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先日、上海で小売業の調査をしました。ショッピングモールなどリアル店舗の売上の下落が止まりません。(全体的に)するとやはりインターネットショッピングの急拡大の影響を目の当たりにします。それでは、なぜインターネットショッピングに流れるのか?を調べてみると、日本とは違った理由がみつかりました。日本留学経験者たちのグループインタビューの会話は特にユニークでした。●日本と違って、そもそも店の接客サービスが悪いからネットで買った方がまし。わざわざ店に行く理由が見当たらない。●店だと自由に見れないし、買わないと嫌な顔されるから不快。●ネットにも偽物があるけど、それはリアル店舗でも同じ。逆に値段を吹っ掛けられるし、値引き交渉も面倒だからネットが良い。●店はメーカーごとに並んでいるから、商品の比較ができない。ネットは、欲しい商品をメーカーに関係なく並べて比較できる。などなど、日本に比べても急拡大の理由のひとつに、リアル店舗の接客サービスがありました。聞いてみると、ネットに流れても仕方ない、当然だなと思う要因が多数ありました。また、●インターネットショッピングも、当初は何しろ宅配業者のサービスが適当で、よく商品の破損や箱がボロボロになってたりしたけど、最近は、それもなくなってきたから安心して買えるようになった。などの意見もありました。最後に日本のインターネットショッピングについて伺うと、●日本は店の接客サービスが素晴らしい。偽物もないから、ショッピングが楽しい。だから、中国みたいに何でもかんでもネットで…とはならないでしょう。日本の店にはプロの販売員がいるから色々相談できるけど、中国にはほとんどいないから、その違いは大きい。街もショッピングモールも清潔で安全安心で楽しい。それに日常生活の中にコンビニという世界一便利な店もあるから、そういう意味では消費者がうまく使い分けられるから羨ましい。…ということでした。中国人観光客の日本での大量買いの理由にもつながる話でした。★レジャーサービス研究所のホームページ★
2015/10/30
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それは「中国で文化&歴史の説明をする」お仕事の研修です。具体的には博物館のような施設。この場合、いきなり研修や講義をしても難しいです。まともに受け取ってもらえません。ましてや私は日本人。日本人が中国の歴史に口を挟むなんて…と言われたことは多々あります。しかし、中国に出張するようになって15年。今ではそのコツがわかってきました。現在、内モンゴルの観光施設のコンサルタントをしています。その中には巨大な博物館がいくつもあります。その展示内容とガイドの説明を丹念に調べてみると、「モンゴルはEUまで征服した」「チーズをEUに伝えたのもモンゴル」…のように「○○と伝えたのは、、、これもモンゴル、あれもモンゴルとなってしまう傾向があります。これは中国の他の地域でもほぼ同様。話すガイドの気分は良いでしょう。しかし、聞いている外国人には不評です。何でもかんでもモンゴルが一番、中国が偉大…の表現になりがちで、印象としては「自慢」のオンパレードになるからです。当然、征服された方の国や地域の方々が聞けば当然不快に決まってます。(そもそも征服なんて言葉使っていいの?と言いたくなります:笑)シルクロードの話しも同じで、「これも…あれも…中国が伝えた…」が無数に出てきます。しかし、現実には相手の国や地域からもらったもの、持ち帰ったもの、教わったこともあるはずです。そこで、これらを外国人観光客にも受け入れてもらえるようにするにはどのような説明や展示が必要なのか?が問題になります。最重要ポイントは、「相手の立場に立つ」です。そうは言ってもこれだけでは意味不明です。そこで具体的に、「この時、中国からは○○を伝えました。。そして、相手国からは宝石の加工技術を教わりました」などの部分も展示したり説明できるようになるのが理想的です。必ず「あげた、伝えた」だけではなくて、持ち帰ったものがあるはずです。昔は何カ月何年もかけて移動するわけなので、「帰りは手ぶら」と言うわけありません。交易の基本は「クロス」です。または、「約600年前に中国からEUに伝わった○○が、その後、EUで様々な創意工夫で現在はこのような商品に進化を遂げました」と、伝えたその後の素晴らしさも表現することも大事です。…などをじっくりわかりやすく研修を通じて理解してもらいます。ただし、この研修を受け入れてもらえるタイミングになるまではおよそ半年を要します。その手前に、一緒に仕事をして共に実績を積み上げなければ何も聞いてもらえません。逆に言えば、実績が積みあがった「高さ(量)の分だけ」受け入れてもらえる可能性があると言うことです。これをショートカットすると…大バッシングをくらったり無視されるのでご用心!by レジャ研斉藤
