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2026年7月刊スターツ出版文庫著者:クレハ(敬称略)偽装婚約を装うため、神の血をひく最強軍人・氷雨と同棲生活を送る鬼の一族の落ちこぼれ・六花。二人の毎日が少し落ち着き始めた矢先、六花も在学する“銀漢学校”で、あやかしが立て続けに襲われる事件が発生する。当主・暁天より解決を命じられ、久しぶりに学校へ登校する六花は、新たな事件に巻き込まれていくが…。氷雨が全身全霊で六花を守りーー。「俺の六花に手を出すな」「六花に触れていいのは俺だけだ」『鬼の花嫁』の世界で描かれる新たな和風恋愛ファンタジー第二弾。 ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 天鬼月六花=鬼の一族・天鬼月家当主の孫娘。 神器「宵闇」の持ち主。 一龍斎氷雨=神子の血を引く一龍斎家の次期当主。 天鬼月霞=六花の妹。呪いを受け寝たきりになっている。発売日からそう日が経っていないのでざっくりと。神器「宵闇」の使い手に選ばれながらもうまく使いこなせていない六花は、愛想が無く表情にも乏しいせいで周囲から浮き気味。それでも先日の一件から、従兄弟の紫電の態度はほんの少しだけれど軟化して来ていました。そんな最中、六花の通う銀漢学校で数名の女生徒が血を吸われ救急搬送されるという事件が。六花と紫電は暁天から事件解決を命じられます。現状判っているのは被害者は全員人間の女生徒。首や肩に噛みつかれ大量の血を吸われており、その特質から天鬼月の者の仕業では?と実しやかに囁かれて六花はヤレヤレ。疑惑の目を向けられている当人はそれでも気にしないよう努めて調査を続けるも、犯人の手掛かりは掴めず時ばかりが過ぎていく。もしやこの件、時雨が関わっている?六花の両親を殺し、妹の霞に呪いをかけた時雨はこうして度々彼女達をあざ笑うかのように仕掛けて来る。時雨に恨みを持つ氷雨も別ルートで動いてくれていたものの、未だ事件解決には至らないまま。皆が焦る中、ついに事件は殺人にまで発展してしまい・・・。学園で起こった吸血事件の調査に乗り出した六花と氷雨、紫電。相変わらず六花の嫌われっぷりが凄かったですが、これは本人の態度も良くないと思うので、氷雨との関係が良好になれば自ずと変わっていく感じなのかしら。鬼の花嫁のスピンオフにあたる今作。しかし、あちらが溺愛ものなら、こちらは結構シリアス。犯人の最後を読んで「きっと鬼花なら助かるんだろうな」と思う展開でもこの鬼姫では悲し結末に。ヒロインの性格や立場が正反対なのも影響していそうで、つくづくこちら側の厳しさが伺い知れます。とはいえ、いくら事情があろうとも人死にまで出してしまったのなら犯人も相応の報いは受けるべき。なので、犯人を裏で操ってたあのクソ野郎が早く見つかることを祈ってます。マジで何なのあいつ💢正直、こちらよりとんでもない所で終わった鬼の花嫁新婚編の続きの方が読みたい気持ちも大きいのですが、あまりサクサク出しちゃうと完結も早くなるから、みたいな事情もあるのかも。評価:★★★★☆
2026.07.31
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8月4日 小学館文庫 ふくふく書房でお夜食を 2 砂川雨路8月下旬 レジーナブックス 旦那様、どうぞ王女様とお幸せに! 転生妻は離婚して自由気ままに生きようと思います 魯但凛 ご機嫌よう、傾国の悪女です ~私を殺した人たちへ、謝っても許しませんから~ 鬱沢色素9月2日 講談社 婚約破棄された聖女はのんびり働きたい ~突然皆様に求婚されてもお断りです!~ かのん9月28日 スターツ出版文庫 後宮のガリレオ 3 野月よひら 無華の花嫁 ~蔵に囚われた少女は黒薔薇の殿下に溺愛される 木風 身代わりの花嫁 声を失くした歌姫は夜の軍神に愛されています 小原燈10月5日 メルティアブックスf 攻略対象の筆頭魔術が、「運命の相手は君だ」と 婚姻届け片手にモブの私を追いかけてくる 前澤のーん10月9日 マックガーデン・ノベルス」 国外追放された箱詰めが、隣国で子育てをしながら満腹&幸せになるまで やきいもほくほく(敬称略)
2026.07.30
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2025年7月刊ティアラ文庫著者:栢野すばる(敬称略)王太子エルヴァンと結婚した『氷の悪女』アンジェリカ。「お前の淫らな姿が見たいんだ」指を絡めて繋いだまま身体の最奥を抉られ、止まらない溺愛に酔いしれる。甘く幸せな新婚生活ーのはずが、頭を打って記憶が退行!?八歳児に戻ってしまったアンジェリカの奮闘が始まる!女神祭を巡る論争、側妃問題。試練を乗り越え、再び愛し合うことができるのか?超人気ラブストーリー続編! ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 アンジェリカ=悪役顔が悩みの王太子妃。 エルヴァン=アルディバラ王国王太子。アンジェリカの夫。 リッカルト=王立軍将軍。娘を溺愛している。 ニノン=病弱な伯爵令嬢。アンジェリカの大ファン。 ジュスティ=カルモン公爵家の養女。アルディバラ王国王太子・エルヴァンの妃になって早数ヶ月。王太子妃としてアンジェリカは忙しい毎日を過ごしていた。そんなある日のこと、領主貴族の重鎮・ダルト伯爵家からお茶会の誘いが。まさか嫌がらせする為では?と差出人の名を読んでエルヴァンは眉を潜めたが、領主貴族筆頭のクラリスティ公爵が失脚した今、彼らの態度は大分軟化してきているように思う。それに参加者は皆男装ないし、男らしく見えるモチーフを身に着けることという指定があって面白そうだ。侍女のリーゼイによれば最近仮装お茶会なるものが令嬢たちの間で流行っているらしい。当日、父・リッカルトの若かりし頃着用していた軍服を着てダルト伯爵家を訪れたアンジェリカは令嬢達から黄色い悲鳴を上げられ困惑。車いすに乗って登場したダルト伯爵令嬢・ニノンはアンジェリカに憧れているのだそう。妃殿下にお会い出来たら手術を受けると申しておりまして、と招待された理由を伯爵夫妻から聞かされた彼女はニノンに具合を尋ねた。お姉さま、と呼ばれた時は少し驚いたが純粋に慕ってくれているのが判って悪い気はしない。リッカルトさまにそっくり、凛々しいですわ~。他の令嬢達も大興奮で皆がアンジェリカをお姉さま、と呼んで囲んだ。にしても、皆さん領主貴族のご令嬢ばかりなのに、大丈夫なのかしら?見ると、現在領主貴族筆頭となったノイエン公爵令嬢・レヴィルナまで参加しているのに目を瞠る。そのレヴィルナからも是非うちのお茶会にもいらしてください、と誘いを受けこれはいい機会と招待状を送ってくれるよう頼んだ。その夜、エルヴァンにお茶会でのことを話せば、君は自分の魅力を判っていないと呆れられた。御父上のリッカルトにそっくりなこともあって若い令嬢達からは結構な人気だったのだぞと言われてポカン。今日のお茶会は元々アンジェリカファンの集いだったらしい。ニノンとレヴィルナはその中心人物だとも。悪評を振りまいていたのは王太子妃の座を狙っていた一握りの者たちに過ぎない。実のところ、その美しさに男性人気も高かったのだが、当時は領主貴族と武門貴族の対立もあって縁談に持ち込むのは難しかった。まぁ、その裏にはエルヴァンからの妨害もあったのだが、それは言わないことにした。だが、令嬢達との縁で領主貴族との関係が緩和するきっかけになるなら利用しない手はない。帰り際、未だ手術を受ける勇気が湧かないと言うニノンに後日また会いに行く約束をしたと言うアンジェリカにはそんな打算はないのだろうなとエルヴァンは苦笑した。相変わらず可愛いなぁ、自らの膝に乗せ照れる彼女の頬にキスをしたらすごい勢いで突き飛ばされ目を瞠る。するとアンジェリカの頭上に壁に掛けられていた絵画が落下し直撃するのが見えた。御殿医の診察では異常なしとのこと、なのに彼女は目を覚まさない。絵画は額縁付きで結構な重さがあった。それが直撃してたんこぶ程度で済んだのは僥倖ではあったが意識が戻らないのは心配だ。知らせを受けて飛んできたリッカルトと二人、眠る彼女を見守った。数時間後、漸く目を覚ましたアンジェリカだったがどうも様子がおかしい。再び御殿医が呼ばれ、問診の結果判ったのは頭部を打ったショックで記憶障害を起こしているということ。今のアンジェリカは自分を八歳だと思っている。暫くすれば治るようだが、タイミングが悪すぎた。現在、国を挙げて祭りの準備真っ最中で、もうすぐ他国からの使者も大勢やって来る。女神への感謝を捧げるこの祭りの主役である女神役の選考も難航しておりやることは山積み状態の中、アンジェリカを休ませるとなれば両親も黙ってないだろう。領主貴族たちから武門貴族から王太子妃を娶ったなら、側妃は領主貴族側から娶れと言う突き上げが凄まじく、国王は頭を抱えている。突っぱねて貰ってはいるが、この状況下王太子妃の務めを怠れば付け込まれることに・・・。こうなれば風邪で声が出ないで通すしかない。余計なことをいわないよう言い聞かせなければ。そうリッカルトと決めたはいいものの、八歳の頃の彼女は活発過ぎて、鬼将軍のリッカルトさえも手を焼くほどのお転婆だったと言う。案の定騒ぎを起こし、ついに国王からこれ以上やらかすならもう庇えないと釘を刺されてしまった。とはいえ、何故かニノンについての記憶はしっかりしていたアンジェリカが彼女のために見舞いに行っていたと知れば叱るのは忍びない。やはり君は優しいなと益々惚れ直す始末。が、結局、数週間ほどでこの記憶障害は収まり、元の彼女に戻って皆も一安心しているとまたもや騒動が。あなたがしっかりしてくださらないと私は殿下の側妃にされてしまうのです!突然、押しかけて来たカルモン公爵令嬢・ジュスティに直談判されて驚いたアンジェリカは、自分が幼児退行している間、彼からカルモン公爵からしつこく側妃を娶るよう勧められたのだと聞いてモヤモヤ。勿論きっぱり断ったと言うが、公爵はわざわざ遠縁のリロー男爵家から見目麗しいジュスティを養女に迎えたらしい。調査の結果、ジュスティには婚約者がいた。成程、どうやら公爵のせいで無理矢理婚約者と別れさせられたのね。ならあの怒りも判る。でも何か引っかかるのよね。ジュスティは後日エルヴァンにも抗議を入れているのだ、側妃にはなりたくないと。普通は、エルヴァンにその意思がないなら公爵も無理強いできないはず。何とかジュスティを捕まえ事情を聴くと側妃になれないときは公爵の愛人になれと強要されているらしい。しかもお前の婚約者はもう死んでいるとも。はぁ!?いや、その元婚約者ってお父様の元部下でぴんぴんしてますけど?!とはいえ、怪我で騎士は引退している。逃げ道を塞いでどちらに転んでも自分に都合よく進むよう仕組んでいる公爵に対しアンジェラの腸は煮えくり返った。エルヴァンとリッカルトの知恵と力を借りて何とか公爵を裁けないものかと行動を開始し・・・。ジュスティ関連で胸糞案件があるにはあったんですけど、全体的に一作目よりコメディ要素が高めの内容になっています。不幸にも引き裂かれた恋人たちのために一肌脱いだアンジェリカの行動は、軍の内部でひそかに行われていた不正をも暴く結果となり、貴族達からの評判も鰻登り。クラリスティ公爵に続いてカルモン公爵も失脚したことで膿も出尽くし宮廷は平和になった所でアンジェリカが懐妊。甲斐甲斐しく世話をするエルヴァンと娘が心配で堪らないリッカルト。騒がしいながらもそんな日々が幸せだなぁ、としみじみ思う彼女の心情が描かれて物語は幕。王太子妃になっても変わらない相変わらずなアンジェリカが可愛かったです。悪役顔なのに(エルヴァン曰く綺麗すぎて迫力があるだけらしいですが)単純で騙されやすいというこのギャップが令嬢達にバレたら益々人気が出そう。いやもう、バレているのか?とにかく、主役夫婦が幸せそうで何よりなお話でした。評価:★★★★★個人的に一作目よりこの二作目の方が好きです。
