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鑑賞日:2007年7月29日(日)14:00開演入場料:¥7,000 C席4階(1列38番)主催:財団法人東京二期会平成19年度文化庁芸術創造活動重点支援事業東京二期会オペラ劇場モーツァアルト作曲オペラ「魔笛」全2幕 原語(ドイツ語)上演(字幕付)会場:新国立劇場オペラ劇場台 本 : エマヌエル・シカネーダー 日本語台詞: 実相寺昭雄指 揮 : 高関 健 演 出 : 実相寺昭雄 演出助手: 伊藤隆浩 勝賀瀬重憲 装 置 : 唐見 博 衣 装 : 加藤礼次朗 照 明 : 牛場賢二 合唱指揮: 森口真司 舞台監督: 幸泉浩司 公演監督: 三林輝夫 合唱 : 二期会合唱団 管弦楽 : 東京フィルハーモニー交響楽団 出演ザラストロ:堀野 浩史弁者: 久保 和範 夜の女王: 品田 昭子 タミーノ: 小貫 岩夫 パミーナ: 増田 のり子 パパゲーノ:山下 浩司 パパゲーナ:九嶋 香奈枝 モノスタトス:吉田 伸昭 侍女1: 渡邊 史 侍女2: 星野 恵里 侍女3: 高柳 佳代 武士1: 行天 祥晃 武士2: 岩本 貴文 童子1: 猿山 順子 童子2: 金原 智子 童子3: 小林 久美子 僧侶1: 村林 徹也 僧侶2: 大川 信之 感想 今回演出の実相寺昭雄氏は昨年11月に亡くなられ2005年3月公演(NHK-TVでも放送)の再演。主人公のタミーノ王子は桃太郎風の狩衣と日本刀で登場、パパゲーノはウルトラマン風の仮面に怪しげな煙の出る大型銃、侍女3人はスターウォーズ風ライトサーベル、森の獣は円谷プロの怪獣キャラクターが踊り出てくる等、バラエティーに富んでいる。 歌詞はドイツ語だが台詞は日本語で若干ギャグも入り、隣の席の小学生も身を乗り出して最後まで観ていた。日本的なSF風お伽の国?の演出として、違和感無く楽しめた。 舞台装置は回り舞台上に3階建ての大きな4面の装置を作り、照明と組み合わせて回転させることによって、音楽的に途切れることなく場面を進ませ、夜の女王の場面、神殿、火や水の試練も旨く表現されていた。 出演者はオーディションで二期会若手の中から選んだようだが、パミーナ役増田のり子が圧倒的声量と素晴らしい声質で良かった(昨年のコシでも良かった)。パパゲーノ役山下浩司は歌だけでなく演技も素晴らしかった(昨年のフィガロも良かった)。沈黙を強いられる場面での腹話術、首を吊ろうとする場面での木とのやり取りなど、客席から沢山の笑いを取っていた。タミーノ役小貫岩夫も最初?だったが「なんと美しい絵姿」当たりからどんどん良くなってきた。ザラストロ役堀野浩史の低音、夜の女王役品田昭子の例の高音も良く歌えており、侍女3人も重唱、演技も良かった。管弦楽もモーツアルトの軽快な音楽を旨く表現できていた。 「魔笛」はモーツァルト最後のオペラであり、「フリー・メーソン」等色々なものを詰め込んだため、ストーリーが流れない傾向があるのだが、アリア、重唱ともメロディが素晴らしく、脇役のモノスタトスまでアリアが用意されているのは如何にもモーツァルト。深く考えずに3組の男女の恋愛物語と捉え気楽に観ていると、パパゲーノの恋愛の純粋さ生き方の楽しさが伝わって来た。 夏休み子供向け企画的な所もあり、余り期待していなかったのだが、演出、出演者、管弦楽ともに総じて出来が良く、充分に楽しめた。End
2007.07.29
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鑑賞日:2007年7月19日(木)18:30開演入場料:¥7,000 D席3階(12列36番)主催:小澤征爾音楽塾/ヴェローザ・ジャパン小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトVIII歌劇「カルメン」 ビゼー作曲全4幕(アルコア版)原語上演/字幕付会場:神奈川県民ホール 大ホール音楽監督・指揮:小澤征爾演 出:デイヴィッド・ニース 装 置:ジャン-ピエール・ポネル 衣 装:ワーナー・ユルケ 照 明:高沢立生 振 付:ラ・メイラ 管弦楽 :小澤征爾音楽塾オーケストラ 合 唱:小澤征爾音楽塾合唱団 児童合唱:東京少年少女合唱隊 児童合唱指揮:長谷川久恵 出演カルメン:ジョシー・ペレス ドン・ホセ:マーカス・ハドック ミカエラ:ケイティ・ヴァン・クーテン エスカミーリョ:マリウス・キーチェンフラスキータ:三宅理恵(アリソン・ケンブリッジの代役)メルセデス:ジェーン・ギルバートモラレス:ケヴィン・グリーンロウスニガ:ピーター・ヴォルピー ダンカイロ:ジェフリー・マッツィーレメンダード:マーク・ショーワルター 感想TVでも時々取り上げられる小澤征爾音楽塾のオペラ公演があるとのことでチケットを奇跡的に入手し、海沿いに立つ神奈川県民ホールへ。今回は3階最後列で正に天井桟敷席。もちろん周囲には全く空席はなく、本当の満員。まずは生の小澤征爾を拝むことが出来て一安心。やはり指揮譜面台には楽譜はなく全て暗譜で振っているのは伝説通り。譜面台には文字が書かれた紙が1枚置かれていたがアルコア版なので台詞部分か?