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今年も始まりました、『恵受の生活』が・・・。例年ノビルかツクシが最初なのですが、今年は芥子菜摘みからです。梅の花が咲き誇りそして花粉が舞う昨日、雨の恵みでやっと蕾を持ち始めた芥子菜を摘んできました。こぼれ種で生えてくる芥子菜、同じ場所だと年々衰退していくようで絶えてしまった所もあります。まだ最盛期には遠く収穫は少ないのですが、さっと茹でたものをドレッシングで和えて真っ赤なトマトとのサラダにしていただきました。鮮やかな緑と赤いトマトの取り合わせの味は、ほろ苦い早春をいただいているようで、まったりと過ごしていた体が徐々に目覚めていくような味わいがありました。昨年コマ打ちしたホダ木に、椎茸の芽がぷくぷくと出てきました。昨年の秋にも採れましたが、今まさに菌糸が廻りましたとばかりの勢いで、数えてみましたら26個・・・。三寒四温の中でゆっくり成長すると、肉厚でカサの表面が亀甲模様になるドンコになります。ベランダでの栽培は難しくて、昨年の夏場にはホダ木の水分がなくなり片手で持ち上げられるほどの軽さになってしまいました。そこで、写真で分かるように、浅めのスチロール箱に水をはってホダ木をたてておきました。寒波が来て冷え込みが厳しかった夜には、ここに氷がはりました。ホダ木の一部分を土やミズゴケに埋める栽培法はあるようですが、水に浸けておくという方法があるかどうか・・・でもその試行錯誤が成功して、ベランダ栽培でも椎茸は採れるという結果になりました。今年は諸事情により、きのこ会での菌打ち会はありません。この4本のホダ木が三年間は楽しませてくれることを期待して、少しずつ大きくなっていく椎茸を飽くことなく眺めています。
2011.02.27
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給食もいいけど、半日で授業が終わる土曜日はもっと好き。帰り支度をしている私に節っちゃんが笑いかけてきた。あまりおしゃべりしない節ちゃんだけど、その微笑の中に「今日も遊ぼうね。」が入っているのだ。ランドセルを玄関に放り投げて、一目散に駆け出す私の手には、人形と布切れがしっかり握られている。でも歩きながら、綺麗な花柄の布を沢山持っている節ちゃんの事考えるとちょっとだけ憂鬱になる。行商でお洋服を売りに来るおばさんは、なぜか節ちゃんのほうにキレイな布地をあげるのだ。桃色のブラウスや刺繍の襟が可愛い上着、赤いチェックのスカートを着ている節ちゃんだもの、きっと家より沢山の売り上げがあるんだ。そんなところで差別するなんて、大人ってずるいと思う。節ちゃん家の裏は高い場所が林になっていて、屋根の上まで土が切ってあり崖になっている。その林の日当たりがいい場所には緑色のアケビが沢山生っていて、風が吹くとブラブラと揺れるのだ。でも、家の裏手の地面は日が当たらないからかジメジメしていて、硬い地面に茶褐色の苔が斑に生えている。秋になったら紫色に熟れた実をもらえるかなぁ~節ちゃんは囲炉裏の近くに座って待っていた。なぜか家の中が暗く感じるのは、囲炉裏で燃やす火から煙がモクモクと出て、柱や天井を黒くするからなのかなぁ・・・。「今日は何を作る。卵があるから玉子焼きにしようか。」いつもの二人の秘密が始まるのだ。ご飯とお味噌汁は、節ちゃんのお母さんが作っていてくれるので、玉子焼きを添えたら立派なご馳走になる。私達5年生だけど、玉子焼きならきっと作れる。卵を割っている私に手渡されたお鍋を見てビックリ、家ではフライパンを使うのに節ちゃん家のは長方形に取っ手がついているのだ。これだと失敗してもきれいな形の玉子焼きができるんだぁ~知らなかったな・・・こんなのあるんだ。溶き卵に塩と砂糖を入れ節ちゃんが上手に焼いていくと、家の中に香ばしく美味しそうな匂いが漂い始める。そして、私たちの前には自分達で拵えた幸せ色の玉子焼き定食が並んだ。私達が土曜日ごとにこうして二人で何かしらご馳走を作って食べているって事誰も知らないのだ。「節っちゃん美味しいね。秘密のご馳走・・」ご飯が終わり、「今からお人形の服を縫おうよ」と節ちゃんは言うけど、お花がいっぱいの可愛い布を私は持っていない。なんだか気が進まないので、前から考えていた事、勇気を出して言ってみよう。「ねぇ、きのこ探しに行かない」節ちゃんは、えっ!という様な顔をして「どこに、スカートで大丈夫」と聞いてきた。