2026.07.29
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2021年4月刊ティアラ文庫著者:栢野すばる(敬称略)婚約破棄された武門貴族の一人娘アンジェリカ。跡継ぎだけでも作らねばと相手を探すも、冷たい美貌から悪女と呼ばれ敬遠されているため全く見つからない。困っていたら憧れの王太子エルヴァンに「子種は俺がやる」と押し倒され!?甘く痺れるほどの愛撫に蕩け、逞しい杭で穿たれれば火照った身体が歓喜に震えてー。「ずっとお前が欲しかった」本気の王太子からは逃げられない!? ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 アンジェリカ=王立軍将軍の一人娘。悪役に見える容姿が悩み。 エルヴァン=王太子。アンジェリカに想いを寄せている。 リッカルト=アンジェリカの父。 リスラン=アンジェリカの元婚約者。 アリス=リスランの浮気相手の公爵令嬢。クラリスティ公爵=アリスの父。武門一族・ブロンナー家の一人娘アンジェリカは、婚約者の浮気で破談となり、崖っぷちににいた。敬愛する王太子・エルヴァンをお支えするため、彼女は幼い頃から血のにじむ努力をして来た。あとはこの家が末永く残るよう跡継ぎを設ければ・・・。王立軍の将軍を務める父・リッカルトの薦めで婚約したのは同じく武門家系のジルタニス侯爵家四男のリスラン。騎士らしからぬ優男ながら気立ての良い所が父に気に入られたらしい。アンジェリカも彼の人となりを好ましく思っていた。だが、婚約して三年、恋愛感情が湧くことはなく、そんな自分の本心を彼には見抜かれていたのかもしれない。ジルタニス家で開催された夜会の日、リスランから好きな女性が出来たと告げられ、アンジェリカの頭の中は真っ白。彼が抱き寄せた少女は確かクラリスティ公爵家のご息女のアリスさま?でも彼女は、エルヴァンの花嫁候補筆頭だったはずだ。これって、殿下は承知してるの?混乱しつつもジルタニス侯爵夫妻を見つめると気まずそうに視線を逸らされ、ああ、これは双方承知の上での発言なのねと納得する。それならば私が言うことはない。「判りました」やるせなさからため息が零れつつも承諾すると、二人は急にビビり始めた。なによ、こっちは潔く身を引くって言ってるのに。仕方ない、誤解されないよう笑みを見せると、夫人が小さい悲鳴を上げたので漸く気付いた。拙い、もしかしなくても私いま劇に登場する悪役みたいな笑い方してた!?珍しい青みがかったプラチナブロンドに、色素の薄い瞳。加えて無表情に見える顔は「綺麗だけど、怖い」「まるで悪役のよう」ひそひそと言われているうちに付いた渾名は「氷の悪女」。多分、後ろめたい想いがある彼らは「いい度胸ね、あなたたち」という風にでも見えているのだろう。違うのよ、私はこれっぽっちも怒っていないからっ!ただちょっと悲しいだけなの。だってどう見てもアリス嬢は妊娠してるじゃない。そうなる前に一言相談して欲しかっただけで・・・。とにかく、破談については了承しましたので!!そう言い置いて彼女は慌てて侯爵家を後にしたのだった。それが数日前のこと。砦に詰めているお父様にも破談のことはもう伝わってるわよね。正直、父はどう思っているのやら。このアルディバラ王国は由緒ある血筋の領主貴族と武力でのし上がった武門貴族が長く対立している。正確には領主貴族が武門貴族を軽んじ下に見ていると言うのが正しい。しかも武門貴族は圧倒的に数が少なく、領主貴族には見向きもされないので結婚相手には毎度苦労していた。それ故にリスランほどの優良物件を失ったのは厳しい。アンジェリカは一人っ子だし、父の妹である叔母の所も一人娘。親戚から養子をとろうにも遠縁迄探さねばならず、それはそれでプロンナーの血筋は薄まるばかり。となるとどうあっても自分が子を生まねばならない。でも結婚相手がなぁ~~。何かいい方法がないかと後継についての法律を調べていると、婚外子でも子供の父親の承諾を得れば後継者に出来るとあった。モラル的にどうかと躊躇いもあるけれど、この手は使える。そうと決まれば!悩みが無くなり俄然やる気になったアンジェリカであったが、思わぬ人物からの申し出に再び頭を悩ませることになるとは夢にも思っていなかった。『氷の悪女、破談を申し出た元婚約者とその浮気相手を扇で殴る』申し訳程度に疑問符をつけ、さも事実のように煽り立てる貴族のスキャンダルを専門に扱うゴシップ誌の見出しを読んでエルヴァンは眉を潜めた。彼女が婚約解消に至ったのは喜ばしいことで、これで自分にもチャンスが回って来たと言うのに、好き勝手彼女の悪評を掻き立てる三文雑誌に激しい怒りが湧いた。「氷の悪女」なんて渾名も実のところ、領主貴族の令嬢達の妬みから付けたものだ。アンジェリカはあんなに可愛くて美人なのに・・・。愛しい女性を悪し様に言う連中には腹が立つが、この絶好の機会を逃すわけにはいかない。この日のために作らせていた特注のブレスレットを持って、プロンナー家を訪ねた。お忍びでやって来たエルヴァンを見てアンジェリカは目を丸くしつつ歓迎してくれた。相変わらず似合わない地味すぎるドレス姿に、こっそり購入している彼女のためにあつらえたドレスを着た姿を妄想する。残念そうに破談についてと、ゴシップ誌の記事のことで慰めると素直な彼女は礼を述べた。お見舞いにと腕を取り持参したブレスレットを嵌めて彼はほくそ笑む。わざと高価なプラチナのブレスレットを作らせたのは牽制のためだ。まぁまた令嬢たちから妬まれそうだが言いたい奴には好きに言わせておけばいい。近いうちにアンジェリカは王太子妃になるのだから。温厚な国王夫妻の元で育ちながら、エルヴァンは策士で狡猾だった。腹黒いと言ってもいい。漸く思いが叶いそうな今、なりふり叶わない彼にアンジェリカが適うはずもない。そう言えば、何か悩みでもあるのかい?君のばあやが心配していたと話を振ると、アンジェリカはもう解決しそうなんですけどと前置き、先程導き出した答えを嬉々として語った。聞いていたエルヴァンの顔が段々険しくなり、なら私が子供の父になろうと宣言。えええええっ、とんでもないです!!殿下にそんな真似は・・・。言い繕う彼女の言葉に効く耳持たず、明日王宮に来てくれ、そう告げて彼は帰って行った。王太子との約束を破る訳には行かず。侍女に案内されて彼の私室に赴くと何だかんだと言い包められエルヴァンに押し倒され関係を持ってしまった。しかも、子どもは自分の第一子として共に育てると言われて頭を抱えた。いや、欲しいのはうちの跡取りなんです。殿下の第一子としてここで育てたら王族になるじゃないですか~~。侍女たちは自分をもう妃当然の扱いをしてくるし、なんと国王夫妻もアンジェリカとの結婚を許していると言う。本人知らぬ間に外堀を埋められ、いつしか彼女は王太子の婚約者になっていた。武門貴族の娘が未来の王妃に?領主貴族からの反発も多かったが、全てエルヴァンが黙らせた。領主貴族にだけ権力が集中すするのを防ぐためもあるとほのめかしたのが功を奏したそうだ。当のアンジェリカは元々エルヴァンに好意を持っていたのもあってそのうちに覚悟を決めた。そして父が久しぶりに屋敷に戻り、エルヴァンとの話し合いでアンジェリカに子供が二人以上産まれたら、一人後継にするという約束で結婚に同意。だがそれも娘がこの結婚を望むのを前提にしてのことだ。父は結婚一年半で妻を亡くしている。以来独身を貫いていたのだが、母の死の原因が父を狙った毒矢をその身に受けてのことだったと聞いて複雑な気分に。お前は母親に似た気性だから心配なんだ。殿下の為にも自分を大事にしろと言う言葉に頷いた。そんなある日、慈善事業で出かけていた彼女は何者かの襲撃を受けた。が、腕は三流以下のチンピラで難なく撃退。生け捕りにして王宮の騎士に引き渡した数日後、依頼人はアリスの父・クラリスティ公爵と判明。その名を聞いて考え込んでいたリッカルトから語られたのは、公爵家のとある秘密のことで・・・。策士な腹黒王子と容姿は悪役令嬢ながら単純で絆されやすい令嬢の恋物語です。ヒロイン・アンジェリカの破談を機に動き出した王太子エルヴァンは、ついに想い人である彼女と深い仲になり婚約を果たします。物語としてはここでもうハッピーエンドなんですけど、裏ではアンジェリカの元婚約者とその浮気相手の結婚をよく思わない公爵家の魔の手が迫っていました。大抵はこの元婚約者と浮気相手が悪役で、ヒロイン達に何か仕掛けて来るってのが鉄板な展開なんですけど、このお話に至ってはこの彼らはとてもいい人達でした。浮気に至ったのはアンジェリカの態度も良くなかったと本人も自覚ありましたしね。実は順風満帆に思われていたアリスは先代クラリスティ公爵が手をつけた女中の娘で、死産した現公爵夫人の産んだ子の代わりとして引き取られた存在でした。当然、愛されるわけもなく虐待される日々。そんな彼女を慰めていたのがリスランで、まぁ二人が恋仲になるのはしょうがない。公爵家に嫌気がさし絶縁したアリスはリスランと駆け落ちし、下町で暮らしていたのですが、アリスの実の両親が当時のことを告発しようとしているのに公爵家が気付き、彼ら始末しようと暗殺者を仕向けていました。それを救ったのがリッカルトで、それが公爵家にも知られてしまい、奴らを引き渡さないと娘を殺すとアンジェリカを襲ったのです。そこで怒りに燃えたエルヴァンが手を打ち、アンジェリカがエルヴァンと別れたいのだと言う悪役モードでの嘘芝居に公爵たちはまんまと乗せられ・・・という展開です。相手が小者だったのもあり捕まるのもあっさりではありましたが、こんな背景がと意外な展開にビックリ。リッカルトさんの亡き妻への想いとか、読み応えありました。実は先に続編の方を購入してて、さあいい加減読もうと手にして続き物と気付いたと言う(^_^;) 一巻目は結構前の発売だったんですねぇ。ので、明日はその続編を読みたいと思います。評価:★★★★★
2026.07.28
