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百両いただきてえんですが場所は大阪に移ります。阿波藩の真木達に捕まったお豊とお夏は阿波藩の大阪蔵屋敷に連れ去られ蔵に閉じ込められています。お夏の身体を調べ書付を見つけます。阿波藩の門前に、「後ほど参上 しらぬ火」と書かれた張り紙があったのです。阿波屋万右衛門の店の辺りは、鉄蔵や捕り方たちが怪しい者は通さないようかためています。 その阿波屋には、お六達がいました。阿波屋は、不知火新三に騙されたと文句たらたらと言い、自分のことしか考えていない阿波屋にあきれ、お六達は腹が立っています。鉄蔵は阿波屋のところにやって来て、不知火小僧と何かをやろうとしていることは分かっている、隠し立てをすると・・と言うと、阿波屋は不知火小僧とは知らずに口車にのせられたのだと、そして蔵屋敷から書付を盗み出してここへ来るので、それまで縄をかけるのを待ってほしいと、金子を包み鉄蔵に差し出します。鉄蔵が帰って行ったのを見届け、弥太と猪之が店の外に出ていると、「ああ、もしもし」と声をかけてきた老人がいます。二人が怪訝な表情で見ますと、老人「はあ、阿波屋の旦さん、おられるでかや」 弥太「おめえさんは?」新三「あはははははっ、はい、阿波から死んだ爺が出てきましたと、ははっは、ゆうてくださるでかや」 猪之「爺? えっ」 (小さく呟きます)と言う猪之の顔を見て、このようにウィンクをしたところで 弥太と猪之は分かったらしく、「ああ、死んだ爺さんかい、さあ、入って入って」「よく着たな、爺さん」と言い、嬉しそうに店の中に連れていきます。 「誰が見たってわかりゃしねえ」「いい爺さんに化けたもんだな」と言う二人に、変装の付け髭や眉を取りながら、 新三「そう言ってくれんない、こうでもしなくっちゃ、へいれねえよ」 そこへお六が慌ててやって来て、耳にしたことを言うようです。その様子を万右衛門が伺っています。部屋で4人が話しています。万右衛門は、書付さえ手に入れたら新三を役人に引き渡す、と話していたというのです。猪之が、書付がなければこの店は身代限りだやめちゃえ、と言ったとき、新三が「しーっ」と・・・障子を開けたのは万右衛門でした。 万右衛門はとぼけた様子で「新三はん、どないしてはったんや、皆して心配してたんや。まあよかったよかった。頼んまっせ書付」と言ってきます 新三がきちんと座り直し万右衛門に言います。新三「ところで旦那、それについて少々おねげえがあるんですが。もし、あっしが書付を取りけえしてきたら、百両いただきてえんですが」 万右衛門はびっくりします。新三「身代限りをするのに比べりゃ、安いものでござんしょう。まして、お夏坊に おやりになると思えばねえ」 お夏坊にやると聞いて、万右衛門が、蔵屋敷からお夏を助け出すきかと新三に聞きます。新三 「旦那、まさか書付だけ取りかえして、二人をほっとけ、とおっしゃるの じゃねえでしょうね」阿波屋「うぅん、しかし、そりゃ危ない」新三 「あぶねえのは承知のうえだ。書付いちめいが灰になるより、人間の命の ほうが大切でござんすからねえ」 気持ちのすっーとする啖呵を万右衛門に切って、新三がいよいよ、書付を手に入れるため、お豊とお夏を救うために阿波藩蔵屋敷にのり込むことになります。 続きます。
2018年12月31日
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俺を売ってもかまわねえが新三が阿波屋と別れ部屋を出ようとしている時、外では阿波藩の真木三之助達が、お六の姿を見つけたようで追いかけていきます。お豊と別れた鉄蔵は、阿波藩の侍達と一緒にいました。その鉄蔵が、宿から出て来た新三を見つけ、何かおかしな行動をするようです。お六、弥太、猪之が逃げますが、侍達に捕まり痛い目にあい、盗んだ書付を出すように言われ、お六は新三が言っていた・・「お夏坊だ」・・、真木に「子供が持っている」と言ってしまいます。そのお夏とお豊は、橋のところで来るのが遅い新三を待っています。お豊はお夏に「あのおじちゃん好き?」と聞くと、お夏は「だーい好き」と言い、「お姉ちゃんは?」とお夏に聞かれたお豊はお豊「さあ、なんてったら言いかしら、好きだけど嫌い、嫌いだけど好き」 お夏に、そんなの変だと言われ、「お姉ちゃん変なの」と楽しそうに話しています。