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2022.10.26
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​蓮實重彦「映画への不実な誘い 国籍・演出・歴史」(青土社)​ ​​  市民図書館 の新入荷の棚に転がっていました。元東大総長の映画評論家、 蓮實重彦 の新刊のようです。ぼくにとって 蓮實重彦 という人は40年ほど前にブームだった人です。ニュー・アカとかが流行り言葉だった頃、文芸評論とか、フランス思想とか、対談とか、もちろん映画論にも、ちょっと追っかけでした。確か ゴダール の映画論というか、映画についての発言をまとめて翻訳紹介したのはこの方だったと思います。​​
 でもね、なんだかめんどくさいのですよね、この人の論の運びは。小説とか、まあ、映画とか、​
「わかっている私はこういうふうに読んだり見たりするのですが、皆さんには無理ですよね。」
​ という感じと言えばいいのでしょうか。そういうわけで、ある時期から著作に関心を失っていましたが、数年前に 「伯爵夫人」(新潮文庫) という小説を書いて話題になったので、久しぶりに読みましたが、褒めている人は絶賛なのですが、ぼくには空振りでした。
 にもかかわらず、図書館の棚とかに転がっていると拾ってしまうのが不思議です(笑)。 新刊 の棚にあったのですが、よくよく見てみると、 2004年 NTT出版 から出され本の再刊らしいです。
 当時、 仙台メディア・テーク というところで行われた映画に関する連続公演の書籍化のようですが、20年も前の話なのにすらすら読めてしまいました(笑)。

明石の市民図書館 で借りて、帰りの電車で読み始めてみると、 垂水駅 に着くころには 第1章も 半ばに差し掛かってしまったので、​
「そうだ、このまま、電車読書で読んで、半分読めたら乗り換えて帰ろう。」
 ​とか何とか、ヒマに任せて乗っていると、 「緊急警報発令!」 という車内放送で緊急停止するという、あんまり体験できない事件にも出くわしたりして、結局、 鷹取駅 でUターンして帰って、家で読みました。
 で、本書の内容ですが、目次はこうなっています。
​  目次
第1章  映画における国籍(国籍という概念、その脆さ:「日本映画」の揺らぎ:成瀬巳喜男『鶴八鶴次郎』における翻案 ほか)
第2章  映画における演出(映画は「男と女と階段」で成立する:単純なショットの組み合わせ:階段の意味するもの ほか)
第3章  映画における歴史(ゴダールの『映画史』―女性たちへの視線:『映画史』の断片を持続によって回復する試み:ゴダールとミュージカル ほか)
 マア、 「国籍」、「演出」、「歴史」 というテーマで三回やったらしい講演ですから3章立てですが、​例えば 第2章 ​「演出」​ についてならこんなふうに始まります。​​
 優れた映画作家は、 「男と女と銃」 「銃」 の代わりに他のものを導入します。実際、一つの要素を置換してみるだけでまったく違った作品ができあがるわけで、例えば 「銃」 の代わりに 「車」 を代入してみると、 「男と女と車」 となります。 ロッセリーニ の傑作 「イタリア旅行(Viaggio in Italia)」(1953) に感動した ゴダール が、 「勝手にしやがれ(A Bout de souffle)」(1959) を撮ったことはよく知られております。また、 「女」 を代入する代わりに 「子供」 を代入すれば大人と子供となり、それを 「車」 と組み合わせてみると、 アッバス・キアロスタミ の傑作 「そして人生は続く(And Life Goes On)」(1992) ができあがります。このように、ごくわずかなものの組み合わせによって映画は成立可能であるという事情を、まずおさえておきたいと思います。(「映画における演出」P67~P68)
​  ​で、​​​​​​このあと、 ヒッチコック を例にして 「階段」 の映像的な意味について、 「ショット」 とは何かに始まって、これが、まあ、読みだすと止まらなくて、
「ああ、蓮實重彦やなあ。」
 ​ といういつもの蘊蓄が続いて、 電車読書 でどんどん読めるのですが、フト、思うのです。例えばの話が、 キアロスタミ 「そして人生はつづく」 という作品が 「大人と子供と自動車」 でできていると気付いたからと言って、何がどうだというのでしょう。​​​​​​
​​​  第1章 「模倣」「翻案」「リメイク」 がテーマですし、 第3章 ​「ゴダール」​ です。面白くて、読みだしたら止まりません。しかし、だからどうっだっていうのでしょう!
 ここ数年、老後のヒマに任せて映画館通いの日々ですが、なんとかして​ 「蓮實重彦から遠く離れて」
​映画を見ることを、肝に銘じていたことを久しぶりに思い出した読書でした(笑)。
 とは、いいながら、再びだか三たびだかよくわかりませんが、 蓮實の嵐 が襲ってきそうな悪い予感がしきりにする今日この頃です。
 マア、彼の 「映画論」 でも 「小説批評」 でもいいですが、読んだことのない若い人にはおすすめです。ハマる人ははまると思いますよ。 青山真治 黒沢清 周防正行 も、みんな教え子なんだそうですからね(笑)。
 ああ、でも、 「伯爵夫人」 は​責任持ちません(笑)。マア、ご自由に。​​

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最終更新日  2022.10.26 00:06:31コメント(0) | コメントを書く


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