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2026年6月刊蜜猫文庫著者:花菱ななみ(敬称略)辺境伯長女で、血の繋がった両親や妹に冷遇されていたロクサンヌ。公爵エリアンに嫁いだ初夜に「君を愛することはない」と言われて失望するも妻の義務を果たせば好きに過ごしていいと言われ気を取り直す。御者の技術を覚え馬車を乗り回し楽しむ彼女にいつしかエリアンも興味を引かれるようになる。「君を愛さずにいることはできなかった」心と体を重ね幸せを覚えるが、ロクサンヌが冷遇されたのが呪いのせいだとわかり…!? ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 ロクサンヌ=辺境伯家の長女だが、家族から冷遇されていた。 エリアン=国王の最側近の公爵家当主。ロクサンヌを妻に迎える。レモウィケス辺境伯の長女・ロクサンヌは、理由も判らないまま家族から疎まれ冷遇されていた。使用人のようにこき使われながらこの理不尽な扱いについて考える。もしかして私は実の子ではないのだろうか。いっそ、本当にそうだったなら諦めもつくと言うのに、彼女は両親どころか兄と妹にもしっかり似ていた。ならどうして私はあの人達から愛されないんだろう。こんなことバカげていると兄のアレクサンドルはロクサンヌを庇ってくれたが、そんな優しい兄は現在宮廷に出仕しているため屋敷にいない。跡取りの目が無い現在、結局ロクサンヌの辛い日々は続いていた。そんなある日のこと。オーベルティーブ公爵家当主・エリアンが屋敷を訪れた。シュゼットによれば、彼はこの辺境伯家との姻戚関係を望んでいるらしい。両親は大喜びでシュゼットの飾り立てに余念がない。辺境伯領の金山は近年採掘量が乏しい。裕福なオーベルティーブ公爵家からの援助を当てにしているのだろう。にしても随分と見栄を張ったものだ。まぁでも、もう結婚自体は決まったようなものだし、浮かれるのも仕方ないのかもしれない。だが、まさかエリアンがロクサンヌを妻にしたいと言い出すとは。応接間の空気が凍り付き、この子は当てつけがましくわざとこんなみすぼらしい恰好をしている聊か困った娘でして!苦しい言い訳をしている両親と、姉より私の方が相応しいですわ、とめげずに自分を売り込むシュゼット。やかましい彼らの言い分を涼しい顔で受け流したエリアンは茫然としているロクサンヌの手を取ると片膝をついてプロポーズ。私は彼女がいいのです。そう言って父に向って笑みを見せるとくれぐれも妹さんと交換なんて真似はなされぬように。有無を言わせぬ態度に背に腹は代えられぬと父は渋々承諾。文句が止まらぬ母と妹にもう決まったことだと言い含めた。その日からロクサンヌには家庭教師が付けられ、食事も家族と同じものが提供されるように。そして数か月後、王都の教会で二人は式を挙げたのだった。あの家から出られたことも嬉しいけれど、エリアンさまの妻になれたことが何より嬉しい。一目見て彼に心奪われた彼女は今最高に幸せだ。この人に精一杯尽くそう、私に出来ることならなんでもして彼を支えるのだ。そう決意したロクサンヌだったが、初夜の際、彼女は非情な宣告を受けた。「君を愛することはない。とにかくこちらが望むのは男の子二人を産んでくれることのみ」冷たい表情で告げられて、まるで冷水を浴びせられた気分だ。政略結婚なのだから、望むのは家の結びつきと跡継ぎを設けることだけ。彼の言わんとすることは実のところ尤もな意見である。なのにバカな夢を見てしまった。白い結婚を望まれるよりマシだと思わなければ。あんなことを言いながらもエリアンはロクサンヌを尊重してくれていた。不貞行為でなければ好きなことをしていいとも言われたので、今まで縁の無かった貴族らしい趣味に挑戦してみることにした。その中で唯一貴族らしからぬ趣味が馭者の真似事だった。家令も驚いていたが、馬も可愛いし馬車の扱いは難しいながらも楽しく、上手くなるとなんとエリアンがロクサンヌが操る馬車に乗ってくれた。意外に楽しいと思ってくれていたのか、以降も彼のリクエストを元にあちこち出掛けて、先日は川の上流で釣りを楽しんだ。その上、ロクサンヌは社交も手を抜かず、お茶会で仕入れた情報をエリアンに報告。使えるネタの場合は良く教えてくれたと褒められ彼女も上機嫌。今日は彼女の希望でオペラの観劇にやって来た。娯楽に全く興味を示さなかったエリアンがオペラに!?その日、たまたま観に来ていた国王も心底驚き、これも奥方のおかげだなとロクサンヌをべた褒め。国王は彼女が馭者仕事に嵌っていると知るや、自分も乗りたいと言い出し、エリアンの胸は何故かざわついていた。女性の扱いが上手い国王は妻帯者だが、女癖が悪い。彼女に興味を持ち、手を出されたらと思うと気が気でない。結局、王は単に朴念仁なエリアンに発破をかけるだけのつもりだっただけらしく、それが判って彼は胸を撫で下ろした。そして、あんなことロクサンヌに言わなければ良かった・・・。と激しく公開初夜の時に心無い言葉を告げた自分を殴ってやりたい。当時の自分は厳しい父の教えに従い、誰も信じず生きて来た。結婚も国防を担う辺境伯家と繋がりを持ちたかっただけで誰でも良かった。ただ化粧と香水臭い次女は性に合わずで、何故召使扱いされていたのか不明だが、素朴なロクサンヌならとその手を取った。一度、二人で話そう。そう決意した矢先のこと、ロクサンヌが体調不良で寝込んだ。まさか懐妊ではと沸き立つ屋敷の者たちの期待に反して医師から告げられたのはただの胃腸炎。エリアンも期待していたのではと思うとロクサンヌもガッカリ。心配かけたこと含めてきちんと報告しよう。書斎の扉をノックしかけた彼女は漏れ聞こえて来る話し声とその内容が気になりいけないと思いつつ耳をそばだてた。家令が報告していたのはレモウィケス家の実情とロクサンヌがなぜあんな扱いを受けていたのか、について。確かにずっと謎だった。一体どんな理由が。家令がレモウィケス家に長く務めたという元侍従から直に聞いたと言う話は衝撃的なものだった。百年以上前、辺境伯家の領地近くの山に魔女の集落があり、そこで金が取れると知るや欲にくらんだ当時の領主が魔女たちを襲撃、山を奪ったのだそう。多くの犠牲を出て魔女は怒り狂い、その時指揮をしていた領主の娘・エレオノーラに呪いをかけた。それが長女の呪い。レモウィケス家の長女に生まれた者は、子を成せぬというもので、実際に長女は不妊ないし出産にこぎつけないものばかり。政略結婚が主流の貴族社会でこれは由々しき事態。子を生めぬ娘は嫁に出せない厄介者になり、いつしか長女を「いない者」扱いするようになったのだと。ということはつまり、ロクサンヌは子供を産めないということか?エリアンの問いに家令は長女の呪いの通りならばと肯定。エリアンは男の子を二人産んで欲しいと強く希望していた。流行り病や事故死に備えてなのだろうが、それ以前に自分は不妊症と判ってロクサンヌは愕然。彼が家令に明日レモウィケス家当主に会うと言っているのに冷や汗が流れた。おそらく契約違反だと抗議しに行くのだろう。それも当然だ。妹はともかく、両親は呪いのことを知っていたはず。だから私を冷遇してたんだもの。なのに、シュゼットをお気に召さなかった彼がロクサンヌを希望した際、不妊という瑕疵があることを言わなかったのも問題だ。もしかしなくても離縁されるのよね、私。愕然としながらも心にはフツフツと怒りが湧いた。欲深い先祖のせいで呪いをかけられ、その弊害で私はいない者扱いを受けていた。そうよ、一言あの人達に恨み言言ってやるくらい!それと、あの人に迷惑がかかるから、私は死ぬの。とは言っても本当に死ぬわけじゃない。自殺に見せかけてどこか他の地でひっそり生活すれば、エリアンも再婚しやすくなるはず。決意した彼女は遺書に見せかけた手紙を置いて屋敷から姿を消して・・・。ザマァ系です、が意外な理由でヒロインが虐げられていたのが判ってちょっとびっくり。先祖がクズだったおかげで愛する人の側にいられないのが確定してしまったロクサンヌはついにブチギレ。そもそも、そんな重要なこと、彼に前もって言わないのは我慢ならないと実家に乗り込みますが、久しぶりの屋敷は何故か半壊していて唖然。玄関前に居た女性に気付いて一体何が?と尋ねれば、女性は兄と瓜二つ???あなたがロクサンヌ?問われて頷くと、彼女は父の庶子であると明かします。だから、この家の本当の長女は私なの、アレクサンドルの一つ上。卑怯者の当主は長女の呪いを回避するため、下町の女に手を出して娘を産ませ自分はちゃっかり貴族の女と結婚したってわけ。なのに奥さんが怖いから他所にもう長女がいるのを言い出せず、結局あんたをいない者扱いしてたのよ。呪いが解けたのを機に復讐しに来たと言うい女性は屋敷を壊しながら高笑い。クズ過ぎる父のやり口を知ってロクサンヌは異母姉・シモンに同調。この家潰すなら協力すると申し出ます。魔女に弟子入りして自力で解呪したという異母姉は頼もしく、そういえば、私は次女だから呪いにはかかってないのよね?とホッと胸を撫で下ろすのでした。とはいえ、涙を飲んで公爵家を出て来たと言うのに段々アホらしくなり、そのうち父に対しての激しい怒りが。その後、シモンの魔法で両親はいいように操られ、爵位と財産はシモンに譲ると言う証書にサインさせることに成功。ロクサンヌは例え不妊でも妻は君がいいとエリアンに説得されて無事公爵家に戻るのでした。エリアンもロクサンヌが不妊だと伝えなかった当主夫妻に怒ってたんですが、それ以前に呪いを理由に彼女を虐げたことに対しての怒りの方が強かったと言う。もうすっかり奥さんにメロメロになっていた彼は、子など産まれずとも養子を取ればいいときっぱり。あの時の最低の言葉はどこへやら、今やすっかり愛妻家になった彼が妻への想いを噛み締めている所で物語は幕。理不尽な扱いの理由があれで色々吹っ切れたヒロインの底力が凄かったお話でした。あと、終盤出て来た腹違いのお姉ちゃんとも仲良くやってけそうで何より。評価:★★★★★
2026.07.27
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2026年6月刊マカロン文庫著者:田崎くるみ(敬称略)久我リゾートの御曹司・誠吾は、初恋の相手・木乃香を長年探し続けていた。再会を果たした誠吾は燃え上がる独占欲で木乃香を囲い落とそうとして…! 蕩けるような一夜を共にするが、翌朝木乃香は姿を消してしまうーー。身分差に悩み身を引いた木乃香は、誠吾との子を身ごもっていて…。叔父夫婦から嫌がらせを受けながらも息子の海を育てていた木乃香を、誠吾は愛を絶やさず見つけ出す! 「ママを守って」「もう二度と離さない」ーー離れていた時間を取り戻すように、誠吾は木乃香と海をありったけの溺愛で守り抜き…! ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 奥林木乃香=老舗旅館の跡取り。初恋の人との子どもを女手一つで育てている。 久我誠吾=リゾート開発企業の御曹司。 奥林海=木乃香と誠吾の息子。 奥林千里=木乃香の従姉妹。入退院を繰り返す父に代わって、旅館を切り盛りしている木乃香は四歳の息子を育てるシングルマザー。厨房の手伝いや雑用までこなす彼女を古くからの従業員たちは心配している。数年前、木乃香の母がひき逃げで亡くなってから、父は気落ちしそのせいか体調を崩しがちになっている。叔父夫婦の助けが無ければこの旅館は潰れていただろう。だから、叔父たちの横暴な振る舞いも目を瞑らなければ・・・。誰の子とも知れぬ子を生んだと当初は相当責められたが、息子の海ももう四歳。随分と利発に育って、これもあの人の血を引いているからと感心する。今日もめまぐるしい一日だった。急いで海のお迎えに行かなければ、と帰宅の支度をしていると、事務室から叔父夫婦の話声が。何の気なしに聞いているとこの旅館を売りに出すと言うとんでもない内容にギョッとした。確かに、亡き母が女将をしていた頃ほどに賑わってはいないけれど売却しなければならない程ではないはずだ。それに父に内緒でそんなことできるはずがない。きっといつもの愚痴の類よ。不安を押し隠しつつ、海には笑顔を見せていた木乃香は、帰宅途中に初恋相手の久我誠吾とバッタリ。硬直している彼女が手を引いている子供が自分の幼少期にそっくりなのに気付いて誠吾は、もしかしてこの子は・・・、と問いかけるのを「違います!」と否定してその場を駆け出した。まさか、こんなところに遭うなんて。五年前、久我リゾートの系列ホテルのバーで偶然出会った彼は、彼女にとってヒーローであり王子様のような存在だった。思わぬ再会に双方盛り上がり、誘われるまま一夜を明かした。