二人の後を追ってきた新三は、ひどい格好をしたお六達に会います。新三「ほお、三人揃ってまた随分派手な格好をしてなさるね、いってい、どうな すった?」面目ない謝るという、弥太と猪之に、新三「と、おっしゃると」お六「新さん、話は後にして、早く行っておくれよ」新三「何だと」 お六「先に行った女の子がやられるかもしれないんだよ」新三「なに⤴」例のさんぴんが追いかけて行ったとお六が言いますと、新三「お六、俺を売ってもかまわねえが、罪もねえ子供を狼野郎に渡して、それで もてめえは・・・人でなし」と言い、お六をビンタして、お夏を助けに走っていきます。 ところが、途中脇の道から捕り方たちを連れた鉄蔵が来て、新三を捕まえるため追いかけます。 「御用だ」の声に後ろを振り返りながら猛スピードで走る新三。 (橋蔵さまの走りはスピードがありますね) 新三めがけ、六尺棒が容赦なく飛んできます。 (ここから、橋蔵さまの見せどころの立回りになります。走りながらの素手での立回りから、六尺棒を使っての立回りと、橋蔵さまだから出来る立回りです。作品を見て味わってほしいシーンです。助けにと走り、捕り方との走りながらの立回りで約2分40秒になります)何とかうるさい捕り方たちを痛めつけ、新三は先へ急ぎますが、その頃阿波藩の侍達はお夏がいるところにやって来て、お夏とお豊を連れ去ります。 橋のところまで来た新三は、争った痕跡を見て立止まります。前方にお夏の声を聞き行こうとした時、鉄蔵と捕り方に追いつかれなかなか先へ行けません。しかたがない、捕り方を撒くために脇道に入っていきます。 捕まってしまったお豊とお夏はどうなるのでしょう。また、新三は二人を救い出すことが出来るのでしょうか。 続きます。
2018年12月26日
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「盗人か・・」新三の言う、ちい―っとばかりの相談とは、お夏を連れて大阪に着くまで、十手を向けるのを待ってほしいということでした。お夏を阿波屋に届けたら、不知火新三は逃げも隠れもしないと、お豊に言います。その時は素直にお縄を受けるね、というお豊に、新三「うーん、へっ、さーてねえ、わざと捕まってもらっても、自慢にはならねえ だろう。その時の、おめえさんの腕しでえだ」捕まえる時が来るまで新三のそばを離れない、と言うお豊です。 ここから三人で旅をすることになります。夕どき、旅籠に着きました。新三がお豊に別の部屋をとらないでいいのか、と聞きます。「いいのよ・・・逃げようたって逃がさないから」というお豊に、あきれ顔の新三です。 お豊が寝ないでいるのを見て、新三「だから、別の部屋を取れっていったんでさあ」というと、お豊が急に、布団を離しはじめたのを見て、何をするのか見ていると、行燈を半分暗くし布団の上に座ると、捕り縄を引っ張り出したので、新三はびっくりして飛び起きます。(それはびっくりしますよね・・捕り縄を出されちゃ・・先ほどの約束は破って、新三を捕えようとするのかと思ってしまいますもの) すると、お豊はその縄で膝を縛り始め、布団に入ります。新三「おやおや、自分で自分を縛ったら、世話ねえや・・・お前さんの子分と一緒 にされちゃ、こっちがかなわねえよ」 それを聞いてお豊「じゃ、あの時の投げ縄は・・」新三「知らねえよ」お豊の心中に新三に対する何かの思いが流れたようです。 弥太と猪之は、トンビに油あげをさらわれて引っ込んでいることは出来ないと、お六を待ち伏せしています。そのお六から、トンビは、弥太と猪之が連れていた新米の不知火だと聞かされます。そしてお六と組んで新三から書付を盗ろうということになります。 その新三は、お夏とお豊との三人旅の真っ最中、舟から降りて浜辺で休んでいます。新三とお豊を見て「おとっちゃんやおっかちゃんと一緒にいるみたい」とお夏が言います。 新三とお豊の顔色が変わり雰囲気がおかしくなり、新三は二人から離れます。すると、察したお夏が、新三にこっちに来るように言いますと、お豊「呼ばなくたっていいよ」新三「ちえっ」お豊「ふん」昨晩からどうも二人の様子が変ですね。 お夏が遠くを行く船を見て、歌を歌っています。それを見て、新三が「亡くなった親父のことを思い出しているんだな」と。