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やっぱり、やだぁ急に雨が降り出した浅草、お松と浅吉も大道芸を取りやめ、人々も慌てて雨宿りを、その雨の中を鶴姫を探し歩くお照がいます。雨宿りをしていた馬場一味に見つかってしまい取り囲まれてしまいます。それを見たお松と浅吉が「あの腰元はかんざしの・・」「あのお姫さんの・・」、芝居小屋にいるさぶ旦那に知らせに浅吉が走ります。お照は兄の藤尾圭之介と落ち合う予定の五重塔の方へ馬場一味を振り払いながら行きます。お照が刀傷を負い倒れかかった時、千代三郎がやって来ました。千代三郎「しっかりしろ」お照「姫、姫は・・」千代三郎「気を確かに持て、姫は無事だぞ」 その言葉に、馬場一味は石倉が言っていた奴だ、ということで千代三郎との対決になります。千代三郎「姫をつけ狙う逆臣どもは、貴様たちか」お松と浅吉はお照を連れて行くように言い、お松達が行ったのを見届けると、(雨の中の)立回りになります。(千代三郎は刀の刃の向きは峰打ちに変えます) (ここでの立回り・・千代三郎の立回りの後ろには五重塔に雨宿りをしていた民衆が沢山います。画像からは見にくいのですが、その民衆の動きもはっきり見せています) お照は鶴姫に会えましたが事切れて、鶴姫は生きるはりがなくなったと言い自害するところをお松に止められ、長屋を出て行ってしまいます。お照を運んだ長屋を石倉一味に後をつけられ分かってしまいます。長屋の衆が騒いでいるところへ、千代三郎が帰ってきます。千代三郎「浅吉、どうした」 浅吉「旦那、えれえこった、お姫様が、お姫様が」千代三郎「なにぃ⤴」 (橋蔵さまらしい”なにぃ⤴”です。いつ聞いてもこの言い方ソフトでいいですね)北条紀五郎と馬場三十郎は家老北崎外記に、姫の居所が分かったので、姫の首をみせたら、殿暗殺の下手人として死んでもらい、明日の祝言の席は、紀五郎の跡目相続の祝いの席となる、と言います。 千代三郎は、鶴姫を探しまわります。 馬場一味と石倉一味は、鶴姫いたいただき長屋へ向かいます。その頃、長屋から鶴姫をつけていた石倉一味の浪人に、川端を歩いていた鶴姫が捕まってしまいます。千代三郎は、橋のところで連れて行かれる鶴姫を見つけ浪人を川へ落とします。(遠くからのカメラワークで見せておいて、その後ふたりのアップへと持っていく撮り方をしています。遠目なので、橋の上の状況がよーく見ないと分かりずらいかもしれません・・・二人のアップになった時がぐんと引きたちます。ここの場面いいですね、私好きです) 千代三郎は無言で鶴姫に手を差し伸べるのです。 北崎外記は藤尾圭之介に牢から助けられ、姫のいるいただき長屋へと向かいます。千代三郎が鶴姫を連れて長屋に帰ってきますと、長屋は静まり返りおかしい、すると、馬場一味がお迎えに参上いたしました、と待ち伏せしていました。千代三郎「姫は渡せぬ」 「藩の秘密を知られたからには、死んでもらわなければ」と一斉に刀を抜きます。千代三郎「おのれぇ、天神共に許さざる極悪人めら、一つには世のため、また一つ には姫の幸せのために、天に代わって成敗してくれる・・(刀を抜いて) 来い」 馬場の「姫諸共に斬れ」の言葉で斬りかかります。(立回りになります)長屋の通路がうらの空地へと移ります。長屋の衆が捕えられていたのを助け、馬場を切り、みんな万々歳で喜んでいます。 外記と家臣が圭之介が姫を迎えに来ます。外記が礼を言い、お名前をと言いますが、千代三郎は「いや、申し上げますまい。また、何事も、この場限りと忘れま しょう」そして、千代三郎「ただ、姫の幸せを祈ることにいたそう」その言葉を聞いて鶴姫は、走って行ってしまいます。千代三郎はやりきれなく、長屋のみんなも心配しています。 祝言の日になりました。鶴姫は仏壇に「鶴のわがままをお許しください」というと、白無垢のまま走って出て行きます。千代三郎も、覚悟を決めたはずですが、行列の途中駕籠を降ろさせると、千代三郎「やっぱり、やだぁ・・」と言って駆けだしたので、みんなが追いかけます。 