的」「柔軟」で、毒々しくて面白いんだと思うんですけどね。)ただ、やっぱり「自身の気質を出せない」中での創作…それも、数年という期間ではない、十数年に渡る創作活動というのは、並大抵の精神力ではできませんし、どれほどセルフメンテナンスが優れた方であっても、どうしてもフラストレーションは蓄積すると思います。この「LADY COOL」を出して、なぜか「越前たけし」が暴走して、許斐先生も、改めてご自身(&リョーマ君)のフラストレーションが極限まで来ているのを自覚されたのかな、と思って読みました。こんな観点↑で読んでも、超絶面白い作品です。『LADY COOL - RENTAL BODYGUARD -』…2021年公開の映画『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』が出て来るに至るメディア変遷という大きな流れや、許斐先生自身の心情を想像することができる、非常に興味深い作品だと思います!興味のある、漫画好きの方は、是非!by姉
2022.06.26
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簡単にですが本誌感想参ります~!暁のヨナ 第226話「やさしい夜明け」*以下単行本39巻収録分のネタバレ含みます。ご注意ください!*・「ハク 起きて 行こ」byヨナ姫えっ 女神・・・???今回はもう・・・初っぱなから草凪先生渾身のヨナ姫作画の麗しさに目が潰れました。(表現がおかしい)・「・・・いや 夢じゃない それはやばい・・・」byハク様ーえ?「それはやばい」て何? え。キスなら今までも散々やらかしてたじゃん え え何まさか読者の目の届かない所で、キス以上のことしでかしたりしてたり?? え???と一瞬思いましたが、多分「(キス以上の事を)しでかしそうになってヨナ姫に窘められた自分」の事なんでしょうね。・水の音はもう聞こえない 綺麗だな・・・ byハク様今回のシーンは「死にかけてから、ちょっと回復してヨナ姫と2人きりになるシーン」ということで、3巻の目を覚ましてからのシーンと対比的に描いてあるのかな、と思ってます。あの時も「悪くないでしょこうゆうのも」と微笑むヨナ姫が印象的に描かれていました。ハク様にとって、ヨナ姫が微笑んでる世界は・・・5割増しで輝きはじめるんじゃないかな、と。最近ハク様のスウォン様への矢印ばっかり強調されてたので、正直「この野郎・・・!」と思ってた節がありまして・・・;;極限状態では思い出しもしなかったけど、心が落ち着けばちゃんとヨナ姫の事を必要としてくれていたので良かったなぁ!ーと。(何を言ってるんだろう私は;)しかし今までハク様はヨナ姫の事「可愛い」と認識していたはずですが、「綺麗」になったんだなぁ。少女じゃなくて女性になっていってるんだなぁ・・・!・「ハク様 顔色が悪いです」byミンス 「え 別に 普通です」byハク様そらそうよ絶対安静!!!・「見よ 大刀を鍛え直しておいたぞ そなたは絶対に戻ると信じてここまで持ってきたのだ」byキジャさんキジャさん、ポジティブ&有能の塊ですね! いつか姉も言ってましたが、本当に「組織に欲しい逸材NO.1」だと思います!!・「・・・ユンが 頑張って手に入れたんだ 礼はユンに言ってくれ」byハク様ハク様、貴方さぁ・・・; まぁ自分でもつかみ切れていない感情は、気持ちの整理に時間がかかりますよね。うん。・「ハクがいなくなってユンが一番泣いてたものね」byヨナ姫ヨナ姫、貴女もさぁ・・・;; まぁこーやって色んな局面を乗り越えて来たお姫様ですからね; ハク様ときめかないで;;・高華国軍勝利! しかし停戦交渉が行われる事は無く・・・勝ったようです。しかし更なる襲撃に備え、金州から離れることが出来ない、と。ふむ。スウォン様や雷獣さんあたりのヤバイ病人&怪我人だけは先に城に帰還させても良いのでは・・・と思わなくもないですが。うん。スウォン様の背中が小さくなっちゃって もう・・・;;はやりここはハク様が優しく話聞いてあげるしかないのでは!(←オイ)・ユン君&メイニャン&ヒューリさん でお出かけ♡一報の緋龍城サイド。やっぱりユン君&メイニャンのコンビ良いですねぇ!ヒューリさん、戦場に赴く陛下にこそ付いていかなきゃだったんじゃ・・・? まぁいいんですが。。そして街中でもびっくりするくらい堂々と尾行しててそれで良いのかw・「ねぇこれからオギの所へ行くの ユンも行かない?」リリ様リリ様お久しぶり!やっぱりまだ空都に居たんですねぇ!小まめに情報収集している様子。ホント出来る女ですよね!・「私チャゴル殿下の側室になっちゃいそうなんだけど」「へえ・・・・・・」「どう思う?お前がやめとけって言うなら」「おめでとうございます」byメイニャン&ヴァルああ・・・メイニャン、ヴァル将軍とはそーゆー・・・(頭抱え)でもメイニャンさん、言い方がちょっと素直じゃなさすぎるっていうか。だってヴァル側の回想だと「上り詰めてやるぜ!」ってノリノリで側室になった感じに捕らえられてましたよ・・・もうちょっと本人に伝わる言い方してれば、絶対違うリアクションしてくれましたよ きっと。うん、今後に期待!・(もう駄目もう連れて行かない でもまあ発作もないし そんなに楽しかったなら良かった)byユン君ユンきゅん・・・!!15歳男子があまりに優しすぎ&人間出来過ぎててもう!(号泣)・「私はこっちで幸せに暮らしてるし邪魔しないで!!私は死んだって殿下に伝えて!!」byメイニャン「だが俺も手ぶらでは帰れない お前を南戒に連れて帰る」byヴァル将軍メイニャン・・・だからもうちょっと素直にですね・・・ まぁ「よりにもよって何故お前が!」とカッとなっちゃう気持ちは分かりますが。。え~・・・ヴァル将軍、どーゆ状況だったけ・・・と36巻を復習しましたが、成程 一人で来たわけじゃなくて「チャゴル殿下配下の暗殺集団:ドロモス」と一緒に来てたんでしたね。これは中々自由に動けませんね。ふむ。・・・ただヴァル将軍、メイニャンの血統や緋の病に関しては知らない感じなんですよね。うん。他の将軍にも「メイニャンを一番大事に出来る」と評されてましたし、今後の活躍に期待です!次回も楽しみです♪by妹
2022.06.20
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少年漫画感想『SPY×FAMILY』(既刊9巻以下続刊、遠藤達哉先生、集英社、少年ジャンプ+)東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)の二国間では、仮の平和が維持されていたが、その内々では熾烈な情報戦が繰り広げられていた。西国一の凄腕スパイ・コードネーム「黄昏」に、あるミッションが下された。東国・国家統一党総裁デズモンドの動き・真意を探るべく、疑似家族を作り、彼の息子が通う予定の名門・イーデン校へ子どもを通わせ、保護者の懇親会の場で取り入ること。差し迫る入学試験に向け、彼が急ごしらえで作った疑似家族…孤児院から引き取った娘・アーニャは、人の心が読める超能力者、世間体を気にして偽装夫婦設定に乗って来た妻・ヨルは、殺し屋だった。かくして、スパイ×殺し屋×超能力者という、一風変わった嘘だらけの疑似家族が誕生し、名門校のお受験に挑むことになったが…。既刊9巻で、私の購入したコミックスには1800万部の文字が躍っていましたので、単巻200万部という単純計算なわけで…凄いですね。アニメ化され、爆発的に売れているジャンプ作品、という認識で、電子書籍の1巻無料を立ち読みし、「もうこれは…!」と思い、すぐに既刊コミックを買いそろえました。もう、文句なしに面白いです。文句なしに、というか、読んだ最初に出て来た言葉は、「なんだこの漫画、カワイくないな」でした。漫画作品として、全方位に対して「落ち」がなさ過ぎる。まず第一に、企画として。一応、「少年ジャンプ+」配信連載とのことで、ジャンルとしては「少年漫画」なんだと思いますが、基本的には「少年漫画」が大好きな大人読者が大喜びする作品だと思います。ものすごく正しい、大人向けの「少年漫画」というか。「『家族』を頑張って作る」「演じる」ことを、「ミッションをこなす」と表現する。別の仕事をこなしながらも、「家族サービス」や「奥さん・子どものご機嫌とり」を頑張ってやる、という身近に想像しやすい事象が「カッコよく、仕事として」描かれています。奥さんも別の仕事をこなしていて、夫婦がそれぞれ別の世界を持ちながら、ひとつの「家庭」を全うしようと一生懸命になっているというのも、感性が非常に現代的ですし、それがこれほどエンタメとして気持ちよく読める形にまとまっていますので、これは面白いわ…!と思います。そして「お話が作れる」と同義ではありますが、キャラクターの設定が、いちいち上手い。柔軟。登場してくるキャラクター、それぞれ唸りながら読んでいるですが、まずはとにかく、娘・アーニャちゃんの「心が読める」設定です。「嘘・偽り」だらけの家庭の中で、この子だけがすべての世界についていけてる…話回しの中心が、いつもこの子のわけではないのですが、全部の状況に、この子が主体的に絡んでいくことができます。父・母や、学校生活の同級生たち…ダミアンくんが特にそうですが、それぞれが「別の」世界の中で信念を持って頑張っていることが、否応なしに拾えてしまう娘ですので。この娘なりに、一生懸命周囲の人たちに気を使って立ち回ろうとする姿が健気ですし、こんなに「頑張ってる部分」を拾ってくれる娘、絶対に大事にしなきゃだよ!と思います。この娘の存在が、疑似家族の象徴であり、この娘を守る、大事にする…「フォージャー家」といういち家族に集約していく感情が、大きな話で、東西平和に向かう原動力になっていくんだろうな、というところまで、出だしの段階からきちんと期待できるように描かれています。話に関しては、上述して来たような「設定」という仕掛けあってのものですが、1エピソード毎の読み応え・満足感も素晴らしいです。基本、1話が二十数ページなのかな?と思いますが、(アクションシーンの過多で増ページになる場合もあり)毎話、どこに焦点を置いても、必要な要素を選定して、パパパっと話筋を構築できてしまうんだろうな、というのがよくよく見て取れます。また、話回しのためのエピソード作りも、脚本が本業なのかと勘違いするほどに柔軟です。個人的に感動したのが、コミック2巻収録の番外編。作者様のコメントがついていましたが、週刊少年ジャンプ本誌への出張番外編だそうなので、作品の魅力を分かりやすく盛り込んだ、「自己紹介」的な1話です。フォージャー家が水族館に行くのですが、そこでスパイとしての別ミッションに後付けでアサインされてしまい、家族サービスと別ミッションの同時遂行に奮闘する父と、それを援護しようとするアーニャちゃんの活躍が主に描かれています。「ペンギンの選別」というエピソードですとか…なんて上手なんだと思って。超高度な洞察力・技術が必要であることが分かる且つ、作品のほんわかした部分をきちんと織り込んだ、見事に、この作品の「面白い部分」やスタンスが、分かりやすーくまとまっています。いや、「自己紹介」を三十数ページでしろ、と言われて、ポーンと、この満足感を持った完璧な形で打ち返せるような漫画家、めったに居ませんから。キャラクター立てや各描写も、みんな「頑張ってる部分」「気遣い」がきちんと拾えるようになっていて、大人から子供、更には動物まで、いちいち好きになれます。その上で…その上で、というか、こっち方が作家様の強みとして先に立っているのかもしれませんが、絵が上手すぎます。キャラクターの動作・表情、アクションシーンも「上手い」…というのも言葉として安っぽいレベルで上手い。なんでこんなに自由自在に描けるんだ…と。また、漫画画面としてのクオリティが高すぎる上、漫画表現…漫画的な演出できちんと魅せてくれるものですから…まぁ…もう、あまりにも「落ち」がないです。圧倒的な安心感・安定感。冒頭に繋がりますが、あまりにも漫画作品として出来過ぎてて、最初の感想が「なんだこの漫画、カワイくないな」になりました。作者の遠藤達哉先生…存じ上げない作家様でしたので、どんな方なんだろう?とWikiを覗いてみましたが、なるほど。2000年、ストーリーキング出身の現在41歳…なるほど。デビュー自体は、銀魂の空知先生(2002年)より前ですね。実年齢は、遠藤先生のがひとつ下かな?その後、主にはジャンプSQで、ご自身で数作の連載もされていましたが、おそらく、アシスタントとして、雑誌内の主要作家陣営のなかをぐるぐると回られていた…編集者たちから引く手数多の、スーパープロアシとして活躍されていたのかな?と受け取りました。…なるほど。すごく納得!!!良かった…これ、「20代の新人作家が出して来た作品だ」とか言われた日には、「この作家、人生何周目?短期間で、全方位の技術がこんな風に洗練出来るわけないんだけど!?」とか思うところだった…。遠藤先生の経歴を見て、ヒーロー・黄昏さんの、「信頼を勝ち得た組織人」としての描写に説得力があるのもよく分かるな…と。また、作風と画面・話回しの満足感から、明らかに「SQ」の作家様だよな、と思って読み進めており、なんで「アプリ配信なんだろう?」と不思議に思っていた点も、しっくり来ました。30代前半で立ち上げる企画でしたら、SQ掲載が自然の流れだったのかもしれませんが、40代を見越した中で、「アプリ配信」という選択肢が…非常に妥当というか。やはり、週刊・隔週・月刊の固定ページペースの連載は、限界を超えた体力勝負だと思います。目標とする更新サイクルはありつつ、でも頻度・ページ数に自由度を持たせることが出来る「アプリ配信」は、完成度を保持した上で、連載作を掲載することができる作家様の裾野を大きく広げていると思っています。いち漫画好きとしましては、大・歓・迎です。話が脱線しますが、小学生の頃から大好きだった90年代の「なかよし」主要作家陣が、2000年代に入り、(雑誌の方向転換・新陳代謝方針も受けてのことでしたが)本誌への掲載が出来なくなったり、雑誌連載ペースでの原稿アップが難しくなり、(表立っての)創作活動から身を退いてしまうのを見て来まして。今ならっ…!今の電子配信がある状況だったら、大好きな作家様たちの作品を、もっと読むことが出来てただろうな、と思うんです。今回、「アプリ配信」という新たな形式の掲載場所を用意することで、前に大きなヒット作を出しているわけではない状態で40近くになった、でもものすごい技術を持った作家様が、こうして大風呂敷を広げ、作り込んだ連載企画を立ち上げ、しっかり数千万部レベルの爆売れ連載作品を走らせることができたというのは、「流石、ジャンプ!懐広いぜ!最先端!!」というか。漫画媒体の可能性がまだまだ無限にあることを、知らしめているな、と思いました。SPY×FAMILY…この先も、満足度の高い展開をどんどんしてくれそうな期待感が、とてもとてもあります。どこまでも「家族」に集約して行って欲しい!その過程で、フォージャー一家に「東西平和」まで勝ち取って欲しい!今後も、是非追いかけていきたいと思います。by姉
2022.06.07
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あぁぁあぁあ"~~ああ~~~っっ付録の複製原画セット最高でしたね!チョイスがあまりにも草凪先生セレクトで笑顔になりました。225話は発売以降、普段よりアクセス数が1.5割増しになっておりまして・・・それなのにたいへん遅くなり申し訳ありませんでした;;同じようなこと言ってるだけですが、本誌感想参ります~!*以下単行本39巻収録分のネタバレ含みます。ご注意ください!*暁のヨナ 第225話「息を吐く」・扉絵!シンア君!めちゃくちゃ良くないですか今回の扉絵!良い表情するなぁ!今までのシンア君のイラストの中で一番好きかも。ぷきゅも嬉しそう。ファンタジックな紫陽花が、シンア君によく似合ってますv・カジ将軍とソノン&ランラン親子はどうなったのかなぁ・・・え~ 先に言っておかないと忘れそうなのでここで。愛すべきキャラたちなので、正直安否が心配です。いや大丈夫だとは思ってるんですが、特にカジ将軍の方は前回 我を忘れた雷獣さんに追いかけられてたので一抹の不安がですね・・・流石に大丈夫だとは思ってるんですけど ハイ。・「緋の病は消えていない・・・ でも あの瞬間 痛みを忘れた」 「熱い・・・ 生きていた・・・」byスウォンだからいちいち表情&台詞がヤバイんですよヨナ姫そっちのけで何やってるんだもう何なんだ貴方達は(怒)!!!ーまぁ、もうここに関してはもう・・・ うん。この物語の核ですので仕方ないですね。ハク様が命懸けで届けた千樹草、病(呪い)を打ち消す程の力はないけど、痛みを和らげる事は出来た模様。ハク様良かったね。「ハク様生存」を知ったスウォン様のリアクションが、今回一番の注目所だと思います。ーハク様生きてたね!戻ってきましたね! どうですか今の心境は?嬉しい?悔しい?それとも・・・?自分の感情とちゃんと向き合って下さいね!!・「ヨナ・・・! 息はある 生きてます」byスウォンなんだか凄く嬉しくなりました。ヨナ姫を安心させようと素が出ちゃってる感じで・・・なんか良いですよスウォン様。その調子でいきましょう。・「ハクが元気になったらハクと一緒に飲もうよ めちゃくちゃ美味しい酒じゃないですか それ たまらないなぁ」byジェハ兄さん四龍たちがワチャワチャしてるだけで癒やされます!特にジェハ兄さんは助けられなかったという罪悪感もあったでしょうから・・・良かったねぇ!・「これはヨナ姫 何をしておいでで?」byジュンキ将軍お前かよ!!!いやスミマセン。そこは漫画的にスウォン様とかミンスかと思ったのでビックリしちゃって;リリちゃん今どこにいるのかな?もうすぐ出てくる気がしますね。ーしかし袋2つ背負ったヨナ姫 格好良いですよね。・「水が・・・来る・・・ 早く・・・村の奴らに・・・ ユンに伝えねぇと・・・」by顔面蒼白ハク様なんでこんな"クマに遭遇した"みたいな演出なんですか。そしてハク様がまだヨナ姫の方を見てくれない衝撃。ハク様、あまりにも分かりやすく弱ってますね;;ずっと極限状態でしたから・・・やっとホッと出来たからこその反動なんでしょうね。21巻のヨナ姫と同じというか。草凪先生らしい描写だなぁ!と感じました。「早くしないと また俺は誰も守れねぇ・・・」そしてこの台詞ですよ。はぁ。「怖い 死ぬかもしれない助けてくれ」じゃないんですよね。心の底からこーゆー男なんですよコイツは。本当に難儀な男です。。・「大丈夫 もう大丈夫・・・!! ハクは皆を守ったよ!」byヨナ姫「皆無事だ 私も無事だ 千樹草も無事だ」・・・なんて適確な対応だろう!と思います。だってこの姫、ハク様が一言も口に出してない「千樹草(スウォン様)」にまで言及したんですよ。いやぁ・・・ハク様が「全部守りたい性分なんだ」と十二分に理解してるからこその台詞でした。そして漸く・・・漸くここでハク様がヨナ姫をしっかり認識してくれました・・・TT・「物置きみたいね 雨やどりさせてもらお」byヨナ姫ちょっと待てぃィェァァアアァア"ア"!!いきなり来たなオイ ちょっ(動揺のあまり部屋を3周して深呼吸) 姫様イケナイこのシチュはマズイ(少女漫画的に)!!ーイヤでもよく考えたら連載開始から既に13年弱の時を経ている・・・そりゃ少女だって結婚適齢期の女性になるよね! 姫様、もうわざとやってるのかもしれないね!イヤまだ16歳だって言ってるだろ!!(混乱中)ーというわけで、両想いになってから一緒に居れなかったハク&ヨナの・・・そして血みどろ展開に堪え忍んできた少女漫画読者の積もり積もった鬱憤を吹き飛ばすような特大らぶらぶシーンでございました。なんかもう「何回目のちゅーだ!」とかそーゆー次元ではなくなってきましたね。知らぬは腹減り御一行ばかり・・・(いやもう察してるかもな;)胸キュンっていうかもはやエr・・・いや是非その瞳で確認してくださいませ。ご馳走様でございました。。・「ハクがいなくて・・・苦しかったのに 目の前にいても・・・」「・・・いても?」 「・・・・・・俺もあんたの事考えると苦しいけど 目の前にいると・・・」「・・・いると?」相手に言わせようとするハクヨナちゃん。両者タチが悪い!でも文脈的には真逆な言葉なのが面白いです。・(あれ ハクの震えが止まってる 私は少しでも ハクの不安を取り除けている・・・? 守りたい また いつか隣を歩きたいの)byヨナ姫キス以上は許さないけど、自分からは抱きつきにいくヨナ姫。主導権は渡しません! 流石です。最後に、ちょっと真面目に。今まで散々語ってきた部分ではありますが・・・今回は「ハクヨナの辿り着くべき恋愛関係像」を定義するお話だったかな、と。ヨナ姫は、ハク様を守りたい&ずっと一緒に生きていきたい娘 です。ハク様は、ヨナ姫に甘えるとめちゃくちゃ元気出る&生きていける男 なんです。ここは、3巻の谷底のシーン以降ず~~~っと丁寧に丁寧に描かれ続けてきた部分です。ハク様がちょくちょくヨナ姫にちょっかい出すシーン。初期では読者から「作中唯一のラブ要素&ハク様の哀れな片想い」と言われていましたが、これは基本的にハク様が「元気ださなきゃ&頑張らなきゃ」と思った場面になります。この男は一貫して、絶対「ヨナ姫との関係性を変えよう」とはしませんでした。ヨナ姫は、3巻以降とにかく「ハクを生かしたい」と行動してきました。ただまさかハク様が自分に恋愛感情を持っているなんて微塵も思っていないので・・・(ハク様が全力で隠してましたからね)自分に出来る事として考えたのが、「スウォンのように聡明な、ハクが仕えるに値する姫になって引っ張っていく」「武器を覚えて物理的にハクを守る」でした。ただこの方向性は16巻&17巻で完全に行き詰まります。無理なモノは無理なんです。17巻のハク様の台詞「あんたが・・・それを負う必要はない・・・」「足手纏いです」は本当にショックな言葉でした。今までのヨナ姫の頑張り完全否定かよ!!ーと。でもそれと同時に「ヨナ姫の頬にキスをして元気出すハク様」が描写されました。ヨナ姫が(直感的にですが)ハク様との恋愛・結婚という方面に活路を見出したのは、まさしくココだと思ってます。そこからのヨナ姫は凄かったですよね。19巻で読者に「恋愛ルート行ってみます」宣言。21巻で「やっぱり恋愛という形に帰結するしかない」と確信したのか、20巻代通してハク様に「関係を変えよう」とアプローチしまくってました。本当に丁寧に描かれ続けてきた「ハクヨナの辿り着くべき恋愛関係像」ざっくり言うと「献身的な女性×仕事人間の男性」という凄く古風な夫婦像かなーと思ってますが・・・でもこれ、最初に定義された「姫×従者」とは真逆の形だったりするんですよね。そこが暁のヨナの一番面白い所だと・・・-うだうだ長すぎるんですよ私の感想(オタク語り)は!!まとまらなない内に次の号が発売されちゃいましたよもぉぉおおお(怒)!!・・・はぁはぁ。226話も最高でした・・・ゆるゆると感想書きます。。by妹
2022.06.05
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言いたいことは本誌感想で既に書いているので、ものすごく簡単に。暁のヨナ38巻 感想(姉編)37巻から、戦続きですね。今巻・38巻も南戒との戦がガッツリ描かれていました。個人的な注目どころ↓・37・38巻連動の、表紙のハクヨナ!37巻の表紙も、思ったよりも疲労を蓄積して、思考力の削いだハク様だな、とわりと驚いていたのですが、38巻の表紙のヨナ姫も、思ったよりも「あぁん?」と目力のあるヨナ姫で、これまた驚きました。最近、よく思うのですが、長寿漫画作品で、設定上は主人公たちの年齢が上がらずにずっと続いてる作品に関して、でも、やっぱり…描いてる作家も、読んでる読者も、何より、作品の中でずっと一生懸命闘ったり、生活してたりするキャラクターたちも、みんな年月を蓄積していってるな…と思います。ヨナも然りで。設定上の年齢が上がらないことで、連載が10年20年を経ても、キャラクターたちの未来への可能性が、可能性のまま在り続けるところはザ・ファンタジーというか、ザ・フィクションなのですが、でも、感情とともに、年月は積み重ねているなぁ、と。要は今回の2人の表情見て、「社会人(サラリーマンとOL)の風格あるな」と思いました。・四龍の活躍!4人ともにそれぞれ魅せ場があったのが嬉しかったです。特に、シンア君がずっと、自身の能力を活かしてなんとかハク様を探そうとしていたところがグッと来ました。・グンテ将軍ようやく、このキャラクターの発言で、否定の気持ちなく素直に受け取れるものが出て来たなぁ…丸くなったなぁ…と思いました。私は、グンテ将軍とジュド将軍の2人のキャラクターの作り込みに関しては、少女漫画作品としては類を見ない部分で作り込まれており、語りがいがあると思っています。・トップ陣が目視できるところに来るまで、南戒大軍勢の動きも、高華国本軍の動きも把握できない高華国軍(ジュド将軍)いや、暁のヨナの戦描写に関しては…常々、目を細めて鑑賞しているのですが…流石にちょっと…そろそろ仕事しろよトップ陣&参謀と思いました。それにしても、暁のヨナワールドの武闘派たちは、石投げが好きですね…。・冷静に盤上を見ようとするけど、箱が捨てきれないスウォン様スウォン様というキャラクターについては、作品冒頭から、あまりに「人物像」が出来上がり過ぎている…というか、ちょっとやそっとじゃ崩すことが不可能なほどに、「感情」から作り過ぎてるというか。このキャラクターが動くところから物語が始まっていますので。とにかく、設定のすべてにおいて、その「感情・動機」のために構築してあるキャラクターだと思っています。…「個人感情」です。基本的に、この作品の根幹にあるスウォン様の動機については、歯に衣着せぬ出し方をした際には、読者の相当数に、「そんなことで」と言われるものである、と私&妹の間では予想しています。特に、少女漫画文化から遠い感性の読者であるほど…「暁のヨナ」に関して「大河性」を求めている方ですとか、あとは、海外の方ですとか…。私は、基本的に白泉社少女漫画脳の読者ですので、元々描こうとしていたスウォン様像(動機)…かなりエゴイスティックで個人的な感情に帰結するものだと思っていますが、その繊細に作り込んだ「個人感情」を壮大なドラマの核心に据えることこそ、まさしく「少女漫画」の作りの真骨頂であり、本作品の一番の魅力だと思っています。ただ、この作り込みの凄さが通じるのは、やはり「少女漫画」の作りに慣れ親しんだ読者…「だけ」とは言いませんが、現状のヨナ読者層の全員に通じる感性ではないと思っています。アニメ化後、作品の(読者範囲の)規模拡大を考慮し、草凪先生の方で、スウォン様の描き方についてはかなり配慮…というか、言ってしまうとかなりの設定変更・後付け設定を付け加えて、読者の期待するスウォン様像(動機)と、ギャップの少ないように描写しようと、そこに相当苦心されているな、と感じています。過去編における、イル王の「信仰心の厚い」描写ですとか、あとは、「緋の病」設定とかですね。正直、草凪先生が今後、どこまで変更を加えた形で、この部分を描こうとされているのか、匙加減をどうするのか、という部分は、出て来たものを見て、「なるほど」と納得していくしかないな、と思っています。38巻の描写を見て、「今後、この部分がどんな描写になったとしても、仕方がないな」と覚悟しました。「動機」の核心の核心にある「個人感情」については、「描かない」という選択肢はないだろうとは思ってはいますが…。・ハク様、南戒軍の中から高華国軍を援護だから、こいつは一体何者なんでしょう…。妹が、大昔のヨナ語り記事で、「実体が掴めない」という意を込めて、「カメレオン」と記していたような気がしますが…こいつは何者なんでしょうかね…。本誌展開(39巻収録)もなかなか怒涛な展開が続いています。コミック40巻到達間近…今後も、草凪先生の(自身で仕掛けたものに対する)闘いを見守っていきたいと思います。by姉
2022.05.29
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突然ですが「自己満足アクリルグッズ作りました記事その4」です~♪春のハクヨナアクリルブロック作りました。ポストカードサイズです♪色々作れる「cornerprinting」さんで、プレゼント用の刺繍ポーチを作った際に一緒にお願いしました。これ、ずっと作ってみたかったのです!この絵は数年前に花とゆめ本誌&Twitter企画の「暁のヨナファンアートグランプリ」で準賞をいただいたもので、思い入れがありましたので^^2cm弱の厚みのアクリル。存在感があります! 嬉しいです!こちらはかなり前に作っていたものですが・・・「小さな贈り物アクリルキーホルダー」です! 原作110話が好きすぎて作りました・・・v姉からは「今までで一番イっちゃってるオタクの所行で良い」と褒められました!(←褒め言葉と認知した)本体はネストグラフィックさん(色がめちゃくちゃ綺麗!)、下の青金石チャームはYousei印刷さん(アクリルの種類が豊富)のアクリルカットに自分で着色しました・・・~^^また萌えにまかせて自己満足ヨナアクリルグッズ作りたいですね~。それでは。by妹
2022.05.14
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いやぁ…唸りました。そして絶望しました。暁のヨナ 第224話「限界を超えて」感想(姉編)戒軍内部に紛れていたハクや四龍たちの活躍により、統率が崩れ、撤退し出す戒軍。満身創痍で倒れ込んでいたハクは、「戦終了」の報を聞いた瞬間、突如として立ち上がり…。コミック4冊分くらい…でしょうか。「南戒編」というのか分かりませんが、やって来たことが、見事に集約する名シーンでしたね!いやぁ…ホント、「ココに集約するか!」と、草凪みずほ節大爆発で唸りました。絶望です!!過去記事でも、何度も書いて来ているのですが、私は、草凪みずほ先生は「動機の神」だと思っています。キャラクターが動き出す「動機」のために設定・キャラクター配置、話回しのすべてがある、と思って読んでいます。過去の感想記事で、ハク様についてつらつらと見解を語って来ていました。◆暁のヨナ32巻・感想&ハク様の行動について(姉編) 記事このキャラクターは、「自分の感情」や「エゴ」では動きません。上記説明文で、赤字にした部分には、個人感情やエゴが絡んでいると思います。ただそれも、「現状についての総合的な判断」が前提にあった上で、最終的に行動を選択する際に初めて登場してくるものです。個人感情より、「全体」の方を、このキャラクターは優先します。◆暁のヨナ 第209話「密命」感想(姉編)+グンテ将軍の役割について 記事何故、阿波の都に千樹草を採りに行ったはずのハク様が、突然、金州に居るのか?スウォンさんの病状や、グンテ将軍の意識の変化を認識した上で、「南戒との戦争、これは危ない」と思ってるんだと思います。作品的には、千樹草は口実。(+今後の交渉事における切り札要素)ハク様を、自由に動き回れる形で、地の部族領内に向かわせることこそが、本題 いろんな言い方で一生懸命力説しているのは、とにかくこの1点です。ハク様は、「全体のバランス命」のキャラクターです!これまで書いてきた見解は、間違ってなかった…今回の南戒編では、むしろハク様の「この部分」をはっきりと要素分けして、明示する作りになっていました。<要素分け>・全体のバランス=不安要素を抱えた中での、南戒との開戦・個人感情=千樹草ただ、間違ってなかったんですが…なめてました!私が甘かった…。今回、満身創痍で倒れ込み、本人も「死にかけてる」と仲間に語るほど疲弊しているハク様が、「戦は終わったよ」という一言を聞いた瞬間に、眼の色を変えて飛び起き、千樹草をスウォン様に届けることに残りのすべての力を全振りしました。びっくりしました。こんな描写の仕方があるなんて…!ハク様は、「全体バランス命」のキャラクターです。高華国組織体制の中で、自身の立場も役目もないままに、現状一番ウィークポイントであると思われる南戒の防衛線を、ボロッボロになりながら、単身死守しちゃうようなキャラクターなんです。「戦の終了」は、その「全体バランス」においてやるべきことがひとまず終了した合図です。ひとまず、「バランス崩壊」を食い止めた、という状態ですね。その瞬間、「個人感情」でやりたいことが爆発したようです。作品的には、千樹草は口実。(+今後の交渉事における切り札要素)…という位置づけなんじゃないかな、と思って読んでたんですよ。ハク様は、千樹草がどういったものかも把握していますし、緋の病の話も、概要はおそらく聞いていると思うので。とても、千樹草ごときでどうにかなるようなものではないと、ハク様もおそらく思うだろうな、とも思ったので。ただ…なめてました。千樹草を言い訳にして、地の部族に行った…も、間違ってなかったんですが、結局、その動き自体がバランス人間のバランス人間たる証明に過ぎず、「個人感情」の根源に一貫して据えられていたのは、「千樹草」だったのか…!という。南戒編は、「なんか要素がとっちらかってるな」と不可思議に思いながら読み進めて来ました。敵の奇襲の繰り返しで、南戒から離れられなくなった時の描写とか、千樹草を「俺が使う」と保持しようとした時の描写とか…そうか、このシーンのためか…と、ここに来て、引っかかってた描写のすべてが輝き始めます。変な話、ハク様の自身内部での言い訳だったんだな、と思うんです。「地の部族の南戒防衛線」の方が。ひっかけでもないですけど…私は完全にハク様のスウォン様への献身性を、ことここに至っても尚、舐め切っていました。おそらく効果があることが期待薄な「千樹草」だとしても、可能性があるなら、どんなことでもやってやりたい、何とかしてやりたいという、爆発的な強い強い感情があって、…でも、ヨナちゃんや仲間たちの手前、それは押し潜めていたんだな、と。それが今回、朦朧とする意識の中で聴いた「終戦の合図」で、炸裂した、ということですね。…絶望です!!!40巻近くまで来て…いや、分かってた。重々承知して読み進めていたつもりではあるんですが、なんて壮大なBL(ボーイズラブ)を見せつけられたんだ、という感覚でですね…。これまで、この単語(BL)は出さずに感想は書くようにして来ました。私も妹も、好んでBL作品を読むことはしない性質の漫画好きです。全く読めないわけではありませんし、良さが分かれば全然読めますが、ただ、好んでそのジャンルを漁るようなことはしません。まぁ、…基本、苦手です。ただ、ここで、あえて出させていただきます。本作品を読むうえで、まず認識しておかなければならないと思っています。この作品、土台には「BL」があります。ハク様とスウォン様…基本的に、ここの関係性はあまりに特別かつ運命的であり、草凪みずほ先生というキャラ作りの神が、過去連載作で作り上げたキャラクターたちの感情をひっぱってくる形で作り込んだ、渾身の関係性…「ボーイズラブ」だと思っています。ヨナ姫が2巻からずっと闘っているのは、「ココ」です。◆数年前に妹が描いた「私は『暁のヨナ』をこういう作品だと思っています」の図↓「暁のヨナ」は、「BLvs少女漫画」をやっている漫画である、とも言えると思っています。この言い方をした方が、作品の要素整理が上手くできます。↑この認識でずっと読み進めて来た私&妹が、衝撃を受けるレベルで、ハク様のスウォン様への想いは深かった!!分かってた…分かってはいたが、ヤバい!!というのが、今回のお話でした。この漫画、「約40巻も何やってたんだ」って…そりゃもう、この2人の関係性がこじれ過ぎてて、お互いに向き合えなさ過ぎて、ぐるぐる放浪を続けてた、としか言いようがない…。それだけじゃないですが!もちろん。ヨナ姫は頑張って来た。何とかハク様の生きがいになれるように、頑張って来てた。ちょっと今回は、ハク様の視界に入ってなさそうだったけど。「・・・もうダメかもしれない。ヨナ姫はスウォン様に(ハク様の愛情的な意味で)勝てないかもしれない…」と妹が弱気になっているので、「大丈夫!BLと少女漫画はきっと共存できる!」という謎の言葉で励ましています。さて。これだけ壮大な形で、愛をぶつけられたスウォン様が、どうするか、ですね。その為の話回しですからね。さて。怖いですね。流石に…流石にここまでやって…流石に…大きなリアクションを返してくれよ…!!もう40巻になるんだ…頼みますよ、ホント…。次回が怖い…楽しみですっ!おまけ花とゆめ10、11合併号は、アクリルプレート付き(アニメイト限定セット)を購入しました。実物が想像以上にしっかりしていて、満足感が高かったです。アクリルを活かした、草凪先生のサイン(イラストから浮かした状態で表示してある)も素敵でした。何より、しっかり大事にイラストが鑑賞できるのが良いですね!また是非、繋がる表紙や巻頭イラストで、こういった商品を展開して欲しいです。ホイホイ買います。by姉、画:妹