新三「自分のガキの頃を見せられてるようで、身につまされらあ」 お豊は胸にジーンときたようでしたが、お豊から出てきたことばは、お豊「あたしに、泣き落としはきかないよ」その言葉に、新三はむっとして新三「えへっ、お前さんに泣きを入れるほど、まだもうろくはしてねえよ・・・ 岡っ引き根性に、人情なんかあるもんけえ」お豊「岡っ引きだって人間だよ・・・盗人にだってお前さんみたいな・・・」新三はお豊の言葉に・・・。お豊はお夏の手をとって先に行ってしまいます。 「盗人か・・」と新三が呟きます。 宿場に入ってきました。お豊は新三があとから来るのを見はからいながら先へと行きます。新三はそこで、宿から出て来た阿波屋の万右衛門にばったり会います。先に行ったお豊とお夏が心配ですが、取り返した証文事もあり、阿波屋と宿に入ります。 部屋に入り、新三は阿波屋の前に証文を出し、あらためてくれるように言います。 万右衛門が中をあらためると、何も書いていない紙が入っていました。「これは一体どうなっているのだ」という阿波屋、「封も切らずに肌身離さず持っていた」という新三。新三は分かったようです。新三「そうか、旦那、これはお夏坊だ。書付はお夏坊にもたせた・・・それより考 えようがねえ」 阿波屋も、用心深い彦七のやりそうなことと、新三も追いついてお夏坊を調べてみることに、そして大阪の店の方に届けることを約束します。この会話をお六が聞いていました。新三がすぐ後をくると思い先に行ったお豊達はどうしているのでしょう。心配ですね。 続きます。
2018年12月22日
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相談してえことがあるんだがな弥太と猪之に「怖―いことになるから・・」と言われた新三が、黙っているはずがありません。おぶっていたお夏を降ろし、証文をお六から獲り返したいので、気がせいているのですが、お夏が新三に聞いてきます。「おじちゃん、怖いことってなあに」新三「うん、うん、あのな、しっぽが二つにされた女狐を退治しようというんだ。 どうだ、怖いだろう」お夏「怖くなんかないよ、あたいにも見せてちょうだい」新三「いけねえ、いけねえ、そんなこと言わねえで、な、いい子だから、ちょいと ここで待っておいで、来るんじゃねえよ、え。いいな、待っているんだよ」お夏「うん」 新三は急いで、成り行きを見に行きます。お六の前に弥太と猪之が立ちはだかります。お六が夕べ阿波侍から盗んだ書付は、自分たちが目を付けていたものだから渡してくれと言いますが、お六は、私達の商売は早いもの勝ちだと言い、「これが見えないのかい」と言って、南蛮渡りの懐鉄砲だと脅し、追い払ったとほくそ笑んでいる背後から、新三が近寄ります。(ここで、バックミュージックが止まります)新三は声を変え、お六の背後からこう言うのです。新三「下手に動くと、ぐさりといくぜ。こいつは懐鉄砲より、気が早えんだ。命が 惜しかったら、阿波侍から抜き取ったものを出しな」(新三が付きつけたのは短刀でなく、でんでん太鼓のおもちゃです) お六は懐からそれを出し新三に渡します。新三「よおーし」新三は、受け取り懐にしまうと、新三「へっへっへ、すまなかったな、ええ」にこりと笑って言いうと、お六は悔しそうに誰だと振り向き、新三と分かります。 嬉しそうに寄ってくるお六を交わし、「悔しかったら、またこの俺を売るかい」と言う新三に、誤ろうと思って旅に出て追ってきたと言うお六。新三「いい加減にしろい、しつこい奴だ。二度と俺の前に面を見せんない」 お六を振りきり行こうとした時、「おじちゃん」と呼び、お夏がやって来ます。 新三「おっ、なんだお夏坊、聞いてたのか」お夏「うん、このおばちゃん、狐?」新三「そうだよ、ほーら、おっかねえ顔だろう、な、行こう行こう・・おっかねえ 行こう」 新三はお六に向かって「おう、狐のお姉ちゃん、あばよ」 (ここから、バックミュージックが始まります)新三とお夏が小高いところで湧水を飲んでいる下の道を、お豊の乗った籠が通って行きます。 新三達が道を歩いていきますと、女の人の叫び声が聞こえます。 何処からかと辺りを見回しますと、道端に籠が横たわっています。 「助けて・・誰かあ」と声が・・新三が雲助から助けたのはお豊でした。 新三「なんでい、おめえさんだったのかい」お豊「助けてもらったって、恩にはきないよ」新三「きられちゃ困るわい」 新三が神妙な顔でお豊に言います。新三「なあ、五軒町の娘さん・・恩にはきせねえが、おめえさんにちいーっとばか り相談してえことがあるんだがな」「言ってごらん、どうせろくな相談じゃないだろうけどさ」とつっけんどうですが、お豊は新三に少し心が傾いたようです。新三も真面目に相談があるようです。 新三は、お豊に何を相談するのでしょう。そして、弥太と猪之は何処にいってしまったのでしょう。またお六の動きも気になります。 続きます。