鶴姫も千代三郎も家臣も走ります。二人が走り行きついた先は"いただき長屋"です「姫」「さぶ様」 「さぶ様が帰ってきたぞ」と長屋は大変な騒ぎ。追ってきた松平家家老と北条家老がどうしたことかと目をやった先には、それぞれに追いかけてきた千代三郎と鶴姫がいました。おたみ 「さぶ様、これは一体どうしたということでございますか」千代三郎「あっはははっ、わしもとうとう家出をしたよぉ」そこへ、内蔵助が「家ではいけませんなぁ」と近づいてきました。そして、北崎外記「姫、婿君と申しますのはな、桑名十一万石松平家のご次男、この千代 三郎君でござりますがな。あっはっはっ、やっぱりお嫌でござります かな」千代三郎、鶴姫「えぇっ」とびっくり。 みんな大喜びです。が、藤尾圭之介とお松にはちょっと辛いものがあるようです。みんなに送られる二人の傍に浅吉が急いでやって来て、懐からかんざしを差し出し、「これ、大変遅くなりまして」と。 鶴姫がキョトンとしていると、千代三郎がその簪を取って、鶴姫の髪に差します。鶴姫も嬉しそうに。 そして、二人は、"いただき長屋"のみんなにお別れをして・・・お幸せに!! (完)
2018年04月26日
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もう、会えんかもしれんなあ兄の松平越中守は千代三郎に、「前へ進め」「もそっと進め」「もそっと」と言います。家老の内蔵助が、早く早く行くように言いますので、仕方なく千代三郎は「はっ」と言って越中守の近くに座ります。越中守が羽織を脱いで、刀をとったから、さあ大変、何事が起きるのかと家老と家臣は慌て出します。越中守「千代三郎、遊びぼけて、体がなまったであろう。試してやる」というと、おや?・・刀を二人の間において腕まくりをしました。越中守 「来い」千代三郎「よおーし」腕相撲が始まったのです。 力を込めて二人とも譲りません。家臣達に悟られないように、力を緩めずその合間に話をし始めるのです。越中守 「乳母は元気か」千代三郎「はあ」越中守 「心置きなく、甘えてまいったか」千代三郎が、グゥーッと力を入れます。千代三郎「兄上」越中守 「何だ」千代三郎「例の話、今から断るわけにはいきませんか」 越中守「貴様、一旦承知をしておきながら」千代三郎「いやぁ、兄上にも、さんざんご迷惑をおかけしたし、道楽三昧もやりつ くしたし、あの時はついその気になったのですが、・・実は」越中守 「黙れ、武士に二言はないはず、今までの我儘勝手は許しても、二枚舌 だけは許さんぞ」千代三郎「分かっております、でも、兄上に一目会っていただきたい人が」越中守 「祝言が明日に迫ったこんにち、まだ言うか」千代三郎「・・駄目ですか」越中守 「貴様、その女を好きになったのか」 越中守 「千代三郎、惚れた晴れたですぐ一緒になれるのは町人だ。武士の子は そうはいかんぞ」千代三郎「しかし・・」越中守 「まして、大名の子は、門地、格式、大勢の家臣・・わが身であってわが 身でないのだ」千代三郎「はい」 越中守 「わかったか・・・ゆくぞ」千代三郎「は、はい」緩んだ腕に力を入れ、また腕相撲を続けます。越中守 「貴様、つまらんことを言い出しおったが、内蔵助が貴様のために取り決 めたというのは、相州」と言ったところで、千代三郎「いや、もう伺いますまい・・こうなったら、かえって何も知らずに、 祝言します」 兄越中守と明日祝言すると言い切った千代三郎は、博打の借金二十両を返し、おたみが芝居小屋に行っているということはお松から聞いて知っていたのですが、鶴姫が無事かどうか気になっていたのでしょう。千代三郎は長屋に帰って行きます。締まっている戸を思いっきり開けて入って部屋を見回しても鶴姫の姿が見当たりません。鶴姫の着ていた着物を手にして「姫・・」・・出て行ってしまったのかという悲しい思いでいますと、押し入れの戸が開いて、鶴姫が顔を出します。