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2019.12.15
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​​土本典昭  「パルチザン前史」 淀川文化創造館 シアターセブン ​​
​ 映画館情報を検索していて、1969年、50年前の出来事を映したドキュメンタリー 「パルチザン前史」 の上映を見つけました。​
​​​「 懐かしいなあ、 滝田修 やって。 土本典昭 やって。40年まえに見たなこれ。京大の時計台や。もう、見る機会ないなあ。どないしょうかなあ?​​​ やっぱ、行きましょう。」
 朝から高速バス、阪急と乗り継いで、やってきました 十三シアターセブンです
​「オイッチニ!オイッチニ!」​​
 
 大学生になったばかりの頃、この映像をまじめに観たことを覚えています。でなければ、今日こんなところで見直そうなどと思わなかったはずなのです。今、こうして見ながら、まじめに観た自分の幼さがありありと浮かんでくるこの感覚は何なのでしょう。
​ 百万遍の交差点の市街戦があり、時計台の落城があり、 滝田修 の素顔や、アジテーションがあり、全共闘諸君の議論があり、敗北を乗り越えるはずのパルチザン理論の実践が映っています。​
 遅れてきた青年の一人であったぼくに、それらは、強烈に、しかし、陰気な印象を残したことも思い出しました。陰気になった理由ははっきりしています。連合赤軍事件と呼ばれた一連の出来事の顛末を、すでに知っていたからです。
​ それから、40年。映像を見ながら フィルムというものの「恐ろしさ」 とでもいうものを実感しながら、しかし、一抹の感動というか、羞恥というか、いかんともしがたいやるせなさとともに見終えました。​
 たとえば、ドラム缶に突撃してゲバ棒とやらで突き転がすことを軍事訓練だと、大まじめに京大生が考え、実践している愚かさは、竹やりで藁人形を突き倒して鬼畜米英を叫んだ、戦時中の町内会の人々と、完全な相似形だということを、今、映像が雄弁に語ってしまっているのに、気づかなかったのはなぜなのでしょうね。
 このドキュメンタリーを 土本典昭 は学生たちの議論の幼さや、行動の愚かさを告発するために作ったわけではないのでしょうね。むしろ、彼らの真摯さや、反権力の正当性にたいする、連帯感のようなものが色濃くにじんでいる映像といってもいい作品なのです。
 にもかかわらず、今、無知で愚直な青年たちの悲劇というよりも、世間知らずなボンボンたちの喜劇として見せてしまうものは時の流れなのでしょうか。
 この映像に登場する青年たちの、その後の略歴をエンドロールとして流せば、映像の印象をかえた力の正体もはっきりするのかもしれませんね。彼らは、生きていれば70歳を越えているはずなのです。
 今のボクは、かつて、陰気な気分で映像に見入っていた青年の略歴だけはよく知っています。しかし、観客であった青年に限らず、フィルムが期待した未来を、パルチザンどころか、平凡な生活の略歴として生きることができた青年が、この映像には一人もいないと感じさせるものはなになのでしょうね。
 それを悲劇と呼ぶのか、人の世の常と呼ぶのか、あまり興味はありません。しかし、時間の経過とは何の関係もなく、 映像の中には、半世紀前の、20代の青年たちの幼い表情や裸の思想が、そのまま、そこにある ことに胸を揺さぶられながら見終えた老人がいることは、やはり、事実なのです。
 暗くなった、小さな映画館で、不思議な感覚を味わいながら、周りを見回した。数人の観客の中に一人だけ二十代の青年の姿がありました。
​「あの人は、どう思ったんかな。」​
 エレベーターを降りて、十三の繁華街を外れたあたりのパチンコ屋の前で煙草を吸いながらそう思いました。

 監督 土本典昭
 製作 市川隆次  小林秀子
 撮影 大津幸四郎
 録音 久保田幸雄
 1969年 日本 120分
​2019・02・26七芸・シアター7no2
追記2019・12・15
 私的な欲望が「政治的な表現」として噴出している時代です。「公共性」という言葉が滅んで行く姿を目の当たりにしているような気がしています。あの映像が伝えていた、50年前の、幼い理想は、いったいどこに行ったのでしょう。恥とか、外聞とか、当時、旧時代の遺物のように批判されていたと思うが、本当にそうした意識さえもが死に絶えた世界が、ここから広がっていくのでしょうか。​​


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最終更新日  2024.01.05 21:34:26
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