2015/10/22
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やっと国慶節休暇の旅行が落ち着きました。今回もたくさんの知り合いたち(…の知り合いなど)が訪日して滞在中に様々な質問(店の場所や乗換方法など)や依頼(予約、店の候補選びなど)があり、連日深夜までその対応に追われてました。そうして世話した人たちにはいつも帰国後に「日本滞在中は何が印象に残ったのか?」を送ってもらいます。今回は、この写真でした。成田空港の改札を出てすぐのファミリーマートです。主なコメントとしては、駅の構内にこんなに便利な店があるとは…。なんとコンパクトで機能的なんだ。従業員1人で運営できるコンビニがあるとは…。外側に商品を陳列して盗まれない…だから日本の小売業は生産性が高い。カップ麺の横にお湯のポット…素晴らしい!たった1人なのに、接客が丁寧でしかもスピーディ…それだけでも素晴らしい!これこそコンビニの究極系だ。…などなど。印象に残ることは多々ありますが、このように普段の生活に密着しているものは、(上海にも日系コンビニは多数あるので…)その「違い」に驚いた分、深く印象に残っていてなかなか忘れないようです。また、今回の上海からの訪日客は特に目立った日本ファンではなく、(ドラマやアニメ大好き族…ではないと言う意味です)「なんとなく日本が良い…」と訪日しました。では、その「何となくの原因は何か?」と言えば、地元で良く足を運ぶファミリーマートや吉野家、無印良品などで、こうしたリアル店舗に通う内に「何となく日本が良い」になるのだとか。考えてみればコンビニは日本の技術や商品にサービスがギュッと詰まっていて、魅力を発信する(プチ体験する)基地の役割を担っています。かつてのように中国のテレビで日本のドラマやアニメがほとんど放映されなくなった今、(日本同様にほとんどが韓流)コンビニなどのリアル店舗が日常生活における日本との接点になっています。(厳密に言えば、商品とコンテンツとサービスの品質)だから、やはり訪日の際には自然と目に付いて、無意識の内に比べてしまうのでしょう。よく「これからはSNSですよぉぉぉ!」と息巻く人々がいるけど、それは当り前で、どの国も同じ。その手前には、こうした日常生活に密着した何かが必要で、(かつてはドラマやアニメ、漫画など)日本の品質やサービスを体験できるという意味では明らかにインバウンドの入口になっています。(直接的にも間接的にも)意外に見落としがちですが、中国で、こうした日常生活の中での日系店舗との接点を合計すれば、毎日約1億人以上になる…と言われています。なので私たちはコンビニを初めとするリアル店舗のアジア進出こそが(化粧品店、アパレル、ドラッグストア、日本料理店、自動車ディーラー、百貨店…)日本のインバウンドに最も貢献している…と注目しています。これからはさらにその価値が高まると思います。(諸外国にはなかなかできない日本の強み)===ちなみに、訪日した上海人グループの子供たちは、滞在中、ファミリーマートがあるとすぐに入りたがりました(笑)(自宅に近所にもあるから安心するみたいです)★レジャーサービス研究所のホームページ★
2015/10/08
