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上下巻ですが、引き込まれる話なので、意外とはやく読めました。構想10年と言うだけあって、大河ドラマにもなるような、読みごたえのある内容でした。最初の「北海道移住手引書」は文語体で読みにくいので後回しにしましょう。「お国の言うことは信じちゃいけねえ。」おがじゃの言葉です。知床へ行くのに凍った海を渡ることもできず、開拓どころではなかった。口減らしのために北海道へ移住してきたとわとその家族。小学校を卒業すると、12歳で奉公へ出された。口減らしのために。18歳で奉公から帰ってくると、嫁に行けと言われ、顔も知らない人に嫁ぐ、口減らしのために。そして、夫が徴兵される。「お国の言うことは信じちゃいけねえ。」空から攻撃してくる敵に対して、竹やりで応戦する訓練なんて。「お国の言うことは信じちゃいけねえ。」これは今も日本人に伝わっていることじゃないですか【内容情報】(「BOOK」データベースより)物心ついたとき、少女はここで暮らしていた。アイヌ語で、「地のはて」を意味するというこの土地で。おがちゃの背中と、あんにゃの手に、必死にしがみつくようにして。北海道知床で生きた女性の生涯を、丹念に描き、深い感動を呼び起こす。構想十年─書き下ろし長編小説。小樽での奉公を終え、知床に帰った少女は、かつて家族を救ってくれたアイヌの青年と再会する。一度きりのかなわぬ恋。そのとき少女ははじめて思う。人は自分の人生を、どこまで選び、決められるのか、と。厳しく美しい知床の自然に翻弄されながら、ひたすら大正から昭和の時代を生き抜く。感動の最終章。
2011.02.26
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全部カラーですよ~初めてですね~毎回、大笑いしてます。それにしても、都会では、子供を保育園へ入れるのが大変なんですね。申込開始時間に電話してもずっと話中で、つながったと思ったら、もう定員いっぱいだなんて・・・あきらめて、ディズニーランドの年間パスポート買って、通園しているお母さんもいるとか。田舎では断られることなんて考えられません。子ども手当より育児のしやすい環境を整えて欲しいですね【内容情報】(「BOOK」データベースより)おとぎの国近くの下町に住む、ツレ45歳、貂々40歳、ちーと君2歳の大変(偏食、保活、トイレトレーニング...)だけどほがらかな日々。初のオールカラーコミックエッセイ。
2011.02.13
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根のない木のような家。戦中戦後から現在までの家族三代の壮大な物語です。暮れにテレビで放映されたドラマ「ジャパニーズアメリカンズ」のように大陸に夢を求めて渡った祖父母。そこがアメリカか満州かの違いだけで、敗戦とともに日本に帰って来なければならなかった人たち。「ここじゃない、どこか遠くへ行けばすごいことが待っているように思うんだろ。でもね、どこに行ったって、すごいことなんて待ってないんだ。そうしてね、また同じところへは帰ってこられないんだよ。出ていく前のところへは戻れないんだ。」「後悔したって、もし、なんてないんだよ。あたしがやってきたことがどんなに馬鹿げたことでも、それ以外はなにも無い。」祖母ヤエの言葉が胸を打つ。歴史に「もし」は無いけど、人生にも「もし」はない。 でも、時代のせいとか、戦争のせいとか、決して言わなかったヤエ・・・・・ドラマか映画になりそうな話です。【内容情報】(「BOOK」データベースより)謎の多い祖父の戸籍、沈黙が隠した家族の過去。すべての家庭の床下には、戦争の記憶が埋まっている。新宿角筈『翡翠飯店』クロニクル。
2011.02.12
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部落とは違うけど、「けがれたものには近寄らない」みたいな感じが表題からうかがえたので、重たい内容かな、と思いつつ読み進めると、その世界に引き込まれ、思わず涙が出る場面もありました。久々に文庫を買って読みました。作者の名前がなかなか覚えられません。古参の入院患者の一人、秀丸さんは、殺人の罪で死刑を執行されたが、死亡せず、2回死刑を執行することはできないという決まりにより、自由の身になり、病院でお世話になることになった。あまり聞いたことがないけれど、まれに死なない人がいるそうです。30年も入院しているチュウさんは演芸会の脚本を書いたり、新聞に投稿したりして、病院の中では普通の生活をしている。知恵遅れというだけで、病院に入れられている、昭八ちゃんやおフデちゃん、通院患者で女子中学生の島崎さん、など、覚せい剤中毒で元やくざの重宗を除けば、みんな精神のバランスをちょっと崩しているだけで、素直で邪心がないんですね。帚木蓬生さんの作品は初めて読みました。もっと早く知っていればよかったな~【送料無料】三たびの海峡も一緒に買ったので、近いうちに読みます【内容情報】(「BOOK」データベースより)とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった...。彼を犯行へと駆り立てたものは何か?その理由を知る者たちは-。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。
2011.02.01
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