しかし、翌朝とんでもないことをしてしまったと木乃香は逃げ出し、暫くして妊娠に気付いた。それが海だ。一度見つかってしまったことで彼に居場所がバレ、その後話し合いを重ねて正式に交際が始まった。海が誠吾に懐いたのが大きい。何度か三人で出かけているうちに結婚をほのめかされ、父とも先日顔合わせしたばかり。数日後、退院した父を迎えに行き旅館に戻ると叔父たちから書類を見せられた。なんとそれはこの旅館の譲渡契約書。日付は五年前、母の死のショックから父は大病を患った。かなりの額の治療費がかかり叔父たちが援助をしてくれていたからその担保として交わしたのだろう。五年経っても父が復帰できない場合は旅館を譲るとあって、木乃香は茫然。あの時の借金はまだ全額返せていない。利子を含めて代わりにここを貰うというのが叔父たちの言い分だった。父も言われるまで忘れていたらしい。自分の署名を見てブルブル震えていて今にも倒れそうなのを慌てて支えた。どうしてよいかわからず誠吾に相談すると弁護士を交えての話し合いに。だが、書類に不備はなく勝てる見込みはゼロ。ならば、いっそのこと旅館は譲渡し、久我リゾートが手掛けるリノベーションホテルで働かないかと誠吾に提案され、心機一転その話に乗ることになった。料理長を始め、多くの従業員たちが付いて来てくれたおかげでここをあの旅館に負けないものにしようと皆一丸で頑張った。それから暫く経って誠吾との結婚も間近に迫ったある日のこと、彼の前に現れた木乃香の従姉妹・千里は一枚の写真を差し出した。あの子、浮気してるわよ。その写真には三十代と思われる男性と親しげに話す木乃香が写っていて・・・。シークレットベビーものです。初恋相手との再会に舞い上がるのも判るんですが、そのワンナイトで授かって、という安易な経緯は短めなお話の弊害でしょうね。相手の誠吾も五年も何やってたんだ感はあるものの、早々に見つかってちゃお話になりませんから。誰かが(もしくはどちらも)バカにならなければ成り立たないのがこのジャンルなのであります。まぁ、突っ込みに関してはそのくらいにして、でたよお邪魔虫が。あの叔父夫婦の娘だから従姉妹も性悪。息子の仲良し・小夜ちゃんの父親と歓談してる部分を隠し撮りして浮気してるとでっち上げ。しかし、当の海が「あ、小夜ちゃんパパだ!」と指摘し、この時は二人の足元に自分達も居たと証言したので、ふかしてんじゃねぇぞ的に誠吾に睨まれて千里もしどろもどろ。この話は木乃香にも伝えられ、まったくと呆れられてましたが、後日、今度は叔父夫婦が現れてこれまでの迷惑料を払えと要求してきます。彼らへの借金は誠吾が立て替え清算済みだというのにこの面の皮の厚さよ。かなり早く木乃香と誠吾がくっついたのもあって、旅館関係と叔父たちの醜悪さにスポットがあたりちょっと辟易。でも、意外にこういう常識外れの人って現実にもいるから侮れないんですよね。とはいえ、黙っている木乃香ではなく、先日の千里の暴挙について言及し二人を撃退。数か月後、木乃香たちは入籍し、数年後の久我家の様子が描かれて物語は幕。ここ最近のベリーズとマカロンは表紙にヒロインの顔を描かない表紙が増えて来たような。評価:★★★★
2026.07.26
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8月中旬 ノーチェブックス 絶倫すぎるんです、公爵様っ! 不吉令嬢だったのに、聖女として溺愛されています rara 一夜限りの夜伽のはずが、傷物令嬢は王弟殿下に淫らに翻弄される 柚月ウリ坊 アルファポリス文庫 やすらぎ古民家カフェのしあわせ時間 あやかしさんと、ほっと一息 家野ね子9月9日 ティアラ文庫 塩対応の美形魔術師の溺愛が本気すぎる 嘘告なのに囲い込まれて逃げられません!? イチニ9月15日 講談社タイガ 後宮を欺くは、愛され下手な奴婢 壁井ユカコ 傷モノの花嫁 4 友麻碧9月17日 カラフルハピネスコミックス 悪女は楽で最高ですか? 210月9日 ツギクルブックス 先に仕掛けて来たのはそちらですよね? ~絶対に被害者面で私を冷遇したい婚約者とその本命VS 絶対に被害者面で制す私 ファイっ~ 星羽芽(敬称略)傷モノの花嫁、9月か~~。そっちが出てから3巻を読むか、先に読んでおくべきか悩みます。
2026.07.25
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昨日(7月22日)までに購入した本です。ヴァニラ文庫6月刊 蜜猫文庫6月刊2点。オパール文庫7月刊そう言えば、この作家さんの5月刊を未だに買えてない(^_^;) ベリーズファンタジー7月刊2点。7月のこのレーベルはまだあと1,2点買うはずのものがあったような。レジーナ文庫7月刊マーマレード文庫7月刊 ベリーズ文庫&ベリーズ文庫with7月刊3点。講談社タイガ 7月刊購入だけはしてるんですが、積読消化してたのもあって溜まってます。傷モノの花嫁は、なるべく早めにとは思っているもののいつになるやら。
2026.07.24
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2024年8月刊角川ビーンズ文庫著者:花宵(敬称略)魔力がないため虐げられてきた伯爵令嬢リフィアは、父の命で呪われた仮面公爵オルフェンに嫁ぐ。王国一の魔術師ながら忌避される彼と心を通わせるうち、少しずつ呪いが解けていきー「大好きな君を、この手でずっと抱き締めたかった」甘く幸せな新婚生活の陰で、『聖女』の資質に目覚めたリフィアに迫る魔の手。そこには衝撃の真実が隠されていて…!?愛を知った薄幸令嬢が残酷な運命を断ち切り、本当の幸せを掴む物語。 ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 リフィア=魔力を持たないからと家族から虐げられていた伯爵令嬢。オルフェン=呪いを受け隠遁生活を送っていた公爵。リフィアの夫。 アスター=ヴィスタリア王国王太子。 セピア=リフィアの妹。 ラウルス=オルフェンの元部下の魔導騎士。ファルザン=人気のヴァイオリン奏者。火属性魔法の家系・エヴァン伯爵家の長女・リフィァは、魔力を一切持たずに産まれた。魔力無しの証拠であるその白い髪を両親、特に母は忌み嫌い彼女を遠ざけた。お前のせいで不倫を疑われたと酷い暴力を受け、死にかけたこともあるけれどいくら理不尽な目に遭ってもリフィアに恨みも怒りの気持ちも無かった。屋敷の奥深く、亡き祖父の私物置き場になっている物置部屋に閉じ込められても、エヴァン家の守護女神ヘスティアに今日も恙無く過ごせたと感謝の祈りを捧げる。数年後、リフィアが十七歳になったある日のこと。珍しく父の書斎に呼び出された彼女はオルフェン・クロノス公爵との結婚を命じられた。黒の賢者の称号を持つ優秀な魔術師だが、五年ほど前、バジリスクからの攻撃から王太子を庇い呪詛を受けて以来、あまり表には出て来ていない人物だ。呪詛の影響で顔と腕に鱗が浮き出ているらしい。それを隠すため仮面をしていることから仮面公爵とも呼ばれている。私の結婚相手がクロノス公爵様・・・。十五歳の誕生日、本来なら社交界デビューするはずがリフィアには人前に姿を見せることすら許されなかった。しかし、世間体を気にしてお披露目をしないわけにもいかず、当日は本人の体調不良を言い訳に両親は舞踏会だけを開催。華やかな世界に多少なりとも憧れのあったリフィアはこっそり部屋を抜け出し、寒空の下、外から会場内を盗み見ていた。そんな彼女に自らの上着をかけてくれたのがクロノス公爵で、その上着は今でも大事に取ってある。あの時のお礼も言えることがただ嬉しかった。呪われた仮面公爵に嫁ぐのに何をへらへら笑っているの!?妹のセピアは信じられないと言う表情。父の説明では近年、公爵は呪詛の影響で体調を崩し魔術師団長の座も辞して領地に引き籠っていると言う。前公爵夫人が不憫な息子のため嫁探しをしていたそうで、うちの娘で良ければと父はその話に乗ったのだそう。多額の支度金を貰っているから戻って来ることは許さん。父の言葉に母も頷き、厳しい顔でリフィアを見据える。唯々諾々と従う娘に早々に興味を失くし、その金で新しいドレスを買ってくれと母が父に強請るのを横目に、セピアだけは何か言いたげな目で姉を見ていた。二週間後、迎えの馬車に乗り込んだリフィアはクロノス公爵邸にやって来た。実家とは違い、無能の象徴たる白髪を見ても公爵邸の人達は誰も軽んじる様子はなかった。姑のイレーヌからも歓迎されて自分のような娘を迎え入れてくれた旦那様とお義母さまのためにも精一杯尽くそうと心に誓った。が、肝心のオルフェンは姿を見せない。不思議に思っていると最近は起き上がれない日が続いているのだとイレーヌが顔を曇らせた。せっかく来てくださったのに申し訳ないと謝罪する義母に気にしないで欲しいと笑顔を見せたリフィアは、せめて自分に旦那様の看病をさせてもらえないかと頼んだ。案内されたオルフェンの私室では具合の悪そうな彼がベッドに横たわっていた。間違いない、やはりあの時の方だ。呪詛は徐々に彼の身体を蝕んでいるらしい。その苦しそうな姿に胸を痛めたリフィアはオルフェンの手を握るとどうか少しでも良くなるよう祈った。すると、苦しそうだった呼吸が落ち着き彼が目を覚まし自分の手を握る少女を見てギョッとしていた。オルフェン自身もどうして急に楽になったのか見当もつかないながら名を聞かれリフィアと名乗ると、そうか君が・・・。こんな死にかけの男に嫁がされて迷惑だったろう?と自嘲する彼の言葉に食い気味で否定する。あの舞踏会の夜でのことを話すと彼も覚えていたらしい。以降、リフィアは献身的にオルフェンの世話を焼き、彼が良くなるよう女神に祈りをささげた。暫くするとオルフェンの身体を蝕んでいた鱗が段々と薄れていき、そのうち起き上がれるように。それでもまだ右手と額には残っていたが、歩けるようになるとリフィアを伴い庭園を散歩するのが日課になっている。その仲睦まじい姿にイレーヌは涙を流して喜び、息子にちゃんと彼女を籍に入れようと提案。これまで三度ほど妻を迎え入れたが、皆数日持たず屋敷を立って行った。最後の希望がリフィアであり、その彼女のおかげでオルフェンは持ち直した。当時は彼の体調からもう長くはないかもと入籍を先延ばしにしていたけれど、きっともう大丈夫。数日後、無事署名を済ませたリフィアはクロノス公爵夫人になった。半年後、見舞いを兼ねて夫人を紹介してくれと王都から王太子・アスターが屋敷を訪れた。迷惑そうなオルフェンを他所に、アスターは奥ゆかしいリフィアを気に入り上機嫌。そんなアスターにオルフェンは前以て依頼していた鑑定をしてくれるよう促すと、はいはい、と彼が取り出したのは大きな石のついたペンダント。それをリフィアの首に下げさせると鑑定魔法の呪文を唱える。すると石が金色に輝き、これは間違いないねとオルフェンに向けてニヤリと笑った。大方予想は付いていたのか、オルフェンはやはりと言った表情でリフィアに向き直ると、君には聖女の資質があると告げた。フィアは魔力が無いよね?それは元々聖力を持っているからなんだよ。いきなり勝手な愛称で呼び始めた王太子を睨みつつ、オルフェンもその説明に頷く。何故自分が持ち直したのか、しかも彼女が手を取り祈りを捧げてくれる度に回復していくのでこれは聖力なのではと思い当たったそう。鑑定してみた結果、大聖女に匹敵するほどの聖力の持ち主だと判り、アスターからこの世界を支えている世界樹に定期的に聖力を注いでほしいと頼まれた。ここ数百年、世界樹の老化が進み、各貴族家が奉納する魔晶核の力で延命していた。しかし、聖力とは比べるべくもない。これで世界樹も生気を取り戻すはず。だが、世界樹は魔物を脅かす。聖女に出て来られては困るとリフィアは狙われる危険性がある。お前も復調したなら奥さんを死ぬ気で守れよ。そう言ってアスターはオルフェンに発破をかけた。そうこうしているうちに国王との拝謁も済ませた彼女は定期的に世界樹に力を注ぐという、忙しい日々を過ごしている。オルフェンとの関係も一層深まる中、娘の噂を聞きつけたエヴァン伯爵がそうと判っていればと歯噛みしていた。そしてやがて明らかになる伯爵家の過去と聖女誕生に纏わる秘匿事項。父の罪の巻き添えを食ったリフィアは危機に陥り・・・。王道のシンデレラストーリーです。実はヒロインは聖女でした、と判明してから話は意外な方向に進んでいきます。ただ、旦那様と静かに暮らしていきたいだけなのに周りは許してくれず、その上、実父のやらかしのせいで彼女は父に恨みを持つある人物に攫われ命の危機に。加えて明らかになる聖女に纏わる闇の話。この一連の内容は読んでて正直ゾッとしました。まさに一人の犠牲で皆が助かるなら、とか言う胸糞理論で概要を知るアスターの苦悩も。でもそんなのくそくらえ、なのがオルフェンで愛しい妻のため、彼は決められた運命すらも覆して見せるのでした。エヴァン伯爵は過去の罪で裁かれ、夫人はとんずら。結局伯爵家はセピアが相続すこととなり、姉妹は和解。というかそもそも悪いのはあの毒親たちだったのであいつらがいなくなれば仲良くなるのは当たり前。セピアも想い人のラウルスに想いが通じて良かった。色々予想外な展開もあって面白かったです。評価:★★★★☆