千代三郎は、「あっ、いたのか」というような嬉しい表情をちらっと見せますが、鶴姫の「そなただったのか」と嬉しそうに出て来たのを見て、何が過ったのか表情が曇ります。 手に持っていた鶴姫の着物を鶴姫に手渡しをするところで、二人は初めて手がふれ軽く握りあうのですが、直ぐに離します。この時二人は確かな恋心が芽生えているのを感じとります。 お互いの感情が分かった二人の動作がここから描かれていきます。(ここからの無言での二人の動きが。会ったこともなく好きだということもない人と、明日祝言をする同じ身の上の二人なのですから、好きでもふたりは一緒にはなれないということを物語っていきます。そして、ここの撮り方の構図の面白さが出ている場面になります。背中合わせの二人が同時に座り、同時に立ち上がる、という二人を対称にした動きを見せています。この動作で、千代三郎と鶴姫の切なさと愛しさの時間を出していっているのですね。この描き方が、見ている私達を画面の中に引きこんでいくのです) 千代三郎「国表へ帰られるにしても、屋敷へ連絡をするにしても、先立つものは 金子、当座のことはおたみにも”よっく”話しておきますが・・必ず 無分別はなりませぬぞ」といって急いで行こうとした時、鶴姫がおたみが千代三郎に縫った襦袢を手渡しますと、千代三郎が走るように家を出て行くのを、せつない気持ちでいる鶴姫でした。(普通は、千代三郎が出て行くのを外に出て姿を追って、というのが普通だと思えるのですが。ここでは、部屋の中から、窓の格子から千代三郎の姿を追うという映像にしているのです)芝居小屋の囃子部屋のおたみのところに千代三郎が来ています。舞台では、男女の舞踊劇をやっています。千代三郎は何やら落ち着きません。 おたみが千代三郎に言います。おたみ 「お姫様をお預かりすることは、ちっともかまいませんけど」千代三郎「頼む、少し心が静まれば、屋敷の場所もゆうだろうし、それからお前の 才覚で・・なっ・・なあ~」おたみ 「はい」千代三郎は、おたみの返事を聞いて安心したようです。 しかし、千代三郎の心に、淋しさが過るのです。(舞台の舞踊劇がただ単に芝居小屋というだけで使っているわけではないようですよ。歌舞伎の舞台で座る女の人と舞台裏にいる千代三郎が、全く同じタイミングで立ち上がるのです、見て見てください。舞踊劇が千代三郎の心境と重なっています) 千代三郎も舞踊劇に自分の今をおきながら・・・千代三郎の気持ちを察しているおたみの視線を感じ、はにかむ可愛い千代三郎です。 千代三郎「もう、会えんかもしれんなあ・・・おたみ・・」(明日婿に行ってしまうとおたみに会えなくなる、という気持ちと、鶴姫にも会えなくなるという両方への気持ちを言っているのでしょうか) 続きます。
2018年04月21日
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すってんてんの千代三郎駕籠屋経営の江戸勘の奥の座敷では、北条家を狙う馬場三十郎が操る石倉と浪人達のアジトに、二階は博打場になっていました。その博打場で、ツキについている浅吉の姿があります。千代三郎も初めての博打が面白そうです。千代三郎「ほう、こんなにもらっていいのか」 浅吉が「ついている、半でおしまくろう」と言っています。 千代三郎「うん、ポンはなかなか面白いな、お松も連れてきてやればよかったな」 浅吉が本当は、あのお姫様を連れてきたかったんじゃないかと千代三郎に言います。 鶴姫の婚礼を明後日にひかえ、お照の兄藤尾圭之介は、今までのいきさつをお照から聞き、鶴姫を探すことを決心し、明日の昼下がり浅草観音の五重塔で落ち合おうと約束をします。菊島によって信濃守は毒殺されてしまいます。夜が明けました。半で頑張ってさっきまでツキについていた二人は、どうしたことか、身ぐるみ取られているではありませんか。