2018年12月17日
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お武家さん、またお目にかかりやしょ四人は夜になって宿場町に入りました。おろくと阿波藩の侍達が入った宿を見ていて、弥太が、「俺たちもあそこにするか」と新三にいいますと、新三は「へえ」と一旦は同意したのですが、宿の二階にお豊の姿を見たから大変新三「おうっ、兄貴、兄貴、あそこんちは方角が悪いや、方角が・・おっ、こっち にしやしょう、こっちに、えっ」新三の言う隣の旅籠に泊まることになります。 宿に入った新三達が夕食を取っています。一本ずつ付いたお酒を「飲めないんだろう」「身体に毒だから」と言って弥太に取り上げられてしまい、あきれて食事をする気もなくなっている新三に、弥太が新三にこんな話をしてきます。弥太「夜中にな、俺と猪之とがな、・・(ここは無言で・・・向こうの部屋へ行っ て、証文を盗んでくるからと、手の指をまげます)・・お前、待ってろ。 どじ踏むといけねえからな」新三「へえっ」猪之「新米にはちょっと難しい仕事だからな」新三「へっ」 寝静まった頃、それぞれが動き出します。お六も、行動を共にしていて真木三之助からどのようにして証文を盗るか狙っています。新三がおとなしくしているはずがありません。黒装束の不知火小僧になり証文を盗みに動き出し、隣りの宿へ忍び込みます。 障子が開いている部屋を注意深く覗き、十手捕り縄があるのを見て薄ら笑いを浮かべていると、向かいの部屋から「いい加減に引取ったらどうなの」とお豊の声がします。 お豊が鉄蔵に「前から好きだった」と絡まれ危なくなったとき、鉄蔵の首に捕り縄がかかりお豊は助けられます。お豊と鉄蔵が廊下に出てみると誰もいません。 弥太と猪之は侍達の部屋に入りどじを踏み見つかってしまい、「曲者だ」との声に、別の部屋にいた真木が目を覚まし、目の前にいたもう一人の曲者にびっくり、その曲者の方もびっくりします。その真木の部屋に忍んでいたのは不知火小僧でした。真木「誰だ」新三「ちえっ、あいつら、とんだ時に騒ぎを起こしやがって・・・お武家さん、ま たお目にかかりやしょ」真木の太刀をかわし逃げる不知火小僧を追い廊下に出た隙に、お六が証文を盗っていきます。 真木達が「泥棒」と騒ぎだしたので、弥太と猪之が慌てて部屋へ戻ってきます。すると、新三はとっくに戻っていてお夏坊と一緒に寝ていて、二人が戻ってくると、今までぐっすり眠っていたかのように振る舞い、起きて新三「おい、兄貴、首尾よくですかい?」と、人差し指を曲げながら言うと、二人は顔を見合わせシュンとします。 その時、お夏坊が夢を見て飛び起きます。新三「お侍がおとっちゃんを・・」新三はお夏坊に、それは夢だ、夢を見ていたんだと言い、寝かしつけます。猪之がお夏坊に「こわいことはねえよ。おじちゃん達がついているから・・」と言って寝るのを見て、新三は猪之を見て飽きれた様な顔をし、笑いを浮かべます。 新三はお夏坊が安心して眠るように、子守唄のメロディーを口ずさみます。 お夏坊の目から涙が流れているのを見て、新三の胸の中に・・やりきれない思いがするのです。(橋蔵さま、本当に綺麗ですね) 翌日、弥太と猪之は、宿の客が夕べの話をしているのを聞いて、証文を盗ったのはお六と見て、お六を追いかけることに決めます。お豊と鉄蔵は喧嘩別れ、とまたまた忙しくなる道中模様です。(ここで、例の軽快なメロディーがずっーと流れます・・このメロディーは滑稽で楽しくなってしまいます))街道を急ぐ弥太、猪之、お夏をおぶった新三がいます。こっちのみちが近道だとか、何をそんなに急いでいるのでしょう。(お夏をおぶっている新三が可哀想ですね) 道を下ってきた時、下の道にお六の姿が見えます。猪之が「しめた、追いついた」と言い、弥太「いい潮時だ。幸い、辺りに人はなしときた」と言って、新三の方を見て、「怖―いことになるんだから、子供をつれてあっちへいってろ」「新米は足手まといだ」と新三に言い、二人はお六が来る道の方へ行きます。新三は、面白そうな様子です。 さあ、これからあのおっちょこちょいの二人は何を起こすのでしょう。そして、新三も、証文を盗ったのがお六では黙って引っ込んでいるわけがありません。この街道で決着をつけられ、お夏坊のため証文を手に入れることは出来るのでしょうか。 続きます。