2026.07.23
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2026年5月刊ベリーズファンタジー著者:十夜(敬称略)「君は尖った氷柱のようだ」ーー王太子の婚約者となった名門公爵家の末娘・ルルシャ。十五年間、陰の役目を完璧にこなしてきたが、その献身は誤解され一方的に婚約破棄されてしまう。仕方ないと受け入れたルルシャだったが、愛娘を軽んじられ大激怒した家族は爵位も国も捨て新天地へ。自由な平民生活がスタート!…と思いきや、ひょんなことで出会った隣国の皇弟と契約結婚、妻の務めを果たすだけのはずが貧しい領地を大改革してしまい!? 一方、魔物が溢れ出し、綻びが生じ始めた祖国は次第に思い知らされる。あの名門公爵家、またの名を“陰の王家”、さらには大精霊に愛されているひとりの令嬢の力を失った大きさに…。 ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 ルルシャ=王太子との婚約破談を機に家族ともども出奔した公爵令嬢。 クラウス=バシュラ魔導帝国皇帝の弟。ルルシャに契約婚を申し込む。エグバート=ゼイロット王国王太子。ルルシャの元婚約者。 ローラ=エグバートの浮気相手の子爵令嬢。精霊の加護を受けるゼイロット王国王家を裏から支えるヴィステッカ公爵家。影の王家とも呼ばれているこの公爵家の一人娘・ルルシャは才媛として名高く、正義感は強いもののイマイチぱっとしない王太子エクバートを良き王にするため努力していた。上に立つ者は時に非情な決断をしなければならない。あなたが躊躇うのならば悪人の首は私が斬りましょう。頼もしい彼女の言葉にエクバートは心から感謝した。だって、自分は汚れ仕事に手を染める必要が無いのだから。しかし、彼はルルシャからの好意と献身に甘えすぎていた。彼女の方が年上だったのもある。月日が経経って、エクバートも年頃になると次第に口煩い婚約者の存在を疎ましく思うように。彼がローラという子爵令嬢に入れ込んでいることは気付いていた。やがてエグバートはルルシャの言葉に耳を傾けることはなくなり、あまつさえ、いつも厳しい処罰を下す彼女を氷のように冷たい女だと謗った。そしてついにエグバートはルルシャとの婚約破棄を決断。でもいいのかしら、こんなに簡単に私との婚約を無しにして。代々公爵家を守護する・愛と復讐の大精霊は二人に婚約が結ばれた際、この国に永遠の平和と繁栄を与えると宣言していた。なのに、相手側の浮気が原因での婚約破棄。これは大精霊も黙っていないだろう。彼は真実の愛を見つけたとかほざいていたけれど、果たしてその言い分が大精霊にも通じるだろうか。まぁ、もう私には関係ないことだ。どこにでも口さがない者はいる。どう考えても悪いのはバカ王子なのは明らかだったが、ルルシャが悪く言われるのは忍びない。家族の絆が強い彼らはどうせなら皆で心機一転始めようと公爵位を返上し、大国・バシュラ魔導帝国に移り済んだ。宰相を務めていた父、その補佐をしていた長兄、騎士団長の次兄に王妃の相談役として貴婦人たちを纏めていた母。加えて王太子妃になるはずだった才女。優秀な逸材がごっそりと王宮から姿を消して、ゼイロット王国上層部は慌てふためくこととなる。数か月後、バシュラの王都で最近話題の理髪店では若い女性店員が客の洗髪に励んでいた。彼女に髪を洗ってもらうと体が軽くなるともっぱらの評判で、常連客のジンは施術の後上機嫌で帰って行った。二人の兄はカット担当で、あいつは絶対ルルを狙ってると渋い顔。まぁそれでも通ってくれるのはありがたいわ。そう言って笑顔を見せたルルシャの手は水仕事のせいで随分荒れてしまった。彼女の洗髪が素晴らしいのは洗い方が上手いのもあるけれど、半分は精霊たちの手伝いのおかげだ。精霊たちの浄化の力が穢れを払うから体が軽くなった様に感じる。正直、精霊界に通じる扉があるゼイロット王国以外では精霊を見ることは無いと思っていた。なのに、以前大精霊から貰ったペンダントに小さな扉ができて小精霊ならばそこから自由に出入りできるように。国を出て縁が切れてしまったと覚悟していただけに嬉しい。店の方は兄たちに任せ、ルルシャは孤児院へ。そこで十数人の子供たちの頭を洗ってやり、程よい疲れをいやすため市場で買い食いしていた。そこで彼女は一匹の猫に目を留めた。姿は猫でもこれは精霊?しかし、見た目はいかにも貴族が飼っていそうな高級種のせいか質の悪い連中に見つかり、袋に入れられてしまった。拙い、と前に飛び出したルルシャは三人は護身術でのしたものの、最後に現れた一人には手古摺り万事休す。危機一髪のところに現れたのは息を乱した一人の青年。細身ながらあっという間に男を倒して、うちの猫を救ってくれてありがとうと礼を述べた。途中、パニくったネコが暴れ川に落ちたのをルルシャが飛び込んで助けると言うハプニングもあったが、クラウスと名乗った青年はこいつを救ってくれた礼を改めてしたいと自宅に彼女を招いた。クラウス・バシュラはこの国の皇帝リュディガーの異母弟なのだそう。皇帝に子供は無く、彼が皇位継承権一位だったが、皇帝の母である皇太后はクラウスが皇位を継ぐのを嫌がっているらしい。そう心配せずとも彼は皇帝になるつもりはなく継承権放棄を考えている。何故か、着替えを貸してもらい席に着いたルルシャにいきなり皇家のお家事情を聞かされてルルシャの目は点。あの?とクラウスの意図を尋ねないわけにはいかなくなり先を促すと、彼から契約婚を申し込まれた。君を見込んで、話をした。頭を下げる彼に先を促せば伯爵家以下の貴族令嬢か、平民の女性と結婚して皇位を継ぐ気はないと皇太后に示さなけれなならないのだと。君は見るからに聡明だし、興味を惹かれれば協力してくれるかと・・・。なるほど、人を見る目はあるようね。確かに面白そうだと少し思い始めている自分がいる。報酬も魅力的だし、彼が賜る予定だと言う辺境の地・クラナッハ領はもしかして私たちの安住の地になり得るかも。家族と相談したいと、その後自宅に招くと皆面白そうだと大喜び。長兄なんて寂れてれば寂れてるほどやりがいがあると燥いでいるし、その失礼な物言いを慌てて諫めた。情報ではエグバートの手の者が私たちを呼び戻そうとしているらしい。平民に身をやつしているので早々見つからないとは思うが、王都に居続けるのは危険かもと皆で話していた所だった。そこに来てのこの話。渡りに船とはまさにこのこと。皇帝への挨拶に向かうとやはり平民との結婚はと若干渋られた。クラウスは優秀な魔術師でもあるから、このまま子が生まれなければ後を継がせたかったに違いない。しかし、最後の頼みですと弟から頼まれて皇帝は折れた。臣籍降下したクラウスが与えられたのは彼の亡き母の故郷・クラナッハ領。辺鄙で作物の実りも良くないぞ?皇帝は本当にあそこでいいのかと意思確認したが、クラウスの気持ちは変わらずで溜息を吐いた。そしてこの時を持ってクラウスはクラナッハ公爵領の領主になったのだった。一方、自分の浮気でルルシャとの婚約破棄を強行したエグバートであったが、早くも後悔し始めていた。大精霊は当然の如く彼を責め、与えていた加護を取り上げると扉も閉じると宣言。慌てたのは上層部の者たちだ。加護の力によって魔物の侵入を防いでいたというのに、これからは各地に騎士団を派遣せねばならない。エグバートが妃に望んだローラは知識も教養も無く遊び惚けてばかり。こんな時ルルシャならば見事な采配をしたことだろう。というより、ルルシャが王妃になっていれば大精霊はいつまでも加護を施してどくれていたしこの国は安泰だった。なんて愚かなことをしてくれたんだ、皆からの軽蔑の眼差しにエグバートは耐えきれなくなり、どうやってルルシャを取り戻すか考え始めた。まさか家族総出で国を出て行くなんて!宰相がいなくなり代理では限界があると陳情がでているし、騎士団も団長がおらず統率が取れていない。国王は頭を抱え、エグバートを恨みの籠った眼で睨みつけている。なんとかしないとこの国は。知恵を出し合い領地民たちとクラナッハ領を発展させ始めているルルシャたちとゼイロット王国との明暗がきっちりと別れ・・・。ザマァ系です。展開としては王道中の王道で、ルルシャという得難い存在を軽んじた結果、バカ王子側が自戒していくと言うお決まりのパターン。まぁ、ルルシャ側も向こうで結構苦労はしているんですが、ゼイロット王国を見限った精霊たちがバシュラ側、というかクラナッハのとある地に流れてきたことで一気に好転。契約婚で、と言っておきながらクラウスはルルシャに惚れるんですが、彼女の方は思い切りスルー。この手の話には珍しく男の方だけ盛り上がってもヒロインにその気が無いので恋愛要素はかなり少な目です。なので、その辺りを期待するとガッカリするかも。でもまぁ、その先は判らないよね、とご想像にお任せします的な希望を持たせるラストだったので、何だかんだルルシャがクラウスに絆されそうな気も。イラストが「聖女の魔力は万能です」のコミカライズを担当する藤小豆さんが描かれているのもあり、本文イラストも含め一見の価値ありです。評価:★★★★☆
2026.07.22
