60ばーばの手習い帳

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November 1, 2023
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カテゴリ: ミステリー三昧


 ​ 医学部の「脳外科臨床講義」で、榊はいきなり問題を提示しました。「外来である女性が昏睡状態に陥った」「しかし、あったはずの海馬硬化症による病変が消えてしまった」この二つの謎を解けというのです。
 学生たちは、突然の昏睡状態を、「低血糖症」「てんかんの発作」…ではないかと次々に推理していき、確認すべきこと、バイタルサイン、血液、酸素と検査が挙げられます。



 テンポ良く臨場感をもって進むストーリーですが、榊は「正解するのに特別な専門知識はいらない」「きわめてフェア」な問題だと語ります。これはそのまま読者に宛てられた言葉でもあります。
 治療の経過、患者の置かれた状況は伝えられ、考えられる病気も語り尽くされ、読者にも謎が投げかけられます。正統的なきわめてフェアなミステリーなのです。



 榊の患者たる女性の家族のしたことには不快感しかないし、全く同調はできません。それを除けば気持ちよく読めるミステリーです。ミステリーという側面だけでなく職業の意味を問うドラマでもあり、そこにも惹かれます。
謎の解明とともに明かされる、榊の医師という職業への真摯な思いは学生に伝わり、読者にも伝わります。

ミステリーズ!新人賞を受賞した作品です。​

     参照元:浅の宮遼『臨床探偵と消えた病変』​創元推理文庫から『消えた病変』





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Last updated  November 1, 2023 12:00:45 AM
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