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図書館で『居候としての寺山体験』という古本を、手にしたのです。寺山修司の人となりを知るうえでは、この手の本が一番と・・・ついミーハーな野次馬根性が出てしまったのです。【居候としての寺山体験】前田律子著、深夜叢書社、1998年刊<「MARC」データベース>より「虎穴に入らずんば虎児を得ず」 24年前、寺山修司からのこの手紙で家出を決意し、演劇を志して上京してきた著者。居候として共に暮らし、劇団員として指導を受けた日々を振り返り、著者の中の「寺山修司」を語り尽くす。<読む前の大使寸評>寺山修司の人となりを知るうえでは、この手の本が一番と・・・ついミーハーな野次馬根性が出てしまったのです。amazon居候としての寺山体験冒頭の「居候になった私」を見てみましょう。p9~11<居候になった私>■寺山さんから手紙が来た!「虎穴に入らずんば虎児を得ず」これが24年前、寺山さんから初めてもらった手紙の、書き出し文句でした。当時私は、長崎の県立西高の卒業を目前にして、悶々とした日を送っていました。というのは、西高演劇部の先輩だった早稲田大学の東さん(東さんに、本格的に演劇をやりたいと常々話していました)から、「寺山さんと劇団を作ったので、卒業したら一緒にやらないか」という誘いを受けていましたが、猛反対する両親に足止めをくい、身動きとれない状態だったのです。 そこに来たのが冒頭の寺山さんからの手紙でした。両親の反対にあい、迷っている私に奮起を促したのでしょう。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」。私の気持ちは固まりました。卒業を待って、家出を決行したのです。■タートルネックの優しいオジサン 世田谷区下馬2の5の7。アメリカ人が設計したという三階建ての洒落たマンションが,寺山さんご夫婦の住まいでした。 応接間でニコニコしながら、「家出娘」を迎えてくれた寺山さんは、タートルネックを無造作に着込み、ポワッとした優しいオジサンという感じでした。しかし、いったん演劇の話に入ると、目に妖しい様な険しい様な光を漂わせてくるのです。身震いする緊張感。高校時代読んで感動した寺山さんの戯曲「犬神」の世界を、眼光の中に見た思いでした。■カーテン部屋の思いつき 東さんが居候第1号なら、私は二号となるのでしょうか。創立メンバーの東さんは別格としても(呼び寄せたとはいえ)私まで抱え込んで、部屋をどうするか、寺山さん夫婦は困っていたようでした。部屋数は大小とりまぜて四つ。一階は応接間兼ダイニングキッチン、三階が書斎兼ご夫婦の寝室、そして二階に劇団事務所。中二階に唯一の和室六畳間があり、東さんの個室になっていました。「前田さん」、寺山さんが言いにくそうに切りだしました。「東さんの和室を、カーテンで仕切って二つにしますから、そこで寝てくれますか」18歳とはいえ、男と女のことなど何も知らなかった田舎娘の私には、寺山さんがどうして、伏し目がちに言うのか不思議に思ったくらいです。 カーテン部屋を東さんと分け合い、夜その一室に落ち着いた私は、カーテン越しに寺山さんのボソボソ声を耳にしました。「東さんを信じていますからね」 寺山家から借りたあたたかい布団にいだかれながら、私の居候一日目は無事終わったのです。(編集部注・東さん=現在、「東京キッドブラザーズ」を率いる東由多加氏) 寺山修司を正しく知るには、以前読んだ「新潮日本文学アルバム」などがいいんだろうなあ。【新潮日本文学アルバム寺山修司】寺山修司、新潮社、1993年刊<「BOOK」データベース>より没後10年、若者に〈自分さがし〉の羅針盤を指し続ける鬼才・寺山修司の迷宮ワールド。<読む前の大使寸評>寺山修司といえば、昭和生まれで昭和に(47歳で)没した…昭和を代表するようなマルチタレントのクリエーターであった。amazon新潮日本文学アルバム寺山修司『新潮日本文学アルバム寺山修司』2:映画や歌謡曲『新潮日本文学アルバム寺山修司』1:演劇実験室・天井桟敷
2019.05.31
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今回借りた4冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「予約本」でしょうか♪(受取り予定分を含む)<市立図書館>・科学する心・天子蒙塵・第三巻<大学図書館>・古生物たちのふしぎな世界・居候としての寺山体験図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)************************************************************【科学する心】池澤夏樹、集英社インターナショナル、2019年刊<「BOOK」データベース>より大学で物理学科に籍を置いたこともある著者は、これまでも折に触れ、自らの作品に科学的題材を織り込んできた。いわば「科学する心」とでも呼ぶべきものを持ち続けた作家が、最先端の人工知能から、進化論、永遠と無限、失われつつある日常の科学などを、「文学的まなざし」を保ちつつ考察する科学エッセイ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/11予約、副本4、予約5)>rakuten科学する心************************************************************【天子蒙塵・第三巻】浅田次郎著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より運命に導かれ、それぞれの楽土を目指せ。満洲の怪人・甘粕正彦、男装の麗人・川島芳子、欧州に現れた吉田茂。昭和史最大の事件「日中戦争」前夜、大陸に野望を抱き、夢を掴もうとする者たちが動き出す。そして、希望の光をまとい、かつての英雄が中原のかなたに探し求めた男がついに現れた。その名はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/25予約、副本11、予約47)>rakuten天子蒙塵・第三巻************************************************************【古生物たちのふしぎな世界】土屋健, 田中 源吾著、早川書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より恐竜だけが古生物じゃない!前恐竜時代にもさまざまな古生物が生きていた。三葉虫が繁栄し、アノマロカリスがカンブリア紀の覇者となる。デボン紀にはアンモナイトの仲間がまっすぐのびた円錐形からしだいに丸くなり、ティクターリクが“腕立て伏せ”をはじめる。古生代最後のペルム紀には、イノストランケヴィアをはじめとする単弓類が覇権をにぎる!ダイナミックかつドラマチックな古生代の物語。100点に及ぶ精緻なカラーイラスト&化石写真で解説!<読む前の大使寸評>とにかく、想像力を加味したカラー画像がええでぇ♪rakuten古生物たちのふしぎな世界************************************************************【居候としての寺山体験】前田律子著、深夜叢書社、1998年刊<「MARC」データベース>より「虎穴に入らずんば虎児を得ず」 24年前、寺山修司からのこの手紙で家出を決意し、演劇を志して上京してきた著者。居候として共に暮らし、劇団員として指導を受けた日々を振り返り、著者の中の「寺山修司」を語り尽くす。<読む前の大使寸評>寺山修司の人となりを知るうえでは、この手の本が一番と・・・ついミーハーな野次馬根性が出てしまったのです。amazon居候としての寺山体験********************************************************とまあ・・・・抜き打ちのように、関心の切り口を残しておくことも自分史的には有意義ではないかと思ったわけです。図書館大好き375
2019.05.31
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図書館に予約していた『闇の奥』という本を、待つこと3日の速攻でゲットしたのです。先日、間違って辻原登著『闇の奥』を先に読んだのだが・・・今度は本物の『闇の奥』にとりかかるわけでおます。なお、村上春樹『羊をめぐる冒険』に、このコンラッド著『闇の奥』が引用されているわけで・・・それで図書館に借出し予約したものです。【闇の奥】コンラッド著、光文社、2009年刊<「BOOK」データベース>より船乗りマーロウはかつて、象牙交易で絶大な権力を握る人物クルツを救出するため、アフリカの奥地へ河を遡る旅に出た。募るクルツへの興味、森に潜む黒人たちとの遭遇、底知れぬ力を秘め沈黙する密林。ついに対面したクルツの最期の言葉と、そこでマーロウが発見した真実とは。<読む前の大使寸評>先日、間違って辻原登著『闇の奥』を先に読んだのだが・・・今度は本物の『闇の奥』にとりかかるわけでおます。<図書館予約:(5/23予約、5/26受取)>rakuten闇の奥火事場騒ぎのあと、奥地出張所のクルツ氏の噂が出たので、見てみましょう。p63~65<1> 俺は腰をあげたが、その時、1枚のあっさりと描かれた小さな油絵に眼がとまった。木の板に描かれているのは一人の女で、ゆるやかな衣を着て、目隠しをし、片手に火のついた松明を持っていた。背景はほとんど真っ黒に近いほど暗い。女の身のこなしは威厳に満ち、松明の明りは顔に不吉な陰影を作っていた。 その絵が俺を引き止めた。一級社員が恭しくそばへ来て、蝋燭を挿したシャンパンの故小瓶をかざした。俺の問いに、これはクルツ氏が、1年以上前に、奥地へ行くための船が手当でいるまでここに待機していた時に描いたのだと答えた。『しかしそのクルツ氏というのは何物なんだ』と俺は訊いた。『奥地出張所の責任者ですよ』と一級社員はそっけなく答えて、顔をよそへ向けた。俺は笑いながら言った。『よくわかる説明、どうもありがとう。そして君は中央出張所の煉瓦作り。そんなことは誰でも知ってるがね』すると一級社員はしばらく黙ったあとで、『彼は天才です』と言った。『慈悲と、科学と、進歩と、そのほかいろんなものの使者です。われわれには』と不意に熱弁をふるいだした。『いわばヨーロッパから託された大儀による導きが必用なんです。より高い知性と、大きな思いやりと、ひたむきに目的を達成しようとする意思が』『誰がそんなことを言ってるんだい』と俺が訊くと、『いろんな人が言ってますよ。そういうことを書いている人もいます。だからこそ彼が来たんですよ。特別な人が。まあ、あなたは当然ご存知だろうけど』『どうして俺が当然知ってるんだ』と俺は本当にびっくりして訊き返したが、やつは取り合わなかった。『そう。今の彼は一番の業績を誇る出張所の責任者。来年は副支配人で、あと2年…2年もすれば何になるかはご存知のはずですよ。だってあなたも新集団の…道義を重んじる集団の一人ですからね。彼を特別に派遣してきたのと同じ人たちがあなたを推薦したんです。いや、違うとはいわせませんよ。私は自分の眼に自信があるんだから』そこで俺も合点がいった。 わが親愛なる叔母の有力な知り合いたちが図らずもこの青年に影響力を及ぼしたのだ。思わず吹き出しそうになった。『君は会社の秘密通信文を読んでるのかい』と訊いてやると、この青年ぐうの音も出ない。実に愉しかった。『クルツ氏が支配人になったら』と俺は厳しい口調で続けた。『もうそんなことをする機会もなくなるだろうな』 青年が不意に蝋燭の火を消し、俺たちは外に出た。すでに月が出ていた。いくつもの黒い人影が大儀そうにうろついて残り火に水をかけていた。コンラッド『闇の奥』2:マーロウの昔話コンラッド『闇の奥』1:冒頭の語り口
2019.05.31
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図書館に予約していた『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』という本を、待つこと3ヶ月ほどでゲットしたのです。J・G・バラードや村上龍のえがくディストピアもいいが、そればっかりだと疲れるので・・・このSFを借出し予約したのでおます。【トランスヒューマンガンマ線バースト童話集】三方行成著、早川書房、2018年刊<「BOOK」データベース>よりはるか未来、あるところにシンデレラという人類の進化系=トランスヒューマンの少女がおりました。“魔女”から拡張現実ドレスを与えられた彼女はカボチャ型飛行体に乗り、お城の舞踏会へ向かいます。しかしその夜、空から宇宙最強の爆発・ガンマ線バーストの閃光が降り注ぎー「地球灰かぶり姫」ほか「竹取戦記」「スノーホワイト/ホワイトアウト」など、古典に最新の想像力を配合した童話改変SF全6篇を収録。超個性派による第6回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作!<読む前の大使寸評>J・G・バラードや村上龍のえがくディストピアもいいが、そればっかりだと疲れるので・・・このSFを借出し予約したのでおます。<図書館予約:(2/16予約、5/26受取)>rakutenトランスヒューマンガンマ線バースト童話集六つの童話?があるのだが、そのうち「地球灰かぶり姫」の語り口を、見てみましょう。p7~9<地球灰かぶり姫> むかしむかし…の反対を言おうとすれば、いったいどんなことばになるのでしょうね。 さきざき? はるか遠い未来? とにかく、女の子がひとりおりました。 名前はシンデレラといいました。環大西洋連合王国の臣民です。正式に名乗らせようとすると公開暗号鍵やら契約知性アドレスやら煩雑なので、ここでは省略しましょう。 女の子は自分の体を持っていました。この時期にはとても珍しいことでありました。トランスヒューマンたちは肉体から解き放たれて、好きな場所にやどるのが常でしたから、地底深くに隠された計算機に、微小機械の雲に。そうしてたまに現実世界に深く干渉する必要が生じれば、精神は具体の中にやどるのです。 およそ具体とはレンタルするものであり、個人で所有するのはリスクだと評価されていました。形あるものは滅びます。基本的人体であればなおさらです。しかしシンデリアは自分の体を大事に思っていました。両親から受け継いだものだからです。具体の所有は両親の信念でした。 保険会社に説得されても大脳皮質活動記録装置さえ埋めず、トランスヒューマンのケクノロジーとも縁遠く、家族は仲睦まじく暮らしていました。 しかしあるとき、母は不慮の事故で死んでしまいます。 そう、バックアップもない基本的人体は、死ねばそれまでなのです。 悲しみに沈む父はグリーフカウンセラーに通いつめ、そこで良くない相手に引っかかりました。またたく間に結婚契約を交わした女は継母に収まり、契約を盾に家族を乗っ取りました。父は「同意のもと」アップロードされ、めくるめくトランスヒューマンソサエティに投げこまれて、いわばそこで溺れました。 優しかった父はSNSとソーシャルゲームの中毒におちいり、現実世界に戻ってくることもまれになり、あんなに誇っていた自分の具体のことも、愛していた妻や娘のことも忘れました。中身の抜けた父の具体はシンデレラが看るしかありませんでした。父の具体は日々弱り、ついに機能を停止しました。 継母はシンデレラを責めたてました。夫の具体が機能停止したのはシンデレラの介護が不適切だったせいだと主張して、補償を要求しました。継母には娘がふたりいました。精神から出芽して生れた精神的クローンです。いまやシンデレラの姉となった彼女たちのおもちゃとして、継母はシンデレラの具体を貸し出すよう求めたのです。 シンデレラは抗いましたが、継母の顧問弁護知性を相手どって素人に何が出来るでしょう。訴えても勝ち目はありません。ウーム トランスヒューマンたちの世界は、夢も希望もとぼしいディストピアのようですね。『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』2:vs甲殻機動隊『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』1:竹取戦記
2019.05.30
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図書館で『読書歯車のねじまき仕事』という本を手にしたが・・・・椎名誠の選ぶ探検本が渋いというか、ええでぇ♪内田先生の『街場の読書論』を読んだ後となるが、ここは読書路線つながりで、椎名誠のねじまき仕事を見てみましょう。この本には見覚えがあり借りるのは2度目になるなあと思ったが、ま いいだろうと借りた次第でおます。(帰って調べたら3年ほど前に借りていました)【読書歯車のねじまき仕事】椎名誠著、本の雑誌社、2005年刊<商品説明>より日本と世界を縦横斜めに駆けめぐる椎名誠の、旅と読書のエッセイ集。本を抱え、ラオス、ベトナム、カンボジア、阿寒湖から有明海、パラグアイを駆け抜けてブラジル奥地へと旅立つシーナ。エッセイに加え、昨年半年にわたって行われた書店でのトークショーも録り下ろしで掲載。(武)<読む前の大使寸評>椎名誠の選ぶ探検本が渋いというか、ええでぇ♪rakuten読書歯車のねじまき仕事偏食シーナを、見てみましょう。p100~103<納豆・蜘蛛・鯰>より インドシナ半島のちょっと長い旅から帰ってきて数日後に経団連会館に行った。まだ頭の中や体の動きが暑くてごしゃごしゃしていて、場合によっては辛くてヒハヒハ、場所によっては暗くてグシャグシャしているようなアジアモンスーン地帯の呪縛から脱しきれずにいる状態である。 そのぼわんと空気膨張したような頭で、経団連会館などという、それまでいたところとはずいぶん異なった世界に入っていくのはそれなりの勇気がいる。 その日、全国納豆協同組合連合会が主催するシンポジウムがあり、それに出席しなければならないのだ。小泉武夫教授に「このネバネバシンポジウムに参加するように」と言われており、仰せに従ったというわけである。 会場に行くとやはり経団連らしくぴしりとダークスーツを着込んだいかにも実業界的な人々がたくさんいて、ほんの数日前まで毎日目にしていたアジアのだらだら風景とはずいぶん違うのでたじろいた。 控え室に行くと、そのシンポジウムにパネラーとして参加する村松友視さん、南伸坊さん、阿川佐和子さん、枝元なほみさんらの顔が見えた。村松さん、阿川さん、南さんは以前にも会っているので、「やあ、しばらく」ということになった。控え室では早くも納豆の話で盛り上がっている。 こういうシンポジウムに参加するのだから、やっぱり全員ものすごい納豆ファンであったのか、という驚きとやや引け目を感じる。ぼくも納豆は好きであるが毎日毎日納豆がなければ生きていけない、というほどまでの納豆好きではなく、それについての薀蓄もあまりない。けれど先客らの話を聞いていると彼らもおおゆそぼくと同じぐらいの納豆との付き合い方をしているらしいとわかった。これもやはり小泉教授のお人柄が納豆のようにネバネバのからみ技で我々をひきつけたのであろう、とみなで解釈した。 シンポジウムの前に、小泉教授の納豆基調講演があり、続いて教授を囲んで我々もそれにからむネバネバシンポジウムとなった。都合三時間と少し、とにかく納豆まみれの研究時間を過ごし、帰りには全国の有名納豆をどさりと十数個おみやげに貰った。(中略) そうしてわかったのだが、納豆にはびっくりするほどいろいろな大きさの粒があるということだった。ひき割りの極小サイズから、黒豆の親指サイズぐらいの巨大なものまで、いろんな大きさがある。そうしてその硬さも糸の引き方も商品によってさまざまであった。 結果的にわかったのは、おいしい納豆は大量のネバネバの糸を発生させるということだった。ネバネバ糸が多く出て、それが長く引けるほどどうやらうまいようだ。『読書歯車のねじまき仕事』3:シーナお奨めの本『読書歯車のねじまき仕事』2:シーナ書店・売上ベスト100『読書歯車のねじまき仕事』1:古書店や書店について
2019.05.30
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大学図書館で映画『旅のおわり世界のはじまり』のちらしを見たので、心騒ぐ大使である。(6月14日より、全国公開とのこと)砂漠、西域、ドキュメンタリー調ということで、太子のツボが疼くのでおます。以下のとおり、個人的予告を作ったのだが・・・これだけ、入れ込むと、劇場に足を運ぶことになるでしょうね。【旅のおわり世界のはじまり】黒沢清監督、2019年制作<movie.walker解説>より黒沢清監督が前田敦子を主演に迎え、ウズベキスタンで全編ロケ撮影されたヒューマンドラマ。 舞台で歌うという夢への情熱を胸に秘めたテレビ番組リポーターが、取材で訪れたウズベキスタンでの様々な出会いによって、新しい扉を開き、成長していく姿を映し出す。共演は「きみの鳥はうたえる」の染谷将太、「花筐/HANAGATAMI」の柄本時生、「モリのいる場所」の加瀬亮。<見る前の大使寸評>砂漠、西域、ドキュメンタリー調ということで、太子のツボが疼くのでおます。movie.walker旅のおわり世界のはじまりYou Tubeの予告遍を見てみました。前田敦子、ウズベキスタンで全力疾走!「約束が違うじゃないですか!」 映画「旅のおわり世界のはじまり」超特報が解禁より
2019.05.30
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<図書館予約の軌跡177>『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・三浦しおん「愛なき世界」(11/25予約、副本23、予約366)現在60位・多和田葉子「献灯使」(12/09予約、副本4、予約94)現在35位・堀江貴文「これからを稼ごう」(1/12予約、副本7、予約68)現在11位・日本が売られる(2/05予約、副本22、予約354)現在178位・多和田葉子『地球にちりばめられて』(2/18予約、副本3、予約34)現在18位・『AI VS.教科書が読めない子どもたち』(2/22予約、副本23、予約302)現在167位・樹木希林『一切なりゆき』(2/27予約、副本17、予約613)現在405位・天子蒙塵・第三巻(3/25予約、副本11、予約47)現在1位・そしてバトンは渡された(4/19予約、副本22、予約1036)現在963位・池澤夏樹『科学する心』(5/11予約、副本4、予約5)現在4位・辻惟雄『奇想の系譜』(5/18予約、副本5、予約44)現在40位・巨大ブラックホールの謎(5/28予約、副本5、予約6)現在3位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)<予約候補>・リチャード・ノース・パタースン『子供の眼』・J・G・バラード『クラッシュ』・E・スエンソン『江戸幕末滞在記』・柳美里『ねこのおうち』・大江健三郎『キルプの軍団』・書物の破壊の世界史・三橋貴明『日本経済2020年危機』・領土消失 規制なき外国人の土地買収・多和田葉子「エクソフォニー」・高橋源一郎『読んじゃいなよ』・銃・病原菌・鉄(上)・メカニズムの事典・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・八画文化会館vol.6 総力特集:レトロピア岐阜:図書館未収蔵・「月夜のでんしんばしら」谷川雁、C.W.ニコル:図書館未収蔵・Coloring in Wadaland―和田誠カラー作品集:図書館未収蔵・阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』:芸工大に収蔵・阿刀田高『裏声で歌へ君が代』・重松清『ビタミンF』:阿刀田さんが「セッちゃん」をお奨め・デジタルエコノミーはいかにして道を誤まるか:図書館未収蔵・カズオ・イシグロ著『癒されざる者たち』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』・ボリス・ヴィアン著『うたかたの日々』:芸工大に収蔵・『排除と抵抗の郊外 フランス〈移民〉集住地域の形成と変容』・禁じられた歌(田)<予約分受取:4/27以降> ・梅原猛『隠された十字架』(4/07予約、4/27受取)・古処誠二『ニンジアンエ』(4/26予約、4/29受取)・角幡唯介「極夜行」 (12/02予約、5/06受取)・村上春樹『羊をめぐる冒険』(5/02予約、5/06受取)・大東建託の内幕(1/06予約、5/06受取)・『闇の奥』(5/06予約、5/12受取)・小林ふみ子『へんちくりん江戸挿絵本』(5/07予約、5/12受取)・開高健『日本三文オペラ』(4/30予約、5/18受取)・サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』(5/15予約、5/21受取)・トランスヒューマンガンマ線バースト童話集(2/16予約、5/26受取)・ジョセフ・コンラッド『闇の奥』(5/23予約、5/26受取)5月の受取りがこれで9冊か…個人的記録やでぇ♪【愛なき世界】三浦しをん著 、中央公論新社、2018年刊<「BOOK」データベース>より恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/25予約、副本23、予約366)>rakuten愛なき世界【献灯使】多和田葉子著、講談社、2014年刊<「BOOK」データベース>より鎖国を続ける「日本」では老人は百歳を過ぎても健康で、子供たちは学校まで歩く体力もないー子供たちに託された“希望の灯”とは?未曾有の“超現実”近未来小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/09予約、副本4、予約94)>rakuten献灯使【これからを稼ごう】堀江貴文著、徳間書店、2018年刊<出版社>よりお金は変わる。そしていずれ「なくなる」--。2017年、バブルを迎えた仮想通貨市場。だが、その本質は投機対象でも決済手段でも、あるいはブロックチェーンという技術革新ですらない。お金という存在の正体に皆が気づき始めたことこそが、革命なのだ。ビットコインが目指した自由、イーサリアムがもたらす大変革、そして新しく訪れる個人と会社・国家との関係性とは。仮想通貨から学ぶ「これからの経済学」。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/12予約、副本7、予約68)>rakutenこれからを稼ごう【日本が売られる】堤未果著、幻冬舎、2018年刊<「BOOK」データベース>より水と安全はタダ同然、医療と介護は世界トップ。そんな日本に今、とんでもない魔の手が伸びているのを知っているだろうか?法律が次々と変えられ、米国や中国、EUなどのハゲタカどもが、我々の資産を買い漁っている。水や米、海や森や農地、国民皆保険に公教育に食の安全に個人情報など、日本が誇る貴重な資産に値札がつけられ、叩き売りされているのだ。マスコミが報道しない衝撃の舞台裏と反撃の戦略を、気鋭の国際ジャーナリストが、緻密な現場取材と膨大な資料をもとに暴き出す!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/05予約、副本22、予約355)>rakuten日本が売られる【地球にちりばめられて】多和田葉子著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る―。言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/18予約、副本3、予約34)>rakuten地球にちりばめられて【AI VS.教科書が読めない子どもたち】新井紀子著、東洋経済新報社、2018年刊<「BOOK」データベース>より大規模な調査の結果わかった驚愕の実態ー日本の中高校生の多くは、中学校の教科書の文章を正確に理解できない。多くの仕事がAIに代替される将来、読解力のない人間は失業するしかない…。気鋭の数学者が導き出した最悪のシナリオと教育への提言。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/22予約、副本23、予約302)>rakutenAI VS.教科書が読めない子どもたち【一切なりゆき】樹木希林著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より「求めすぎない。欲なんてきりなくあるんですから」心に沁みる希林流生き方のエッセンス!【目次】第1章 生きること/第2章 家族のこと/第3章 病いのこと、カラダのこと/第4章 仕事のこと/第5章 女のこと、男のこと/第6章 出演作品のこと<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/27予約、副本17、予約613)>rakuten一切なりゆき【天子蒙塵・第三巻】浅田次郎著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より運命に導かれ、それぞれの楽土を目指せ。満洲の怪人・甘粕正彦、男装の麗人・川島芳子、欧州に現れた吉田茂。昭和史最大の事件「日中戦争」前夜、大陸に野望を抱き、夢を掴もうとする者たちが動き出す。そして、希望の光をまとい、かつての英雄が中原のかなたに探し求めた男がついに現れた。その名はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/25予約、副本11、予約47)>rakuten天子蒙塵・第三巻【そしてバトンは渡された】瀬尾まいこ著、文芸春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。<読む前の大使寸評>図書館予約1036位ってか・・・・1年近く待つんやろか?<図書館予約:(4/19予約、副本22、予約1036)>rakutenそしてバトンは渡された【科学する心】池澤夏樹、集英社インターナショナル、2019年刊<「BOOK」データベース>より大学で物理学科に籍を置いたこともある著者は、これまでも折に触れ、自らの作品に科学的題材を織り込んできた。いわば「科学する心」とでも呼ぶべきものを持ち続けた作家が、最先端の人工知能から、進化論、永遠と無限、失われつつある日常の科学などを、「文学的まなざし」を保ちつつ考察する科学エッセイ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/11予約、副本4、予約5)>rakuten科学する心【奇想の系譜】辻惟雄著、小学館、2019年刊<「BOOK」データベース>より江戸絵画ブームの原点となる名著が、オールカラー完全版として新登場!又兵衛/山雪/若冲/蕭白/芦雪/国芳―アヴァンギャルドな絵師たちの江戸絵画を約130点も掲載!!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/18予約、副本5、予約44)>amazon奇想の系譜【巨大ブラックホールの謎】本間希樹著、講談社、2017年刊<「BOOK」データベース>より 200年以上前にその存在が予言されながら、いまだ多くの謎に包まれており、厳密にはその存在すら確認されていない。一般相対性理論による理論的裏付けから1世紀、「ブラックホール」という命名から半世紀、人類はついに「黒い穴」を直接見る力を手に入れようとしている。最新望遠鏡が解き明かす、巨大ブラックホールの謎を第一人者が解説する。【目次】第1章 ブラックホールとは何か?/第2章 銀河の中心に潜む巨大な穴/第3章 200年前の驚くべき予言/第4章 巨大ブラックホール発見前夜/第5章 新しい目で宇宙を見るー電波天文学の誕生/第6章 ブラックホールの三種の神器/第7章 宇宙は巨大ブラックホールの動物園/第8章 巨大ブラックホールを探せ!/第9章 進む理解と深まる謎/第10章 いよいよ見える巨大ブラックホール<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/18予約、副本5、予約44)>rakuten巨大ブラックホールの謎【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の軌跡176予約分受取目録R19好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。
2019.05.29