カルメンは日本でも人気のあるオペラだが、演奏時間は結構長く今回も終了は10時過ぎで3時間半は掛かっている。にも関わらず全く退屈する所がないのは、次々に出てくる美しいメロディ、躍動するマーチ、踊りのリズム等々でビゼーの音楽自身の素晴らしさが一番でしょう。それを実際に如何に表現出来るかがポイントである訳で、出演者、管弦楽、合唱全てが、小澤の指揮で動いていることがよく分かる演奏。音楽塾との位置づけなので、管弦楽、合唱はプロでは無いはずなのだが、小澤の指揮の通りに表現出来ていると言って良い。本日の演奏が今回プロジェクトの初日のためか、若干テンポのズレや管の異音が聞こえたが殆ど気にならない。日本のプロオケよりも旨いのでは。とオケピットを双眼鏡で除くとサイトウ記念オケの面々が入っており(宮本文昭はいないようだが)、弦の方は原田禎夫他一緒に弾いて、管の方は隣で見ている状態(不測対応のためか)。但し各楽器のソロ部分は塾生が演奏している。この環境で演奏を続ければ確かに旨くなるだろう。出演者の中ではドン・ホセ役のマーカス・ハドックが良かった。2幕のアリア「花の歌」は3階席奥まで聞こえ、高音部も十分に出ていた。演技の方もカルメンを一途に愛する真面目なドン・ホセ役の特徴を表現出来ていた。エスカミーリョ役マリウス・キーチェンも存在感のある声、ミカエラ役ケイティ・ヴァン・クーテンはビブラートの多い声質だが3幕アリア「何が出ても恐くない」は良かった。それに比較しタイトルロールのカルメン役ジョシー・ペレスは声量不足。確かにメゾ・ソプラノ役で高音部分は少ないのだが、肝心な部分で声が途切れ、聞こえてこない。演技の方はスカートから魅力的な足を魅せる場面はそれなりに良かったが。合唱は若々しい声で、早い部分も乱れが殆ど無くて良かった。また子供の方も初日のためか演技は少し固かったが、声は良く聞こえてきた。最終日7/31の東京文化会館公演は管弦楽、合唱演技含め更に良くなっているだろう。また舞台装置、演出もオーソドックスで、2階建で窓があったり、水が流れたり、3幕で大砲を降ろしたりと結構凝っていて雰囲気が良く出ていた。プロの管弦楽ではないので料金は高いかと思ったが、料金分は十分に楽しめた。小澤征爾人気の理由が判った気がした。来年の音楽塾オペラ公演はJ.シュトラウス「こうもり」とのこと。また来年10~11月にウィーン国立歌劇場来日公演オペラ「フィデリオ」で小澤指揮の予定があり楽しみではあるが、料金面からもチケット入手は困難か。End
2007.07.19
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鑑賞日:2007年7月1日(日) 17:00開演入場料:¥4,000 全席自由ア・カペラ室内混声合唱団The TARO Singers(ザ・タローシンガーズ)第9回東京定期演奏会会場:日本大学カザルスホール指揮:里井 宏次曲目:第1部(イギリス作曲者) H.ハウウェルズ「地よ、いつくしみもてこの人を納め給え」 E.エルガー「無伴奏パートソング」よりOp.71, 72 and 73 R.ヴォーン・ウィリアムス「ミサ曲 ト短調」第2部(フランス作曲者) C.ドビュッシー「シャルル・ドルレアンの3つの歌」 D.ミヨー「2つの都市」 F.プーランク「悔悟のための4つのモテット」 アンコール F.プーランク「7つの歌」より1曲目 武満徹「さくら」感想 昨年合唱関係のHPでその名前を知り、NHKの放送を見て是非とも聴きたいと思っていた所本日の東京公演の情報を見つけチケットを入手、日曜の夕方に出かけた。 1994年に指揮者の里井宏次の元に大阪で発足した合唱団で、合唱メンバー現在26人で大阪音大出身者が多いらしい。日本には数が少ないプロの室内合唱団。その特徴的な名称は指揮者のお名前からの連想とのこと。 カザルスホールは5年以上前に来たことがあったが、管理者代わり、いつの間にか日本大学の名前が付いている。約500人のホールであり当合唱団には合っている規模でしょう。今回全自由席のため開場30分前に並び(その時点で20人目位)、200人位並んだところで10分早く開場。舞台から7列目中央を確保。壁際の席に空席があったので8割程度の入り。 今回の演奏会は「20世紀に歌う・平安への希求 イギリスとフランスの合唱音楽」と題され両国の20世紀の作曲家の作品を取り上げている。曲の内容がキリスト教、人間内部に関わった重い曲が多い。合唱はハーモニーは素晴らしく、フォルテの所では26人とは思えない大音量で歌う。R・ウィリアムス「ミサ曲」はソロ4人でダブルコーラスの編成になるが、十分にこなしており、一人一人の技量が高いのでしょう。 最初歌詞カードが無く、これは予習してくるものなのかと思ったが、休憩時間に歌詞カードとアンケートが配布された。さすがにフランス語で歌詞カードが無いと辛い。 アンコール最後の武満徹「さくら」は素晴らしかった。普段一度に聞くことの出来ない選曲ではあるが少々疲れてしまった。聞く方の立場としてはもう少し肩の力が抜けるような曲も入れて頂ければと思った次第。 End
2007.07.01
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