(浅吉は、鶴姫からちょいとかすめた簪だけは博打のかたにはいれていません、浅吉の頭にさしてあります) 中盆 「客人、もう貸が重なって二十両になるんだが、どうしなさるおつもり だね」 千代三郎「うぅむ、まだ二十両か」 中盆 「何ですって、賭場の貸し借りは待ったなしが掟だ、いんですね」 千代三郎「うるさい奴だなあ、・・浅吉、そちはここで待っておれ。拙者は一時の 間に二十両持ってくる」 浅吉 「大丈夫ですかい、旦那」千代三郎「えぇい、まかしておけい」 中盆 「おおい、逃げるんじゃあるまいな」千代三郎「武士に二言はない」 その時駕籠かきの二人が「どうかしたのか」と上がってきて・・・スッテンテンで丸裸になった千代三郎を見て「あじゃぁ」びっくりしてしまいます。(駕籠かきは鶴姫をさぶ旦那の連れと思い長屋まで乗せて行った二人です) その駕籠かきの駕籠で二十両調達のため、裸で屋敷に向かう千代三郎です。 駕籠かきは千代三郎に言われたところに着いてびっくり。桑名十一万石松平越中守の屋敷へ来たのですから門の前で躊躇してしまいます。 千代三郎の「かまわぬ、通れ」といわれましたが、町駕籠がお屋敷へは入れないといいますと、 千代三郎「いいから、ゆけ」駕籠かきは千代三郎に言われた通り門を入ろうとしたところで、予想どおり止められてしまいます。ひき返そうと向きを変えた時、門番が「怪しい奴」と引き留め駕籠のたれを上げ、顔を見てびっくり、慌ててひれ伏します。 (千代三郎は、「何だ」というように、門番の顔を睨みつけます) 久しぶりに屋敷に帰ってきたと思った千代三郎の金の無心、家老の丹沢内蔵助はいい顔をしません。着物を着ながら、その顔を見て 千代三郎「内蔵助、そんな渋い顔をするな・・・何でもいいから、黙って三十両 ポーンとだしてくれよ」 (ポーンが気に入ったようですね) 内蔵助 「何でございます、そのポーンは・・」 千代三郎「文句を言わずに出せ。(内蔵助が取りあわないので)よーし、出さぬとま た出て行くぞ」 家臣の小林と五十嵐は千代三郎を引きとめ、家老内蔵助に三十両出してくれるようにお願いするのです。 しょうがないなあ」というように内蔵助は立ち上がり、千代三郎は背後から嬉しそうに覗きこんで、・・・しかし、内蔵助も簡単には渡しません。 やっと三十両をもらって出て行こうとした時、越中守の奥方と出くわし、兄の越中守と会わなければならなくなりました。 (出来ることなら、兄の越中守には会いたくなかった のでしょうが、そううまくはいかないものです)祝言の日はさし迫っています・・・さあ、千代三郎はどうするつもりでしょうか。 続きます。
2018年04月16日
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何だ、そのポーンは鶴姫に長屋までついてこられ千代三郎とおたみは、どうするのでしょう。(これからの場面は、私がこの作品で第一に好きなところとなります。気をつけていないと、聞き逃すような見過ごすような何気ないセリフと動きもあり、この場面は是非作品を見て、感じとってほしいところです。 千代三郎とおたみ、千代三郎と浅吉、の絡みが絶妙で面白い。特に乳母のおたみに甘える千代三郎は可愛いそのものです。千代三郎の仕草にご注目いただきたい) その夜、いただき長屋のおたみのところでは、千代三郎とおたみがそれぞれ困った様子でいます。土間の方で千代三郎がどうしたものかと、頬杖をついて・・・すると、おたみが千代三郎に、お泊めするのかと尋ねますと、千代三郎「まあ、そういうことになるな」 と言ったから大変、おたみは千代三郎の袂を掴んでひっぱり おたみ 「無分別にも程がありますよ」 千代三郎「ついてきちゃったもの、しょうがないじゃないか」 おたみは、千代三郎に屋敷に帰るようにお願いします。 千代三郎「今からかぁ」 (可愛いの、この言い方いいですよ) おたみ 「第一、布団がないじゃありませんか」 その時、入口で聞き耳をたて様子をうかがっていた浅吉、お松達が土間になだれ込んで来ます。