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図書館に予約していた『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』という本を、待つこと3ヶ月ほどでゲットしたのです。J・G・バラードや村上龍のえがくディストピアもいいが、そればっかりだと疲れるので・・・このSFを借出し予約したのでおます。【トランスヒューマンガンマ線バースト童話集】三方行成著、早川書房、2018年刊<「BOOK」データベース>よりはるか未来、あるところにシンデレラという人類の進化系=トランスヒューマンの少女がおりました。“魔女”から拡張現実ドレスを与えられた彼女はカボチャ型飛行体に乗り、お城の舞踏会へ向かいます。しかしその夜、空から宇宙最強の爆発・ガンマ線バーストの閃光が降り注ぎー「地球灰かぶり姫」ほか「竹取戦記」「スノーホワイト/ホワイトアウト」など、古典に最新の想像力を配合した童話改変SF全6篇を収録。超個性派による第6回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作!<読む前の大使寸評>J・G・バラードや村上龍のえがくディストピアもいいが、そればっかりだと疲れるので・・・このSFを借出し予約したのでおます。<図書館予約:(2/16予約、5/26受取)>rakutenトランスヒューマンガンマ線バースト童話集最強の甲殻機動隊員六つの童話?があるのだが、そのうち「vs甲殻機動隊」の語り口を、見てみましょう。p147~149<vs甲殻機動隊> さて、これは未来のお話。ガンマ線バーストに直撃されて数十年かそこら過ぎた木星の第二衛星エウロパに、甲殻機動隊がおりました。 エウロパには海があり、氷の層でおおわれています。カニ、テナガエビ、シャコ、タダタダタダヨウガニからなる甲殻機動隊員は、放置されたトランスヒューマンの都市に偵察任務をおびて侵入し、防衛機械たちと遭遇していました。戦いです。 隊員たちは横転した無人トラックの陰に転がりこみ、息を潜めます。防衛機械たちに傍受されないよう細かく絞ったビームをやりとりし、戦術画面を開いて戦況を共有するのです。眼柄を伸ばして確保した視界に敵味方識別情報がタグづけされていきます。カニ隊長は静かに泡を吹きました。「なーにが『このルートは安全です』だか」 景気よく弾をばらまきながらテナガエビがぼやきます。テナガエビは腕を自在に伸縮させ、光ファイバー眼柄と合わせて遮蔽をとりながら、安全に攻撃することができるのです。過熱した銃身を引き戻し、水に浸して冷ましながら、テナガエビはなおも言いつのります。「ったくよー情報部のヤドカリどもときたら! あいつら給料いくらもらってんすか! 俺より多いんだろな畜生が!」 シャコもテナガエビの意見に賛成のようでした。強化された怪力で分隊支援火器を操り、コンクリートや無人車輌の残骸を動かして陣地を作りつつ、重々しく言うのです。「確かに情報部は左偏光ですな。彼らには愛が欠けている」「いいぞシャコ! おまえもたまにはまともなこと言うな! ところで左がどっちだっけ? 悪いほうであってるよな?」「テナガエビ、シャコ、通信の秩序を保て」 カニ隊長が厳かに言いました。冷静なサイドステップで防衛機械たちの射撃をかわし、ときには分厚い背中の装甲で受け止めて、正確な射撃で反撃します。戦術画面に意識を振り向け、カニ隊長はもうひとりの仲間に指示を下しました。「TTC、敵の数だが」『私と同じぐらいの数がいます』「マジかよ」『冗談ですよ。せいぜい十ってところですね』「何がせいぜい十、だよ。こっちの数を言ってみろってんだよ」『圧倒的多数、ですよ』 テナガエビやカニ隊長の足元を、小さい何かの群れがさっと走り抜けていきました。ひとつひとつは数センチほどの小さなカニ。まるで生きた雲のように統制を保ち、白い河のように枝分かれしては遮蔽物の下や濁った水たまりに潜りこみ、防衛機械たちに集団で襲いかあります。防衛機械たちも銃弾や振動ナイフで応戦しますが、十体や二十体振り払っても、まだまだたくさんいるのです。 これこそはTTC、タダタダタダヨウガニ集合体なのでした。『個体損耗率12%』「無理するな」『戦術的有利はとれています。とはいえ、このペースでは』「ったく、どっからこんなに湧いてきてんだかな。近所に寿司屋でもあんのか」「面白いジョークですな」 体は忙しく戦いながら、カニたちは戦術画面のチャットで角つきあわせて悩みます。こちらは四体、防衛機械の数ときたら倍以上。そうでなくても、防衛機械は一時的な死を恐れないのです。このあと強敵が登場するのだが、これは有線操縦のロボットのようです。それにしても、減らず口の尽きない甲殻機動隊はけっこう善戦してまんな♪『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』1
2019.05.29
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図書館で『読書歯車のねじまき仕事』という本を手にしたが・・・・椎名誠の選ぶ探検本が渋いというか、ええでぇ♪内田先生の『街場の読書論』を読んだ後となるが、ここは読書路線つながりで、椎名誠のねじまき仕事を見てみましょう。この本には見覚えがあり借りるのは2度目になるなあと思ったが、ま いいだろうと借りた次第でおます。(帰って調べたら3年ほど前に借りていました)【読書歯車のねじまき仕事】椎名誠著、本の雑誌社、2005年刊<商品説明>より日本と世界を縦横斜めに駆けめぐる椎名誠の、旅と読書のエッセイ集。本を抱え、ラオス、ベトナム、カンボジア、阿寒湖から有明海、パラグアイを駆け抜けてブラジル奥地へと旅立つシーナ。エッセイに加え、昨年半年にわたって行われた書店でのトークショーも録り下ろしで掲載。(武)<読む前の大使寸評>椎名誠の選ぶ探検本が渋いというか、ええでぇ♪rakuten読書歯車のねじまき仕事シーナお奨めの本を、見てみましょう。p74~76<ラ・プラタ川に持っていった本と映画>より またもや長い旅に出た。南米のアルゼンチンとウルグアイの間に流れてくる全長四千八百キロのラ・プラタ川を遡っていく旅だ。途中パラグアイを経由しブラジルに入る。源流はパンタナールと呼ばれる日本の本州ぐらいの大きさの大湿原を通り過ぎたあたりにあるそうだ。 そこまでとにかく遡っていく旅だからあっちこっちいろんな手段で移動していかなければならない。とりあえずは飛行機で日本からロサンゼルスまで。そこで乗り換えてブラジルのサンパウロ。更に乗り換え、アルゼンチンのブエノスアイレスへトータルで30時間だ。そこから車や船や小型飛行機やヘリコプター、そして馬などに乗ってとにかく奥地に入っていく。 だいたい年に一度ぐらいの割合でこうした移動の多い外国旅をしているが、いつも出発前に迷うのはどんな本を持っていくか、という問題だ。もう少し若いころは貪欲にむさぼり読んでいたので30日間というと文庫本で最低十冊は必要だった。 しかし今は飛行機などではついつい座席に備え付けの映画を見てしまったり、車の移動のときは眠ってしまったりして、読書をする時間は以前よりも確実に減っている。しかし旅には思いがけない停滞や何もすることがない時間が出現したりする。そんなときにいつでも読める面白い本が何冊かないと不安このうえない。 今回は『子供の眼』(リチャード・ノース・パタースン、新潮文庫)と『半身』(サラ・ウォーターズ、創元推理文庫)、それから『荊の城』(同)などを教えてもらった。小説だけでは絶対に飽きるので『ラ・プラタの博物学者』(W・H・ハドスン、講談社学術文庫)、パンタナール、それから南米を主な舞台として詳しく書かれている『世界最長の徒歩旅行』(ジョージ・ミーガン、中央公論社)、更に『百億の星と千億の生命』(カール・セーガン、新潮社)、『ブレイン・ドラッグ』(アラン・グリン、文春文庫)などを旅行バッグの中に忍び込ませた。 今回はそれと同時に東芝のDVDポータブルプレイヤーを持っていくことになった。これは驚くべきスグレモノで、DVDの映画をどこでもスバヤク個人的に見ることができるのだ。『読書歯車のねじまき仕事』1:古書店や書店について『読書歯車のねじまき仕事』2:シーナ書店・売上ベスト100
2019.05.29
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図書館に予約していた『闇の奥』という本を、待つこと3日の速攻でゲットしたのです。先日、間違って辻原登著『闇の奥』を先に読んだのだが・・・今度は本物の『闇の奥』にとりかかるわけでおます。なお、村上春樹『羊をめぐる冒険』に、このコンラッド著『闇の奥』が引用されているわけで・・・それで図書館に借出し予約したものです。【闇の奥】コンラッド著、光文社、2009年刊<「BOOK」データベース>より船乗りマーロウはかつて、象牙交易で絶大な権力を握る人物クルツを救出するため、アフリカの奥地へ河を遡る旅に出た。募るクルツへの興味、森に潜む黒人たちとの遭遇、底知れぬ力を秘め沈黙する密林。ついに対面したクルツの最期の言葉と、そこでマーロウが発見した真実とは。<読む前の大使寸評>先日、間違って辻原登著『闇の奥』を先に読んだのだが・・・今度は本物の『闇の奥』にとりかかるわけでおます。<図書館予約:(5/23予約、5/26受取)>rakuten闇の奥奴隷貿易マーロウの昔話を、ちょっとだけ見てみましょう。p20~24<1> 憶えてくれているだろうが、当時の俺はロンドンに戻ってきたばかりだった。インド洋、太平洋、東シナ海、南シナ海と、東洋のお決まりの所を6年ばかりさんざんうろついてきたあとだ。 しばらくぶらぶらして、君らの職場へ行って仕事の邪魔をしたり、家へ押しかけたりしたもんだ。まるで君らを啓蒙する使命を天から授かっていると言わんばかりにね。しばらくはそれでよかったが、そのうち休養にもうんざりしてきたから、乗り込める船を探し始めた…これは世界一難しい作業だね。船のほうじゃこちらを見向きもしてくれない。船探しにもだんだんうんざりしてきた。 ところで俺は、子供のころ、地図がとても好きだった。南アメリカ、アフリカ、オーストラリア。何時間眺めても飽きなかった。輝かしい探検を空想したものだ。あの当時は地上に空白地帯がたくさんあったが、とくに気をすする場所があると、指でそこを押さえて、大人になったらここへ行くぞと呟いたものだった。 そう言えば北極もそうだったな。あそこはまだ行ってないし、今はもう行くつもりもないがね。魅力が失せたというのかな。北極を別にすれば、やっぱり赤道の近くが多かった。北半球、南半球、緯度もさまざま。そのうちのいくつかには実際に行ったが…まあ、その話はさて措いて。ともかくそういう場所の中に(一番大きな、いわばとびきりの空白地帯があって)俺は猛烈に憧れたわけなんだ。 もちろん、俺が出かけたころにはもう空白地帯じゃなくなっていた。その後地図には河や湖や地名が書き込まれていった。そこはもう少年を華麗な夢想に誘う、心躍る神秘に満ちた真っ白な部分ではなくなっていた。暗黒の地になっていたんだ。だが、注目すべきはそこに1本の大河が流れていたことだ。途方もなく大きなその河は、地図で見ると、長々と伸びた巨大な蛇に似ていた。 大蛇は頭を海に浸け、曲がりくねった長い胴体を広大な土地に休め、尻尾を内陸の奥深くに消え入らせている。とある商店の飾り窓にその地図を見た時、俺は蛇に魅入られた鳥のようになった…お馬鹿な小鳥ちゃんにだ。そして俺は憶い出した。この河の流域で商売をしている大きな貿易会社があったな、と。 ああ そうだ! こんなお水がたっぷりの河を行き来するには何かの乗り物が必要だろう…そう、蒸気船が! そういうものの船長になるのも悪くない。俺はまたフリート街を歩きだしたが、その考えを振り払うことができなかった。まったく蛇に魅入られてしまったんだ。(中略) もちろん俺は採用された。それも随分と早く決まった。どうやら蒸気船の船長が一人、原住民とのいざこざで殺されたという報せが会社に入っていたらしい。俺にとってはまたとない機会で、ますます行きたい気持ちが募った。俺がその船長の死体の回収を試みたのは、それから何ヶ月もたってからだが、その時に聴いた話では、いざこざの原因は雌鶏をめぐる誤解だったそうだ。そう、二羽の黒い雌鶏だ。 船長はフレスレーヴェンというデンマーク人で、雌鶏の売り買いのことで何かごまかされたと思った。そこで岸にあがって、村長を棒でさんざんにぶちのめした。その話を聴いても俺は全然驚かなかったね。コンラッド『闇の奥』1
2019.05.28
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図書館デに予約していた『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』という本を、待つこと3ヶ月ほどでゲットしたのです。J・G・バラードや村上龍の描くディストピアもいいが、そればっかりだと疲れるので・・・このSFを借出し予約したのでおます。【トランスヒューマンガンマ線バースト童話集】三方行成著、早川書房、2018年刊<「BOOK」データベース>よりはるか未来、あるところにシンデレラという人類の進化系=トランスヒューマンの少女がおりました。“魔女”から拡張現実ドレスを与えられた彼女はカボチャ型飛行体に乗り、お城の舞踏会へ向かいます。しかしその夜、空から宇宙最強の爆発・ガンマ線バーストの閃光が降り注ぎー「地球灰かぶり姫」ほか「竹取戦記」「スノーホワイト/ホワイトアウト」など、古典に最新の想像力を配合した童話改変SF全6篇を収録。超個性派による第6回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作!<読む前の大使寸評>J・G・バラードや村上龍のえがくディストピアもいいが、そればっかりだと疲れるので・・・このSFを借出し予約したのでおます。<図書館予約:(2/16予約、5/26受取)>rakutenトランスヒューマンガンマ線バースト童話集六つの童話?があるのだが、そのうち「竹取戦記」の語り口を、見てみましょう。p54~58<竹取戦記> 翁は赤ん坊を庵に持ち帰り、ラボで調べました。赤ん坊の体は、何かが竹をハックして作らせたものでした。まず、非知性ですが生存本能には長けた体を生成します。そうして、ある程度自力で生き残らせ、用意が整ったらはじめて脳を形成、器ができたところに精神をダウンロードする仕組みのようでした。 翁はおおむかしの海にいたホヤを思い起こしました。ホヤは遊泳生活をおくる幼生のときには神経組織を持っていますが、一度定着して成体になると神経組織を吸収してしまいます。定着生活では知能の使いどころなどなく、そうやって用ずみになった器官を処分することで、生きるコストを節約するのです。 いってみれば、この赤ん坊はホヤの逆バージョンでした。精神を走らせるのには翁コストが必要なので、幼いときにはまず生存を優先し、首尾よく生き残れたものは中枢神経系を成長させます。そうして、精神をダウンロードして知性化するのです。 白村江で見た手だな…翁はちらりと思いました。 だとすれば、この赤ん坊と似たような代物が見つかる可能性もありました。低コストの赤ん坊をたくさんばらまいてどれかが生き残ることに期待する、という戦術ですからね。翁は竹林にこのことを伝えて警戒させるとともに、この赤ん坊にダウンロードされてうるのはどんな精神だろうと興味がわいました。経過を観察することにして、けど野放しにするのは不用心、そこで翁は慎重に隔離環境ケージを作り、赤ん坊を入れました。ダウンロードされてくるであろう精神だけは受け取れるように受容体を用意してやりますが、中から外に出ることは難しいのです。 ケージの材料は竹林からもらい、そのことで竹林はずいぶん文句を言いましたが、翁は聞く耳を持ちませんでした。何しろ竹取の翁なのです。竹を使って何が悪い。 サンドボックスの中で赤ん坊はすくすく成長しました。48時間で成体化し、未知のシグナルを振りまきはじめます。シグナルはケージにさえぎられますが、翁はあえてシグナルをコピーし、周囲に送信しました。果して信号が返ってきます。発信方向を探ると上空を指していました。統括する無人機でも上空にいるんだろうと考えて、翁はそれ以上追及しませんでした。どのみちシャットアウトしてしまいます。 赤ん坊はいまや、基本的人体の少女に似たフォルムに収まった、トランスヒューマンらしき何かへ育っていました。翁は精神を分岐し、ケージ内部に送り出しました。少女は目覚めていました。精神のダウンロードを邪魔したはずなのでこれはおかしなことでしたが、翁は追及を後回しにしました。バックアップでもあったのだろうと判断したのです。「ここから出せ」と少女はサンドボックスを指して言います。「私はカグヤ」「あっそう」翁がそう答えると、カグヤはすこしうろたえた様子を見せました。「ええと、カグヤというのは私の名前で」「もう聞いた」「…あの、名前というのは、個体を識別するためのもので」「そこはいい」 カグヤはすっかり混乱したようでした。「こういうときにはお互い名乗るものじゃないの?」「まあな」「あなたの名前は?」「忘れたよ」と翁は答えました。翁にもいろいろあります。竹をとりつつ暮らしているのは、決して伊達や酔狂だけが理由ではないのです。 カグヤはもうかわいそうなぐらいうろたえていました。「知っているプロトコルと違うなあ」とぼそぼそ言います。「だいたい、私はだれ?」「さっき自分で言ってたぞ」「わからない。記憶が欠落している。このサンドボックスのせいだと思う。ダウンロードがうまくいってない気がする」「ご愁傷さま」「ここから出せ」「言い方ってもんがあるだろう」「出してください」「どうしたもんかね」「無理に出ることもできるけど」「どうぞ。やれるものならやってみな」 そこでカグヤはやりました。 翁は後でこのときのログを嫌になるほどチェックしたのですが、結局最後まで何が起きたのかわかりませんでした。翁の作ったケージはあっさりハックされ、分解され、分岐精神は隅に押しこめられて固まり、カグヤを解放してしまいました。ケージを飛び出したカグヤは動きもとれない翁を蹴倒し、にやりと笑って言いました。「じゃあね」 カグヤはまたたく間に加速して走り去りました。その速いこと速いこと。ウーム 人間とは違うかぐや姫というものは・・・突きつめるとこんなモノになるのか。
2019.05.28
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新聞に映画『空母いぶき』の大きな広告が出たので、心騒ぐ大使である。(5月24日より、全国公開とのこと)以下のとおり、個人的予告を作ったのだが・・・これだけ、入れ込むと、劇場に足を運ぶことになるでしょうね。R1:観たあとの寸評を追記【空母いぶき】若松節朗監督、2019年制作、2019.5.25鑑賞<movie.walker作品情報>より かわぐちかいじの同名コミックを「沈まぬ太陽」の若松節朗監督が映画化。20XX年、日本領土である波留間群島の一部が謎の武装集団に占領された。 自衛隊初の航空機搭載型護衛艦《いぶき》が出動するが、敵のミサイル攻撃を受け、想定を超えた戦闘状態に突入する。 出演は「散り椿」の西島秀俊、「嘘八百」の佐々木蔵之介。脚本は「機動警察パトレイバー」シリーズの伊藤和典と「亡国のイージス」の長谷川康夫。<見る前の大使寸評>かわぐちかいじの同名コミックが週刊誌で連載中なので、大学図書館で最新号を鋭意フォローしているのです。同名コミックでは、空母決戦の真最中であるが…さて、実写映画ではどんなかな?<観たあとの大使寸評>波留間群島初島に国籍不明の武装集団が上陸、日本の領土が占領された・・・“東亜連邦”が日本の領海・領土を侵したのだと判明したのだが、地政学的にこれだけの軍隊を持つ国は中国を置いてないわけで、(うだうだ文句を言わずに)映画が始まった直後から東亜連邦を中国に読み替えて観ることにしたのです。 それにしても、専守防衛という枷をはめられた自衛隊がいかに戦うかという堅い観方もできる作品となっていて、なかなか面白い映画でした。ただ、描かれた戦闘がことごとくニッポンの完勝であり、気分はいいけどちょっと非現実的ではないか。現在進行中のコミックとは関係ないつくりになっているが、お奨め作品でおます。movie.walker『空母いぶき』wikipediaで空母「いぶき」を見てみましょう。DDV-192 「いぶき」より ペガソス計画によって生み出された、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦。分類上は軽空母となる。新設された第5護衛隊群の旗艦である。 艦名は第二次世界大戦中、マル急計画により設計変更されたものの、未完成のまま終戦を迎えた幻の空母「伊吹」にちなむ。建造中はコードネームの「ペガソス」の名で呼ばれていた。 設計はヘリコプター搭載護衛艦「いずも」を改良したものである。大きな特徴としては、日本初のスキージャンプ式の飛行甲板の採用がある。 艦載機はF-35JBが15機のみ配備されているが、これは専守防衛を鑑みて、航続距離の長い対地攻撃型ではなく、あくまで対潜水艦用であると説明するためである。F-35JBはすでに作戦において4機失われており、現在の配備数は11機と推定される。 対空兵器はベース艦である「いずも」同様、他の護衛艦と比較して少なく、SeaRAM2基とファランクス20ミリCIWSだけであり、艦隊の防衛は随伴する護衛艦に任されている。映画【空母いぶき】ネタバレあらすじ「秋津(西島秀俊)が目指す日本の未来」感想評価もがディープでおます。『空母いぶき』を観たいR0
2019.05.28
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図書館で『ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと』という本を、手にしたのです。ビジュアルな「とんぼの本」シリーズなので、絵本作家エンデを知るには最適ではないか♪この本には見覚えがあり借りるのは2度目になるなあと思ったが、ま いいだろうと借りた次第でおます。(帰って調べたら1年ほど前に借りていました)【ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと】池内紀, 小林エリカ著、新潮社、2013年刊<「BOOK」データベース>より『モモ』『はてしない物語』ほかファンタジー物語の傑作を残した作家エンデの人生、そして現代人に伝え続けたメッセージとは。待望のエンデ入門。<読む前の大使寸評>ビジュアルな「とんぼの本」シリーズなので、絵本作家エンデを知るには最適ではないか♪rakutenミヒャエル・エンデが教えてくれたことお金や時間に拘るエンデを、見てみましょう。p100~101<エンデが夢見た経済の姿:廣田裕之> エンデが今の経済制度の矛盾を最初に描いたのは、代表作『モモ』です。この中には「時間とはすなわち生活だからです」という一節がありますが、原文ではわずか三語のこの表現に、エンデの人生観が現れていると言えます。 人間はなにをするにも、時間が必要です。お金がなくても、公園を散歩したり、図書館で本を読んだり、また家庭菜園で穫れた作物を使って料理をしたりすることができますが、時間がなければどれも無理です。 時間こそが生活(あるいは人生や生涯)であり、その時間の効率化だけを考えると、やがて生活そのものが干からびてしまいます。 『モモ』では「灰色の男」により時間の節約を説得された床屋のフージー氏が時間の節約に励んだ結果、彼の生活は味気ないものになり、彼自身も怒りっぽくなってしまいました。 『オリーブの森で語りあう』の中でエンデは、スイスの経営者が集まる会議の場で自らこの一節を朗読したエピソードを披露します。その後、出席者に対して「百年後の未来像」について問いかけたのですが、「すくなくとも年三パーセント以上の成長がなければ、競争に生きのこれなくなり、経済的に破滅する」という発言をきっかけとして、エンデに対して攻撃する人が出てきたことから、この問いかけは失敗してしまいました。 『エンデと語る』では、「どうやって、この経済成長の強制から人間を自由にするか」という根本的な問題を問いかけています。 しかし、なぜ経営者はここまで経済成長にこだわるのでしょうか。その最大の理由は「金利」です。お金を借りたら元金だけでなく金利も支払わないといけませんが、この金利自体がネズミ算式に増えるため、これを返せるだけの経済成長が必要になるのです。 後述する『エンデの遺言』で登場するドイツの建築家であり補完通貨の研究者、マルグリット・ケネディは代表作『金利ともインフレとも無縁な貨幣』で、このような成長をガン細胞の成長に例えています。つまり今の経済はガン細胞のように果てしなく成長し、地球の資源を必然的に食い尽くすものである、と。 さらに、自分の借りたお金を返す形で直接的に、あるいは商品やサービスの購入を通じて間接的に金利を払うことから、ほとんどの人は収入が減る一方で、ごく一部の金持ちだけがより豊かになるという問題もあります。エンデの絵本をネットで見つけたので、見てみましょう。第149回/おとなしいきょうりゅうとうるさいちょうより お話は2部構成のような様相を呈しており、それが最後は重なりあうようなスタイルである。その第1幕はきょうりゅうのお話。不気味な石の塔があり、そこには口よ尻尾から火をふくきょうりゅうが住んでいた。そこに本をかかえたヒックス教授なる人物がやってきてきょうりゅうの研究を始めた。きょうりゅうはうっとおしくなり、教授を飲み込んでしまったが、本が消化しにくく、腹から本と教授を吐き出した。教授はケロッとして、1冊の本を置いて帰っていってしまった。そこには「火をはくきょうりゅうは、みんな、おとなしいきょうりゅうとよばれる」と書かれていた。それを目にしたきょうりゅうは愕然とした。 自分は恐ろしいきょうりゅうであり、決して「おとなしい」きょうりゅうなどではない!否定するために、きょうりゅうは暴れまくったが、やがてノイローゼのようになり、家に閉じこもってしまった。ここで、まず幕が閉じる。そして、ふたたび楽譜が描かれ、タイトルは「うるさいちょうのワルツ」となっている。そして第2幕が始まる。そこにはタキシード姿のヒゲをはやしたもんしろちょうがいて、もんしろちょうの少女とワルツを踊りまくっていた。もんしろちょうは、繊細でしとやかで、特にうるさい騒音には大いに腹を立てていた。そこへ、まるはなばちが飛んできて、もんしろちょうが「うるさいちょう」と呼ばれていることを告げる。『ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと』2:エンデ氏物語p76~77『ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと』1:INTRODUCTION
2019.05.27
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図書館に予約していた『闇の奥』という本を、待つこと3日の速攻でゲットしたのです。先日、間違って辻原登著『闇の奥』を先に読んだのだが・・・今度は本物の『闇の奥』にとりかかるわけでおます。なお、村上春樹『羊をめぐる冒険』に、このコンラッド著『闇の奥』が引用されているわけで・・・それで図書館に借出し予約したものです。【闇の奥】コンラッド著、光文社、2009年刊<「BOOK」データベース>より船乗りマーロウはかつて、象牙交易で絶大な権力を握る人物クルツを救出するため、アフリカの奥地へ河を遡る旅に出た。募るクルツへの興味、森に潜む黒人たちとの遭遇、底知れぬ力を秘め沈黙する密林。ついに対面したクルツの最期の言葉と、そこでマーロウが発見した真実とは。<読む前の大使寸評>先日、間違って辻原登著『闇の奥』を先に読んだのだが・・・今度は本物の『闇の奥』にとりかかるわけでおます。<図書館予約:(5/23予約、5/26受取)>rakuten闇の奥冒頭の語り口を、ちょっとだけ見てみましょう。p9~14<1> 二本マストの遊覧ヨット、ネリー号は、船首の錨をおろし、帆布1枚はためかすことなく停止していた。今は満ち潮で、風はほとんどない。河をくだるなら、こうして船を停泊させて、潮が変わるのを待つほかなかった。 テムズの河口湾は、ここから果てしない水路が始まるというように、私たちの眼の前に延びていた。沖のほうでは海と空とが境い目なく溶け合っている。そこの光の広がりの中では、潮に乗ってのぼってくる平底帆船の、赤茶色のするどく尖った三角帆の群れも、ニスを光らせている斜桁も、止まっているように見えた。靄が漂っている岸辺の低地は海に向かって薄平たく消え入っていた。 上流のほうを振り返れば、グレイヴゼンドの町の上は空気が薄黒く、さらにその向こうでは薄黒い空気がこごって陰鬱な闇となり、じっと動くことなく、地上最大の最も素晴らしい都市[ロンドン]の上にのしかかっているように見えた。 私たちをこの船に招待してくれた船長は、いくつかの会社で重役をしている人物である。船首に立って海のほうを見ているこの男の背中を、私たち四人は親愛の情をこめて眺めていた。河のどこを見ても、彼のうしろ姿ほど海と船の世界を強く感じさせるものはない。ちょうど水先案内人のようだが、水先案内人といえば、船員にとっては“頼もしさ”が服を着て歩いているようなものだ。そんな彼の職場がこの光り輝く河口湾ではなく、背後の陰鬱な闇の中にあるというのは実感が湧きにくかった。 すでにどこかで話したとおり、私たちには海という絆があった。だから長く会わずにいても互いの心が離れてしまうことはなかったし、一人が長い体験談を語り始めたり、信念のようなものを語りだしても、寛容な気持ちで聴いていられるのだった。 仲間の一人、弁護士殿は、齢と徳を重ねた敬愛すべきご老体なので、この甲板に1枚だけある敷物に寝そべり、一つだけあるクッションを枕にしていた。会計士はすでにドミノの箱を出し、牌で積み木遊びのようなことをしている。マーロウは、船尾にあぐらをかいて座り、後部マストにもたれていた。頬がこけ、顔色は黄味がかり、背筋がぴんと伸びている姿には、苦行僧の趣があり、両腕を脇に垂らして手のひらをこちらに向けているところは、異教の偶像に似ていた。船長である重役は、錨がしっかり効いているのを確かめると、私たちのいる船尾へやってきて腰をおろした。 私たちは二言三言、とくに意味のない言葉を交わした。そのあとは、船上に沈黙がおりた。なぜか私たちはドミノのゲームを始めなかった。みんな何となく瞑想にふける気分になり、静かにあたりを眺めるほか、何もする気になれなかったのだ。 1日は穏やかで澄みきった美しい光輝の中で終わろうとしていた。水面は穏やかに輝き、空は一片の染みも浮かべることなく優しい清浄な光を無限に広げていた。河の北に広がるエセックス地方の湿原を覆う霞は光沢のある薄絹のようで、その薄絹は内陸の樹の繁った高台から流れ落ちて、半透明のひだを岸辺の低地に垂らしていた。ただ西の河上のほうに垂れ込めた薄闇だけが、太陽が近づいてくるのに対して腹を立てているかのように、刻一刻と陰気な暗さを増してきた。(中略) 私たちのように、いわゆる“海を職場とする”ことを敬意と愛着を持って経験した者には、テムズの河口湾を眺めて過去の偉大な精神を心に呼び起こすことはいともたやすいことだ。干満をくり返して休みなく奉仕を続ける大河の流れは、船乗りたちを憩いの場である家庭へ帰したり、闘いの場である海へ送り出したりしてきた記憶に満ちている。その流れはこの国が誇りとする男たちを一人残らず知り、彼らに奉仕してきたのだ。 サー・フランシス・ドレイクからサー・ジョン・フランクリンに至るまでのそうした男たちは、その称号を持つ持たないに拘らず、全員が騎士…海を遍歴する偉大な騎士たちであった。(中略) 彼らはデットフォード、グリニッジ、イアリスなどの港から出航していった…探検家、植民者、海軍の艦艇、取引所に所属する会社の商船、船長、提督、東洋貿易にこっそり携わる“もぐりの商人”、東インド会社商船団から委託を受けた“よろず商人”。黄金を手に入れようとした者も、名誉を追い求めた者も、みなこの河の流れに乗って出発した。 剣を帯び、しばしば松明を携え、この国の覇者の使いとして、また信仰の聖火の光を運ぶ者として。およそ偉大なるものはすべてこの河の引き潮に乗り、未知なる土地の神秘の中へと入っていったのだ!…人々の夢も、入植地の種も、帝国の萌芽も。ウーム ターナーの絵画のような趣きがあるし、このゆったりとした低速運転の文体は、よっぽど暇でないと、読みきれないかも(笑)先日、読んだ辻原登著『闇の奥』です。【闇の奥】辻原登著、文藝春秋、2013年刊<「BOOK」データベース>より太平洋戦争末期、北ボルネオで、気鋭の民族学者・三上隆が忽然と姿を消した。彼はジャングルの奥地に隠れ住む矮人族(ネグリト)を追っていたという。三上の生存を信じる捜索隊は、ジャングルの奥地で妖しい世界に迷い込むー。ジョセフ・コンラッド『闇の奥』に着想を得、その思想を更に発展させた意欲作。2011年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。<読む前の大使寸評>ジョセフ・コンラッド『闇の奥』を予約したつもりが、この本だった。でも面白そうだから…ま いいか♪<読始めの大使寸評>紀伊半島の土蜘蛛と呼ばれる先住人、アイヌのコロポックル伝説などは、体を大きくしたり小さくしたりする島嶼化現象と呼ばれているそうである。台湾、フィリピン諸島、マレー半島、ボルネオ、アンダマン諸島のネグリト(小人族)は、ヒマラヤ褶曲の東南方向の線にそって分布していると著者は指摘する。更に、ネグリトは、ジャワ原人でも、北京原人でもネアンデルタール人でも、ましてや現代人の系統に属するものではなくて、もうひとつの独立した系統ではないかと著者は話を紡いでいくのです。<図書館予約:(5/06予約、5/12受取)>rakuten闇の奥『闇の奥』2『闇の奥』1
2019.05.27
