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「読んでから見る!」 村上春樹 の短編小説 「トニー滝谷」 の 市川準監督 による映画化作品で、映画の題名も、そのまま、ズバリ、 「トニー滝谷」 でした。 2004年 の作品で、監督の 市川準 という方は、この作品の数年後、50代の若さで亡くなられた方で、 「金鳥」のコマーシャル の人だった記憶がありました。映画では女優の 富田靖子さん の 「BU・SU」 だったかを見たような気がしますが確かではありません。
「やっぱり、お早いですね(笑)。」というわけで、 第4回SCC は始まりました。原作そのものが、けなしているわけではありませんが、いったい何を書きたいのかよくわからないような作品なのですが、映画も同様で、 トニー滝谷 を演じた イッセー尾形のたたずまい と 坂本龍一のピアノの音 、そして、 宮沢りえ のさまざまな靴を履いた 足 が印象に残る作品でした。
「新開地本通り、いいですねえ!ボク、尼崎の杭瀬がホームグラウンドなのでなつかしかったです。」
「で、いつもの質問です(笑)。何点でしたか?」 というわけで、 村上春樹オタク会議 のような会話で終了でした。 それにしても イッセイ尾形 の演技には 拍手! でしたね。それから、まあ、好き好きなのでしょうが、妙に、病気っぽい、 2004年の宮沢りえ にも 拍手! 。で、 坂本龍一のピアノ です。 イッセイ尾形 の意味不明な表情とマッチして、いかにも、意味不明な 村上ワールドの音 でした。 拍手! でした。
「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ、今回は結構納得でした。」
「じゃあ、80点くらい?」
「うーん、まあ、そんな感じ。」
「 イッセイ尾形 と 宮沢りえ が、それぞれ、 一人二役 でしたね。 宮沢りえ の二役は、ちょっと、別の人のほうが良かったんじゃないかと思ったんですが。」
「ふーん、そうなんだ。ボクは気にならなかった。」
「原作では トニー滝谷 と 彼の父 以外には名前がないんです。最初の結婚する 女 も、二人目の 女 もね。 女 とか 妻 と書かれているだけです。で、 妻 が亡くなった後に登場する二人目の 女 は、確かに 妻 と同じ背格好なのですが、初対面の印象に、確か、 『いささかくたびれていた』 と書いていあったんですね。だからでしょうね、そこに引っかかりましたね。それから ナレーション が多すぎません?」
「そうか、昨日、読んできたんですね。」
「はい、 『レキシントンの幽霊』(文春文庫) という短編集の中の短い話です。ついでに言えば、父親が死んで古いレコードを処分して、 『本当に一人ぼっちになった』 というところで小説は終わりますが、映画は終わりませんでしたね。あの、あたりも気になりましたが、どうなんでしょうね。」
「 ナレーション は確かに多いですね。 西島秀俊 という男前の声でしたよね。まあ、基本、男前は嫌いなんですが(笑)、評判になった 『ドライブマイカー』 の主演の人ですね。」
「ああ、それも、 村上春樹 の原作のやつですね。」
「そう、そう、評判がとてもよかったんですが、ボクはなんだかなあ?だった
んです。で、今日の映画ですが、 ナレーション を聞いていて、あれがないと主人公が、たぶん、見ている人にわからないんですよね。 原作 の記述を読み上げないとわからない。そういう 原作 なんですよね。映画としてはうるさいんですが。だから、あんまり引っかからなかったですね。」
「映像としては、原作読んでいない人には、 トニー滝谷 がわからないと?」
「そう、そういう人物を 春樹 が書いているということかな。映画だけでは映画にしたかった人物が描けないというか。で、まあ、だからかもしれませんが、ボクは、 イッセイ尾形 に感心してみてました。空虚というか、空っぽの人間というか、一人芝居をやる人だと思いますが、すごい演技やなあって。」
「なるほどね。で、 ラスト は?」
「 監督 の作品解釈かなぁ。妻の服と、父のレコードの処分で、部屋が空っぽになって、ああ、ひとりぼっちというナレーション、まあ、それじゃあ、映画は終われないんじゃないですか(笑)。ボクは、 ノルウェイの森 みたいなラストだなと思いました。」
「ああ、電話かけるやつですね。」
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