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2026年5月刊ムーンドロップス文庫著者:このはなさくや(敬称略)突然獣人の国に迷い込んだ小百合は、自分を助けてくれた男と衝動的に一夜を共にし、やり捨てられてしまう。その後小百合の妊娠が発覚、白虎の子どもを出産する。三年後、リリーと名を改めた小百合は、隣人たちの助けを借りながら、一人で息子のブランを育てていた。そんなある日、ブランの父親であるムスタが再びリリーの前に現れて…。孤独なふたりがすれ違いを乗り越え本当の家族になるまで。 ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 水瀬小百合=突然異世界転移してしまった社畜OL。 リリーの名で宿屋の食堂で働きながら息子を育てている。 ムスターファ=金色級の冒険者で白虎獣人。ブランの父親。 ブラン=ムスタとリリーの息子。ダリ&カミーラ=宿屋「クマル亭」を営む熊獣人の夫婦。 イスハーク=ムスタの二番目の兄。 ルウルウ=ムスタの従姉妹。獣人国エゴンの辺境にあるグランノットにある宿屋「クマル亭」の食堂で働くリリーは女手一つで息子を育てるシングルマザーだ。獣人国で数少ない人間の彼女は目立つ。素性の知れないリリーに職を与えてくれたのはこの宿屋の経営者夫婦のダリとカミーラであった。今日は朝から忙しく少々残業になってしまったと詫びられ、ブランに食べさせてやんなとミートボールを持たせてくれた。いつもありがとうと礼を言い、急いで向かった先はアパートのオーナー・フランソワの家。ただいま、ブラン、と声をかけると元気いっぱいの息子が元気に駆け寄ってくるのを抱きしめ、いい子にしてた?と微笑む。ご機嫌のブランは舌足らずながら今日あったことを話し、ご機嫌なのか頭部にちょこんと虎耳が現れる。いつ見ても可愛い。ブランの頭を撫で、フランソワに礼を言って近くに建つアパートへ。この世界に突然飛ばされて来て四年になる。ブラック企業に勤めていた水瀬小百合が珍しく早く帰れた日、横断歩道を渡っていたら信号無視の車が突っ込んで来た。咄嗟に横を歩いていた塾帰りらしい小学生を突き飛ばすとそのまま意識はブラックアウト。気付くとそこは森の中。見渡しても人っ子一人おらず、茫然としていると野生の獣に襲われ逃げ惑った。そこを救ってくれたのは通りがかりの獣人の冒険者・ムスタ。状況が理解できず、小百合はムスタを頼り誘われるがまま宿屋へ。抵抗したものの妙な感覚を覚えて初めてだと言うのにそのまま彼を受け入れてしまった。その際、やたらと名前を聞かれた気がする。しかし、水瀬小百合だと何回か教えたのに段々彼の機嫌が悪くなっていき、腹いせなのか項をきつく噛まれた。目覚めるとムスタは既にチェックアウトしており、自分はやり捨てられたのだと茫然。この宿こそ「クマル亭」で事情を話すとダリとカミーラはムスタに対して最低だと激怒していた。そして行く宛てが無いのならとうちで住み込みで働かないかい?と誘ってくれたのだ。妊娠に気付いたのはそれから暫く経ってからのこと。幼い頃に両親を亡くし、孤独だった自分に出来た初めての血を分けた家族。人間が獣人の血を引く子を生むのは命がけではあったが実際ブランを産んだ時、難産で彼女は死にかけた。それでも我が子は可愛い。銀髪に青い目を見る度にムスタの面影が蘇るけれど、自分一人ででも立派に育ててみせる。幸いにもカミーラたちやフランソワのおかげで何とか食べていけている。心配なのはブランが希少な白虎だということ。白もちと言われる獣人は金になると誘拐の危険があるそう。絶対に一人で歩かせるなと口を酸っぱくして注意され、働いている間はフランソワの好意で預かってもらえて助かっている。それに、まだ三歳だというのに流石は虎。走り出したらもう小百合の足では追い付けないし、暴れられたら抑えることも難しい。先行きの不安が彼女の頭を悩ませていた。そんなある日、王都からイスハークと名乗る騎士がやって来た。なんでも人間の女性への聞き取り調査に来たらしい。獣人同士は子供が出来にくく、跡継ぎ問題が深刻化しているそう。だが、人間の女性ならば獣人の子を妊娠しやすいのだと言う。そこに目を付けた人身売買組織が各国から若い女性を攫っているらしい。被害者ならば保護するから、リリーにも話を聞きたいんだってさ。カミーラの言葉に眉を潜めるも、正直に事情を話せばいいよと励まされ彼女は頷いた。翌日宿屋に訪れたイスハークを見てあの人に似てる、漠然に思った。彼も虎獣人だからだろうか。聞き取り調査は簡単なものだった。自分は攫われて来たのではない、ここから遠いニホンという国から来たと話せば事件性は無いと判断したらしい。日暮れだったから送ってくれるというので戸惑いつつお願いする。途中、息子を引き取ると道中彼はブランと遊んでくれた。甥っ子たちの世話で慣れていると微笑む姿はやっぱりあの人に似ていた。イスハークはブランを見つめて、白持ちは本当に珍しいとしみじみ語った。聞けば彼の弟も白持ちなのだと言う。それで放っておけなくなったのか、失礼ですが、と前置きこの子の父親は?と尋ねた。躊躇いつつも余計な疑念は抱かせない方が良いと判断してこの子を授かった経緯を話すとイスハークは激怒していた。虎獣人は家族と恋人を大事にするそうで、ムスタの行いは一族の恥だと息巻いている。もしよければ王都に来ませんか?意外な言葉に驚いていると、いずれこの子はあなたの手に負えなくなる。虎族は群れの習性から他人の子どもも自分の子のように接し教育するのだと言う。あなたのことも一族で保護するとも。王都は遠い、カミーラたちと離れてこの人達の所へ赴くのは決心がつかない。お気持ちはありがたいのですが・・・。断った彼女にイスハークはいつでも頼って欲しい。そう言って帰って行った。一週間後、フードを被った冒険者らしき出で立ちの男が来店。席に案内しようとしてリリーは息を飲んだ。慌てて厨房に駆け込み、あの人が現れたと報告するとカミーラはどの面下げてと眉を吊り上げいつのまにやら入り口に立っていた彼に猛抗議。間の悪いことにフランソワに連れられたブランまで顔を見せ、正に万事休す。その子が、感慨深そうな彼に一層怒りが湧いたが、ここで騒ぐのは拙い。カミーラが臨時休業にしてくれて店の奥まったテーブルに腰かけ今更現れた言い分を聞くことに。兄から聞いて・・・。やっぱり、似てると思ったのよね。どうやらイスハークはムスタの兄らしい。訳あって家を出ている彼は騎士団から管轄外の仕事も請け負っていると言う。いつものように御用聞きに向かうとイスハークから烈火のごとく怒られた。何事かと問えば、お前が求婚印を付けたクセにポイ捨てした女性がその時授かった子供を一人で育てていた、最低な事をした自覚はあるかと責められ愕然としたのだそう。決め手はブランの容姿と父親も白持ちということ。そして求婚印から漏れ出る魔力。その時は言及されなかったが、イスハークは確信があったのだろう。それ以前に自分が求婚印とやらを付けられていたとは。その印は所謂マーキングで、白持ちの魔力はすさまじい。後からカミーラに聞いたらあれがあったら番のいる獣人以外は怖くて近寄れないらしい。何故かやたらと若い男性客から遠巻きにされていた理由が判ってガックリ。まぁ、恋人が欲しいわけじゃなかったからいいけど、勝手にそんなものつけておいて放っておくとか酷くない?どうやら彼なりに事情があったみたいだが、それならそれで何か一言位あってもいいはず。彼女の怒りは尤もで、平謝りのムスタはどうか俺の実家に来て欲しいと頼んだ。ブランは白持ちだけでなく虎の姿にも変われる更に希少種らしく、相応の教育が必要なのだとか。虎のことは虎族が担う。彼の両親も責任を取らせてほしいと懇願しているようで、困り果てた彼女はカミーラたちを見た。彼らも私らは熊獣人だから確かに虎の習性は判らないからねぇと肩をすくめる。一先ず、あちらで暫く暮らしてみたらどうだい?とアドバイスされ渋々頷いた。数日後、リリー親子とムスタは王都へ旅立った。兄から彼女の状況を聞いてからというものムスタはひたすら後悔している。侯爵家の息子で白持ちの彼との結婚を望む一族の女性のせいでエライ目に遭った彼は他人を信用できなくなり、心配する家族に迷惑をかけたくなくて家を出た。そして冒険者になって十年、彼は運命の番である小百合と遭遇。見たことのない服装にかかとの高い靴。まさか自分の番が娼婦だなんて、どこか静かな所で休みたいのだと誘われ、浮かれていた気持ちが見る見る萎んでいく。それでも大事な番、こうなったらすぐにでも印をとその儀式に必要な名を尋ねれば水瀬小百合なんて偽名を名乗る始末。腹が立って印だけ強引に付けて翌朝彼女を置いて来てからモヤモヤしていた。兄からどうして印をつけて置いて行ったのだと責められ娼婦だと思ったのだと答えれば兄は天を仰いで、お前がこれほど愚かだとはと心底呆れている。彼女は別の国から来たばかりでただ戸惑っていただけだと聞かされムスタは茫然。勘違いを含めて彼女と息子をこの家に置いて欲しいと頼んだら父はもっと怒っていた。とにかく、リリーさんに許しを貰ってからよ、母にも厳しく言われなんとか王都に来ることだけは承諾してもらった。後は自分の過ちを何度でも詫びて誠意を見せるしかない。数日の旅を経て実家に着くと家族総出で二人は出迎えられ、手厚い歓迎を受けるとリリーは戸惑っていた。長兄の子供たちとすぐさまブランは仲良くなったので虎族の習性については遊びながら学んでいくことだろう。反省しているのが伝わったのか暫く経つとリリーの態度も軟化してきたように思う。しかしそんな最中、噂を聞きつけて屋敷を訪れた従姉妹のルウルウがリリーに敵意を向けて・・・。異世界転移してすぐに危機に陥った小百合を救ったのは銀髪の獣人・ムスタ。しかし、やり捨てられた上に後に妊娠が判明し、周囲の人々の助けを借りて女手一つで息子を育てていました。時は流れ、とある偶然から一人の騎士と知り合いそれがなんとムスタの兄。イスハークの話で自分はとんでもないことをしてしまったと猛省した彼は番になった彼女との結婚を望むも小百合はムスタを許すことが出来ずにいました。まぁ、状況からしてこれは当然。ぶっちゃけムスタのあの時の行動は人でなしすぎますもん、なので親子を見守っていたカミーラたちや、ムスタの家族もおいおい何てことしてくれたの、と彼を厳しく叱責。小百合の方にも誤解される要素があるにしても依然として悪いのは99%ムスタの方です。なのでもうひたすら謝るしかないわけです。そんな中現れたのは昔からムスタに惚れていた彼の従兄弟のルウルウ。皆の留守中、白持ちの母ならもっと体力つけないとだめよ、と訓練に誘いハプニングを装って小百合に大けがを負わせてしまいます。ルウルウはポーションがあるから死にやしない、治ったら怖くなって逃げだしてくれれば御の字と目論んでいましたが、小百合は異世界人の弊害かポーションが効かない体質でした。出血多量でぐったりする彼女を見てムスタは暴走し、という展開です。番ならではの効果で小百合も生還しムスタの暴走もおさまるんですが、何してくれてんのこの娘。騒動が落ち着いた頃、ルウルウは厳しい罰を受ける羽目に。意識が無い間、小百合は夢を見ていました。両親が存命中、熱を出した彼女に二人が看病してくれた。その時、母が呼んだ名前は・・・。実は水瀬小百合というのは遠縁に引き取られてから付けられた名で、それも自分の娘がユリというからという理不尽な理由。四歳までの名は白石ゆり。それこそが彼女の本当の名。それを思い出した彼女はだからあの時ムスタが釈然としていなかった理由に思い当たり、彼に本当の名を告げるのでした。この名前への言及が作中何度かあったので、おそらく何かあるんだろうなと思ってたらなるほど~~。誤解が解けたのもあり、ゆりも結婚に承諾して〆。おまけの番外編ではユリはか弱いからとやたらと過保護に接するウルド家の人々にゆりが辟易するというエピソードでした。そりゃ、虎の獣人に比べれば人間の女性はか弱く見えるよね。微笑ましいお話で最後の最後で漸く仲の良い二人の様子が読めて良かったです。評価:★★★★★
2026.07.21