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今回借りた4冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「予約本」でしょうか♪<市立図書館>・読書歯車のねじまき仕事・トランスヒューマンガンマ線バースト童話集・ジョセフ・コンラッド『闇の奥』・ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと<大学図書館>(今回はパス)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)************************************************************【読書歯車のねじまき仕事】椎名誠著、本の雑誌社、2005年刊<商品説明>より日本と世界を縦横斜めに駆けめぐる椎名誠の、旅と読書のエッセイ集。本を抱え、ラオス、ベトナム、カンボジア、阿寒湖から有明海、パラグアイを駆け抜けてブラジル奥地へと旅立つシーナ。エッセイに加え、昨年半年にわたって行われた書店でのトークショーも録り下ろしで掲載。(武)<読む前の大使寸評>椎名誠の選ぶ探検本が渋いというか、ええでぇ♪rakuten読書歯車のねじまき仕事************************************************************【トランスヒューマンガンマ線バースト童話集】三方行成著、早川書房、2018年刊<「BOOK」データベース>よりはるか未来、あるところにシンデレラという人類の進化系=トランスヒューマンの少女がおりました。“魔女”から拡張現実ドレスを与えられた彼女はカボチャ型飛行体に乗り、お城の舞踏会へ向かいます。しかしその夜、空から宇宙最強の爆発・ガンマ線バーストの閃光が降り注ぎー「地球灰かぶり姫」ほか「竹取戦記」「スノーホワイト/ホワイトアウト」など、古典に最新の想像力を配合した童話改変SF全6篇を収録。超個性派による第6回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作!<読む前の大使寸評>J・G・バラードや村上龍のえがくディストピアもいいが、そればっかりだと疲れるので・・・このSFを借出し予約したのでおます。<図書館予約:(2/16予約、5/26受取)>rakutenトランスヒューマンガンマ線バースト童話集************************************************************【闇の奥】コンラッド著、光文社、2009年刊<「BOOK」データベース>より船乗りマーロウはかつて、象牙交易で絶大な権力を握る人物クルツを救出するため、アフリカの奥地へ河を遡る旅に出た。募るクルツへの興味、森に潜む黒人たちとの遭遇、底知れぬ力を秘め沈黙する密林。ついに対面したクルツの最期の言葉と、そこでマーロウが発見した真実とは。<読む前の大使寸評>先日、間違って辻原登著『闇の奥』を先に読んだのだが・・・今度は本物の『闇の奥』にとりかかるわけでおます。<図書館予約:(5/23予約、5/26受取)>rakuten闇の奥************************************************************【ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと】池内紀、他著、新潮社、2013年刊<「BOOK」データベース>より『モモ』『はてしない物語』ほかファンタジー物語の傑作を残した作家エンデの人生、そして現代人に伝え続けたメッセージとは。待望のエンデ入門。<読む前の大使寸評>ビジュアルな「とんぼの本」シリーズなので、絵本作家エンデを知るには最適ではないか♪rakutenミヒャエル・エンデが教えてくれたこと********************************************************とまあ・・・・抜き打ちのように、関心の切り口を残しておくことも自分史的には有意義ではないかと思ったわけです。図書館大好き374
2019.05.27
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図書館に予約していた『極夜行』という本を、待つこと5ヵ月でゲットしたのです。昨年末のETV特集『極夜 記憶の彼方へ~角幡唯介の旅~』を観たのだが、壮絶な内容であった。…で、イラチな大使はこの本の図書館借出しを予約していたのです。【極夜行】角幡唯介著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>よりひとり極夜を旅して、四ヵ月ぶりに太陽を見た。まったく、すべてが想定外だったー。太陽が昇らない冬の北極を、一頭の犬とともに命懸けで体感した探検家の記録。<読む前の大使寸評>昨年末のETV特集『極夜 記憶の彼方へ~角幡唯介の旅~』を観たのだが、壮絶な内容であった。…で、イラチな大使はこの本の図書館借出しを予約していたのです。<読始めの大使寸評>このドキュメンタリーは連れ合いの出産場面から始まるのだが、予想が外れるわけで異色である。なるほど命がけの探検のプロローグとしては、繋がっていると言えるのかもしれないですね。どちらも光に注目して描いています。<図書館予約:(12/02予約、5/06受取)>rakuten極夜行「太陽」の再来を、見てみましょう。p311~314<太陽> ベンチレーターから外をのぞくと地吹雪で白い雪煙がまき立ち、視界は決して良くなかった。暴風時特有の空間の奥からとどろくような轟音は聞こえてこないが、風はテントを揺らしており、そこそこの強さであることはうかがえた。 しかし、何しろここ数日は尋常じゃない暴風に晒されてきたので、ちょっとやそっとのレベルの強風はそよ風に思えてしまう。ただ、これでは出発しても視野が悪くて太陽は見られないかもしれない。私は少し落胆したが、しかしこのときの私は、もうほとんど太陽を見ることを断念していた。 ところが、朝食のラーメンを作っている最中、外の状態に突然の変化が見られた。それまで地吹雪で白い闇に閉ざされて薄暗かったのが、急に明るくなり、テントの黄色い生地に薄い光が当り始めたのだ。 もしかしたら太陽が出ているんじゃないだろうか。 唐突な変化に私は戸惑い、高揚した。明るさはじわじわ強まっていき、まるで世界が全体的に黄金色に染まっていくような感じになり、それに伴い、気のせいか優しい温もりのようなものまで感じられた。その温もりはコンロの火とは明らかに性質の異なる熱のあり様をしており、周辺の空気全体がまるごと柔らかいオブラートでつつみこまれたような温かみだった。もうそんな温かみがあることを、私はすっかり忘れていた。 私は興奮気味に準備をすすめた。たぶん太陽が出ている、太陽が出ているぞ、と思った。最初の太陽の光は絶対に全身で浴びたかったので、あえてベンチレーターから様子を見ることはしなかった。急いで朝食を掻きこみ、防風服を着て、ゴアテックスのパンツを穿き、靴下を替え毛皮靴をはいた。 その間にもテントのまわりはますます明るくなり、眩しい光につつまれていった。コンロの火を消し。荷物をまとめ、あ、そうだ、亀川さんから最初の太陽は絶対に撮影してくれと言われていたんだと思い出し、コンパクトカメラの電源も入れた。そして入口の吹き流しをあけて外に出た。 その瞬間、強烈な眩しさに私は顔をしかめた。 テントの前で巨大に丸かった。唖然とするほど巨大だった。こんな大きな太陽は今まで見たことがなかった。フレアする巨大な火の玉だった。そう、私にはそれはごうごうと燃えさかる火の玉に見えたのだ。大きくて、温かくて、圧倒的で、信じられないほど丸々とした美しい太陽が、猛り狂った火の玉となって、核融合してエネルギーを爆発させて、真正面から金色の光を私に注いでいた。「わあ…すげえ…。太陽だぁ…」 私は子供のような、呆けた声を漏らした。『極夜行』3:「最北の村」の続き『極夜行』2:イヌイットとのファーストコンタクト『極夜行』1:東京医科歯科大学附属病院分娩室
2019.05.26
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図書館に予約していた『ナイン・ストーリーズ』という文庫本を、待つこと6日でゲットしたのです。この本は『ライ麦畑の反逆児』という映画を観たあと、イラチな太子が図書館に借出し予約を入れてゲットしたものです。何というか、ミーハーというか(汗)【ナイン・ストーリーズ】ジェローム・デーヴィド・サリンジャー著、ヴィレッジブックス、2012年刊<「BOOK」データベース>よりサリンジャーが遺した最高の9つの物語。35年ぶりの新訳。【目次】バナナフィッシュ日和/コネチカットのアンクル・ウィギリー/エスキモーとの戦争前夜/笑い男/ディンギーで/エズメにー愛と悲惨をこめて/可憐なる口もと緑なる君が瞳/ド・ドーミエ=スミスの青の時代/テディ<読む前の大使寸評>この本は『ライ麦畑の反逆児』という映画を観たあと、イラチな太子が図書館に借出し予約を入れてゲットしたものです。何というか、ミーハーというか(汗)<図書館予約:(5/15予約、5/21受取)>rakutenナイン・ストーリーズ「笑い男」の冒頭を、ちょっとだけ見てみましょう。p92~96<笑い男> 1982年、9歳だった僕は、最大級の組織愛を胸に、コマンチ・クラブなる団体に属していた。毎日放課後3時に、僕たち25人のコマンチ族を、僕たちの族長が、109丁目のアムステルダム・アベニュー付近、公立165番校の男子用出口の外まで迎えにきた。 僕たちが押しあいへしあいチーフの再改造バスに乗り込むと、チーフは僕たちを(僕たちの両親との金銭的取り決めに従って)セントラルパークへ連れていった。日が暮れるまで、天気が悪くないかぎり、僕たちは季節に合わせてフットボールかサッカーか野球をやった。雨の日にはいつうも、自然史博物館かメトロポリタン美術館にチーフは僕たちを連れていった。 毎土曜日と、祭日の大半、チーフは朝早く僕たちのアパートメントを回って僕たちを拾い、廃車としか見えないバスで僕たちをマンハッタンの外の、都心と比べれば広々としたヴァン・コートラント公園かパリセーズに連れ出した。僕たちの頭がひたすらスポーツに染まっているときは、運動場が正規の広さで、相手チームに乳母車も杖をついた怒り狂うお婆さんも混じっていないヴァン・コートラントに行った。僕たちコマンチの心がキャンプに向かっているときは、パリセーズに行ってとことん原始的にやった。 コマンチ族から解放されているとき、チーフはウタテン島在住のジョン・ゲザツキーだった。おそろしく内気な、心優しい若者で、年は22か23、ニューヨーク大学で法律を学ぶ、誰の記憶にも残る人物だった。彼の数々の業績や美徳をここでくどくど述べるのは控えよう。ごく簡単に、彼がイーグルスカウトであったこと、フットボールでは1926年にタックルとして全米チームにあと一歩で加わるところだったこと、野球でもニューヨーク・ジャイアンツの入団テストに丁重に招かれたという情報が流通していたことに触れるにとどめよう。 僕たちがくり広げる狂乱のスポーツ試合においては公平無私にして冷静沈着な審判であり、焚火を熾すのも消すのも名人級、応急手当にも熟練していてどんな怪我も決して見下さなかった。僕たちはみな、一番小さな悪ガキも一番大きな悪ガキも、残らず彼を愛し、尊敬していた。(中略) 僕たちコマンチは、物語の語り手としてのチーフの才能に大々的かつ自分勝手に依存した。その時間にはもう、僕たちは過度に興奮した、怒りっぽい一党と化していて、チーフに一番近い席に座ろうとしてたがいに争った。僕たちがひとまず落ち着いてからチーフはやっとバスに乗り込む。それから運転席にうしろ向きにまたがって、やや甲高い、だがいつもより低く落としたテナーの声で、「笑い男」の続きを話してくれるのだ。 ひとたびチーフの話がはじまったら、僕たちの興味は絶対に薄れなかった。「笑い男」はコマンチにうってつけの物語だった。そこには古典的な深みさえあったかもしれない。ややもすると、あちこちばらばらに広がってしまいかねない面もあったが、基本的にはコンパクトな、持ち運び可能な話だった。いつだって家に持って帰って、たとえばバスタブに座ってお湯を抜いている最中に思いをめぐらせることのできる物語だった。 裕福な宣教師夫妻の一人息子に生れた笑い男は、まだ赤ん坊のころに中国人の山賊にさらわれたのだった。裕福な宣教師夫妻が身代金の支払を拒むと、山賊たちは大いに感情を害し、赤子の頭を万力にはめて、しかるべきレバーを右に数回転させた。この数奇な体験の当事者は、髪のない、ピーカンナッツ形の頭をした大人に成長し、鼻の下には口の代わりに巨大な楕円形の空洞が広がっていた。 鼻自体は肉によってふさがれた孔二つだった。その結果、笑い男が息をすると、鼻の下の何ともおぞましい陰鬱な空洞が、僕が思い描くところある種の醜い腔のように拡張と収縮をくり返した。笑い男の恐ろしい顔を見て、知らない人間はたちまち卒倒した。知る者たちは彼を避けた。ところが、なぜか山賊の一味は彼が自分たちの隠れ家にとどまることを許した…ケシの花びらで作った、薄赤色のベールで顔を覆っているかぎり。 ベールのおかげで山賊たちは養い子の顔を見ずに済んだし、彼がどこにいるかも把握できた。このベールのせいで、笑い男はいつも阿片の匂いをぷんぷんさせていたのである。 毎朝、あまりの寂しさに、笑い男はひっそり隠れ家の周りの鬱蒼たる森に出かけていった。森で彼はあらゆる種の動物を数多く手なづけていた。犬、白マウス、鷲、ライオン、大蛇、狼。動物たちの前ではベールも外し、動物自身の言葉で優しく、歌うように話しかけた。動物たちは彼を醜いと思わなかった。(チーフがここまで話し進めるのに2ヵ月くらいかかった。ここからあとは、話の進め方もどんどん独断的になっていき、それで僕たちコマンチとしてもまったく異存はなかった)『ナイン・ストーリーズ』2:戦時中のイギリス『ナイン・ストーリーズ』1:バナナフィッシュ日和
2019.05.26
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図書館に予約していた『日本三文オペラ』という文庫本を、待つこと20日ほどでゲットしたのです。泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。(山本太郎議員の若き日の姿が、カッコイイのである)…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。【日本三文オペラ】開高健著、新潮社、1971年刊<「BOOK」データベース>より大阪の旧陸軍工廠の広大な敷地にころがっている大砲、戦車、起重機、鉄骨などの残骸。この莫大な鉄材に目をつけた泥棒集団“アパッチ族”はさっそく緻密な作戦計画をたて、一糸乱れぬ組織力を動員、警察陣を尻目に、目ざす獲物に突進する。一見徒労なエネルギーの発散のなかに宿命的な人間存在の悲しい性を発見し、ギラギラと脂ぎった描写のなかに哀愁をただよわせた快作。<読む前の大使寸評>泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。<図書館予約:(4/30予約、5/18受取)>amazon日本三文オペラアパッチ部落の歴史を、見てみましょう。p38~43<三> この廃墟のなかを城東線が横断していることはさきにいったが、その線路に沿って猫間川という名の運河がある。これは深くて、へりがほとんど崖といってもよい急勾配をもち、兵器工場時代には誰もちかづくことができなかった。この猫間川は城東線に沿って荒れ地のなかを横断し、もうひとつの平野川という運河にT字型にまじわっている。平野川のふちは崖にはなっていないが、そのかわり底知れないほどの泥がよどんでいる。フクスケが部落から出てガス管をつたってわたったのはこの川である。 この川をこして対岸の兵器工場跡へわたるためには、ガス管をつたうか、伝馬にのるしかない。弁天橋という橋がひとつあることはあるが、これは造兵廠の正面にあたり、財務局の分遣所である詰所があって警官や守衛が監視しているから、一応、使用できないということになる。が、ガス管をつたうことも伝馬にのせることもできないような、ジープの車輪をくっつけた“特車”をゆうゆうと部落からひっぱりだして対岸へもぐりこんだ連中もいることはすでにかいま見たとおりだから、弁天橋が使用できないというのは、あくまでは“一応は”ということにとどまりそうである。 ところで、部落だが、これもかなり奇怪なものである。いまの湿布部は平野川をわたる城東線の鉄橋の脚部から発生して、荒地の対岸の岸辺一帯にほぼ100軒、人数にして800人前後の人間が鶏小屋のような土の腫物のなかに住んでいる。もっとも、この部落の人口というのは、定数ではない。なぜなら、かなり多数にのぼる定住者もあることはあるが、さらに多数の人間は前科者、浮浪者、失業者、密入国者などであって、たえず風のように来ては水のように去ってゆき、外からみたのではなにがどうなっているのかまったくわからない。 管轄の東警察署と城東警察署の担当刑事の調書を読んでも、部落の内部事情についてはほとんど詳細が記されていないのである。部落の住人は刑事が入ってくるとたちまち警戒するし、工場跡で古鉄を盗んでいる現場を捕らえられて訊問されてもみんな黙秘権を行使するから、なにひとつとして知ることができない。そういう意味では、ここは“大阪のカスバ”ということができよう。が、住人の気質のなかには、飢餓線上の放浪者であるにもかかわらず定住者ではないから、横の連帯関係が発生する沈殿や腐敗の痕跡が見うけられることはあるまいという予想が当然生まれるが、これもおいおい観察していくこととしよう。 この苔のような部落が、いつごろ発生したのかはよくわからない。ずいぶん人を食った挿話がひとつつたわっているが、これもどこからどこまでほんとなのか、うそなのか、さっぱりわからない。が、それよりほかに説明のしようがないので書いてみる。まだこの界隈が戦後間もなくて、猫一匹住んでいない煉瓦と草の荒地だった頃、どこからか虫のような老婆がひとりやってきて虫のように住みはじめた。いまの住人は彼女のことをオキク婆さんと呼んでうわさする。しかしそれは、かりにオタキであってもオハナであってもべつにかまわないような婆さんであった。 婆さんは城東線の橋脚のしたにたたずんで、平野川の対岸の35万坪のぼうぼうとした日光と草と空を見たとき、すっかり無主物占有観念にとりつかれてしまった。彼女は古藁のような手足をつかって、そのような手足を入れるにじゅうぶんなだけの小屋を建てた。そして、たまさかの通りすがりの人間にむかって郷愁を訴えはじめた。何人かの人間がうんずくのを発見して、彼女はそれをくりかえすうちに、どうやら自分でも信じこんでしまうようになった。すくなくとも聞いた人間が彼女の言葉につよい確信を感じて、彼女の言葉を金にかえるようなところまで、彼女の表現は高まった。「…わても戦前はここでなァ」 と彼女は嘆いた。 行き場所に窮し果てて影のように町をうろついていた男たちはオキク婆さんの屋敷跡と彼女のしっかり者の亭主の工場跡に住みつくこととなった。彼女は一坪いくらなどとけちなことはいわず、とにかくひとりの男が住みたいと思うだけの場所を何坪でもかためて千円ぐらいから売りはじめ、ついにさいごは二万円というところまでせりあげた。口説いて、せりあげて、値切る相手をほどよくあしらって金がたまると、彼女はそれをもって、ある夜、消えた。まったく人を食った話である。 土地台帳の権利者名に署名捺印していた製薬業者の男が戦後数年の四苦八苦をどうやらきりぬけてもとの土地に帰ってきてみると、そこにはすでにどうにもこうにもこれ以上てんらくしようのあい、惨憺たる男や女や子供が、フジツボのようにみすぼらしいがしかしガッチリと土にしがみつき、おしあいへしあい尿と汗の匂いをたてて暮らしていた。(中略) ガンとなぐった男が鉄橋をわたって部落へもどってから、部落の住人800人、子供から老婆までひとり残らずが泥棒になるまでは、あまり時間がかからなかった。子供がドンゴロスの袋をもって屑鉄をひろいにいき、2時間ほどしてもどってきてから古鉄仲買人の仕切り屋のところへもっていくと、一貫が60円で売れた。部落民たちは守衛と警官と財務局と法律の存在を知りぬいていたが、一日に一食かせいぜい一日にニ食、それも眼が映るほど薄く心細いおかゆしか食べられない胃袋、何回経験をかさね、何度闘争しても、いつまでたっても慣れることができず、新鮮な、痛烈な傷口をひらく飢えを35万坪の物量のまえでだまらせておくこよはできなかった。 彼らは自分たちの不法行為を無主物占有観念で支え、官僚への不信で裏打ちし、すみからすみまで精神と道具で武装して荒地へかけこんだのである。『日本三文オペラ』3:川太郎(がたろ)の実態『日本三文オペラ』2:アパッチ部落への侵入『日本三文オペラ』1:冒頭の語り口
2019.05.26
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<図書館予約の軌跡176>『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・三浦しおん「愛なき世界」(11/25予約、副本23、予約366)現在75位・多和田葉子「献灯使」(12/09予約、副本4、予約94)現在38位・堀江貴文「これからを稼ごう」(1/12予約、副本7、予約68)現在14位・日本が売られる(2/05予約、副本22、予約354)現在197位・多和田葉子『地球にちりばめられて』(2/18予約、副本3、予約34)現在20位・『AI VS.教科書が読めない子どもたち』(2/22予約、副本23、予約302)現在182位・樹木希林『一切なりゆき』(2/27予約、副本17、予約613)現在430位・天子蒙塵・第三巻(3/25予約、副本11、予約47)現在8位・そしてバトンは渡された(4/19予約、副本22、予約1036)現在996位・池澤夏樹『科学する心』(5/11予約、副本4、予約5)現在9位・辻惟雄『奇想の系譜』(5/18予約、副本5、予約44)現在43位・巨大ブラックホールの謎(5/28予約、副本5、予約6)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)<予約候補>・リチャード・ノース・パタースン『子供の眼』・J・G・バラード『クラッシュ』・E・スエンソン『江戸幕末滞在記』・柳美里『ねこのおうち』・書物の破壊の世界史・三橋貴明『日本経済2020年危機』・領土消失 規制なき外国人の土地買収・多和田葉子「エクソフォニー」・高橋源一郎『読んじゃいなよ』・銃・病原菌・鉄(上)・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・八画文化会館vol.6 総力特集:レトロピア岐阜:図書館未収蔵・「月夜のでんしんばしら」谷川雁、C.W.ニコル:図書館未収蔵・Coloring in Wadaland―和田誠カラー作品集:図書館未収蔵・阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』:芸工大に収蔵・阿刀田高『裏声で歌へ君が代』・重松清『ビタミンF』:阿刀田さんが「セッちゃん」をお奨め・デジタルエコノミーはいかにして道を誤まるか:図書館未収蔵・カズオ・イシグロ著『癒されざる者たち』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』・ボリス・ヴィアン著『うたかたの日々』:芸工大に収蔵・『排除と抵抗の郊外 フランス〈移民〉集住地域の形成と変容』・禁じられた歌(田)<予約分受取:4/27以降> ・梅原猛『隠された十字架』(4/07予約、4/27受取)・古処誠二『ニンジアンエ』(4/26予約、4/29受取)・角幡唯介「極夜行」 (12/02予約、5/06受取)・村上春樹『羊をめぐる冒険』(5/02予約、5/06受取)・大東建託の内幕(1/06予約、5/06受取)・『闇の奥』(5/06予約、5/12受取)・小林ふみ子『へんちくりん江戸挿絵本』(5/07予約、5/12受取)・開高健『日本三文オペラ』(4/30予約、5/18受取)・サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』(5/15予約、5/21受取)・トランスヒューマンガンマ線バースト童話集(2/16予約、5/26受取)・ジョセフ・コンラッド『闇の奥』(5/23予約、5/26受取)【愛なき世界】三浦しをん著 、中央公論新社、2018年刊<「BOOK」データベース>より恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/25予約、副本23、予約366)>rakuten愛なき世界【献灯使】多和田葉子著、講談社、2014年刊<「BOOK」データベース>より鎖国を続ける「日本」では老人は百歳を過ぎても健康で、子供たちは学校まで歩く体力もないー子供たちに託された“希望の灯”とは?未曾有の“超現実”近未来小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/09予約、副本4、予約94)>rakuten献灯使【これからを稼ごう】堀江貴文著、徳間書店、2018年刊<出版社>よりお金は変わる。そしていずれ「なくなる」--。2017年、バブルを迎えた仮想通貨市場。だが、その本質は投機対象でも決済手段でも、あるいはブロックチェーンという技術革新ですらない。お金という存在の正体に皆が気づき始めたことこそが、革命なのだ。ビットコインが目指した自由、イーサリアムがもたらす大変革、そして新しく訪れる個人と会社・国家との関係性とは。仮想通貨から学ぶ「これからの経済学」。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/12予約、副本7、予約68)>rakutenこれからを稼ごう【日本が売られる】堤未果著、幻冬舎、2018年刊<「BOOK」データベース>より水と安全はタダ同然、医療と介護は世界トップ。そんな日本に今、とんでもない魔の手が伸びているのを知っているだろうか?法律が次々と変えられ、米国や中国、EUなどのハゲタカどもが、我々の資産を買い漁っている。水や米、海や森や農地、国民皆保険に公教育に食の安全に個人情報など、日本が誇る貴重な資産に値札がつけられ、叩き売りされているのだ。マスコミが報道しない衝撃の舞台裏と反撃の戦略を、気鋭の国際ジャーナリストが、緻密な現場取材と膨大な資料をもとに暴き出す!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/05予約、副本22、予約355)>rakuten日本が売られる【地球にちりばめられて】多和田葉子著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る―。言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/18予約、副本3、予約34)>rakuten地球にちりばめられて【AI VS.教科書が読めない子どもたち】新井紀子著、東洋経済新報社、2018年刊<「BOOK」データベース>より大規模な調査の結果わかった驚愕の実態ー日本の中高校生の多くは、中学校の教科書の文章を正確に理解できない。多くの仕事がAIに代替される将来、読解力のない人間は失業するしかない…。気鋭の数学者が導き出した最悪のシナリオと教育への提言。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/22予約、副本23、予約302)>rakutenAI VS.教科書が読めない子どもたち【一切なりゆき】樹木希林著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より「求めすぎない。欲なんてきりなくあるんですから」心に沁みる希林流生き方のエッセンス!【目次】第1章 生きること/第2章 家族のこと/第3章 病いのこと、カラダのこと/第4章 仕事のこと/第5章 女のこと、男のこと/第6章 出演作品のこと<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/27予約、副本17、予約613)>rakuten一切なりゆき【天子蒙塵・第三巻】浅田次郎著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より運命に導かれ、それぞれの楽土を目指せ。満洲の怪人・甘粕正彦、男装の麗人・川島芳子、欧州に現れた吉田茂。昭和史最大の事件「日中戦争」前夜、大陸に野望を抱き、夢を掴もうとする者たちが動き出す。そして、希望の光をまとい、かつての英雄が中原のかなたに探し求めた男がついに現れた。その名はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/25予約、副本11、予約47)>rakuten天子蒙塵・第三巻【そしてバトンは渡された】瀬尾まいこ著、文芸春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。<読む前の大使寸評>図書館予約1036位ってか・・・・1年近く待つんやろか?<図書館予約:(4/19予約、副本22、予約1036)>rakutenそしてバトンは渡された【科学する心】池澤夏樹、集英社インターナショナル、2019年刊<「BOOK」データベース>より大学で物理学科に籍を置いたこともある著者は、これまでも折に触れ、自らの作品に科学的題材を織り込んできた。いわば「科学する心」とでも呼ぶべきものを持ち続けた作家が、最先端の人工知能から、進化論、永遠と無限、失われつつある日常の科学などを、「文学的まなざし」を保ちつつ考察する科学エッセイ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/11予約、副本4、予約5)>rakuten科学する心【奇想の系譜】辻惟雄著、小学館、2019年刊<「BOOK」データベース>より江戸絵画ブームの原点となる名著が、オールカラー完全版として新登場!又兵衛/山雪/若冲/蕭白/芦雪/国芳―アヴァンギャルドな絵師たちの江戸絵画を約130点も掲載!!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/18予約、副本5、予約44)>amazon奇想の系譜【巨大ブラックホールの謎】本間希樹著、講談社、2017年刊<「BOOK」データベース>より 200年以上前にその存在が予言されながら、いまだ多くの謎に包まれており、厳密にはその存在すら確認されていない。一般相対性理論による理論的裏付けから1世紀、「ブラックホール」という命名から半世紀、人類はついに「黒い穴」を直接見る力を手に入れようとしている。最新望遠鏡が解き明かす、巨大ブラックホールの謎を第一人者が解説する。【目次】第1章 ブラックホールとは何か?/第2章 銀河の中心に潜む巨大な穴/第3章 200年前の驚くべき予言/第4章 巨大ブラックホール発見前夜/第5章 新しい目で宇宙を見るー電波天文学の誕生/第6章 ブラックホールの三種の神器/第7章 宇宙は巨大ブラックホールの動物園/第8章 巨大ブラックホールを探せ!/第9章 進む理解と深まる謎/第10章 いよいよ見える巨大ブラックホール<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/18予約、副本5、予約44)>rakuten巨大ブラックホールの謎【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の軌跡175予約分受取目録R19好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。
2019.05.25
