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2019.05.20
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カテゴリ: 経済
図書館で『パナマ文書』という本を、手にしたのです。
オフショアといえば、悪人の隠し口座であり、タックスヘイブン(租税回避地)でもある。
2016年4月、「パナマ文書」がタックスヘイブン利用者を公表し、世界は大きな衝撃を受けた。





渡邉哲也著、徳間書店、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
世界中に衝撃を与えている「パナマ文書」。その膨大な取引データの暴露は、個人や企業のみならず、社会や国際情勢を一変させるほどの破壊力がある。パナマ文書の正体から、今後の世界と日本に与える影響までを完全分析!

<読む前の大使寸評>
オフショアといえば、悪人の隠し口座であり、タックスヘイブン(租税回避地)でもある。
2016年4月、「パナマ文書」がタックスヘイブン利用者を公表し、世界は大きな衝撃を受けた。

rakuten パナマ文書


中国経済の闇、グローバリズムの闇を、見てみましょう。
p124~129
■習近平政権の崩壊につながりかねないパナマ文書
 中国当局も、経済の減速傾向が強まるなか、地下銀行の摘発に力を注ぐようになった。たとえば、2015年11月20日には、浙江省の公安庁が中国本土からの持ち出しが制限されている人民元を香港などに違法に送金していた地下銀行の関係者300人あまりを摘発した。

 その額は、これまで摘発されたなかで最大の約8兆円であった。日本の消費税を1%上げると約2兆円の税収入になると言われているので、消費税4%に相当する額が、この1件の摘発だけで押収されたのだ。まだ摘発されていない地下銀行全体となると、いったいどのくらいの額になるのか、想像もできない。

 摘発されたグループは、香港に設立した架空の会社名義で開設した複数の口座を利用して、中国各地の顧客から依頼を受けるたびに人民元をいったん香港に送金し、アメリカドルなどに両替えしたうえで顧客の口座に振り込んでいたという(「NHKニュース」2015年11月20日付)。

 しかし、前述のように、中国では共産党幹部までもが汚職による資金を海外へ逃しているという現実がある。習近平主席以外にも、反腐敗運動の責任者である中央規律検査委員会トップの王岐山ですら、アメリカへの不正送金や不正蓄財が噂されている。

 また、胡錦濤前国家主席の側近だった令計画は反腐敗運動によって2014年12月に摘発され失脚したが、その弟、令完成は機密文書をもってアメリカに亡命した。その機密文書には、習近平一族や王岐山など共産党幹部の汚職の実態が記されているといわれている。

 要するに、泥棒が泥棒を取り締まるようなものなのだ。パナマ文書でこうした中国共産党幹部の海外送金の実態が明らかになる可能性も十分にある。そしてそれは、下手をすれば習近平政権どころか、中国共産党一党独裁体制の命取りになりかねないのだ。

■グローバリズムとナショナリズムの対立
 世界的に金持ちに対する不満が、貧富の格差が激しくなっていくなかで強まっている。これは大局的に見た場合、グローバリズムとナショナリズムの対立ともいえる。

 いわゆるグローバリズムというのは、無国籍な人たちによる自由な取引で、そういう人たちが有利になるという話だ。グローバル企業とグローバル金融は表裏一体であり,」当然、これはオフショアと呼ばれる無国籍地帯を利用して、さまざまなかたちで営業活動をすることで、税金を特定の国に払わない。いわゆる、ただ乗り屋、フリーライダーである。

 これに対して強い不満が国際的に広がっている。
 同時に、リーマンショック以降の景気悪化のなかで、各国政府は大規模な財政出動をせざるをえない状況にある。当然ながら失業が拡大するため、社会保障費が増える。国内企業も利益が出ないため法人税を支払えない。では、どこから税金を取るかということになるわけだが、オフショアを使った金融機関や企業などから取るというのがいちばん早い。
 豊かな強者が税金を払っていないことに対して、国民の不満が強い。とくにアメリカにおいては、サブプライム問題やリーマンショック後、多くの人が職や住宅を失った。

 しかし、サブプライム問題やリーマンショックを引き起こす原因を主導したのが銀行や金融機関であった。支払い能力のない低賃金層にまで住宅ローンを貸し出し、その債権を証券化して世界中に金融商品として売りさばき、それが結局、破綻して大きな経済危機を招いてしまったわけだ。

 そのため、こうした金融界を叩き、税金を取ることに対して、アメリカ国民は拍手喝采する。アメリカの大統領選挙、とくに民主党選びにおいては、ヒラリー・クリントンがウォール街から金をもらっているということで批判され、バーニーサンダースが予想外に健闘しているという背景にも、金融叩きが票になるということを意味している。

 イギリスにおいても同様な背景があるため、企業や政治家の租税回避については強い批判が起こる。
 2012年末には、スターバックスのイギリス法人が税率の低いオランダに本社を移し、イギリス国内で税金を払っていないことに対して、大規模なデモが起きた。あまりの批判に対してスターバックスは、2013年から2年にわたり「法の求めを超えて」支払うことになった。


『パナマ文書』2 :パナマ文書の衝撃
『パナマ文書』1 :オフショアの正体





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Last updated  2019.05.20 00:01:03
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