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2025年4月刊ティアラ文庫著者:真波トウカ(敬称略)転生先で皇帝ラーシュから突然求婚されたシルヴィア。娘に『悪女教育』をしろと言われ戸惑うけれど、彼女が前世に読んだ小説の悪役令嬢だとわかり!?断罪の未来を阻止すべく、奮闘していたら「愛するつもりはない」と冷徹だった夫に変化が…?「お前の蕩けた顔もかわいい」優しく気遣われながらの愛撫。奥深くまで繋がれば、幸せに満たされー。孤独な氷の皇帝の雪解け愛! ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 シルヴィア=王子を誑し込んだ悪女として国外追放になった男爵令嬢。 ラーシュ=ローガイル帝国皇帝。シルヴィアを妃に迎える。 アリス=ラーシュの義娘。アンジェリカ=ラーシュの妹。公爵家に降嫁した。 カミラ=アリスの教育係。第一王子の誕生日祝いのパーティーの夜、ルースト男爵令嬢・シルヴィアは国外追放を言い渡された。どうやら私は第一王子を誑し込み、かなりの額を貢がせていたらしい。そんな姉を快く思っていないシルヴィアの弟・スチュアートの告発によって彼女の罪は詳らかにされ、大ピンチ。国外追放なんて、当然家からも勘当されるのよね。それは拙いわ、だって私、ここがどこかも判らないんだもの。中世ヨーロッパ風の装いの人達、シルヴィアと呼ばれた自分も豪華なドレスを身に着けている。もしかしてこれも王子に強請って買ってもらったのかしら。しかも、手玉に取っていたのは王子だけではないらしい。弟の証言によれば他数名からも貢がせその見返りにただならぬ関係を続けていたのだと。森野舞子だった頃は奥手で初めて出来た彼氏も深い関係になる前にフラれていた。そんな自分が恋多き悪女とは。とにかく、私は異世界転生とやらをしてしまったらしい。見覚えのない罪で裁かれるのは悲しいけれど、国外追放で済んだだけマシだと思わなければ。この断罪劇で初めて自分が騙されていたと知った王子はさめざめ泣いていて、足元には彼が用意していたらしい大粒のダイヤモンドの指輪が転がりシャンデリアの明かりを受けてきらめいていた。なんか、ほんとごめんなさい。兵士の一人がシルヴィアの手を引き連れ出そうとしていると、それを止める声が。彼女は我が国へ連れ帰る。そう宣言したのは大国ローガイル帝国皇帝ラーシュだった。しかも、なんと彼はシルヴィアを自分の妃にするつもりらしい。必死に止める宰相の言葉に効く耳持たず、なんと彼は王子がショックを受けて落としたあの指輪を拾い上げ、シルヴィアの左手薬指に嵌めるとニヤリと笑んだ。数日後、シルヴィアはローガイル帝国皇宮にいた。あの指輪の件と言い、どう考えてもシルヴィアに惚れて求婚したとかでないのは判る。一体何のつもりでこんな悪女を迎え入れたのか。初夜なのでこの部屋で待つよう言われたがあの調子じゃ来ないかもね。それならのれで気楽でいいとベッドに寝転がっているとドアが開いてギョッとする。ガウン姿の彼を見て、まぁ一応するつもりはあるのね。内心がっくりしながら身体を固くしていると。その前に話があると言う。ラーシュが告げたのは娘の教育をシルヴィアに任せたいのだそう。しかし、皇女ならば専門の教育係がいるはず。一介の男爵令嬢に教えられることがあるとは思えない。疑問に思っていると、お前に教えて欲しいのは悪女のたしなみだととんでもないことを言い出した。とにかく娘には図太く強かになってもらいたい。その内容にシルヴィアはポカン。この人正気?だが、その顔は至って本気モードで本心で言っているのが判ってシルヴィアは怒りに震えた。おまけに報酬としてお前に世継ぎを産ませてやる。あのバカ王子を篭絡したんだ、それが目的だったんだろ?と押し倒され、ついに彼女はプッツン。シルヴィアの正拳がラーシュの頬に炸裂していた。しまったと思っても後の祭り、あの夜以来ラーシュとは顔を合わせていない。そんなある日、彼女は庭園で皇女・アリスと遭遇。その容姿と名前で、漸くここが前世で愛読していた「恋と情熱のセレナーデ」の世界だと把握。でもこの子が。年齢を聞いたらまだ十歳だと言う。物語のアリスは十七歳だったから、物語の始まる前の世界か。でもこの子、こんなに大人しいのに七年後にはヒロインを虐めその恋を邪魔する悪役キャラになるのよね。しかも色々やり過ぎて処刑されてしまう。もしや、シルヴィアの悪女教育のせい!?ラーシュの依頼でそのまま悪女たらんと教え込まれた結果があの最後なら可哀想すぎる。全く何考えてんのよ、あの男。可愛い娘が死んでもいいわけ?一層怒りを募らせたシルヴィアはアリスの手をガッシリと握ると先日輿入れして来た皇妃よ、仲良くしてねと微笑んだ。中庭から聞こえる笑い声に目線を向けるとシルヴィアとアリスが楽しそうにおしゃべりしている。仲良くなったのはいいが悪女教育しているようには見えない。男爵令嬢風情が多くの高位貴族達と関係を結び、第一王子まで篭絡していたと聞いて正直驚いたが、その強かさは大したものだと思う。その図太さがアリスにも備わればあの子もビクビクすることはなくなるだろう。シルヴィアを皇妃に迎えたのはそれだけの理由だ。まぁ、見返りとして国母に位はしてやってもいい。そう提案したら最低だと拳で殴られた。全く何が気に入らないんだ。アリスを懐柔してどうするつもりだかしらないが、警戒するに越したことはない。幼少時に毒殺されかかってからというもの、ラーシュは他人を一切信じられなくなっていた。少し厳し過ぎやしないかしら。教育係のカミラは皇女と言えど容赦しなかった。皇族は強大な魔力を持つ者が多く、ラーシュとアリスは氷魔法を使う。自在に使いこなせるよう習うのは当然の授業だが、問題は教え方だ。口出ししないと言う約束で見学しているシルヴィアはイライラ。同じ授業を受けているアリスの従兄弟イクセルばかり褒められて彼女は落ち込んでいる。そのあとお茶の時間にアリスが自主練したいというので付き合い、なら自分もとわずかに使える土魔法の練習を始めた。おかげで簡単なアレンジ法も覚えてご満悦。数日後、今日も二人で自主練に向かうと訓練場が妙に暑い。不思議に思いつつ、足を踏み入れると火柱が上がり二人を包み込んだ。何とか土魔法でドームを作りその中に逃げ込んだものの、アリスを庇いシルヴィアはあちこちにやけどを負った。ドームを維持するため魔力を使い過ぎ眩暈を起こしたシルヴィアは倒れ込む寸前誰かに抱き留められていた。目を覚ますと自室のベッドでラーシュが付き添っていた。なんと自分は数日間眠っていたらしい。ラーシュの話によれば酷い火傷を負ったが治癒魔法が効いて暫くすれば完治するそう。失神したのは魔力が枯渇したから。どうやら火柱を発見した彼が氷魔法で火を鎮圧。アリスとシルヴィアを救出したのもラーシュだった。素直に礼を言えば、その前に謝らせてほしいと彼は立ち上がるといきなり土下座した。呆気に取られていると、君のおかげで兄の大事な忘れ形見を守ることが出来たのだと、自らが産まれてからと言うもの、この皇室で起きた事件を語った。元々、この皇族は暗殺が多かったのだそう。かくいう自分も毒殺されかけ、毒見後以外の食事は受付なくなり家族にも気を配った。だが、ラーシュの兄である先帝とその妃が毒殺された。犯人は料理人夫婦ですぐに逮捕され処刑になった。一人になったアリスを養子にし、迂闊に他人を信じるなと教え込んだ。図太くしたたかに生きろと。彼に話を聞いてなるほど、悪女になれってそういう意味だったのねとシルヴィアも納得。でも、それじゃダメなのよ、ラーシュ。確かに強さも必要だろう、でもまずはアリスを信じ愛してあげなきゃ。素直に意見を述べれば彼は理解不能と言った表情。だが、君のことなら信じられる。そう言って俺はこれから君を心から愛そうと思う。またなんか変なこと言い出したよ、この人。信用してくれるのはありがいが、何か極端なのよねこの人。今もおかゆを手ずから食べさせようとシルヴィアに口を開けるよう促している。仕方なく口を開け受け入れ、犯人に心当たりはあるのかと尋ねれば、渋い表情で降嫁した妹かもしれないとポツリ。ああ、イクセルを王位に就けるため?教育係のカミラの態度からして、秘密裏にそう言い含められているのかも。氷の大地を炎の力で切り開いたと言う建国神話があるこの国には炎魔法使いの皇族が皇位を継ぐべきと主張する赤のイニティウム教団がある。そこがラーシュの妹・アンジェリカを焚き付けていたとしたら?アリスの為にも、シルヴィアは自分も調査に協力すると申し出て・・・。悪女に転生した主人公と他人を信用できない皇帝のお話です。子育てものでもあるので、人気ジャンルのいいとこどりの内容になってます。そんなヒーローとヒロインが、とある教団の調査に乗り出します。果たして本当にラーシュの妹は教団と結託してアリスを狙い、実の兄をも殺そうとしているのか?しかし、調べが進むうちに意外な事実が判明して、という展開です。結果的に、ラーシュの身内は全員シロだったわけですが、モブかと思ってたキャラが内通者で先帝夫妻の殺害にも関与していたのが判ってビックリ。正直、このキャラは数ページの出番かと(^_^;)色々ハプニングに見舞われながらラーシュを意識し始めるシルヴィアは最後は彼を受け入れ、エピローグではすっかりラブラブ夫婦に。子どもも授かり、アリスを交えた皇帝一家の日常が描かれて物語は幕。大筋は結構シリアスなんですけど、コミカルなやり取りも多く面白かったです。評価:★★★★☆
2026.07.20
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9月1日 TOブックス 代筆令嬢リゼットはくじけない ~あなたの代筆はもうやめにします~ 糸四季9月2日 講談社単行本 捨てられ聖女は契約結婚を満喫中。後悔してる?だから何? miniko9月15日 富士見L文庫 一途な若頭は孤独な蝶に愛を誓う 美月りん 捨てられ聖女は働かない! 追放されたので念願のスローライフはじめます イチカ 神さま屋敷の見習い花嫁 引きこもりの婚約者と神域を守ります 雨傘ヒョウゴ 英国紳士と大和乙女 旦那さまは異国の言葉で愛をささやく 七沢ゆきの9月24日 メディアワークス文庫 婚約者の王子に毒を盛られたので愛が冷めました 3 あさづきゆう 月見荘にただいま ~ワケあり三世代女子、ご縁に感謝の幸せな旅路~ 星奏なつめ9月25日 角川文庫 陽性令嬢のふたつめの恋 東堂燈10月15日 サーガフォレスト 未亡人エレンの幸せな人生 2 今さら愛してると言われましても マチバリ10月22日 アース・スター文庫 虐げられた聖嫁は、政敵の当主に愛される 江東マシメサ 悪女は帝都に咲き誇る ~最凶の悪魔と結ぶかりそめの番契約~ 編乃肌(敬称略)
2026.07.19