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先日の北京のショッピングモールの研修は、モールの中堅幹部約30人を現場に引き釣り出して、来館者の動向調査を行いました。最終日は、富裕層がターゲット。わかりやすく言えば「富裕層を見つけて尾行せよ!」です(笑)。夕方、会議室に集合して各チームごとにどんな富裕層を尾行したのか?そして、その富裕層の館内の動向はどうだったのか?また、その際の買い物は?いくら消費したのか?さらに接客はどうだったのか?を報告してもらいました。例えば、「この家族を追跡しました」と富裕層を撮影した(隠し撮り)写真を見せます。そして、富裕層と判断する理由を細かく説明してもらいます。この場合は、「ベビーカーにはお手伝いさんがついています。このベビーカーは約6,000元(約12万円)くらいします。女性(奥様)の持っているバッグは約2万元(約40万円)です。駐車券をもらいにカウンターに来ました。帰りに駐車場まで追跡すると、案の定BMWのSUVでした…」と言った具合です。そして、この家族がどのように回遊し買い物や食事をしたのか?を説明してもらいました。特に印象的だったのは、この写真の家族が買い物を終えて5Fのレストランで食事をする時には友人たちも合流して12人になっていた。そこで「何それ?いいなー!どこで買ったの?」と買ったばかりの商品を見せ合っているうちに欲しくなって「私も買おうっと…」と、売り場に降りて来て買う…、こうしてどんどん「誘発買い」が起きます。それで15組の報告を終える頃には、富裕層にとって、このショッピングモールの良い部分とそうでない不便な部分が浮き彫りになる…と言うことです。そこですぐに改善すべきものを中心にまとめて、次回までの宿題としました。初日はブーブー言ってた中堅幹部たちも調査から得られる情報の貴重さに興味を持ち始め、(いつもは他人の話しに耳を傾けない人も…)最終日は大いに盛り上がりました。普段は、現場から上がってきるデータをPCで眺めて、ネットで調べた情報を掛け合わせる…程度であれこれ企画していたので「これからはそんなんじゃぁダメだよ」と言う意味で実施しました。視野を広げる良い機会になったようです。…と言いつつ、講師の私自身は発表を聞いて、「買う理由」「商品の選び方」「決断の仕方」など、「北京の富裕層って…なるほど!」と、知らないこと&気づいてなかったことがまだまだたくさん見つかって大いに勉強になりました。これらの詳細は、近いうちにインバウンドセミナーなどで紹介したいと思います。★レジャーサービス研究所のホームページ★
2015/10/06
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この半年間、毎月一回北京のショッピングモールのコンサルタントをしてます。中国経済がどんどん変化(減速)し、ネットショッピングが伸びている中で、どんなショッピングモールに進化すれば良いのか?を現地の中堅幹部たちと検討しています。毎月様々な調査を実施するので、私たちも今まで知らなかった、あるいは気がつかなかった購買動向を知ることができます。それは、日本でインバウンドセミナーなどで紹介できることばかりで、まさに「一石二鳥」な仕事と言えます。先日、リニューアル計画を検討してみて改めて気がついたことは、日本のショッピングモールは素晴らしい!と言うこと。理由はテナントが豊富ということです。中国のショッピングモールの関係者が訪日して調査します。その後、帰国して真似しようと思っても、日本ほど豊富なテナントを揃えることができない、、、という事実に愕然とします。わかりやすく言えば、ユニクロや無印良品、スターバックスのようなナショナルチェーンは可能でも、特に良質な「生活雑貨」を扱う店舗を探すのは至難の業です。「豪華で派手な商品を買うなら中国。高級品&高品質品を買うなら日本」という言葉も頷けます。生活雑貨は庶民=中流が作り出す生活の豊かさ&楽しさの象徴で、日本はこれが突出している…と改めて実感します。8月にはドバイモールの研修に行きましたが、やはり同様でした。以前は、PRADAやGUCCIなど、高級欧州ブランド品店があれば目を引いたし、集客できたけど、現在は「日常を豊かにしてくれるブランド」が人気で、それが中国国内に育っていない…というのが現状です。中国全体の問題としては、そうしたテナントが育つ前にネットショッピングで気軽に海外商品を買えるようになってしまったことで、ますます(良質な)テナント不足に陥ってしまう…わけです。現に、「ダイソー」「無印」のパクリチェーンが幅を利かせている…のがその証拠です。だから訪日して買い捲る気持ちはわかります(笑)。★レジャーサービス研究所のホームページ★
2015/10/03
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