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まだ日本の文壇に、日本人SFというジャンルが形成される前だったけど・・・小松左京の「日本アパッチ族」を読んだが、その荒唐無稽な面白さは衝撃的であった。・・・ということで、アパッチ族絡みの小説や映画を集めてみました。・日本三文オペラ・さよなら小松左京・地中の廃墟から・SF魂・血と骨・夜を賭けて・日本アパッチ族(復刻版)R1:『日本三文オペラ』を追加、全面見直し*********************************************************************** <『日本三文オペラ』>図書館に予約していた『日本三文オペラ』という文庫本を、待つこと20日ほどでゲットしたのです。泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。(山本太郎議員の若き日の姿が、カッコイイのである)…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。【日本三文オペラ】開高健著、新潮社、1971年刊<「BOOK」データベース>より大阪の旧陸軍工廠の広大な敷地にころがっている大砲、戦車、起重機、鉄骨などの残骸。この莫大な鉄材に目をつけた泥棒集団“アパッチ族”はさっそく緻密な作戦計画をたて、一糸乱れぬ組織力を動員、警察陣を尻目に、目ざす獲物に突進する。一見徒労なエネルギーの発散のなかに宿命的な人間存在の悲しい性を発見し、ギラギラと脂ぎった描写のなかに哀愁をただよわせた快作。<読む前の大使寸評>泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。<図書館予約:(4/30予約、5/18受取)>amazon日本三文オペラ『日本三文オペラ』3:川太郎(がたろ)の実態『日本三文オペラ』2:アパッチ部落への侵入『日本三文オペラ』1:冒頭の語り口***********************************************************************【さよなら小松左京】小松左京著、徳間書店、2011年刊<「BOOK」データベースより>新発見の短篇小説やラジオ台本や創作ノートに鼎談・インタビュー、多種多様な友人・関係者の証言などで構成する永久保存版パーフェクトガイド。手塚治虫との貴重な対談CD付。 <大使寸評>小松左京といえば、処女長編作品の「日本アパッチ族」の面白さが衝撃的であった。「日本沈没」などの大作もあるが、大使にとってのベストは「日本アパッチ族」になるのです。大阪在住の小松さんだから書けたSFだったかも知れないですね。漫才の原稿や漫画も書いた小松さんであるが・・・・多芸、多彩な関西人だったと思うのです。大阪万博のプランナーとして、梅棹忠夫や岡本太郎と親交があったようだが・・・SF作家の枠に収まりきらなかった人である。さよなら小松左京♪amazonさよなら小松左京この本から「日本アパッチ族」の個所を紹介します。<「日本アパッチ族」>p52~54 「日本アパッチ族」は1964年に光文社より刊行された、書き下ろしの処女長編作品。 物語誕生の経緯は『小松左京自伝』(日本経済新聞出版社)に詳しい。 小松さんは1958年に下山克美さんと結婚する。が、当時は貧乏暮らしなのに超多忙で帰りは午前様という日々。克美さんは毎晩、ラジオを聴きながら独り寂しく小松さんの帰りを待っていた。ある日、部屋から大切なラジオが消えていた。「とうとう質屋に行ったか」と思った小松さんは(実は修理に出していた)、不憫な奥さんを喜ばそうと「ラジオドラマのような面白い物語を妻のために書こう」と決意する。そして「大阪新聞」に掲載された「大阪にアパッチ族現る」という記事をヒントに、200字詰め原稿用紙に毎日15枚ずつ書いて克美さんに見せるようになった。 半分くらいまで書いたところで、そのまま放ったらかしにしていた。やがて友人のつてで光文社に持ち込んだところ、面白いから完成させろということになった。 舞台は大阪。大阪城のふもとの陸軍砲兵工廠跡地に「追放地」があった。そこには鉄を食べるアパッチと呼ばれる集団がいた。というストーリー。 幾枚かにわたる構想ノートは1960年頃に書かれたものと思われる。(中略) ノートを見ると小松さんは鉄を食べることのメカニズムを重要視していたことがわかる。『小松左京自伝』では「鉄の代謝プロセスもだいぶ考えられましたか」の質問に対し、「いろいろね。うちは男兄弟5人、女1人なんだけど、兄弟のうち3人が京大工学部の冶金なんだ。過酸化鉄がどうの、鉄分がどうのという知識は弟たちから聞いた」と語っている。***********************************************************************【地中の廃墟から】河村直哉著、作品社、1999年刊<「BOOK」データベースより>大阪城公園の地下には、アジア最大の兵器工場の廃墟がいまも眠っている。45人の記憶の中の歴史―どのような意識で膨大な死者を生み出し、そして忘却したのか。 <読む前の大使寸評>大阪城公園から何を連想するかといえば、大使の場合は「日本アパッチ族」を通じて知った大阪砲兵工廠になるわけです。今では、広大な公園の中に工廠を示す構造物はほぼ消滅していて・・・・この本などでよすがを偲ぶしかないようです。Amazon地中の廃墟からこの本の一部を紹介します。<工廠跡の闇―アパッチ族>p208~210 「戦後」は加速する。 1955年、自由民主党が結成され55年体制が成立した。神武景気といわれる大型景気の時代に入り、56年の経済白書には有名な「もはや戦後ではない」という言葉が登場する。日本は高度成長の明るい坂道をかけのぼっていく。 ぼくは今日も、大阪城公園、大阪ビジネスパーク、森之宮、そして京橋を歩いている。それは、ぼくの一部になっている。忘れられた地、ごまかされた地、欲望の発熱するような地。この日本で、前々からそれはぼくの一部だった。 東京タワーが完成し、長嶋茂雄がデビューした58年。この明るい日本の夜な夜な、公園整備が本格化していた大阪砲兵工廠の跡地の闇に、男たちがあらわれるようになる。男たちは組を作り、立ち入り禁止の一帯から金属類を掘り出した。新聞は、当時人気のあった西部劇にちなんで、彼らを「アパッチ族」と名づけた。 ほとんどは在日韓国・朝鮮の人たちだった。日本の復興から繁栄の正史の裏で、在日の人たちの戦いが工廠の跡地に刻まれていくことになる。在日二世の作家、梁石日さんもアパッチとして跡地に忍び込んだ。 こわいですよ、夜の工廠の跡は。あっこはね、ふつうの人は入らないからね、あんなとこ。あれはもうほんとに、昼、あの横通っていくでしょ、環状線かなんかで。昼見ても気持ち悪い。広大だしね。もう瓦礫の山ですからね。夜なんかは、もう。 戦後13年ですか。(市内には)もう焼け跡とかなかったです。廃墟っていうのはあそこぐらいのもんじゃないかな。当時ね、第二寝屋川をはさんだ工廠の対岸にアパッチ部落があってね。朝鮮人集落ですけどね。バラックですよ。貧しい。朝鮮料理の香辛料のにおいとか、それから共同便所だから、そんなにおいとかね。夜、そこに集まって、弁天橋のあたりから忍び込むんです。***********************************************************************【SF魂】小松左京著、新潮社、2006年刊<「BOOK」データベースより>『復活の日』『果てしなき流れの果に』『継ぐのは誰か?』―三十一歳でデビューするや、矢継ぎ早に大作を発表し、『日本沈没』でベストセラー作家となった日本SF界の草分け的存在。高橋和巳と酒を酌み交わした文学青年が、SFに見た「大いなる可能性」とは何か。今なお輝きを失わない作品群は、どのような着想で生まれたのか。そして、意外に知られていない放送作家やルポライター、批評家としての顔―。日本にSFを根付かせた“巨匠”が語る、波瀾万丈のSF半生記。 <大使寸評> 「アパッチ族」アンソロジーとして、小松左京を再発見したのであるが・・・・その余勢を借りて、この本を手にしたわけです。学生時代から高橋和巳と友人だったそうだが・・・・奇遇というか、多彩な小松が見えます。amazonSF魂***********************************************************************「日本アパッチ族」を読んだ後で、そのアパッチ族として生きてきた作家の梁石日さんを知ったわけですが・・・・梁石日さんの自伝をもとにした映画が2本、作られていています。「夜を賭けて」のほうはまだ観ていないが、大阪砲兵工廠跡地の攻防が描かれているようです。【血と骨】崔洋一監督、 2004年制作、H24.4.24観賞<goo映画解説より>1923年。成功を夢見て祖国から大阪へ渡った少年・金俊平。朝鮮人集落での裸一貫の船出から、持ち前の腕力と上昇志向で自分の蒲鉾工場を構えるまでにのし上がった俊平だが、並外れた凶暴さと強欲さで悪名も高く、家族までがその存在を怖れていた。俊平の息子・正雄は、父を「頭のおかしいオッサン」と軽蔑しつつ、その巨大さに憧憬とも畏怖ともつかない感情を抱く。そんな折、俊平の息子を名乗る武という青年が現れ、金家に転がり込んで好き勝手に暮らし始める。俊平の存在にびくともしない武の姿に、正雄は羨望の眼差しを注ぐが…。<大使寸評>タケシならではの凶暴な父親役が圧巻であり、これほど欲望のおもむくままの人生もあったのかという感じですね。怒りにまかせて家を壊すような、破壊力がすごーい♪また、チョイ役ではあったが、若き日の(今でも若いが)オダギリジョーが息子役を好演しています。goo映画血と骨CinemaTopics血と骨***********************************************************************【夜を賭けて】金守珍監督、 2002年制作、日韓合作映画<goo映画解説より>1958年、大阪。かつて兵器工場だった広大な敷地は、戦時中に空襲に遭い、今は廃墟と化していた。そこは立ち入り禁止になっていたが、そんなのおかまいなしに鉄を掘り出し売る連中がいた。義夫をはじめとする“アパッチ”と呼ばれる彼らは川沿いに集落を構えて貧しい生活をしており、大金に換わる鉄は彼らにとっては重要な生活資金だったのだ。だが残骸とはいえ兵器の鉄は国有財産であるため、彼らは警察の目を盗み、夜の闇に紛れて作業していた。ますます強固になる警察の警備の間を縫い、今日も義夫たちは体を張って生きてゆく。<観る前の大使寸評>日韓合作映画のなかで、山本太郎が主演した異色の映画であるが、大学図書館でDVDを探してみよう。 助演の樹木希林、李麗仙、唐十郎、風吹ジュン、奥田英二もすごいメンバーである。goo映画夜を賭けて***********************************************************************「日本アパッチ族」の復刻版が出ているようですね。【日本アパッチ族(復刻版)】小松左京著、角川春樹事務所 、2012年刊<「BOOK」データベースより>終戦直後の大阪で、鉄を食べる人間が出現した。名は「アパッチ」。一日に平均六キロの鉄と0.2~0.6リットルのガソリンを摂取し、その肉体の強靭さとスピードは、人類をはるかに凌駕する。彼らはやがて全国へと拡がり、日本の政治、生産機構までも揺さぶるようになっていった…。小松左京の処女長篇にして、SFの枠を超えた永遠の名作が、ここに復活。<大使寸評>48年ぶりの復刻というのも凄いではないか♪表紙の絵もそれなりにいいのだが・・・・1964年に読んだときのイメージと何だか違うのだ。ま いいけどね。rakuten日本アパッチ族(復刻版)どんなSFも“科学的嘘っぱち”という側面があるのだが…小松さんのSFには、それに加えて大阪という地域性(奔放さというか、ごっついというか)が見えていて、たまらないのでおます。
2019.05.25
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図書館で『カズオ・イシグロ』という本を、手にしたのです。カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞したのは2017年であるが、2011年にこれだけの本(本邦初のイシグロ論とのこと)が出ていたことに驚くわけでおます。【カズオ・イシグロ】平井杏子著、水声社、2011年刊<「BOOK」データベース>よりデビュー作(『遠い山なみの光』)から最新作(『夜想曲集』)までの全作品をとりあげグローバルな作家の全貌にせまる。本邦初のイシグロ論。<読む前の大使寸評>カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞したのは2017年であるが、2011年にこれだけの本(本邦初のイシグロ論とのこと)が出ていたことに驚くわけでおます。amazonカズオ・イシグロ映画でも観た『わたしを離さないで』を、見てみましょう。p177~1826 座礁した船『わたしを離さないで』 『わたしを離さないで』(2005)の執筆にイシグロが初めて取りかかったのは、1990年のことであった。当初は、イングランドの田舎で集団生活をいとなむ若者たちが、核との遭遇によって未来を絶たれるという構想だったが、行き詰まって中途で断念した。さらに1995年に再度挑戦したがこれも中断、ようやく2000年に本格的な執筆を開始したが、このとき核のアイデアは捨てられ、クローンという新たなモチーフが生まれた。 イイグロはシンシア・ウォンとの対談で、その間の事情についてこう語っている。1990年に『わたしを離さないで』の執筆に初めて手を染めましたが、すぐに諦めました。自分のノートを読み返してみて驚きました。当時、と名づけたその作品のことを、わたしの妻などは、キャンパス・ノヴェルだと思っていたのです。しかし、それはまぎれもなく『わたしを離さないで』でした。田舎で暮らしているこのような奇妙な若者たちが、自分のことを学生と名乗っているのです。大学などどこにもないのに。そして、なにか奇妙な運命が彼らを苦しめ続けているのです。 さらに、そのときクローンのモチーフは使われていたのか、というウォンの問いには、いや、クローンは出てきませんでした。そこが肝心なところです。1990年の時点で、クローンなどという思いつきはありませんでした。わたしは核兵器か冷戦の心理構造を使って話を作ることを模索していました。彼らはなにか核のようなものに出くわし、命を絶たれる運命にあるのです。それはまさしく小説の萌芽のようなものでした。やがて、この計画は廃棄されました。その後、『充たされざる者』を書き、それから再挑戦しました。『わたしを離さないで』により近いものを書きましたが、ふたたびそれを捨てました。というのは、それ以上書き続けられなくなったからです。『わたしたちが孤児だったころ』を書いたあと、わたしはようやく『わたしを離さないで』を書いたのです。 と答えている。(中略) イシグロが、歴史をはじめ政治や科学など、小説の表層を覆う社会的な事象にはほとんど関心を抱いていないことについては、すでに繰り返し述べてきたが、『わたしを離さないで』についても、クローンやその背後に残存する核の問題は、プロットを推進させるための技術的な要素に過ぎず、これまでの作品と同様、「我々が自分の運命を受け入れ、その運命から尊厳を育てていこうとするといったテーマは同じです」というイシグロの言葉がある。 彼が敬意を抱くトルストイやドストエフスキーなど、19世紀の文豪たちが大テーマとした、という問題を、現代の文学において描くには、クローンやロボットやサイボーグのような、いわば新しい器に盛ることが技術的には役に立つと考えているのである。 しかし書き手の意図がたとえそうであっても、クローンという科学的、かつ先端的な素材が多くの読者に衝撃とともに誤解を与え、SF小説的な読みをする批評家が数多く現れたのも、また無理からぬことであった。『わたしを離さないで』に登場するクローンの少年、少女たちが、自分たちの境遇を宿命として享受し、人間への抵抗や脱走を試みないことを、この小説の弱点として指摘する批評家は、クローンやサイボーグやロボットと人間の対立構造を主題とする多くのSF作品と同列のものとしてこの小説を読み、『わたしを離さないで』のクローンが、人間のメタファーであることに着目しなかったのである。そういえば、村上龍の「歌うクジラ」にも階層化され、資質が劣化した新人類が登場するが・・・・この新人類もイシグロの描くクローン、リドリースコットが描くレプリカントを彷彿とさせるのです。クローンや異質な新人類が主人公となり自己を語るとは驚愕の視点であり・・・・これはもう、なんでもありのSFの領域というほかありませんね。 以前観た『わたしを離さないで』です。【わたしを離さないで】マーク・ロマネク監督、2010年英、米制作<大使寸評>クローン人間も一種のレプリカントであり、「ブレードランナー」フリークの大使にとっても観てみたい映画である。goo映画わたしを離さないでわたしを離さないでbyドングリ『カズオ・イシグロ』2:幻想の上海租界『カズオ・イシグロ』1:イシグロの育ったイングランドとイギリス文学
2019.05.25
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図書館に予約していた『日本三文オペラ』という文庫本を、待つこと20日ほどでゲットしたのです。泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。(山本太郎議員の若き日の姿が、カッコイイのである)…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。【日本三文オペラ】開高健著、新潮社、1971年刊<「BOOK」データベース>より大阪の旧陸軍工廠の広大な敷地にころがっている大砲、戦車、起重機、鉄骨などの残骸。この莫大な鉄材に目をつけた泥棒集団“アパッチ族”はさっそく緻密な作戦計画をたて、一糸乱れぬ組織力を動員、警察陣を尻目に、目ざす獲物に突進する。一見徒労なエネルギーの発散のなかに宿命的な人間存在の悲しい性を発見し、ギラギラと脂ぎった描写のなかに哀愁をただよわせた快作。<読む前の大使寸評>泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。<図書館予約:(4/30予約、5/18受取)>amazon日本三文オペラ大阪陸軍造兵廠や川太郎(がたろ)の実態を、見てみましょう。p34~36<三> …フクスケのまえの薄明のなかにひろがっていたのは魔窟の跡である。大阪市東区杉山町。ここには、もと、陸軍の砲兵工廠があった。戦争中、日本には七つの兵器工場があった。東京に二つ、相模、名古屋、大阪、小倉、朝鮮の仁川、それぞれにひとつずつ、あわせて七つあった。その七つのための下請工場は全国に散らばって無数にあり、無数の部分品を製造していただろう。 しかし、戦争を遂行するための主力はこの七ヶ所に集中し、この七ヶ所から生みだされたのである。そしてこの七つのうち、大阪陸軍造兵廠はもっとも規模が大きかった。ほとんど日本最大といっても過言ではあるまい。ということは、アジアでおそらく最大の兵器庫だったということだ。 敷地の総面積は、フクスケをたちすくませたのも当然だ。35万6500坪ある。このうち工場の建坪は12万坪という広大さである。この12万坪のなかには三つの大工場と、兵器研究所と技術者養成所があり、播磨、枚方、石見江津にそれぞれ傘下工場をもっていた。製品は薬莢、弾丸、小銃、大砲、戦車、軍用車輌など、ほとんど兵器全種におよんだ。明治12年から昭和20年の敗戦まで、66年かかって築きあげたのだ。 敗戦の年には約7万の人間がはたらいていた。数回の爆撃によって破壊されたが、そのさいごの決定的壊滅は昭和20年8月14日、終戦宣言発布の1日前、しかも白昼、すさまじい攻撃によって全滅した。公開された多くの記録によればポツダム宣言受諾はすでに1週間以前に決定されていたのだから、この35万坪の巨大な廃墟は軍閥政治家や天皇の、面子意識と優柔不断そのものをさらけだしているといえよう。 7万人の労働部隊のうち、何人が助かったのかわからない。しかし、8月14日の夕方に帰るべき人間が帰らなかった家は、大阪市内とその近郊に無数にあったはずだということは想像に苦しくない。無数の父と夫と兄と娘は狂気の馬鹿の虚栄心のためにまったくむだに四散した。 昭和20年の8月14日まで、大阪の市民たちはこの35万坪のなかがどうなっているか、まったく知ることができなかった。何十年という永いあいだ、そこは透明で苛烈な法律と、そのもの自体はきわめてみすぼらしい黒板塀と、底の知れぬ運河によってっかくされていた。 そのなかではたらく人びとは緘口令によって沈黙を強制され、憲兵の監視のもとに技術と筋肉を提供するだけで、朝夕おびただしい人間がアルミの弁当箱をもって出入したにもかかわらず、なにひとつとしてわからなかった。城東線はこの敷地のなかを二分して横断しているが、電車は運河に沿って黒板塀の溝のなかを走るばかりであった。 乗客たちは線路の左右に長い、黒い壁と、有刺鉄線と、ところどころに貼られた『カメラ、写生道具ノ所持ヲ禁ズ。撮影、スケッチヲ禁ズ』の貼札を眺め、居眠りしたり、腹をすかしたり、ポカンと口をあけたりしていた。ときどき彼らはなにかの回転音を聞き、なにかの煙を眺めた。 また京橋と森宮の二つの駅に電車がつくたびに労働者が錆と油と腋臭の匂いを発散してでていったり、入ってきたりするのを眺めた。労働者はせまい古鉄の穴でおしあいへしあい、わめいたり靴音をたてたりした。響きと怒り。それだけであった。66年間、それだけであった。 黒板塀が猫間川の泥のなかへ焼け落ちたとき、人びとは大阪の中心に赤い砂漠を発見した。砂漠の地平線は一糸みだれぬ鉄骨の密林に蔽われ、電車や機械が散乱し、起重機、旋盤、砲弾山、大砲、戦車、無数の残骸がベトンの平原のうえにころがっていた。見わたすかぎり鉄とコンクリートと煉瓦のほかになにも見えなかった。煙突は折れ、起重機はうなだれ、赤煉瓦の工場は無数の暗い日光と雨のなかにひらいたまま人びとの視線を吸った。やがて草が生え、土が鉄をのみこみ、運河は腐って緑いろになった。(中略) 戦後、この廃墟は賠償指定物件となってアメリカ軍に接収され、使用可能の兵器と資材が処理された。しかし、それでもなお、昭和27年に講和条約が発効されて返還されたとき、そこには3万台という数字にのぼる機械があった。この地上物をもふくめて廃墟全体は国有財産となり、財務局が管理することになったが、いかに豊富な鉄があるかは、年間わずか30万円の人夫代で、じつに二千万円という巨額のスクラップが回収された年のあった事実をあげるだけでじゅうぶんだろう。 朝鮮戦争がはじまると古鉄はトン当り3万円からときには10万円に達したことがあり、全国の都会のめぼしい川には川太郎(がたろ)と呼ばれる食いつめものたちが腰まで泥に侵って鉄屑をさがしまわった。『日本三文オペラ』2:アパッチ部落への侵入『日本三文オペラ』1:冒頭の語り口
2019.05.24
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図書館に予約していた『日本三文オペラ』という文庫本を、待つこと20日ほどでゲットしたのです。泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。(山本太郎議員の若き日の姿が、カッコイイのである)…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。【日本三文オペラ】開高健著、新潮社、1971年刊<「BOOK」データベース>より大阪の旧陸軍工廠の広大な敷地にころがっている大砲、戦車、起重機、鉄骨などの残骸。この莫大な鉄材に目をつけた泥棒集団“アパッチ族”はさっそく緻密な作戦計画をたて、一糸乱れぬ組織力を動員、警察陣を尻目に、目ざす獲物に突進する。一見徒労なエネルギーの発散のなかに宿命的な人間存在の悲しい性を発見し、ギラギラと脂ぎった描写のなかに哀愁をただよわせた快作。<読む前の大使寸評>泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。<図書館予約:(4/30予約、5/18受取)>amazon日本三文オペラアパッチ部落への侵入あたりを、見てみましょう。p16~22<二> フクスケと女は新世界のモツ屋から出ると、公園をぬけて坂をのぼり、阿倍野橋にでた。城東線の高架線はそこから出発して大阪の下町をつらぬき、大阪駅で終点となる。二人はそこからのって京橋でおり、駅のちかくの貧民部落へ入っていった。 塵芥山のようなフクスケがどうして電車にのりこんだのか、よくわからない。天王寺でのりこむときは、女はひとりで改札口をとおり、プラットフォームで待っていた。すると30分ほどしてフクスケがどこからともなく線路を歩いてきて、ホームにあがった。電車にのるときは車掌に見えないよう、女のかげにかくれてよろよろとかけこみ、のりこんでしまうと乗客から遠くはなれて、運転室のちかくの隅っこの床へ油布のかたまりのようにしゃがみこみ、生きているのか死んでいるのかわからないぐらいに頭も足もかくしてしまった。京橋につくと、また女のかげにかくれてホームへ這いだした。女が改札口をでて待っていると、今度は10分ぐらいで、どこをどうまわったものか、駅とはまったく反対の方向の町のほうからぶらぶら歩いてきた。べつにどうやったのだとも聞きあわないで、二人はそのまま貧民部落へ入っていった。 この部落は、大阪駅から電車で5、6分かかるかかからないというようなところにあった。が、ネオンと酒場と劇場のアミーバー的な東方的殷賑にそれほどちかく接していながら、まったく農村のようであった。だいたい城東線の沿線の町は、寺田町、鶴橋、猪飼野、玉造、森宮、すべて大阪の低湿地帯で、中小企業の町工場や朝鮮人町が集結しているところである。 このあたりは、どこを歩いても、いたるところで下水溝が泥や米粒のオウトをもりあげ、道を緑いろに腐らせている。ところが、フクスケがなにも知らずにひょろひょろ入っていった部落は、その低地性、貧窮、陰湿さ、ゆきあたりばったりの、まさに精粋そのもののようなところであった。 家は何軒かわからない。おそらく何十軒というぐらいのものだろう。あまり大きな部落ではない。が、それらの掘立小屋は夜のなかでくっつきあい、つるみあい、とけあって、暗がりではほとんどどれがどれとわからないまでに壁や戸の区別がつかなかった。またしてもむらむらとした湿疹部だ。ぼろぼろの古帯みたいな道が気まぐれに分かれたかと思うとくっつき、くっついたかと思うと分かれ、豚や鶏がけたたましい声で鳴きながら平気で家のなかへかけこんでいくところを見れば、人間が床ももたずに彼らと親交をかわしているらしい気配がはっきりのみこめた。 どの家も、たとえばひとりの男がドッとかけだしてぶつかればマッチ棒ほどの抵抗もできずにひとたまりもなくつぶれてしまうかと思われた。屋根にはスレートのかけらや、やぶれた波型トタンをならべ、風にとばないように石をしこたまのせているが、家そのもののたよりなさから見れば、防御物のはずの石がげんに最大の攻撃物となって、寝ている人間の頭をジロジロ狙っているようだった。 戸や壁からは酸性で粘液質の異臭がたちのぼり、この部落の住人の汗や尿は、いったい土のなかのどの層まで浸透したのだろうかと思わせられた。そのあわれな腫物のような家と暗がりのあちこちでは赤ん坊の泣声や老人のつぶやき、女の叫び、男の笑い声などが聞こえ、ある放埓さを発散していた。 フクスケは歩いてゆくにしたがって、こうもりのように小屋のまわりをかすめる、まるでごみ屑のかたまりに肺とのどをつけたような子供の群れや、ほとんど全裸にちかい恰好で道のまんなかにたおれている男などを見た。男は前後不覚に酔っぱらって粘土のようにくろぐろとよこたわり、ひと嗅ぎでそれとわかる、虹のようなキムチとマッカリの匂いを全身から発散させていた。 フクスケをつれてきた女は、その男をよけてとおりながら「えらい甲斐性持ちやがな」 とつぶやいたが、その口ぶりには、ひやかしと賛嘆と呆れがまじっていた。「こらァ、相当なもんや」 あたりを見まわしてフクスケがぼんやりつぶやくと、女はきめつけるように「アパッチ部落やがな」 いかにも知らないのを軽蔑した口ぶりでいったが、早口なのでフクスケには聞きとれなかった。 女はフクスケをつれて薄暗い古帯のなかをあちらへくぐったり、こちらへでたりしながら歩きまわったあげく、一軒の家のまえへでた。その家はまわりのかさぶたのなかでもかなり大きいほうで、二階建てであった。が、よろよろとみすぼらしいことはおっつかっつで、各関節がはずれかかっていびつになっていることは、夜目でもはっきり平行四辺形にゆがんだその恰好で、それと知れた。女はフクスケを道に待たせておいて、家のなかへ入っていき、土間で大きな声をあげた。「雑魚つれてきたでえ」(中略) 男たちは服を着かえたフクスケをまじえてしばらく円座になって臓物を食っていたが、そのうちに時計の針が9時半をすぎると、食うのをやめ、一人、二人とたちあがってニ階へいき、服装をととのえておりてきた。いずれもズボンはよれよれだが黒か茶で、シャツもそんな色のものを選び。ひとりも白シャツを着ているものがないことにフクスケは気がついた。 どこからともなくべつの男たちが外から入ってきて一団に加わったが、やはりこれも同じ恰好で、なかにはズボンの裾を紐でくくっているものも4、5人いた。家にいたものとあわせて総勢14、5人ぐらいになると、禿げ頭は押入れのなかからさまざまな道具をとりだしていて、男たちにわたした。それは、手鉤、金テコ、ロープ、シャベル、ツルハシ、玄能、懐中電灯、鉄鎖、チェンブロック、十キロ・ハンマー、地下足袋、金鋸などで、いずれも酷使に酷使をかさねてきたらしい気配が無数の傷にうかがえた。 男たちはめいめいこれらの道具をもつと土間におりて地下足袋やスポーツ靴をはいた。この一群の指揮者らしいめっかちの男は十キロ・ハンマーを肩にかつぎ、禿げ頭といっしょにカルピスの包紙をはさんでなにか相談していたが、とおりすがりになにげなくフクスケが視線を走らせると、それはなにかの地図らしく、皺だらけのなかに鉛筆書きの線や点がのたくりまわっていた。禿げ頭が小声でつぶやくと、めっかちは才槌頭でうなづいた。ひとしきりこの相談がすむと、めっかちはみんなをふりかえって「さァ、ほんなら笑いにいこか」 といった。 フクスケは金テコと懐中電灯を持たされてみんなについって外へでた。外へでてみておどろいたことには、部落の道という道、路地という路地におなじような恰好の男たちがひしめくばかりあふれていたことだ。『日本三文オペラ』1
2019.05.24
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我が家の書架で積読中の『マルチメディア』という新書を、何の気なしに手にしたのです。おお なかなかの章立てであり、この本が扱っているハードはちょっと古いけど、ソフトを語らせると鋭いわけでおます。・・・いわゆる「アナログ老人向けの本」でんな♪【マルチメディア】西垣通著、岩波書店、1994年刊<「BOOK」データベース>より21世紀のメディアとして内外の熱い注目を浴びるマルチメディア。文字・音声・画像などを統一的に処理するこの新しいメディアは、人間の感性にどのように働きかけ、思考にどのような影響を及ぼすのか。最新パソコンから光ファイバーによる情報ハイウェイまで、現在の技術的な動向と将来への展望を踏まえ、その知的衝撃を鋭く読み解く。<読む前の大使寸評>この本が扱っているハードはちょっと古いけど、ソフトを語らせると鋭いわけでおます。・・・いわゆる「アナログ老人向けの本」でんな♪amazonマルチメディア米中の貿易戦争が始まり、覇権争いはチキンレースのような様相を呈しています。・・・ということでアメリカニズムという概念を、見てみましょう。p129~132■情報のアメリカニズム ハイパーメディアは「理性を持った個人」から出発しており、これは本来のヒトの生物的基盤である身体性を見失った思考だと第二章で述べた。 言うまでもなく「理性を持った個人」から出発するのはモダニズムである。そして理性にたいして単純に感性を対立させ、後者を称揚するのが俗流ポストモダニズムだろう。だが、そんな雑駁な枠組みではマルチメディアのもつ文化的衝撃をとらえることはできない。 そもそも20世紀アメリカ文化というものは、たしかにモダニズムの嫡流ではあっても、西欧で17~19世紀に生れたモダニズムの理念とは恐ろしくかけ簸なれてしまっているからだ。 ここでその相違について詳しく述べ立てる必用はないだろう。市民社会と大衆社会、文字の文化とテレビの文化、といった対立項をもってくれれば、誰でもおよその見当はつくはずだ。同じから出発したにしても、ロックン・ロールをかけながらハイウェイをすっ飛ばし、物質的・刹那的幸福を追求するアメリカン・ドリームは、その源流にあったプロテスタンティズム精神、つまり質素な部屋でひとり聖書に向かい、勤勉に蓄財しながら人生を築き上げていく精神とはまったく異質なものである。「だからアメリカ大衆文化はくだらない」などとありふれた繰り言をいう気はない。ただ、モダニズム批判といっても、この二つを峻別しないとまずいというだけなのだ。 経済学者の佐伯啓思の分析によれば、アメリカニズムとは「リベラル・デモクラシーとむすびついた経済的普遍主義」である。本質的な点は、マーケットを通じた競争経済と合理的な産業技術による大量生産システムである。それらが、人々の暮し向きを良くするだけでなくリベラル・デモクラシーの実現につながる、というナイーブかつ強固な新年こそ、アメリカニズムの真髄なのだ。米国のリベラル・デモクラシーでは、いわば「政治体制が即ちそのまま経済活動」なのである。 大量生産・大量消費のメカニズムのなかで、うまく大衆の欲望を商品化する能力がありさえすれば、誰にでも等しく大金持ちになるチャンスがある・・・それが移民の国「アメリカ」の大原則ではないか。だからそのデモクラシーは、商品によって人々をむすびつける共同体政治なのだ。神のコミュニティは商品のコミュニティにするりと変身したのである。 それゆえ、「人民の思考ツール」であるはずのパソコンが中央権力の軍事科学から出発していたり、一攫千金もビジネスだったりしても一向に不思議はない。たしかに米国の外交は軍事力にものをいわせたパワー・ポリティクスのような気味もある。だがこれも、リベラル・デモクラシーの理念を守るため、という理屈がなりたつだろう。 20世紀を通じて、こういうアメリカニズムは「普遍的」なものとして世界各国へ輸出されていった。合理的な科学技術は、その生産物である電化製品、自動車、清涼飲料水などとともに地上のどこででも歓迎されたのである。それがパックス・アメリカーナだった。つまり佐伯啓思の言葉をかりれば、パックス・アメリカーナの意義とは、「産業技術による経済発展という『普遍的』なテクノロジーを駆使して、リベラル・デモクラシーを『普遍化』するということだった」ということになる。 アメリカニズムはもはや陰りをみせていると言われる。たしかに20世紀半ばに比べればその通りだろう。とはいえ、ここで新しい傾向に気づかないと、後で舌打ちする羽目におちいるのである。・・・つまり、これまでのモノのアメリカニズムにかわって、“情報のアメリカニズム”が勢いよく浮上してきたということだ。(中略) パソコンにせよ光ファイバー網にせよ、肝心なのは装置じたいではない。装置によって伝えられ共有される情報なのである。すでに述べたように、コードを独立させ、意味解釈から引き離したのは西洋文化の特徴である。だがアメリカニズムにおいて、それはさらに大量生産・大量消費の商品経済とむすびつく。ウン 1994年刊行のこの本で著者の説くアメリカニズムは、今も「普遍的」であることに驚くのでおます。ところで、アメリカン・ドリームを例証した映画といえば・・・太子一押しは、なんといっても『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』に落ち着くわけでおます。【ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ】ジョン・リー・ハンコック監督、2016年米制作、H29.8.22鑑賞<movie.walker作品情報>よりカリフォルニア州南部の小さなハンバーガーショップ、マクドナルドを世界最大のファーストフードチェーンへと成長させた男、レイ・クロックの実話を描く人間ドラマ。創業者であるマクドナルド兄弟とミキサーのセールスマンだったレイとの出会いから、両者の対立まで、成功の陰にあったダークな側面までも映し出す。レイをマイケル・キートンが演じる。<観る前の大使寸評>封切り映画を観るのは『シン・ゴジラ』を観て以来のことではないか…手元不如意の大使のチョイスは、それだけ厳選されているわけでおます。movie.walkerファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
2019.05.24