2022.05.02
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去年の夏から『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』にドハマリして、2人して踊り狂っていた訳ですが・・・この度なんと円盤発売記念twitter企画に当選し越前リョーマ君役・皆川純子さんのサイン入りB1ポスターをいただいてしまいました・・・!あわわ ななんか20年以上愛されている作品でこんなにわかファンがすみません!! ーと思いましたが・・・いや 本当に嬉しいです!!この映画、本当にこのポスターそのままの作品なので。しかしこのメインビジュアル見たときの衝撃は凄かった。「いや嘘だろ・・・!?」って素で声が出ました。そうですコレです・・・これなんです私達はこれが見たかった!いやコレが見たかったの・・・か??こんな出し方してくるとは想像だにしてなかった!!早速ポスターフレーム買って収納しました^^ーっていうか デカっ!!!円盤特典のB2ポスター(2枚)と並べるともう圧巻の迫力です!並べているのは映画のパンフレット(A4サイズ)。リョーマ君のお顔、原寸大サイズです・・・!皆川純子さんのサインを眺めていると・・・ テレビアニメ1話放送時、ウキウキしながらVHSビデオ録画待機してた在りし日が思い起こされました。「リョーマ君の声合ってるね」って2人ではしゃいだなぁ。ゴールデンタイムに「ヒカルの碁」と2本立てで放映されてテニスと囲碁を始める子続出!・・・とそんな世代でした。この度はありがとうございました! 大切にします!by妹
2022.04.28
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<SMAP楽曲についてーその54>音楽語りーその280♪道しるべ by香取慎吾+アルバム『東京SNG』感想前作・『20200101(ニワニワワイワイ)』より2年ぶりの香取慎吾・2ndアルバム『東京SNG』が発売されました。最高級品質の生バンドジャズにこだわり抜きながらも、40代男性のキャラクター性・メッセージ性を落とし込んだ、めっちゃ聴きやすいポップアイドルアルバムです。最高でした!『20200101(ニワニワワイワイ)』に続き、超・名・盤!!いやぁ…飯島三智(エグゼクティブ)プロデュースのジャズアルバムなんてっっ…そんなのもう…最高に決まってますので。生唾モノのですよ。SMAP楽曲の展開を観ていればよくよく分かりますが、生粋ジャズという、ハイカルチャー文化に精通した方たちが、どこまでも高尚な心もちで、本気で「ポップアイドル」をブランディングしてくるのが基本的なスタンス…というか、一番得意とするサウンド展開でしたので。今回のアルバムは「ジャズ基軸」と聞き、発売決定からすっごく楽しみにしていましたが、期待をはるかに上回る出来映えのアルバムでした。大満足です♪アルバム全体として、前作『20200101(ニワニワワイワイ)』もそうでしたが、楽曲の並び・緩急が最高です。この並びで聴く以上に、良く聴こえる並びを思いつきません。以下、各楽曲について簡単感想です。1♪東京SNGアルバム表題曲。ビックバンドジャズ!というアルバムの印象を決定づけるサウンドです。♪新しい詩、♪72かのナニかの何?と、新しい地図の音楽展開で、ジャズ楽曲風味の楽曲の多くを手掛けられている山下宏明さんの楽曲です。歌詞の内容は、本アルバムの中では、一番すれた部分を歌っているかな?涙を「ゴミ箱」と「お台場」に捨てた、という歌詞が面白かったです。2♪こんがらがって(feat.H ZETTRIO)ジャズ調ではありますが、シティポップ?イメージのある楽曲です。♪こんがらってばっか という単語を同じ音に乗せてくる、オモシロい楽曲だな、と思って聴いてます。この楽曲があると、ラストの♪道しるべ が映えるな、と思いました。3♪Catharsis(feat.WONK)前作『20200101(ニワニワワイワイ)』にも、♪Metropolis という楽曲で参加し、香取慎吾主演ドラマの主題歌♪Anonymous も提供されているWONKさんの楽曲が、また収録されています。ブラスが躍る都会的なおしゃれサウンド…ゴージャスです。4♪今夜最高ねSMAP・新しい地図楽曲でも度々登場する大竹創作さんの楽曲です。♪シャレオツ、♪ビートフルデイ、♪72かのナニかの何? の作詞や、♪やりたい放題 は作曲もされてるのかな?ジャズ調の楽曲で、信頼の置かれている作家さまなんですね。♪今夜最高ね!というコーラスの入り方、歯切れの良さと、絶妙なサウンドがカッコイイ楽曲ですね~!5♪ひとりきりのふたり(feat.ヒグチアイ)アルバムの中で、一番スローなバラード楽曲です。今回アルバムを聴いて、一番びっくりしました。ボーカルが良すぎる…というか、歌が上手くなってる…というか。歌詞が、聴き手の脳みそに吸い付いてくるんですよ。何だろう…あまりに「メッセンジャー」。表現力・咀嚼力の鬼。ボーカル好きの方は、是非、聴いてみていただきたい1曲です。6♪シンゴペーション(feat.Gentle Forest Jazz Band)前曲がまったりテンポの楽曲だったので、ここでまた派手な、弾けるジャズサウンドです。音楽用語のシンコペーションをもじって、「シンゴペーション」ですね。ひたすら楽しい曲です。コーラスがカワイイ。7♪Mack the Knifeジャズのスタンダードナンバーのカバーなのかな。1曲で、グッと本格ジャズ感が深まりますね。8♪Slow Jam大人っぽい、スローなジャズナンバーです。この曲も、聴いて「歌が上手くなってる…(驚)!」と思いました。なんか、仕事モードじゃない、というか、すごく良い感じに脱力できてる、「ポップ」を作りに行こうとしない香取慎吾って、こういう感じなのかな?とか思いながら聴きました。9♪Happy BBB(feat.田島貴男 (Original Love))前曲・♪Slow Jamからの繋ぎが最高です。こちらは、思いっきり、力強く「ポップ!!!」な楽曲。この声量・テンションで、この楽曲を演じきれる、歴戦トップオブトップアイドルのバイタリティが見事に発揮されています。10♪東京タワー(feat.新しい学校のリーダーズ)美空ひばりさんの可愛らしい楽曲のカバーです。原曲は1959年の曲とのことで、本当に1958年のタワー竣工直後の楽曲ですね。ここで、編曲に小西康陽さんが参加されています。香取慎吾さんは、事あるごとに「東京タワー」を大好きなモチーフとして挙げており、本アルバムも、ロゴや赤白基調のデザインから東京タワーイメージになっています。東京タワーが、「ノスタルジー」「昭和~平成」を表現するモチーフとして、ジャズアルバムに上手くはまっているなぁ、と思っています。11♪道しるべ今回のアルバムで、今のところ個人的に一番のお気に入り楽曲です!平たく言うと、あっちこっちにうおさおする中年の「迷走」なんですが、それを、「月と踊りあかす」「君と踊りあかす」という表現で楽しく、強く、歌う楽曲です。最高です。なんてセンスがイイ!と感動していたら、こちら、劇団ひとりさんの作詞なんですね。(あっちがいいわ)オッケー あっちだね(だめよ やっぱこっち)わかった こっち行こう↑コーラスとの「迷走」掛け合い部分が本当にオモシロいです。作・編曲は、宝塚歌劇団の楽曲を作られている太田健さん。太田健さんは、SMAPのアルバム『Mr.S』のテーマ楽曲、超かっこいいジャズインスト・♪Theme of Mr.Sを手掛けられた方で、その楽曲のセルフオマージュ…というか、似せたフレーズがわざと入ってたりしますね。この音楽展開自体、SMAPの延長なんだな、とひしひしと感じます。いやぁ~…最っっ高でしたっっ!!繰り返しになりますが、おそらくバンド参加のアーティスト様たち、どう聴いても、ド一流中のド一流の方たちばかりなので。ほんと。個々人のお名前は把握しておりませんが、それだけは分かる…。ゴージャスです!最高級です!「アイドル」って、こうやって価値づけて、形作っていくものだと思います!各サブスクでも配信されていますので、興味のある方は、是非!現在、本アルバムを引っ提げて、『20200101(ニワニワワイワイ)』でも公演を行った明治座で、生バンドバリバリのライブ公演中とのことで。本当は行きたかったですが…私は、今回は見送りです。是非、またBDを発売していただきたいです><!by姉
2022.04.17
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超簡単にですが本誌感想参ります~!*以下単行本39巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!*暁のヨナ 第223話「全てを懸けてもいいと思えた」・ここからじゃよく見えない byヨナ姫南戒軍の勢いが弱まった事は察知するも、遠方のためしっかりと状況を把握できないヨナ姫&スウォン様達。ー早く!観に行って!!状況把握してぇええ!!!しかしスウォン様が本当に体調悪そうで痛々しいですね・・・;;・「ラーン将軍 その身体では無茶ですよ でも丁度良いところへ・・・ この男に 見覚えありますか?」byカジ将軍いやラーン将軍どうしたの!!?? 本当に無茶だよなんで出てきたの!??と・・・とりあえず馬から降りて! いや何やってんの!!?・「それ俺がやった傷じゃねぇよな 誰にやられた?」byハク様 「死ね 知らぬ 戦でのたれ死ね」byチャゴル殿下ラーン将軍の怪我、上司からの暴行&パワハラでしたか・・・!相変わらず少女漫画で何描いてんですか草凪先セェエ!!ハク様とラーン将軍の表情がいちいち良いですなぁ・・・拳や刀を交えると、仲良くなる戦士たちの不思議。。・・・しかしなんというか 雷獣さんねぇ・・・まーたヨナ姫不在のところで見知らぬ男を虜にしているね・・・ホント姫様の恋は難儀ですよね・・・ と。。・「いいえ・・・ 敵です 高華国の兵士です」byラーン将軍ここのハク様、なんか黒目がちで瞳がキラキラしてて可愛らしいですね。ちょっとホッとしたのかな・・・嘘ついて相手方の中にいるの、性に合わなくてやりたくなかったのでしょうか。・「心強いなァ おい!」byハク様 「こっちの台詞だよォ おい!」byヘンデ君今回一番好きだったやりとりです。ヘンデ君が弟分ぶってない!ハク様が居なくなった"今の風の部族"を受け入れているというか・・・ハク様と対等な感じで、凄く良かったと思います!!・「暴力で圧しないと秩序が保てない・・・? それは 暴力を正義で覆い隠してんのか考えるのを放棄してんのか 何にしろ度がすぎねぇか?」by最強戦士ハク様今回のハク様の作画、どのカットも表情が良すぎる気がしませんか・・・?まぁそれは置いておいて、ハク様らしさ全開の台詞でしたね。もしも暴力至上主義の世界だったら・・・一番優位に立てるはずの男が、コレを言うんですよ。このキャラクターの凄い所だと思ってます。・「色々と・・・納得出来ない事もある・・・でも 民を不自由にさせない所は 信頼出来る・・・」byハク様えー 何か言ってますね。ハイハイ。うん! ーって感じです。もうね、1回2人で面と向かって話し合ったらどうかな! って。それで全て解決するはずですよね!? と。ただ・・・ いざ対面するのは、ヨナ姫も居る時にしてね色々不安過ぎるから!!! (個人的意見です)・「スウォンは最低の王だ・・・! スウォンはメイニャン様をチャゴル殿下から盗んだ!!」byカジ将軍カジ将軍、メイニャン様に関しては恋愛感情系では無く姉貴分として慕っていた系・・・? 可愛いなぁ。。・「おお兄ちゃん・・・生きてたんかすげー・・・ 化け物」by血みどろゼノ仙人 「お前もな」by血だらけハク様ゼノ・・・なんて姿・・・;;;おのれクラウ将軍・・・!!少女漫画で何描いてんですか草凪先セェエ!!(本日2回目)ラーン&カジ将軍が、ものすごくまともな人格者に見えてくる対比マジック。・「申し遅れました私・・・ こんな格好してますが 高華国の人間なんですよ・・・ んで こいつは俺の友人なんですよ」byハク様クラウ将軍、死・・・??ーいや分からない どうなってるんだろうコレ 待て次号!少女漫画で何描いてんですか草凪先セ(3回目)そうかゼノ仙人は、ハク様の"お友達"だったのか・・・。なんだかこれから怒濤のヨナふろく祭りを開催してくれるみたいで嬉しいですね^^次号も楽しみです♪by妹
2022.04.13
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★祝・円盤発売!!★GAGAオンラインストア限定のプレミアム・エディション(3枚組)姉・妹ともにゲットしました~!嬉しい!結局、私・姉の方は映画館には21回通って、その後、U-NEXTで配信(鑑賞期限2日間)されてから、5回(6回?)くらい購入して、観たくっていましたが…それでもなお、まだ鑑賞し足りない!この映画の価値・情報量を咀嚼しきれない。本当にすごい。お話フェチのいち鑑賞者として、この作品の「話筋」に関して、書きたいことができたので、追記記事です。映画感想『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』-その6前に書きたくって来た、映画感想その5までの記事や、漫画原作「新テニスの王子様」の感想記事(1~3)で、この映画作品の背景・作り方に関してはぐるぐる考えて来ました。この映画作品には、「テニスの王子様」という作品の在り方の概念戦が詰まっていると思っています。この認識は、全くブレてません。本記事は、本映画作品の「話筋」について考えを巡らせると、「作品の在り方の概念戦」という部分が、きれいに浮かび上がるな、と思ったため、その辺を追加補足的に書き記したいな、という記事になります。映画感想その5の記事に書いた内容を、もうちょっと整理したくなった感じ。なんでこういう話筋になったのかな、とかどっからこの要素が出て来たのかな、とかそういう余計なことを考えながらエンタメ作品を鑑賞するのが、大っっっ好きなもので…。この映画はもうほんと、こんな↑私にとってはもう…面白過ぎます…!語りがいがあり過ぎて、最高です…!!*相変わらずですが、この記事上の、どこで誰が、どういう順番でこの映画作品を構築していったか、というのは本当に私たちの中での、ただの「想像」「いち鑑賞者の解釈」です。この作品を観て、こういう風に捉えている人も居るんだな、と思っていただければ。*◆想定される2パターンの話筋についてまず、本映画作品ですが、許斐先生のインタビュー等から連想すると、実際に形になった話筋とは別に、もう1パターン、「許斐先生の中で、最初になんとなく想定していた話筋」というものが存在するんだろうな、と思っています。時系列順に、当初想定していたパターンを「A」、実際に形になった話筋を「B」とします。この2パターンを比べると、各キャラクターやシーンの意義…大きな視点では、本映画作品に込められたメッセージが、より明確に整理できるようになるのかな、と思っています。★話筋「A」について許斐先生が本映画作品を立ち上げるに至った経緯については、これまで書いてきた映画感想記事・漫画感想記事にあれこれ想像が書いてあるので割愛しますが、2016年2月の企画立ち上げ時に、映画会社のプロデューサー様には、その場ではっきりと「子ども向け映画」と明言されているようです(パンフレット情報)。とにかくやりたかったのは、少年・少女…いや、「王子様とお姫様」の大冒険…ですね。この映画で、最初にイメージとして出来上がっていたシーンは、「リョーマくんと桜乃ちゃんの路地裏逃亡シーン」、「一所懸命、お姫様を守る『王子様』」だろうと思っています。新テニスの王子様コミック34巻の巻末に、月刊プロテニスのインタビューという体で、映画についてひたすら解説する力作作文が掲載されています。そこで、なるほど、と思ったのが、下の記載でした。今回の映画では、『リョーマの格好良さ』と『アメリカを横断する大冒険』を描きたかった…この、『アメリカを横断する大冒険』という記載を観て、立ち上げ時の構想案というものが、ありありと想像できるな、と思いました。私にアメリカの地理感が全くないので、最初ピンと来なかったのですが、本映画作品、アメリカ西海岸のカリフォルニア州・ロサンゼルスに始まり、アメリカ北東に位置するニューヨークの全米オープン会場がクライマックスの舞台となります。地理的に、作中でアメリカ大陸を横断してます。おそらく初期の構想では、この「大陸横断」…なんらかの理由で追手から逃げる「逃避行」であり、同時に、「目的地(全米オープン会場)を目指した移動」のシーンを、もっとガッツリ描写していくものだったのではないかな、と想像しています。リョーマくんが桜乃ちゃんを連れて、様々な街・景色を経ながら、東に向かってどんどん移動していく…イメージとしては、ルート66(今は使ってないのか?)のような、国道でのヒッチハイクとかかな、と思います。想像するだけで、非常にワクワクする、面白そうな絵面・話筋だな、と思います。この話筋Aの場合、いち映画作品として、鑑賞者の頭への収まりはずっと良かったと思います。おそらく、・目的地への旅(アメリカ大陸横断)を軸にしたアドベンチャー作品・明確に勧善懲悪。 エメラルドさんの立ち位置のキャラクターは存在せず、 追手は、アダム・アンダーソンにあたるキャラクターの直属の部下。本映画作品の存在意義を、「子ども向け」「新規ファン獲得」と定義するのであれば、絶対にこちらの話筋を採用する方が正解だったと思います。★話筋「B」について実際に採用された話筋です。この話筋Bに関しては、おそらく…脚本家様・秦 建日子さんの感性が色濃く出てるのかな…というか、「話」「物語」というものの可能性・力を信じ切った方の思考回路だな、と思うのですが、映画作品の「存在意義」を、話筋自体に組み込もうとして来ています。本映画作品の意義は、許斐先生が口で言うような、「子ども向け」「新規ファン獲得」…だけじゃないだろ?ってことです。ロサンゼルスからニューヨークまで、格好良く「逃げ切る」作品じゃ、ダメなんですよ。この映画作品は、「テニスの王子様」というパッケージにとって、「一度逃げたけど、腹をくくって、自ら闘いに戻って来る」ための作品だろ?…と。脚本家様発信で、その後に監督様の手で作り込んだのが、「エメラルドさん」というキャラクターなのかな、と思っています。エメラルドさんは、「戻って来る」という話筋を作るため、「逃げて、戻る」対象として設定されたキャラクターだろうな、と。エメラルドさんは、かなり入り組んだ設定を背負っています。南次郎さんの全米オープンの試合を妨害する「悪役」が、南次郎の子どもの誘拐を依頼したマフィアの娘。おそらくエメラルドさんは、「ファン(の目線)」の体現ですので、リョーマくんと対峙はしますが、彼女自身が悪行に絡むような描き方は、ダメ。それは違う。そのため、南次郎さんへの妨害の意図と、実働部隊を切り離し、更に、実働部隊の中で悪行を引き受けた主体とも、実際に悪行を行う主体とも、切り離した存在として設定しています。・悪行を意図した主体→アダム・アンダーソン・悪行を引き受けた主体→ベイカー・ベイカーの指示により、悪行を行った主体→ウルフ・ブー・フー↑エメラルドさんは、この悪行筋には絡めない存在として設定されています。設定が入り組んでいる分、これらゲストキャラクターの立ち位置の説明にかなり尺が必要となっています。エメラルドさんとベイカーさん(父)との関係性、アダム・アンダーソンとベイカー(エメラルド父)の対話シーンも含め、悪行を行うに至る責任の所在をはっきりさせる説明が必要でした。また、リョーマくんとエメラルドさんの対話シーンも、私は、リョーマくん×ファン(の目線)という含みを持たせているのだろうと認識しています。ここも、ただ話を回すだけにしては、かなり尺を取った作りになっています。要は、エメラルドさんというキャラクターがややこしい考え方に立って設定されているので、説明・対話シーンにかなりの尺が必要になっている、ということです。これでも、裏設定の描写はかなり省いてると思うんですよ。エメラルドさんについては、明言はされていませんでしたが、そもそも病気かケガか…なんらかの理由で、「足が少し不自由」なキャラクターとして設定されているのではないかと思っています。エメラルドさんは、経営しているバー→自己保有の倉庫への移動はしていましたが、リョーマ君と桜乃ちゃんが逃げた後、追跡を部下3人に任せ、自身はずっと倉庫に残っていました。話筋として、リョーマくんたちが「逃げて、自ら戻る」対象です。この方自身がバリバリ移動することができない、「自身で追いかける」ことを躊躇する状況のキャラクター、という設定があったからかな、と思っています。おそらくですが、この「足が少し不自由」な設定を元に、「足の踏ん張りが効かない」から、「足テニス」という発想や、最初の未来においては、より状態が悪化した、「車椅子」テニスプレイヤーとしての姿が描かれていたのだろうな、と思っています。存在自体が複雑で、捻った設定を詰めてあるキャラクターですが、本映画作品の中での役割は、あくまで「リョーマくんが逃げて、戻る、その対象」です。リョーマくん軸として、「逃げて、戻る」という流れに必要のない情報は、作中では匂わせるだけに留めています。★話筋Aと話筋Bの比較・違い話筋Bを、元の構想・話筋Aと見比べた際、下記の特徴があります。・話筋が、Aに比べ複雑。鑑賞者の頭への収まりは悪い。・複雑な人物配置の設定説明に尺が必要で、 単純にその分、ワクワクするシーン・描写に取れる尺が短くなる。・逃亡→戻るまでのすべてのシーンが、ロサンゼルス市街内になる。 リョーマくんと桜乃ちゃんの2人で、町を移動していくシーンの描写はできず、 作品として、「大陸横断」感は出ない。 (おそらく、教会までのヒッチハイクシーンは、話筋Aの「大陸横断」「移動」シーンの名残なのではないかと思っています。 許斐先生の描くメインビジュアルの背景にも、 「大陸横断」「移動」を想起させるイメージとして残っていますし。)上記は、子ども向け作品として構築する際のデメリット要素です。でも、結局今回の映画作品は、こちらの話筋Bを採用しています。Aになくて、Bに盛り込んだもの…それが、前述したようなメタの観点。これは、「ただの子ども向けアドベンチャー」ではなく、「ファン(の目線)と闘う、闘いに戻って来る」ための作品だ、という観点であり、言い換えると、「これまでの20年間の作品展開と、形成されたファン・周囲の目線、それがリョーマくんの目の前に『壁』として存在し、それを越えようとする・闘う」という概念を、話筋自体に明確に盛り込む、という点です。この、A/Bのどちらの話筋で行くか、というのは、この映画作品の存在意義を、「闘い」と定義するか、しないか と同義であり、本映画作品の存在意義を決定づける、重要な分岐だと思っています。そもそも、「ファン・周囲(の目線)と闘う」というのは、許斐先生の感性から出て来るものではないだろうな、と思っています。これは、先ほども書きましたが、第三者…おそらくですが、脚本家様と、監督様の感性なんじゃないかな、と思っています。「これまでのテニスの王子様」の第三者だからこそ、言えること、というか。「たとえ受け手と闘うことになったとしても、作品とキャラクターは、譲れない軸を貫き通すべきである。」「この映画作品は、『テニスの王子様』というパッケージをただ子ども向けアドベンチャーとして魅せる作品ではなく、リョーマくんと、『テニスの王子様』というパッケージが、ファン・周囲(の目線)と『闘う』ための作品である」話筋B案が出て来た時に、許斐先生の方でやっぱり「あくまで『子ども向け作品』として構築したい」と、話筋Aの方で押し切ることも、出来たと思うんですよ。たぶん。…でも、それをしなかった。たぶん。これは、『闘う』ための作品だ、ということだと思います。★話筋Bにしかない「折り返し地点」話筋B…「逃げて、戻る」話筋になったことで、初めて登場してくるのが、話筋としての「折り返し地点」です。話筋Aでは、ロサンゼルス→ニューヨークという直線の動きになりますので、「折り返し地点」はありません。話筋Bでは、「逃げて・戻る」…それも、「自ら」。この折り返し地点で、一度は逃げた場所に、再び戻る決意・覚悟を固める必要があるんです。心情の作り込みとして、話筋Aの「逃げ切る」という一直線の筋と、全然違う次元の作り込みが必要になります。また、ここまで書いてきたように、「逃げて、戻る」という概念自体が、そもそもメタ的な観点で作られていますので、その重みは凄まじいものになります。リョーマ君は、桜乃ちゃんを連れて、「テニスの王子様」から、この映画に逃げて来てる…とも言える状況だと思っています。「テニスの王子様」から逃げて、ここ・映画の折り返し地点に来て、そして戻る…戻る…どこに?…「テニスの王子様」に、ですよね。↑要は、メタでの「逃亡劇の最果て」が、この「折り返し地点」なんだと思います。3Dなんて次元を飛び越えた媒体で、映画作品なんて、人もお金もすごくかかる企画を立ち上げて、何をしに、ここまで来たのか、です。だから、『教会のシーン』なんて強烈なものが、生み出されてしまったんだろうな、と思っています。リョーマくんと桜乃ちゃんの2人のシーンは、元々一度追手から逃げて、一息つくシーンとして設定されていたんだろうな、と思います。時間軸的には、夕方~夜にバーのシーン・エメラルドさんとの1度目の邂逅があり、一夜明けて、朝方~昼頃に戻る…その夜の部分ですね。全部想像ですが、おそらく筋立ての素案の中で、「桜乃ちゃんがリョーマくんを励ます」シーンという枠組みだけ作り、シーン自体の中身は、(楽曲も含めて)許斐先生に任せます、という振り方だったんじゃないかな…と想像しています。この2人の描写については、許斐先生以外の方が匙加減を決められる部分でもないと思いますので。オモシロいのが、許斐先生のTwitterでポロっと書かれていた、こちら↓の情報。『peace of mind-星の歌を聴きながら-』の、最初曲を作った時の歌詞は↓だった。今勇気出して行こうonce again 星の歌聴こう♪それが、本編新テニ13巻の桜乃ちゃんのセリフを持ち出して、実際に楽曲になったのがコレ↓大丈夫だからpeace of mind 星の歌聴こう♪一見似ているようで、考えると、前後の文脈やシーンとしての意義は、全然異なるものだったのだろうな、と想像しています。【元】今勇気出して行こうonce again 星の歌聴こう♪歌詞の内容を見るだに、当初は桜乃ちゃんが、リョーマくんを「前向きに」励ますシーンを想定していたのかな、と思っています。・桜乃ちゃんに励ましてもらうシーン・電話で、手塚部長/跡部さんに励まして(焚きつけて)もらうシーンこの2つのシーンで、話筋上の折り返しのカーブを作る、という想定だったのかな、と。また、夜のシーンは、素直に歌詞を受け取れば、この時点では本当に「星空の下」のシーンだったんじゃないかな、と思っています。今勇気出して行こう という言葉の後に、「星空を見る」ことを促す流れですので、明日へ向かうパワーを得られるような、力強さを感じさせる星空だったのではないかな、と。【新】大丈夫だからpeace of mind 星の歌聴こう♪話筋上の意義として、上記「前向きに励ます」シーンが来ることについて、不自然さは感じません。ただ、おそらくですが、リョーマくんと桜乃ちゃんのキャラクター性と照らし、「前向きに励ます」というのが、しっくり来なかったのかな、と思います。そこで、既に新テニ13巻で登場していた、桜乃ちゃんに「励ましてもらう」シーンの、「大丈夫だから」というフレーズを持ってきた…。分かります。「星の歌聴こう」の意味合いも、「心を落ち着かせよう」という、どちらかというと「静寂」「安寧」を促すイメージとなり、この2人のキャラクター性・関係性と照らしても、こちらの方がしっくり来ます。妹とよく話すのが、↓これ。「この『大丈夫だから』で決壊したんだろうね」新テニ13巻では、桜乃ちゃんが「(リョーマくんが)大丈夫だから」と言っていて、つまり、「大丈夫」な主体はリョーマ君なんですが、この♪peace of mindでは、反転しちゃってます。「大丈夫」の主体は、主には桜乃ちゃんです。ここで桜乃ちゃんが「大丈夫だから」と言うってことは、桜乃ちゃんには、リョーマくんが「大丈夫じゃなさ気」に見えているということで、じゃあ、リョーマくんはなんで「大丈夫じゃない」んだろう?…って掘り下げて行った結果、リョーマくんが落ち込んでる理由が、自分への負い目であることを察した桜乃ちゃんが、「大丈夫だよ」「大丈夫だよ」って、繰り返し伝えるニュアンスに変遷してっちゃったのかな、と・この二人は、お互いに気を使い合える、すごくイイ子たちなんだな、イイ関係性なんだなと、もちろん思うんですけど…ただ、こんな、傷の舐め合いみたいな…「ごめん」と「大丈夫だよ」の応酬、いち大ヒットエンタメ作品の、ヒーローとヒロイン(中学1年生)から、普通の状態で出て来る会話じゃないですよね。「大丈夫じゃなかった」んだな、と思います。私のような、(ファンでもない)傍の目線から観ていても、20年間、「テニスの王子様」という作品の、桜乃ちゃんというヒロインの置かれた状況は、大丈夫ではなかった。…あまりに可哀想だった。「王子様が守る」ためにと設定した、ヒロイン・お姫様ですよ。こんな状況、許斐先生はもちろん、ずっと守りに行くことが出来なかったリョーマくんも、全然「大丈夫じゃなかった」んだ、ということだと思います。桜乃ちゃんが、「大丈夫だよ」って言った瞬間に、許斐先生とリョーマ君の中で、「20年間」が、決壊しちゃったんだろうな…と。(※製作時点では15年間くらい?)3Dなんて次元を飛び越えた媒体で、映画作品なんて、人もお金もすごくかかる企画を立ち上げて、こんな最果てまで、何をしに来たのか、です。桜乃ちゃんに「絶対に守るよ」って、誓いに来たんだな、と。妹とは、「ここの『誓う』までたどり着いて、『教会』は建ったよね」と話しています。背景が星空ではなく、「十字架とステンドグラス」であったことに気づいた…というか。もともと、2人の会話・ミュージカルシーンや、ポニーテールを魅せるという部分は、やりたいこととしてあったと思いますが、ただやっぱり、話筋的にも、『教会』はあまりに飛んでる。いきなり20年決壊させて、すごいテンションでミュージカルに突入するので、「20年間のリョーマ君と桜乃ちゃん」の観点がない観客がついて行けるわけがない。そもそも、楽曲では「星の歌聴こう」って言ってるのに、教会が建ってしまったものだから、猫マジックで、星のファンタジーワールドに2人を連れ出すという荒業まで使って来てますし。ただもう『教会が建っちゃった』ものは仕方がないというか。 「あ、ここ『教会』だったのか。じゃあもう仕方がない…誓うしかない!!」全部想像です。ただ、元歌詞のニュアンスを見る限り、ここまで来て初めて、楽曲の構築と一緒に2人のやり取りが定まって、『教会』が建って、この映画作品の存在意義が、これほどまでの美しく、見事な概念のシーンとして形になったんじゃないかな、と思っています。「決壊しちゃった」というのも、ここまで意図的・恣意的にセルフで仕掛けまくってますので、「決壊させた」というか、必然と言えば必然ですが、ただやはり、脚本家様・監督様の感性でのお膳立て…というか、話筋Bの提示・「ここまで踏み込むべきだ」という強い提案がなければ、この『教会』までは辿りつけなかったと思います。話筋Aのままで製作していたら、リョーマくんの気晴らしはさせてあげられますが、「逃げて、戻る」という観点はなく、「リョーマくんが『テニスの王子様』に戻る」ための映画作品という位置づけにもならなかったんじゃないかな、と思います。監督様・脚本家様も、許斐先生がこの「教会」のシーンを出して来た時には「すげーーー!!!」って、震えたんじゃないかな…と。全部想像ですけど。当然ですが、話筋を構築していくこの段階では、許斐先生と監督様・脚本家様で、キャッチボールというか、全体の流れ・バランスの調整をぐるぐると繰り返していると思います。リョーマくんが桜乃ちゃんに「謝る」に至る、その前の逃亡シーンのエピソードの作り込みもそうですし、あとは、折り返しシーンが『教会』になったことで、1、幼少期を過ごした家・父のテニス2、教会(結婚式)3、全米オープン会場(未来で活躍する場所)という流れが出来上がり、話筋自体が「リョーマ君の人生軸」を示唆するものになりました。