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上空から高級住宅地が映し出されて、これが、まあ、「イギリスの田舎ってのはこういうもんなのか」と感心するしかないような立派な家々で、その中の一軒にカメラは着地する。サーの称号だか、レディの呼び名だかのお祝いをしている御屋敷の中に入って行って映画が始まりました。
金壺眼、カナツボマナコですね。そういういい方があったと思うのですが、意地の悪い、気の小さな、奥目の顔だちの表情をいうと思いますが、もちろん誉め言葉ではないわけですが、そんな顔の女性がにこやかに客に挨拶をしています。
「あっ、この人知ってる。」
「 イメルダ・スタウントン
、たしか、 ナショナル・シアター・ライブ
の 『フォリーズ』
で主役の サリー
をやってた人だ。」
そう思ってみていると、この映画も、やっぱり、決め所はダンスでし。ジジ、ババが集まってダンスを習っています。劇中の サンドラ(イメルダ・スタウントン)
じゃないけれど、ぼく自身は120%参加する可能性はないと思ってはいるのですが、こういうシーンは嫌いじゃないんです。
で、映画のストーリーですが、勲章だかをもらって喜んでいる夫の長年にわたる浮気が発覚するのですね。それで、怒り狂った妻 サンドラ
が逃げ込んだのは姉の ビフ(セリア・イムリー)
のアパートというわけです。
彼女の周囲には、認知症の妻のために財産を使い果たした チャーリー(ティモシー・スポール)
。結婚を繰り返しながら、ついには一人暮らしの ジャッキー(ジョアンナ・ラムレー)
。先立たれた妻のことを思い出すとウツになって泣き始めてしまう テッド(デヴィッド・ヘイマン)
。姉の ビフ
自身も、引っ張り込んだオールド・ボーイフレンドに腹上どころか、上着を脱いだところで突然死されるし、問題老人勢ぞろい、まさに多士済々の老人軍団で、 サンドラ
自身もその一員というわけです。。
まあ、そういうみなさんなのですが、楽しくダンスしながら、何とかやっていて、クリスマスにロンドンの路上に繰り出してのチャリティー・ダンス・モブ(?)のシーンなんてのは、もう、サイコー!ですね。
イメルダ・スタウントン
という女優さんですが、見掛けからは想像できないけど(ぼくには)、こういう、ダンスの好きなおばちゃんのお芝居が、じつに素敵なんですね。身体は動くし、もう、表情も変わちゃって、何とも言えないムードを醸し出すことが出来る人ですね。
後半の、老人ダンスチームのローマ遠征なんていう展開は、いってみれば、まあ、映画そのものなのですが、だからどうなるのかというと、末期の肺がんが見つかった ビフ
は 「ちゃんと跳ぶのよ。」
という言葉を残して死んじゃうし、心惹かれる チャーリー
に妻がいることを知って怒っちゃうし、元の夫は詫びを入れてくるし、結局、元の木阿弥・・・・?
「なるほど、最後には跳ぶんやな。まあ、跳ばなきゃ映画じゃないけど。跳ぶシーンが、これまたサイコーやな。きっと川に落ちてるはずやけど、跳んだところでストップモーションというところがよろしいね。」
「しかし、老人相手に 『見る前に跳べ』
ってか?うん?そういえば 大江健三郎
にそんな題の小説があったよな。あれは、 オーデン
か?。」
Leap Before You Look 「 ビフ は have to leap っていってたのか?なるほど、イギリスは深いなあ。」
W. H. Auden
The sense of danger must not disappear:
The way is certainly both short and steep,
However gradual it looks from here;
Look if you like, but you will have to leap.
追記
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