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摘めどなほ耳無草(みみなぐさ)こそあはれなれ あまたしあればきくもありけり
摘んでも摘んでも(つねっても)やはり話を聞けない耳無し草はかわいそうなものです。沢山の草の中には(話を聞く)菊もあったことでした。
正月七日に食べる若菜を、みんなで前日の六日に持ち寄って、にぎやかに取り散らかしていました。
こどもたちも名前がわからない草を摘んできたので、「この草は何というの?」と聞いてもすぐに答えられず「さあ」とお互いに顔を見合わせています。
その中に「耳無草(みみなぐさ)と言います」と答えた子がいました。
「なるほど、それで聞かないふりの顔をするわけね」と笑っていると、また、とてもかわいらしい菊が生え始めたものを持ってきた子がありました。
そこで、清少納言は冒頭の歌を詠んで口にしようと思ったのですが、相手がこどもたちなので聞く耳もないか、とやめておいたという話です。
漢字の「苓」は、「レイ、リョウ、みみなぐさ」と読みます。「みみなぐさ」は石竹の仲間、ナデシコ科の植物で、日本全国に見られます。「耳無草」「耳菜草」と書き、4~6月白い可憐な花を咲かせます。紫がかった萼が花びらの間からのぞくのが特徴です。
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