最初から、裏テーマとしては想定していたとは思いますが、あれほどまでに憧れの対象としての「家族を守る父親」像を強調し、「結婚」「家族」を思いっきり示唆してくるバランスは、『教会(結婚)』モチーフありきで、組み直した部分も多いんじゃないかな、と思っています。◆DANGER GAMEこの楽曲について、あまりしっかり書けていなかったので、補足です。上述して来ているような、話筋A/Bの違い…というか、話筋Bにしかなかった要素を象徴するのが、対エメラルドさんの試合シーンで流れる、この楽曲♪DANGER GAME だと思っています。オモシロい楽曲です。この楽曲は、聴けば聴くほど、ヤバい。内容が。基本的には、リョーマくんとエメラルドさんの対峙を歌っています。サビまでは、お互いに挑発をし合う会話のようになっています。作品冒頭の♪RAP FESTIVALで描写されているものもそうですが、この好戦的で挑発的な態度という部分は、越前リョーマくんというキャラクターの大事なアイデンティティだな、と思っています。この子は…相手が居たら、壁があったら、「闘いたい」子なので。そして、サビの歌詞。何度反芻しても、凄い。明らかに、「テニスの試合」のことを歌ってはいません。歌詞中で、「ギリギリの命の駆け引き」とか言ってますけど、命の駆け引きなんて、テニスとしては描写してませんから。これまでにも書いて来ている通り、あくまで私の解釈なだけですが、エメラルドさんというキャラクターは、おそらく、「ファン(の目線)」の体現だと思っています。サビの歌詞は、もろに「リョーマくんとファン(の目線)」、「テニスの王子様とファン(の目線)」、その対峙を歌っているんだろうな、と受け取っています。破れかけの意志よ 飛んで行け!ギリギリの命の 駆け引きの中で そう行けるとこまで行けよ これがDANGER GAME勝つか負けるかは そうだ俺次第 だからボロボロになった時に 見る夢は現実よりも 真実よりも 大切なものが見えるThe winner is mine!出し手と受け手の対峙を、こんな表現で描いてきた作品は初めて観ました。この曲の中で、出し手側の「どうしても譲れない部分」と、受け手側の「どうしても譲れない部分」が真正面からぶつかってしまう時に、「命の駆け引き」にどうしてもなる、ともう定義してるんです。私の視点…受け手目線からですと、出し手と受け手って、闘いにならないと思ってるんです。出し手が「これだけは、どうしても譲れない」と心に決めた時点で、受け手に勝ち目はないので。闘いになりようがない。でもこの楽曲では、出し手側…というか、リョーマくんからですかね、この「対峙」を、お互いボロボロになるまでやろう、闘おう、と言ってるんです。最終的に、闘った先で、そこでしか見えない大切なものが見える、とまで言ってる。「出し手」側が、「受け手」の存在・主体性を重く重く認識しているからこそ、誠心誠意、持てる力のすべてで闘いに打って出ている…本当に、受け手・ファンの目線に向けた、この上ないラブソングだな、と思って聴いています。出し手側が、本気で、命がけで勝とうとして来てるから、だからこそ、『3D』『劇場版』ですし、だからこそ、『教会』まで行きついたんだな、と思っています。繰り返しになりますが、私の認識としては、「ファン(の目線)と闘う」感性は、許斐先生のものではないだろうな、と思っています。ただ、リョーマくんは「闘いたい」子ですので。20年間に渡り、桜乃ちゃんを守りに行きたいのをずっと我慢させて、また原作自体、リョーマくんと青学をメインに据えた作り方も出来なくなってしまって、少年漫画主人公として、どうしようもなくなる状態まで追い込んじゃってましたから。今回の映画作品は、許斐先生の信念をかなぐり捨てて、リョーマくんの軸・やりたいことを貫き通すことを優先させたのだろうな、と思っています。それが、「ファン(の目線)と闘う」舵取りだったんだろうな、と。許斐先生にしても、トラウマとの対峙だっただろう、と思います。許斐先生…あんなに頭が良くて、様々な方の意見を取り入れ作品を変容・構築できる柔軟さがあるのに、こと、リョーマくんと桜乃ちゃんに関しては、鬱っぽい…というか、思考回路が強張って、ガッチガチになってるのをひしひしと感じますので。十数年間、何をやっても、どれほど気を使って描いても、炎上・猛攻撃を浴び続け…関係各所へ迷惑もかけまくってしまい、八方塞がりで、一度は本当にこの2人をまともに描くことを諦めてると思いますもん。(この許斐先生を一度でも諦めさせるって、凄いことですよ…。結局諦めなかったけど…。)映画の出だしのあたりは、リョーマくんと桜乃ちゃん2人の表情もガッチガチで、観てるこっちが、「大丈夫だよ!2人、カワイく描けてるよ!大丈夫だよ…!」って思わず言いたくなります。※ちなみに、妹は、映画出だし~エメラルドさんの倉庫に桜乃ちゃんを助けに来れるまでのターンを、「リハビリ」と呼んで愛でています。それでも、ここと向き合った先に、「テニスの王子様」の未来が開けて来たんだと思っています。だらだらと、同じようなことを繰り返し書いて来ました。全部、ただのいち鑑賞者の、ただの想像ですが…とにかく、これは凄まじい映画作品です。超オモシロいです…!!哲学です…!!漫画好き・エンタメ好きの方は、「観ない」という選択肢はないというか…是非!!円盤発売しましたので、是非鑑賞してみてください!!哲学です…!!by姉
2022.04.04
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なんとか次の発売に間に合った;超・超簡単にですが本誌感想参ります~!今回ハク様表紙&ヨナ姫アクスタ、ヨナヨナ号だったので嬉しかったです^^表紙の配置がまるで「南くんの恋人」のようなハクヨナだった・・・w*以下単行本38巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!*暁のヨナ 第222話「肩を並べた日」・もう覚悟は決めたでしょう? 「ケイシュク!風と火に後退の合図を!弓兵隊は風と火を援護して」byヨナ姫声が出せないスウォン陛下の代わりに、軍を動かそうとし始めるヨナ姫様!!ーとはいえ、ちゃんとスウォンに確認をとるのが良いですね。万が一の時に責任ひっかぶらない為にも、こーゆーの一番大事。冷静です!(何の話だ)・一歩間違えば風と火は攻撃されていた 私の判断の遅れを ヨナが補った byスウォン様スウォン様、体調不良なんだからしょーがないですよ・・・!自分自身が体調不良なのに、開戦を強行した事がそもそもヤバかったんだから、今更落ち込む所じゃないですよ!・「この戦には絶対勝って・・・ メイニャン様を取り戻すんだから」byカジ将軍カジ将軍・・・なんでここでメイニャン様の名前!!?メイニャン様、色んな殿方とフラグ立てすぎ。魔性の女すぎて面白いですねv個人的には、ユン君との組み合わせが一番ほっこり出来て好きなんですけどね~(いやカップル云々ではなく;)・何を言っても私の言葉では彼女は救われない「・・・・・・ハク・・・ ハクじゃないと・・・」 ああ 何を 今更 探している byスウォン様カジ将軍の投石器によって、弓兵隊が絶体絶命のピンチに!表情がこわばるヨナ姫・・・ スウォン陛下は慰めの言葉をかけようとしますが・・・いやっ まぁ ・・・すみません 私的には 父親殺しておいて何を言ってやがるんだこの男はという感想しか出てこなかった訳ですが; いやいや。スウォン様もね、弱ってるからね ウン;;なんというか、スウォン様もハク様も・・・自分が未練タラタラなのを ヨナ姫に投影するの、辞めて欲しいですよね!ーお前自身が!ハク様を探しちゃってるんだろ!!!ーとね、思うのです。まぁスウォン様もね、弱ってるからね うん;!・縄に・・・刃物で傷つけた跡がある・・・誰かが切ったような・・・ 誰が・・・!?byカジ将軍めっっっちゃ焦らしますね!ホンット焦らし演出上手ですよね草凪先生!!(←まんまと引っかかった)・俺のせいだ 目の前の的に夢中になりすぎて 皆がやべぇ byテウ将軍テウ将軍・・・しょうがないよだってアナタほとんど実戦経験ないじゃないの・・・TT背負っちゃってますねぇえ・・・・「俺はっ 死なない・・・っ テウの命令は絶対っっ!!」byヘンデどうしてヘンデ君は いちいち私の涙腺を刺激してくるのか。。テウ将軍にとっては本当に頼りになる頼りになりすぎて心配になる相棒ですよね・・・・「あ すみません 戦場は初めてなので間合いが難しくて・・・ 危なかったらすみません」by槍&旗二刀流戦士来 タ ・・・!!!しかしイヤらしい! 登場の仕方が本当にいちいちイヤらしい!!待ってたよ!!!「ハク様行方不明」の情報を知らない風の皆の前に出てくるのが面白いですね~。早くヨナ姫&腹減り達、そしてスウォン様の前にもその元気な姿を見せてあげておくれ・・・!!次号も続くよヨナ祭り号! 楽しみです♪by妹
2022.04.03
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ここ半年、劇場版公開を機に、「テニスの王子様」にどっぷりはまっています。多メディア展開の広がりの把握も今後行って行きたいとは思っていますが、まずは、原作者・許斐剛先生のワークス漁りをまったりやっています。許斐剛先生、超面白いです。テニスの王子様以外で、単行本・文庫本が発売されているシリーズを鑑賞しました。諸々感想です。『COOL - RENTAL BODYGUARD -』(1997年・許斐剛先生・週刊少年ジャンプ・文庫本2冊)人の心を先読みする能力に長け、向き合った相手とラジカセで会話をする男…レンタルボディーガード派遣の『JAM』に所属する、トリッキーこと「COOL」。海外勤務中の父親が、仕事関係でトラブルに巻き込まれ、自身の身の危険も感じた女子高生・笑子は、ボディーガード依頼をするため、指定された喫茶店『JAM』を訪れるが…。「テニスの王子様」より2年前の、許斐剛先生の初連載作品。今回、初めて読みました。文庫本1巻収録の、プロトタイプとなる読切が96年末の赤マルジャンプに掲載され、その後、文庫本2巻収録のもう1作・「COOL」の読切の掲載を経て、97年40号~ジャンプ本誌で本格連載が開始しています。以下、蛇足になりますが、この97年当時のジャンプを取り巻く環境について。95・96年に「ドラゴンボール」「スラムダンク」の2大巨頭が相次いで連載終了をし、96年後半~97年にかけてで、それまで600万部超を誇っていた発行部数が400万部付近まで急落(ネット情報)。週刊少年マガジンに、発行部数を抜かれる事態となっています。ちなみに当時、我が家でも父が毎週スラムダンク目当てでジャンプを購入しており、私たちもその恩恵にあずかっておりましたが(子供たちの方が、他作品も含めて楽しんでた)、当然ながら連載終了と同時に本誌購読は終了となりました。個々には、まだまだ人気作が多数掲載されている状況とはいえ、世間一般まで認知されるような、勢いのある看板作は、おそらく「るろうに剣心」のみ。97年に入ると、「ろくでなしBLUES」も終了とのことで、年齢が高めの読者層的には、「もういいか」「卒業」という状況だったかと。(96年内には、「封神演義」や「遊戯王」という、しっかりしたつくりの名作も連載開始しているようなのですが…)週刊少年ジャンプとしては、正念場ですよね。で、この97年にジャンプ本誌で初連載を獲得している新人が、下記↓の、まさに90年代末~2000年代のジャンプ本誌を牽引するスター作家様たちです。・仏ゾーン:武井宏之 先生・世紀末リーダー伝たけし!:島袋光年 先生・ONE PIECE:尾田栄一郎 先生・COOL- RENTAL BODY GUARD -:許斐剛 先生 いずれの作家も、92~5年頃の雑誌絶頂期にデビューし、数年、数か所の連載作家陣の元へアシスタントとして配属され、週刊連載作の作り方・画面の作り方を学んだ、「ジャンプブランドが育てた」作家様かと思います。ネット情報を見た感じですと、ONE PIECE が34号~で、その次に新連載として始まっているのが、40号~の、この「COOL」のようです。(すごい話だな…。)「世紀末リーダー伝たけし!」と、「ONE PIECE」が、明らかに子ども向けを意識した作品なのに対し、こちらの「COOL」は、それよりも年齢層高め読者を対象としている印象です。前置きが長くなりましたが、こういった↑状況下で、許斐先生が渾身作として仕掛けて来ていたのが、この「COOL」だった、ということです。ぶっ通しで読んだ感想は、素直に「オモシロい作品」でした。特に、文庫本1巻収録のプロトタイプの読切と、連載開始~6話までのエピソードに関しては、事前のかなりの練込みを感じ、読み応え抜群でした。「話の作れる作家様の作品って、いいよね!」「演出が妥当、魅せたいものが明確で、ノーストレスで読める!」と思えました。キャラクターにも練り込み・ひねりを感じました。とても魅力的です。ラジカセで人と会話しようとする変人・COOLと、愛嬌良く、物おじしないヒロインの笑子ちゃんのキャラクター同士の相性も非常に良く、掛け合いが微笑ましいです。以下、個人的な注目どころ。・世界観・モチーフ舞台は一応は日本なのですが、オープンカー・ごついバイク・銃 が悪びれもなくガンガン登場する、かなりアメリカナイズな世界観で話が展開されます。単行本3冊分で、本連載は終了となっていますが、その先はアメリカ編を展開予定だったと、文庫版のコラムに記されていました。本作を読んで、妹と話したのが、「リョーマ!新生劇場版テニスの王子様」の世界観・モチーフが、もろにこの「COOL」に見て取れる、オモシロい、という話でした。リョーマ!を鑑賞した際、「テニスの王子様」ではない世界観に、リョーマくんと桜乃ちゃんを連れて来たかったなんだな、と認識したのですが、それにしても「しっくりくるなぁ、世界観が出来上がってるなぁ」と感じていました。劇場版では、主に脚本家様…だと思うのですが、おそらくこの「COOL」まできちんと事前に読み込んだ上で、オープンカー、悪の組織、電話BOX、カーアクションといった要素・モチーフを許斐剛ワールドの構築材料として組み込んでいたんだな、と。※ちなみに、「教会」モチーフは「COOL」、「LADY COOL」内、「テニスの王子様」原作を含め、どこにも登場しない。※「銃」は、中一の子たちの逃亡劇には物騒過ぎるので、ナイフになったっぽい。・1ページ目・ヒロインの「ふえ~ん」で開幕許斐先生の作品ですが、後ほど語るデビュー作「鉄人」から、この初連載作・「COOL」と一貫して、極論を言えば、「困ってる女性・子どもを助けるヒーロー」の話です。許斐先生の価値観の大前提として、コレ↓があるんだと思います。「女・子どもを守るのが、“男らしさ”だろ!」「無条件で女の子を守ってあげられる男の子、それが皆が見たい少年漫画ヒーローだろ!」まぁ…90年代初頭からの作家様にしても、かなりステレオタイプと言うか、古めかしい「昭和」なジェンダー感性だな、と感じます。ただこれは、もうしょうがないんだと思うんです。おそらく許斐先生が、幼い頃から心を弾ませてきたエンタメ作品を元に形成してきた価値観なんだと思います。ちなみに私も妹も、思いっきり、エンタメの大前提として↑この価値観を土台に据えている人間です。仕方がないんだ…!東映アニメーションの原点的な劇場長編アニメーション『長靴をはいた猫』や『天空の城ラピュタ』を、子どもの頃から刷り込まれて生きてきたんだ…!「これ」がエンタメの基本形なんです。仕方がないんですよ…!「テニスの王子様」という作品で、女性層に絶大な支持を得て、ファンに求められるものをなんとか形成・提供しようと、譲れるものはすべて譲って、ひたすら腐心されて来た許斐先生が、ど~~~~しても、「ヒーローとヒロイン」…「リョーマ君と桜乃ちゃん」だけは!ここだけは譲れない。…そんなの、当たり前だと思うんですよ。「COOL」を読めば、一目瞭然です。(実際は、「COOL」まで読まなくても、「テニスの王子様」出だしの描き方だけで十分分かることですが)COOLが動き出すきっかけは、常にヒロインの笑子ちゃんですし、レンタルボディーガードの依頼者は、だいたい女性です。土台です。この「当たり前」からしか、許斐先生の中で「最高の物語」は始まりませんし、ここが崩れたら、志向する「エンタメ」の定義から分からなくなっちゃうんだと思うんです。また、COOL本編中では、笑子ちゃんのクラスメイトとして、正義感・男気のあるテニス少年と、彼に恋する控えめな女の子が登場して来ました。そしてプロトタイプの読切作では、ヒロインの笑子ちゃんが、「運動は苦手だけど、日々一人でトレーニングを頑張るバスケ少女」として登場していました。本当に…テニスの王子様の「桜乃ちゃん」というヒロインは、許斐先生が心から、主人公が「可愛いと思う」、「守ってあげたくなる」魅力的な娘になるようにと、大事に設定を詰めて、生み出した娘なんだなぁ、とひしひしと感じました。ここを否定するのは、許斐先生と、主人公のリョーマ君の否定と同義です。本当に。・音楽モチーフ本作、主人公・COOLが、気分が盛り上がると、「COOL!COOL!COOL!COOL!」と絶叫しながらバイクをぶっ放す、というのが、お約束の魅せ場として設定されています。「ハイテンションに『COOL!』って絶叫してる」というツッコミどころ満載感が…どうなんだろう?笑って欲しかったのか、カッコイイと思って欲しかったのか、測りかねるところなのですが。(どっちの方向性としても、ちゃんと詰めて描いてあるので、どっちでも良かったのかもしれません…)まぁ、「許斐剛 節」ですよね。『大真面目に、はっちゃける』こちらですが、タイトルや主人公名も含め、林田健司さんの楽曲・♪COOL をモチーフにしていたとのこと。林田健司さんといえば、私の中ではSMAP楽曲の数々の提供者様です。♪$10♪君色思い♪青いイナズマ関ジャニ∞の♪イッツマイソウルの作曲も林田健司さんなんですよね。あの曲、やたらと好きなんですよ…。原曲を確認しましたが、ファンキーなサウンドに、ノリノリで「COOL!COOL!」とボーカルが踊るようにのっかる楽曲でした。確かに、この楽曲から感じる魅力が、漫画画面にちゃんと落とし込まれていたな、と感じました。林田健司さんの元楽曲を知っている方が、本作を読めば、許斐剛先生が、音楽的な素養がある方なんだな、というのはすぐに分かると思います。ーただ、だからって、「この漫画家、20年後には、劇中歌全曲・作詞作曲して、ディズニー張りの3Dミュージカル映画作り出すんだぜ」と言っても、誰も信じなかったでしょうね…。(私も、今文章で書きながら、改めて「なんのこっちゃ」と思いました。)『鉄人〜世界一固い男〜』(1993年、許斐先生のデビュー作)文庫本2巻に収録されていました。Wikiの作品情報を見るだに、1993年のこのデビュー作以来、1996年末に「COOL」のプロトタイプ読切が増刊号に掲載されるまで、丸3年間おそらく、発表された許斐先生の作品はない…のだと思います。えっとですね…このデビュー作はですね…最初読んだ時、思わず口に出た言葉を包み隠さず記すと、「これは、テニプリという作品の品格を守るためにも、再び表に出すべきではなかったのでは!?」でした。超絶的なオモシロさ・・・作家に眠る、無限の可能性と未知なるパワーの神秘をまざまざと見せつけられたというか。妹の方が先に文庫本を購入し、鑑賞していたのですが、電話で「COOL」ではなく、ほぼこちらの「鉄人」の感想しか話して来ませんでした。「(自己紹介ページも含め)、すごい…許斐剛のすべてが既にここにある…イケメン以外。」なんかよく分からないのですが、とにかく主人公は、頭がツンツンで、軟派なことと豆腐が大嫌いな、硬派で「世界一硬い男」だそうで。人差し指と小指を立てながら発する、「ぐふふ…硬いよ!!」がキメ台詞。「とにかく硬い」という意味不明なキャラクターなのですが、意味不明なまま、最期まで突っ切ります。これもですね…受け取り方を迷う…笑って欲しいのか、カッコイイと思って欲しいのかが、本当に分からない。流石にこれは、「笑い」は狙ってるんだと思うんですが…それにしては真面目にストーリーを詰めて描いてあるので、「真面目にカッコイイヒーロー」を描いてるのかも…とも思う。いずれにせよ、まさかこの作家様が、後に「女性向けコンテンツの始祖」として、ジャパニーズエンタメ界で名を馳せることになる・・・ なんてことは、誰が想像するか!…って作品です。作中、豆腐が大嫌いな主人公が、「冷奴」のことを「豆腐の王子様」と馬鹿にするシーンが登場して、爆笑しました。このシーンでは、明らかに「ナヨッとした」という揶揄の意味を込めて、「王子様」という単語を使ってるんだと思うんですよ。多分、本当に「テニスの王子様」というタイトルも、ジャンプで繰り出す時点で、いったん「揶揄」的な意味合いというか、「馬鹿にされる」視点の集中を狙って付けてるんだと思うんです。「王子様」とか言って、なんだと思うでしょ?でも実はこの「王子様」、すごく熱くて男気のある子なんだぜ…!という反転の面白さを狙って来てた、というか。たぶんですが。オモシロいです…。「王子様」「プリンス」という単語に、これほどまでに向き合い、その第一人者となる作家様のデビュー作に、この単語がこういった形で出てきているというのが、とにかく面白いです。もうちょっと真面目に、93年・黄金期真っただ中の、おそらく漫画投稿者もめちゃくちゃ多い中において、ジャンプ編集部が、この作品で許斐先生を採用した理由について。まず、明らかに「絵」での採用ではないと思います。子どもの頃からお絵かきが好きで好きで、アクションシーンが好きで好きで描いて来た人…という印象は、全く感じないからです。恐ろしいことに、キャラクターたちの演技はきちんと描けてます。写真を見ながら、その演技動作を絵に落とし込むことは出来るんだと思います。でもじゃあ、この作家様に、ドラゴンボールのような、「革新的なアクションシーン」を期待できるかと言うと、それはまずない。また、この時点で23歳という許斐先生は、10代採用も多いジャンプ作家陣の中において、決して若いわけではなく、それにしては、漫画画面の完成度が高い状態とは言えない為、今後ヒット作を飛ばすにしても、育成に時間がかかるだろう・・・と感じます。では、この作品で何を買ったのか、と考えると、コレ↓だと思います。・構成力・演出力特に、ひたすら「主人公に集約」していく形で、キャラクター配置、話展開から、演出まで、徹し切って構成できる力、なんじゃないかな、と思いました。話を作れる(物語を要素分解して組み立てられる)、話が通じる(編集者の意図が汲み取れる)、作家様だというのは、この作品を読めばすぐに分かります。ただ、それだけではなくて、この「訳の分からない主人公」を、徹底的に演出してくる。全部の設定・話回しを、そこに持って来る…というのは、担当さんの付いていない状態の投稿者では、おそらくあまりやって来ない。それが、セルフで組み立てられている。ドラゴンボール、スラムダンクに憧れた、ひたすら絵・アクションに寄ったものが多かったであろう数多の投稿作(想像)の中で、この「鉄人」を買った理由は、ココだったんだろうな、と想像しながら読みました。(あとは、なんかこの…「謎の勢い」と、「謎の満ち溢れた自信」。)この作品の主人公自体は意味が分かりませんが、、この作品のような「主役集約型」の作品構築ができる作家様なのであれば、どんなタイプの主人公を据えても、おそらく同じように構成・演出が出来ます。デビュー時に期待されていたであろう、この強味が、今後見事に華やぎ、「テニスの王子様」という大ヒット作品が生まれたんだろうな、と思いました。「COOL」「鉄人」と、本当に読み応え&鑑賞しがい抜群でした。文庫本全2冊、おススメです!「テニスの王子様」ファンの方で、もしこの前作「COOL」、デビュー作「鉄人」を読んでいない方がいらしゃったら、本当に是非!なんかもう、漫画を読んでる・鑑賞してるというか、「許斐剛」を読んでる・鑑賞してる状態になっています。なんてオモシロい作家様なんだ、「許斐剛先生」…!「COOL」とは、同じ世界線の「LADY COOL」(2013~14年)という作品も、鑑賞済です。こちらもすごく面白かったので、また感想を書いていきたいです。by姉
2022.03.14
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3号連続春のヨナ祭り開催♪本誌でヨナ企画をしてくださるとやっぱり嬉しいですね! 表紙のヨナ姫可愛い♪プレゼントハンガーのハク様、しょんぼりしているように見えて仕方ないwさてさて簡単にですが本誌感想参ります~!暁のヨナ 第221話「ただ心が向かう場所」*以下単行本38巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!*・「冷静に盤上を見ろ いらない駒があれば即捨てろ その駒が友人であってでもだ そうしなければ地獄を見るのは高華国全土なのだから」byユホン父上スウォンの脳裏に浮かぶのは、幼き日の父からの教え・・・。これはユホン様なりの「帝王学」なんでしょうね。当たり前なんですが、スウォン様は幼少期より「次期高華国王」として育てられました。まぁ「冷酷な判断が出来る=王として優れている」では決してないはずですが、誰よりも「国を背負う覚悟」を決めていた子供ではあったのだろうな、と思います。・「予定通り弓隊を動かしますか?あそこにはまだ四龍と捕虜がいます」byケイシュク 「進めて下さい 変更はありません」byスウォン陛下スウォン様、父の教え通り「冷静に・冷酷に」振る舞います。ちょっとよく分からない図解がありましたが、えーっと要するに四龍たちが闘う最前線の場所に、高華国軍として弓矢を降らせる・・・という作戦ですね。ケイシュク含め、空の部族兵達は動揺・・・ ヨナ姫は顔がこわばるこわばる!・「たのむ 冷静に盤上を見せてくれ 戒帝国を制圧出来るなら 死ぬことも受け入れるから」byスウォン陛下スウォン様の脳裏に次々と浮かんでくる、ハクヨナや覚悟を決めたグンテ将軍達の姿・・・。「冷静になれ!」って唱えてる時点で、冷静じゃないのは自分が一番分かってるはずです。もはや「冷静・冷酷でいる事」が一番の目的になっちゃってる感じであります。本当に、体の不調・心の不調は人の思考力を著しく低下させてしまうよなぁ、と思います。この点に関しては・・・ スウォン様、本当に可哀想だな、と。まぁ・・・ ただ体調不良云々関係なく、冷静な奴はそもそも1巻で絶対あんなやり方しないからね!!って思っちゃう所はありますね。スウォン様本人も、分かってるとは思いますが・・・私達は「作中で一番冷静じゃないキャラクター、それがスウォン様!」だと思ってます。・(不死身・・・?チャゴル殿下が喜ぶやつじゃないのか?)byクラウ将軍戒の軍勢と血みどろの闘いを繰り広げる四龍達。クラウ将軍はゼノの能力に興味津々。そこに無数の矢が降ってきて・・・ おのれスウォン様ぁ・・・!・「再び二人は決裂する イル王を殺害した時とは違う 今や緋龍王を崇める民は ヨナ姫の方へ傾くのではないか これは選択を誤った」by解説ケイシュクさんケイシュクさん、ヤバイと思ってたならですね、こうなる前にスウォン様を説得するなり 参謀としての役割をですね・・・ーまぁ別にケイシュクさんの威信とか どーでもイイっちゃどーでも良いんですが;・「・・・なぜ・・・」私を支えるのですか・・・ 私は四龍さんを殺したかもしれないのに ハクも もういないかもしれないのに いやそうじゃない そんなことは今いらないしっかり目を開けて 盤上を見ないと負ける うるさい捨てろー捨てられない byスウォン様・・・・・・ァ ああああああぁああ"~~~・・・!!ああ・・・ウン まぁ 知ってた! ーっていうか貴方にとってハクヨナは「捨てる」とかそーゆーカテゴリーじゃないよね!! と。なんか結局一番大事な所はぐらかしてる気しかしないんですけど!!!と。ことココに至って、"謀反を起こした理由" だけがフワ~っとしていますよね。「ーイル陛下のやり方じゃ国を守れなかったから、しょうがなかったんだ(キリッ)!」なんて叫んだって、今の状態じゃ説得力皆無ですからね。。だって貴方こそ・・・国内荒らすだけ荒らして、他国に喧嘩売ったタイミングで倒れて 腹減り達がフォローしてなきゃとっくに駄目じゃん 全然出来てないじゃん! ーって、そりゃ言われちゃいますよ。まぁ・・・まぁ病気設定で追い詰めて追い詰めて、ハク様行方不明にしてヨナ姫泣かせて追い詰めて、相当無理矢理な展開ではありましたが、漸く・・・漸くスウォン様をここまで連れてきましたよね!! と。そんな印象深い回でした。リフレインしてくるハクヨナの比率の差が印象的だったっていうか 何て言うか・・・;・風の部族軍ピンチ!テウ将軍、ますます凜々しくなっちゃって!と感慨にふけっていましたが、戒帝国の援軍が現れ大ピンチです!ーあれこの援軍、ハク様が居るカジ将軍の部隊ですよね どうなるんでしょうか(期待!)・(スウォンの手がひどく冷たい 今馬に乗るのもやっとなんだ どうすれば・・・ どうすればいい?)byヨナ姫ヨナ姫様、好き勝手動き始めるフラグ・・・いやもう間違いなく好き勝手やり始める その場所は用意された!という感じですね~・・・ーさてさて次号も続くよヨナ祭り! 楽しみです♪by妹
2022.03.13
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最近「自分の趣味はお絵かきだ」という事を忘れそうになるくらい描いていなかったので、本日はひっっさびさに液タブ遊びをしました。やっぱりお絵かきは楽しいですね~♪「暁のヨナ」のヨナ姫様。ハクヨナ再会全力待機中!「らんま1/2」の早乙女らんま君。何描くか困ったときには必ずこの娘を描きますね・・・!「テニスの王子様」の越前リョーマ君。初描き。(そういえば・・・私にはイケメンを描く素養など全くなかった!)と気付きました。映画の円盤発売全力待機中!それでは~!by妹
2022.03.05
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お久しぶりです妹です。2ヶ月ほどヨナ活を小休止しておりました。なんというか「今まで年間3冊ペースでずっと走ってきていた暁のヨナだけど、単行本P数も減って 草凪先生の執筆も少しゆっくり休憩しつつになるのかな、そーゆーフェーズに入って来たのかな」と感じる所がありまして。また私自身(今は仕事以外でなるべく疲れたくないな~)という時期でもあって。まったり無理せず、追いかけ続けていけたら良いなぁ!と思ってます^^ー思ってたんですが、花とゆめ本誌の次号予告観たら描きおろし量が半端ないですね。あの嬉しいんですけど、本当に嬉しいんですけど!先生・・・ご無理なさらず・・・;と;本当に超簡単ですが2話分感想参ります~!*以下単行本38巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!*暁のヨナ 第219話「人間兵器」24Pと少なめのページ数でしたね。今後はこういった形も増えていくのかもしれません。良いのですよ!!本当に、先生が描けるペースで歩んでいって下されば・・・!・南戒帝国のカジ将軍八大将軍の一人ですかね。・・・なんだろう基本的には端役なんでしょうし、全然魅力的な描かれ方してないんですが妙に憎めないキャラクターになるのが凄いところです。「人はどうなってもいいけど 植物は踏まれると大変だから・・・」という理由でハク様が落とした千樹草の袋を保管してくれてました。出来た奴だ・・・!・「都じゃ指切り落とされるんですよね?」「・・・ラーン将軍」byハク様プレッシャーのかかる・詰問される場面で、ひょうひょうと立ち回れるハク様。こーゆー所だぞ・・・お前のこーゆー立ち振る舞いが(特定の人間にとっては)一番怖い所なんだぞ・・・!・「俺の隊に入れてあげる・・・ 拒否すれば脱走兵とみなすよ・・・ 脱走兵は家族諸共斬首 わかるよね・・・」byカジ将軍ハク様、命の恩人親子&千樹草を人質にとられ、とりあえず「戒帝国軍カジ将軍下の兵士」として戦場に出てきそうですね。はてさてどう転ぶのか・・・!・「心強い 自分の仕事に集中できる」byジュド将軍四龍たちには素直に感謝するんですねジュド将軍・・・ ・「じゃああれ投げろ こっちも人間兵器だ」 「驚くことはない その昔ユホンが真国にやっていた遊びだ あれは首だけ飛ばしたんだが」byクラウ将軍人間投石・・・ き・・・キ 鬼畜の所行っっ!!!確かに岩攻撃じゃ「悪鬼」が表現出来ていませんでしたからね、私も「岩攻撃よりラーン将軍の水攻めの方が鬼畜の所行だった」とツッコミました。ーツッコミました が!! 少女漫画でこんな未だかつて観たこともない絵面を出してくるなんて!!草凪先生・・・ あのその 流石です。。暁のヨナ 第220話「打っ壊せ」・「・・・やはり貴女はイル陛下の思想を継いでいる ここは戦場ですよ 貴女を連れてくるべきではなかった」byスウォン陛下捕虜になっている高華国軍兵士たちの救出を提案するヨナ姫・・・に、スウォン様はコレです。 ・・・・・・・・・・・・。。あー うん。なんか。うん。大丈夫かなスウォン様コレ「こじらせすぎててどうしよう」って印象しか感じなかったんですが。たぶん作者様も「どうしよう」ってレベルでこじらせてるんじゃないんですかねコレやっぱりもう「ハク様を真正面からぶつける」位の荒療治しないと心の内を見せてくれることはないんじゃなかろうかコレ。。正直ものすごく不安になりました!ちょっと陛下・・・そろそろ向き合ってくださいよ! 頑張って!!・「行け・・・」キジャ 「許すな 命を玩具の如く弄ぶ戦を 振り返るな 破壊しろ!!」byジェハThe・少年漫画!!! ジェハ兄さん、相変わらず美味しすぎますよね^^;・「俺は整った顔をボコボコにするのが最高にアガるんだよ イイ顔にして高華国に放り投げてやる」byクラウ将軍・・・・・・・・・・・・ズシン ズシン と出てきた大男がですね、あれは一体何なんでしょうね・・・。なんか真国編でもこんな感じの筋肉だけのモブが出てきた気がするんですが、それが戦場用に更にビッグサイズになった感じですね・・・たぶん考えるだけ無駄だとは思うのですが、何なんでしょうね 彼は。ジェハ兄さんボコボコにするクラウ将軍は、ヒヨウさんを思い出すハジケっぷりでした!・「お前が今死ぬとこだったんだよ!娘さん嫌な感じするって言ってたし」ゼノ仙人「ジェハ・・・ これ以上ヨナを悲しませたら駄目・・・俺達はハクを絶対に見つけて帰るんだ」byシンア君ジェハキジャは本当に自己犠牲的なやり方ばっかり選ぶので・・・ゼノとシンアが出てきてくれるとホッとする所があったりします。言葉数は少ないですが、シンア君の台詞はいつもグッときますね!四龍は皆そうなんですが、その中でも一番"ヨナ姫の願い"を慎重にかみ砕いてくれてるのはシンア君なんじゃないかなぁ。・「ヨナ姫 どうかそのお役目 俺にお任せを」byグンテ将軍「最後の戦場へとグンテ将軍が向かった」って・・・「将軍職を退くから最後」って事ですよ・・・ね?;グンテ将軍はやっぱり器がデカい男なんだなぁ(頭は悪いけど)! と感じました。しかしグンテが将軍職を降りると、実は「最初に登場した五人の部族長のうち、4人が替わった」という事になります。作中では1年も経っていないはずなので、やっぱり「高華国内部は相当混乱しまくってる状態」と言えますよね。・ヨナ姫や雷獣は上に立つ人間としては甘い だがその甘さがグンテ将軍の窮地を救った 代わりに犠牲となった雷獣の顛末が 心を開かせた スウォン陛下の命に背いても ヨナ姫の言葉に動くとは byケイシュク参謀解説ありがとうケイシュクさん・・・ 雷獣さん、犠牲になってないけどね!簡単感想でしたが221話掲載前にアップ出来てよかった;;;3月に入ったら、本誌は連続ヨナ企画満載のようです♪楽しみです♪by妹
