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鑑賞日:2007年9月9日(日)14:00開演入場料:¥5,000 D席3階R(4列9番)主催:財団法人東京二期会/読売新聞社他 東京二期会オペラ劇場公演平成19年度文化庁芸術創造活動重点支援事業ジュゼッペ・ヴェルディ作曲オペラ「仮面舞踏会」全3幕字幕付原語(イタリア語)上演会場:東京文化会館大ホール指揮:オンドレイ・レナルト管弦楽:読売日本交響楽団合唱:二期会合唱団 演出:粟國 淳装置:横田 あつみ 衣裳:アレッサンドロ・チャンマルーギ照明:笠原 俊幸合唱指揮:佐藤 宏舞台監督:大仁田 雅彦公演監督:高 丈二 出演ウォーウィック伯爵リッカルド(ボストン知事):樋口 達哉 レナート(リッカルドの秘書):青山 貴 アメーリア(レナートの妻):大山 亜紀子 ウルリカ(占い女):清水 華澄 オスカル(小姓):日比野 幸 シルヴァーノ(水兵):斉木 健詞 サムエル(伯爵の仇敵):境 信博 トム(伯爵の仇敵):畠山 茂 判事:田 正人 アメーリアの召使:森田 有生感想 「仮面舞踏会」はヴェルディ中期の作品で二期会公演としては初登場とのこと。お話は民衆に慕われているボストン知事のリッカルド伯爵が部下レナートの妻を好きになり相思相愛との不倫関係になりそうな所でレナートに見つかり、レナートが反逆組織と組んで仮面舞踏会でリッカルドを刺殺するとの昼メロのような内容。 元々は当時のスウェーデン王室での不倫刺殺事件を元にしていたのだが、当時のイタリアの検閲によって場所が英国植民地アメリカ・ボストンへ、王室が知事督邸へ、時代も17世紀に変更されたもの。 演出はほぼ原作通りの設定、舞台装置は斜めの壁と中央の山段の床と照明を使って遠近感を出した演出となっていた。1幕2場占い師の家では半透明の幕を使用、2幕の死刑台の丘も大きな斜めの大木や枯れ木で不気味さを出していた。ただ3幕最後で空中に浮いていた斜めの壁は? お話は昼メロ的だが占いや運命、復讐が入り、そこに重々しい音楽が加わりヴェルディの世界になるため演奏が重要なのだが、先週のチューリッヒ劇場を聴いたためかどうしても読売日響の演奏が「薄く」感じてしまった。特に前半。3幕当たりからは少々重くなって来たが。 主役3人は6/8日は福井敬、福島明也、木下美穂子のベテラン組(木下さんには失礼か)で7/9日は上記の若手組となっており、ベテラン組は予想が付くため今回若手組を選んだがそれなりに良かった。 特筆すべきは占い女ウルリカ役清水華澄が素晴らしい存在感のある声で目立っていた。メゾソプラノなのだが高音部も素晴らしい響きがあり、今回が二期会オペラデビューとは驚き。 合唱は3幕最後のアカペラ含め良かった。先週のチューリッヒは少人数で今一だったが。 カーテンコールで突然「Happy Birthday to You」が流れ指揮者オンドレイ・レナルトへ花束が渡されたハプニング有り。 観客は7、8割程度の入りだったが、当方前の3列は音大学生達で、お客の入りは今一の様。 次回「天国と地獄」は大丈夫か?End
2007.09.09
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鑑賞日:2007年9月2日(日)14:00開演入場料:¥18,000 D席3階(2列40番)主催・招聘・制作 フジテレビジョンチューリッヒ歌劇場公演R. シュトラウス作曲 歌劇「ばらの騎士」全3幕 原語上演日本語字幕付会場:Bunkamuraオーチャードホール指揮:フランツ・ウェルザー=メスト 管弦楽:チューリッヒ歌劇場管弦楽団 合唱:チューリッヒ歌劇場合唱団 演出:スヴェン・エリック・べヒトルフ 装置:ロルフ・グリテンベルク 