2018年12月11日
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ほんの駆け出しですがねえお夏を連れての旅になった不知火の新三は、阿波屋の彦七の懐を狙いずっとつけていた弥太と猪之と一緒に箱根まで来ていたようです。弥太と猪之がいる部屋に、新三がお夏を連れて戻ってきたので、どうしたのかという顔をしますと、新三は「色々込み入った話になりやしてね」と。すると「出たかい」(駄賃は貰ったかい?)と聞く弥太に「いやぁ」と答える新三を見て、弥太と猪之はどういうことかな・・というような顔をします。捕物小町のお豊も箱根に来ていました。月あかりで誰もいないのを確認して、夜の露天風呂に入りに来ました。月が雲にちょっと隠れまた顔を出しました。気持ちよさそうに入っていると前方岩陰に男の人が湯に入っているではありませんか。その男の人も何かを感じたようです。振り向いた男の人は・・不知火新三ではありませんか。 振り向いた顔を見て、お豊は「あっ、不知火」と言葉を発しますが、何しろ湯の中で裸ですからどうにもなりません。新三は誰かとよーく見て、お豊とわかって大慌てで部屋に戻ると、新三「お夏坊、起きるんだ、おい起きるんだよ」と起こし、出立の支度をし始めます。弥太と猪之も新三の声に慌てます。 夜道をある程度逃げて来たところで、弥太と猪之は新三に顔をかせといい、横道に連れ込み「金をよこせ」という仕草をします。新三「何ですねえ」猪之「とぼけるねえ、おう、おう、俺をいってい誰だと思っていやがんだ。けいど う筋じゃちっとばかり名の知れた道中師、韋駄天の猪之ってんだ」弥太「やらずの弥太っていうのは俺のこったい。いい加減なことをぬかしやがる と、ただじゃおかねえぞ、こらあ」新三「とんでもねえ、おあにいさん方に何で」 相手は大商人の阿波屋、番頭の一件を知られ、小娘まで引き受けて、駄賃をもらっただろう・・・わけまえを出せというわけです。新三「駄賃なんか貰っちゃいませんよ」 弥太「何だと」新三「さっきも言った通り、身代限りをしようという男から、礼なんぞ貰えっこね えじゃありませんか。おぅ、何ならあっしの身体を調べておくんなさい」新三がただでお夏を送ってやろうというのを弥太が変わった野郎だといっているところに、待っていたお夏が新三のところへやってきます。新三「兄貴、俺みてえな、何処の馬の骨とも知れねえ行きずりの男に、たった一人 っきりの娘を頼むというのは、これはよほどのことですぜえ。それを思った ら、お夏坊を見捨てるわけにはいかねえじゃねえですか」 新三の考えに感心する二人ですが、いつまでも付き合っていられない。さんぴん侍から証文を頂いて、あの旦那に売りつけないと何にもならないといいます。それを聞いた新三は「あっしも仲間にいれておくんなさいよ」と持ち掛けます。 弥太が「やれるのかい」と手を曲げてみせますと、 新三「えっへっへっ、ほんの駆け出しですがねえ」 二人は新三をじろじろ見て、新米と聞いて、二人が面倒を見て色々おしえてやるというのです。新三はその言葉を聞いていてにやりとしてしまいます。「せいぜいやるんだな」と偉そうにする二人に「ありがとうございやす」と礼を言うのです。その時、人の気配がしたので身を隠していますと、お豊と鉄蔵が新三を追って先を急いでいるようです。お堂で夜を明かした新三達は、まぼろしのお六が証文を盗った侍達と歩いて行く姿を目にします。弥太と猪之もお六のことを知っているようで、お六も目を付けているなと言います。新三は何を思ったのでしょうか。続きます。
2018年12月05日
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