やった・・・一緒に行ってくれそう「大丈夫だよ、ほら精米所がある近くにまだ大きくなっていない杉林があるでしょ、あそこ・・・」ずーっと前から探してみたかったんだ、きのこ。一人で林の中を歩くのは怖いから、我慢していたんだ・・。家を出てからの下り坂の両側には、新芽が成長してきた野ばらの太い枝がまだ柔らかそうに立ち上がっている。ポキンと折って齧ってみると微かに甘くて青臭くて、お日様に当たった青草の中に寝転んだような気分になってくる。ブラブラと歩きながら目指す小高い杉林を見上げてみる。楽しみだな~どんなきのこが出ているかなぁ・・でもきのこって秋だと聞いたことがあるし、もしかして見つからないかも・・・節ちゃんを誘ったんだから、何としても一つは見つけなくちゃ。林の入口は薄暗く、ひんやりとした風が奥から吹いてくる。落ちた枝が積もっていて、運動靴で踏み歩くと、バリバリと小枝が折れる音がして、足にチクチクと刺さり痛いような痒いような変な感じで、足に白っぽい傷が付いた。きっと今夜おかあちゃんに怒られる。野ばらの新芽を齧っていた時とはまるで違う匂いがしてくる。冷たくて乾いた匂い、この奥にまだ見たことが無いようなものがありますよ、というようなそんな気持になってくる。奥に入ると地面が見えている所もあり、そんな場所にはお日様の光がいく筋も差し込んでいてぽっかりと丸い光の輪が浮かんでいる。節ちゃんは、なんだかつまらないっていう顔をしている。それでも私は一段低くなっている広い窪みへ歩いていった。そこは少し湿り気があり、靴が深くめり込み歩きにくくて、遠くまで来ちゃったかなと少し心細くなってきた。風も少しじっとりしていて、節ちゃんはずーと後ろで立ち止まってこっちを見ている。もう引き返そうと向きを変えた時、左側に小さな白いものが・・・あった!きっときのこ・・枯れ枝や落葉が少なくて、小さな葉っぱを付けた草や苔がある地面に、ひよひよとした薄黄色いきのこがぽつぽつと並んでいる。小さい・・・私が絵本で見たような赤い色じゃないけど、カサも大きくないけど、なんて素敵なんだろう。真ん中が少し黄色く色づき、カサの裏側が透けたかのように外側に向かって均等に線が拡がっていて、柄が細いためか風にゆらゆらと動き、半透明のカサは今にもポロリと折れてしまいそう・・・こんなのをなんて言うのだろう・・・神秘的、弱い、・・・そうだ、きっと儚いって言うんだ。一本折ってみたけど、地面から離した途端、その儚さとやらの美しさが無くなってしまったような気がして、そーっと地面に帰してあげた。ずっと見ていたいけど、もう長い時間大人の人に会っていないし、節ちゃんはだんだん機嫌が悪くなってくるから、「きのこさん達また会おうね」と話しかけて急ぎ足で出口に向かった。見慣れた明るい景色と、畑にいるおばさん達を見たら、胸の中が少し暖かくなり、そして膝がぐらぐらとしてきた。きのこって、やっぱり探せばあるんだ。今度は違う林に行って、アリンコが載っても大丈夫なような大きなきのこを探そうと節ちゃんを見たら、プーと膨れたほっぺの節ちゃんが言った。「あたし、もうきのこ探しにはこないから」・・・。
2011.02.22
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時々食べたくなる物の代表といえば、ギョーザにラーメン。特に冷え込みが厳しい今頃は、熱々のラーメンスープをゴクリと呑んで、コクのある旨みを体の隅々にまで行き渡らせたくなります。若い頃はトンコツスープの濃厚な味も好きでしたが、その後チキンスープのサッパリした味に、今は、口中に拡がるトロリとした旨みの魚介類のスープが好みになってきました。先月絵画展の会場へと歩いている時に目についたこの看板。まさに求めていた和風ラーメンで、お店の佇まいもシンプルそのもの。いわゆる中華料理屋さんに代表されるようなラーメンは近場にもありますが、はっきり「和風スープ」と謳っているということは間違いがない・・と早速入店。そして出てきたラーメンがこれです。柚子が一片入っていて(好みでなかったら外してもらえます。)それが魚介スープの味を爽やかにひきたてています。麺の茹で具合もよくて、一つ一つの仕事が丁寧・・・ただ一切れ入っているチャーシューは、どちらかというと煮豚に近いもので、パサツキ感がありました。和風スープの味を邪魔しない為なのかもしれません。因みに、少なめが麺一つ、普通盛りは麺が1,5となりどちらも同じ700円でした。即席ラーメンを拵える時にも先ず煮干で出汁をひいてから始める私も、この「大咲」のラーメンは好みの味わいで、その後2回も通ってしまいました。場所は埼玉県入間市から飯能市に通じる「国道299」の野田辺りです。因みに299号線はバイパスが新設されていますのでお間違いのないように・・旧道のほうです。興味がおありの方はお出掛けください。私たちも、明日辺り行くかも・・しれません。というか、書いていたら食べたくなってきたのでこれから行くことになりそう・・。