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<『カズオ・イシグロ』2>図書館で『カズオ・イシグロ』という本を、手にしたのです。カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞したのは2017年であるが、2011年にこれだけの本(本邦初のイシグロ論とのこと)が出ていたことに驚くわけでおます。【カズオ・イシグロ】平井杏子著、水声社、2011年刊<「BOOK」データベース>よりデビュー作(『遠い山なみの光』)から最新作(『夜想曲集』)までの全作品をとりあげグローバルな作家の全貌にせまる。本邦初のイシグロ論。<読む前の大使寸評>カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞したのは2017年であるが、2011年にこれだけの本(本邦初のイシグロ論とのこと)が出ていたことに驚くわけでおます。amazonカズオ・イシグロ日中戦争時期の上海租界を、見てみましょう。p141~1445 幻想の上海租界『わたしたちが孤児だったころ』 第5作目の『わたしたちが孤児だったころ』(2000)という小説もまた、前作『充たされざる者』と同様、リアリズムの枠を遥かに踏み越えて、作品全体がひとりの人間の心理構造を比喩していることは、今さら指摘するまでもないだろう。イシグロ自身もこれを、「心理的探偵小説」と称しており、批評家のなかには「読者は拡大鏡を覗き、消毒済みの」ピンセットでページを操って読もうとするだろう」などと冗談めかして言う者もあるほどである。「拡大鏡」とは、イギリスの寄宿学校時代に、探偵になるという密かな野心を抱いていた主人公クリストファー・バンクスが、14歳の誕生日に、友人たちから、ふざけ半分にプレゼントされた「1887年、チューリッヒ製」の品のことで、長じて探偵になったと自称するバンクスが、常に現場に携えて行く愛用品でもある。 1887年という年が、コナン・ドイル作、『緋色の研究』(1887)のなかにシャーロック・ホームズが初登場した年であることは、もちろんイシグロも織り込み済みのことに違いない。文庫本の翻訳『わたしたちが孤児だったころ』に、解説「もう、よせよ、忘れた振りなんかするなよ」を寄せた古川日出男氏は、この重くて倍率の高い拡大鏡を、「記憶の拡大鏡」と呼んだが、まさしくその通り、シンボリックな意味において、バンクスはこの拡大鏡を覗くことで、遠ざかった自分の過去を手もとに引き寄せて検証しようとするのである。 バンクスは、イシグロのこれまでの四作とはまた違った意味で、いわゆるの代表格のような存在であるから、彼の、すなわちの真偽のほどは、いずれ精査するひつようがあるが、とりあえずはバンクス自身の言によると、1922年にケンブリッジ大学を卒業後、ロンドンに出て探偵となり、やがて名声を得て、子ども時代を十歳まで過ごした上海へ舞い戻っていく。当時暮らしていた共同租界から相ついで失踪した両親の行方を探すためである。それは1937年のことで、折りしも上海は、いわゆる日中戦争開戦直後の争乱と破壊のただ中にある。 バンクスは子どものころに拾い集めた情報の欠片をつなぎ合わせ、両親はアヘン交易に絡む重大な事件に巻き込まれて誘拐され、中国警察もイギリス政府も、二人の行方を長年にわたって捜査し続けていると勝手に信じ込む。 そして事件の解決こそが、世界戦争前夜の極東における混乱を鎮めることにも寄与すると妄想をたくましくして探偵になったのだが、じつは、父は倫理観の強い妻の存在が息苦しくなり、愛人と駈け落ちしたことが、あとでわかる。その後父は、病に倒れてシンガポールで客死した。一方、一人息子の養育に窮した母も、上海の軍閥ワン・クーの権力に身を委ね、バンクスはイギリスの叔母のもとに送り届けられた後も、母の犠牲のもとにワン・クーの庇護を受けていたのだという事情を最後に知ることになる。(中略) バンクスがじっさいに上海に赴いたことになっているのは、1937年の9月初頭。作中には書かれていないが、日本の駐屯軍の一部隊と中国軍が衝突した、いわゆる盧溝橋事件が勃発したのはこの年7月のことである。上海でも緊張が高まり、8月14日には、日本軍が上海爆撃を開始したが雲に覆われていったん中止した。しかし中国軍機が、港に停泊していた日本軍船を攻撃しようとして、市街地に甚大な被害をもたらした。と呼ばれる、歴史に刻まれた事件である。この事件をきっかけに抗日の機運はいよいよ高まり、激しい戦闘が始まる。まさにバンクスが飛び込んだのは、こうした混乱の最中にある上海なのである。おお 『タンタンの冒険』の「青い蓮」や、J・G・バラード『太陽の帝国』の世界ではないか。『カズオ・イシグロ』1
2019.05.23
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図書館で『カズオ・イシグロ』という本を、手にしたのです。カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞したのは2017年であるが、2011年にこれだけの本(本邦初のイシグロ論とのこと)が出ていたことに驚くわけでおます。【カズオ・イシグロ】平井杏子著、水声社、2011年刊<「BOOK」データベース>よりデビュー作(『遠い山なみの光』)から最新作(『夜想曲集』)までの全作品をとりあげグローバルな作家の全貌にせまる。本邦初のイシグロ論。<読む前の大使寸評>カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞したのは2017年であるが、2011年にこれだけの本(本邦初のイシグロ論とのこと)が出ていたことに驚くわけでおます。amazonカズオ・イシグロイシグロの育ったイングランドとイギリス文学を、見てみましょう。p49~522 立ち昇る煙『浮世の画家』 ギルフォードの中産階級社会に庇護され、少年時代には教会の聖歌隊に入って独唱まで任され、いっさいの人種的差別を受けることもなく育ったイシグロは、60年代の自分を振り返って、「人生でなにか役立つこと、なんらかのかたちで人びとのためになること、世界をより良いものに変え、もっと平和な場所にすることが求められた。わたしはそんな60年代の理想主義の精神風土で育ったのだと思う」と語っている。 イシグロは1974年から78年にかけて、カンタベリーのケント大学で英文学と哲学を学んだが、その間も、75年から翌年にかけてグラスゴーでコミュニティー・ワーカーとして働く傍ら小説を書きつづけ、社会への強い関心を維持しつづけた。また大学卒業後は、ロンドンのリセットルメント・センターでホームレス支援の仕事に就き、ここで現在の妻、スコットランド人のローナ・アン・マクドゥーガルと出会っている。 しかしこの仕事はよほどハードなものであったらしく、「ストレスの多い1年だった。そして、大学に戻るという思いが、ふいに至福のように心に浮かんだ」と語っている。 その言葉どおり、ノーフォーク州ノリッジにあるイースト・アングリア大学の大学院修士課程に入り、アンジェラ・カーターやマルカム・ブラッドベリ指導のもと、本格的に創作を始めたのは、79年から80年にかけてのことである。以上の経歴を見れば、この間、20代の若者であったイシグロの心に、しだいに育まれていった理想や、問題意識がどのようなものであったのかは、およそ推測がつくだろう。 一方、この1970年代から80年代にかけて、英国は深刻な経済危機に幾度か見舞われ、失業率の増加が大きな社会問題となっていた。エイザ・ブリッグスはその著『イングランド社会史』で、当時の社会状況をこう概括している。人道主義は慈善を目的とするボランティア組織を大量に生み出していた。ロンドンはさまざまな文化がひしめく「るつぼ」となった移民の存在やEC加盟(1973)、あるいはメディアをつうじたアメリカ文化の影響によって、1970年代には、イングランドらしさとはなにかという問題が国民的関心となった。 1979年に首相となった保守党のマ-ガレット・サッチャーは、さまざまな社会改革に大鉈を振るったが、とくに、1988年の教育改革法による保守性の回復は、それぞれの階級に共感と反発を呼び起こした。この改革は、1944年に、当時の首相チャーチル率いる保守党、労働党連立内閣のもとで成立した教育法が、イギリス帝国主義への自戒と反省を含んでいたことへの揺り戻しとも言えるもおので、イギリスの誇り、すなわち過去の歴史の再認識へと、人びとの関心をむけたのであった。 こうしたイギリスの状況をイシグロの経歴と重ね合わせてみるとき、彼の視線の先にあったものが、どのようなものであったのかは、おぼろげながらも見えてくるだろう。「1980年代はさまざまな伝統あるイングランドの諸制度、たとえば王室、イングランド国教会、軍隊、法曹界にとって試練の年であり、この試練は1990年へと引き継がれている」というブリッグズの言葉を、視点を変え逆の方向から眺めてみると、旧弊な価値観と新時代の理想がせめぎ合う、モラル攻防の時期であったとも言うことができる。 なぜこのようなことを詳しく述べるのかというと、出版当時『浮世の画家』に寄せられた批評が、日英両国において大きく異なっていたという事情が、興味深く思えるからである。柴田元幸と菅野素子両氏による、『遠い山なみの光』と『浮世の画家』の日本語訳が抱える問題についての鋭利な分析のなかにこんな一文がある。「英国においては、イシグロの小説はごく初期のころあら、一流の文学賞と賞賛の声を集めたのにたいし、にほんでは、彼の作品の日本語訳は、それほど熱狂的には受け容れられなかった」と。それはつまり、英語で書かれたときには、極めて新鮮な効果を生み出した日本に関する記述が、ひとたび日本語に翻訳されたときには、小説の表層部分に目を惹かれた日本の読者には、ありふれたものに映った、ということである。 つまり『浮世の画家』を読むにあたって、イギリス文学としての『浮世の画家』の本質を知るには、日本語の翻訳から得た日本的なイメージに偏することを避け、成長期のイシグロが土壌とした英国というバックグラウンドをも知る必用があるということなのだ。同時に、小説の表を覆っている過剰なほどの日本的情緒や日本文化に、日本人だけでなく、欧米の読者も、気を奪われ過ぎてはならないということである。
2019.05.23
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図書館に予約していた『ナイン・ストーリーズ』という文庫本を、待つこと6日でゲットしたのです。この本は『ライ麦畑の反逆児』という映画を観たあと、イラチな太子が図書館に借出し予約を入れてゲットしたものです。何というか、ミーハーというか(汗)【ナイン・ストーリーズ】ジェローム・デーヴィド・サリンジャー著、ヴィレッジブックス、2012年刊<「BOOK」データベース>よりサリンジャーが遺した最高の9つの物語。35年ぶりの新訳。【目次】バナナフィッシュ日和/コネチカットのアンクル・ウィギリー/エスキモーとの戦争前夜/笑い男/ディンギーで/エズメにー愛と悲惨をこめて/可憐なる口もと緑なる君が瞳/ド・ドーミエ=スミスの青の時代/テディ<読む前の大使寸評>この本は『ライ麦畑の反逆児』という映画を観たあと、イラチな太子が図書館に借出し予約を入れてゲットしたものです。何というか、ミーハーというか(汗)<図書館予約:(5/15予約、5/21受取)>rakutenナイン・ストーリーズ第二次大戦で過酷な戦役に従事したサリンジャーであるが・・・戦時中のイギリスが出てくる短篇を、ちょっとだけ見てみましょう。p136~141<エズメに―愛と悲惨をこめて> つい最近、エアメールで、4月18日にイングランドで行われる結婚式の招待状を私は受けとった。私としてもできることならぜひ参加したい式であり、招待状が届いた当初には、何とか行けるんじゃないか、飛行機で行けばいい、いくらかかっても構うもんか、と考えたりもした。が、その後この問題を妻と(妻は息を呑むほど分別のある女性である)徹底的に話しあった末に、結局行かないという結論に我々は達した。 ひとつには、義母が4月の後半2週間を私たちのところで過ごすのを楽しみにしていることを私はすっかり忘れていたのだ。私がグレンチャー母に会う機会はそう多くないし、彼女とて日々若返りつつあるわけではない。彼女は58歳である。 とはいえ、当日どこにいるにせよ、私は自分のことを、結婚式が単調さに陥る恐れを前にして指1本上げぬタイプではないと思いたい。そこで花嫁に関し、ほぼ6年前に知った当時の彼女について、なかなかに示唆的な事柄をいくつか書き留めてみた次第である。もしこの文章が、会ったこともない花婿につかの間の不安をもたらすとすれば、それで結構。ここでの目的は人を喜ばせることではない。教示すること、諭すことが狙いなのだ。 1944年4月、私は約60人のアメリカ人下士官の一人として、イングランドのデヴォンで英国諜報部が行なった、上陸に備えたいささか特殊な講習を受講した。いまふり返ってみると、我々60人はかなりユニークな一団だったように思える。何しろ60人いて、人づき合いに長けた人間がただの一人もいなかったのだ。我々はみな、基本的に、手紙を書くタイプだった。 任務を離れて口をきき合うことはあっても、たいていそれは、使っていないインクはあるかい、と訊ねるためだった。手紙も書いておらず、授業を受けてもいないとき、めいめいがほぼ一人でわが道を行っていた。私の場合その道は、晴れた日にはたいてい、周囲の風光明媚な田園に通じていた。雨の日は概して、屋根のある場に、しばしば卓球台から斧1本分しか離れていない場にとどまって本を読むことになった。 講習は3週間続き、ひどく雨の降る土曜日に終わった。最後の晩の7時、全員がロンドン行きの列車に乗る予定になっていた。ロンドンに着いたら、Dデーのために集められた空輸歩兵師団に配属されるという噂だった。 午後3時にはもう、私は本国から持ってきた本を詰めたカンバス地のガスマスク入れをはじめとして、持ち物すべて雑嚢に詰め終えていた。自分がかまぼこ形のプレハブ兵舎の端の窓辺に長いあいだ立って、斜めに降りしきる気の滅入る雨を見ていたことを覚えている。 引き金を引く指が、ごくわずか、目ではわからないほどわずかに疼いていた。背後からは、ごりごりごりごり、多くの万年筆が多くのVメール便箋を引っかく、戦友意識とは程遠い音が聞こえた。唐突に、特に何という考えもなく、私は窓辺を離れてレインコートを着て、カシミアのマフラー、ゴムのオーバーシューズ、毛糸の手袋、外地帽で武装し、腕時計を便所の時計に合わせて、濡れた石畳の長い坂道を町まで降りていった。そこらじゅうで生じている稲妻の閃光を私は無視した。打たれるときは打たれる、打たれないときは打たれない。それだけのことだ。(中略) 雨はますます激しくなっていた。私は通りを歩いていって、赤十字の娯楽室の窓から中を覗いてみたが、コーヒーのァウンターの前に兵士たちが二列、三列と並んでいるのが見えたし、ガラス越しにでも、別の部屋で卓球のボールが跳ねている音が聞こえた。私は通りを渡って、民間人向けのティールームに入っていった。がらんとした店内には中年のウェイトレスが一人いるだけで、その彼女も、どうせならぬれていないレインコートを着た客に来てほしいものだという顔をした。私は精一杯上品にコートラックにコートを掛けてから、テーブルに座って紅茶とシナモントーストを注文した。 その日、人と口をきいたのは初めてだった。それからポケットを、レインコートのポケットを含めてすべて探り、読み古した手紙を二通やっと見つけた。私はそれをもう一度読み返した。一通は妻からで、シュラフツの88丁目店のサービスが低下したことを伝えていた。もう一通は義母からで、「キャンプ」から出られ次第カシミアの糸を送ってくださいとあった。 まだ一杯目の紅茶を飲んでいる最中に、聖歌隊のなかの、私が注目し耳も傾けていた若き淑女がティールームに入ってきた。髪はびっしょり濡れていて、両方の耳のへりが見えていた。すごく小さな子が一緒で、見るからに弟とわかるその子の帽子を、彼女は何か実験用の試料でもあるように二本指で持ち上げた。しんがりに入ってきた、有能そうな、へたっとしたフェルト帽をかぶった女性はたぶん二人の住込家庭教師だろう。『ナイン・ストーリーズ』1
2019.05.23
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図書館に予約していた『ナイン・ストーリーズ』という文庫本を、待つこと6日でゲットしたのです。この本は『ライ麦畑の反逆児』という映画を観たあと、イラチな太子が図書館に借出し予約を入れてゲットしたものです。何というか、ミーハーというか(汗)【ナイン・ストーリーズ】ジェローム・デーヴィド・サリンジャー著、ヴィレッジブックス、2012年刊<「BOOK」データベース>よりサリンジャーが遺した最高の9つの物語。35年ぶりの新訳。【目次】バナナフィッシュ日和/コネチカットのアンクル・ウィギリー/エスキモーとの戦争前夜/笑い男/ディンギーで/エズメにー愛と悲惨をこめて/可憐なる口もと緑なる君が瞳/ド・ドーミエ=スミスの青の時代/テディ<読む前の大使寸評>この本は『ライ麦畑の反逆児』という映画を観たあと、イラチな太子が図書館に借出し予約を入れてゲットしたものです。何というか、ミーハーというか(汗)<図書館予約:(5/15予約、5/21受取)>rakutenナイン・ストーリーズ「バナナフィッシュ日和」の出だしの語り口を、ちょっとだけ見てみましょう。p12~14<バナナフィッシュ日和> ホテルにはニューヨークの広告マンが97人泊まっていて、長距離回線を独占しているものだから、507号室の女の子は電話がつながるまで正午から2時間半近く待たねばならなかった。でもそのあいだの時間はしっかり活用した。ポケットサイズの女性誌で「セックスは楽しい?それとも地獄?」と題した記事を読んだし、櫛とブラシも洗った。 ベージュのスーツのスカートについた染みも抜いた。サックスで買ったブラウスのボタンの位置を変え、ほくろに新たに出現した毛2本も抜いた。オペレーターがやっと電話してきたとき、女の子は窓際の作りつけの椅子に座って、左手の爪にマニキュアをほぼ塗り終えたところだった。 彼女は電話が鳴ってもいっさい何も中断しないタイプの女の子だった。電話なんて思春期に達して以来ずっと絶え間なく鳴っているみたいな顔をしていた。 小さなマニキュアのブラシを手に、女の子は電話が鳴っているのをよそに、小指の爪に取りかかり、爪半月のところにアクセントをつけていた。それからマニキュアの壜に蓋をして、立ち上がり、左の(濡れた方の)手を宙で前後に振った。 そして乾いた方の手で、吸殻が山になった灰皿を窓際の椅子から取り上げ、ナイトテーブルまで運んでいった。電話はそのナイトテーブルに載っている。メークしてあるツインベッドの一方に女の子は腰を下ろし、それから(5回か6回鳴ったところで)受話器を手にとった。「もしもし」と彼女は、左手の指をぴんと伸ばして白い絹のドレッシングガウンから遠ざけて言った。身に着けているのはそのガウンと、つっかけ靴だけ。指輪はバスルームにおいてあった。「ニューヨークへのお電話がつながりました、ミセス・グラース」とオペレーターは言った。「どうも」と女の子は言って、ナイトテーブルの上に灰皿を載せる場所を空けた。 女性の声が聞こえてきた。「ミュリエル? あなたなの?」 女の子は受話器をわずかに回して耳から離した。「そうよ、母さん。元気?」と彼女は言った。「あんたのこと死ぬほど心配してたのよ。どうして電話してこないの? あんた大丈夫?」「昨日の晩もおとといの晩も電話しようといたのよ。ここの電話たらずっと…」「あんた大丈夫なの、ミュリエル?」 女の子は受話器と耳とが作る角度を拡げた。「大丈夫よ。暑いけど。フロリダでここまで暑い日は何十・・・」「何で電話してこなかったの? あんたのこと死ぬ…」「母さん、母さんたら、大声出さないでよ。ちゃんと聞こえてるから」と女の子は言った。「昨日の夜も二度かけたのよ。1回は夕飯のすぐ…」「あたし昨日父さんに言ったのよ、あんたがきっと今夜電話してくるって。なのに父さんったらよりによって…あんた大丈夫、ミュリエル? ほんとのこと言ってちょうだい」「大丈夫だってば。おんなじこと何度も訊かないでね」「いつそっちに着いたの?」「さあ。水曜の御前かしら、朝早く」「誰が運転したの?」「あの人よ」と女の子は言った。「ねえ母さん、興奮しないでよ。すごくていねいに運転したんだから。びっくりしたわよ」「あの人が運転したの ミュリエル、あんた約束したじゃ…」「母さん」と女の子がさえぎった。「いま言ったでしょ。すごくていねいに運転したって。何しろ道中ずっと50マイル以下よ」こんなバカ話が続くのだが…最後のシーンが衝撃的でおます。ロアルド・ダールの「女主人」は怖い短篇であるが、この「バナナフィッシュ日和」もいい勝負ではなかろうか。『ナイン・ストーリーズ』のことが出ていた『ライ麦畑の反逆児』という映画です。【ライ麦畑の反逆児】ダニー・ストロング監督、2017年米制作、2019.5.14観賞<Movie Walker作品情報>より 世界的ベストセラーとなった「ライ麦畑でつかまえて」の作者、J.D.サリンジャーの知られざる半生に迫る人間ドラマ。 作家を目指す青年が、戦争での地獄のような体験を経て、初長編小説を完成させるまでが描かれる。『X-MEN』シリーズのビースト役で知られるニコラス・ホルトがサリンジャーに扮し、内に強烈な個性と孤独を抱えた青年を体現する。<大使寸評>この映画の副題が「ひとりぼっちのサリンジャー」となっているが…サリンジャーが名を成した後、世間の狂騒に背を向け田舎に隠遁してしまうのは戦争体験というPTSDがあったからでしょうか。興味深いのは、アメリカの出版業界事情が見られるのです。とにかく、作品への強烈な干渉があるわけで、編集長の見立てと権限によって、作品は日の目を見るようですね。日本でもその傾向はあるのでしょうがアメリカの自己主張は強いので…作家の大変さがしのばれるのです。この映画で『ナイン・ストーリーズ』という記念碑的短篇集を知ったのだが・・・イラチな太子は帰ってすぐに図書館に借出し予約を入れたのです。…という風に、作家志望の方にとって、この映画は実りの多いハウツーとなっているようですよ。movie.walkerライ麦畑の反逆児
2019.05.22
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図書館で『日本人はどう住まうべきか?』という本を手にしたのです。おお 養老さんと隈さんが、ニッポンの住宅を語り合った本ではないか♪住宅政策や住宅広告の裏まで突き通してばらしてしまうような内容ではないかと、期待するのです。ところで、隈さんは今年春の褒章があったようですね…おめでとうございます。とにかく、石川さゆりとともにニュースとなっているので、たいしたもんやでぇ♪【日本人はどう住まうべきか?】養老孟司, 隈研吾著、日経BP社、2012年刊<「BOOK」データベース>より都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。【目次】第1章 「だましだまし」の知恵/第2章 原理主義に行かない勇気/第3章 「ともだおれ」の思想/第4章 適応力と笑いのワザ/第5章 経済観念という合理性/第6章 参勤交代のスヽメ<読む前の大使寸評>おお 養老さんと隈さんが、ニッポンの住宅を語り合った本ではないか♪住宅政策や住宅広告の裏まで突き通してばらしてしまうような内容ではないかと、期待するのです。rakuten日本人はどう住まうべきか?第6章「参勤交代のススメ」の知恵を見てましょう。p157~160<「強度」と「絶対」が道を誤まらせる>養老:防波堤、防潮堤にものすごくお金をかけたでしょう。あれぐらい金をかけるんだったら、もうちょっと気の利いたことが他にもできそうですけどね。隈:実際は、植林での防波堤みたいな話もありえたわけです。松のように根っこが浅いのはダメだけど、根っこが深い広葉樹系の樹木で防波堤を作れば、波の減衰効果もコンクリートに比べて高くなるんです。その点コンクリートは波をはね返してしまうので、別のところにそのしわ寄せがきて、逆に波を強めちゃうことがあるんですよね。養老:そうですね。強くなった波によって被害が大きくなったところもありました。隈:土木屋さんはコンクリートで作りたがるんですよ。それはコンクリートが一番、強度の計算をしやすいからなんです。養老:「だましだまし」じゃなくて、絶対を求めたがるんですね。それで言うと、僕が今、原発がらみで怖いと思っているのは、原発反対の機運が高まって、専門家や技術者がどんどん減っていくことなんです。その結果、東海村JCOの臨界事故のように、管理がゆるかったゆえの悲劇がまた起こるのが一番怖い。だって原子力発電って、全部やめることになっても30年くらいは撤退のメンテナンスが必要ですから。それだって「だましだまし」やっていく必要がある。 例えば今、浜岡原発が止まっているけれど、あそこに津波が来たら一巻の終わりでしょう。だから脱原発に舵を切っても、ただちに100%撤退ってありえないんだよね。隈:養老先生の感触として、代替エネルギーの可能性はあると思われますか。養老:代替エネルギーを使ったって同じことだろうって、僕は何度も言っているんです。冷静に考えると、結局、石油以上にいいのはないんですよ。だからこそ、人は何でこんなにエネルギーを使うのか、その問題を考えるべきです。その答えも僕流にはあるんですけれど。<限界集落的な生き方も認めよう>隈:どういうものでしょうか。養老:それは人間の意識ですよ。冷暖房を令に取ると、普通、人は寒いから暖かくして、暑いから冷やすんだと考えるわけ。これは機能論と言われますが、でも、本当はそうじゃないんです。人が冷暖房を使う理由をよくよく詰めて考えると、気温一定という秩序を意識が要求しているからなんですよ。要するに、人は暑くても寒くてもエネルギーを使っている。それは気温を一定にしたいから。そういう秩序を求めている。隈:なるほど。僕の事務所でも1年中、冷房か暖房のスイッチを入れているから「もったいない」って怒っているんですけど。養老:その秩序を20世紀にどうやって手に入れたかというと、石油という分子をバラバラにして、無秩序を増やしたからです。秩序には、エントロピーという無秩序が付いてきて、それでもってつじつまを合わせています。 都会で暮らしている人間は、頭で秩序を作り、秩序を要求しますが、それには必ず無秩序が伴うことを自覚した方がいい。そのためには、自分たちが要求しているのは秩序だということに、まず気が付いてもらわないといけない。で、次に、秩序ってそんなに望ましいものなのか、ということを考えてもらわなきゃいけない。隈:震災復興では、津波対策、原発対策などの他に、コミュニティの復旧というもう一つの課題もありますが、そこにだって秩序の脅迫観念があります。養老:NHKの番組で岡山の高齢者だけの限界集落を取り上げていたのね。75歳以上の人だけが住んでいる集落が、岡山には720ほどあるそうなんです。隈:そんなにあるんですか。養老:そう。それで俺が思うには、限界集落が720もあるということは、そこがいかに住みやすい良い場所か、ということですね。隈:そうお考えになるんですね。僕も賛成です。養老:マスコミや周囲は、年寄りばっかりでかわいそうと言うんだけけど、そんなのは勝手な解釈に過ぎないですよ。だって70代のおばあさんが3人で段々畑を作ってさ、それでイモを収穫して子供に送ってやるとか言っているんだよ。限界集落とか言って問題視する前に、どうしてそういう生き方こそ奨励しないのかね、と思って。隈:それはまさに日本のお年寄りのパワーです。彼らはずっと、「だましだまし」生きてきているわけですからからね。だからコミュニティ再生に関しても、秩序に支配されない方法を大事にした方がいいですよね。養老:みんな貧乏で、同じように平らに暮しているって、すごく楽だよ。戦後は日本全体がそうだったからね。だから限界集落的な生き方もアリじゃないか、と見直すべきだよ。被災地の避難所でも、避難所の暮らしに馴染んで、そこから動きたくない人が出ていると聞くけど、それも限界集落的で、そこにいれば似たような仲間がいて、今までよりずっとにぎやかでいいという感じもあるんじゃないかな。隈:限界集落というより、避難所を居心地のいい街として住みこなしている。これこそ、「だましだまし」の都市計画(笑)。日本人はやっぱり、こういうユルさが好きなんですよね。日本人に限らず、たいていの人間は基本的に受け身です。だって能動的に動ける人って、よっぽどヘンな人ですよ、実は。養老:受け身というのは、何かを受けて、どうリアクションしているか、ということだからね。隈:それで、人は何かを受けたときにこそ、いろいろな形の問題解決をひねり出していくわけですから。実際、日本ではすでに超高齢化社会にむかっていて、あともう少しすると、日本全体が限界集落です。養老:だから、別に放っておけばいいんだよ。そこを何でことさらに問題視するのかね。だって今でも高齢者はたくさんいて、それぞれに生きているんだもの。隈:高齢化社会をネガティブにとらえる意識については、若い人間を社会の中心と考える20世紀アメリカ型の社会システムが、日本にも組み入れられてしまったからです。端的な例が住宅ローンで、若い人間に住宅ローンを組ませて、ずっと働かせ続けて、使い捨てにするような社会システムは、まさしく20世紀アメリカの発明でした。『日本人はどう住まうべきか?』3:「最貧国」が世界の最先端にp115~119『日本人はどう住まうべきか?』2:津波はノーマークだった建築業界p12~16『日本人はどう住まうべきか?』1:家の「私有」から病いが始まるp98~101
2019.05.22
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図書館で『日本人はどう住まうべきか?』という本を手にしたのです。おお 養老さんと隈さんが、ニッポンの住宅を語り合った本ではないか♪住宅政策や住宅広告の裏まで突き通してばらしてしまうような内容ではないかと、期待するのです。ところで、隈さんは今年春の褒章があったようですね…おめでとうございます。とにかく、石川さゆりとともにニュースとなっているので、たいしたもんやでぇ♪【日本人はどう住まうべきか?】養老孟司, 隈研吾著、日経BP社、2012年刊<「BOOK」データベース>より都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。【目次】第1章 「だましだまし」の知恵/第2章 原理主義に行かない勇気/第3章 「ともだおれ」の思想/第4章 適応力と笑いのワザ/第5章 経済観念という合理性/第6章 参勤交代のスヽメ<読む前の大使寸評>おお 養老さんと隈さんが、ニッポンの住宅を語り合った本ではないか♪住宅政策や住宅広告の裏まで突き通してばらしてしまうような内容ではないかと、期待するのです。rakuten日本人はどう住まうべきか?第4章「適応力と笑いのワザ」の知恵を見てましょう。p115~119<「最貧国」が世界の最先端になる>隈:ラオスやブータンは、石油が高騰しても、何のダメージもないんですね。養老:ラオスは明らかに、まったくダメージを受けない国の一つです。しかも完全に持続可能な生活をしています。僕がいた村は、鎌倉市内で言えば滑川程度の川が村の真ん中にあって、そこに小さな発電機を付けているの。それで20ワットぐらいの電灯で暮らしているんです。ちょうど戦後の俺たちみたいなものですよ。あれなら石油がピークアウトしようが、ゼロになろうが一切平気だよ。自転車をこいでも発電できるから。隈:でも、ほとんどの日本人にとって、電気が思う存分使えないとか、ガソリンがなくて車に乗れないとかいう状況は、想像したくないことでしょう。養老:そう、想像したくない、というのが本音です。それは政府も同じなんじゃないだろうか。だから「これから世界はスタグフレーションの時代に突入します」ということは、僕も言いたくないんだけど。だってカッサンドラーの予言だからさ。建築だって影響は相当大きいですよね。隈:そもそも日本の建設業は、今までの形ではもう成立しないと僕は思っていますから。養老:猛烈な勢いで淘汰が起こることになりますか。隈:学生には、中国とかインドネシアとかに飛び出して仕事をしろよ、と言っています。建設業界、建築デザイナー双方にとっても、途上国にしか可能性はない。養老:歯科医学会でも、10年ぐらい前から、日本は歯医者を中国に輸出すると言っていますよ。歯医者も過当競争で大変ですから。隈:石油がピークアウトすれば、住み方、食べ方など、いろいろなことが否応なしに変わるんだろうなと思いますね。養老:変わるよ。でも、政府がやっていた省エネのキャンペーンなんか、意味がないと思いましたね。ああいうキャンペーンに国は費用を投じていたけれど、ガソリンが上がったら、みんながあっという間に省エネに転換したじゃないですか。そりゃそうですよ。灯を煌煌とさせながらのイカ釣り漁はできなくなるし、マグロは価格が20%も上がる。資源保護だなんて声高に言わなくても、燃料費を上げたら即、社会が変わります。隈:その意味で、われわれは本当に石油文明に生きているんですね。養老:隈さんは車に乗れなくなったり、ビルを建てられなくなったりする時代に、個人的に耐えられますか。隈:全然、大丈夫です。僕はエコ型、平気です。養老:建築の世界では、今、半端仕事だと言われているものが、儲かるようになると思うな。とにかくみんな、家は「だましだまし」使っていかなきゃいけなくなるから、あちこち改修する必要が出てきますよ。 でも、今、半端仕事をこなせる大工は少なくなっているでしょう。だって、プレハブで家をポンと建てることが仕事だと思っているから。でも冗談じゃない。元のやり方に戻っていきますよ。そうなると、プレハブってえらく不便じゃないのかね。手入れがしにくくて。隈:プレハブはもう大変です。だって100年工法とか200年工法とか言われても、その価値は100年なんか持たないもので、朽ち果てるだけですから(笑)。100年後には誰も住みたくないデザインのくせに、材料だけは200年持つということは、解体にお金がかかるだけ。手に負えません。第一、100年って、言った当人も、買った当人も、誰も生きていないですよ。養老:2050年に炭酸ガスを60%削減します、っていうのと同じだよな(笑)。あれ、福田康夫が言っていたとき、そんな時代に生きているわけないよと思って、笑いながら聞いていたもの。隈:生きているどころか、そう言ったすぐ後に当の本人がさっさと総理大臣を辞めちゃいましたね。養老:藤森照信さんに聞いたんだけど、プレハブ住宅って40%が宣伝費なんだってね。それってダイコンを1本100円で買うと、生産者に渡るお金が10円で、90円は全部中間に回るというのと同じような話ですよ。それが現代社会というものです。 こういう状況を可能にしているのが、安い原油だと僕は思っています。建築業界は典型だと思いますが、とにかく運ばなきゃ成立しない商売は、流通コストが高くつく時代が来たときに、一体どうなるんでしょうね。隈:建築業界は、実は流通ビジネスそのものになってしまっているから、それはエラいことになりますよ。養老:流通業は、コンビニも、宅配便も、オイルショックを脱した後にできた商売なんです。次にオイルショックのような国際的な経済危機が訪れたら、それらがどうなるか分からないですね。それ以前に、東日本大震災でみんな肌身に染みたけど、流通依存というのは現代社会のもろさそのものですよ。流通ってそれほど難しい問題だもの。第2章でも言った中国の米の配分問題について考えるだけでも、その難しさが分かりますよね。 僕たちがいるようなこんな都市は、石油が切れてきたら維持できません。まず真っ先に物流問題が起きるもの。隈:ビルの中そのものが電気仕掛けですしね。政府主導の省エネとか、住宅ローン「フラット35」と銀行の関係なんかが怪しいわけで・・・・何も信じられない老人たちはタンス預金にはしるのでしょう。『日本人はどう住まうべきか?』2:津波はノーマークだった建築業界p12~16『日本人はどう住まうべきか?』1:家の「私有」から病いが始まるp98~101
