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2022.06.16
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​​ アッバス・キアロスタミ「友だちのうちはどこ?」元町映画館 ​​  「そしてキアロスタミはつづく」 という特集企画が 元町映画館 で始まりました。待ちかねていた監督です。最初の1本は 「友だちのうちはどこ?」 でした。記念すべき初日は チッチキ夫人 と同伴映画でした。  なんだかよく分からない、なにかドアの取っ手のようなものが少しゆれていて、子供たちの声がします。教室のドアでした。ドアを開けて先生が入ってきて、子供たちが遊んでいたことを𠮟りつけて、こんどは、宿題の点検を始めます。なんだかやたら叱る先生なのです。ポスターの写真の アハマド君 はすんなりと合格しましたが、隣の席の モハマド君 は、宿題をノートにやっていなかったことを叱責されます。ほぼ、問答無用で、延々と叱り続けられて、 「もう一度同じことがあれば退学だ」 と、まあ、信じられない発言まで飛び出します。​​​
​​​  モハマド君 は、とうとう泣き始めて、隣に座って、 モハマド君 をじっと見つめている アハマド君 の顔が映ります。おそらく世界中の子どもたちが、ちょっと困ったまわりの世界の様子をうかがう時にする、あの表情でした。​​​
​​​​​​  アハマド君 の困ったというか、妙に真剣な表情を焼き付けられて映画が始まりました。その日の学校が終わり、帰宅した アハマド君 は、今日、叱られた、あの モハマド君 のノートを間違えて持ち帰っていることに気づきます。今日中に返してあげなければ一大事です。​​​​​​
​​  アハマド君 コケール村 という イラン 北部の村の学校の生徒です。 モハマド君 は隣の ポシュテ村 というところから通っています。​​
​​  アハマド君 は、乳飲み子の世話をしながら家事に忙しい母親に事情を説明しようとするのですが、彼女は取り合ってくれません。​​
​​「宿題を済ませなさい。それがすんだらお父さんのためにパンを買ってきなさい。泣いている赤ん坊をあやしなさい。」​​
​​  次から次へと・・・・。
​​​​​​​​ この日、 の前に登場するのは、やたらに威圧的な 先生 、家事に忙しくて話を聞いてくれない お母さん がそこにいることを、文字通り 「歯牙にもかけない」 村の人たち、子供のことを無茶苦茶なしつけの対象でしかないと信じていて、手元に持っているにもかかわらず、「煙草を取ってこい」とか命じる おじいちゃん 、親切に道案内をしてくれるのですが、どうも、テンポが合わない ​老人たち​ です。​​​​​​​​
「ちょっと、あんたら、もうちょっとこの子のいうことちゃんと聞いてやったらどうなん!?」​
​​​​隣で見ている チッチキ夫人 がこころの中で歯ぎしりしているのが聞こえてくるような、そんな 大人たち です。 そんな 大人たち アッバス君 はこんな表情で見ています。(ポスターにもある、あまりにも有名な写真ですが、映画館でいただいた絵ハガキです。)
 で、画面を見ている シマクマ君 は、ただ歩きまわって、のぞき込んで、を繰り返しているこの 少年 から目を離せません。​​​​

​ 隣村に向かうジグザグの坂道を駆け上がる、夢中で歩く姿。知らない家の庭先の洗濯物をうかがう後ろ姿。とうとう友だちのうちにはたどりつけないまま、すっかり暗くなったジグザグ道を降りていく少年の暗い影。帰宅が遅いと叱られ、ご飯はいらないと座り込む男の子。見ていてドキドキするのですが、夢中であとを追いかけている気分で、隣に チッチキ夫人 が座っていることを忘れそうでした。
 これが映画というものですね。いやホント!
​​​ ​「そうか、あれからそう考えたのか、そうか、そうか!!!」 ​​
​ ​​ キアロスタミ監督 がラストに用意した翌朝の教室のシーンでは、 少年 の頭をかき撫でてやりたいと思いました。​​​見事なものですネ(笑)。少年のあとを追いかけて半日ウロウロして、本当に疲れました。でも、これが キアロスタミの映画 なんですね。​
​​ 歩きまわって、あれこれ気をつかって、結局、その晩徹夜した少年 アハマド君(ババク・アハマッド・プール) 拍手! です。
 で、今、ここで、映画館に座っていることを忘れさせて、そこに生きている人間のところに連れて行ってくれた、 キアロスタミ監督の映画作法 拍手! でした。​​

監督 アッバス・キアロスタミ
脚本 アッバス・キアロスタミ
撮影 ファルハッド・サバ
美術 レザ・ナミ
編集 アッバス・キアロスタミ
キャスト
ババク・アハマッド・プール(アハマッド)
アハマッド・アハマッド・プール(モハマッド・レダ・ネマツァデ)
ホダ・バフシュ・デファイ(先生)
イラン・オタリ(お母さん)
ラフィア・ディファイ(おじいさん)
1987年・83分・イラン
原題「Where Is the Friend's House?」
日本初公開1993年10月23日
2022・04・02-no44・元町映画館no131
追記2023・02・25
​​​  ​​​ アービング・ラッパー という人の 「黒い牡牛」 という作品を観ていて 「友だちのうちはどこ?」 を思い出しました。主人公が年恰好が同じ田舎者の少年で、自分が大切だと思ったことを実行したくて、知らない村( 「黒い牡牛」 の場合は メキシコ・シティー )を行ったり来たりするシーンがそっくりだと思いました。
 ​​​ 「黒い牡牛」 1956年のアメリカ映画 ですが、 1987年 に​ ​「友だちのうちはどこ?」​ を撮った キアロ・スタミ はこの映画を知っているに違いないと思いました。まあ、それだけのことですが、そ れぞれちがう物語のなかで ウロウロする子供の姿を追う二人の映画監督の視線には共通性があって、それはぼくが映画に求めていることのように感じたということですね(笑)。
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最終更新日  2024.01.06 22:37:59
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