衣装:マリアンヌ・グリテンベル 照明:ユルゲン・ホフマン 出演陸軍元帥ヴェルデンベルク侯爵夫人:ニーナ・シュテンメレルヒェナウのオックス男爵:アレフレッド・ムフ オクタヴィアン:ヴェッセリーナ・カサロヴァファン・ファーニナル:ロルフ・ハウンシュタインゾフィー:マリン・ハルテリウスマリアンネ(ゾフィーの世話係):クリスティアーネ・コールヴァルツァンキ(ゴシップ屋):ルドルフ・シャシングアンニーナ(ヴァルツァンキの連れの女):キスマーラ・ベサティ警部:ラインハルト・マイヤー 8月のオペラ夏枯れの時期を過ぎて、今日は初来日のチューリッヒ歌劇場の引っ越し公演。日本人は児童合唱のみで、それ以外は本国劇場を全てそのまま日本へ持ってきたもの。料金は国内劇場と比較すると確かに高いが、来日演奏の中ではましな方。本国のチューリッヒ歌劇場は1,200人位の規模であり、余り代わらない程度の料金らしい。 舞台装置は豪華ではないが1幕伯爵邸寝室、2幕フォン・ファーニナル家(ゾフィー実家)、3幕怪しげなレストラン(1幕セットを利用)で大きなセットが組まれ1幕ではドアの外に雪が見えたり、2幕の天窓から屋外の動きを見せたりと細部まで配慮されている印象。 特に3幕の怪しげなレストランは1幕の伯爵邸寝室の中にテントを吊って設け、オックス男爵が罠に掛かったと判ったところでテントが落ちて1幕と同じセットになることで、罠と現実との差を明確に表現した演出となっていた。罠の方も骸骨姿や昆虫姿が登場して脅かしたり、子供に羽が生えていたりと嫌みの程度の演出。 2幕フォン・ファーニナル家は缶詰工場らしき作りで若干違和感はあったが、1幕の伯爵邸との違いはより明確に出来ていたと思う。 演奏の方は、とにかく管弦楽が素晴らしい。R.シュトラウスの次々と変化する旋律と転調をものの見事に表現し、最初の前奏曲から思わず引き込まれてしまう。1幕最後のヴァイオリンの弱音は弾いているか消えているのか判らないほどの弱さ。2幕のワルツもワルツであり、3幕最後の3重唱部分の演奏も本当に素晴らしい。さすがヨーロッパの一流歌劇場付のオーケストラとの印象で、やはりR.シュトラウスのオペラを日本のオケが表現するのはまだまだ難しいのでしょう。 指揮者のメストは1995年からチューリッヒ劇場の首席指揮者、音楽総監督を勤め、また小澤征爾の後を継いで2010年からウイーン国立歌劇場の音楽監督が決まっているとのことでその功績も大きいでしょう。 出演者の方も一流ぞろいで素晴らしい。元帥侯爵夫人役シュテンメの憂いのある声、ゾフィー役ハルテリウスの高い透き通るような声、中でもオクタヴィアン役カサロヴァの声はメゾソプラノとは思えない音域ですべての声が強く良く聞こえて来た。ただカサロヴァの声がソプラノ的でよく響くため、例えば1幕終わりの元帥侯爵夫人との重唱部分では声が重なって聞こえる印象で今一重唱のハーモニーとして聞こえてこなかった。これは響かないホールや座った位置の影響もあるかと思う。音響の良いホールで聞きたかった。 演技の方はこれまた上手い。オクタヴィアン役カサロヴァが3幕で女装するのだが、怒り肩でぎこちない動きをすることで男性が女装していることを旨く表現していた。目が大きく、相手の歌に合わせて顔の表現が次々と変化する所も、ザルツブルグ音楽祭常連でさすがである。 オックス男爵役アレフレッド・ムフも無骨で女好き、酒好きの中年貴族役を上手く表現しており、お得意の役なのでしょう。 あっと言う間の4時間半(休憩2回1時間含む)でオペラ全盛期の作品であるR.シュトラウス「ばらの騎士」の良さを十分に満喫できた演奏を聞くことができた満腹感で帰宅に付いた。End
2007.09.02
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