2019.05.22
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図書館に予約していた『日本三文オペラ』という文庫本を、待つこと20日ほどでゲットしたのです。泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。(山本太郎議員の若き日の姿が、カッコイイのである)…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。【日本三文オペラ】開高健著、新潮社、1971年刊<「BOOK」データベース>より大阪の旧陸軍工廠の広大な敷地にころがっている大砲、戦車、起重機、鉄骨などの残骸。この莫大な鉄材に目をつけた泥棒集団“アパッチ族”はさっそく緻密な作戦計画をたて、一糸乱れぬ組織力を動員、警察陣を尻目に、目ざす獲物に突進する。一見徒労なエネルギーの発散のなかに宿命的な人間存在の悲しい性を発見し、ギラギラと脂ぎった描写のなかに哀愁をただよわせた快作。<読む前の大使寸評>泥棒集団“アパッチ族”については、小松左京が先に出版し、当時かなり売れたことを記憶しているのです。また、山本太郎主演で『夜を賭けて』として映画化されたアパッチ族である。…ということで、かなり遅れてしまったが、開高健の描くアパッチ族が興味深いのである。<図書館予約:(4/30予約、5/18受取)>amazon日本三文オペラ冒頭の語り口を、ちょっとだけ見てみましょう。p5~7<一> あとで仲間から“フクスケ”と呼ばれるようになったひとりの男がすこし酔ったような足どりでジャンジャン横丁を歩いていた。見たところは大きな男だが、すこし猫背で、穴のあいた水袋のように筋肉が骨のうえでたるみ、すっかり弱りきっていた。 眼は乾いてどんよりかすみ、重そうな顎をたらし、紐のないかたちんばの靴をひきずっていた。例によって、ボロ切れ、空き缶、藁のかたまり、ボール紙の切れっぱしなどといった、すっかり正体のなくなったものを背負いこんでいる。歩くところを見ると、まるでちょっとした塵芥山の移動である。 さすが不潔好きのジャンジャン横丁の連中も、この男がやってくるのを見ると、眼をそむけた。職業はもちろん、家、子供、女房、道具、名前など、あらゆる属性を失ってすでにひさしいということが一瞥してわかった。 悪臭を発する都会のひき肉とでもいうよりほかに言葉が見つからない。どんな子宮からしかめつらで這いだしてこうなったものか、さっぱり見当がつかない。むだなことは、まるで町工場裏の空地の、1年じゅう乾いたことのない、白内障でつぶれた眼のような水たまりにも似た男である。それが鉢のひらいた、子供くさい頭をして、ジャンジャン横丁のもうもうとした匂いのなかでふらふらしていた。 ジャンジャン横丁というのは大阪の「新世界」という場末の歓楽街にあるせまい路地である。ちかくには美術館と動物園という、似たようなものが二つあるが、この豊穣ではじしらずな町にはなんの影響もない。新世界そのものは、美術館のある丘のしたにひろがった、むらむらとした湿疹部、または手のつけようもなくドタリとよこたわった胃袋とでもいえるようなところだから、ジャンジャン横丁はそれにつづく腸管みたいなものである。 フクスケはその腸管のなかを流れる青い夕靄の川のなかにただよっていた。ここ2、3日、彼はなにも食っていなかった。彼のねぐらは胃袋の入口にあたるような、動物園の植込みのかげにあった。そんなところに寝起きしながら干されるというのはすこし妙な気がするが、事実であった。軒なみ何十軒と数知れぬ飲食店を前にしても、また、そこにウンカのような通行人の群れがあっても、一度なにかが狂いだすと豆一粒食えぬというのはしばしばありがちなことだ。 恐慌の気配をかぎつけると、フクスケは何度となくねぐらから出て新世界へ入っていき、ジャンジャン横丁へもぐりこんでみた。塵芥、残飯山、哀訴、門付け。胃袋から腸へ、腸から胃袋へと、内側をつたってだめなら外側へまわり、外側がだめなら東西に歩いてみる、それで効果がなければ今度は南北へ、ときには縦に、ときには横にと、おちつきのわるい不消化物のようにうろつきまわったのだが、さっぱりききめがなかった。 こんなことはいままでに何度もあって経験はいやというほどつんでいるし、飢えというじゃじゃ馬のあしらいかたにもかなりの自信があったので、はじめのうち彼はかるく見ていた。あわてることはあるまい、と思った。ところが、夜、ねぐらにもぐりこんで、暗がりのなかでいざ相手にまわしてみると、たいへんな強敵だということがわかった。 今度の奴は妙にうぶで、しつこく、そのくせコソコソと技巧的なところがあった。いきなり背骨のふるえそうなたまらなさでかみつくかと思うと、とつぜんはなれていなくなり、油断をしていると今度はいつのまにか皮膚のなかへもぐりこんで石のようにズシリともたれかかってくる。おしのけようとしてもがきにもがいていると、つぎにはふいにめまいや吐気となって霧のなかへ追いこもうとする。 相手は余裕綽々とかまえているらしくて、そんな直撃や居座りや煙幕などの正面攻撃のさいちゅうにときどき風のように擦過する熱さや川のようなけいれんなどの側面攻撃もまじえるのだ。汗がでて、眼がちらついた。「日本アパッチ族」の復刻版が出ているようですね。【日本アパッチ族(復刻版)】小松左京著、角川春樹事務所、2012年刊<「BOOK」データベースより>終戦直後の大阪で、鉄を食べる人間が出現した。名は「アパッチ」。一日に平均六キロの鉄と0.2~0.6リットルのガソリンを摂取し、その肉体の強靭さとスピードは、人類をはるかに凌駕する。彼らはやがて全国へと拡がり、日本の政治、生産機構までも揺さぶるようになっていった…。小松左京の処女長篇にして、SFの枠を超えた永遠の名作が、ここに復活。<大使寸評>48年ぶりの復刻というのも凄いではないか♪表紙の絵もそれなりにいいのだが・・・・1964年に読んだときのイメージと何だか違うのだ。ま いいけどね。rakuten日本アパッチ族(復刻版)
2019.05.21
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今回借りた5冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「日本」でしょうか♪<市立図書館>・日本三文オペラ・カズオ・イシグロ・ナイン・ストーリーズ・トランスヒューマンガンマ線バースト童話集<大学図書館>・日本人はどう住まうべきか?図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)************************************************************【日本三文オペラ】開高健著、新潮社、1971年刊<「BOOK」データベース>より大阪の旧陸軍工廠の広大な敷地にころがっている大砲、戦車、起重機、鉄骨などの残骸。この莫大な鉄材に目をつけた泥棒集団“アパッチ族”はさっそく緻密な作戦計画をたて、一糸乱れぬ組織力を動員、警察陣を尻目に、目ざす獲物に突進する。一見徒労なエネルギーの発散のなかに宿命的な人間存在の悲しい性を発見し、ギラギラと脂ぎった描写のなかに哀愁をただよわせた快作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/30予約、副本1、予約1)>amazon日本三文オペラ************************************************************【カズオ・イシグロ】平井杏子著、水声社、2011年刊<「BOOK」データベース>よりデビュー作(『遠い山なみの光』)から最新作(『夜想曲集』)までの全作品をとりあげグローバルな作家の全貌にせまる。本邦初のイシグロ論。<読む前の大使寸評>追って記入amazonカズオ・イシグロ************************************************************【ナイン・ストーリーズ】ジェローム・デーヴィド・サリンジャー著、ヴィレッジブックス、2012年刊<「BOOK」データベース>よりサリンジャーが遺した最高の9つの物語。35年ぶりの新訳。【目次】バナナフィッシュ日和/コネチカットのアンクル・ウィギリー/エスキモーとの戦争前夜/笑い男/ディンギーで/エズメにー愛と悲惨をこめて/可憐なる口もと緑なる君が瞳/ド・ドーミエ=スミスの青の時代/テディ<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/15予約、5/21受取予定)>rakutenナイン・ストーリーズ************************************************************【トランスヒューマンガンマ線バースト童話集】三方行成著、早川書房、2018年刊<「BOOK」データベース>よりはるか未来、あるところにシンデレラという人類の進化系=トランスヒューマンの少女がおりました。“魔女”から拡張現実ドレスを与えられた彼女はカボチャ型飛行体に乗り、お城の舞踏会へ向かいます。しかしその夜、空から宇宙最強の爆発・ガンマ線バーストの閃光が降り注ぎー「地球灰かぶり姫」ほか「竹取戦記」「スノーホワイト/ホワイトアウト」など、古典に最新の想像力を配合した童話改変SF全6篇を収録。超個性派による第6回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/16予約、5/21受取予定)>rakutenトランスヒューマンガンマ線バースト童話集************************************************************【日本人はどう住まうべきか?】養老孟司, 隈研吾著、日経BP社、2012年刊<「BOOK」データベース>より都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。【目次】第1章 「だましだまし」の知恵/第2章 原理主義に行かない勇気/第3章 「ともだおれ」の思想/第4章 適応力と笑いのワザ/第5章 経済観念という合理性/第6章 参勤交代のスヽメ<読む前の大使寸評>おお 養老さんと隈さんが、ニッポンの住宅を語り合った本ではないか♪住宅政策や住宅広告の裏まで突き通してばらしてしまうような内容ではないかと、期待するのです。rakuten日本人はどう住まうべきか?********************************************************とまあ・・・・抜き打ちのように、関心の切り口を残しておくことも自分史的には有意義ではないかと思ったわけです。図書館大好き373
2019.05.21
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新聞に映画『空母いぶき』の大きな広告が出たので、心騒ぐ大使である。(5月24日より、全国公開とのこと)以下のとおり、個人的予告を作ったのだが・・・これだけ、入れ込むと、劇場に足を運ぶことになるでしょうね。【空母いぶき】若松節朗監督、2019年制作<movie.walker作品情報>より かわぐちかいじの同名コミックを「沈まぬ太陽」の若松節朗監督が映画化。20XX年、日本領土である波留間群島の一部が謎の武装集団に占領された。 自衛隊初の航空機搭載型護衛艦《いぶき》が出動するが、敵のミサイル攻撃を受け、想定を超えた戦闘状態に突入する。 出演は「散り椿」の西島秀俊、「嘘八百」の佐々木蔵之介。脚本は「機動警察パトレイバー」シリーズの伊藤和典と「亡国のイージス」の長谷川康夫。<見る前の大使寸評>かわぐちかいじの同名コミックが週刊誌で連載中なので、大学図書館で最新号を鋭意フォローしているのです。同名コミックでは、空母決戦の真最中であるが…さて、実写映画ではどんなかな?movie.walker『空母いぶき』かわぐちかいじのコミックといえば・・・『ジパング』単行本を古本屋で25巻まで買い揃え、その後はマンガ喫茶に通って全43巻を読破した太子でおます。これって愛読者というのやら、オタクというのやら(汗)。【ジパング1】 かわぐちかいじ著、講談社、2001年刊<出版社/著者からの内容紹介より>想定不能事態、勃発!!海上自衛隊所属、最新鋭護衛艦「みらい」。原因不明の暴風雨に遭遇。すべての僚艦、失踪(ロスト)。通信・衛星、ともに感無し。そして目の前に現れたのは……。(太平洋戦争は)今から考えれば、とんでもない事態なのだが、それをとんでもないと考えない人々も当時はいたようだ。そのギャップってなんだろうという問いから、この物語を始めたい。――かわぐちかいじ<大使寸評>このシリーズはブックオフで25巻まで購入したが、きりがないので、そのあとは漫画喫茶に通って全巻読破しました。過去にタイムスリップしてご先祖様と戦うという映画は「戦国自衛隊」や「ファイナル・カウントダウン」がありましたね。歴史にIFを持ち込むと夢想が膨らみ止め処がないが、大使はこの種のSFが好きなんですね。ウィキペディアのジパング の膨大な説明に、説明者の思い入れがよく現れているけど、もろにネタバレになっているので・・・そこそこに読み飛ばす必要があります。Amazonジパング1「ジパング」読破byドングリ
2019.05.21
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図書館に予約していた『羊をめぐる冒険』という本を、待つこと4日でゲットしたのです。おお 村上文学もこれだけ古いと速攻でゲットできるやんけ♪【羊をめぐる冒険】村上春樹著、講談社、1982年刊<「BOOK」データベース>より古書につきデータなし<読む前の大使寸評>おお 村上文学もこれだけ古いと速攻でゲットできるやんけ♪<図書館予約:(5/02予約、5/06受取)>rakuten羊をめぐる冒険この小説のラストあたりを、見てみましょう。p402~404■エピローグ ジェイは相変わらずじゃが芋をむいていた。アルバイトの若い女の子が花瓶の水をかえたり、テーブルを拭いたりしていた。北海道から街に帰ると、まだ秋は残っていた。ジェイズ・バーの窓から見える山は綺麗に紅葉していた。僕は開店前のカウンターに座ってビールを飲んでいた。ピーナツの殻を片手で割るとぱりっという気持ちの良い音がした。「そんな風に気持ち良く割れるピーナツを仕入れるのも大変なんだよ」とジェイは言った。「へえ」と僕はピーナツをかじりながら言った。「ところでまた休暇なのかい?」「やめたんだ」「やめた?」「話すと長くなる」 ジェイはじゃが芋を全部むき終えると大きなざるで洗い水を切った。「それでこれからどうするの?」「わからないよ。僕の退職金プラス共同経営権の買い取りぶんが少し入る。たいした金じゃないけれどね。それからこういうのもある」 僕はポケットから小切手を出して金額を見ずにジェイに渡した。ジェイはそれを眺めて首を振った。「凄い金額だけど、どことなくうさん臭そうだね」「実にそのとおりさ」「でも、話すと長くなるんだろう?」 僕は笑った。「それをあんたに預けとくよ。店の金庫に入れといてくれよ」「金庫なんてどこにあるんだい?」「レジでいいじゃないか」「銀行の貸金庫に入れといてやるよ」とジェイは心配そうに言った。「でもこれをどうするんだい?」「ねえ、ジェイ、この店に移る時に金がかかったんだろ?」「かかったよ」「借金は?」「ちゃんとあるよ」「その小切手ぶんで借金は返せるかい?」「お釣りがくるよ。でも…」「どうだろう、そのぶんで僕と鼠をここの共同経営者にしてくれないかな?配当も利子もいらない。ただ名前だけでいいんだ」「でもそれじゃ悪いよ」「いいさ、そのかわり僕と鼠に何か困ったことが起きたらその時はここに迎え入れてほしいんだ」「これまでだってずっとそうして来たじゃないか」 僕はビールのグラスを持ったまま、じっとジェイの顔を見た。「知っているよ。でもそうしたいんだ」 ジェイは笑ってエプロンのポケットに小切手をつっこんだ。「あんたがはじめて酔払った時のことをまだ覚えているよ。あれは何年前だっけね」「13年前」「もうそんなになるんだね」「僕」は1949年生まれという設定だから今年70歳のおじいちゃんになるのか…いや年寄りになったもんだ。この小説を読み終えたわけだが…『さんぽで感じる村上春樹』で、小説を反芻してみようと思うのです。『さんぽで感じる村上春樹』4:羊をめぐる冒険『羊をめぐる冒険』4:北海道での羊探索『羊をめぐる冒険』3:ジェイズ・バーのあたり『羊をめぐる冒険』2:羊の話が始まるあたり『羊をめぐる冒険』1:「第1章 1970/11/25」の冒頭
2019.05.20
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図書館で『パナマ文書』という本を、手にしたのです。オフショアといえば、悪人の隠し口座であり、タックスヘイブン(租税回避地)でもある。2016年4月、「パナマ文書」がタックスヘイブン利用者を公表し、世界は大きな衝撃を受けた。【パナマ文書】渡邉哲也著、徳間書店、2016年刊<「BOOK」データベース>より世界中に衝撃を与えている「パナマ文書」。その膨大な取引データの暴露は、個人や企業のみならず、社会や国際情勢を一変させるほどの破壊力がある。パナマ文書の正体から、今後の世界と日本に与える影響までを完全分析!<読む前の大使寸評>オフショアといえば、悪人の隠し口座であり、タックスヘイブン(租税回避地)でもある。2016年4月、「パナマ文書」がタックスヘイブン利用者を公表し、世界は大きな衝撃を受けた。rakutenパナマ文書日本経済の闇を、見てみましょう。p155~159■地下経済から得られる15兆円の納税 前述したように、現在は暴力団に対する「銀行口座の不正取得」の集中捜査が進行中であるが、捜査対象は暴力団だけに限らず、テロ集団やそれに準ずる組織から一般人にまで及ぶことが予想される。これは「納税」を平等にすることも目的とされているからだ。 こうした金融捜査の最前線で活用されるのが、2015年10月5日から通知が開始された「マイナンバー」である。 非合法であったり、税金を払っていなかったりする経済のことを「SHADOW ECONOMY」(影の経済)と呼ぶ。日本においては「地下経済」という言葉のほうが知名度が高い。「地下」であるがゆえに、その規模は推計の域を出ない。OECDの調査によれば、海外への脱法的な租税回避なども含めた日本の地下経済の規模は名目GDPの12~15%と推計されている。 現在、日本の名目GDPは約500兆円であるから、日本の地下経済規模は約60兆~75兆円となる。日本の租税負担率は平均すると約20%となるから、地下経済から得られる税収は、じつに年約12兆~15兆円となる計算だ。(中略) もちろんこの試算は、地下経済すべてに暴力団が関与していることを意味しない。しかし、試算が乱暴であることを前提としても、暴力団の摘発によって国庫に入る金額は、莫大なものといえよう。何より日本国憲法により「納税」は「国民の義務」なのだ。パナマ文書により暴力団の資金の流れが明らかになれば、国庫へ没収される資金はさらに増えることになる。 マイナンバーは個人だけではなく、企業・団体にも割り振られる。税金を申告するときに、支払先や雇用者ナンバーにより取引を確定する仕組みである。現段階では、あくまでも努力規定であり、申告書類にナンバーの記載がなくても直接的な取り締まり対象とはならない。しかし、ナンバー未記載の申告があれば、税務署が不正を疑い調査を行なうことが予想されている。■マイナンバーが炙り出すモノ 正確な脱税の解明には、正確な所得の把握が必要となる。マイナンバーの目的のひとつには、個人所得の正確な把握があるとされている。把握のための有力な手段のひとつとなるのが銀行口座の出入金記録である。 ところが、現在でもクレジットカードを所有、使用している暴力団関係者は少なからずいるとされている。クレジットカードを所有するためには、銀行口座がなければならない。現在、暴力団の構成員は銀行口座をもつことができないのだから、クレジットカードを所有していること自体おかしなことだ。 クレジットカードの所轄官庁は金融庁ではなく、経済産業省である。こうした官庁の壁から、もっとも対応が遅れてきたのがクレジットカードやローンだ。しかし、これも2013年の「みずほ銀行暴力団融資事件」をきっかけに、一気にチェックと規制が始まっている。 加えて、これまで銀行、クレジットや信販会社、消費者金融で、個別に運用されていた信用情報機関の統合や連携も進んでいる。全銀協が運営する全国銀行個人信用情報センター(KSC)、全国信販協会の信用情報機関であるシー・アイ・シー(CIC)、消費者金融の信用情報機関である日本信用情報機構(JICC)は、事故や申告すべき情報が発生した際には、CRIN(Credit Information Network)情報として、一定期間、サーバ上で共有する仕組みが取られている。こうした仕組みを活用しながら、反社会的勢力とされる人のローンやクレジット利用もどんどん厳しくなることが予想される。 ここで問題となっていたのが、「通名架空口座」である。2006年10月に、菅沼光弘元公安調査官が外国特派員協会で講演した際、「指定暴力団の構成員の約3割が外国人」という発言を行なった。警察も外国人と暴力団の経済的関係を疑っているという。 前述したが、マイナンバーに先駆けるかたちで、2012年7月から外国人住民票の発行が開始され、2015年7月に変更猶予期間が終了した。この外国人住民票には本名とひとつの通名を記載することができることになっている。また、これで通名だけの記載で済んださまざまな書類も本名が基本になり、あくまでも通名は併記が可能という仕組みに変更された。これにより複数の通名を使用することによる不正なローン契約や口座開設が不可能になった。『パナマ文書』3:中国経済の闇、グローバリズムの闇『パナマ文書』2:パナマ文書の衝撃『パナマ文書』1:オフショアの正体
2019.05.20
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図書館で『パナマ文書』という本を、手にしたのです。オフショアといえば、悪人の隠し口座であり、タックスヘイブン(租税回避地)でもある。2016年4月、「パナマ文書」がタックスヘイブン利用者を公表し、世界は大きな衝撃を受けた。【パナマ文書】渡邉哲也著、徳間書店、2016年刊<「BOOK」データベース>より世界中に衝撃を与えている「パナマ文書」。その膨大な取引データの暴露は、個人や企業のみならず、社会や国際情勢を一変させるほどの破壊力がある。パナマ文書の正体から、今後の世界と日本に与える影響までを完全分析!<読む前の大使寸評>オフショアといえば、悪人の隠し口座であり、タックスヘイブン(租税回避地)でもある。2016年4月、「パナマ文書」がタックスヘイブン利用者を公表し、世界は大きな衝撃を受けた。rakutenパナマ文書中国経済の闇、グローバリズムの闇を、見てみましょう。p124~129■習近平政権の崩壊につながりかねないパナマ文書 中国当局も、経済の減速傾向が強まるなか、地下銀行の摘発に力を注ぐようになった。たとえば、2015年11月20日には、浙江省の公安庁が中国本土からの持ち出しが制限されている人民元を香港などに違法に送金していた地下銀行の関係者300人あまりを摘発した。 その額は、これまで摘発されたなかで最大の約8兆円であった。日本の消費税を1%上げると約2兆円の税収入になると言われているので、消費税4%に相当する額が、この1件の摘発だけで押収されたのだ。まだ摘発されていない地下銀行全体となると、いったいどのくらいの額になるのか、想像もできない。 摘発されたグループは、香港に設立した架空の会社名義で開設した複数の口座を利用して、中国各地の顧客から依頼を受けるたびに人民元をいったん香港に送金し、アメリカドルなどに両替えしたうえで顧客の口座に振り込んでいたという(「NHKニュース」2015年11月20日付)。 しかし、前述のように、中国では共産党幹部までもが汚職による資金を海外へ逃しているという現実がある。習近平主席以外にも、反腐敗運動の責任者である中央規律検査委員会トップの王岐山ですら、アメリカへの不正送金や不正蓄財が噂されている。 また、胡錦濤前国家主席の側近だった令計画は反腐敗運動によって2014年12月に摘発され失脚したが、その弟、令完成は機密文書をもってアメリカに亡命した。その機密文書には、習近平一族や王岐山など共産党幹部の汚職の実態が記されているといわれている。 要するに、泥棒が泥棒を取り締まるようなものなのだ。パナマ文書でこうした中国共産党幹部の海外送金の実態が明らかになる可能性も十分にある。そしてそれは、下手をすれば習近平政権どころか、中国共産党一党独裁体制の命取りになりかねないのだ。■グローバリズムとナショナリズムの対立 世界的に金持ちに対する不満が、貧富の格差が激しくなっていくなかで強まっている。これは大局的に見た場合、グローバリズムとナショナリズムの対立ともいえる。 いわゆるグローバリズムというのは、無国籍な人たちによる自由な取引で、そういう人たちが有利になるという話だ。グローバル企業とグローバル金融は表裏一体であり,」当然、これはオフショアと呼ばれる無国籍地帯を利用して、さまざまなかたちで営業活動をすることで、税金を特定の国に払わない。いわゆる、ただ乗り屋、フリーライダーである。 これに対して強い不満が国際的に広がっている。 同時に、リーマンショック以降の景気悪化のなかで、各国政府は大規模な財政出動をせざるをえない状況にある。当然ながら失業が拡大するため、社会保障費が増える。国内企業も利益が出ないため法人税を支払えない。では、どこから税金を取るかということになるわけだが、オフショアを使った金融機関や企業などから取るというのがいちばん早い。 豊かな強者が税金を払っていないことに対して、国民の不満が強い。とくにアメリカにおいては、サブプライム問題やリーマンショック後、多くの人が職や住宅を失った。 しかし、サブプライム問題やリーマンショックを引き起こす原因を主導したのが銀行や金融機関であった。支払い能力のない低賃金層にまで住宅ローンを貸し出し、その債権を証券化して世界中に金融商品として売りさばき、それが結局、破綻して大きな経済危機を招いてしまったわけだ。 そのため、こうした金融界を叩き、税金を取ることに対して、アメリカ国民は拍手喝采する。アメリカの大統領選挙、とくに民主党選びにおいては、ヒラリー・クリントンがウォール街から金をもらっているということで批判され、バーニーサンダースが予想外に健闘しているという背景にも、金融叩きが票になるということを意味している。 イギリスにおいても同様な背景があるため、企業や政治家の租税回避については強い批判が起こる。 2012年末には、スターバックスのイギリス法人が税率の低いオランダに本社を移し、イギリス国内で税金を払っていないことに対して、大規模なデモが起きた。あまりの批判に対してスターバックスは、2013年から2年にわたり「法の求めを超えて」支払うことになった。『パナマ文書』2:パナマ文書の衝撃『パナマ文書』1:オフショアの正体
2019.05.20
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図書館で『パナマ文書』という本を、手にしたのです。オフショアといえば、悪人の隠し口座であり、タックスヘイブン(租税回避地)でもある。2016年4月、「パナマ文書」がタックスヘイブン利用者を公表し、世界は大きな衝撃を受けた。【パナマ文書】渡邉哲也著、徳間書店、2016年刊<「BOOK」データベース>より世界中に衝撃を与えている「パナマ文書」。その膨大な取引データの暴露は、個人や企業のみならず、社会や国際情勢を一変させるほどの破壊力がある。パナマ文書の正体から、今後の世界と日本に与える影響までを完全分析!<読む前の大使寸評>オフショアといえば、悪人の隠し口座であり、タックスヘイブン(租税回避地)でもある。2016年4月、「パナマ文書」がタックスヘイブン利用者を公表し、世界は大きな衝撃を受けた。rakutenパナマ文書パナマ文書の衝撃を、見てみましょう。p22~27■パナマ文書の本当の衝撃はこれから パナマ文書が4月3日に発表されると、各国に衝撃が走った。 アイスランドのシグムンドゥル・ダヴィードグンロイグソン首相は当初、個人財産情報の公開には問題ないと強気の姿勢であったが、翌4日にはレイキャビクで首相退陣を求める市民による大規模なデモが発生し、4月5日に一転して辞任を表明した。 イギリスのキャメロン首相に関しては、亡父が運営していたオフショア信託「ブレアモア・ホールディングス」の存在が明らかになった。これに対して、当初キャメロン首相はファンドからの亡父の資産30万ポンドの相続を認め、そのうえで非課税枠の範囲であるので問題ないと釈明していたわけであるが、その後、ほぼ同時期の母からの生前贈与20万ポンドの存在が明らかになったため、この原資が亡父のファンドではないかとの疑念が生じ、これが政治的問題になっているのだ。 これにより彼の支持率は急降下、ロンドンでは「税金払え」という辞任要求デモまで起こっている。 運が悪いことに、キャメロン首相が自ら反対していた砂糖税の導入を決め、貧困層への福祉支給の減額を行なおうとしていた矢先のことであり、「裕福な家庭に育ったキャメロン家の税金逃れ」と「貧しい世帯の切り捨て」という格差論にも発展して、批判が大きくなっているのである。 2.6テラバイトという膨大なデータ量ゆえにその検証には時間がかかるが、今後、発表されたデータの分析が進み精査されるにつれ混乱が拡大することが予想される。 もっとも、パナマ文書に記載されている案件には合法なものと違法なものが混ざっており、その取引内容をトレースして違法性があったかどうかを検証するには、さらに時間を要するだろう。 ただし、世界的に格差問題が深刻化しているなかで、政治家およびその親族が自らの立場を利用してオフショア金融センターを利用していたということが明るみに出れば、たとえ違法性はなかったとしても大きなマイナスイメージになることは、キャメロン首相の例から見ても明らかだろう。 習近平政権はパナマ文書に関する国内報道を禁じ、一切報じないようにした。中国の報道官も外国人記者からの質問に対して、「雲をつかむような話だ」と、文書の信頼性を否定してみせた。プーチン大統領は「ロシア弱体化を狙う欧米の陰謀」と反論した。 独裁国家であれば、中国のように強権的に情報をシャットダウンすることもできるが、民主国家ではそれができない。そんなことをすれば言論弾圧だと批判され、政権の維持が困難になってしまう。それだけに、最初にさまざまな影響が出るのは、民主国家である欧米のほうだともいえるだろう。 とはいえ、欧米諸国において次々と政権が崩壊、交代するようなことがあれば、世界的にも影響が波及することは必至で、中国やロシアも決して無関係ではいられない。この点については第3章で詳述する。『パナマ文書』1
2019.05.19