2022.02.27
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少年漫画感想『新テニスの王子様』-その3◆25~26巻の展開について2018年の秋頃に、漫画原作が3カ月?の休みを取り、冬から、明らかに作画クオリティのギアを切り替え、対フランス・越前リョーマの公式戦が展開されます。新テニスの王子様の連載開始以降、リョーマくんの公式戦が、最初から最後までしっかり描かれるのは、これが初めてになります。(アメリカ代表でも、公式戦に出場している描写は出て来ていましたが、ガッツリ1試合をすべて見せる描き方ではありませんでした。)おそらく映画関連に関して、許斐先生の監修すべき部分が大方片付き、本当の意味で、リョーマくん(&許斐先生の意識)が、漫画原作に帰還したのが、この25巻かな、と思って読みました。いきなり、桜乃ちゃんを挟んで、白馬に乗ったフランスの王子(プランスくん)と、黒馬に乗ったリョーマくんが対峙しています。フルスロットルで、いきなりぶっ飛んでます。この「馬テニス」のシーンは、雑誌掲載のリアルタイム時に、ツイッターで話題になっていたのをなんとなく知っています。同時に、テニプリが「桜乃ちゃんを巡って三角関係」をぶっ放して来た!というのも、ちゃんと読んだわけではありませんでしたが、うっすら知っていました。「あぁ、許斐先生…ここはどうしても描きたいんだな…そりゃそうだよな…(涙)」と思いました。なんか、いろいろ完全に「テニプリ」をなめてたというか…まさか裏であんなとんでもない映画作ってて、その流れで出て来たものだったとは…当時は知りようもありませんでした。上述した内容とも被りますが、この対プランス戦は渾身作だと思っていて、見どころがたくさんあります。・とにかく作画クオリティ!映画を鑑賞して感動し、この新テニスの王子様25・26巻を購入して、読んだ妹から真っ先に出て来た言葉が、「テニスの王子様って、こんなに絵が上手かったっけ?」でした。妹はその後、23巻を観て、あまりの線の荒れ具合に愕然としていました。「何があった…!!?」と。それくらい、切り替えて描かれています。面白いです。端々まで丁寧に、神経が研ぎ澄まされて描かれているのもあるのですが、やはり一番には、映画から帰還したリョーマくんの存在感、立体感…というか、本当に「イイ」。パワーがある。・リョーマくんと桜乃ちゃんの関係性映画公開に向けた前準備として、リョーマくんと桜乃ちゃんを大々的に描く。それも、誰が観ても「三角関係」という図式にして。よほどひねくれた観方をしない限りは、「この2人を、描くよ。覚悟してね。」という、作品の確固たる意志を込めた宣言であることは分かりますので。作品を取り巻く空気感を「変えるよ。」という、下準備ですよね。作品の意志は、先に出しておく。また、このエピソード自体は、映画よりも時系列で後になります。わざわざ、映画作中の構図や、セリフを先んじて随所に織り込みつつ、その上で、面白味として、映画の段階より「ちょっと進んでるよ♪」とはっきり分かる描写も入っています。ちなみに、26巻のプランス戦の締め…プランスくんとの死闘の後、倒れて担ぎ込まれた病室で、わざわざ、リョーマくんと桜乃ちゃんが、2人きりになるよっ!…という直前で、超不自然にシーンをぶった切って、このエピソードは終わっています。ここでリョーマくん、速攻で告白してるんじゃないですかね?桜乃ちゃんに言い寄る男どもをけん制するのも、周囲に言い訳するのも、いろいろ面倒くさくなって。こう捉えると、25・26巻のプランスくんのキャラクター設定や、端々での発言が、「ここに持っていきたい」ための要素として、非常にしっくり来るな、と思っています。この辺は、本当に個人的なただの解釈ですし、またここに関しては、本編中で、今後どうとでも転がせるようにしてあると思います。今後の作品展開で、「しっかり、作品の一部・恋愛パートとして描写していきたい」となれば、急ぐ必要もありませんし。◆27~29巻の展開についてちょっと楽に読めるターンかな、と思います。あまりしっかり描写出来ていなかったアメリカ代表を描きつつ、28巻からは、準決勝の対ドイツ戦が始まります。ドイツ代表・Q・Pと監督のエピソード、魅せ方がキレてました…。好きです。個人的に注目ポイントは、27巻に収録されていた、「時期部長読み切り」。後ほど、しっかり語りたいと思いますが、今後の作品展開について、「この観点を持ってくれ」という、下準備かな、と受け取っています。29巻にも、一律でキャラクターたちが「成長」した姿のイラストがピンナップで掲載されていました。◆30~32巻の展開について2020年の春頃~。28巻、ドイツ戦が始まったあたりからもそうだったのですが、ただ、この30巻以降は、もう画面が…!!テニスの王子様を読んで来て、未だかつてないほどのキレ具合。パッと見で実感します。「過去最高のクオリティ」です。ここからを個人的にはこう呼んでいます。「テニプリっていいな」期。映画の全体像が形になって来て…嬉しくって嬉しくって、ノリノリ。…なイメージです。許斐先生が、映画公開時のインタビュー等で、「22年で今が一番ノッてる」とおっしゃってるのを見ましたが、漫画画面観れば、それが嘘でないことがよく分かります。本当に、今までで一番ノッてます。内容の話ですが、30巻より、新テニスの王子様内で仕掛けていた、大きな布石…ドイツ代表になっていた手塚部長VS日本代表・幸村くんの闘いが始まります。コミックにも、とにかく渾身の一戦であることが明記されていましたし、確かに、本当に画面・魅せ方がキレッキレで、とにかく面白いです。手塚部長も、日本代表も、素直に応援できない青学の面々が可哀想でしたが、試合終盤で、リョーマくんが旧作のワンシーンを彷彿とさせながら、バシッとキメてくれました。キレてます。個人的な注目点としては、幸村くんの魅せ場におけるセリフの数々。・天衣無縫に対峙するトラウマを克服し、「あ~~~っ スッキリした」・試合が最終局面に差し掛かり、「色々諦めなくて良かった」・試合直後に「未来を塗り替えよう」これは、もちろん幸村くんのセリフなんですが…その背後で、許斐先生が同じセリフを合唱してる幻覚が見えます。映画…作れて、本当に良かったね…!って思います。◆33~34巻の展開についてドイツ戦第4試合・ダブルス2 種子島修二+切原赤也戦。30巻以降の、手塚×幸村戦からの流れがあり、また、アニメオリジナルの企画で、立海VS氷帝(前・後編)という作品が2021年2月にU-NEXTで公開されていました。(鑑賞しましたが、しっかりやりたいこと・軸のある作りで、めちゃくちゃ面白かったです。)とにかく、立海の世代交代に焦点を当てて、この赤也くんが非常にフューチャーされていました。この子も、リョーマくんと要素を対にして、原作初期から投入している「少年漫画基軸」で考えて作ってあるキャラクターだと思っています。立海がアイドル揃いということもあり、旧作を読んでいる限りでは、この赤也くんも消化不良感のあるキャラクターだな、と思っていましたので、ここに来て、この子を大々的に持ち上げて来るのは、すごく良いなぁ、と思って鑑賞しています。◆35巻の展開について実は今回、一番語りたかったのが、この最新・35巻についてです。ドイツ最終戦。日本チームNo.1の平等院さんと、世界ランク1位のドイツNo.1のボルク(プロ)という、実質、新テニスの王子様内の最強対決です。漫画画面がなんかもう…凄いことになってます。キャラクターや話が全然分からなかったとしても、画面を眺めるだけで、購入の価値がある。それくらい、クオリティと勢いが凄いんです。この、35巻収録分からが、2021年の映画公開時期と重なります。35巻を手に取って、パラパラと眺めて、あぁこれはもう完全に、「リョーマ!新生劇場版テニスの王子様」を繰り出す、リアルタイムの、許斐先生の心象風景だな、と思いました。35巻の構成自体、すごく面白いんです。表紙めくった、最初のカラーピンナップに映画のメインビジュアル(許斐先生の元絵)を据えて、コミックの中では、とてもU-17とは思えない容姿のキャラ(どう見てもおっさん)たちが、血みどろで闘ってるんです。「王子様・お姫様の大冒険」みたいな顔した映画作品を繰り出す、その心情が「コレ」って…テニプリ面白過ぎますよ。35巻を読んで、私は一気に購入できていなかった「新テニスの王子様」の既刊分を買いそろえました。いち漫画好きとして、「メタで読む」という、「新テニスの王子様」の読み方・楽しみ方がはっきり掴めた、というか。平等院さんというキャラクターは、リョーマくんを日本代表から追い出したり、他の作中のキャラクターでは出来ないことをやってくれる、ある意味で、許斐先生の分身というか、その意志を、漫画内で体現してくれるキャラクターなのかな、と思っています。過去に一度、落雷で死んでたり、13時間後に何事もなかったかのように蘇生してたり、35巻で展開される「命がけ」の闘いも、他のキャラクターたちにはやらせられないよね、と。試合(?)中で、モチーフが大きく2つ登場します。◆阿修羅イメージ。あえて、修羅の道を行く。ひたすら、「滅びよ…そして蘇れ…」「蘇れなかったらそれまでだ!」を念仏のように唱えていました。◆海賊イメージもともと、この平等院さんの背負っていたモチーフなのですが、あぁ、これはきっと、ひげ面の海賊のおっさんが、「友情・努力・勝利」を勝ち取るための…そう!「少年漫画」としての姿、ジャンプ魂を再び勝ち取るための闘い!…なのか…?とか深読みしてみたり…。闘い方が高度過ぎて、まったくジャンプっぽくはないけど。また、もういろいろやり過ぎてて、わけわかんないんですが、試合中に、旧作の最終回同様、鑑賞者は誰も知らない、許斐先生作詞楽曲が流れます。♪Death Parade~どちらかを選べ!!~ という曲。(おそらく、旧作最終回で流れた ♪Dear Prince~テニスの王子様達へ~と対になる楽曲ですね。新テニ版。タイトル頭文字が「D・P」で対になっていますし、作曲家様も同じ方です。)どんな曲かは知らないのですが、この歌詞がすごく面白くて。今回の映画作品、基本的にはリョーマくんのためだけに作ったというか、最初は、本当に「リョーマくんを、なんとか昇華してあげたい」という思いから立ち上がってると思うんです。なんですが、映画内でリョーマくんが、「パンドラの箱」を開けた…「世界転換のスイッチ」を押して、未来が変わった。これは本当に、桜乃ちゃんを出す、出さない…も含め、それだけではない…リョーマくんから、どんどん周囲を巻き込んでいく、本気の本気で「テニスの王子様」という作品全体の転換スイッチだったんだな、と。「新テニスの王子様」を読んで、この35巻を読んで、ようやくその実感まで追いつきました。「転換」の先に、目指すべくはおそらく作品全体としての、「ネバーランド」からの脱却。少年漫画としての「成長の物語」ではないかな、と思っています。作品全体として、「変わらないで欲しい」というアイドル文化としての需要に対し、Death Parade(デス・パレード)を、本気でやるつもりなんだな、と。「物語」は、当然アイドル文化とは、作り方・考え方が異なります。主人公や主役級に描きたい成長軸を持ったキャラクターたちが居ますので、そのキャラクターに寄って、描く。需要に寄って、ではなくて。本編は、人気投票結果を発表する場ではなく、全キャラクターに均一に魅せ場を作ってあげるための場でもなく、主役・成長主体を描くために、魅せたいものを魅せるためのバランスで描く場所です。当たり前の話なんですが、「テニスの王子様」は、一度これ↑がどうしても出来なくなってしまった経緯があります。傍から見てれば、少年漫画作品としての大ヒット、その先の女性向けコンテンツとしての独自路線での大ヒット、20年以上の作品展開を経て、作品としての役目をすべて果たした…今、変わる必要性なんて、絶対的にあるわけじゃないと思います。このまま、長年追いかけてくれたファンたちの求める姿で、寿命を全うしても、それはそれでとても幸せな作品だと思うんです。でも…この作品は、まだまだこんなもんじゃない。ここで、あえて修羅の道を行く。すごいエネルギーです。すっっっっっっごく面白いです。とっちらかった感想になりましたが、総括です。「新テニスの王子様」、最初にも書いた通り、漫画作品としてだけで楽しめるものではないと思っています。これだけでは、意味が分かりません。ただ、「リョーマ!新生劇場版テニスの王子様」が出て来た今こそ。映画と一緒に、是非鑑賞してみていただきたいです。私は、漫画媒体がとにかく好きな人間ですが、今回のような、多メディアを行き来するような漫画感想を書いたのは初めてです。テニスの王子様は、(超優れた)他のメディアミックス展開の勢いに押され、一度は、漫画原作のバランスが保てなくなってしまった作品だと思っています。ただ、許斐先生が、それらを決して否定せず、悲観せず、アニメ・音楽・舞台・イベント…他メディア展開のパワー・素晴らしさを肯定的に捉え、それらメディア展開の立ち上げ方、作り方を観て、吸収して、そして今回、3Dミュージカル映画という他メディアを許斐先生自身が用いて、「テニスの王子様」を自身の描き出したいバランスへ、引き寄せようとして来ている。漫画家が、映像の作り込み、音楽、舞台、イベント…多メディアを自身で使いこなせるようになることで、更に、3Dという最高次元メディアに自らが挑戦することで、作品の「統制」を勝ち取ろうとして来ている。これが、許斐先生が「ハッピーメディアクリエイター」を名乗られている意味か、とまじまじと実感するとともに、そんなことが本当に可能なのか…と思うようなことが、本気で展開され、映画・漫画作品として、実際に鑑賞者の目の前に出てきています。「奇跡を観た」ような感覚です。多メディアのノウハウは、また漫画原作に帰結・集約して来ます。今、「新テニスの王子様」は、まさに異次元の旨味のノッた状態であり、本当に、こんなもの読まなきゃ損!だと思います。テニスの王子様…めちゃくちゃ高度な多メディア合戦の末、作品としてのパワーがとんでもないことになっています。(もちろん、私が未鑑賞なミュージカルやその他のメディアミックス展開も、それぞれの挑戦や面白味が詰まっているのだと思います。これらも、追々…出来る範囲で鑑賞したいのですが、とにかくまずは漫画と映画だけ…。)面白過ぎます。この闘いを、今後も是非追いかけていきたいと思っています。漫画好きの方は、本当に是非!メディアを超えた闘いが楽しめる「漫画作品」なんて、他にありません、おススメです!!by姉
2022.02.05
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少年漫画感想『新テニスの王子様』-その2◆14~17巻の展開についてリョーマくんを、アメリカ代表に放り込んで、さて、いよいよオーストラリアで、世界大会開幕だ!という展開。日本代表も、手塚くんの居るドイツと前哨戦を繰り広げますし、リョーマくんも、アメリカ代表としての活躍がきちんと描かれます。合宿所の、最期の方の苦しい感じから抜け出せて、画面クオリティも高く、話回しも満足感が高いです。…ただ、リョーマくんが、かなり荒れてます。あんまり笑ってくれません。日本が恋しそうなんですね。17巻の後半の方で、リョーマくんが徳川さんに向かい、敵役っぽいセリフを吐き捨てます。これがおそらく…2015年の末…とかかな?これ以降21巻のラストまで、約コミック4巻分に渡り、(過去シーンを除いて)リョーマ君がぱったりと本編に出て来なくなります。◆2016年1月 許斐剛☆サプライズLIVE~一人テニプリフェスタ~ についてここで、漫画原作以外のメディア展開の話が必要になります。ちょうど17巻の内容の掲載時期かと思いますが、2016年1月に、『許斐剛☆サプライズLIVE~一人テニプリフェスタ~』というライブイベントが開催されているようです。未鑑賞の為、DVDの商品ページ等の情報や、コミック記載の概要を見ただけですが、許斐先生が企画からすべて行い、キャラクターの3DCGを用いた、自らが歌うライブイベントのようです。(いずれ、ちゃんと鑑賞したいです。)そして、2021年公開の映画パンフレットのプロデューサー様のお話には、映画企画が2016年2月、許斐先生の提案(売り込み)で立ち上がったことが明記されています。このライブ企画に向けて、初めて出て来たものなのか、それとも、そもそも映画企画への道筋を描いた上で、このライブ企画を立ち上げたのか、その辺は分かりませんが、とにかくここで、テニプリにとっての未知の媒体・3DCGが、ポッと、直接、許斐先生の手元に現れて来ています。そしてライブ終了後、光の速さで「3Dの子供向け映画」企画立ち上げまでこぎつけているわけで…いや、天才的にぶっ飛び過ぎてて…最初から、どこまで狙ってたのか…私のような凡人には到底推し量れません。ただこのライブ企画準備が、おそらくおおよそ2015年内に行われており、そして、結果として製作された映画作品が『リョーマ!』であったことからも、リョーマくんというキャラクターを、そして許斐先生自身の描きたいモノ自体を、なんとか昇華したい…!その思いが3D媒体と繋がることによって、「子ども向けの3D映画」という筋道が、バシーーーッと出来上がったんだろうな、と。おそらく、“新作ファンタジー”製作に数年間取り組まれていた、その際の思考回路も相当影響しているのだとも思うのですが…しかし、飛んでる…あまりにも…。◆18巻~22巻の展開について時期を見ると、18巻収録分のあたりから、映画の話が同時並行で進み始めているようです。先ほども書いたように、18~21巻のラストまで、リョーマくんがぱったりと本編に登場しなくなります。ちょっと、映画の世界・「夏のアメリカ」に引き籠ってた…というか、逃がしてあげてたかな、と。許斐先生の労力も、当然映画の方に費やされ始め、漫画原作の画面クオリティや、話回し、キャラクター設定に割く時間が、明らかに減っている印象です。まず、18~19巻で展開される日本VSギリシャ戦ですが、ギリシャチームのキャラクター設定が、テニスの王子様では未だかつて見たことがないほどにやっつけです。石膏像みたいな造作の、もはや人間だと思って描いてないキャラクターたちがテニスをし始めます。でも20~21巻で展開されるオーストラリア戦は、日本VS開催国との対戦ということで、事前から練ってあったのかな…?オーストラリア側のキャラクターも、アウェーの空気感の中での闘いという話展開も、跡部様を筆頭に、日本代表のたちの活躍も存分に楽しめ、非常に読み応えがあり、面白いです。21巻のラストが、とても印象的です。アメリカ戦の会場に駆け付けた桜乃ちゃんと金太郎君が、それぞれリョーマ君に言葉を投げかけるのですが、「リョーマくんが、一番言って欲しい言葉」を言っているのかな、と思います。この21巻後半の辺りが、2017年春~初夏頃でしょうか。映画でぐるぐるしている時期なのだろうと思うのですが、オーストラリア戦の各話タイトルで「全てを敵に回して」とか、桜乃ちゃんの言葉で「どこの代表でも…」とか、少し姿を変えて、映画に登場してくるような言い回しが散見されて、すごく面白いです。22巻。スイス戦が描かれます。おそらく映画関連で、許斐先生の負荷マックスがこの22~23巻の辺りかな、と思います。ギリシャに続き、世界No.2のはずのスイス代表の、あまりにやっつけなキャラクター造形。監督は「ジン・オノジイハ」(逆読みしたままの容姿)、構成員には「ペーター」…。そして、「テニスの王子様」とは思えないほどに、荒れまくる線。漫画画面のクオリティを、完全に意図的に捨ててます。ダブルス戦がほとんど描写されず、ひたすらS3の阿久津くんの闘いが描かれるのですが、このオーダー自体、「作画が勢い任せになることを想定」したものだったのかな、とすら思います。コミックの記載を見る限り、この辺りでは、CGクオリティ底上げを裏目的とした番組?やら、企画を立ち上げまくってたっぽいので、そういったお仕事もMAXだったのだと思いますが…。とにかく、18~24巻の辺りは、ここまで旧作からテニスの王子様の漫画を読んで来て、一番「別の何か(映画)>>>>>漫画原作」というバランスに(あえて)なっていると感じています。分かんないよ…あのクオリティの映画が出て来れば、逆算して推し量ることも出来るけど、分かんないよ…漫画をリアルタイムで読んでるだけじゃ絶対…。◆23巻の展開について23巻開始直後、いきなりの超急展開が訪れます。リョーマくんが、アメリカ代表を抜け、日本代表チームに戻って来ます。ここの流れに関しては、「大した理由はない」としか言いようのないものであり、漫画を読んでいるだけでは、あまりに不自然です。21巻~22巻頃…2017年頃の、映画の内容を詰めていく段階において、映画の中で、リョーマくんがきちんと定まったんだろうな、というメタの視点を持たない限り、すんなりと読める展開ではないと思います。私の認識的には、↓こんな感じです。・漫画旧作の最終巻、全国大会終了直後に、リョーマくんをアメリカに逃がしている。 「テニスの王子様」の中で、リョーマくんが息がしづらくなった時に、 アメリカに逃がすのは、ここで初めてやってる。・漫画・新テニスの王子様・13巻で、再びリョーマくんをアイドル集団(日本代表)から離し、 アメリカ(代表)へ逃がしている。※付き添い:お兄さん・リョーマくんのフラストレーションが漫画原作内では昇華し切れないと踏み、 映画の世界(やっぱり舞台はアメリカ)へ更なる逃亡をさせている。※同伴:桜乃ちゃん ★重要★ 基本的に考え方は「逃亡劇」のはずなのに、なぜか渾身の3D映画製作という、超クリエイティブな攻め姿勢。 これまでの作品展開(漫画、アニメ、2.5次元舞台等)よりも、原作に寄せたビジュアルであり、且つ高次元媒体で表出することにより、それらに本気で勝ちに来ている。天才の所業。 →逃亡に次ぐ逃亡の最果てにあったのが教会であり、そこで桜乃ちゃんに「必ず守る」と誓う。 ※この部分を抑圧したことが、リョーマくんが作品内で身動きが取れなくなった原因の、大元の大元(最大の枷)であり、パンドラの箱。 →リョーマくんが映画内で、ものすごい勢いで「テニプリ」ワールドへリターン。・映画の勢いのまま、漫画原作内においても、日本代表へ一気にリターン。映画製作において、いつ頃、どういう順番で、展開・各シーンが出来上がったかは、鑑賞者には知りようもない話ですが、ただ、リョーマくんが映画内で満足して、「少年漫画主人公」として定まって、その上で「みんな大好き!テニプリ大好き!戻る!」って言ってくれない限りは、漫画原作において、この展開にはならないと思います。分かんないよ…あのヤバい映画を鑑賞した後なら、いくらでも後付けで解釈できるけど、分かんないよ…漫画をリアルタイムで読んでるだけじゃ絶対…。23巻は、まだまだ許斐先生の時間がなかったのかな、という感じで漫画画面・線は荒れまくっていますが、漫画表現はキレッキレです。謎の呪術集団が登場したり、(↑おそらく、リョーマくんと金太郎くんを少年漫画的に戦わせたかった)白馬に乗ったフランスの王子が登場する、その前振りがページをめくる前の2コマ、「パカラッ パカラッ」という効果音しかない等、あらゆる面で、ぶっ飛んではいますが、ただ、キャラクターも皆イキイキしていて、とても面白いです。すごく好きな巻です。◆許斐 剛✮パーフェクトLIVE~一人オールテニプリフェスタ2018~ここで、また漫画原作以外のメディア展開の話です。2018年6月、24巻執筆中…かその直後くらい?の段階だと思いますが、上記タイトルで、再び許斐先生のソロライブが開催されているようです。こちらも未鑑賞なのですが、2016年と同様に、3DCGのキャラクターを用いたライブとのこと。この時に、ご本人がはっきりおっしゃってたのかもしれませんが、このライブ企画は明らかに、製作中の映画における、3DCGの、特にミュージカルシーン(&テニス試合シーン)の、動きのクオリティ底上げを主(もしくは裏)目的としたものだと想像しています。妹と、劇場版『リョーマ!』の作り方について、(全部想像で)散々語り合っているのですが、おそらく、下記2楽曲…・RAP FESTIVAL・超えたいその壁をについては、かなり初期の段階で、作品の方向性を決定づける意味合いも含め、パイロットフィルム的に製作されてるのではないか、と話しています。映画パンフレットで、RAP FESTIVALを担当された方が、「2017年製作時」とおっしゃっていますし、特に映画冒頭部分の3DCGに関しては、後半と比べ動きがかなりぎこちない面があります。パイロットフィルム製作の反省点や課題点を克服するための修練の場が、2018年の、このライブ企画だったのかな…と。ミュージカルシーンでは、下記3楽曲…・オープニング・♪Dear Prince~テニスの王子様たちへ~・♪Peace of mind~星の歌を聴きながら~・世界を敵に回してもこれらに関しては、映像クオリティの高さが異常であり、(単にお金がかかっている、という意味ではなく、伝えたいものを伝え切る、キャラクターの演技力・魅せ方という点で)おそらく2018年の修練を経て、振り付けも作り込んで、製作ノウハウが蓄積された、最期に作り込んでいるのではないかと思っています。「漫画家」ってなんだっけ…?いや、「ハッピーメディアクリエイター」か…うん…。マジ半端ねぇ。恐ろしい…。その3につづく。by姉
2022.02.05
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21年9月頭の映画『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』公開以降…実際には、8月から映画公開に向けて原作旧作を爆買いして読み直したりしていたのですが、それ以降、基本・映画の中に住みながら、他のテニプリコンテンツを少しずつ噛み砕いています。8月の時点で、原作旧作である『テニスの王子様』全42巻について漫画の感想記事は書いていたのですが、『新テニスの王子様』については、ところどころ購入しつつ…全巻揃えれていませんでした。最新巻・35巻までようやく揃え、じっくり読み…あまりに面白かったので!!!感じたその面白さについて書いていきたいと思います。*以下、映画感想もそうでしたが、あくまで、漫画原作を読んだいち読者の、ただの「想像」「いち鑑賞者の解釈」です。また、『テニスの王子様』の他のメディア展開について詳しいわけではないので、漫画・映画だけを鑑賞して、こういう風に捉えている人も居るんだな、と思っていただければ。*『新テニスの王子様』(許斐剛先生、ジャンプスクエア、2009年~、既刊35巻~以下続刊)全国大会終了後、秋。高校日本代表候補(U-17)合宿地に、50人の中学生が集められた。青春学園、四天宝寺、氷帝学園、立海大付属中・・・高校生を含め、300名以上の候補者たちの生き残りをかけたサバイバルが始まる。前提として、漫画作品としてだけで、この『新テニスの王子様』楽しむことは難しいのではないか、と思っています。作画クオリティ、キャラクターや話筋の練り込みという点で、ムラが大き過ぎます。また、映画感想の際にも書きましたが、『新テニスの王子様』は、基本的に「物語ではない」と私は認識しています。漫画原作としての『新テニスの王子様』の連載中に、『テニスの王子様』という多メディアパッケージの「作品が存在する目的」「作品のスタンス」が、意識的に、意図的に、変革を起こしています。確実に、映画『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』が、その変革の核に座す作品だと思っています。パッケージ自体が、生まれ変わろうとしている…その変遷の過程を、串刺して見て取れる(想像できる)のが、ずっと連載を継続している、原作漫画『新テニスの王子様』だと思います。『テニスの王子様』という作品は、漫画だけでは語れないんですよ。許斐先生が「漫画家」ではなく、「ハッピーメディアクリエイター」ですので。イベント・作詞作曲・映画製作…その他多種多様な表現媒体…多メディアなんです。漫画原作と、他メディア作品とで、許斐先生とキャラクターたちが行ったり来たりしてるんです。個々に作品として完結してそうな顔してるんですけど、やっぱり一つのメディアを鑑賞しているだけじゃ、筋として理解できない。ですので、この漫画『新テニスの王子様』の楽しみ方としては、映画『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』が2021年9月に公開されることを前提として、原作の執筆・掲載時期と、映画の製作過程を照らして、想像する。原作に、映画製作に取り組む許斐先生の心象風景がリアルタイムに反映されてきている(であろう)過程を、想像して、楽しむ。読者が、漫画読みながら、多メディアをまたがる『テニスの王子様』の作品形成について、勝手に解釈の空中戦をやる感じですね。…めちゃくちゃ、面白いです!!映画感想記事でも少し書きましたが、まず、『新テニスの王子様』の作りについて。2008年に旧作が週刊少年ジャンプ誌上で完結を迎え、2009年に、ジャンプスクエアで本作が連載開始しています。この立ち上げについては、私の捉え方では、「少年漫画」ではなく、「アイドル需要に応えるため」のものだったのだろう、と思っています。旧作を締めるに至った経緯も、私の目線で読み取る限り、TVアニメ放送終了を待ち、コミック20巻台後半~30巻台前半で試みた「少年漫画の再開幕」がこの状況では出来ない、無理だ、と判断したんだろうな、と感じています。もし、旧作の『テニスの王子様』が続いていた場合、どういった形で展開する予定だったのかは分かりませんが、普通に「少年漫画」であれば、当然、夏の全国大会を終えれば、3年生は中学テニスは引退し、各校、2年生を中心とした体制へ移行するでしょう。金太郎君や赤也君といった、力を入れて設定してあるライバルキャラクターはもちろん、不動峰や六角といった、1~2年が主要メンバーとして形成されている学校に関しても、リョーマ君の成長軸と呼応して、成長していく主体として設定されていました。ただ、ファンの大多数に「集団アイドル」を求められる中で、とてもそういった変化が許容される状態ではなかったんだろうな、と。新テニスの王子様は、U-17世界大会という舞台自体が、3年生たちも引退させず、キャラクター皆を「世界大会」まで連れて行く、いわば『ネバーランド』だと思っています。旧作において最大の特徴だった「学校別団体チーム」を解体し、キャラクターたちを、成長や生活感から切り離してます。単純に、「高校生・中学生たち…お前ら、学校は?」って話なんですよ。旧作を読む限り、キャラクターたちの生活感を無視して描くことはしない作家様です。求められるものを描くために、あえてこの形にしてる。許斐先生が、旧作を畳んでから、たったの1年で、自身の心の折り合いをつけて、求められるものに徹しきるこの「ネバーランド」を構築してきたことは、本当に凄いな、責任感だな、と思います。『テニスの王子様』という作品を描くモチベーションを、「求められるものに応える喜び」と整理し、切り替えられたんじゃないかな、と思います。映画公開の少し前に、オリコンだったと思うのですが、許斐先生のインタビュー記事が掲載されていました。その記事上で、とても印象深かったのが、「新テニ連載と同時並行で、新しいファンタジー作品の連載構想を練っていた」というお話。結局形にならなかったが、3年くらい取り組んでいた、といった内容だったと思います。『新テニスの王子様』の出だしと照らして想像すると、「自身の描きたいものを形にする喜び」という、漫画製作の根本に根差すはずのモチベーションを、別の作品製作として昇華し、クリエイティブのバランスを取ろうとされていたのかな、と感じました。◆1~12巻について上述のように、本作の出だし…13巻まで、隔離されたU-17候補者選抜の合宿所で展開されますが、私は、読むのがやはりとても辛かったです。遠眼に、この作品を「こういう状態なんだろうな」と捉えていた認識と、ズレはありませんでした。…が、まじまじと鑑賞すると、やっぱりツラい。許斐先生が、「求められるものに応えよう」とされているのは、とにかく凄いと思います。尊敬しかありません。もちろん、「求められる」こと自体は、喜びだと思います。ただ、同時に、ファンや他のメディアミックス製作主体から寄せられる、「テニスの王子様には、こうであって欲しい」という声や要望が、「無から形作る」「描きたいものを形にする・物語にする」…作者様が漫画作品を創造していくための、モチベーションや体制構築というものに対して、思慮・配慮を欠いたものだったであろうことが、ありありと想像できてしまう…。もちろん、他のメディア展開から得られる喜び・モチベーションがたくさんあったからこそ走らせることが出来ていた状態なのだとは思いますが、私は、根本的に「漫画好き」ですので、明らかに無理をして描いていることが分かる、この状態を見るのはどうしても辛いです。1~5巻くらいまでに関しては、崖の上の特訓ですとか、新しい絵面もあり、少年漫画として面白いと感じることができます。ただ、6巻以降になってくると、先が見えない五里霧中感が漂っており、個人的には、読み進めるのが…辛かった。今回の映画作品が出て来なかったら、とてもではないけれど、直視出来るものではありませんでした。この、2009年~新テニスの王子様の出だし5年間に関しては、「求められるものに徹した」展開だったのだろうと認識しています。