お松がおたみに「布団ならあります」と、・・・そう言うことでお松に呼ばれた千代三郎がやってきました・・そこは、浅吉の家でした。 お松はさぶ旦那(千代三郎のこと)と二人っきりになりたいので、浅吉に一両渡し何処かへ行くように言います。 お松が汚いところだがどうぞと中へすすめます。 浅吉 「だんな、どうぞ、これでごゆっくり。・・ちょっといかれていますけれど ね、わりと干してありますから暖っかいです」(浅吉が見せた布団は??・・布団とは言えません、ぼろぼろになってきたない綿だけのものでした。それを見た千代三郎の表情が本当にきたないなぁ、と表しています) お松 「なあに?、これぇ・・(お松も飽きれて観ています) ・・ねえ、さぶ 旦那、これじゃあんまりだから、あた しの布団に寝てくださいよ」 千代三郎「えぇ? おまえの・・」 (さっぱりした言い方です)お松 「ええ」 千代三郎「いやぁ、この綿でいいよ」と言って浅吉の部屋に上がったのはいいが、落ち着かない様子でいます。お松と浅吉が一両を「返す」「あげるよ」と言いあっている間、千代三郎は、部屋を見回しています。(このような部屋をみたらびっくりしてしまうのは当たり前、酷すぎですもの) お松が浅吉に一両持っていきなというと、浅吉が「お宝が欲しけりゃ、ポーンと・・」と言った浅吉に、千代三郎「何だ、そのポーンは」 千代三郎が「面白そうだな、そのポーン」と興味を示したので、お松は浅吉に早く出て行くように言い、さぶ旦那を自分の家へ連れて行こうと外へ出たところ、ちょうど 浅吉が目明しに引き留められているのを見て、「浅吉は一緒に出かけるところだ、さあ、行こう行こう」と言って、上手い具合にお松を振りきることができます。 浅吉が、夜明かしだから、橋のところに出ている屋台の蕎麦を食べて行こうといいます。 (ここでの、千代三郎と浅吉の自然な感じのセリフがいいですね) お松も追いかけてやって来ます。 お松 「夕方のこと、怒ってんの?」千代三郎「お前たちともおわかれだな」お嫁さん、鶴姫のようにべっぴんだといいけれど、と言いますと、 千代三郎「なにしろ養子だすらなぁ、目と鼻がついてりゃ文句は言えんよ」 そんなのやめて、「迷子のお姫さんをもらったらどうです」と浅吉が言うのを 聞いて、千代三郎は複雑な心境になります。 かけ蕎麦が出来上がってきました。美味しそうに食べます。 (本当にお蕎麦の食べ方が上手い、食べるのにも品があるの・・見ていてこちらも食べたくなってしまいます) (千代三郎は屋台の蕎麦は初めてなのでしょうね・・出来上がったと聞いて、うれしそうに待っています。そして、本当に美味しそうに食べるの。お松がその間に、少しでも私を好きだと思ったことはあるか、と聞いて来るのですが、蕎麦に夢中だから、適当な返事をするのです) 食べ終わり浅吉と行こうとした時、芝居小屋で鶴姫を追っていた浪人達が通り過ぎようとしていましたが、石倉角之進が千代三郎に気がつきます。 「姫をこっちに渡せ」という石倉に「断る」という千代三郎。 石倉 「邪魔建てしたら、ぶった切るぞ」 千代三郎「性懲りもないやつ、ここは奥山の舞台とは違うぞ。腰の刀は竹光では ないわ」 石倉の「問答無用」で立回りになります。 千代三郎は刀を抜きますが、刃の向きを変えます。浪人達には刃が立ちません。 怖気付く浪人達をみて、ニタッと笑うと 千代三郎「浅吉、行くぞ」と言い、その場を立ち去って、浪人達を撒いていきました。 鶴姫とはぐれてしまった腰元お照が鶴姫を見つけるために町をさまよっています。馬場三十郎たちは、石倉の住家を根城にして、鶴姫を探しています。石倉の女房が経営する”江戸勘”の奥の座敷に。石倉と浪人達が帰ってくると馬場三十郎が来て、三十郎は鶴姫も千代三郎も見つけ次第斬れと言います。浪人達はまた出かけるのかとぶつぶつ言いながら出かけて行きます。その”江戸勘”の二階では、賭場が開かれています。浅吉が「ポーン」と言っていたのは博打のことでした。 (ポーン・・この言い方楽しいですね) 千代三郎と浅吉の姿があるではありませんか。さっき交えていた石倉の家の二階に来ているとは・・・。 続きます。