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図書館で『パナマ文書』という本を、手にしたのです。オフショアといえば、悪人の隠し口座であり、タックスヘイブン(租税回避地)でもある。2016年4月、「パナマ文書」がタックスヘイブン利用者を公表し、世界は大きな衝撃を受けた。【パナマ文書】渡邉哲也著、徳間書店、2016年刊<「BOOK」データベース>より世界中に衝撃を与えている「パナマ文書」。その膨大な取引データの暴露は、個人や企業のみならず、社会や国際情勢を一変させるほどの破壊力がある。パナマ文書の正体から、今後の世界と日本に与える影響までを完全分析!<読む前の大使寸評>オフショアといえば、悪人の隠し口座であり、タックスヘイブン(租税回避地)でもある。2016年4月、「パナマ文書」がタックスヘイブン利用者を公表し、世界は大きな衝撃を受けた。rakutenパナマ文書日本の企業や大富豪も利用しているといわれるオフショア。そのオフショアの正体を、見てみましょう。p20~22■オフショアの正体 世界のオフショアの一番の拠点は、英領バージンであるが、これはこの地域がもっとも法律的にゆるいからである。これを象徴するデータとして、2013年の英領バージンへの海外直接投資(FDI)は約920億ドルで世界4位になっている。ちなみに、1位はアメリカで海外からの直接投資は約1590億ドル、中国は約1270億ドル、ロシアでも約940億ドル程度である。 租税回避への世界的な規制が強まり始めた2014年は、英領バージンのランキングは7位まで落ちたが、それでも560億ドル以上が投資されている。ちなみに、英領バージンとともに主要なタックスヘイブンとされるケイマン諸島の場合、2013年は126億ドル、2014年は185億ドルである。 これは、これらの地域や国の法律が、タックスヘイブンを利用したい人にとって都合がよくできているからであり、それが不正や脱税の温床になるだけでなく、ブラックマネーのマネーロンダリングにも使われているわけである。 また、通貨としても英領バージンはアメリカドルが法定通貨であり、ケイマン諸島はケイマンドルで1ケイマンドル=1.2アメリカドルに固定されており、また一つのオフショア拠点でもある英領バーミューダも1バーミューダ=1アメリカドルの固定相場になっている。このため、こうしたオフショアは為替リスクがなく非常に使い勝手がよいわけである。 そして、そのようなタックスヘイブンのなかでも、なぜ英領バージンがもっとも選ばれているかといえば、会社設立に際して政府の許可が要らず(英領バーミューダは必用)、登記するだけでほぼ24時間以内に「免税会社」をつくれてしまうという点にある。また、事務所がなくても私書箱だけで会社をつくれるのが英領バージンの特徴なのである。 英領バージンの場合、会社設立に際して取締役が1人いればよく、取締役に法人がなることも可能である。この法人取締役というのがポイントで、複数の法人をつくり、その法人を指定すれば実際の所有者や責任者が見えないという仕組みなのである。また、代理人を指定すれば現地に取締役を常駐する必要はなく、代理人が居住していればいいのだ。会計義務はあるが、代理人事務所での「5年間の保管義務」だけで申告の必要もない。 加えて、年次株主総会を開く必要もないのである。会社を維持するためには、年に一度、わずかな会社登録税を払えばいいだけなのである。 ある意味で代理人とは貸電話や秘書サービスのようなものであり、この代理人業務と手続きを請け負っていたのがモサック・フォンセカだった。オプション料金を払えば郵便物の転送から、転送電話まで対応してくれるわけだ。資本規模とサービスにより違うが、1年間にかかるコストは10万円程度からである。 そして、この代理人事務所に保管されていた帳票類がパナマ文書の正体なのである。
2019.05.19
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<図書館予約の軌跡175>『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・三浦しおん「愛なき世界」(11/25予約、副本23、予約366)現在75位・多和田葉子「献灯使」(12/09予約、副本4、予約94)現在38位・堀江貴文「これからを稼ごう」(1/12予約、副本7、予約68)現在14位・日本が売られる(2/05予約、副本22、予約354)現在197位・多和田葉子『地球にちりばめられて』(2/18予約、副本3、予約34)現在20位・『AI VS.教科書が読めない子どもたち』(2/22予約、副本23、予約302)現在182位・樹木希林『一切なりゆき』(2/27予約、副本17、予約613)現在430位・天子蒙塵・第三巻(3/25予約、副本11、予約47)現在8位・そしてバトンは渡された(4/19予約、副本22、予約1036)現在996位・池澤夏樹『科学する心』(5/11予約、副本4、予約5)現在9位・辻惟雄『奇想の系譜』(5/18予約、副本5、予約44)現在43位・ジョセフ・コンラッド『闇の奥』(5/23予約、副本1、予約0)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)<予約候補>・J・G・バラード『クラッシュ』・E・スエンソン『江戸幕末滞在記』・柳美里『ねこのおうち』・書物の破壊の世界史・三橋貴明『日本経済2020年危機』・領土消失 規制なき外国人の土地買収・多和田葉子「エクソフォニー」・高橋源一郎『読んじゃいなよ』・銃・病原菌・鉄(上)・『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・八画文化会館vol.6 総力特集:レトロピア岐阜:図書館未収蔵・「月夜のでんしんばしら」谷川雁、C.W.ニコル:図書館未収蔵・Coloring in Wadaland―和田誠カラー作品集:図書館未収蔵・阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』:芸工大に収蔵・阿刀田高『裏声で歌へ君が代』・重松清『ビタミンF』:阿刀田さんが「セッちゃん」をお奨め・デジタルエコノミーはいかにして道を誤まるか:図書館未収蔵・カズオ・イシグロ著『癒されざる者たち』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』・ボリス・ヴィアン著『うたかたの日々』:芸工大に収蔵・『排除と抵抗の郊外 フランス〈移民〉集住地域の形成と変容』・禁じられた歌(田)<予約分受取:4/03以降> ・the four GAFA 四騎士が創り変えた世界(10/13予約、4/03受取)・更科巧「絶滅の人類史」(11/18予約、4/09受取)・梅原猛『隠された十字架』(4/07予約、4/27受取)・古処誠二『ニンジアンエ』(4/26予約、4/29受取)・角幡唯介「極夜行」 (12/02予約、5/06受取)・村上春樹『羊をめぐる冒険』(5/02予約、5/06受取)・大東建託の内幕(1/06予約、5/06受取)・『闇の奥』(5/06予約、5/12受取)・小林ふみ子『へんちくりん江戸挿絵本』(5/07予約、5/12受取)・開高健『日本三文オペラ』(4/30予約、5/18受取)・サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』(5/15予約、5/21受取)・トランスヒューマンガンマ線バースト童話集(2/16予約、5/26受取予定)【愛なき世界】三浦しをん著 、中央公論新社、2018年刊<「BOOK」データベース>より恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/25予約、副本23、予約366)>rakuten愛なき世界【献灯使】多和田葉子著、講談社、2014年刊<「BOOK」データベース>より鎖国を続ける「日本」では老人は百歳を過ぎても健康で、子供たちは学校まで歩く体力もないー子供たちに託された“希望の灯”とは?未曾有の“超現実”近未来小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/09予約、副本4、予約94)>rakuten献灯使【これからを稼ごう】堀江貴文著、徳間書店、2018年刊<出版社>よりお金は変わる。そしていずれ「なくなる」--。2017年、バブルを迎えた仮想通貨市場。だが、その本質は投機対象でも決済手段でも、あるいはブロックチェーンという技術革新ですらない。お金という存在の正体に皆が気づき始めたことこそが、革命なのだ。ビットコインが目指した自由、イーサリアムがもたらす大変革、そして新しく訪れる個人と会社・国家との関係性とは。仮想通貨から学ぶ「これからの経済学」。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/12予約、副本7、予約68)>rakutenこれからを稼ごう【日本が売られる】堤未果著、幻冬舎、2018年刊<「BOOK」データベース>より水と安全はタダ同然、医療と介護は世界トップ。そんな日本に今、とんでもない魔の手が伸びているのを知っているだろうか?法律が次々と変えられ、米国や中国、EUなどのハゲタカどもが、我々の資産を買い漁っている。水や米、海や森や農地、国民皆保険に公教育に食の安全に個人情報など、日本が誇る貴重な資産に値札がつけられ、叩き売りされているのだ。マスコミが報道しない衝撃の舞台裏と反撃の戦略を、気鋭の国際ジャーナリストが、緻密な現場取材と膨大な資料をもとに暴き出す!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/05予約、副本22、予約355)>rakuten日本が売られる【地球にちりばめられて】多和田葉子著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る―。言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/18予約、副本3、予約34)>rakuten地球にちりばめられて【AI VS.教科書が読めない子どもたち】新井紀子著、東洋経済新報社、2018年刊<「BOOK」データベース>より大規模な調査の結果わかった驚愕の実態ー日本の中高校生の多くは、中学校の教科書の文章を正確に理解できない。多くの仕事がAIに代替される将来、読解力のない人間は失業するしかない…。気鋭の数学者が導き出した最悪のシナリオと教育への提言。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/22予約、副本23、予約302)>rakutenAI VS.教科書が読めない子どもたち【一切なりゆき】樹木希林著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より「求めすぎない。欲なんてきりなくあるんですから」心に沁みる希林流生き方のエッセンス!【目次】第1章 生きること/第2章 家族のこと/第3章 病いのこと、カラダのこと/第4章 仕事のこと/第5章 女のこと、男のこと/第6章 出演作品のこと<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/27予約、副本17、予約613)>rakuten一切なりゆき【天子蒙塵・第三巻】浅田次郎著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より運命に導かれ、それぞれの楽土を目指せ。満洲の怪人・甘粕正彦、男装の麗人・川島芳子、欧州に現れた吉田茂。昭和史最大の事件「日中戦争」前夜、大陸に野望を抱き、夢を掴もうとする者たちが動き出す。そして、希望の光をまとい、かつての英雄が中原のかなたに探し求めた男がついに現れた。その名はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/25予約、副本11、予約47)>rakuten天子蒙塵・第三巻【そしてバトンは渡された】瀬尾まいこ著、文芸春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。<読む前の大使寸評>図書館予約1036位ってか・・・・1年近く待つんやろか?<図書館予約:(4/19予約、副本22、予約1036)>rakutenそしてバトンは渡された【科学する心】池澤夏樹、集英社インターナショナル、2019年刊<「BOOK」データベース>より大学で物理学科に籍を置いたこともある著者は、これまでも折に触れ、自らの作品に科学的題材を織り込んできた。いわば「科学する心」とでも呼ぶべきものを持ち続けた作家が、最先端の人工知能から、進化論、永遠と無限、失われつつある日常の科学などを、「文学的まなざし」を保ちつつ考察する科学エッセイ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/11予約、副本4、予約5)>rakuten科学する心【奇想の系譜】辻惟雄著、小学館、2019年刊<「BOOK」データベース>より江戸絵画ブームの原点となる名著が、オールカラー完全版として新登場!又兵衛/山雪/若冲/蕭白/芦雪/国芳―アヴァンギャルドな絵師たちの江戸絵画を約130点も掲載!!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/18予約、副本5、予約44)>amazon奇想の系譜【闇の奥】コンラッド著、光文社、2009年刊<「BOOK」データベース>より船乗りマーロウはかつて、象牙交易で絶大な権力を握る人物クルツを救出するため、アフリカの奥地へ河を遡る旅に出た。募るクルツへの興味、森に潜む黒人たちとの遭遇、底知れぬ力を秘め沈黙する密林。ついに対面したクルツの最期の言葉と、そこでマーロウが発見した真実とは。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/23予約、副本1、予約0)>rakuten闇の奥【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の軌跡174予約分受取目録R19好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。
2019.05.19
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図書館に予約していた『極夜行』という本を、待つこと5ヵ月でゲットしたのです。昨年末のETV特集『極夜 記憶の彼方へ~角幡唯介の旅~』を観たのだが、壮絶な内容であった。…で、イラチな大使はこの本の図書館借出しを予約していたのです。【極夜行】角幡唯介著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>よりひとり極夜を旅して、四ヵ月ぶりに太陽を見た。まったく、すべてが想定外だったー。太陽が昇らない冬の北極を、一頭の犬とともに命懸けで体感した探検家の記録。<読む前の大使寸評>昨年末のETV特集『極夜 記憶の彼方へ~角幡唯介の旅~』を観たのだが、壮絶な内容であった。…で、イラチな大使はこの本の図書館借出しを予約していたのです。<読始めの大使寸評>このドキュメンタリーは連れ合いの出産場面から始まるのだが、予想が外れるわけで異色である。なるほど命がけの探検のプロローグとしては、繋がっていると言えるのかもしれないですね。どちらも光に注目して描いています。<図書館予約:(12/02予約、5/06受取)>rakuten極夜行「最北の村」の続きを、見てみましょう。p27~30<最北の村> もちろんシオラパルクは世界最暗の村なので、極夜は私だけの問題ではなく、ここに住む村の人にも大きな生活の障碍として横たわっている。 私が到着したのは11月7日、その頃はまだ極夜が始まったばかりの時期で、太陽は南中時に地平線の近くまで昇ってくるので昼間はうっすらとした明るさにつつまれる。しかしそれもまもなく終わりになる。冬至に向かうにつれて太陽はじわじわと地平線の下に沈み込んでいき、そのうち村は24時間の闇に閉ざされる。 そうなったら狩猟はいちじるしく制限を受ける。そのため村の男たちはまだ残るわずかな光量を頼りに、浮き氷の危険があるにもかかわらず、最後の追い込みとばかりにモーターボートでセイウチを追いかけていた。極夜という長い夜を乗りこえるために、最後の食料の備蓄にはげんでいるのだ。 村に来て数日後、全身羽毛服で身を固めたヌカッピアングアの奥さんが私の借家にやってきた。「ヌカッピアングアが帰ってきたよ。セイウチを獲ったってさ」 私は急いで防寒衣を着こんでカメラをもって浜に向かった。浜辺ではねっとりと粘つく重苦しい闇の中で、ヘッドランプの白い光だけが激しく交錯していた。ヌカッピアングアはこの日、同世代の村人とコンビを組んで狩りをおこない、首尾よく2頭のセイウチを仕留めていた。 男たちは興奮しながら縄で船を浜に揚げていた。猟をしていない男たちも家から出てきて手伝っている。陸揚げは単なる力仕事なので私にもできる。過去に村に長期滞在した経験がある私は、この作業を手伝えば自分も狩りの共同作業の一端の、そのまたかなり隅っこの際のあたりを担ったとみなされ、肉のおこぼれに与る可能性がでてくることを知っていた。「せいの、よいしょー」 私は精いっぱい虚勢の声を張り上げ、渾身の力を込めている姿勢をよそおいつつ、ロープを引っ張った。 揚船作業が終わると、今度はセイウチの引き揚げ作業がはじまった。セイウチは体重1トンにも達する巨獣で、彼らは仕留めた獲物をロープでボートにくくりつけて村まで引っ張ってきていた。「イン、トゥ、サイ!」 セイウチの陸揚げも単純な肉体労働である。みんなで声をあわせて引っ張った。セイウチを浜に揚げると、男たちはまず皮を剥ぎ、そして骨と骨の間に巧みに大きなナイフを入れて矢継ぎ早に肉の塊を切りわけていった。 男たちの口や鼻から荒い息が立ちのぼり、解体されるセイウチの肉からも白い湯気が湧きあがる。その白い湯気がヘッデン(ヘッドランプ)や街頭の灯りに照らされ闇の表情のなかに皺が刻まれ、浜は血と脂と、巨大な獲物を仕留めたときに特有の、人間の精神の原始的な部分に根差す奇妙な熱気につつまれ、昂揚した。 足元にメスセイウチの頭部がごろんと転がった。閉じた目は優しくも眠たげで、人間の表情と何ら変わらないようにも見えた。力仕事を手伝った私は犬の餌用に大きな背骨とあばら肉をもらい、目論見通りおこぼれに与ることに成功した。 今回の旅ではフリーの映像ディレクターである亀川芳樹さんとカメラマンの折笠貴さんという二人の取材班がシオラパルクまで同行して、出発までの準備を撮影した。(中略) 村に着き、私はまず自分の犬を引きとりにいった。犬の名はウヤミリック。地元の言葉でという意味だが、イヌイットは犬の名前を適当につけるので、みたいな意味があるわけではない。人懐っこいことにかけては村一番であるこの犬は、暗闇のなかから私がライトをつけて近づいてきたことに気が付いた途端、尻尾をぶるんぶるん揺らし、再会の喜びで白く長い毛を震わせて、推定体重40キロ近い巨体ごと私によりかかり顔をべろべろと舐めまわそうとした。「デカいですね」亀川さんが犬を見て言った。どうやらまたぞくぞくしているようだった。「それにもののけ姫の狼みたいに凛々しい」 そういわれると気のせいか1年前より身体がひと回り大きくなったように見える。ちょうど3歳の働きざかりなので筋肉が以前より盛りあがったのかもしれない。『極夜行』2:イヌイットとのファーストコンタクト『極夜行』1:東京医科歯科大学附属病院分娩室
2019.05.18
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図書館で『ネット右翼の終わり』という本を、手にしたのです。この本の副題が「ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか」となっているが…ネトウヨ、ヘイトスピーチのメカニズムが興味深いのです。【ネット右翼の終わり】古谷経衡著、晶文社、2015年刊<「BOOK」データベース>よりヘイトスピーチはなぜ無くならないのか。ネット上にはびこる差別的発言は、なぜ根絶されることなく再生産され続けるのか。この問題を解くためには、「ネット右翼」と「保守」の癒着の構造を理解しなければならない。保守派を自認する若き論客が、ネット右翼たちとのリアルな交流に基づいて世に問う、内側から見た「ネット右翼」の構造分析。<読む前の大使寸評>この本の副題が「ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか」となっているが…ネトウヨ、ヘイトスピーチのメカニズムが興味深いのです。amazonネット右翼の終わりいまだに書店の一角に平積みとなっている嫌韓本であるが…その嫌韓本について、見てみましょう。p109~112■「嫌韓本」とヘイトスピーチに相関はない これと全く同じ構造は、中国に限ったことではなく韓国に関する言説一般にも適用することができるだろう。例えば、先ほども紹介したように、韓国社会や韓国経済、韓国の政治や歴史に関する事実を扱った書籍やムックなどの数々が、近年急速に少なくない書店の一角を占めるようになってきている、とされる。 これを「嫌韓本(嫌韓出版物)」として一括し、「韓国を不当に賤しめ、韓国人に対するヘイトを煽るものである」として、2014年11月11日から16日まで、韓国国会図書館で展示されるまでの事態に陥っている。 この展示会の出展図書にはなぜか、私が2014年8月に出版した『もう、無韓心でいい』(ワック)が混入している。 手前味噌ながらこの本は「嫌韓本」どころか、寧ろ、韓国が問題視するところの「ヘイトスピーチや安直な嫌韓の風潮」を憂う内容であり、事実に基かない所謂「在日特権」や、韓国よりもはるかに日本の防衛にとって危険な中国の海洋進出への対抗策を提言する内容の本なのだが、「韓国を不当に賤しめ、韓国人に対するヘイトを煽るもの」とされてしまった。 ここから推測するに、取り急ぎ本文を一切読まず(日本語読解能力がないのか)、「韓国」というキーワードが入ったタイトルの本を展示しただけのお粗末な展示会だったようだ。 ともあれ、韓国に限らず、日本国内にあっても、同じくこうした「嫌韓本」を「民俗憎悪(ヘイト)を助長するものである」として、問題視する動きが顕著になっていることは繰り返し言うまでもない。 中国や韓国を批判する「嫌中憎韓」本の売行きが好調な出版界。憎悪を煽るような言説を疑問視しブームに対抗しようという動きが内部から出始めた。 東京都内の出版社の一室で4月下旬、大手から中小まで様々な出版社の社員約20人が議論を交わしていた。他国や他民族への憎悪をあおる言説に出版界の中から歯止めをかけられないか。そんな考えからフェイスブックなどを通じて集まった「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」のメンバーだ。 会社に秘密で参加している人も多く、今後どのような活動ができるのかはまだ未知数だが、事務局の岩下結さんは「今の状況をおかしいと思っている人が多いことを示したかった。のろしをあげることに意味がある。今後も会合を開き、出版界全体で考える流れを作っていきたい」という。 外交関係の緊張を背景に、中国や韓国を批判する本は昨年秋ごろから売れ始めた。今年上半期、新書・ノンフィクション部門の週間ベストセラーリストには『韓国人による恥韓論』『犯韓論』など両国をテーマにした本が7冊、トップ10入りした。中でも『呆韓論』は10週連続で1位。濃淡はあるが、いずれも様々な角度から両国を批判する内容で、売り場の目立つ場所で特集している書店も多い(後略)。(朝日新聞2014年6月18日) 朝日新聞2014年6月に掲載されたこの記事は、まさしく近年書店の一角をじわりと浸食する「嫌韓・嫌中本ブーム」に一石を投じた内容である。とりわけ「嫌韓本」に関しては、「憎悪をあおるような言説」として、「嫌韓」よりも表現の険しい「憎韓本」として定義し、これを憂う内容のものである。 実際には、このように「嫌韓本」と定義され、時として「憎悪をあおる」として「問題視」される出版物の数々は、既に述べたとおり、「嫌韓本」「憎韓本」というよりも「知韓本」の類と見做さなくてはならない。 なぜなら「嫌韓本」と類される本の殆んどは、韓国を憎悪し呪詛する内容というよりも、韓国の政治や経済の「事実」を、韓国に馴染みのない読者に伝えようという意図がその根本にあるためである。 先の韓国国会図書館での展示会ではこういった「嫌韓本」を「ヘイトスピーチ」といとも簡単に結びつけているが、実際には「嫌韓本」と「ヘイトスピーチ」には相関は殆んど見られない。『ネット右翼の終わり』1
2019.05.18
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図書館に予約していた『羊をめぐる冒険』という本を、待つこと4日でゲットしたのです。おお 村上文学もこれだけ古いと速攻でゲットできるやんけ♪【羊をめぐる冒険】村上春樹著、講談社、1982年刊<「BOOK」データベース>より古書につきデータなし<読む前の大使寸評>おお 村上文学もこれだけ古いと速攻でゲットできるやんけ♪<図書館予約:(5/02予約、5/06受取)>rakuten羊をめぐる冒険北海道での羊探索が始まったのでそのあたりを、見てみましょう。p222~226■1 映画館で移動が完成される。いるかホテルへ しかし彼女は一目でいるかホテルが気に入ったようだった。「なかなか良さそうなホテルじゃない」と彼女は言った。「良さそうなホテル?」と僕は聞きかえした。「こじんまりとしていて、余計なものもなさそうだし」「余計なもの」と僕は言った。「君の言う余計なものというのはしみのついてないシーツとか、水が洩らない洗面台とか、調節のきくエアコンとか、やわらかいトイレット・ペーパーとか新しい石鹸とか、日焼けしてないカーテンとか、そういうもののことなんだろうね」「あなたは物事の暗い面を見すぎるのよ」と彼女は笑って言った。「とにかく、私たちは観光旅行に来たわけじゃないんだもの」 ドアを開けると、中には思ったより広いロビーがあった。ロビーのまんなかには応接セットが1組と大型のカラーテレビが1台置いてあった。つけっぱなしになったタレビはクイズ番組を映し出していた。人影はない。 ドアの両側には大きな観葉植物の鉢が並んでいた。葉が半分変色している。僕はドアを閉め、その二つの鉢のあいだに立ってしばらくロビーを眺めた。 よく眺めてみるとロビーはそれほど広くはなかった。広く見えたのは家具が極端に少ないせいだった。応接セットと柱時計と大きな姿見、それ以外には何もない。 僕は壁によって時計と鏡を眺めてみた。どちらもがどこかからの寄贈品だった。時計は7分も狂っていて、鏡に映った僕の首は僕の胴から少しずれていた。(中略) 近づいてみると応接セットの長椅子には頭の禿げかけた中年男が乾燥魚みたいな格好で寝転んでいた。彼は最初死んでいるように見えたが、実際は眠っているだけだった。鼻が時々ぴくぴくと震えた。鼻のつけねには眼鏡のあとがついていたが、眼鏡はどこにもなかった。とするとテレビを見ているうちについ眠り込んだというわけでもなさそうだ。わけがわからなかった。 僕はフロントに立ってカウンターの中をのぞきこんでみた。誰もいなかった。彼女がベルを鳴らした。チーンという音ががらんとしたロビーに響きわたった。 30秒待ったが、何の反応もなかった。長椅子の中年男も目を覚まさなかった。 彼女はもい一度ベルを鳴らした。 長椅子の上で中年男がうなった。どことなく自分を責めているようなうなり方だった。それから男は目を開けてぼんやりと我々の姿を見た。 彼女は畳みかけるように三度めのベルを鳴らした。 男はとびあがるように長椅子から起きるとロビーを横切り、僕のわきをすり抜けてカウンターの中に入った。男はフロント係だった。「どうも申しわけありません」と男は言った。「本当に申しわけありません。お待ちしているうちについ眠り込んでしまいまして」「起して申しわけない」と僕は言った。「いえいえ、そんな」とフロント係は言った。そして僕に宿泊カードとボールペンを差し出した。彼の左手の小指と中指は第二関節から先がなかった。 僕はカードに一度本名を書いてから思いなおしてそれを丸めてポケットにつっこみ、新しいカードに出鱈目な名前と出鱈目な住所を書き込んだ。平凡な住所と平凡な名前だったが、とっさの思いつきにしては悪くない名前と住所だった。職業は不動産業としておいた。 フロント係は電話の横に置いてあったセルロイドぶちのぶ厚い眼鏡をかけて僕の宿泊カードを注意深く読んだ。「東京都杉並区…29歳、不動産業」 僕はポケットからチッシュ・ペーパーを出して指についたボールペンのインクを拭った。「今回は御商用で?」とフロント係が訊ねた。「うん、まあ」と僕は言った。「何泊なさいますか?」「1ヵ月」と僕は言った。こうして、いるかホテルに泊まることになる二人は翌日から羊探索を始めるのです。そしてひょんなことで羊博士に会うことになります。『羊をめぐる冒険』3:ジェイズ・バーのあたり『羊をめぐる冒険』2:羊の話が始まるあたり『羊をめぐる冒険』1:「第1章 1970/11/25」の冒頭
2019.05.18
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・三浦しおん「愛なき世界」(11/25予約、副本23、予約366)現在102位・多和田葉子「献灯使」(12/09予約、副本4、予約94)現在41位・堀江貴文「これからを稼ごう」(1/12予約、副本7、予約68)現在18位・日本が売られる(2/05予約、副本22、予約354)現在215位・多和田葉子『地球にちりばめられて』(2/18予約、副本3、予約34)現在22位・『AI VS.教科書が読めない子どもたち』(2/22予約、副本23、予約302)現在196位・樹木希林『一切なりゆき』(2/27予約、副本17、予約613)現在465位・天子蒙塵・第三巻(3/25予約、副本11、予約47)現在14位・そしてバトンは渡された(4/19予約、副本22、予約1036)現在1018位・池澤夏樹『科学する心』(5/11予約、副本4、予約5)・サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』(5/15予約、副本3、予約0)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)<予約候補>・辻惟雄『奇想の系譜』・J・G・バラード『クラッシュ』・E・スエンソン『江戸幕末滞在記』・柳美里『ねこのおうち』・書物の破壊の世界史・辻惟雄『奇想の系譜』・三橋貴明『日本経済2020年危機』・領土消失 規制なき外国人の土地買収・多和田葉子「エクソフォニー」・高橋源一郎『読んじゃいなよ』・銃・病原菌・鉄(上)・八画文化会館vol.6 総力特集:レトロピア岐阜:図書館未収蔵・「月夜のでんしんばしら」谷川雁、C.W.ニコル:図書館未収蔵・Coloring in Wadaland―和田誠カラー作品集:図書館未収蔵・阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』:芸工大に収蔵・阿刀田高『裏声で歌へ君が代』・重松清『ビタミンF』:阿刀田さんが「セッちゃん」をお奨め・デジタルエコノミーはいかにして道を誤まるか:図書館未収蔵・カズオ・イシグロ著『癒されざる者たち』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』・ボリス・ヴィアン著『うたかたの日々』:芸工大に収蔵・『排除と抵抗の郊外 フランス〈移民〉集住地域の形成と変容』・禁じられた歌(田)<予約分受取:3/30以降> ・ねじまき鳥クロニクル・第一部(3/12予約、3/30受取)・the four GAFA 四騎士が創り変えた世界(10/13予約、4/03受取)・更科巧「絶滅の人類史」(11/18予約、4/09受取)・梅原猛『隠された十字架』(4/07予約、4/27受取)・古処誠二『ニンジアンエ』(4/26予約、4/29受取)・角幡唯介「極夜行」 (12/02予約、5/06受取)・村上春樹『羊をめぐる冒険』(5/02予約、5/06受取)・大東建託の内幕(1/06予約、5/06受取)・『闇の奥』(5/06予約、5/12受取)・小林ふみ子『へんちくりん江戸挿絵本』(5/07予約、5/12受取)・開高健『日本三文オペラ』(4/30予約、5/19受取予定)・サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』(5/15予約、5/21受取予定)・トランスヒューマンガンマ線バースト童話集(2/16予約、5/21受取予定)【愛なき世界】三浦しをん著 、中央公論新社、2018年刊<「BOOK」データベース>より恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/25予約、副本23、予約366)>rakuten愛なき世界【献灯使】多和田葉子著、講談社、2014年刊<「BOOK」データベース>より鎖国を続ける「日本」では老人は百歳を過ぎても健康で、子供たちは学校まで歩く体力もないー子供たちに託された“希望の灯”とは?未曾有の“超現実”近未来小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/09予約、副本4、予約94)>rakuten献灯使【これからを稼ごう】堀江貴文著、徳間書店、2018年刊<出版社>よりお金は変わる。そしていずれ「なくなる」--。2017年、バブルを迎えた仮想通貨市場。だが、その本質は投機対象でも決済手段でも、あるいはブロックチェーンという技術革新ですらない。お金という存在の正体に皆が気づき始めたことこそが、革命なのだ。ビットコインが目指した自由、イーサリアムがもたらす大変革、そして新しく訪れる個人と会社・国家との関係性とは。仮想通貨から学ぶ「これからの経済学」。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/12予約、副本7、予約68)>rakutenこれからを稼ごう【日本が売られる】堤未果著、幻冬舎、2018年刊<「BOOK」データベース>より水と安全はタダ同然、医療と介護は世界トップ。そんな日本に今、とんでもない魔の手が伸びているのを知っているだろうか?法律が次々と変えられ、米国や中国、EUなどのハゲタカどもが、我々の資産を買い漁っている。水や米、海や森や農地、国民皆保険に公教育に食の安全に個人情報など、日本が誇る貴重な資産に値札がつけられ、叩き売りされているのだ。マスコミが報道しない衝撃の舞台裏と反撃の戦略を、気鋭の国際ジャーナリストが、緻密な現場取材と膨大な資料をもとに暴き出す!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/05予約、副本22、予約355)>rakuten日本が売られる【地球にちりばめられて】多和田葉子著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る―。言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/18予約、副本3、予約34)>rakuten地球にちりばめられて【AI VS.教科書が読めない子どもたち】新井紀子著、東洋経済新報社、2018年刊<「BOOK」データベース>より大規模な調査の結果わかった驚愕の実態ー日本の中高校生の多くは、中学校の教科書の文章を正確に理解できない。多くの仕事がAIに代替される将来、読解力のない人間は失業するしかない…。気鋭の数学者が導き出した最悪のシナリオと教育への提言。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/22予約、副本23、予約302)>rakutenAI VS.教科書が読めない子どもたち【一切なりゆき】樹木希林著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より「求めすぎない。欲なんてきりなくあるんですから」心に沁みる希林流生き方のエッセンス!【目次】第1章 生きること/第2章 家族のこと/第3章 病いのこと、カラダのこと/第4章 仕事のこと/第5章 女のこと、男のこと/第6章 出演作品のこと<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/27予約、副本17、予約613)>rakuten一切なりゆき【天子蒙塵・第三巻】浅田次郎著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より運命に導かれ、それぞれの楽土を目指せ。満洲の怪人・甘粕正彦、男装の麗人・川島芳子、欧州に現れた吉田茂。昭和史最大の事件「日中戦争」前夜、大陸に野望を抱き、夢を掴もうとする者たちが動き出す。そして、希望の光をまとい、かつての英雄が中原のかなたに探し求めた男がついに現れた。その名はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/25予約、副本11、予約47)>rakuten天子蒙塵・第三巻【そしてバトンは渡された】瀬尾まいこ著、文芸春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。<読む前の大使寸評>図書館予約1036位ってか・・・・1年近く待つんやろか?<図書館予約:(4/19予約、副本22、予約1036)>rakutenそしてバトンは渡された【科学する心】池澤夏樹、集英社インターナショナル、2019年刊<「BOOK」データベース>より大学で物理学科に籍を置いたこともある著者は、これまでも折に触れ、自らの作品に科学的題材を織り込んできた。いわば「科学する心」とでも呼ぶべきものを持ち続けた作家が、最先端の人工知能から、進化論、永遠と無限、失われつつある日常の科学などを、「文学的まなざし」を保ちつつ考察する科学エッセイ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/11予約、副本4、予約5)>rakuten科学する心【ナイン・ストーリーズ】ジェローム・デーヴィド・サリンジャー著、ヴィレッジブックス、2012年刊<「BOOK」データベース>よりサリンジャーが遺した最高の9つの物語。35年ぶりの新訳。【目次】バナナフィッシュ日和/コネチカットのアンクル・ウィギリー/エスキモーとの戦争前夜/笑い男/ディンギーで/エズメにー愛と悲惨をこめて/可憐なる口もと緑なる君が瞳/ド・ドーミエ=スミスの青の時代/テディ<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/15予約、副本3、予約0)>rakutenナイン・ストーリーズ【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の軌跡173予約分受取目録R19好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。