また、許斐先生自身が、イベントや楽曲製作等、多メディアを用いた作品形成に、本格的に乗り出しているのも、この時期でしょうか?2011年には東日本大震災もありましたし、本当に責任感を持って取り組まれていたのだろうな、と。コミック9巻・11巻に、立て続けに許斐先生が体調を崩され、病院に運ばれた・入院したと記載がありました。過労…でしょうか…?この体調不良もあって、なのかは分かりませんが、この辺りで新作漫画製作に関しては、「諦める」方向に動いたのかな、と感じました。2013~2014年頃?かと思います。…ここまで、いち漫画好きとして、悲観的な語りになってしまっていますが、エンタメ作品として、「需要に(期待以上の形で)応える」スタンスは、否定の余地など一切ないものですし、「テニスの王子様」という作品の、その部分の凄さは、重々承知しております。作品としての黄金期は、この旧作中盤~新テニスの王子様立ち上げ時期であることは間違いなく、(主に女性向けコンテンツとして)後続文化に多大な影響を与える、伝説となるようなワークスは、まさしくこの時期に産み出されたものだと思っています。◆13巻の展開について2014年、「新テニスの王子様」の展開が大きく動きます。リョーマくんが、日本代表合宿を「失格」という形で離脱します。これは、「求められるものに応える」という考え方では、まず出て来ない展開だと思います。ここで、作品の定義が一度切り替わってる、と感じます。全部勝手な想像の上に立って解釈しますと。まず、許斐先生が新作製作を諦め、「テニスの王子様」一本で描いていくと決めた。自身の「描きたいものを形にする」というモチベーションを、再びこの「テニスの王子様」内で実現していかなくては、と腹をくくった。そしてもう1点。新テニスの王子様の連載を走らせていく中で、主人公のリョーマくんが、全く動けない状態になっているな、と感じました。旧作の段階から、重い枷を背負わせて来た子です。守るべき存在として出したヒロインの女の子(桜乃ちゃん)が、メタの世界で、まぁ、観たこともないような大変な状況に居たのを、「助けに行くな」と。「王子様」なのに、お姫様を「守りに行くな」「優しくするな」と、作品のためにずっと我慢させて来たよなぁ…と。TVアニメが終わっても、リョーマ君と桜乃ちゃんに関しては、まともに描くことが叶わず、また、新テニスの王子様では、大好きな青学というフィールド自体が離散状態です。桜乃ちゃんと青学…この子が、大事にすべきと仕掛けたものを、全部取り上げてしまった状態、且つ12歳から微塵も成長させてあげられないネバーランド内において、「作品の顔・集団アイドルのセンターとして、ファンサだけ頑張れ!」って、なんて酷なことを言うんだ、と思います。真面目な子なんで、頑張ってやって来ましたよ。でも、表情も発言もグッと少なくなってしまって、自分から「やりたいこと」の提案もして来ない。「少年漫画の主人公」として、死ぬ直前まで来ていた…ひょっとしたら、一回死んでたかもしれません。分かり切っていたこととはいえ、無理して「求められるもの(集団アイドル)を描く」方向に振り切れた分のガタが、やっぱりリョーマ君と青学という、物語の主役(として設定していた)主体に出てしまっている。まずは、とにかくリョーマくんを、この子をどうにかしなければ、と。そこで出て来た展開が、「日本チームから離す」だったのかな、と思いました。ここから数年間の「テニスの王子様」は、「リョーマくんに笑ってもらう」ことが、すべてにおいて、何よりも優先されていると感じます。13巻のラスト。合宿所を離れたリョーマくんの前に、ここまで『新テニスの王子様』本編には一切登場させて来なかった桜乃ちゃんが、鮮やかに登場します。(女の子キャラクター自体が、おそらくここで初登場…かな?)「求められるものを描く」だけの作品ではなくなったから、出したという認識で良いのかな、と思っています。リョーマくんが、本当にヤバい状態なので。なんとか桜乃ちゃんに励ましてもらって、笑って欲しかったんでしょう。旧作10巻以降で、初めてまともに本編の中でこの2人が描けたシーンだと思います。このデート回ですが、漫画画面が非常にキレています。旧作においても、この2人のシーンでは「向き合って見えないように」「並んで見えないように」アングルを設定するという、ものすごく不自然な画面取りを行ってきていましたが、このシーンでは、それを取っ払って、とても素直に画面取りがなされています。以下、蛇足ですが、私と妹内の話の中では、許斐先生の中では、この時点で「実は既に付き合ってる設定」があったのかもね、という話になっています。この13巻のデート回の、2人の言動行動が、流石に「付き合ってる」と思った方が、素直に見れるレベルですので。旧作を畳んだ許斐先生が、再び「テニスの王子様」に向き合うに際し、求められるものと、製作モチベーションの折り合いを付けていく段階で、「描写は出来ない」けど「この2人はちゃんと仲が良くて、進展してる」設定を内々に据えていたのかな、と。勝手な想像です。ただ、もしそうだったとしても、明言はしていないので。今回、この2人をメインに映画製作をすることになった段階で、「いったん『同級生』に戻した」のかな、と想像しています。その2に続くby姉
2022.02.05
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2022年明けましておめでとうございます。去る2021年は、姉・妹ともに生活スタイルに変化がありかなりバタバタしつつ・・・ 後半は「リョーマ!」フィーバーしながら暁のヨナをまったり追いかけておりました。ちょっと絵を描くことができなかったので、過去絵加工年賀です。アニメ放送当時、公式サイトの年賀ハクヨナちゃんが可愛かったので描いたモノです。・・・な 7年前て・・・;;今年も相変わらずヨナヨナしていると思いますので何卒よろしくお願いいたします。by妹
2022.01.01
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今年も、残すところあと1日…!正直8月以降は、『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』に狂ったように通い詰めた記憶しかなく、(最終的に映画館に21回通った…新記録…)気づいたら秋が終わり、いつの間にか冬になってた…!みたいな1年でした。他にもすごくいろいろあった気もしますが、テニプリの麻薬を浴び続けた記憶しか残ってない…恐ろしい。あ、でも!ヨナ関連では、12月、1年越しに横浜の『暁のヨナ原画展』へ妹と二人で行くことができたのは、本当に嬉しかったです!暁のヨナ 37巻感想(姉編)阿波へ千樹草を採りに向かったハク・ユン。2人は立ち寄った金州で、南戒の急襲によりグンテ将軍が負傷する場面に出くわす。地の部族の士気が急激に低下した中、南戒は重ねての攻撃を仕掛けて来て…。*以下、発売直後のコミックスのネタバレを思いっきり含みます。未読の方は、お気をつけください。*妹の各話感想と思いっきり内容被ってます。本誌購読時には、ハク様とユンくんが2人で千樹草を採りに行く…という展開から、地の部族でハク様が動き回るんだろうな、と漠然と思ってはいましたが、で、結局何をやるつもりなのかな?と不思議に思いながら読み進めていました。金州でボロボロになりながら奮闘するハク様の姿を見ても、いまいちピンと来なくって。「孤軍奮闘するハク様」は、29~30巻でさんざん描かれていましたし、なんなら、17巻では同・金州で、今回の絵面に近いシーンが既に描かれています。29~30巻のクエルボ編は、そもそもの火種の作り方から、完全にハク様の主観にふっかけることしか念頭にないことが分かりましたので、「ハク様を動かす」が目的のエピソードとして、とても理解しやすかった。今回の金州での戦描写に関しては、バランス人間のハク様が奮闘し、「地の部族に大恩を売る」ことになるのは分かるのですが、モチベーションの作り方も、ハク様の主観にかかるだけに特化しているわけではないですし、また、ハク様が疲労を蓄積していく描写がしっくり来ないままに読み進めていました。これは、誰のために、何をやっているのかな…?それが、ラーン将軍の水攻めで、ハク様が安否不明になって…あぁ、そうか…!としっくり来ました。あぁ、この状況が作りたかったのか…。いつものことながら、ちょっと無理やりだったけど!!水攻めシーンは、物理的にツッコミどころしかなくて、ちょっと気が散ったけど…!誰のためって…そりゃぁ…もう分かってたよね…30巻までは、ハク様のためのターン。ここからは、スウォン様のターンだって!!!(↑思い出した)スウォン様のための話回しですね。はい。分かってたことを忘れて読んでました。ハク様を追い詰めて動かすのに、二十数巻かけてエピソードを重ね倒して来ていて…31巻で、いよいよ緋龍城に戻ってきて…スウォン様は、もう出来上がってるキャラクターだから!そもそも、もう1巻1話の時点で、やらかしてる奴だから!このキャラクターを追い詰めるエピソードは、そんなに必要ないだろう!これから、さくさく話が進むぞ!…とか考えていた私が甘かった。謎の病気(緋の病)の発症、(おそらく)設定変更が多数ほどこされた親世代過去編、それらの事実を突きつける為のようなゲストキャラクター(メイニャン)、その上で、空の部族内で立ち回り始めるハク様、簡単に動けない自分に代わり、地の部族の危機に駆け付けるハク様、孤軍奮闘し、結果行方不明になるハク様…ヨナ姫の涙…追い詰め足りないと思った草凪先生の、怒涛の追い立てが凄まじく、あぁ、全然「スウォン様」はこれから作るんだな…っていうか、ハク様同様、こっちもこっちでこじらせきってるな!と思いました。今回の展開は、結局、今、高華国で何が起こっているのか、という「現状の可視化」なのかな、と思っています。謀反劇以降、起こってきたことを総括すると、極論、「今巻の展開」なんだろうな、と。5~7巻、地の部族が全く管理できていなかった阿波の都で、海賊とともに悪徳領主成敗及び人身売買を阻止したり、14~16巻で、水の部族が全く対処できていなかった、南戒からの新種麻薬の密輸元を叩いたり、17巻で、南戒への高華国の強行進軍の後処理をしたり、19~21巻で、斉国の対高華国用の砦建設を早期に阻んだり、22~26巻で、全面戦争を回避すべく真国内部で立ち回ったり、27~30巻で、火の部族の反乱の後遺症を戒帝国の豪族に突かれた際、自分たちだけじゃ追い払えそうになかった火の部族+空の部族を先導して勝利に導いたり、スウォン政権下で、諸々やりきれない対国内・国外の火種やリスクを、最小限に食い止めようと動き回って、こそこそと命がけで働いて来た(無償)のは…そもそも、1~2巻で、空の部族から明らかに不当な圧力を受けた風の部族をなだめて、自分が消えることでその場を収めたのは…誰だったんだ、って話なんですよ。ハク様が、1巻からずっと守って来たのは、ヨナ姫や風の部族ももちろんですが、…それだけじゃないですからね。ハク様が、1巻からずっと守って来たのは、なんやかんや一番には、スウォン様ですからね。ハク様が行方不明になりました。まぁ、2巻で国政的には既に消えていた存在でしたし、むしろここで名乗られても困る存在でした。高華国内に居場所のない、元権力者です。良かったじゃないですか。都合良く消えてくれて。実際の生死はともかく、このまま「空の部族の一兵卒」として姿をくらましてくれたら…2巻で、風の部族にヨナ姫を置いて、こっそり姿を眩まそうとしていたハク様のやろうとしていたことが、コミック35巻を経て、完遂された、ってことですね。まぁ、ヨナ姫は、この事態を回避するために、そうなる未来を打破するために、剣を持ち、伝説の四龍を集める旅に出たんですけどね。今回の状況じゃ、スウォン様を責めることもできませんし、風の部族も、敵意の矛先を空の部族に向けることもないでしょう…。結局、ヨナ姫が35巻に渡って、四龍を集めて、高華国中を駆けずり回って、自身たちの存在を認めさせて、緋龍城に戻ってきて…状況はすごく変化しているんです。でも、一番の目的は平行線のまま、2巻の段階から何も解決してないんです。だって、本人が言わないんだもん。ってことが、顕在化してる巻だったな、と思います。暁のヨナ…この作品は、37巻にも渡って、ぐるぐると核心の周りで螺旋を描く、衛星のようなことをずっとやってきて、なかなか突っ込んでいってくれなくて…流石に…読者ももう分かると思うんです。この作品、伝説だなんだかんだとか言いながら、話回しでは、エンドレスでハク様しか描いてないって。これ以上衛星状態を続けると…白泉社の歴代大作たちのように…いつ連載が止まらないとも限らないと覚悟をしなきゃと…そんな気持ちも心の片隅にあったりなかったりするのですが。それでも着実に、核心に近づいている…と信じたい。スウォン様、草凪先生がえげつない追い立て方して来てますが…是非、それらを大きく受け取って!是非、大きなリアクションをして、話を核心に近づけていってください。暁のヨナ、2022年の展開も、楽しみにしています。by姉
2021.12.30
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簡単にですが、本誌感想参ります~!暁のヨナ 第218話「開戦の角笛」*以下単行本38巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!**なんか今回、本当にジュド将軍を毒吐きながら愛でてるだけの グチみたいになっちゃったので、本当にお気を付け下さい*・「高華国最強部隊も地に墜ちたもんだ 雷獣は十数人で金州を守り抜いたのによォ」byグンテ将軍 「放せェェ!! あの男やはり一度死ぬべきだったのだ!!」byジュド将軍グンテ様、千樹草なくとも戦場でジュド将軍相手に茶々いれられる程度には回復出来たようです 流石ッスね!!いやしかしこの嫌味はムカつきますね・・・本当のことだからこそムカつきますよねーねぇジュド将軍??今回のヨナの見所は、ほぼほぼこのグンテ様とジュド将軍のやりとりだったなぁ!と個人的には思ってます。会話に「これでもか」というほど重要な要素を入れ込んであるなぁ、と。・「イル陛下の件を黙認し スウォン陛下に忠誠を誓った俺は雷獣にとって敵同然だろう だが・・・あいつは俺と俺の大事な部族を守ってくれた 命をかけて ヨナ姫にも・・・阿波が世話になったと聞く・・・ 不忠の臣として あの二人に返せるものがあるなら返してやりたい」byグンテ将軍グンテ将軍、スウォン様がイルパパ殺して王座に就いてヨナ姫&ハク様が緋龍城に居れなくなったんだろうなぁ~・・・という所まではちゃんと分かっていたらしいです。まぁそうでしょうね。ハクヨナちゃん、実はそれ以上にえげつない追いつめられ方してるんですけどね。。まぁそれは2人が「私達はこんな事された!」と訴えないことには他の将軍達は知る術もないので、仕方がないことだと思います。ーというように、グンテ将軍は傍観・沈黙・容認してただけですが、ジュド将軍はバリッバリの加害加担者側なのでね!!どうなんですかね今のお気持ちは!!?・・・というシーンだったと思います。ジュドなぁ・・・ジュドは本当になぁ・・・(なんだよ)・南戒の大軍勢!!大軍勢・・・大軍勢!正直に言いますと、暁のヨナに「軍勢」が出てくる度にちょっとハラハラしてたんですが(戦をきちんと描写する漫画ではないので;)流石にもう慣れましたね・・・。ジュド将軍、南戒の圧倒的な武力と財力に大慌てです。(メイニャン様の言い分にしっかり耳を傾けないからだぞ・・・)(というか あれだけ大見得切ってたの 何らかの情報に基づいた主張じゃなくて ただの根拠のない精神論だったんスね・・・知ってた)・雷獣ならば留まっただろうか俺はいつまであの男に勝手な劣等感を抱いているのか・・・ あの男は何にも恥じぬよう後悔しない道を選んだのだろう byジュド将軍・・・・・・・・・。。なんだろうな うん。要するにこの男(34歳)は、自分より明らかに優秀な10代の若者を追いやって、今なお国の中核である「空の王族軍の総指揮」というポジションに座して居る訳です。劣等感とかうだうだ言ってられないよね そこは分かってますよね。・・・しかし「あの男は何にも恥じぬよう後悔しない道を選んだのだろう」はただの思考停止というかハク様について考えるの面倒くさくなっただけですよね。。ーまぁ深く考えを巡らせられる状況ではなかったけども。・「南戒には八人の大将軍がいるんだ ヴァルとかラーン ヒッタン将軍とか割といい奴もいるけど 中には悪鬼の如き恐ろしい奴もいる 中でもクラウ将軍は最悪」byメイニャン「開戦の狼煙の代わりだ 派手にいかせてもらおう」byクラウ将軍メイニャン様がお元気そうで何よりです。そしてもう登場人物の名前覚えられな・・・ ;; 今度こそジュド将軍の格好良い場面が来るのか!ーと一瞬と思いましたが、来なかったね・・・。派手好きな悪鬼・クラウ将軍の第一手は・・・ 岩。草凪先生、岩攻撃お好きですよね。個人的には、ラーン将軍の水攻めの方がはるかに鬼畜の所行だったと思いましたが・・・;;・四龍たち、そしてヨナ姫スウォン陛下 高華国軍到着!!ヨナ姫が甲冑着て独りでお馬さんに乗っている・・・だと・・・!?25巻の段階ではアルギラに乗せて貰ってたのに、いつの間に乗馬スキルを身につけたんですか姫様ぁ!!ヨナ姫、スウォンと並んで本当に格好良かったんですけどね、やっぱりちょっと目が虚ろといいますか・・・「とっとと終わらせよーよ」って雰囲気に見えちゃったのは私のフィルターが偏りまくってるせいですね ハイ!シンア君がハク様を探してるシーンが良いですね。実は四龍の中で一番冷静な性格してるのはシンア君だと思ってます。・「高華国軍の角笛・・・!」by大怪我のハク様アレ?これハク様、結構近くに居るんじゃないです!?このままの状態が続くと本当にヨナ姫がヤバいと思うので(メンタル的な意味で)とっとと出てきて下さい!!そして「夫になる」「結婚」「妻」という言葉が出てきましたね。ああ遂にかぁ~・・・という感慨深い想いでいっぱいです。。(←気が早い)ーというかソヨンさん(年齢不詳)とランラン君はどーゆー立場なんだやっぱりよく分からない;;次回は付録でヨナ花札付♪楽しみです!by妹
2021.12.26
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暁のヨナ 全世界累計(紙+電子)1400万部突破おめでとうございます!!ーすごいなぁ。うん。すごいなぁ!としか言えません。さてさて超簡単にですが、本誌感想参ります~!暁のヨナ 第217話「固く閉じた蓋」*以下単行本38巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!*・「君の前では泣くのかなと思ってさ・・・ 僕らの前では無理した笑顔だったのに・・・嫉妬する」byジェハ兄さんヨナ姫が涙した事を察し、思わずスウォン陛下(体調不良中)につっかかるお兄さん・・・ジェハ兄さんの面倒くささが天元突破してて大変良い台詞だったと思います!!キジャさんとかだって、当然同様の想いは抱いていると思うんですけどね・・・ここをしっかり割り切れる仕事人間だから、言わないだけで。・「彼女の涙から伝わって来たのは 哀しみと絶望 そして強い怒りだった 自分が ここまで彼女を追い詰めた・・・」by弱ってるスウォン様イヤ今回の件に関しては、怒ってないと思うよ!!確かにヨナ姫をここまで「ハク様命」な状況に追い詰めたのは 間違いなく貴方だけどね!!・・・スウォン様・・・弱ってますねぇ。。人間は弱ると、心身共に「今まで無視できていたはずのガタ」が噴出してくるもんですよね ええ分かります 分かりますよ。・「ハクがどこに居るかなど 分かるはずもない そもそも ハクの事を 考える 暇はない 時間はない 閉じて捨てた箱の蓋が」 by弱り切っているスウォン様ーこの期に及んで何言ってるんだろうこの男はーなどとうっかり思っちゃいましたよ。イケナイいけないぞ私 相手は病人!!姉とも話したのですが、言い回しがちょっとミスリードっぽいんじゃないかな・・・と感じました。「閉じて捨てたはずの箱」は、ヨナ姫の事なんですよね たぶん。今回の文脈だと、ハク様もこの箱に入ってるようにも感じられちゃいますよね。細かい所ですが これはどうなんでしょうね・・・ と。気になりました。・一堂に会した火・水・空・風の部族軍金州への橋が完成したので、全部族が戦場へと進軍するようです。テウ将軍が甲冑着込んで将軍らしくなっちゃって・・・どうしましょう格好良いよ!!風が吹いている描写が印象的でした。木の葉なのかな・・・?・「あなたにもしもの事があったとき 私はあなたを支える 早く戦を終わらせませましょうそして 戦が終われば私達の同盟も終わり私 ハクを探しに行く」byヨナ姫・・・・・・・・・・。。ヨナ姫様、なんかキリッと格好よさげに宣言していますけどね、四龍たちも晴れやかに「お供します!」とか言ってくれてますけどね・・・個人的にはああ遂に恐れていたことが;という感じでした。ーいや、前々から姉と言ってたんですよ「ヨナ姫が居なくなったら、ハク様は死ぬかもしれないね。 でも ハク様が居なくなったら、ヨナ姫は 死ぬまでずっとハク様を探し追い求める亡霊になると思う」と・・・ヨナ姫は、基本的には「ハク様>世界」というか、ハク様を通じてしか世界を認識出来ない・恋愛脳にも程がある娘さんだと思ってます。ハク様が居ない世界だけは、是が非でも認める訳にはいかないんだと思います。サラッと描かれたシーンでしたが、すごくヤバイなぁ・・・危ういなぁ・・・と私は感じました。ハク様、ホント早く帰ってきてあげて;;・「ここまでの求心力・・・ 最早ヨナ姫と四龍はこの国の象徴 このまま同盟を解消して良いものか・・・」 byケイシュク参謀ーうん、ダメでしょう!!表に出てきてしまった以上、そうそう簡単に好き勝手されたらマズイですよ。スウォン政権にとって脅威になり得る存在ですからね!・「・・・空?どこだ・・・? 遺体!? な 何だこれ 待て 死んでねぇ」byハク様あああ良かった!!ハク様死んでなかった!!!!しかしこんな・・・血まみれ&埋められる寸前で目覚めるとは思わなかったですよ;誰かに介抱されてているものとばかり・・・ うう痛々しい;草凪先生の、こういった「インパクトのある絵面・エピソードで焼き付けていく手腕」は本当に凄いと思っています。なかなかコレをやってくれる作家さんって居ないんですよね。ー戒の兵士に捕らえられかけた所、見知らぬ親子・ソノン&ランランが庇って介抱してくれる事に。息子のランランには、何か不思議な(神官的な)力があったりするのかな?・「千樹草・・・ あれがないと戻れない・・・」byハク様千樹草とかもうどーでも良いので、とりあえず戻ってきて下さい!ヨナ姫にその姿を見せてあげて下さい!!!次号は37巻と同時発売ですね。なんともハク様ハク様した年末になりそうですねv次回も楽しみです!by妹
2021.12.13
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暁のヨナ 原画展inマルイ 横浜に行ってきました!昨年・2020年12月に池袋で開催されて以来、1年間で大阪・博多会場を巡回し、今回、関東で再開催!とのことで。暁のヨナ 原作単体でのオンリーイベント・・・めちゃくちゃ行きたい!!…けれども、状況も状況でしたので、1年間、「無理だ…!」を繰り返しておりました。今回、本当にありがたいことに、開始1年を超えてもなお、新会場で開催してくださる、とのことで…。今ならっ…というか、今しかない!!と、妹と2人で、横浜まで行って来ました。原画展数も、規模を大きくして70点が展示されているとのことで。当初、「プチ原画展」と言っていた気がしますが、もう「プチ」は付けていないんですかね。70点ですので…本当に、ガッツリ・しっかりした展示会でした。原画展示の、最初に出迎えてくれたのが、こちらの原画。2011年のカレンダーイラストだそうなので…ちょうど、11年前??まだ、コミック5巻収録の内容が掲載されている頃のものだと思います。阿波編の本当に初期初期のあたりかな?この頃キャラ同士の関係性がすごく走り始めているのを、本編からも感じていましたし、人気も、ひょっとして少し出て来てるのかな?…と思っている時期でした。そこで、このカレンダーイラストが出て来て。すごく嬉しかったんです。「これは、行けるぞ!人気出るぞ!」と勝手に盛り上がって。(「ハクヨナでラブ展開、期待してね!」と感じさせるイラストは本当にコレが最初だったと思います。)11年越しに、こんな立派な単独イベント会場で、こうして生原画を拝める日が来るとは…!妹と2人、こみ上げるものがありましたよね…。あ、原画の並びですが、全てではないですが、基本的には、古→新 順に、原画が並べられていました。妹が、しきりに「思ってたより、私は冷静。」とか口ずさみながら観てました。「もうここに住む。」ともつぶやいていました。舞い上がっているようにしか見えませんでしたが、本人的には、冷静に楽しめていたようです。妹「マスキング液と、ホワイトが使ってある。ホワイトで花びらを描き込んである。意欲作だと思う!」姉「へぇ…(鵜呑み)。」妹「この辺になってくると、画材の多様さも面白い。人物と花で輪郭線の色を変えてきてるし、主線に色鉛筆とか使ってるんじゃないかな。」姉「へぇ…(鵜呑み)。」姉「ハク・スウォンイラストの渾身さ、いちいちマジパねぇ」妹「気合がにじみ出た、いい絵だねぇ…いや、本当に。」妹「草凪先生が、あらゆる場所で真っ先に推してくるようなイラストは、生原画で観ると、やはり出来がとても良いね。この絵は、とにかく空のグラデがきれいに描けてるのと、ハク様の服のにじみがとてもきれいに出ている!」姉「へぇ…(鵜呑み)。いい絵だよね。私もやっぱりこの絵好き」妹「あべとしゆきさんの水彩技法本を読んだ草凪先生が描いた絵では(たぶん)」姉「へぇ…(鵜呑み)。」妹「前から好きではあったけど、生原画で観て、更に好きになった!シンプル構図だけど、描きたいものが明確で、それをどこまで立体的に魅せていけるか・・・という絵だと思う!」姉「へぇ…(鵜呑み)。」姉「手のところが!貼ってある…?」妹「ホントだ…くそうっ…キャラファイングラフ(A5)じゃそこには気づかなかった」妹「雨のホワイトがもりもりでしっかり見れる」姉「手の込んだイラストだねぇ…。」それにしても、こうして、年代順に生原画を拝見して、よくよく×100、分かりました。草凪先生…試行錯誤を繰り返し、本当にどんどん上手くなってる。分かってはいたんですが…いや、改めて。妹曰く「暁のヨナのカラーは下記のような流れ↓だと思う(想像)」だそうです。10巻までは、カラーイラストを描きながら、(主にカラーの)デザイン設定をしていたのでは。↑今回の展示にはありませんでしたが、このあたりのカラーのことですね。10巻台は、アニメ化があり、動き・声がついてキャラクターが立体的になった。とにかくキャラクターを活き活きと描くことを意識されている印象。20巻台は、アニメも終わり、ここで一気に情景を盛り込むことに転じている気がする。(元々草凪先生は情景を描きたい作家だと思う。アニメ化前にも背景を描きこんだカラーはたくさんあった。・・・でも、なかなか上手く処理しきれていなかった印象。暁のヨナは、ハクヨナ+ユン君+四龍、それぞれ強い色付けをしているので、そもそも水彩で情景まで落とし込むのは難しいデザインだと思う。)主線の有無で立体感を出したり、ピンクの線でファンタジックな雰囲気にしたり、色んな挑戦をされている。30巻台は、情景を超え、1枚絵としての芸術性を高めた作品になっている。今まで積み上げたツール・技法の引き出し、配色のノウハウが活かされていて、ただただ圧巻。特に、原画展開催前後からのイラストは、展示して大勢の方に鑑賞してもらうことを念頭に置いている。絵画。姉:へぇ~~…(鵜呑み)。まぁでも、私のような素人目で見ても、どんっどん上手くなっていくのが当然分かりますので。いやぁ…向上心の塊・すごい作家様だなぁ…!!と改めて感じました。展示のラストは、ここ最近のイラストでした。見応えがありました…!展示会場は7階でしたが、B2階の「CHABAR」さんで、ハク・ヨナ・スウォンのコラボドリンクの販売がありました!●ヨナ「マンゴーローズヒップ茶」●ハク「白桃バタフライピー茶ラテ」●スウォン「黒蜜きなこ紅茶ラテ」すごい!人気作みたい!私は、タピオカなどというオシャレな飲み物と縁がないと思っていましたが…まさかこんなところでガッツリ飲むことになるとは…;本当は3杯飲みたかったのですが…飲み切れないので、2人で、ハク・ヨナのドリンクを購入しました。そして、特典でいただいたコースターがこれですよ…!うん、なんかそんな気はしてた…!ヨナ姫のドリンクは、意外と甘くなく、あっさり渋めな飲み心地でした。(ローズヒップですからね…)ハク様ドリンクの味が、全然想像できなかったのですが、白桃とバター風味のラテという、甘い、ミルキーな印象でした。この2つのドリンクは、味も全然違って、相性が良かったです。スウォン様ドリンクは、飲み比べてはいないので想像ですが、ハク様ドリンクと一緒に飲もうとすると、味が近くてちょっと辛いかもしれません。ヨナ姫ドリンクを挟むことをお勧めします。いえいえ、でも、どちらのドリンクも本当に美味しかったですよ♪コラボ、ありがとうございました!はぁ…。暁のヨナ生カラー原画に四方を囲まれた空間…!!!本当に、幸せなでした…っ!!念願叶って、無事に妹と2人で鑑賞することが出来ました。花とゆめ編集部・CHARA-ART・マルイ様、1年以上に渡りイベント巡回・企画してくださり、本当にありがとうございました!by姉
2021.12.06
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『暁のヨナ』プチ原画展 のグッズが届きました♪-その2少し前に届いていました、プチ原画展のグッズ第2弾!簡単感想です。『暁のヨナ』プチ原画展…初回が昨年の12月ですので、1年以上に渡って各所で展開されていますね!今年の12月には、規模を大きくして横浜でも開催されるとか…!私たちは、まだ行くことが出来ておりませんが、素晴らしいと思います!そして、開催会場の増加に伴い、どんどん追加されていく新グッズたち…!!第1弾の際は、結局全種購入したのですが、増えすぎたグッズ置き場がなくなって来たため、第2弾追加グッズは、本当に欲しいものだけに絞りました。第1弾グッズ購入時に、特に満足度の高かった品質のグッズに絞った結果…購入したのは、こちら!購入点数絞るなら、高単価商品に限るよね!第1弾グッズ購入時、どの商品も個々に素敵だったのですが、やはり、作成主体となっているキャラアートさんの魂…というか、イチオシであろう「キャラファイン」印刷グッズの品質と満足感は、圧倒的でした。ヨナ姫・キャラファイングラフ A5 この絵は、是非キャラファイングラフ印刷でグッズを出して欲しかったので、すごく嬉しかったです。A5サイズなのですが、本当は巻頭カラー用のイラストなので、もっともっと大きな絵だと思います。A4サイズで販売していただいても良かったかな…という思いも少しありますが、でもでも、赤色の濃淡がしっかり鑑賞できます。マットの淡いピンク、額縁の白色もしっかり決まっており、1枚絵としてとても仕上がりの良いグッズ商品だと思います!スウォン様・キャラファイングラフ A5今回購入した3点のグッズの中では、個人的にイチオシグッズです!単行本カバーイラスト用表紙ですので、実寸大ではないと思いますが、巻頭カラー用よりも実寸に近いものだと思います。また、屋外・屋内の光を表現するため、相当色が塗り重ねられていて、筆致まで見て取ることができるキャラファイン印刷が、とても映えます。相当な力の入ったカラーイラストであることが、よく分かります。とても見応えのあるグッズ商品ですので、興味のある方は、是非!ハクヨナ・アクリルブロック前回の2つのアクリルブロックも、ハクヨナ(&一人だけユンくん)でした。アクリルブロックはすべてハクヨナなのか…?カレンダー(6月)用のイラストです。この絵がとても好きだったので、グッズ化はとても嬉しかったです!前回購入していたアクリルブロックでも感じていましたが、アクリルブロックという商品の特性上、「みずみずしい」イラストが映えますので、このイラストのグッズ化は最高の相性でした。1枚絵としての満足度も非常に高いイラストですので、15センチ大という大きさで、アクリルブロックというしっかりした形に閉じ込める世界観としてとても妥当です。キラキラと水紋のレーザー加工も素敵でした。高単価商品は、まぁ…確かに手を出しずらい高単価っぷりではありますが、キャラファイン印刷の満足感、半端ありませんので!おススメです^^。次回の横浜会場では、第3弾の新規グッズもあるとのことで…。どうしようか、今悩んでいるところです。by姉
2021.11.27