2018年04月12日
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4月9日、産湯をつかう橋蔵さまに、桜の花びらが絶え間なくふりかかったという・・・生誕日。去年は、橋蔵さまからファンの皆様とシャンペンで乾杯しました。今年は、どのようにしましょうか・・と橋蔵さまと一生懸命考えていましたら、橋蔵さまが手作りのケーキで、私たちを招いてくださるということになりました。「嬉しいですね!!」橋蔵さまが、これまでファンでいる私達を迎えてくださっています・・・「ありがとうございます、橋蔵さま」出来上がりました。橋蔵さまの手作りケーキ一緒にいただきましょう。 私は、春らしくスイートピー・・・優美、そして優しい思い出の花言葉の花束を送ります。 葵新吾*大川橋蔵大好きファン広場*掲示板の方でも簡単な画像を載せています。➡ 橋蔵さま、生誕89周年
2018年04月09日
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お前、ほんとのお姫様か?鶴姫を連れ、掛け小屋から逃げだした千代三郎・・さあ、あっちに行こうかと、どうしょうか考えましたが、松平の家臣の姿をみかけ先にも行けず、「どうぞ」と声をかけられ屋形船の店に入ります。松平家の家臣が行き過ぎるのを見届けほっと安心した千代三郎は、女将に「うっふふ、おたのしみでございますねえ」と言われ千代三郎「いや、いやっ、別に・・」と照れているすきに、女将が鶴姫を屋形船に乗せてしまいます。追っ手も気になるし、うろうろ慌てる千代三郎に女将「何です、今さら、男は度胸」と言って、船に乗せてしまいます。(ここからは、しばらく、屋形船に乗った二人の様子を会話からお楽しみください)置炬燵を挟んで、手持無沙汰の千代三郎、どうしたらよいか困っています。手をあちこち動かしては鶴姫のそぶりを気にしています。鶴姫は、お姫様という感じで千代三郎に目もくれません。 暫くして、千代三郎が口を開きます。 千代三郎「時に、何処まで送ればよいのかなあ」 鶴姫 「あてはない、そなたのよろしきように」千代三郎「えぇっ・・屋敷は何処だ・・名前は・・父御は何方だ・・・お前、ほん とのお姫様か?」 (頬杖のつき方とっても可愛い。橋蔵さまは上手いわねぇ) 鶴姫 「無礼者」千代三郎が調子込んで言ったから大変、鶴姫を怒らしてしまいます。鶴姫 「浪人者の分際で」千代三郎「すまぬ。・・しかし、処も知らず名も知らず、訳も分からずでは、役人 に聞かれた時困るしなあ」 船から降りても、鶴姫を連れ困っている千代三郎です。橋の上でのやり取りも面白いです。(この場面では、子供たちが歌う「通りゃんせ」がずっと流れているのです)千代三郎「いかに拙者でも、迷子の姫さまでは、処置がないなあ・・一体どうなさ るおつもりだ。・・・いつまでも無言の業では困んのう」 何も答えない鶴姫に業を煮やした千代三郎が「拙者、もう行きますぞ」と言って行こうとした時、鶴姫が手を離しません。千代三郎「行きますぞ、拙者」鶴姫 「どうぞ」そう言われ、一瞬千代三郎は戸惑いますが歩きだします。すると、鶴姫が着いて来るではありませんか。 千代三郎が立止まり振り向くと鶴姫も立止まる、それを見て千代三郎が優しく話しかけようとすると、そっぽを向く鶴姫・・・その態度に、お人好しの千代三郎も切れてしまい、鶴姫をおいてさっさと行ってしまいます。 まさか行ってしまうとは思わなかったのでしょう。鶴姫はどうしてよいか不安になっているところへやって来た駕籠に乗ります。駕籠屋の「何方へ」に「よきに計らえ」、「お伴の方は」と聞くと、”あれ”というように指を指します。そちらを見た駕籠屋は「な~んだい、さぶ旦那じゃねえか」と。何を勘違いしたのか、駕籠屋は納得したように、ポンと手を打つと千代三郎について行きました。 