2019.05.17
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図書館で『ネット右翼の終わり』という本を、手にしたのです。この本の副題が「ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか」となっているが…ネトウヨ、ヘイトスピーチのメカニズムが興味深いのです。【ネット右翼の終わり】古谷経衡著、晶文社、2015年刊<「BOOK」データベース>よりヘイトスピーチはなぜ無くならないのか。ネット上にはびこる差別的発言は、なぜ根絶されることなく再生産され続けるのか。この問題を解くためには、「ネット右翼」と「保守」の癒着の構造を理解しなければならない。保守派を自認する若き論客が、ネット右翼たちとのリアルな交流に基づいて世に問う、内側から見た「ネット右翼」の構造分析。<読む前の大使寸評>この本の副題が「ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか」となっているが…ネトウヨ、ヘイトスピーチのメカニズムが興味深いのです。amazonネット右翼の終わり大使の場合、ネット利用とは家庭用パソコンを介してであるが・・・これが若者たちのネット利用とは違っているようです。そのあたりについて、見てみましょう。p84~88■インターネットは「若者の空間」ではすでになかった すでにゼロ年代初頭から中盤の段階で、インターネットを利用しているのは「若者」ではなく、その中心は30代を頂点としたものであった。 図は、総務省による2000年におけるネット利用者の性別と年代を表したものだが、この図を見ても顕著なように、2000年の段階ですでに20代と30代のネット利用者がタイで並んでいる。「若者」であるはずの10代は、男女計でわずか2.6%と、50代の利用者の半分程度になっている。 これは、当時インターネット接続には現在よりも高価なPCやプロバイダー料金を必要とし、またやや高度な知識を必要としたからである。ネット接続は、経済的に余裕があり、またIT知識が豊富な社会人以降がその中核となるのは当たり前のことだ。既にいまから15年前の段階で、インターネットの空間は「若者の空間」ではなかったのである。 ネットに対してあまりに無知だった既成の「保守」の多くにとっては、90年代にドコモの「iモード」を筆頭として、移動体通信からネットに接続するユーザーの多くが高校生や中学生であったというイメージが強烈過ぎたのだった。 移動体通信からのネット接続は確かにティーンが多いが、前提としてある程度高度なパソコンの知識を必要とし、それなりに高い通信料と設備費を支払うことになる家庭用パソコンからのネット利用者は、そもそも90年代の段階から10代、20代の若者ではなく、30代、40代の中年層が中心である、という認識が全く欠落していたのだ。 つまり、「ネット右翼」はいたいけな10代、20代の若者であると勝手に誤解をして、まるで久方ぶりに遊びに来た孫の機嫌を取るのに必死になる老人のように、彼らの矛盾点や不備を積極的に突くという言動には、ついぞ至らなかったのである。 しかし「ネット右翼」の中心年齢が30代、40代、場合によってはそれ以上になることはすでに示したとおりであり、結局のところ彼らからすれば1回り若いかもしれないが、分別のある大人に毅然と「おかしい」と叱ることを躊躇してきた「保守」側の責任は重いといえよう。■保守とネット右翼のウィン・ウィンの構造 もう一つは、「文明の利器」を受容した受け手の「ネット右翼」側に重大な問題が潜んでいる。2002年から始まった「前記ネット右翼」の言説空間は「トンデモ」や「陰謀論」が飛び交い、とても新聞や雑誌、ましてテレビなどの「既成の媒体」に取り上げられるような水準のモノではなかった。 そればかりか、これは「ネット右翼」とは直接関係がないが、90年代末期からゼロ年代中盤にかけて、数々の十代殺人事件の予告の手段として使われてきたのが、2ちゃんねるをはじめとするインターネットの空間であった。(中略) 事実、ゼロ年代後半まで、既成の大手メディア、特にテレビは「2ちゃんねる」ことを「巨大掲示板」、YouTubeのことを「動画投稿サイト」と伏せ字のように呼称し、正式のサービス名称で呼び始めたのはここ4、5年の出来事に過ぎない。「ネット右翼」は既成の大手マスメディアを激しく呪詛する一方で、自分たちが何か犯罪者の予備軍か、日陰者の存在であることを熟知し、そして内心では彼ら既成の大手メディアに承認されることを、実は切望していた面がある。ウーム 清濁併せもつ「2ちゃんねる」なんかは可愛いもので・・・「インターネットの匿名性」が持っている犯罪性がクローズアップされてくる気がするわけです。
2019.05.17
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2本立て館で観た映画を集めてみました。ま~個人的な鑑賞目次みたいなものです。R16:「恐るべき才能」を追記・恐るべき才能2019.5.14・すばらしきミュージカル映画2019.2.08・年末特集#3:イタリアにてH30.12.26・大女優を偲んで・・・H30.11.24・穏やかに自己貫徹H30.10.18・雨降って・・・H30.10.03・ニクソン政権×パルシネマH30.8.22・彼らをつき動かすものH30.7.21・覚悟をもった嘘!H30.6.28・時空を超えて・・・H30.5.24・今年一番の「衝撃」と「温もり」H30.4.14・静と動・・・H30.3.16・【年末】掘り出し物特集H29.12.25・家族の歴史H29.10.04・子供たちのためH29.6.29・ヨーロッパの景観H28.11.18・噂と真実・・・H28.11.7・人生いたるところに青山ありH28.9.8・暑中お見舞い2本立てH28.8.15・新春の2本立てH28.1.1・仲間と家族、大切なのは絆・・・ H27.11.24・行動すると、何かが・・・ H27.11.03・使命を背負う者は・・・H27.10.04・家族以上の絆H27.8.04・初老向け二本立て映画H27.3.28・生きた証H26.10.30・不良老年2本立てH26.09.20・文芸2本立てH26.8.14・離婚の危機を乗りこえたH26.3.09・頑張るフランス女H26.2.06・大晦日に2本立て館へH26.1.5・豪華2本立てを観たH25.9.28・屋根裏部屋のマリアたちH25.4.24・「キリマンジャロの雪」と「星の旅人たち」H24.12.20・全天候型ロボジーと自称しているのでH24.8.11・マーガレット・サッチャー鉄の女の涙H24.7.8・ゴーストライターH24.4.11・ハートロッカー2010.09.07・グラントリノ2009.08.14・ナイロビの蜂(The Constant Gardener) 2006.09.21以降、折りをみて追記予定。 この鑑賞目次をつらつらと眺めてみると・・・2018年の書き込みが突出して多いのです。なんでやろ?と思うのだが、映画の数が増えたせいでもあるだろうし、何といっても大使が暇になったせいでしょうね。
2019.05.17
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図書館に予約していた『闇の奥』という本を、待つこと6日でゲットしたのです。ジョセフ・コンラッド『闇の奥』を予約したつもりが、この本だった。でも面白そうだから…ま いいか♪【闇の奥】辻原登著、文藝春秋、2013年刊<「BOOK」データベース>より太平洋戦争末期、北ボルネオで、気鋭の民族学者・三上隆が忽然と姿を消した。彼はジャングルの奥地に隠れ住む矮人族(ネグリト)を追っていたという。三上の生存を信じる捜索隊は、ジャングルの奥地で妖しい世界に迷い込むー。ジョセフ・コンラッド『闇の奥』に着想を得、その思想を更に発展させた意欲作。2011年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。<読む前の大使寸評>ジョセフ・コンラッド『闇の奥』を予約したつもりが、この本だった。でも面白そうだから…ま いいか♪<読始めの大使寸評>紀伊半島の土蜘蛛と呼ばれる先住人、アイヌのコロポックル伝説などは、体を大きくしたり小さくしたりする島嶼化現象と呼ばれているそうである。台湾、フィリピン諸島、マレー半島、ボルネオ、アンダマン諸島のネグリト(小人族)は、ヒマラヤ褶曲の東南方向の線にそって分布していると著者は指摘する。更に、ネグリトは、ジャワ原人でも、北京原人でもネアンデルタール人でも、ましてや現代人の系統に属するものではなくて、もうひとつの独立した系統ではないかと著者は話を紡いでいくのです。<図書館予約:(5/06予約、5/12受取)>rakuten闇の奥ヒマラヤを越える鶴「雲南マツタケ狩りツアー」の続きを、見てみましょう。p265~268イタリアの秋の水仙II 2009年9月2日、「雲南マツタケ狩りツアー」一行21名を乗せた南京汽車廠製マイクロバスは、最後のうねりくねりの峠をあえぎあえぎ登り切ると、あとは一直線の坂道を飛ぶように駆け下った。二度、大きくバウンドして平地走行に移ったあと、刈り入れを待つばかりの黄金色したチンコー麦の畑中をひたすら徳欽めざして走り抜ける。 やがて人家の連なりと柱のようにまっすぐ立ちのぼる無数の炊煙やラマ僧院の石板葺きの屋根がみえてきた。「さあ、いよいよですよ!」 団長の陳志明が大声を出して、座席から立ち上がった。 まちの入口の石柱門に、「熱烈歓迎 中日松茸友好視察交流団」 と書いた横断幕が掲げられている。その横断幕の下をバスは土煙を上げてくぐり抜けた。 市政府前広場では、五星紅旗や日の丸の小旗を持った人々が待ちかまえていて、バスが彼らの中に突っ込むようにして停車すると、いっせいに小旗が打ち振られ、「熱烈歓迎、ルーリエホアンイン!」 と歓声が上がった。 要人、幹部たちが駆け寄ってくる。県長の呉強、前県長で松茸輸出会社と徳欽旅遊有限公司社長を兼ねるチェンセル・ナムカンとその社員たちだ。 シュッと音をたててドアが開くと、いっそう高まった歓声に向かって陳志明がとびおりる。チェンセル、つづいて呉強と握手を交わす。だが、日本人たちは思いがけない熱狂的な歓迎ぶりにおっかなびくり、目をしろくろさせて、しばらく座席から立ち上がれなかった陳と滑川に促されて、ようやく下車をはじめた。 彼らもまた県長やチェンセル社長とその社員たちの握手攻めにあう。ようやく滑川の先導で、今日から3日間滞在する徳欽太子大酒店へと向かった。各人が部屋で旅装を解き、ほっとするまもなく召集がかかって、再び来た道を逆に行進させられ、市政府までもどると、ホールでの歓迎宴にのぞむ。(中略) なかなか終わらない。やっと終わったと思ったら県長呉強のスピーチ、そして日本側を代表して陳志明の長大なスピーチがつづく。やがて乾杯だが、これもまた党委員会主任やら遠いマツタケ山から2日がかりでやってきた生産地代表といつ果てるともしれない。(中略) 村上や青木と同じテーブルについていた須永利恵の姿がいつの間にか消えている。やがて半時間になろうかというのに彼女はもどってこない。ウーム この展開は経済的コメディなのかミステリーなのか・・・ま 面白ければどちらでもいいけどね。『闇の奥』2『闇の奥』1
2019.05.16
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図書館に予約していた『闇の奥』という本を、待つこと6日でゲットしたのです。ジョセフ・コンラッド『闇の奥』を予約したつもりが、この本だった。でも面白そうだから…ま いいか♪【闇の奥】辻原登著、文藝春秋、2013年刊<「BOOK」データベース>より太平洋戦争末期、北ボルネオで、気鋭の民族学者・三上隆が忽然と姿を消した。彼はジャングルの奥地に隠れ住む矮人族(ネグリト)を追っていたという。三上の生存を信じる捜索隊は、ジャングルの奥地で妖しい世界に迷い込むー。ジョセフ・コンラッド『闇の奥』に着想を得、その思想を更に発展させた意欲作。2011年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。<読む前の大使寸評>ジョセフ・コンラッド『闇の奥』を予約したつもりが、この本だった。でも面白そうだから…ま いいか♪<読始めの大使寸評>紀伊半島の土蜘蛛と呼ばれる先住人、アイヌのコロポックル伝説などは、体を大きくしたり小さくしたりする島嶼化現象と呼ばれているそうである。台湾、フィリピン諸島、マレー半島、ボルネオ、アンダマン諸島のネグリト(小人族)は、ヒマラヤ褶曲の東南方向の線にそって分布していると著者は指摘する。更に、ネグリトは、ジャワ原人でも、北京原人でもネアンデルタール人でも、ましてや現代人の系統に属するものではなくて、もうひとつの独立した系統ではないかと著者は話を紡いでいくのです。<図書館予約:(5/06予約、5/12受取)>rakuten闇の奥チベットに触れたあたりを、見てみましょう。p231~233イタリアの秋の水仙II 三上隆を求め、彼と共に生きる、これが最後のチャンス、最後の旅になるだろう。東南チベット、深い浸食谷(ゴルジュ)の国の奥深く分け入ってゆく行程は空想裡のものなどでなく、世界最大の警察国家、中華人民共和国政府の領土へと身を呈してゆくのだ。 まず入国ビザを取得した上で、さらに個別に、雲南省政府、テキ慶チベット族自治州政府、チベット自治区政府、林芝県政府、各自治県人民政府、各公安局etc…の入境許可を得なければならなかった。 東京・元麻布にある中国大使館領事部査証課の女性係官はいった。「わが国政府は、あなたが入境を希望している地区への外国人の立入りを認めていない。しかも、あなたの目的は、心情は理解できるが、曖昧すぎて検討の対象にはならない。麗江までは個人でも自由に行ける。わが国政府の認可を受けた旅行社のツアーなら、たぶん中旬、いまは香格里拉と名を変えたが、シャングリラまで行けるだろう。いくつかの岩峰のトレッキングも可能だ。しかし、あなたがめざす察隈、然烏、ナムチャ・バルワ一帯に入るためには次のような然るべき機関の入境許可をひとつひとつ取らなければならないし、先にいったように現在、諸般の事情で、外国人は行くことができない」 そして、係官は先の政府機関の名前を列挙した。息子は然るべき機関名をひとつ聞くたびにひとつため息をつく。止めを刺すように、若い、流暢な日本語を駆使する女性係官はいった。「昨年、徳欽で、ドイツ人青年が不法入域で逮捕され、1ヶ月間の軟禁ののち国外退去処分になりました」 だが、大使館に足を運んだのは無駄ではなかった。係官の言葉の中に貴重なヒントがひそんでいた。中旬、つまりふざけた名称だが、シャングリラまでなら行ける。 息子は、大小いくつもの旅行会社から「パッケージ・ツアー」のパンフレットを取り寄せ、机上に積み上げ、片っ端から目を通す。きらびやかなシャングリラ観光の冊子やチラシの中から、地味で簡素な1枚が滑り落ちた。「雲南マツタケ狩りツアー」「20世紀旅行」という聞いたことのない小さな旅行会社の企画だ。21世紀になることを予期していなかったのか、20世紀によほど思い入れでもあるのか。気のきいたような説明写真1枚とてない、黄色地に黒字だけのチラシが謳い上げている文句を読む。「史上初、前代未聞の海外マツタケ狩りツアー!」ツァワロンからザユルにかけて、いわゆるヒマラヤ山脈の東端を南北に連なる横断山脈の西側は、マツタケの一大宝庫なのです。つい最近まで、中国ではマツタケは東北部朝鮮族延辺自治区とチベット自治区でごくわずか、乾燥させてのち油炒めにして食べるくらいの、食用としては下等な茸の扱いしか受けていませんでした。(中略) みなさん、雲南マツタケがツァワロンと呼ばれる東南チベットの5、6千メ-トル級の岩峰の連なる谷間で採取されることをご存知だったでしょうか。 何を隠そう、ときたか、と息子はつぶやく。まるでマツタケの香に酩酊したかのような文章だ。 早速、息子は「20世紀旅行」に電話をかけ、翌日、神田警察署の裏手にある古ぼけた五階建てビルを訪れた。ウン なんだかミステリーとかスパイ映画のような予感がするのです。『闇の奥』1
2019.05.16
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お天気は、曇り・・・お天気に関係なしということでくだんの2本立て館に繰り出したのです。今回の出し物は「ライ麦畑の反逆児」と「バッド・ジーニアス」であり、館主の設けたテーマは「恐るべき才能」となっています。毎度のことながら、2作品を選ぶ館主のセンスには感心しているのですが、今回のテーマとしては、作家の半生とカンニング・ビジネスという違いはあるにしろ、恐るべき才能と呼んでいいんじゃないでしょうか♪それから、個人的事情となるが…『ぼくの翻訳人生』という本でサリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の成り立ちを読んだところだったので、今回のお出ましとなったのです。【ライ麦畑の反逆児】ダニー・ストロング監督、2017年米制作、2019.5.14観賞<Movie Walker作品情報>より 世界的ベストセラーとなった「ライ麦畑でつかまえて」の作者、J.D.サリンジャーの知られざる半生に迫る人間ドラマ。 作家を目指す青年が、戦争での地獄のような体験を経て、初長編小説を完成させるまでが描かれる。『X-MEN』シリーズのビースト役で知られるニコラス・ホルトがサリンジャーに扮し、内に強烈な個性と孤独を抱えた青年を体現する。<大使寸評>この映画の副題が「ひとりぼっちのサリンジャー」となっているが…サリンジャーが名を成した後、世間の狂騒に背を向け田舎に隠遁してしまうのは戦争体験というPTSDがあったからでしょうか。興味深いのは、アメリカの出版業界事情が見られるのです。とにかく、作品への強烈な干渉があるわけで、編集長の見立てと権限によって、作品は日の目を見るようですね。日本でもその傾向はあるのでしょうがアメリカの自己主張は強いので…作家の大変さがしのばれるのです。この映画で『ナイン・ストーリーズ』という記念碑的短篇集を知ったのだが・・・イラチな太子は帰ってすぐに図書館に借出し予約を入れたのです。…という風に、作家志望の方にとって、この映画は実りの多いハウツーとなっているようですよ。movie.walkerライ麦畑の反逆児映画館でもらった「ちらし」から転記します 全世界累計6500万部突破、世界中の若者に衝撃を与え、愛され、無数のフォロワーを生み出してきた20世紀のベストセラー「ライ麦畑でつかまえて」。その存在はアメリカ文学の常識を覆し、カルフォルニア教育委員会は小説をボイコットし、さらにはジョン・レノン暗殺犯やレーガン大統領暗殺未遂犯の愛読書にもなったというセンセーショナルな事件によってアメリカ社会を揺るがしてきた。 そして天才作家と呼ばれたサリンジャーは長篇小説としてはこの1冊だけを残し、人気絶頂のなかで表舞台から姿を消してしまう…。その生前は語ることが一切許されなかった作家の謎に満ちた半生と名作誕生前夜の真実が、ついに明らかになる。 1939年の華やかなニューヨーク。作家を志す20歳のサリンジャーは編集者バーネットと出会い短篇を書き始め、その一方で劇作家ユージン・オニールの娘ウーナと恋に落ちる。だが戦争が勃発し、サリンジャーは戦争の最前線での地獄を経験することになる。この映画館では毎回、幕間にお昼の弁当を食べるのだが・・・・今回はダイエーで買ったおにぎりとサンドイッチでした♪【バッド・ジーニアス】ナタウット・プーンピリヤ監督、2017年タイ制作、2019.5.14観賞<Movie Walker作品情報>より 高校生のカンニングをスタイリッシュ描くタイ発クライム・エンタテインメント。進学校に特待奨学生として転入した天才的頭脳を持つ女子高生リン。テスト中にカンニングで友人グレースを救うと、グレースの彼氏からカンニングで金を稼ぐことを持ちかけられる。 監督は、「Countdown」が第86回アカデミー賞外国語映画賞タイ代表に選ばれたナタウット・プーンピリヤ。出演は、モデル出身で本作が映画初出演となるチュティモン・ジョンジャルーンスックジン。2017年ニューヨーク・アジアンフィルム・フェスティバル作品賞・ライジングスター賞、2017年カナダ・ファンタジア映画祭作品賞・監督賞、2017年福岡国際映画祭観客賞受賞。<大使寸評>130分とやや冗長に感じたのだが、映画初出演となるヒロインの魅力に惹かれた大使は…居眠りをこかずに観ることができたのです。movie.walkerバッド・ジーニアス『ぼくの翻訳人生』7パルシネマ上映スケジュール
2019.05.16
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図書館に予約していた『極夜行』という本を、待つこと5ヵ月でゲットしたのです。昨年末のETV特集『極夜 記憶の彼方へ~角幡唯介の旅~』を観たのだが、壮絶な内容であった。…で、イラチな大使はこの本の図書館借出しを予約していたのです。【極夜行】角幡唯介著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>よりひとり極夜を旅して、四ヵ月ぶりに太陽を見た。まったく、すべてが想定外だったー。太陽が昇らない冬の北極を、一頭の犬とともに命懸けで体感した探検家の記録。<読む前の大使寸評>昨年末のETV特集『極夜 記憶の彼方へ~角幡唯介の旅~』を観たのだが、壮絶な内容であった。…で、イラチな大使はこの本の図書館借出しを予約していたのです。<読始めの大使寸評>このドキュメンタリーは連れ合いの出産場面から始まるのだが、予想が外れるわけで異色である。なるほど命がけの探検のプロローグとしては、繋がっていると言えるのかもしれないですね。どちらも光に注目して描いています。<図書館予約:(12/02予約、5/06受取)>rakuten極夜行英国海軍探検隊とイヌイットのファーストコンタクトを、見てみましょう。p22~26<最北の村> ロスの通訳は彼らが何を言っているのかほとんど分からなかったが、ただこの人たちが次のようなことを訊いていることは理解できたという。彼らは探検隊の船を指してこう訊いていたのだ。「お前は太陽から来たのか。月から来たのか」 ロスの通訳は答えた。「俺もあんたたちと同じように人間だ。父親も母親もいる。南のほうから来たんだ」 だが未知の人々は「ここから南には、氷しかない」と言い張り通訳の言うことを信じなかった。二隻の帆船を木でできた人工物だと説明しても、羽の生えた巨大な飛行動物にちがいないと言ってゆずらなかった。どこから来たのか尋ねると、彼らは北を指さし、俺たちは人間(イヌイット)だ、もっと向こうに住んでいると答えたという。 太陽から来たのか、月から来たのか…。 この名も知らぬイヌイットが二百年前に不用意に発した言葉は、今になって思えば私という人間の人生に大きな意味をもつものとなった。というのも、私が冬のシオラパルクというこの北の最果ての暗黒の地に来たのは、彼らが見ていたような本物の太陽や本物の月を私も見てみたかったからだ。 たとえば本物の太陽。それはひと言でいえば、万物をそこにあらしめる究極の光のことであろう。何億キロワットとか何兆ルーメンなどといった科学的に計測される無味乾燥な単位では断じて表現することのできない、もっと私たちの存在を直に刺激する根源的なパワーのことである。 私たちの肉体と精神に規律と脈動をあたえるダイナミックな光のことであり、たとえて言えばお釈迦様の背後から世界を照らす後光。過去の苦難や困窮がすべて洗い流され、一人の新しい人間としての再生を感じることができる、そんな希望に満ちた光である。(中略) 極夜の世界に行けば、真の闇を経験し、本物の太陽を見られるのではないか…。 そんなことを考えたのは、もうずいぶん前のことである。 幸運なことに、極夜という現象そのものを未知なる空間ととらえて、それを洞察するために探検した人間は過去にはほとんど例がなかった。 もう未知など存在しないと思われているこの高度情報化社会であるが、極夜世界だけは比較的手軽な謎の空間として、ほぼ手つかずで放置されたままだった。暗くて寒いだけの極夜など多くの人にとって関心の対象ではなかったのだろう。それに、どう考えてもそんな面白味のない状況に好き好んで旅しようと考える酔狂な人間は、長い人類史上でもほとんど存在しなかったのである。 しかし私は極夜にひきつけられたのだった。気になってしょうがなかった。太陽のない長い夜? いったいそこはどんな世界なのだろう。そんな長い暗闇で長時間旅をしたら気でも狂うのではないか。そして何よりも最大の謎、極夜の果てに昇る最初の太陽を見たとき、人は何を思うのか…。 太陽があることが当たり前になりすぎていて、太陽のありがたみすら忘れ去られてしまった現代社会。人口灯におおわれて闇を駆逐し、闇の恐ろしさすら分からなくなってしまった現代社会。そんな日常を生きるわれわれにとって、太陽のない長い夜の世界には、まさに想像を絶する根源的な未知がねむっているように思えた。もし、この数ヶ月におよぶ暗黒世界を旅して、そしてその果てに昇る太陽を見ることができれば、私は夜と太陽、いや、それを突きぬけて闇と光の何たるかを知ることになるのではないか。 私が世界最北の村シオラパルクにやってきたのはそんな思いがあったからだった。『極夜行』1
2019.05.15
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図書館に予約していた『羊をめぐる冒険』という本を、待つこと4日でゲットしたのです。おお 村上文学もこれだけ古いと速攻でゲットできるやんけ♪【羊をめぐる冒険】村上春樹著、講談社、1982年刊<「BOOK」データベース>より古書につきデータなし<読む前の大使寸評>おお 村上文学もこれだけ古いと速攻でゲットできるやんけ♪<図書館予約:(5/02予約、5/06受取)>rakuten羊をめぐる冒険三宮のバー「ハーフタイム」はイメージ通りのお店です。ジェイズ・バーのあたりを、見てみましょう。p124~125■3 歌はおわりぬ 僕が昔ジェイから聞きだした話によると彼は1954年に基地の仕事をやめてその近くに小さなバーを開いた。これが初代のジェイズ・バーである。バーは結構繁盛した。客の大半は空軍の将校クラスで、雰囲気も悪くなかった。店が落ちついた頃にジェイは結婚したが、5年後に相手は死んだ。死因についてはジェイは何も言わなかった。 1963年、ベトナムでの戦争が激しくなってきた頃にジェイはその店を売って、遠く離れた僕の「街」にやってきた。そして二代めのジェイズ・バーを開いた。 それが僕がジェイについて知っていることのすべてだった。彼は猫を飼っていて、1日に1箱煙草を吸い、酒は一滴も飲まない。 僕は鼠と知りあうまで、いつも一人でジェイズ・バーに通いつづけた。僕はちびちびとビールを飲み、煙草を吸い、ジュークボックスに小銭を入れてレコードを聴いた。その頃のジェイズ・バーは大抵すいていて、僕とジェイはカウンターごしにいろんな話をした。どんな話をしたのかはまるで思い出せない。17歳の無口な高校生と男やもめの中国人のあいだにいったいどんな話題があったのだろう。 僕が18の歳に街を離れると鼠がそのあとを継いでビールを飲みつづけた。1973年に鼠が街を出てしまうと、そのあとを継ぐものは誰もいなかった。そしてその半年後には道路拡張のために店も移転することになった。そのようにして二代めのジェイズ・バーをめぐる我々の伝説は終わった。 三代めの店は昔のビルから五百メートルほど離れた川のほとりにあった。さして大きくはないがエレベーターまでついた新しい四階建てのビルの三階である。エレベーターに乗ってジェイズ・バーに行くというのもどうも妙なものだ。カウンターの椅子から街の夜景が見渡せるというのも妙だった。 新しいジェイズ・バーの西側と南側には大きな窓があって、そこから山なみと、かつて海であった場所が見渡せた。海は何年か前にすっかり埋めたてられ、そのあとには墓石のような高層ビルがぎっしりと建ち並んでいた。僕はしばらく窓際に立って夜景を眺めてから、カウンターに戻った。「昔なら海が見えたね」と僕は言った。「そうだね」とジェイは言った。「よくあそこで泳いだよ」「うん」と言ってジェは煙草をくわえ、重そうなライターで火をつけた。「気持はよくわかるよ。山を崩して家を建て、その土を海まで運んで埋めたて、そこにまた家を建てたんだ。そういうのを立派なことだと考えている連中がまだいるんだ」 僕は黙ってビールを飲んだ。天井のスピーカーからボズ・スキャッグズの新しいヒットソングが流れていた。ジュークボックスはどこかに消えてkた。店の中の客は殆んどが大学生のカップルで、彼らはこざっぱりした服を着て水割りかカクテルを一口ずつ行儀良く飲んでいた。 酔いつぶれそうな女の子もいなければ、ぴりっとした週末の喧噪もなかった。きっとみんな家に帰ったらパジャマに着替えて、きちんと歯を磨いて寝るのだろう。でもそれはそれで良いことだ。こざっぱりしているのはとても素敵だ。世界にもバーにも、ものごとのあるべき姿なんてそもそものはじめから存在しないのだ。ウン 当時の三宮の雰囲気がよく伝わってくるではないか♪『羊をめぐる冒険』2:羊の話が始まるあたり『羊をめぐる冒険』1:「第1章 1970/11/25」の冒頭
2019.05.15
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