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本誌感想参ります~!暁のヨナ 第216話「溢れる」*以下単行本37巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!*・・・・・・ふぅ。。分かっちゃいましたが、今回は全ページ緊張感と重々しい感情が渦巻いていましたのでページをめくるたびに「・・・・・・!!! ふしゅう!」と立ち上がって部屋を一周する・・・を繰り返してました(←怪しい人すぎる)。なんというか、最近は「この展開は・・・どこにつながっていくのかな??」と中々見えなかったのですが、今回の話で「そうかコレが描きたかったのか! ・・・な??」という、ストンと来るものはありました。その辺りについて、簡単にですがぐるぐると感想をば。・「緑龍 白龍 ユン お前達は城に戻れ ここは俺達に任せて」byジュド将軍ハク様が流されてから、5日も経過していたようです!!ああ これは完全に行方不明って事ですね・・・;;ヨナ姫にどう説明すりゃええんや・・・(思わずキジャジェハ目線になる)ジュド、相当根つめて捜索活動をしていた模様(もちろんハク様だけを探してた訳じゃないと思いますが)。私的にちょこっと好感度上がりましたv・「大丈夫! ハクのことだもの 今頃どこかで休んでるんだと思う 大丈夫よ 絶対 だから 皆も休も」byヨナ姫遂にスウォン陛下&ヨナ姫に「ハク様行方不明」の情報が告げられました。一瞬絶句しつつも・・・気丈に振る舞うヨナ姫様!!!ああ これは後で大きく反動が来ちゃうヤツですね分かります・・・でも妙なリアリティがあるんですよね この反応・・・とりあえず、ジェハキジャ達に自分を責めて欲しくないし、休んでほしいもんね・・・;;ゥッ;;ジェハ&キジャ&ユン君の表情とリアクションがいちいち良かったのですよ・・・!とりあえず、とりあえずは一旦落ち着いて体制を整えよう・・・という空気にすることが出来ました。姉が「流石にこの場面のぷっきゅーにはイラッとした」と言ってて笑いましたw・「求めに応じ 風の部族参上仕った ハク様に会いたいんだけど この城にいるんだろ?」byテウ将軍ここでやって来る風の部族!! ひゃっほう!!まぁ「何かしに来た」というよりは、「ハク様が居なくなったって知ったら騒ぐ奴らが居るんだよ」という描写なのかな、と思いました。テウ君とヘンデ君、すごくガタイが良くなってて驚きました。風の部族は数年前まで「最弱」と言われていましたが、ハク様を筆頭に若手育成に力を注いできた部族です。"これから"の部族なんですよね。しかしケイシュク氏、完全に(ハク様=死んだ)事にしてて流石過ぎました。まぁこの状況では、一番冷静な態度かと思います。緊迫感のある場面で、ヨナ姫がゆるっと収めに出てきました。ヨナ姫にこう言われたら、テウ君たちも深追い出来ないよね。ウン。・・・ヨナ姫、完全に表情がスウォン様のそれになってて もうね。ゥッ;;・「ヨナは・・・強いよ 絶対大丈夫って ヨナが言うから俺も信じなきゃ・・・」byユン君「ぷっきゅほう」とは 新手のバーションが出てきましたねプッキュー!ユン君が良い子すぎてね、こっちまで涙目ですよ;;メイニャンの「ま・・・いいよ お前が無事なら」に思わずキュンと来ました。・「・・・震えているので 必要ありませんでしたか?」byスウォン様特筆すべきは、この冷静&普通すぎるスウォン様の描写ですよね。ハク様が生死不明だというのに、地図を眺めながらハクが流された場所を推測しようとしたり、震えるヨナ姫を気遣ったり・・・めっちゃくちゃ落ち着いてます。スウォン様大好きな姉曰く「スウォン様は、まぁ勿論最悪の事態も念頭にはあるだろうけど心の奥底では"ハク様だから本当に大丈夫"と"太陽は一度沈んでも、必ず登ってくる"と思ってるのでは。ーというか、基本的に生死を問わない絶対的存在だから」だそうです。・・・うん。私もそうなんだろうな、と思います。スウォン様のハク様に対する感情というのは、"絶対生きてるって信じてる"・・・とかの次元じゃなくて、もはや絶対信仰のレベルだよね、と。・「教えて・・・スウォンハクがどこにいるのか 教えて」byヨナ姫ぅあ"ああああああああああ~~!!!ヨナ姫様の気持ちを最重視して読むタイプの私・妹的には今回一番ずっしり来た台詞でした・・・ ァァア・・・そうだよね!とにかく一番の気持ちは「会いたい 顔が見たい」だよね・・・!!ーそれをスウォン様に無茶振りするヨナ姫であります!!!いや、本当にグッと来る素晴らしいシーンでした。追い詰められて、堪らなくなって出てきた言葉から感じたのは・・・謀反の夜までは、スウォン様は本当にヨナ姫に優しくてお願いを何でも叶えてくれてたんだな という事とヨナ姫はここに至っても「ハク様とスウォン様には、どこまでも特別な繋がりがある」と信じてるんだな という事です。ーいや、何というか ヨナ姫の言いたい事って「誰よりも高華国に詳しいスウォンなら、ハクが流された場所分かるでしょ教えて!」というスウォン様の能力への過信的なニュアンス、そして「貴方達はソウルメイトなんだから、何かしらのミラクルパワーで居場所分かるんじゃないの教えて!」みたいな、2人の絆への無茶苦茶な信頼みたいなニュアンスも入ってるんじゃないだろうか・・・なんてちょっと思ったんです。いや、真っ先にこの台詞が出てくるとは・・・ 本当にビックリしましたし、唸りました。・「近くにいなくてもそれぞれの場所で闘って平和になれば いつかは となりで・・・ ハクを助けたい・・・ ハクに会いたい・・・」by涙のヨナ姫ヨナ姫・・・ 戒帝国との戦に決着がついてスウォン様との関係にも何かしらの決着を付けることが出来た暁にはハク様に貰ってもらう気満々だったんだろうなぁ・・・。。というか2巻以降は、この娘の生きていく目的って極論「ハク様と一緒に生きていくこと」だと思ってます。ハク様が居なくなった世界だけは、想像出来なかったよねそうだよね・・・。うう 可哀想で見てられない・・・ 悲痛です;;;・スウォン様とハク様について上記したように、私はもうただただヨナ姫の気持ちを考えて ウゥっ・・・となっていたのですが・・・ それはそれとして。今の所、今回の展開は基本的に「スウォン様&ハク様」の為のエピソードだと思ってたりします。ハク様が本当に居なくなりました。ヨナ姫が泣いてます・・・どうしますか 見つけに行きますか行っちゃいますかスウォン様!!?やっぱり一番気になるのは「スウォン様のリアクション」なんです。姉曰く「作中で一番感情で動く人間」なスウォン様・・・どう出るかな~ どう反応するかな~ うん。色んなパターンを考えちゃうんですが・・・どうせ想像を裏切ってくる展開が来るんだと思います!!え~・・・ そしてもう1人・・・ ハク様ですね。死なれちゃ困るんで(ヨナ姫が)!まぁ生きているでしょう!!どうせ戒の将軍達あたりに介抱されてるんだろう(ファンの願望)!!! と。。思って気持ちを落ち着けてはいるんですけれども。暁のヨナ 第201話「翳り」感想(姉編)+高華国と腹減り一行の体制とハク様について (2)以前姉がこちらの記事↑で熱く語っていましたが、ハク様は今現在 ・・・高華国に居場所がありません。居場所がないことを受け入れているから、自ら積極的に「空の新米一兵卒」と、「取るに足らない存在だ」、と名乗っていた訳です。そしてハク様はこの度、ヨナ姫を絶対守ってくれる&信頼出来る仲間を見つけて、彼女を生まれ育った緋龍城に送り届けて、火の部族&地の部族に大恩を売って自分の手の届く範囲の者達は全員助けて・・・ 水にのまれて消えた訳です。17巻くらいのハク様だったら、この状況・・・大満足しちゃってたんじゃないかな と。たとえ生きていたとしても、二度と出てこなかったんじゃなかろうかと思ってしまう訳なんですよ。ーでももう、ことココに至っては流石に分かってくれてるよね!!?ヨナ姫の気持ちは分かってくれてるよねそこは信用してるからね!!?はぁ・・・次なる展開がめちゃくちゃ気になりますが次回は1ヶ月後・・・全力待機です!!(前回の記事でも同じ事言った)by妹
2021.11.12
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映画感想、ラスト記事(予定)!映画感想『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』-その5前記事までで、個々に書きたいことはだいたい書き尽くしたかな…という状態なのですが、補足で書きたいことと、本映画に対する個人的な感想の総括を。(先に断っておきますとこの記事上の、どこで誰が、どういう順番でこの映画作品を構築していったか、というのは本当に私たちの中での、ただの「想像」「いち鑑賞者の解釈」ですので。この作品を観て、こういう風に捉えている人も居るんだな、と思っていただければ。)*以下、現在公開中の映画作品の、ガッツリネタバレあり感想です。未鑑賞の方は、お気をつけください。*●黒猫こちらも「ゲストキャラクター」で良いのか分かりませんが、本映画随所に登場する、「黒猫」。監督様のお話で、「夢へ案内するキャラクター」との見解があったようですが、アリスで言うと兎のような立ち位置ということでしょうか。映画序盤、桜乃ちゃんをリョーマ君に引き合わせたのもこの黒猫ですし、クライマックス、全米オープン会場で、リョーマ君にボールを渡して、戦うように促したのもこの黒猫でした。観ていると、この黒猫が、鑑賞者が気になるレベルで登場してくるシーンは、基本的に、リョーマ君と桜乃ちゃんのシーンです。最初の、エメラルドさんの倉庫のシーンや、ラストシーン、現在に戻ってきた二人が別れるシーン…等。心配そうに観てる…って雰囲気かな?と。一番大々的に登場するのが、やはりリョーマくんと桜乃ちゃんの教会のシーン。教会→星の光の世界へ、この黒猫が二人を導いたのかな?というニュアンスになっていました。この星の光の中でのリョーマ君&桜乃ちゃんのデュエットシーンですが、明らかに不自然に、黒猫の「眼」が随所で「くわっっ」と観客を観てくる、謎演出がなされています。桜乃ちゃんが「私大丈夫だよ」って、とにかくプリンセスな表情と仕草で応えるシーンと、「どこに居ても君と回る世界~」の、リョーマ君と桜乃ちゃんが浮遊するシーン…かな?後ろで、ものすごく不自然に、黒猫が大きな眼を見開いて、観客を睨んで来ます。まぁ…基本、黒猫は許斐先生で、このシーンでの目線は、「観客への威嚇」なんだろうな、と私は受け取っています。今回、こうやってこの二人を描くことについて、確固たる決意・覚悟を持ってやっていることとはいえ…不安…でしょう、心配…でしょう、そりゃ…これまでの、経緯のあれこれからして、そりゃ…キャラクター守らなきゃ、って思うでしょうよ…と。この解釈で合っているのかは分かりませんが、「何かの目線」の示唆ではあると思っています。感じ取る人だけが感じ取れば良い、興味深い演出だな、と思っています。●オープニング・♪Dear Prince~テニスの王子様達へ~ クライマックス・♪世界を敵に回しても の対比本映画作品ですが、随所で、「テニスの王子様」という作品が、第一線の作品ではないという現状の立ち位置について示唆されていると思っています。表題曲♪世界を敵に回しても の歌詞中にある、この言い回し。「時の異邦人(エトランゼ)だとしても」もちろん、リョーマくんと桜乃ちゃんが、過去にタイプスリップして来ている「時の異邦人」という概念とひっかけてありますが、歌詞の意味合いとしては、作品の立ち位置としての意味合いが強いのだろうな、と受け取っています。この概念、OPのシーンと、クライマックスシーンとの対比で一番表現されていると思っています。オープニング・♪Dear Prince~テニスの王子様達へ~ ですが、テニプリ旧作の最終回のシーン。観客が皆がノリノリで躍りもてはやす、「熱狂」ですね。作品としての「人気絶頂期」のイメージなんだと思います。対比で、クライマックス・♪世界を敵に回しても のシーン。全米オープン会場で、観客は皆ブーイングをしながら帰ってしまって、家族や、今回の映画でかかわった人たちしか観ていない中で、リョーマくんの、一番叶えたかった夢のような試合が始まります。この2つのシーンの対比は、本当にオモシロくって…シーンとしての概念も対比になっているのですが、もう一つ、「リョーマくん」というキャラクターの描かれ方ですね。この2つのシーンで対比になってます。オープニングの方は、「アイドルのリョーマくん」です。表情・動きがとにかくアイドルです。集団アイドルの中で、一番小さくて、一番大きな眼をして、真ん中でバシッとキメる…作品の人気絶頂期に求められた「アイドル(センター)像」なのだと思います。このオープニングの「アイドル・リョーマくん」像とのギャップを魅せるのが、映画本編でした。表情・演技動作の質が違います。正味80分くらい…だと思いますが、ひたっすらこの子の、特に「プライベートの部分」…ですね。生まれ育った環境と、見て来たものと、大事にしていきたいものとを、ひたっすら魅せて来てからの、クライマックスシーンなので。オープニングでも、青学メンバーはじめ、みんな踊って応援してくれてたんですけど、クライマックスはもう…感受性が違うというか、「テニプリ」という作品の、これまで積み上げて来たものすべてが、背中を押してくれる力強さを、リョーマくんにつられて、観客も強烈に実体感します(させられます)。とにかく、この2シーンの対比は、観れば観るほど面白いところです。◆総括劇場公開から、1カ月以上が経過しましたが…はい。毎週末、車で1時間半かかる劇場まで足を運び…結局、現時点で14回鑑賞してきました。過去、「銀魂 完結篇」の自分内最多16回鑑賞という記録がありましたので、そこまではいっていないのですが…でもな…銀魂はセカンドランまで合わせての回数だったから…ペース的には同ペースかも…。年季の入ったテニプリファンでもないため、作品を応援したくて行っているわけでもなく、特典の40種ポストカード狙いなわけでもなく(パッと名前が出てくる子の方が少ないし)、ただただ単純に、この映画を鑑賞したかった…。完全に中毒症状です。この映画作品は、需要や波に当て込んだ作品ではありません。「こういうものをファンが待ってるから」「こういう波が来てるから、それに乗ろう」…という意識の企画とは、かけ離れたところから生まれて来ている作品です。ただただ、許斐先生が最高だと思うものを、疑いようのない力のあるスタッフ様たちの力を存分に借りながら・任せながら、これまで培ってきたメディア・エンタメノウハウのありったけを駆使して、最高にこだわり抜いて、最高だと思う「形」にしてある作品…だと思っています。これが何のつくり方か?というと、大袈裟ではなく、「ラピュタ」「トトロ」の作り方だな、と思います。「お前に誰もそれは期待してない」と言われながらも、「最高だと思うもの」を、形にしてある。形にしないと、口で言ったところで何も伝わらないじゃないですか。「トトロ」「まっくろくろすけ」「ねこバス」なんて概念で説明されたところで、受け手には、何が面白いのかなんて全く分からないですよ。本テニプリ映画にしても、少年漫画の主人公としての「リョーマくん」像…お父さんに憧れて憧れてキラッキラしてるところや、桜乃ちゃんと2人でいる時の、どれほど「王子様」かという部分…どれほど、許斐先生の中に構想があろうが、どれほど「『このリョーマくん』が魅力的なんだ」と口で説明しようが、やっぱり描写して、作品にして伝えないと、分かってもらえないんです。これが、「形にする」ってことなんだ、と思います。「形」にして、「作品」として表に出したものしか、何かを伝え、他の方を説得し、押し切ることはできません。ただ、製作サイドとして、「形にする」までの紆余曲折…というのは、当然あるのだと思いますし、特に、今回の「新生テニスの王子様」については…。映画立ち上げ時には、「これほどの攻撃性をもった『作品としての概念戦』」を展開するつもりは、なかったんじゃないかな、と思うんです。鑑賞すれば分かりますが、今回の映画、とにかく「異常」です。「異常なハイテンション」が、ずっとずっと空気感を支配しています。鑑賞者の記憶を飛ばしたり、「麻薬」と称されるほどの爆発的な感情が、渦巻いてる。「テニスの王子様」の原作を読んでいて、本当に感じたのが、許斐剛先生のお人柄や、信念という部分だと思うのですが、絶っっっ対に、「負の感情」を使わないんです。キャラクターにしても、総勢数十人、数百人というキャラクター達が居るのに、一切、「負の感情」から生まれたキャラクターが登場して来ません。普通、使いたくなると思うんですよ。家庭環境があまり上手くいっていなかったりだとか、不幸な生い立ちを背負っていたりだとか…それが、一切ない。許斐先生自身が、「ハッピーメディアクリエイター」を名乗られていることからも、クリエイティブの源泉が「ハッピー」であり、形作るもの自体も絶対に「ハッピー」であるのだ、という確固たる信念を持ってらっしゃるんだな、というのをひしひしと感じます。今回の映画作品も、最初は「ハッピー」だけで作ろうとしたんじゃないかな、と思うんです。以下↓、あくまで私と妹の中での、「こういう流れ・考え方なんだと思う」という、ただ想像です。原作・旧作の全国大会に向けて、20巻後半から30巻台…ですね。(初期構想では、主人公に設定していたという)金太郎くんを大々的に出して、ファンの要望に応えて、氷帝学園をもう一度大々的に描写して、35巻…でしょうか。あそこで一度、明らかに「リョーマ君軸の少年漫画」を再開幕させようとしてると思うんです。金太郎くんと、桜乃ちゃんと、リョーマくんで、三角関係をベースに、金太郎くんとリョーマくんの対峙…ライバル関係を、分かりやすく定義して。この時にやろうとしたのは、今回の映画の立ち上げと、同じ試みだったと思うんですよ。「少年漫画の作りに戻そう」「リョーマくんが運命的に感じ取ったもの、リョーマくんにとっての重要な要素のバランスで描こう」という。これが、おそらく、ファンの反発が凄すぎて…だと思います。許斐先生が描きたい形に「出来なかった」。多分。だから、旧作は42巻・全国大会優勝までで、青学だけはしっかり主役主体として描き切って、一旦締めることにした(なった)んだろうな、と感じました。(35巻には、許斐先生の腰痛による休載についての記載もあったため、体調面のこともあったのかもしれませんが…。)準決勝の四天宝寺戦で、リョーマ君VS金太郎くんの試合が実現せず、(その前に決着がついたため)1球のみの対決だけが描写されましたが、『ここではもう描けない』から、『保留』したのだと思います。また、41巻・決勝戦に向かうリョーマくんに、桜乃ちゃんが話かけますが、リョーマくんが、「悪いけど 後にしてくんない」と言うシーン。今回、原作をじっくり読み直している時に、このシーンを読んで若干涙ぐみました。このシーンは、本当にリョーマ君の言葉のままで、「試合の後に、何らかのエピソードがある(今は描写はしないけど)」という含みも持たせつつ、『走らせてきたこの連載の中で、(リョーマくんと桜乃ちゃんを)描いてあげられない』『また後で、何らかの形で、絶対に描く』という作品としての示唆だと思ったんです。今回、原作を読み直してひしひしと感じましたが、リョーマくんと桜乃ちゃんに関しては、10巻台…アニメが始まったあたりから、原作の中で、本当に描けてません。随所で、「出したい」という意図をすごく感じるシーンが出てくるのですが、リョーマくんが、桜乃ちゃんの方を見て、普通に会話できるシーンがほぼありません。たぶん…皆無じゃないでしょうか。それくらい、旧作の中では、「普通に」描写できなかった。旧作完結が2008年で、1年後…2009年、『新テニスの王子様』が続編として連載開始しています。「新テニスの王子様」も、ざっと読みました。作りとしては、本当に…「分かる」「上手い」「流石」。まだまだ人気拡大ができる「テニプリ」という作品のコンテンツ提供…高校生たちという新キャラクターの拡充を行いながら、「U-17世界大会」に向けた、隔離された合宿所でのバトルロワイヤル的な出だし…話筋の定め・縛りを極力抑えた中で、数多のアイドル人気を誇るキャラクター達を、需要に沿った形で活躍させることが出来るようになっています。求められるものに対して完璧な、「流石」としか言いようのない作りだな、と思います。ただ、ざっと読んでの印象は…「『物語』ではないな」というのが、正直なところです。特に、『リョーマくんの物語』ではないな、です。本当は、新~になってから、人気キャラたちも個々に活躍させつつ、もっともっと、リョーマくんと金太郎くんの軸を、少年漫画的に描いていきたかったんじゃないかな、と思うんです。なかなかそこが、ファン層の需要と折り合わない…「テニスの王子様」という作品・商品パッケージを背負って、このジレンマの中で、『リョーマくん』が描けない…というか、もう動けない…というか。新~のコミック13巻。リョーマくんが日本の合宿所を(失格)という形で離れて、お兄さん(リョーガさん)の導きで、アメリカチームに入る展開を読んだとき、許斐先生の中で、何らかの決意があっての展開なのかな…と感じました。衝動的なものだったのかもしれませんが、感じたのはとにかくコレ↓です。「リョーマくんを、『アイドル集団』から離してあげたい」このタイミングで、桜乃ちゃんが原作本編に鮮やかに登場して、漠然とですけど、力強く励ましてくれるデート回が描かれるのですが、…すごく分かるんですよ。これが、2014年の段階。今回の映画作品が、お話を見ていると5年以上かけて製作している映画作品のようですので、2016年くらいから?動き出しているのかな?許斐先生が、インタビューやメッセージ等でしきりに「最初は、タイトルから『テニスの王子様』を外したかった」とおっしゃってるのを見て、最初の感情は、本当に…「リョーマくんを、『アイドル集団』から離してあげたい」だったのではないかな…と思うんです。「テニスの王子様」「テニプリ」を背負わなくて良い場所で、リョーマくんと、そして桜乃ちゃん…この2人を、生き生きと、思いっきりしゃべらせてあげたい、動かしてあげたい。最初、この映画のビジュアルと概要が公開されたとき、「リョーマくんと桜乃ちゃんで、アドベンチャー!」なんだな、と思いました。この2人のキャラクター、(あとは金太郎くんもですが、)そもそもが「子ども向け」に作ってあるキャラクターです。どう見ても。「王子様」と「お姫様」という、考え方自体が完全に「童話視点」なんです。だからこそ、集団アイドルが求められる「テニスの王子様」の中ではなく、別の、子供向けのパッケージ感の中で、森の中で出逢った王子様とお姫様…それくらい安直で絶対的な存在として、この2人を、転生させてあげたい…というか。だから最初は、子供向けのワクワク大冒険!という筋立ての中で、リョーマくんが桜乃ちゃんを一生懸命守って、桜乃ちゃんはとにかく健気で可愛くて、リョーマくんをずっと見てて…それが描ければ、やりたかったことは出来てたんだと思うんです。それこそ、今回の映画作品を、許斐先生だけの感性…「ハッピー」だけで形作ってたら、↑こういう作品になるのが、至極妥当な形だったと思います。…ただ、やっぱり、この2人を活き活きと会話させてあげようとするほど、向き合えば向き合うほど、それだけじゃ…終わらなかったんだろうな、というか。やっぱり、何がどうあったって、この子たちは、存在がもう「毒」なんです。作品の大成功と、独自路線の発展の陰で、理不尽に抑圧を余儀なくされ、犠牲になり続けて、20年…。この2人を巡る、関係者の方たちの気苦労や心痛、ファン・読者・ちょっとだけ知ってる層も含め、何万・何十万・何百万という人々各々に渦巻く感情…何より、「最高だ」と思って仕掛けたキャラクター、キャラクターの関係性を、(一部の読者だと思いますが)延々と攻撃・拒絶され続け、読者が誰も傷つかないようにと気を使い続けて、描くことすらままならなかった許斐先生自身の中の激情と、この2人のキャラクターに対して積み重ねた、「申し訳ない」という感情…何がどうあったって、絶対に「あります」。監督様・脚本家様が本映画作品の構想を練る段階で、この「毒」であり、そこに渦巻く「感情」それ自体が、特殊だし、本映画作品の、他にはない面白さなんだ、と位置付けたんじゃないかな、と思うんです。提案として、ガンガン作品の歴史的背景・概念を、サブキャラクター設定や話筋自体に組み込んできますし、そうした中で、いざ、リョーマくんと桜乃ちゃんを2人っきりにして、向き合って、落ち着いて、自由に会話させてあげようとしたら、12歳らしい会話そっちのけで、「足手まといになってごめんね」「怖い目に遭わせてごめん、巻き込んでごめん」って言い合ってる…。いったん、集団アイドルパッケージから引き離そうとしたからこそできた、「(桜乃ちゃんに)本当に言いたいことは、何だ?」という問いかけに対する、リョーマくん(というか、=許斐先生)の返答(意志)が、「謝りたい」と「『絶対に守るよ』って誓いたい」だったんだろうな、と思います。この意志が、教会のシーンに結実した…というか、「これしかない」という形で定まった時に、これはもう…『そういう作品』だ、と。「絶対に嫌だ」「ここは描いて欲しくない」って言うファンが一定数は確実に居ること分かってて、やることなんで。どうしても「ハッピー」だけではいられない…作品としての「負の感情」や「傷」を、「そういうもの」だと認める…というか。今まで積み上げて来た作品の歴史や、周囲の目線は、何がどうあったって、リョーマくんにとっての「壁」だし、ここに突っ込む行為が何なのか、その源泉にある感情は何なのか、と言ったら、『世界を敵に回しても 譲れないものがある』だったんだろうな、と思うんです。許斐先生おひとりで形作る作品だったら、ファンに気を使いまくるお人柄、これまでの作品展開を見るだに、絶対にやりたくなかったし、出来なかったことだと思います。出来なかったからこそ、20年間もこの状況を続け、抑圧された感情が熟成に熟成を重ね、、今回、こんなド肝を抜かれるような「ゲキブツ」映画が生み出されてしまったわけで。ただまぁ…改めて振り返ると、「世界を敵に回しても」描きたいものが、何かって…『王子様とお姫様』ですからね…!!この2人(←ただただ微笑ましい、王道中の王道)を描くのに、いったい何をどうしたら、ここまでの覚悟が必要な状況に陥るのか…っていう…;;まぁ…オモシロいんですよ。本当に、「他にない」。ここまで5記事に渡って感想を書いて来て、私があまりにも「リョーマくんと桜乃ちゃん」に寄った観方をしてしまっている自覚はあります。これまでの「テニスの王子様」の作品背景に目を向けなければ、「父親のテニス」に一直線に向かう少年の、感情・動きを主軸に展開させた映画作品という認識で一切問題ない作りになっていますし(脚本家様の筋立てが本当に上手)、鑑賞後に「満足感」が得られていたのであれば、それはもう、映画内でリョーマ君が思いっきり楽しく動けた…「満足」していたし、そこがちゃんと観客に伝わっていたんだな、ということだと思います。それだけで、製作主体のやりたかったことも全部出来ているし、傑作映画だ!と言い切れると思います。ただ…やはり、私の視点では、です。これまでの作品背景への視点が大きいため、この作品に渦巻く「異様なハイテンション」の源泉は、間違いなく「リョーマくんと桜乃ちゃん」を描くこと それ自体にある、という観方になりますし、本映画作品の核心は?と言われたら、まず『教会のシーン』だと思っています。教会のシーン 及びそこでリョーマくんと桜乃ちゃんが歌う♪Peace of mind と、敵キャラとして設定されたエメラルドさんは、「少年向け」の作品を描こうとして、素直に出てくるものではありませんし、「新規ファン」開拓向けとして妥当な要素だとも感じません。これらは、20年を背負った、作品の在り方の概念戦の結晶です。「世界を敵に回しても」なんてフレーズは、この概念戦からしか出て来ません。リョーマ君が、枷を外してあげたら、本当によく動くんですよ。この映画内で。絶対にじっとしてない。桜乃ちゃんにも、まっすく向き合って、どこまでも踏み込んだことを自力で伝えて、その上で、憧れに向かって、観客置いてけぼりにして、どんどんどんどん進んでいくんです。こんなにパワーのある子だったんだ…!って、許斐先生自身も、製作の中で何回も何回も、この子の主人公としての底力に惚れ直したんだと思いますし、そうした中で、リョーマくんが「『テニスの王子様』を呼んだ」というか。先輩たちや、ライバルたち…作品自体を、呼んだ。逃がしてあげたかったものを、自ら呼び寄せて、それを声援に変えて、自分の力で、集約していこうとし始めたんじゃないかな、と思います。だんだん、その過程でテンションがおかしくなっていったというか…「リョーマくん、最高だよ!」「大丈夫だ、桜乃ちゃんも、作品自体も、そしてファンも、何もかも全部、リョーマくんの力で『ハッピー』にできる!!」「やっぱり君が、『テニスの王子様』だよ!!!」「『テニプリ』って最高だよ!!!!」映画のクライマックスは、もう↑このテンションでお祭り騒ぎしてるんだと思うんです。作品として、時流の波が来ているわけでもなく、本当に、ただただ作品内で、壮絶な概念戦を繰り広げて、自家発電で勝手に盛り上がって、暴発ええじゃないかしてる…というか。それを、映画作品として、世に出す、とか。面白過ぎるんだ…。原作・新テニスの王子様、20巻台の前半。おそらく、本映画作品の筋立てがおおよそ整う段階…2017~2018年にかけての原作展開の中で、リョーマくんが、日本チームに戻って来れてます。この映画作品を作ることができているから、リョーマくんが「大丈夫」になったんだな、と思って読みました。2021年10月10日…でしょうか?テニスの王子様・アニメの20周年というタイミングで、「テニスの王子様」TVアニメの新シリーズ開始と、ゲームの製作・発売が発表されました。テレビ東京とブシロード…どちらも、今回の映画作品の製作委員会に名前が並んでいます。映画作品の内容の評価が、切り開いた道だと思って観ています。なかなか言いたいことがまとまりませんが、流石にそろそろこの辺で、5記事に渡った感想記事を書き終えたいと思います。傑作です!!!!エンタメは毒。テニプリはヤク。20年間の抑圧で醸成された激情は、凶器。全部ひっくるめて、20年間の作品展開で培ったノウハウのすべてで「ハッピー」にコーティングした、スーパーゲキブツ映画です。最高にエゴイスティックな作品だと思います。だから、最高なんです。やっていること、詰め込んであるものの「質」は、どれだけ言葉を尽くしても表現しきれない程に「高尚」です。この映画を、数多の「テニスの王子様」コンテンツの中心に据え置くことで、原作・アニメ・ミュージカル・キャラソン・その他諸々のメディアミックス…テニプリワールドのどこへでも興味を持って行ける「ハブ」として機能します。…凄い。何が凄いって、ハブ機能を持った作品の入り口に「ゲキブツ」を仕掛ける大胆さが、凄い。傑作です!!!!!未鑑賞の方も、是非…!劇場公開中に間に合わなくても、今後、鑑賞できる機会はたくさん出来てくると思います。なにがなんでも、是非…!!!これは、できるだけ多くの方に鑑賞してもらうことに、意義がある作品です。先ほど、ポストカード目当てではない と書きましたが、やっぱり、リョーマくんが出てくれた時はテンション上がりました♪テニプリって…いいな!!!(沼の入り口で叫ぶ)by姉
2021.10.18
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簡単本誌感想参ります~。暁のヨナ 第215話「金州崩し」*以下単行本37巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!*今回は本当に本当に見せ場が多くて作画が素晴らしかったですね!いつもより1.5割増しで少年漫画でした・・・!!(草凪先生がTwitterで「大変でした」と仰っていてそうですよね・・・いつもありがとうございます!)・「・・・風の匂いが変わった・・・?」byユン君あくせく働く中でも異変に気付き、水の流れをいち早く察知し周囲の人々に高台への避難を呼びかけるユン君!優秀が過ぎる!!しかし・・・「17巻では、金州がこんな水害の危険がある地形には見えなかったですよ!!」ーとは言ってはイケナイ・・・いけないぞ!・「ちょっと待って ここにハクとユン君がいるの!?」byジェハ兄さん 「えっだから来たんじゃないの?」byトクさん?ジェハが元海賊達と会えて良かった!そういえばハクユンの動向は知らなかったよねそうだよね。再会を喜ぶ間もなく、戦闘開始です。久々の四龍の活躍がめちゃくちゃ嬉しいです!・「はい これから金州に援軍を送ります ジェハさんには道案内をお願いしたいんです」byスウォン様先陣をきったジェハ&キジャの後ろには、ジュド将軍率いる空の大軍が!ヨナ姫の案を採用することにしたスウォン様、道案内をジェハ達にお願いしていたようです。ヨナ姫はお留守番です。ーハク&ユンが最前線で闘ってるなんて知らないですからね;;そしてやっぱりプッキューが気になる・・・・「今金州で闘ってるのはどんな兵士なのかとても興味ありますね 会ってみたいな・・・」byスウォン様それハク様ぁああああ!!!(読者総動員ツッコミ)スウォン様・・・やっぱり貴方が興味持つもの、全てはハク様に通じているんじゃないですかね・・・そーゆー運命なんですよ。ウン。・「会いたいのなら引っ掴んで帰ろうではないか王の前に 金州の民を守りきってからな」byキジャ今回はもう・・・キジャさんの男らしい部分が大爆発してて良かったなぁ!! と思いました。さりげない仕草のひとつひとつがキレているというか。やっぱり戦闘に長けたキャラなんだなぁ!と。お姫様抱っこで助けられた兵士も思わず頬を染めちゃいますってよ そりゃぁ!キジャさんは、ハクヨナスウォンの緊迫感漂う関係をしっかり認識しつつ、距離を置きつつ でもやるべき事をしっかり遂行する所も凄く格好良いと思ってます。ジェハ兄さんは気遣いすぎちゃうので、時にはキジャさんの竹を割ったような意見に救われてると思います^^ーしかしこの二人仲良しだなw・「あんたを助けてんじゃねぇ あんたが乗らねぇと馬も動かねぇだろ」byハク様水が押し寄せてくる中での ハク将軍vsラーン将軍の一騎打ち・・・最終的には、ハク様に軍配が上がりました。負けたラーン将軍は本望そうな表情・・・なんで貴方こんなに良いキャラなの・・・;ハク様、一回お馬さんに乗って逃げようとするもラーン将軍を助けるために戻ってきてしまいました。自分の馬はそのまま逃がしちゃったのかな?まぁハク様らしいですよね。・・・ちょっと動きがいつもより頭悪い感じがしなくもないですが・・・ーうんでもまぁ、もう完全に疲弊しきってますからね;;ラーン将軍を助けて終えて、フッと気が抜けたというか完全に思考ストップしたんだな~ という事が表情から伝わってきました・・・。・押し寄せる水と千樹草 手の届く範囲のものは守った。自分以外はーああ~・・・ こうなるのか。ハク様がこうなってしまうのか・・・うむ。。(頭を抱えるポーズ)そういえば千樹草って具体的にどんな効力があったんだっけ?とファンブックを開いた所「病や傷の治りが3倍速くなる薬草」と書いてありました。う~ん、じゃ ここでハク様が千樹草を食べて元気100倍になる展開は不可能か・・・(↑ドラゴンボールの 一粒でダメージ0に回復出来る魔法アイテム・仙豆 じゃないんですねそうですね)これはどうなるのかな 「ハク様が自分を守る為だけに何が出来るのかな」・・・という部分だと思うのですが・・・ 正直予想が立てられないな;;ヨナ姫の気持ちはちゃんと伝わってるし、彼女の為にも「死ぬわけにいかない!」ーとちゃんと思ってくれてるとは感じるんですけどね。でも結局この状況まで辿り着いてしまうのは、この男のどうしようもない性分なんだろうなぁ・・・。だからこそ、ヨナ姫は3巻の時からずっと「ハクを守る」と誓っているワケでして・・・う~む考えれば考えるほどハク様の存在はブラックホールまさに夢幻なるスパイラル・・・どうなるのかな。ハク様はどうなってるのかな。四龍達はどうするのかな。ヨナ姫は?スウォン様は?どうなるのかな。。めちゃくちゃ気になりますが次回は1ヶ月後・・・全力待機です!!by妹
2021.10.10