千代三郎が帰ってきたところは、おたみの住いの"いただき長屋"でした。 (長屋に帰って来た千代三郎の後ろにピタッとくっついている駕籠屋がおかしい。千代三郎様変に思わないんですもの) そのおたみのところへ、松平の家臣が千代三郎が万が一来たら屋敷に戻るように言ってほしいと、おたみに頼みにきていました。それを聞いた同じ長屋のお松が、ちょうど帰って来た千代三郎をつかまえて、お松 「さぶ旦那、黙ってたね」千代三郎「何を」 お松 「水くさい人、どうせそうでしょ」千代三郎「何が」 お松「さぞ綺麗な方なんでしょうね、お嫁さんは」と言われ千代三郎は黙っています。そこへ、おたみのところの客は帰ったとのことで、お松のところから急いでいく千代三郎です。(この間、駕籠はずっと後をついてまわっています。それを気にしないという、設定が面白いです。そして、お松のさぶ旦那に対しての気持ちとお松に接するさぶ旦那の様子を駕籠かきに言わせているのです)おたみの家の前には長屋のみんなが集まって、千代三郎のお嫁さんのことで話しているところに千代三郎が来て、家に入ろうとした時、駕籠屋の「へい、お付き」の声に、「何だ」という顔で後ろを見る千代三郎、そして駕籠のたれが上がった中に鶴姫がいたのにはびっくり。 おたみもどうしたことかと、長屋の人達も興味津々でいます。 浅吉とお松は鶴姫を見たとき、浅草で大道芸の途中に入ってきた女の人だ、その人の“簪”だと気がつきました。(さあ、大変なことになりました。千代三郎はどうするつもりなのでしょう。こうなったら、おたみに頼むしかありませんね) 続きます。
2018年04月06日
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山手樹一郎の小説は、明朗爽快・勧善懲悪・人情話・ハッピーエンドでまとめられる時代小説は読んでいてスカッとするものです。私もこういう時代小説が好きです。「緋ざくら大名」は山手樹一郎の「若殿ばんざい」を脚本し、ラブ・コメディ時代劇になっています。最初から最後はハッピーエンドになることは何となく分かってしまうのですが、、その過程の描き方が、時代劇でありながら感心してしまいます。場面場面の設定、構図などからも面白い時代劇です。浅草の掛け小屋の芝居と千代三郎を同じ場面でかぶせて見たり、同じタイミングでの動作を入れてみたり、そして走ることで息をつく間もなく見る側を引きこんでいきます。この作品は大衆映画ですけれど加藤泰監督の描く美意識が色々なところに使われていて、よく見ているとすごいなあと思う手法がありますから見逃さないでください。多くの人に見て貰える映画の一本ではないかと思います。橋蔵さまと加藤秦監督の初めての作品となります。内容はラブロマンスです。そこへ二人を取り巻く長屋の人々、お家乗っ取りの奸臣らが入り乱れる軽快な品のよいコメディ風タッチになっています。橋蔵さまが、花のお江戸にくりひろげる痛快無類の若殿行状記。明るく気楽に暮らそうと袴を脱ぎすて、江戸の町に飛び込んだ桑名十一万石の次男坊・千代三郎が、ふとしたことから北条五万石のお姫様・鶴姫とめぐりあいます。お家を狙うよこしまな家来達から姫を助けて悪を倒すという橋蔵さまの魅力をふんだんに生かした娯楽作品。橋蔵さまの可愛い茶目っ気のある表情、そして思いを寄せる静かな感情に注目していきたいです。 ◆第33作品 1958年1月封切 「緋ざくら大名」 松平千代三郎 大川橋蔵鶴姫 大川恵子菊島 浦里はるみお照 若水美子お松 故里やよい馬場三十郎 加賀邦男小林平太郎 岸井明北条信濃守 明石潮丹波内蔵助 杉狂児浅吉 千秋実北条紀五郎 立松晃おたみ 岡村文子藤尾圭之介 尾上鯉之助松平越中守 波島進北崎外記 大河内傳次郎 あったこともない人との結婚を嫌がり町へ飛び出した鶴姫。大名家の二男坊の千代三郎も、兄によって決められた結婚をするのが嫌でかつての乳母のところに居ます。千代三郎は鶴姫を悪侍達から救出し、二人は思いを寄せながら、それぞれが決められた相手との結婚の日を迎えることになります。