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2021.05.11
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​​ クロエ・ジャオ「ノマドランド」OSシネマズミント  感想を書きあぐねていたら2021年の アカデミー賞 を取ってしまって、ますます書きにくくなってしまいました。
​​ 主役の女優さんが見たい一心で、普段はあまり行かない OSミント に出かけました。思ったほどの客数ではなくて、ちょっとホッとしましたが、映画は、中国系の女性監督 ​クロエ・ジャオ​ の撮った ​「ノマドランド」​ です。​​
​​​ 住居の倉庫から、当面必要な荷物と、大事な食器のセット取り出し、自動車に積み込んで ファーン が出発します。そこから、ただひたすら、 ​ファーン​ を演じる ​フランシス・マクドーマンド​ という女優の表情を見つめ続けていた映画でした。ぼくは、この人が見たくてやってきたのです。​​​
​​​ ちょっとした目の動き、首の傾げ方、話すときの口の動き方から目が離せない映画でした。どうしてそんなふうに見てしまっていたのか自分でもよくわからないのですが、映画の後半、もう終わりに近づいたころだったでしょうか、 ​ファーン​ がかつて暮らした ​「家」​ に帰ってきて、だれも暮らさなくなった部屋を一つ一つ確認するようにのぞき込み、やがて、裏口のドアを開けて外に出ます。今まで生きてきた人生の大半、数十年という年月の間、毎日眺めて暮らした風景が遠くに映し出され、それを眺める ファーン の、いや、俳優 ​フランシス・マクドーマンド​ の表情に見入りながら、涙が止まらなくなってしまいました。​​​
​​​​ このシーンに至るまで、ぼくには、 ​ノマド​ の社会の 「本物」のノマドたち と出会い、語り合う ​マクドーマンド​ の表情が、たとえば、明日からどこに移動して行くのかを語り、夜明けなのか、夕暮れなのか、薄暮の中で立っている ​リンダ​ の表情には、とても及ばない 「素人」 に見えていました。
 ドキュメンタリーなタッチで、ドラマを成立させようとしている映画のスリリングな冒険のようなものを感じ続けていたということかもしれません。
​​​​
​ しかし、この帰郷のシーンで ​マクドーマンド​ の表情が変わりました。このシーンで、彼女は​ ​​ ファーン ​​ ​​の 「我が家」 であった建物に入り、
​​ 荒れ果てた「生活の痕跡」 ​​
​ その​​​一つ一つと再会し、裏庭にでて、遠くの山並みに向かって歩き出すかとみえて、しばらく佇みます。そこには ​ファーン​ の人生の風景がありました。
 スクリーンには、その時、彼女が見ているものが映し出されていきます。​​

 再び、カメラが ​マクドーマンド​ の表情に戻ってきたときに、はっとしました。​
​そこには、臆することのない、ぼくが見たかった ​マクドーマンド​ がいました。もちろん、涙の痕跡などありません。彼女 だからこその、思慮深く強気の表情がそこにありました。
​​ そのとき、ぼくは俳優 ​フランシス・マクドーマンド​ が、 ​本物の「ノマド」​ になった、 これは「スゴイ!」 と感じていたのでした。​​
​​​  ​マクドーマンド​ はその時、 「資本主義」 という、得体のしれない怪物が ファーン から奪っていった、一つ一つを見ながら何をしていたのでしょう。
​​
 哲学者の 内山節​ という人が、 ​「戦後思想の旅から」(草思社) ​​ という本の中で、こんなことを書いているのを読んだことがあります。
​​  現状の社会の与える自由が、自由の本当の姿であるのかどうかを疑う勇気、そして新しい人間の価値を発見していこうとする意志が、自由を発展させる生命力ではなかったか。ラスキも次のように述べていた。 「あらゆる自由を全うする秘訣は依然勇気である。」
​ファーン ​​ を始め、 ​​​この映画の登場人物たちは、 ​「現状の社会」​ からすべてを奪われた人たちだといっていいと思います。しかし、 ​リンダ​ がそうしているに違いないように、たとえすべてを奪われてしまったにしても、生きている限り、 ​「新しい人間の価値を発見しようとする意志」​ だけは捨てない、 ​​
​自由を希求する人間! ​​
 ​ ​​ であることをやめない人々の姿を映画は撮ろうとしていたと思いました。​​​
​​ その中に紛れ込んで、ここまで揺らぎ続けてきた ファーン を演じていた マクドーマンド は、あのとき 「過去」 を捨てて、 「未来」 を向く、 「帰ってゆくところ」 を捨て、 「出かけてゆくところ」 を見つめる目をして立っていました。​​
​​​​​​  ファーン 内山節 の言う 「自由」 を奪い返さない限り 「ノマド」 にはなれません。あの意志的な表情で、自由を奪い返す、生き方は自分で決める 「勇気」 を、さりげなく演じきった マクドーマンド は、やはり、すばらしい俳優でした。彼女の表情を見つめ続けていた甲斐があったというものです。すばらしい!拍手!
​​​​​​

監督 クロエ・ジャオ
原作 ジェシカ・ブルーダー
脚本 クロエ・ジャオ
撮影 ジョシュア・ジェームズ・リチャーズ
編集 クロエ・ジャオ
音楽 ルドビコ・エイナウディ
キャスト
フランシス・マクドーマンド(ファーン)
デビッド・ストラザーン(デイブ)
リンダ・メイ(リンダ)
スワンキー(スワンキー)
ボブ・ウェルズ(ボブ)
2020年・108分・G・アメリカ
原題「Nomadland」
2021・03・26-no31 OSシネマズno10


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最終更新日  2024.01.08 22:16:08
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