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私は、いったい何記事語れば気が済むのか…。とにかく、気が済むまで書きます。映画感想『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』-その4主に、脚本や監督様について。私には、あまりアニメーションを分析するような鑑賞眼はありませんが、すごいな、と思った部分について。アニメーションについて、どういった方が、いったいどういう役割を担ってらっしゃるのか、よくわかっていませんし、ましてや3DCGアニメーションの作り込みに関して、知識は皆無です。ただ、鑑賞しているだに、許斐先生の「やりたいこと」に対して、筋立て・肉付けをしていく段階で、「本当に力のあるスタッフ様たちが、作ったんだな!」とひしひしと感じました。*以下、現在公開中の映画作品の、ガッツリネタバレあり感想です。未鑑賞の方は、お気をつけください。*●脚本・秦建日子さん許斐先生のやりたいことや、描きたいシーン、監督様の意向等を吸い上げ、話を回していく力のあるエピソードを並べて、筋を通す…のが、脚本家様の役目かな?と思っています。本作の脚本の印象は、とにかく「理知的」「冷静」です。というか、そもそも映画立ち上げの段階から、力のある脚本家様がしっかり入って、許斐先生のやりたいことを、いち映画作品としての成立させていく…というやり方自体が、非常に上手いというか、冷静だな、と。秦建日子さんは、アニメ作品ももちろんですが、ドラマの有名作も多々手掛けられている方…とのことで、Wikiを少し見ましたが、あぁ…「HERO」……「最後の弁護人」!?(↑めちゃめちゃ好きな話がある、阿部寛さん主演の弁護士ドラマ)本映画作品ですが、やりたい部分は「王道」…なんですが、そこをしっかり繋げる話回しに関しては、かなり捻ってあると感じています。リョーマくんの、「お父さんのテニス」に真っすぐ向かう軸と、桜乃ちゃんを連れての逃亡劇…この2つをしっかり重ねたのは、脚本家様の筋立ての手腕だろうな、と思いました。また、本作は、とにかくやるべきこと、魅せるべきもの「だけ」を並べたてている、「無駄がない」というか「詰めっっ詰め」という印象の作品です。「情報」に関して、ものすごく繊細に、細部まで印象付けてくるシーンと、勢いだけで突き抜けるシーンとが混在しているのですが、細かく描いているシーンに関しては、全部、今回の映画で魅せたいものとして必要なインパクトだと思っています。リョーマくんが「桜乃ちゃんを守る」部分を、「お父さんのテニスの強さ(の秘密)」に繋げる…脚本というか、映画作品としての「テーマ」の話だと思いますが、(繰り返しになりますが)やりたいこと・伝えたいこと自体は、非常に一般的な感性に寄った「王道」です。ただ、実際にこれを説得力を持って観客に伝えるには、リョーマくんが、どれほどお父さんに憧れているか、という描写、越前家の生活感の描写、お父さんが家族をとても大事にしている描写、また、家族がお父さんを尊敬して、とても大事にしている描写、もちろん、逃亡劇の中で、リョーマくん本人が桜乃ちゃんを精一杯守っているよ、という説得力が何より必要なわけで、作品全体で訴えてこないと、観客にも伝わって来ませんし、とにかく映画作品として、本当に高尚な作り込みがなされている部分だな、と思っています。リョーマくんの「主観」で、上記数多の描写のインパクトを観客に体感させつつ、この子の中でそれらがどんどん繋がって、まっすぐ「憧れ」「越えたいもの」に向かって歩みを進めていく様子が、まじまじと見て取れる…一人の中学一年生の男の子の、今後の未来・人生が、挑戦的で幸せなものであるのだろう、ということを、初見の観客まで実体感させることが出来ていると思います。登場キャラクターを極力絞り切った、今回の形でしか絶対に無理な作りですし、それにしても、映画本編・正味80~90分くらいの尺の中で、観ていて飽きない・面白い形で、いちキャラクターの「人生」を感じさせるようなここまでの情報量をよく伝えて来るな…と、本当に感心…というか、感動しています。ちょっと話が戻りますが、リョーマくんの主観を念頭においた、各エピソードのインパクトの強さ、その使い分けの凄さについて。秦建日子さんが、事件モノのドラマを担当されており、それも、私の知っている限りの少ないエピソード(最後の弁護人)からの印象なだけですが、「感情」の部分が非常に優れた脚本様なのかな?、と思っております。本映画作品での印象的なエピソードとしては、いろいろあるのですが、まずは、逃亡劇の屋上のシーンでしょうか。桜乃ちゃんが、屋上から(放り投げられた鞄を追いかけて)飛び降りるシーン。観客としても、「ぎゃぁああああああっっ!」って思うんですけど、あれは…リョーマくん主観でのインパクトとしても、凄いもののはずなんです。ショックな絵面なんですよ。あれはトラウマですよ。後から観ると、桜乃ちゃんだけは、最初に足を踏み外しかけたときに、下の部分が出窓になっていることに気づいてたんだろうな、って分かるんですけど、初見じゃ、ただただショックなシーンなんです。このエピソード、インパクトが必要だから、こんなにひねって作り込んであるんだと思うんです。この後、教会のシーンになるんですけど、ヒッチハイクの車から降りるシーンから含め、リョーマくんずっと、桜乃ちゃんの方見れてないんです。ショックだったんですよ。髪も切られて…桜乃ちゃん本人にしたら、どれだけ怖かったか…これで、桜乃ちゃんの方見て、「怖かった」って落ち込んでたりしてたら、もうどうしていいか分からないというか…たまりませんので…。教会に入って、リボンを渡すのも、普通に振り向いて手渡しすればいいのに、振り向けないから、「リボンを整えて、(振り向かずに)投げる」という演技動作になっていましたし。一旦座って、十字架を見上げて、謝ろうと意を決して振り向くまで、一貫して桜乃ちゃんの方を見れてません。二人の会話を「謝る」ところから始めたいし、また、振り向くまでの「溜め」を作って、「ポニーテールの桜乃ちゃん」のインパクトを魅せて行きたかったのだと思いますが…とにかく、ちゃんとエピソードのインパクトでもって、本当にめちゃくちゃ繊細に、リョーマくんの心情変遷を作ってあると思っています。これほどの作り込みや、必要なインパクトのあるエピソード作りというのは、やはり力のある脚本家様居てこそのものなんだろうな、と思います。あとは、前記事でも書いているのですが、本映画作品は、概念ガッチガチの作品だと思っています。この観点がもともとない鑑賞者が、それを感じ取る必要は全くないと思いますが、私から観たら、「テニスの王子様」という作品が、長年抱えて来た深い傷…というか、大きな大きな矛盾、そこに真正面から向き合って、生まれ変わる覚悟で突っ込んでいった、そういう作品だと思っています。クライマックス、全米オープン会場で、主催者・アダムさんに、マフィアのベイカーさん(エメラルド父)が、「ビジネスも大事だが、私にとってファミリーはもっと大事だ。最愛の娘を侮辱したあんたとは、金輪際ビジネスはしない!」と絶縁宣言をするシーン。この2人の会話、情報詰め詰めの本作の中において、かなりしっかり尺がとられて、展開されています。感じ取れる鑑賞者が感じ取れば良いだけだと思いますが、長年、確実に存在したであろう「ヒロイン叩き」(もしくは「キャラクター叩き」)という風潮に対し、本映画作品を繰り出してくる「テニスの王子様」という作品の意志を、製作側が汲み取って、わざわざ入れ込んである会話だな、と思って観ました。(あくまで、攻撃的な「ただの中傷」に対して…ですよ。)先ほどから、脚本家様云々ではない話を延々に展開してしまっていますが、とにかく、本作には、「テニスの王子様」という作品の在り方の概念戦が、話の展開、描写、セリフの随所に落とし込まれていると思っています。これらの「作品の意志」をくみ取り、実際に形にする、セリフに落とす…この部分に、冷静な「第三者」の目線・手腕が入っていることで、きちんと言葉やニュアンスを選んで、いち映画作品として、ちゃんと鑑賞できるようになっているなぁ、と思っています。●監督・神志那弘志さん数日前に、本映画の冒頭3分半がYoutube 上でアップされました。→こちら観ていただくとよく分かるかと思いますが、普通のカットが、ひとつもありません。最初の記事で、「情報過多で頭がパーンッ!した」と書いたのですが、本映画作品初視聴の方は、かなりの割合で、記憶喪失症状を患うと思います。冒頭ミュージカルのあの勢い…とまでは言いませんが、約80~90分程の本編中、ありとあらゆるカットで、仕掛けてくるんですよ。「ここでびっくりさせる」「ここでここに注目させる」「ここで暗がりから一気に照明つけてパァッ!ってやる」「ここで3D映像を活かした、ぐるぐるするのやる」って…。何度か鑑賞して、冷静になって、…うん。この記憶喪失症状の発症は、『絵コンテ』全部切ってる、監督様のせいだなと思い至りました。本当に、普通のカットがないので。情報・伝えたいインパクト詰めっ詰めカットに圧倒されっぱなしになって、脳がマヒするんですよ。本映画について、Twitterとかで『観る(合法)ドラッグ』的な言い方をされていて、大袈裟でもなんでもなく、まさに「そう、それ!」って感じなんです。「アニメーション」という媒体の面白味を、エンドレスで叩きつけられて、観客KO…そんな印象です。もちろん、表現する「元」があってこその話ですよ。脚本のくだりでも書きましたが、リョーマくんというキャラクターの、魅力もですし、人生軸・未来まで、初見の方にも思い描いてもらわなければならない、本当に情報量の多い作品ですので。とにかく、国内アニメとしては、(なくはないですが)ほとんど見ないような、3DCG作品、更にガッツリミュージカル…海外スタジオへ大半を委託しながらの製作とのことで、スタッフロールも海外の方のお名前が並んでいます。これは…本当に…よく、これだけの熱量を持って、これだけの意図したメッセージを詰め込んで、本当に…よく、ちゃんと形になったなぁ… と思います。パンフレットにも、プロデューサーの方のお話で書いてありましたが、私も、この作品が形になったのは、何を差し置いても、本映画作品最大の功労者・神志那弘志監督の「アニメーション」媒体への高い高い志、「テニスの王子様」への深い理解、許斐剛先生の製作意図、背景への深い理解、そして、想像もつかないような腐心あってこそのものだろうな、とひしひしと感じています。テニプリ映画感想記事…多分、まだ続きます!by姉
2021.09.27
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遅くなりましたが、超簡単本誌感想参ります~。暁のヨナ 第214話「命を懸ける価値」*以下単行本37巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!*・「怪我しないでって言ったのに・・・」byユン君「ごめん」byボロボロハク様金州に戻り早速兵士達の看病に努めるユン君。そこに戦場から帰ってきたハクが倒れ込み・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ラブラブですよねこの二人・・・いや実は前から(ユン君は本気出したら結構ヨナ姫の脅威になるのでは)的なイメージはあったんですよ。ファンブックのハク様→ユン君の「絶対守る」も気になったポイントでしたし ええ。。なんかヨナ姫がハク様にやってあげたい事、代わりに全部ユン君がやってくれちゃってるような・・・;;全人類にモテまくる男の相手は大変だねヨナちゃん・・・・・・すみません 半分冗談ですが半分本気で言ってます。・「ちょっと待って・・・!ごめん・・・っこの千樹草は 違うんだ」byユン君 「悪いがこれは渡せない 俺が使うんで」byハク様千樹草を持っている事が知られ、金州の住人や兵士達に「当然グンテ様のためなんだろ?」と詰め寄られるユン君。ハク様が自身の威圧感を活かし強く制止することで、場を収めました。ーこの緊張感があるシーンは素晴らしいと思いました。草凪先生ならではのエピソードだったな!と。この場に居る人達、全員悪くないんですよ。皆、この立場でこの情報を持っているのなら、当然そう思うよね・・・という感じで。この件で責められるべき人間が居るとすれば、「緋の病に千樹草が効かない」と分かっててハクユンをそのまま行かせたゼノ仙人くらいですよね! ←ヤメロそして、一番の注目所はやはりハク様のこの立ち振る舞い方かな、と。この御方は「自分が前に出れば その場の全員を一瞬で黙らせられる事」をちゃんと分かってるんですよ。分かってるから普段から一歩引いてるし、必要とあれば(自分が悪者になろうが何だろうが)ギアを切り替えてきます。姉も熱く語ってましたが、このキャラクターが「誰もついて行けない次元で動く時」は「全体のバランスが悪くなった・なる可能性がある時」なんです。これは連載当初から一貫して描かれている部分です。・「ユン しばらく隠れてろ 兵士や村人と離れた方がいい」byハク様「ううん・・ 怪我人の手当てしなきゃ」byユン君「・・・ん 悪い ”隠れろ”なんてお前に失礼だなお互い今出来る所で闘おう」byハク様これだから暁のヨナは辞められないんですよ!!!とテンションがブチ上がりました・・・ 表情の作画も神だった・・・。この繊細で優しすぎるやりとりは何なんだろうなぁ。たまらんなあぁ。たまらんけど、やっぱりヨナ姫がユン君に嫉妬しちゃうと思・・・いやハク様とユン君、良い関係過ぎるなぁ。相思相愛だなぁ。。・私はここで死ぬかもしれない だがそれを引き換えにして絶対なる君主 チャゴル殿下に金州を・・・勝利を捧げます「貴方は高華軍の屋台骨 私にはそう見えます」そしてこれは 嘘偽りなく 貴方への評価 by決死のラーン将軍高華軍側の見張り台近くに独りで訪れ、ハク様に一騎打ちを申し込むラーン将軍。その真意には、とある陰謀が・・・!!え・・・なんで貴方がこんな男気を見せてくれちゃうの・・・?(動揺);;初見で「また名前覚えなくて良い感じの敵方将軍出てきた」とか言って本当にすみませんでした。。どうでも良いですがさらっと「私 南戒帝国八大将軍の一人」って言ってるんですが、え 8人も居るの・・・??・川・・・ 川の勢い・・・ 高所から降りてこない兵士・・・「まさか・・・ 水攻めか!!」byハク様水攻め!! 確かにそれはお金がかかる方法だ!!!金州の地形がイマイチよく分からないので、水攻めが有効手段なのかどうか判断しかねる所ではありますが・・・でもハク様が相当焦っているので、ヤバイ状況なのでしょう。ーというか水攻めって、落としたい城の周りを水で囲って追い詰めて降伏させる方法だと思ってたんですが・・・ここでいう水攻めは、おそらく直接的に水で攻撃する攻め方なのでしょう。・ユン カルガン みんな早く・・・!頼む誰か・・・!! 助けてくれ byハク様ラーン将軍の真意に気付き「逃げろ!」と叫ぶも声届かず・・・珍しく青ざめながら焦りまくっているハク様です。ハク様、自分の身に危険が迫っている時は絶対言わないくせに守りたい誰かを自分では守り切れないと感じたときには、めちゃくちゃ素直に「助けてくれ」と言っちゃうんですね・・・ そーゆー奴だよなぁ。そして・・・助けが来てくれました!!ハク様には伝説の四龍たちがついてます!!(ジェハキジャだけかな?)次回も楽しみです♪いやぁ~前号からのつながるハクヨナ表紙&付録の満足度がすごすぎて並べてにっこにこしてますv 編集部様、また素敵な企画をお願いします!by妹
2021.09.25
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感想記事、まだまだ続きます…!映画感想『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』-その3ゲストキャラクターと、音楽・楽曲について。印象的だったものの列記。*以下、現在公開中の映画作品の、ガッツリネタバレあり感想です。未鑑賞の方は、お気をつけください。*前回、キャラクターについての記事の中で、触れていなかったゲストキャラクターについて。●エメラルドさんマフィアの娘であり、本作のお話回しにおける立ち位置としては「敵キャラ」なのですが、独特な描かれ方をしているシーンがたくさんあり、ただの「敵キャラ」ではないな、というゲストキャラクターでした。最初、なんでだろう?と思っていた部分として、単純に、なんでこの立ち位置のキャラクターが「女性」なんだろう?と思ったんです。本作は、基本的に「子供向け」の要素を前面に押し出して作ってあるため、(強い絵面と情報過多で、仕上がりがちゃんと子供向けになっているのかどうかは置いておくとして)少年漫画を普通に作ろうとしたら、ここは「大柄な男性」だろう、と。パッと見が、大柄な男性に見えなくないビジュアルですので、私など、予告編を観た段階では男性キャラクターだと思って観ていました。↑子ども目線で観たとき、登場シーンで感じたような「威圧感」が必要で、いわゆる「敵キャラだ」と認識してもらうために、このビジュアルだったんだと思います。この「威圧感」が必要なら、なおさら単純に「大柄な男性」テンプレでいいじゃないですか。本映画作品は、ワンシーンワンシーンの描写含め、概念ガッチガチの作品だと思っていますので、あくまで、私の個人的な捉え方なだけですが、「あぁ、そうか」という自分内認識としてあるのが、エメラルドさん…このキャラクターは、『(特に、今まで熱心に作品を応援してくれている)ファン』…もしくは、『ファンの目線』の体現なんだろうな、と。声優が朴璐美さんということで、演技筋も非常に魅力的でしたし、描かれ方として、絶対に「悪者」にならないよう、描かれていました。「南次郎の子供をさらう」等の悪事自体は、エメラルドさんの父親→エメラルドさんの部下たちに直接命令が行っていましたので。また、非常にテニスが好きで、強い相手と闘いたい意志がある、という点で、アメリカに武者修行に来るようなリョーマくんとは、お互いの存在自体、すごくマッチしている、いわば相思相愛な立ち位置に居るんですよ。なのに、リョーマ君がいったん、桜乃ちゃんを連れて、エメラルドさんから逃げるんです。桜乃ちゃんが居ましたので、「逃げる」を最優先させるのは当然納得できる状況でしたし、お父さんのテニス(憧れの根幹)を壊さないためにも、「逃げきらなきゃ!」と奔走する姿に、違和感は感じませんでした。ただ、逃亡劇の中で、リョーマ君自身もやりきれない部分が多々ありますし、桜乃ちゃんも疲弊して来てて、これ以上連れて逃げるのは難しい、…と苦しくなった中で、開き直って、腹をくくって、自らエメラルドさんの元に真っ向勝負を挑みに行く…「逃げるのをやめた」「逃げてばっかじゃつまらないしね」「勝って、道を切り拓く。その方が楽しいじゃん!」うん。なるほど、「テニスの王子様」という作品の概念、本映画作品の意義が、まんま話筋になってるんだな、と。エメラルドさんに、「逃げずに、真っ向勝負を挑んできたリョーマくん」を認めて欲しいんですよ…更に欲をぶちまけて来ます。その魅力に、「惚れ込んで欲しい」んですよ…。こう捉えると、クライマックス・全米オープン会場で、エメラルドさんがはっきりと「リョーマくんに惚れた」と言い切るシーンもとてもしっくり来ますし、(テニスの王子様 初の、「男女間での恋愛」概念をはっきり言語化したシーンなんじゃないでしょうか?)そもそも、作品冒頭で、リョーマくんの放ったボール(主人公の、少年漫画ヒーローとしての軸)と、(おそらく)エメラルドさんの放ったボール(ファン(目線)の軸)とがぶつかった瞬間に、テニス銀河が爆誕し、タイムスリップミラクルが巻き起こりましたので。うん、理屈はまったく分からないけど、概念として、言いたいことはなんとなく分かる、というか。また、ラストのラストですね。現在に戻ってきたリョーマくんが、桜乃ちゃんと別れて、歩きだそうとする…その見上げた視線の先に、化粧品の広告かな?として、とてもキレイなエメラルドさんが居て…というシーン。「生きる次元が違う」という前提を示唆するのに、「テニスの王子様」内のリョーマくんの目線・次元から、逆転現象的に魅せてるシーンなのかな?と受け取っていますが、面白い魅せ方だなぁ、と思っています。エメラルドさんの「目線」…ちゃんとリョーマくん、認識して、受け止めてますので。勝手な解釈を並べ立てましたが、「こんな観方すると、面白い!」という一案でした。●ウルフ、ブー、フーエメラルドの手下・3名。冒頭、リョーマ君とラップバトルを繰り広げたりもしました。エメラルドさんと、リョーマくんの間で、完全にサンドバックになってたというか、2人に殺されかけたりしながらも、プロフェッショナルなお話回しをしていて、よく働くキャラクターたちでした。ウルフ役を、杉田智和さんが演じられていますが、やはりとても上手だなぁ、絶妙な塩梅だなぁ、と感じました。業務的なだけではない感情の部分が、きちんと伝わってきますので。●音楽・楽曲について感想記事冒頭で語るべき部分だったかもしれませんが、本映画の鑑賞中・鑑賞後に非常に心に残ったものとして、「とにかく音楽がイイ!」というものがあります。これはもう、鑑賞した方全員に共通する感想だと思います。本当に、めちゃくちゃ良質です。本作は「ミュージカル」であり、また、本編終了後には、数曲のキャラクターソングメドレーを、原作絵のMADのような映像(超クオリティ高く、センスイイ)「シアター☆テニフェスpetit!」が上演されるのですが、どの楽曲も、本当に良いんですよ…。本作の、作中サウンドトラック及び、ミュージカル部分の編曲は、すべて 津田ケイさんという方が担当されています。存じ上げない方でしたが、引き出しの多い、非常に力のある方だと思って聴きました。各シーンに求められる感情、雰囲気…というものに適格 かつ妥当、さらにプラスαで「楽しさ」が加えられていると感じる編曲が多く、どの楽曲も個々に聴きごたえがあり、全体を通しての爽快感もあり、素晴らしかったです。そして、本作ではミュージカルシーン用に、それぞれ色の違う、7楽曲が描き下ろされているのですが、全曲、作詞・作曲:許斐剛 の衝撃…です。というか、パンフレットのスタッフロールを眺めていると、音楽トータルプロデューサー:許斐剛 になっています。…なんでだよ!!!いや、許斐剛先生が、「漫画家」ではなく、「ハッピーメディアクリエイター」と名乗ってらっしゃったり、ガンガンご自身でイベントなんかも登壇されて、歌も唄って…な方なのはうっすら知っていたのですが、今回、この映画を鑑賞して、とにかく叩きつけられました。「ハッピーメディアクリエイター、マジ半端ねぇ!」かなり初期のキャラクターソングの中で、リョーマくんと桜乃ちゃんの楽曲で、♪between you & me ~ここだけの話~ という楽曲があるのですが、この楽曲が、前々からすごく好きで。(というか、テニプリのキャラソンは、ほぼこの楽曲しか知らなかった)いい曲なんですよ…物語性があって、メロディーへの歌詞のハマり具合が心地よくて、編曲も本当に立ってて。この楽曲の作詞が許斐先生だというのは前々から知っていて、「すごいな!本当に多才な方なんだな!」とは思っていたのですが、作曲まで、こんなにバリバリやられてるとか…知らないし;いや、ファンの方の間では当然、「許斐先生はイイ曲作るよ?」くらいな感じかもしれませんが、そんなこと…一般常識じゃないし…。たぶん今回の映画、普通に鑑賞して、「音楽超良かった!」と思いつつ、この事実に気づいていない方、大勢居ると思うんですよね。個々の楽曲について●Dear Prince~テニスの王子様達へ~この楽曲のみ既存楽曲であり、許斐先生は作詞での参加のようです。テニスの王子様の原作・旧作最終回(42巻)で、エンドロール的にこの楽曲の歌詞が流れていたのですが、曲自体は私は初めて聴きました。「あぁ、こんな楽曲だったのか」…と。映画開始早々に、突き抜けた明るさをハイパーテンションでたたきつけられて、ここで観客の頭は一度マッシロになります。●RAP FESTIVAL →映像・こちら本映画作品の概要が公開された際、あらすじとして提示されていたのが、「越前リョーマが、アメリカでタイムスリップして、テニスギャングとラップバトル!」みたいな内容で、単語の一つ一つに突っ込まざるを得ないものだったのですが、ラップバトル自体は、映画のオープニングのような存在で、開始数分のところで繰り広げられました。最初はわけも分からず、ひたすらボーゼンとしますが、冷静になってくると、アメリカの路地裏というシチュエーション・空気感をライブコンテンツ風に魅せる面白さがあるな、と思います。リョーマ君パートの、「これでわかったろ誰がナンバーワンか!」の部分の振りと、ボールでラジカセを止める部分のカメラが引いていくアングルが好きです。●超えたいその壁を南次郎さんのプレーを見て、嬉しくなったリョーマくんがウキウキと歌う楽曲。これは、イイ曲だなぁ…!と思います。とにかく、ウッキウキジャズというか、ブロードウェイ調!な編曲が素晴らしいです。またこの楽曲は、作中BGMやEDでインストルメンタルとして印象的に使われていて、本映画作品を鑑賞した後に残る「多幸感」を作っている楽曲じゃないかな、と思っています。●peace of mind~星の歌を聴きながら~ →映像・こちら教会で、リョーマくんと桜乃ちゃんが歌うデュエット曲。ミュージカルの良さというのは、とにかく情報が歌に込められるところ…サウンドと映像も味方につけて、エピソードや会話劇よりもずっと短時間で、濃密な情報を収めることができるところ…かな?と思います。例に漏れず、この楽曲内のやり取りの情報量といったら…凄いです。申し訳なさが先に立ち、弱気になっているリョーマくんに、桜乃ちゃんが、強く強く「いいよ」「大丈夫だよ」を被せていくところや、プレゼントを渡してからの、映像もサウンドも弾けるような展開をするところ、星の歌聴こう→星達も眠るよ→やがて射し込んだ陽の光 という、時の経過、2人の、お互いの表情を見ながらの会話・心情筋・演技動作・時の流れ…と、本当にたくさんの情報が収められている楽曲だな、と思います。皆川純子さんと、高橋美佳子さんの、詰めに詰めた演技筋、それをのせた見事な歌唱が素晴らしいです。この楽曲も、インストルメンタルが劇中の随所で流れてました。●リョーマの想い 部長の声●リョーマの想い 強敵(ライバル)の声同じメロディーで、2パターンが用意されている楽曲でした。(上映も、ルート違いの2タイプあります)まぁ…とにかく、すごい試みだな、というのが最初に出てくる感想なのと、手塚部長バージョンは「+青学のみんな」という作りだったのに、跡部様バージョンは、オールオブ跡部様ピンだったので…(GLOLYを1回しか観ていないので、たしか…そうだった気がする)このキャラクターの人気の凄まじさを実体感しました。…楽曲の感想になってないな;楽曲はですね…なんか…歌詞のハマってない感じがするところでいつも笑っちゃいます。手塚部長の、「一番苦しい時、お前ならリターンはどこに打つ?」はグッとくる、名セリフだと思います…!●DANGER GAME試合のシーンで流れる、疾走感のある楽曲です。皆川純子さん×朴璐美さん が高らかに歌い上げるということで…(豪華!)、「美声素敵…!」と、非常に聴きごたえがあります。それにしても、許斐先生、楽曲の引き出し多いな…凄いな…本当に…。●世界を敵に回しても →映像(映画予告)・こちら本映画作品の、表題曲と言っていい楽曲だと思います。この映画でやりたかったことは、全部この楽曲で歌われていると思っています。鑑賞すれば分かりますが、この映画作品は、「テニスの王子様」という、20年以上に渡って展開し、様々なエンタメ文化の土台を作ってきた大成功作品が、積み上げて来たものを自らぶっ壊して、新しく生まれ変わろうとするような作品です。(おそらく、「テニプリ」の生粋のファンであればあるほど、今回の映画作品の作り方は、びっくりされたのではないかな、と思うんです。)世界を敵に回しても世界をまるごと変えてしまえ大それた歌詞が並びますが、大袈裟ではなく、本当にそれくらいの意識・覚悟を持って繰り出した映画作品だな、と。だからこその、このパワーなんだな、と。勢いのある、自身を鼓舞するような突き抜けサウンドが素晴らしく、本当に、妥当。この楽曲は、映画鑑賞前にDLして聴いていて、その時も「元気の出る、良い曲だな」と思ったのですが、実際に映画を鑑賞し、怒涛の突き抜けミュージカルを鑑賞してから聞くと、もう…なんでしょうか、上手く言葉が見つかりませんが…「苦しい時…こそ!」「これだよ…!」というか。とにかくこの楽曲は、映画本編と是非一緒に、鑑賞してください。ちなみに、この楽曲を(音だけで)聴いた妹の最初の感想が、「なんでリョーマくん、いきなりこんな…まっすぐな、ちょっと不器用そうな歌い方してるの? …あ、歌ってるのが『アイドル』じゃなくて、『12歳の少年』だからか。皆川純子さん、天才だな!!」でした。わかる。●シアター☆テニフェスpetit! →サンプル映像・こちら本編上映終了後、十数分程度…だと思いますが、8~9曲のキャラクターソングメドレーが流れます。(原作カットを使用した、MADのような映像)映画本編は、とにかくリョーマ君一人に絞っているので、(他の子も出て来ますが、ほぼバックダンサーズなので)短い時間ですが、ここで存分に、集団アイドルコンテンツを爆発させています。映像自体、非常にセンスが良く、クオリティが高いのと、何より、元の各キャラクターソングが、それぞれ色があって、「あぁ…これは、楽しいわ…!!」と思いました。映画本編も、主要キャラから端役に至るまで、とにかくキャラクターが魅力的なので、その感性のまま、こうして「漫画原作本編には、ほかにもこんなに大勢のキャラクターたちが登場するよ!」と提示されると、素直に、「楽しいな…原作も読んでみようかな」と思います。テニプリキャラクターソング…ほとんど知らない楽曲でしたが、まぁ…いちいちクオリティが高い。ただ、やはり私がこうして、この…テニプリという作品の、いわば「集団アイドル」としてのコンテンツを、心から楽しめるのは、本映画作品で、ずっとずっと心に引っかかってた部分(少年漫画作品としてのリョーマくん・桜乃ちゃん)を強く強く、打ち付けてくれたからにほかならず、私にとっては、何倍もの楽しさ・面白さに出逢わせてくれる映画作品だったな、と改めて思います。2タイプの上映で、セレクト楽曲・映像が異なります。Decide版は、個人キャラクターメイン、Glory版は、学校毎の楽曲メイン(そうでない曲もあったけど)、という感じでしょうか?Glory版はまだ1度しか鑑賞できてないので、できたら…もう1回くらい観たいな…。ここまででざっくりと、書きたいことは書き散らかして来ましたが、まだ吐き出したいことが出てくると思うので…(おそらく)感想記事、その4に続く!by姉
2021.09.17
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遅くなりましたが、超簡単本誌感想参ります~。・・・えーと実は、最近私(妹)はちょっと生活スタイルが変わりまして・・・ もしかしたら、今までのように継続的に感想をアップすることが難しくなるかもしれません。・・・という状態です。勿論花とゆめは追いかけ続けますが、今後は超簡単感想になったり数話分をまとめてアップ、とかになるやも・・・しれません;;今は自分の生活を大切に、無理のない形で暁のヨナを楽しむ&応援していけたら良いな!ーと思ってます^^取り急ぎのご報告でした。暁のヨナ 第213話「眩い一騎」*以下単行本37巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!*・度重なる戦闘に皆疲弊し心が折れている 敵も延々襲撃と撤退を繰り返す 一見無計画だがこれは・・・ 「兵糧攻めか・・・」byハク様村をまるごと兵糧攻めですか・・・ えぐいですね。ハク様が戦で窮地に陥っている姿を見るのはツライですが・・・そもそも「グンテ様負傷により、突如総大将任された」立場ですからね。兵糧攻めで窮地に陥るってんなら、その責は当然グンテ将軍にあるわけでーまぁいいや。しかしハク様、こんな状態になる事も見越して策を打っていました。流石!・・・あと今回、「ハク様はやっぱり天性の大将気質だなぁ」と感じました。「どんなに劣勢だろうと、大将たるもの先陣をきって突っ走っていかなければならないそうしないと皆ついて来てくれない」というスタンス、流石ムンドクに育てられし生粋の将軍・・・!(いや今は一兵卒(のはず)なんですけど)・「皆さんご苦労様です あと少しですよ 良い働きをした方には特別手当を出しますので」byお金持ちのラーン将軍めちゃくちゃホワイト企業で笑いました。超正攻法じゃないですかw お金たくさん貰えるなら、士気も上がるってモンですよ!・(血まみれで ボロボロで 鎧も着れない貧乏で 今にも倒れそう しかし なんと 美しい戦士・・・)あてられたラーン将軍ハク様がまた新たな男をたらし込んでいる・・・(言い方) 本当に罪な男だなぁ、と思います。しかしここに来て、対戦相手が「ハク様が鎧を着てない」事を気にしてくれた事にちょっと感動!ラーン将軍・・・はじけ飛んでいるようで、以外と冷静な目線でハク様を見つめているような・・・そうでもないような・・・??・「おーいっ カルガンー 食料とか医療品いっぱい持って来たよ」byユン君私、最近ユン君が出てくるだけでウルっとしちゃうんですけど・・・何なんだろう??一点の曇りなくニュートラルな存在というか・・・まさしくこの子こそが正義というか・・・本当に頼りになる存在なんですよ。・(あー・・・ ちょっと 休ませてくんねーかな・・・)byボロボロハク様ここは印象的な場面でした。ハク様は、基本的には絶対グチや弱音を吐かない男なので・・・よっぽど・・・よっっぽど疲れてたんだな、と(そりゃそうだ)・「私が並んで戦場に出る話はまとまったの?」byヨナ姫 「私は必要性を感じません」byスウォン様いやスウォン様ね、貴方がしっかり起きて働くことが出来てる時は、そりゃ必要ないんですよ。いざって時に万一貴方が倒れてたら・・・という事態に必要性が出てくるって事なんですよ。分かってるとは思うんですけどね。ヨナ姫の「ーハン!」って表情が良かったです。なんやかんや、ヨナ姫はスウォン様のツーカーというか・・・気持ちを分かっちゃうんだと思います。なんてったって血縁、かつ兄妹みたいに育ってきた訳ですから。どうでも良いんですがプッキューが気になる。いつも気になるけどこの真剣な場面で、いつも以上に気になりすぎる。。・(その場所は私も知らなかった 私の知らない高華国をヨナにおしえられるなんて)byスウォン様ハク様や仲間達と一緒に、自分の足で高華国を見て回ってきたヨナ姫。その経験が活きる時が来ましたね!どれだけ意固地になっていたとしても、有力情報にはしっかり食いついてくれるスウォン様。緋龍王の生まれ変わりだ云々関係なく、ヨナ姫の言葉を聞いてくれたんだな、ヨナ姫の経験値を認めてくれたんだな・・・とすごく嬉しかったです!つながる表紙&ふろくアクスタにワクワクとトキメキが止まりませんありがとうございます!次回も楽しみです!!by妹