だが、千代三郎も鶴姫も結婚当日、やはり嫌だと逃げだし、二人は「いただき長屋」へ走りお互い魅かれ合っていることが分かり、長屋の人々も二人を歓迎しているところへ・・。そして結婚の相手が自分達二人であったことを知り、ハッピーエンドとなるのです。 そうはいかんぞ・・子曰く、義を見てせざるは勇無きなり・・か冒頭タイトル、配役が流れる画面に、北条五万石の鶴姫が結婚をするために江戸へ入るまでの行列を追っていきます。鶴姫は江戸屋敷に着くや否や、家老北崎外記に、騙して江戸へ呼んで結婚させようとしていること怒り、外記が結婚相手のことを言おうとしても受けつけません。どうしても納得いかない鶴姫に、菊島は考えがあるから、しばらく梅屋敷にいるよう言い含めます。馬場三十郎は北条紀五郎を鶴姫と一緒にさせ、北条家を乗っ取ろうと菊島と結託していました。梅屋敷から必死の思いで鶴姫は腰元のお照と共に逃げ出します。三十郎のところにいる浪人達が二人を追います。 鶴姫とお照は走ります。(この作品はこれでもか・・というぐらい走る場面が出てきます)鶴姫が逃げて来たのは浅草、大道芸をやっている浅吉とお松の間を通り抜けたかと思うと、追いかけて来た浪人達も同じように通り過ぎていきます。浅吉は鶴姫がぶつかった瞬間に簪と財布を掏っていました。(この簪がラストに上手い小道具として使うことになるのです)ここで、鶴姫とお照は別々に逃げることになってしまいます。鶴姫は掛小屋に入って行きます。 その小屋舞台では芝居の最中、囃子部屋で楽しそうに太鼓を叩き鐘つきを手伝っているお侍がいます。このお侍こそ、桑名十五万石の次男坊、松平千代三郎なのです。千代三郎は兄の決めた結婚が嫌で、乳母であったおたみのところで世話になっているのです。(千代三郎のおたみに甘えるところ・・表情・仕草が可愛いですよ) 大詰めの舞台の花道を出て来た鶴姫を浪人達が見つけたから、舞台上が大変なことになっていますが客席は芝居だと思ってヤンヤの喝采です。裏にいた千代三郎は落ち着いていられません。役者と浪人が入り乱れて、舞台裏の囃子部屋に飛び込んで来た浪人を捕まえた千代三郎は千代三郎「成敗してやる」向かってきた浪人を一ひねりした時。おたみが「もしものことがあったら・・」と止めますが、千代三郎「ほってはおけぬ、案ずるな。一芝居やってくるぞ」というと、男を掴み舞台へ放り投げると、千代三郎に観客から拍手と「待ってました」の掛け声がかかり、気分を良くして?この感じです。 千代三郎「控えろ、戯けもの」「ようよう」客席からは、やんやの喝采、それに気をよくした千代三郎 千代三郎「えへん、・・・(ここは歌舞伎調でのセリフが展開されます)・・・春ま だ浅き如月というに、迷って出たか地獄の亡者、二八の乙女を捕えて何 とする」すると、客席から拍手がおこります。 千代三郎は、この現象におたねの方を見ます。 浪人一味の大将石倉角之進が「ふざけた青二才、怪我せぬうちひっこめ」と言いますと、千代三郎「そうはいかんぞ・・子曰く、義を見てせざるは勇無きなり・・か。 はっはっは」 (ここは可愛く軽い感じで言います) 舞台へ降りて鶴姫に「姫、参られい」と言い連れて行こうとしたので、浪人一味との立回りになります。千代三郎は木刀です。(バックミュージックは軽快なお囃子調で、劇中の立回りをしているような感じで撮られていますし、相手は真剣ですが、千代三郎はたのしんでいて楽しい立回りになっています)(舞台と観客を使って、お芝居と現実起きている騒動を、何の違和感なく見せています) 鶴姫を連れて楽屋裏へ、おたみの手助けで楽屋から外へ逃げることが出来ました。 馬場三十郎は石倉達を使ってしつこく鶴姫を追わせます。鶴姫を助け出した千代三郎の表情はにこやか・・でも、これから何処に行くのでしょう。 続きます。
2018年04月02日
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