2011.02.12
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花屋の店先が、季節を先取りしたように賑やかになってきました。今回我が家にやってきたのは「冬あじさい」。「入間きのこ愛好会」の新年会にて、ビンゴゲームでいただいてきました。冬季に花開くあじさい・ピンクエレガンス。この季節に咲くのもめずらしいけど、ぐるりと咲いている花の大きさにビックリです。ベランダで育てる花木がまた一つ増えました。「宮さん」お手摘みのムカゴをいただいてきたので、今夜は「ムカゴご飯」にしてみました。きのこ仲間の「宮さん」は、実のなる植物をこよなく愛し、庭にやってくる小鳥達に声をかけながら餌を与え、草花を観察しては銅版でポートレート壁飾りを拵え、ポツポツと話してくれる事柄はホントなのか嘘なのか時に迷うような面白い話・・・・。初対面の時、束ねたロン毛が印象的で、遠目に女性と間違えてしまうような風貌にビックリしました。そんな宮さんが冬場に少しずつ摘み取ったムカゴを使ったご飯は、ほっこりとした優しい味わいでした。最初に乾煎りして醤油味を付けてから炊飯器に入れましたので、ご飯が薄い醤油色になりました。そうなると、見た目の色と味わいというのを、今までの経験から脳が予想するわけで・・・。私の場合・・・醤油色というと魚介の旨みを期待しているようで、最初に口に入れた時は少し物足りなさを感じてしまいました。それもそのはず、相方の帰宅にあわせた炊き上がりを軽く味見しただけ。最近、夕飯は野菜中心にして一人早めに食べるようにしています。そろそろ芹摘みの季節、若緑色の混ぜ込みご飯も食べたいな・・・出不精を治さなくては。
2011.02.07
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たった一日の違いで今日は・・・如月・・・なんて素敵な響きの言葉でしょう。凛とした空気の中にもいずれ萌え出る命たちへの想いを含むような気配が感じられて・・・。知り合いの万華鏡作家の方から案内状をいただいていたので、穏やかな日差しの中新宿の『京王プラザホテル』へ行ってきました。どんな可愛い物語が秘められているのかしら。南瓜の中の光は、この後蝋燭の炎のような揺らぎへと変化していきました。こちらの題名は「耳」。手を叩いたり声を発したりしたら鮮やかな色が現れて、悲しい時や凄く嬉しかった時にじっくり話を聞いてくれそうで、家にあったら面白いかも・・・。千変万化する色彩を写し撮るのは難しくて、それでも覗きぐちにデジカメのレンズをくっつけて数枚撮ってきました。(作家さんの許可をいただいて・・)置いてある作品ごとに映し出される世界は様々、更に音楽とともに楽しむ事が出来る作品もあり、片っ端から覗いてきました。子供の頃お祭りの出店で手に取った万華鏡。刻々と変わっていく色合いと澄んだ光に吸い込まれて、変化して大人になっていく自分に出会えるような気がしたものでした。その頃のお祭りって日常と違う不思議が漂っていて、そんなムードが乙女として目覚める私に希望と夢を見せてくれたのかもしれません。新宿にお出掛けになる方がいらしたら、ぜひ覗いてみてください。ノスタルジーと、幾つになっても残っている乙女心を満足させてくれます。こちらはホテルのロビーに飾ってあった、吊るし飾り。細やかな手仕事と日本古来の色合いが織り成す可愛らしさには、ほのぼのとした暖かさを感じました。喧騒の街を歩くのは苦手だけど、そこに季節感を読み取る事ができると楽しくなるから不思議。友人と一緒だったらホテルのラウンジでお茶も楽しめたのだけど、一人ゆったりしたソファに沈み込むのもいかがなものかと一路自宅を目指し、又もやケーキ屋さんに立ち寄ってしまった私。どうも、ちょっと遠出したらケーキを買って戻る傾向にあるようです。幸せな気持になるから、まぁ・・いいかな。。。
2011.02.01
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