2021.09.15
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盛り上がってます。すごく感動したんです。私の中では、「これを観ずして、エンタメ語るべからず」くらいの勢いなんです。映画感想『リョーマ!新生劇場版テニスの王子様』-その2各キャラクターと、シーンについて。印象的だったものの列記。*以下、現在公開中の映画作品の、ガッツリネタバレあり感想です。未鑑賞の方は、お気をつけください。*キャラクターについて。●越前リョーマ映画タイトルが『リョーマ!』である点からも分かりますが、世間一般の認識・コアなファン層から求められる「集団アイドル」としての立ち振る舞いを封印し、スポットライトを、このキャラクターだけに絞り切り、このキャラクターを、立体的且つ魅力的に魅せることだけに全力を注いだ映画作品でした。このキャラクターは、作品のアイコンですし、いわば、テニプリというメディア集団アイドルのセンターポジションを若干12歳設定にしてずっとやって来ている、すごい存在なんですが…でもやっぱり、「それだけの子じゃない!」という主張というか。(そもそも最初から集団アイドルのセンターとして配置するだけなら、絶対12歳に設定なんかしませんよね・・・)この子は、少年漫画、ジャンプ作品の主人公なんです。この子を立たせるために、設定・周囲のキャラクター配置は全部作られているんです。この子だけは、「アイドル」という存在では終わらせられない…家族、友人たち、周囲の人たちを大事にしていける部分を、きちんと描いていってあげたい、そしてこの先、世界という舞台に挑戦していく未来や、そこでの生活感まで、きちんと人生軸として筋立ててあげたい…やりたかったことは、これに尽きるんじゃないかな、と思います。父親への、飽くなき憧れ。現役時代の父親のプレーを観ることが出来る…!とはしゃぐ無邪気な姿もとても印象的でした。リョーマ君が、もうお父さん大好き過ぎて、過去に来ていると分かってから、真っ先にお父さんに会いに行って、じーーっとお父さんの一挙手一投足を観察し出すんですが、「この子、こんな子だったんだ…超『親父』マニアじゃん」と思いました。中盤で、「流石、越前南次郎の息子だよ」と対戦相手に言われるシーンで、リョーマくんが誇らしそうに笑ったのを観て、この子にとって、コンプレックスとかじゃないんだ、本当に「誇り」なんだ…と。そりゃ、そうだよな、と納得しつつも、実際に演技動作・表情を見ると、改めてこのキャラクターの根源に触れるようでした。南次郎さん(←ひたすらカッコイイ)との会話が、いちいちグッと来るんですよ。そして今回、漫画本編ではあまり描写されていないお母さん(倫子さん)がガッツリ描写されています。(南次郎さんのスピンオフ読切では登場していましたが)リョーマくんが、父親似…のようでいて、実は顔のパーツは完全にお母さん寄りなんだな、とよく分かりました。たぶん性格も、お母さん寄りのとこがあるのかな?実は真面目な子だし。そして、対 桜乃ちゃんの、演技動作・表情・かける言葉のすべて。リョーマ君というキャラクターは、こんなに「お姫様」を一生懸命、全力で「守らなきゃ」と思える王子様なんだよ、こんなに「お姫様」に精一杯の気を使える王子様なんだよ…応援したくなる、超魅力的な『王子様』でしょ!!!本映画作品は、極論、「このリョーマ君」を、「子供向け」の体裁の中で思いっきり魅せて行きたい、という作品でした。原作の連載冒頭より仕掛けていて、20年間、なかなか描けずに来たこの部分…描写・ニュアンス、さり気ない表情・しぐさ…渾身過ぎました。本っっっ当ーーーーーに、魅力的でした。ただ…なんて言うかな…20年間の抑圧を跳ね返すパワーが必要だったんだと思いますし、「描きたい」という思いが募りに募った結果なのだとも思いますが、手が付けられないレベルで、「萌え」が狂暴でした。「原点回帰」と言いつつ、正直、「原点」にこんなものはなかった。最初、この映画の概要や予告編を見た際、「あぁ、これは、漫画原作の出だしを読んだ中学生の頃の私が、期待して、観たいと思った部分を描いてくれる作品なんだな」と感じたのですが、本編を鑑賞すると…すみません。「ここまでの濃厚さ、踏み込んだ概念、全く期待してなかった」次元のシロモノで、ビビり散らかしました。「(出し手側が)ここまでの覚悟を持たないと、繰り出せなかった部分」だったんだなぁ、という話なのだと思うのですが。あとはもう1点、凄く丁寧に入れ込んで描写していたな、と思うのが、「この子は、12歳の少年なんだよ」という観点でした。リョーマ君は、すごくしっかりしている子ですし、大人たち・年上たちの中で、一人でガンガン渡り歩くシーンも多いのですが、本作では、あえて…「精一杯でも、やりきれない部分」「危なっかしい部分」、それを感じるシーンがたくさん入れ込んであったな、と思います。桜乃ちゃんとの逃亡劇シーンも、精一杯、彼女のこと守ろうとするんですけど、やり切れず…桜乃ちゃん何回か真面目に死にかけてましたし、車を使ったハラハラシーンも、観ててこっちがびっくりするような危なっかしいことをやらかしてて…。(あのエピソードは本当に練ってあって秀逸でした。脚本ブラボー。)あぁ、しっかりしてるけど、この子は12歳の少年なんだなぁ、と改めて思いましたし、だからこそ、際立つ「精一杯」「真剣」な姿が、本当に魅力的でした。●竜崎桜乃この娘は、『お姫様』なんです!この娘は、とにかく『お姫様』なんです!!守るべき娘なんです!!大変な、怖い目に遭っても、「大丈夫だよ」と強い瞳で全肯定してくれる、『天使』というか、『女神』というか、『聖母』というか…いや、この娘はとにかく『プリンセス』なんですっっっ!!!本映画作品における桜乃ちゃんに関しては、すべてのカットからの『圧』が凄くて…製作側の意図としての『カワイイっっっ!可憐っっっ!!の圧』が凄まじかったです。もはや、意気込みが暴力的でした。本作は、観客に「桜乃ちゃん」を『プリンセス』だと認識してもらわなければ意味がない、というか。前記事でも書いて来ましたが、この娘は原作冒頭から、「お姫様」として登場していましたが、これまで20年間の作品展開の中で、なかなか、しっかり描写されずに…「描写できずに」来ていた娘です。今回、『テニスの王子様』は、並々ならぬ覚悟で、この娘をメインの、大切な存在として出してきていますし、出すからには、有無を言わさない!観た方の100%に、「プリンセスだ」と言わせるのが、もはやミッションですので…ただ、「プリンセス」だと思って欲し過ぎるがあまりに、渾身の3D映像使って、『ディズニープリンセス』にしてくるなんて、離れ業過ぎるというか…許斐先生の頭の中、どうなってるんだ、とは思いました。(いや、思考回路は分かりますけど、普通はやらない;)●越前南次郎ただっただ、ひたすらカッコよかったお父さんです。対奥さん、対息子たち、対時空を超えてきた息子と連れの女の子、全方位に対して、ただただカッコよかったです。強さの秘訣は…「テニスを楽しむこと」と、「守るべきものを持っていること」なんでしょうね。●越前リョーガリョーマくんの「お兄さん」。血縁ではあるらしいのですが、実際の関係性はまだ明かされていません。私は、今回テニプリコンテンツを鑑賞して、初めてこのキャラクターの存在を知りました。こんなキャラクターが居たのか…。このキャラクター自体は、基本的は、作中で「リョーマ君と南次郎さん(モドキ)を闘わせてあげるためのキャラクター」なんだろうな、と受け取りました。やはり、リョーマくんの物語筋として、「父親を超える」は究極目標ですし、それはやはり、「現役時代の」…なのかな、と。年齢的に、実際のお父さんにそれは叶えてあげられないので、「ちょっと年上の」「親父の魂を踏襲した」キャラクターとして設定されたのが、この「お兄さん」なんだろうな、と。ただ、今回の映画が、「現役時代の親父と闘う」をタイムスリップミラクルでさらっとやってしまったため、(超えたわけではないですが)、実は、一番存在意義を脅かされたキャラクターだったんじゃないかな、と思っています。ただ、本作の、多くない出番の中でのこのキャラクターの描かれ方が、「このキャラクターは、このキャラクターとして、ちゃんとこの先、筋を通して描いていくよ!」という出し方だったなぁ、と感じましたので、そこは…良かった、安心した、というか。きちんと、作品としてのこのキャラクターに対する意思表示が織り込まれていたなぁ、と思います。印象的なシーンについて(たくさんありましたが、かいつまんで…)●オープニング原作の最終・42巻(旧作)のラスト、全国大会決勝戦のシーンですね。非常にクオリティ高く、サービス精神に満ちたザ・ミュージカル!!な出だしで……はい。サービス精神旺盛過ぎて、派手過ぎて、びっくりし過ぎて、本当に1回頭マッシロになりました。私が、全くミュージカル慣れをしていないのもあると思うのですが…。●越前家日本に戻ってきてからは、「お寺」等の純和風イメージが強調されていたので、アメリカナイズな生活感の描写が、とても新鮮でした。お父さんカッコイイし、お母さんキレイだし、子供たちカワイイし、とにかくほほえましい一家でした。●逃亡劇のシーン映画作品ならではの「少年・少女の大冒険」でした。このベターなシーンを、今の少年漫画がどれほど描こうとしてくれるか…。そもそも、「王子(とか騎士)!姫!」というビジュアルで、描こうとしてくれないんですよね。絶対に「王道が正しい」わけではないのですが、「みんなが観たいモノだから、王道なんだぞ」と思うんですよね。ただ、屋上のシーンは、思わん展開の連続ですごくハラハラしました。…「あっっっぶねぇぇぇええええ!!」●教会のシーン本映画作品の核とも言うべきシーンだと思います。このシーンにかける、製作サイドの情熱たるや、並々ならぬ…というか、こんなに「カワイイ」「美しい」要素で作ってあるのにこんなに「殺しにかかってこられてる」と恐怖心を覚えたシーンを、私は知りません…。リョーマ君、桜乃ちゃんの2人の表情・演技動作、あらゆる部分において神経が研ぎ澄まされていて、他のシーンと比べて、あからさまに作り込み・クオリティが段違いなんです。(他のシーンが手を抜いている、とかではなくて、このシーンがおかしいだけ)そして、このシーンはとにかく、「教会」が持つモチーフのふんだんな使い方が見事です。桜乃ちゃんを危ない目に遭わせちゃったな、という流れから入るシーンですので、まず、リョーマくんがステンドグラスに浮かび上がった十字架を観ながら、桜乃ちゃんに謝ろうとする…「懺悔」「贖罪」であり、そこから桜乃ちゃんが「いいよ」「大丈夫だよ」って強く返してくれる…「許し」であり、さらに踏み込んだ「慈愛」「包容」「献身」であり、あと、歌い出しのワンカットで、下からのアングルで、手を伸ばすリョーマくんと、十字架をオーバーラップさせるようなカットがあるのですが、あれは、十字軍…というか、「戦士」「騎士」イメージなのかな?と思いましたし、星の光のファンタジックな世界での対話の後、差し込んだ朝の光に照らされた十字架とステンドグラス…その前で向きあった2人の「誓い(のポーズ)」にオーバーラップしてくる鐘の音…シーン冒頭のヴァージンロードの絵面と、贈り物をし合う流れも含め、「結婚(式)」モチーフですね。ここまで書き出してみて、つくづく「やり過ぎだな」、と思います。歌も映像も強いですし、いろんなモチーフが重なってて若干混乱しますが、基本的には、このシーンのお話筋上での意義は、「リョーマくんが、“桜乃ちゃんを守っていくこと”を“誓う”シーン」だと思っています。リョーマくんの心情筋が主軸のシーンだと意識して鑑賞すると、(というか、本映画作品はそれ自体が、リョーマ君のためだけに筋を通した作りなのですが)桜乃ちゃんや空気感の描写・展開も、すごくしっくり来ます。月明りの静寂…温かみと緊張感が同居する教会から、星の光がまばゆい、浮遊感のあるファンタジックな世界観から、朝日に照らされて、ステンドグラスが輝く教会…↑リョーマくんの心情筋を空気感が表現しているなぁ、と。最初、かなり大袈裟なシーンだな、と思うんですけど、でも、リョーマくんの表情がとにかくずっと真剣なので、観れば観るほど、茶化せないんですよ。シーンのラストにリョーマ君の「竜崎…俺が、必ず…」という途切れるセリフがぶっこまれており、素直に観れば、中一の男の子が、テンション上がってプロポーズめいたことを口走ったんだろうな、的な描かれ方になっていました。ここまでやるか…!ここまで踏み込むか…!!と思いました。メタ的な視点になりますが、製作サイド(というか許斐先生)の意識として、これくらいの、決死の覚悟で繰り出してきている映画作品だと思っていますし、「テニスの王子様」は、この部分をちゃんと描いていくよ、という宣誓だと思っていますので。桜乃ちゃんに、「怖い目に遭わせてごめんね」「もう戻れなくなる(かもしれない)けど」「この先も大変なこといっぱいあると思うけど」「もう逃げないからね、向き合うからね」「全力で守っていくからね」って、「テニスの王子様」という作品が誓ってるシーンというか。まぁ…すごいシーンでした。本当に。●車のシーン先ほど、リョーマくんのところでも少し触れましたが、中盤の車のシーン。リョーマくんという12歳の男の子の、冷静さ、アグレッシブさ、勝負慣れも凄く感じると同時に、大人目線で見ると「あっっっぶねぇええええ!!」と叫びたくなるシーンなのですが、エピソードが、なんて練ってあるんだ、と感動したシーンです。リョーマくん本人が、至って冷静に状況判断をして、現状打破のために動いているのがちゃんと伝わって来るのに…危ない。子供なんですよ。車を運転する感覚を持ってない12歳だからこれが出来ちゃうんですよ。こんなシーン、観たことがありませんでした。脚本万歳。感動しました。●電話ボックスのシーン桜乃ちゃんが、かなりヘロヘロになってしまっていたので、(ほとんどリョーマ君のせいっちゃせいですが)休む、という名目もあって、電話ボックスからお父さんに連絡しようとするシーン。リョーマくんが、電話ボックスの中から桜乃ちゃんの様子をちらっと確認したり、その目線に気づいた桜乃ちゃんが嬉しそうにしたり…という繊細な描写と、そこから始まる謎の電話越しミュージカルの超展開とのギャップが凄まじかったです。Decide(手塚部長+青学メンバーたち)の方が、流れとしては当然しっくり来ましたが、Glory(跡部さん)も、ファンの方が楽しめるように作ってあるなぁ、と感じました。●本気でなけりゃ、意味が無いね!お父さんに、テニスの試合を申し込むシーン!このシーンは、越前親子の、表情、仕草、セリフ…対話のすべてがキレッキレでした。素晴らしかった!!また、ここのやり取り内で出てくる、リョーマくんの上記セリフは、「テニスの王子様」というパッケージの、多岐にわたるメディアミックスの、根幹に共通して存在する「ポリシー」なんだろうな、と感じています。今回、テニスの王子様という作品の、(ほんの一部ですが)いろいろを鑑賞して、すべてに共通していたのが、「クオリティの高さ」であり、「本気」でした。全部「本気」だから、面白いんだな、と思います。●世界を敵に回してもクライマックス・圧巻のミュージカルシーン!映像としてのクオリティの高さが、凄いです。アニメーション、音楽、ミュージカルという観点で、「英知の結晶」だと思うんですけどね…脳がそこまでの情報を認識できずに、「あわわわわわわ」で駆け抜けますので、「百聞は一見に如かず」「感じろ」という世界線のものだと思います。ちなみに、大サビの超重要部の歌唱を、青学メンバーでもない、明らかに作中でそんな立ち位置ではない立海大の柳生さんが務めており、最初、「なんでここお前なんだ!」と誰しもが驚きますが、私は単純に、「歌が上手く、歌い上げられる人だからだな」と受け取りました。調べたら、声優の津田英佑さんは、ディズニー(アナ雪)にも出演しちゃうような、ミュージカル畑の方なんですね?あそこの歌詞は、許斐先生からリョーマ君に向けた、今回の映画で一番伝えたいメッセージだと思っていますし、しっかり、観客にも焼き付けたかったんだな、と思います。ゲストキャラや楽曲についても語らなければ・・・感想記事、その3に続く!by姉
2021.09.12
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先週末より公開している本作、鑑賞して来ました。『リョーマ! 新生劇場版テニスの王子様』(2021年、製作総指揮:許斐剛、監督:神志那弘志)立海大付属を下し、青学が全国大会で優勝を果たした3日後、越前リョーマは武者修行のため、単独でアメリカへ渡った。同時期、リョーマの同級生の竜崎桜乃も家族旅行でロサンゼルスを訪れていた。彼女が不良に絡まれるのを助けようと、リョーマの放ったテニスボールが引き金(?)となり、2人は過去へタイムスリップしてしまう。そこは、リョーマの父・越前南次郎が引退に追い込まれた、全米オープン決勝の2日前だった…!予告編→こちら。…これは、凄い。これは、もう存在が凄い。『テニスの王子様』、初の3DCG映画作品。予告から、実際に鑑賞するのを若干ひるむほどの『圧』は感じておりましたが、本編鑑賞時に実体感した『圧』は、想像の比ではありませんでした。1,000倍くらいの破壊力を持った『圧』だった…。土日で、実は3回(Decide:2回、Glory:1回)鑑賞して来たのですが、1・2回目は絵ヅラ・音楽の強さと、あまりの情報過多さで、頭パーン!!してしまって;毒い…毒いよ…!!!3回目でようやく…1シーン1シーンの意図だとか、一人一人の演技動作、表情をちょっとだけ冷静な目をもって、脳内に落ち着かせていくことが出来るようになりました。もうそうすると、本当に1カット1カットの情報が、ここまでやるか、と改めて驚くほどに濃密!!この映画は、一言で表現すると…「テニスの王子様」という、一つの確立した大成功パッケージ作品が、20年を経て繰り出して来た、『渾身のカウンター!』でしょうか。*以下、公開直後の映画作品のネタバレあり感想です。未鑑賞の方は、お気をつけください*ジャンプ作品では、2009年に尾田栄一郎先生を製作総指揮として、「ONE PIEC FILM STRONG WORLD」が公開され、大ヒット&ワンピースブーム再熱を巻き起こして以降、15年、20年と続く人気作が続々と渾身の「作者監修映画」を発表して来ました。私は、やはりもともと大ファンだった、・「ONE PIEC FILM STRONG WORLD」(2009年)・「銀魂 完結篇」(2013年)の2作がとにかく衝撃で、何度も何度も劇場に通いました。この2作は、作り方としてはすごく似ていると感じていて、「主役の船長(ルフィ)と銀さんが一番テンションの上がる部分(絶対に譲れない部分)」を核に持ってきて、その上で話筋として、「さらわれるヒロイン助けに行く!守る!」とか、「(未来や過去に)タイムスリップ!」という、王道中の王道を据えて、主人公(たち)のなりふり構わなさで熱く2時間弱を突っ切る!。そういったお話・テーマの骨格を、どこまでも作者様独自の一番得意とする感性で彩る・肉付ける…ONE PIECEでしたら、弱肉強食(多数の動物)・春夏秋冬・空島・正装討ち入り…といったどこまでも欲張った、ワクワクする絵面・シチュエーション。銀魂でしたら、銀さんの主観一辺倒で、5年後の要素を絶妙に魅せてくる…銀さん主観での、「これは嫌だな」という感情の積み重ねと爆発の経緯、それを緩急の神・藤田監督のキレッキレの演出で叩きつけて来ました。ーで、改めて今回の「新生テニスの王子様」について考えると、上記2作品と、お話筋は非常に似てる部分があります。「主人公のリョーマくんのテンションが上がる部分」というものに特化して、ザ・王道の「王子・姫」「さらわれるヒロインを助けに行く!守る!」という要素と、「(過去に)タイムスリップ!」という要素を掛け合わせたようなお話筋。アメリカの空気感や、ステンドグラスが美しい夜の教会、全米オープン会場の荘厳さ・熱気、…という絵面の面白さもすごく意識していましたし、その上で、今作にしかない感性として、「テニスの王子様」という作品が積み重ねて来たエンタメノウハウ…「キャラクターソング」「ミュージカル」というものを、大々的に組み込んでいます。ただ、上述したONE PIEC、銀魂の2作品が、「この作品の魅力を知っている人なら、『これが観たかったモノ』でしょう!!?」という作りなのに対し、本作・テニプリ映画は、ある意味で真逆のところから入った作品だと思います。連載の初っ端から思いっきり仕掛けてあったのに、この20年、作品の人気拡大に伴い、表立って描いて来れなかった部分、そこだけに焦点を絞った作品でした。『越前リョーマ』という主人公だけに焦点を絞り、下記↓の要素を大々的に魅せて来ていました。・お父さんの越前南次郎さんのカッコよさと、彼への憧れ・ヒロインの桜乃ちゃん・まだ、心身ともに未成熟の「12歳の少年」という観点これらの要素が何なのか、と考えると、共通しているのは、『越前リョーマ』というキャラクターを、少年漫画ヒーローとして立たせていくための要素だな、と思います。許斐先生のインタビューか何か?いろんなところでおっしゃってるそうですが、『越前リョーマ』というキャラクターは、最初、主人公のライバル役として生まれた、とのことです。確かに、少年漫画を描こうと思ったときに、真っ先にこんな子を主人公には設定しないと思うんですよ。元世界で活躍したプロテニスプレイヤーのサラブレット。生まれも育ちも特別な子。容姿も見るからに端正な、誰に言わせても「王子様」…こんな子、最初から「出来過ぎ」「特別」に決まっていますし、まぁ…少年漫画的に考えたら、「鼻っ柱を折りたくなる、いけすかない奴」じゃないですか。この子を、少年漫画の主人公として魅力的に描く…そのために練って練って投入してある仕掛けが、・アメリカへ殴り込んだ「サムライ」というお父さんの人物イメージ、その踏襲・一人の天才少年を、「王子様」に魅せ切る、 「王子様」として頑張らせる、そのための「お姫様」。(ライバルキャラクターとしての、倒すべき「王子様」のままだったら、よっぽど、全キャラでラブコメ仕掛けるぞ!と思っていない限りは、「お姫様」を設定する必要はないと思います。)・中学1年生という、周囲の2~3年生や大人たちに比べ、一回り小さな体格…だったのではないかな、と思います。まんま、今回の映画が「これでもか!!」というほど魅せて来ていたものだな、と思います。「原点回帰」「新生」という言葉が許斐先生のインタビュー等でも散見されますが、とにかく、『越前リョーマ』というキャラクターを、もう一度、改めて「魅力的な少年漫画ヒーロー」として決定づけたい、提示したい、「これが、『テニスの王子様』だ!」という、そういう映画だったなぁ、と思います。テニスの王子様の旧作・42巻を読むと、特に、青学というフィールドにおけるリョーマくんの、爽快感のある活躍っぷりは存分に楽しめましたし、ちゃんとやりたかったことは出来てるんですよ。ただ、やはり作品の人気が爆発してゆく経緯や、メディアミックス展開として、「(他校も含め)大勢の魅力的なキャラクターたち」を集団アイドルとして魅せてゆく、ここの部分があまりにクオリティが高く、優れていた。(もちろん、集団アイドルとしての、これまでのテニプリの展開自体も、原作の連載開始当初より完全に仕掛けてある要素ですよ。青学の先輩たちの作り込みを見ても、「推しを見つけてね」という作りに最初からなっていますし。)「集団アイドル」としての作品の発展に関して、それが「妥協だった」などと言う気は毛頭ありません。ただ、やはり、実在アイドル集団顔負けのコンテンツ量を提供し、女性ファン層が拡大する中で、『少年漫画である』という部分が、「それよりも(もっとファンの喜ぶ部分を)」と言われてしまった感は否めませんでした。特に、「女の子」の要素、『桜乃ちゃん』に関しては、あまりに作品としての「集団アイドル展開」が確立するがあまり、長年、タブー視扱いされるような状況になっていました。ちなみに…テニプリがTVアニメ放送をしていた十数年前、妹はマンガ・アニメ好きの同級生とテニプリの話になった際、「テニプリに女は要らない」と言い放たれたそうで・・・。少女漫画・ジブリ・ディズニー生まれのラブコメ育ち「カワイイ女の子を観るのが漫画・エンタメだ」と思っていた妹が衝撃を受けたことがあるそうです(軽くトラウマ)。当時…というか、それ以降の、この作品内における「女の子」に対する空気感は、分かる方には分かる…と思いますが、傍から見てて、かなり「怖い」ものがありました。(私も、そこまで深入りはしていませんでしたし、詳しいところは知りませんが)今回の映画作品において、この桜乃ちゃんを大々的に魅せてゆくことが、このテニプリというパッケージにおいて、どれほどハードルの高いことだったか…それこそ、表題曲であり、映画クライマックスを飾る♪世界を敵に回しても 。製作側…許斐剛先生の心持ちは、まさにこの楽曲タイトルが体現していると思っています。繰り返しになりますが、これまでの集団アイドルとしての作品展開が、「妥協の産物だ」などということは一切ありませんし、むしろ、その展開があまりにクオリティ高く、パワーを持っていたことで、「テニプリっぽい」と感じるような、追随コンテンツを多数生み出し、「テニプリは、いくつもの文化形成をした、先駆者・パイオニア、そしてレジェンド」と言っても過言ではない存在と成り得たんだな、と思っています。今回の映画は、その道(アイドル道)を突き詰めて、20年…追随コンテンツも数多く生み出されていく中で、「集団アイドルコンテンツ」としての世代交代・流行廃りも、(おそらく)実感としてあるでしょう…じゃあここで、「テニスの王子様」というパッケージの繰り出してくる一手として、この作品しか、持っていないもの…最大の切り札であり、隠し(てたわけではないですが)札だったのが、「この作品は、越前リョーマという『テニスの王子様』を魅せて行く少年漫画なんだ」という、『原点回帰』であり、今回の映画は、その『原点回帰』を、『これまで描けて来なかった要素を核に据えた形』で、もの凄い力で踏みしめる、そして、漫画の連載開始時と同様に、「少年向け(より広くは一般層向け)」の体裁で、形作る、そういう作品だったのだと思います。まさに、『新生』だな、と思います。また、パイオニア・レジェンド自身が、(自身が生み出し、形成した文化の流れに逆らうニュアンスも含め)ものすごい熱量で繰り出して来た『渾身のカウンター』だとも受け取れるような、凄い作品だな、と。もともと「集団アイドル」をやろうとしている追随文化には、絶対に真似が出来ないやり方だと思います。作中、リョーマ君の印象的なセリフで、「逃げるのをやめた!」「勝って、道を切り拓く!その方が楽しいじゃん!!」というものがあるのですが、もう…まさに!!!コレこそが、本作品の存在意義。やりたいことが見事に凝縮された一言だと思います。…感動しました。鳥肌が立ちました。ここまで書いて来て、「今回の映画は、こういう意図の作品なんだな」という理解…は漠然とあるのですが、実際に「テニプリ」という歴史・実績あるパッケージ内で、この映画作品を形作るのは、口で言うような簡単な話ではなかっただろう、とつくづく思いますし、とにかくもう…本映画製作主体の志の高さ、許斐剛先生のどこまでも貪欲なクリエイティブ力に、『感服』の一言です。こんな凄い熱量の作品に出逢える瞬間があるから、『だから、エンタメは、やめられない!!!』と強烈に感じました。この作品に対して、「これが見たかった『テニプリ』だ」「これは見たくなかった『テニプリ』だ」等々、自分にとっての良し悪しという点で、様々な感想はあると思いますが、総じて、「つまらなかった」という感想は、まずないと思います。こんなに真剣で、あらゆるシーンで観客をビクつかせにかかってくるような、ド真面目にはっちゃけた作品を鑑賞して、何も感じない方は居ないだろう、と。観れば、分かる。この映画の凄さは、観れば、分かります。私は今回、この映画を鑑賞して、『テニスの王子様』『許斐剛先生』の考えた方や、これまでやってきたことをまじまじと捉え直すことができました。やっぱりこれまで、この作品を見るときに、どうしても「作者様が、やりたかったこと、描きたかったものを、押し殺している部分のある作品だ」、と認識してしまっていました。私(と妹)にとっては、『若干の心の傷』『ふわっとトラウマ』。集団アイドル展開が、勢いがあり、クオリティ高く素晴らしいことは分かっていますが、どうしてもよぎってしまう思い…「最初は、ちゃんとリョーマ君が主人公の少年漫画だったんだけどな」、「主役のリョーマ君、この部分だけの子じゃなかったんだけどな」「テニスの王子様の隣には、最初からテニスのお姫様として桜乃ちゃんの存在が設定されてたんだけどな」・・・この思いを抱えた状態で、手放しにコンテンツを楽しむことはできませんでした。今回映画は…まさに、「ココ!!ココが出していけるのであれば!!私達の『テニスの王子様』に対する、心の曇りは晴れる!!!私達も、向き合える!!!楽しめる!!!」…そう思える作品でした。過去20年、近しい漫画文化にどっぷり浸りながら、決して踏み入れようとしなかった「テニスの王子様」に、ものすごい勢いで振り返えりました。大ファンになりました。ここまで、映画感想の前置きなんですけど…長くなりましたので、各キャラクター・シーンについては別記事でまた語ります。とにかく、…これは、凄い。by姉
2021.09.07
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たいへん遅くなりましたが、超簡単本誌感想参ります~。暁のヨナ 第212話「ユン阿波へ」*以下単行本37巻収録分ネタバレ含みます。ご注意ください!*・(雷獣いなくて夜はちょっと怖かったけど 昼にたくさん移動して何とかやりきった)byユン君我らがユン君、阿波に到着!!そういえばユン君、15歳にして人生経験豊富すぎる印象でしたが一人旅は初めてだったんですね・・・ 無事に辿り着けて良かった!!活気溢れる阿波の街中が描写されていて、嬉しくなりましたv・ギガン船長と再会!相変わらずの格好良さで、南戒の船を追っ払っていました!しかし役人たちと協力体制を取れているのは胸アツですね。今回はこーゆー細かい描写が嬉しい^^ユン君がお願いすると、あっさり千樹草を譲ってくれました。信頼関係!しかし「今年はそれが最後なんだ 大事に使うんだよ」がダメな感じのフラグにしか聞こえない・・・;・「ごめん間違えたそれはジェハからの手紙」byユン君今回一番面白かった所でありますw フェイント演出が神がかってるなぁwジェハからの愛はくしゃくしゃにポイ捨てされてしまいましたが、ギガン船長の言葉の端々にジェハへの愛情はしっかり感じられていましたよね^^ところでハク様は何を頼んだのでしょうか。普通に考えると「加勢してくれ」となりますが・・・劣勢を覆す事が出来る秘策になると良いですよね!・「んー・・・ もう駄目かな ・・・・・・たぶん・・・ ヨナが」byユン君「なんだいあの2人デキてんのかい ジェハはフラれたのかい?」byギガン船長「そこは干渉しないことにしてる」byユン君5巻27~28話「ハクにだって女の子と遊びたい時くらいあるわよ」が本誌に掲載されたのは・・・ ああもう10年以上前の事になるんですね。当時「おお色恋沙汰の話題がキタ!」と喜んだ記憶が走馬燈のように脳裏をよぎりました。10年て・・・。ユン君の対応の違いから、ハクヨナの進展度合いが見えて嬉しいな~!と5巻を読み返してみましたが、そういえば5巻でもユン君に「そんな事言って ハクが恋人でも作って去って行ったらどーすんのさ」と突っ込まれて口ごもっていたので、結局ヨナ姫的には「ハク様と一緒に居たい」という感情自体はそうも変化してないんだろうな~ とも思いました。(ただこの時は、まだ「いつかハクがやりたい事を見つけた時に手放してあげられるように」と自立出来る自分を目指して頑張ってる時期でした。その路線は20巻前後で諦める事になったのですが・・・)・「私もただ部下を無駄死にさせた訳ではありません・・・策は打ってあります すごくお金のかかる策ですが」「いくら最強戦士がいようとも 勝つ為にたくさんお金を支払う人が神様から愛されるんです」by戒帝国・ラーン将軍なんか・・・また出てきた おそらく名前覚えなくて良いポジション的な将軍が出てきました!戦国時代のキリシタ系ン武将(オネェ)って感じかな・・・?とりあえずえげつない感じの手段でハク様をたたきのめそうと画策している様子。「勝つ為にたくさんお金を支払う人が 神様から愛されるんです」とか・・・悲しいかなこの世の真理ですね;;・満身創痍でも誰かを守らないではいられない。それがハクという男・・・。byあおり文金州。ハク様は次々に現れる敵と対峙し、夜も寝ずの見張り番を続け・・・ろくな手当も受けずに、再び戦場へ。まだ援軍が来ないんですか・・・??空も地も何をちんたらやってるの・・・??これはグンテ様とハク様に千樹そ・・・ はてさてどうなるのでしょうか。ラストのアオリ文、ハク様の本質を格好良く表現されていてなんか嬉しかったですv・ページ数について今回は20P掲載でしたね。今まではあまりなかった形態です。カラー扉や付録でお忙しいのかな?何か増刊の仕事があるのかな?・・・とか色々考えますが、もしかしたら これからはページ数を減らす&掲載頻度を減らして今までのきっちり3冊/年ペースから2冊/年くらいのペースにしていくのかな~とも思いました。次号以降の様子を見ないと分からないのですが・・・でも本当に 先生が納得出来るペースで!走っていっていただきたいなぁ!! と。15年来 先生が休むことなく全力で走り続けてきた姿を見てきたファンとしては、本当にその一心なのです。そしてそして・・・19号・20号連続付録のハクヨナアクリルスタンドのイラストを観て「ヒッ」と声が出ました^^こういう付録を待ってました!色々仕掛けてくださって有り難いですv表紙も2号連続みたいで、どんな仕掛けになるのかワクワク・・・ 次回も楽しみです!!by妹
2021.08.31
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