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2026年6月刊スターツ出版文庫著者:蓮水涼(敬称略)国の災いを占ってきた名家の分家・桜木家に生まれた志乃は忌み嫌われる能力を持ち、「化け物」と虐げられていた。17歳になったある日、妖魔が住む森に捨てられてしまい襲われているところを、星を閉じ込めたような瞳が美しい最強の軍神・篝に救われる。「俺がお前を拾ってやる」と屋敷に連れ帰られた志乃は居場所を見つけていく中で隠れた能力を引き出される。能力を利用されるだけと思っていたのに「一生離すつもりはないから、覚悟しておけよ?」と、なぜか篝に愛を注がれーー⁉ 契約から始まる和風シンデレラ物語! ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 桜木志乃=人々から忌み嫌われる力を持つことで家族から虐げられていた。 夜ノ宮篝=退魔十隊零番隊隊長。志乃を助け、保護する。 桜木澪=志乃の異母妹。神楽木誠一郎=桜木家の本家に当たる神楽木家の先代当主。産まれた時から両親に疎まれているように感じていた。しかし、それは志乃の勘違いなどではなく、自分は家族扱いさえされていなかったと知ったのは十歳になるやならずだった頃のこと。妹の澪と二人出掛けた先であやかしに襲われた際、なんと志乃は襲い掛かって来るあやかしをその身に吸収してしまったのだ。「妖喰」と呼ばれるその能力は、不吉であり吸収したあやかしから発せられる瘴気を垂れ流す。その日を境に両親は志乃を切り捨て、以降地獄のような日々が始まった。時は流れ、志乃は十七歳になった。今日は女中頭に難癖を付けられた挙句、箒で強かに殴られた。志乃が妖喰と発覚したことでそんな人間を輩出したことが世間にバレてこの家は本家・神楽木ヶ当主から出禁を言い渡されたと聞く。お前のせいだと両親から責められ、一層扱いは酷くなっている。それでも我慢しなければ、妖喰はどこでも嫌われる存在。結局ここしか志乃の居場所はないのだから。日給代わりの握り飯と沢庵数切れを持って寝床にしている土蔵に戻るとドッと疲労感が押し寄せた。何とか握り飯を食べ終えうとうとしていると突然口をふさがれ引き起こされた志乃は訳が分からぬまま夜の山中へ。ふと気づくと周囲は瘴気で満ちていて、一人のあやかしが佇んでいるのが見えた。人の気配に気が付けば両親と澪の姿。そして数人の男たちが事の成り行きを見守っている。動けずにいるとあやかしは一歩一歩近づいて来て「雨蓮」と名乗るとあなたに殺されに来たと告げた。すると、雨蓮はあの時のあやかしのように志乃の身体に吸い込まれて行く。その様子にその場にいた者たちは唖然。厄介者を始末するはずが堕ち神すら役に立たないのでは自分たちの手には負えない。このまま殺してしまうには惜しい能力。本家なら上手く使えるだろう、だがどういう扱いを受けるかは判らないけど。そう提案したのは継母だった。泣いて許しを請う志乃の言葉は無視され絶望していると、一人の青年が現れ志乃を取り押さえる男の手を引き剥がした。その制服は志乃も知っている。この国をあやかしの脅威から守る退魔十隊。青年と父の間で少々悶着はあったものの、あの場面を退魔十隊の者に見られたのは非常に拙い。なにせ娘をあやかしに食わせようとしていたのだ。父は御三家の者でもないくせに、と口出し無用を決め込んだが結局、志乃は青年が保護することが決まった。目を覚ますと上等な布団に寝かされており、胸の上には子犬よりも小さい灰色の獣がすやすや眠っている。起きたか?そう言って入って来たのは昨夜の青年。彼は夜ノ宮篝と名乗り、この屋敷は彼の受け持つ零番隊の寮代わりだと説明を受けた。その後、他の隊員たちの紹介を受けたが、まったく志乃のことを忌み嫌っている様子はない。不思議に思っていると、ここはワケありな奴らばかりなんだ。と不知火と名乗った強面の隊員が疑問に答えた。聞けば、あやかしとの混血もいると言う。隊長はそう言うのばかり拾って来るんだ。そう笑いながら皆を見回し笑みを浮かべる。志乃のこともいつもの悪い癖が出たと思っているらしい。一先ず志乃はこの屋敷で暮らすのが決まり、篝が護衛に就けた式神とも随分仲良くなった。あいつらが俺以外に懐くなんて・・・。驚きつつも志乃はあやかしに好かれやすいのかもなと彼女の頭を撫でた。そんなある日、屋敷でちょっとしたハプニングが起こり、知らせを受けて篝が志乃を心配して飛んで帰って来た。大したことが無くて良かったが、篝は素手で志乃の背中に触れてしまったのに気付いて狼狽。気になって彼の部屋を訪ねるといつものように手袋をはめていた。篝は志乃の体調に変化が無いと判るとあからさまにほっとして済まなかったと頭を下げた。俺は他人の霊力を吸ってしまう体質なんだ。観念したように告げられたのは彼の特異体質のこと。この力のおかげで弟を殺しかけ家族に疎まれていたとも。そうか、この人も家族に受け入れてもらえなかったのね。一応、手袋をしてれば力は抑制できるらしいが、確かに素手の彼に背中を触れられた時は何か吸い上げられる感覚があった。でも物凄く身体が軽い。そう告げると、本当か?と彼は驚き、もしかしてお前の身体の中にいるあやかしの瘴気を吸っているのかもしれないと仮説を立てた。なら、俺が定期的に瘴気を吸い取ってやると言われ、結果お願いすることに。その頃、桜木家では志乃が篝の屋敷で悠々暮らしているようだと苦々し気に告げる当主に後妻と澪が噛みついていた。あんな化け物が夜ノ宮篝さまの庇護下にいるなんて!爪を噛みながら、母親に耳打ちされたある作戦に乗ってみようかと思い出してた。母に告げると互いに協力して欲しいものを手に入れようと意気投合。やがて彼女はある呪物を黙って持ち出し・・・。澪の罠に嵌り身体を乗っ取られてしまった志乃。深層世界で彼女が出会ったのは先日取り込んだ堕ち神・雨蓮。彼は自らが堕ち神になったのかその経緯を語り、志乃の真の力についても教えます。全てを知った彼女は絶対に篝を妹には渡すまいと本来の力を使い、という展開です。まぁ当然志乃の圧勝なんですけど、この実家の面々の愚かな行動によって未だ権力を持つ本家の先代当主の怒りが爆発。そして当主が語る十八年前の真実は驚くべきものでした。この辺りの顛末を読むに、本家に出禁になったのは志乃のせいだけでなく、あのクソ親たちの自業自得なのが判って。娘のせいにするんじゃねぇ!と💢内容としては、王道のシンデレラストーリーになっています。評価:★★★★☆
2026.07.18
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2026年6月刊マーマレード文庫著者:田崎くるみ(敬称略)七年ぶりに再会したエリート御曹司・正真から契約結婚を持ちかけられた桃音。過去の恋を忘れられない桃音と、見合い話を断りたい正真の利害が一致したかりそめの婚約のはずが、彼の甘い過保護さに、まるで本当に愛されているみたいで…。戸惑う桃音を、正真は「世界で一番幸せな花嫁にする」と溺愛で包み込み、昔から秘めていた独占欲を覗かせてー!? ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 松下桃音=高嶺の花と呼ばれる美人社員。 数年前に事故死した恋人を忘れられないでいる。八重野正真=大企業の御曹司。源治と桃音の共通の友人。 有竹源治=桃音の恋人。故人。 奥西皐=桃音の友人。上出亜里沙=正真に想いを寄せている社長令嬢。大手飲料メーカーのマーケティング部に勤める桃音はその外見と誰のアプローチにも靡かない事から「高嶺の花」と呼ばれている。取り立てて自分が美人だとは思っていないけれど、誰にも靡かないのは好きな人がいるからだ。相変わらず凄い人気ね、苦笑する友人の皐は、そろそろ次の恋をしてもいいんじゃない?と最近よく口にするようになった。もう七年、有竹君も許してくれるよ。その言葉に頷けないでいる自分でも判っている、源治はそういう人だった。七年前、二人で憧れのこの会社に入社して二月経たないうちに恋人の源治は酒気帯び運転の車に惹かれて亡くなった。あまりの突然の死に当時の桃音は現実を受け入れられず、両親は娘が後追い自殺をするのではないかと気が気でなかったと言う。それでもなんとか源治の両親や皐からの励ましもあって彼女は立ち直った。が、心は今も源治を思い続けている。もう七年、皆はそう言うけれど桃音にしてみればまだ七年しか経ってないのだ。多分、彼を忘れることは生涯無いだろう。だから一生独り身でも構わない。そんな娘の決意を察してか最近両親がやたらと見合いを勧めて来ている。大分心配をかけてしまっていたし、どうしたって彼らの方が早く死ぬ。一人娘の行く末を案じるのは仕方ない事なのかもしれない。今日も残業中に今度の休みに帰ってこないかと母からの電話が。そう言ってまたお見合いさせる気でしょ?とツッコめばあなたがその気になるまでしつこく言い続けるから、と向こうも一歩も引かない様子。取り敢えず、帰るだけならいいけどお見合なら絶対嫌。強制的に会話を終わらせ嘆息した桃音は、誰か契約結婚でもしてくれないかしらとポツリと呟いた。なら、俺としよう。契約結婚。まさかレスポンスがあると思わず、びっくりして振り向けばそこには大学時代からの友人・八重野正真が立っていた。元々彼は源治の親友で、それが縁で桃音とも親しくなった。この会社の親会社・ヤエノホールディングスの会長の一人息子でもあり数年間の海外勤務を経てここの常務に就任。源治の死を知ったのは帰国してからだそうで、正真は心底悔やんでいた。部署が違うため同じ社内でもあまり顔を合わせたことはなかったが、それにしても彼の発言にどう答えれば良いやら。両親に心配をかけるのは本意ではない、だから結婚する方が良いのだろう。でも、夫を愛せるとは思えない。だから愛情を求められない契約結婚してくれないかと呟いたにすぎないのだが・・・。すると、実は俺も困ってるんだ。正真が言うには、実は系列会社社長の令嬢にしつこく結婚を迫られているそう。彼の両親も息子にそろそろ実を固めて欲しいと思っているようで、下手すると縁談を纏められかねない。そこで、こちらも両親を安心させられるし、見知った桃音なら大歓迎だろう、と。私、一生源治のこと忘れないよ?そう問いかけると彼は構わないと言う。だからこその契約婚なんだろ?ああ、格差婚どうこう悩んでるなら、うちはそういの気にしない親だから。ニカっと笑う彼に懸念事項を払拭され、桃音は少し考えさせてほしいと返事を保留にして貰った。翌日、正真に許可を貰い皐に事情を包み隠さず話すと驚かれはしたものの、心配はあるけれどと前置きそういうのもいいんじゃないと微笑んだ。寧ろいいきっかけになるかもしれないよ、とも。ただし、後悔しないって前提よ。ばっちり釘を刺されおずおずと頷いた。有竹君に悪いと思っちゃダメよ、寧ろ絶対喜んでる。だって彼の親友だったんでしょ?八重野常務って。皐の問いかけにそれは勿論と肯定し、数日後正真に返事をした。結婚報告に互いの両親は大喜び。寧ろ、見合いや縁談を断っていたのは桃音ちゃんがいたからか、父はあのお嬢さんなら大歓迎だと母と手を取り合い踊り出しそうなほど。親友の恋人に想いを寄せているのは申し訳ない。入社したら初めての給料で指輪を買ってプロポーズするんだと源治から聞いて、つい逃げ出してしまった正真はアメリカでがむしゃらに働いた。漸くいっぱしになって二人にもおめでとうと言える心境になったのに、自分が旅立ってから少しして親友は事故死していた。共通の友人から話を聞いて墓参りに行った正真は、その足で源治の家に行き、彼の母から源治からの手紙を預かった。住所も知らせなかったので結局投函されなかった正真宛の手紙には黙っていなくなった正真への恨み言が少しと、桃音へのプロポーズのことでの相談。そして、正真が桃音を好きなことに彼も気付いていたことも綴られていた。俺に遠慮なんかするな、もしかして気持ちを伝えたらお前が選ばれるかもしれないだろ。え、もしかして俺フラれる?段々弱気になっていく文面に泣き笑いしつつ、最後には、もし俺が不慮の事故や病気で死ぬようなことが合あったら桃音を頼むと〆られていた。桃音のことは源治の両親も心配しており、息子を偲んでまだ独り身でいるのを気にかけ、会うたびにどうか新しい人を見つけて幸せになって欲しいと話していたそうだ。彼女も源治を忘れないときっぱり言っていた。なら、彼ごと桃音を愛するだけ。二人の婚約は社内でも持ち切りだった。やはり高嶺の花は常務くらいのスペックでないと落とせないと口さがない事を言うものもいたが、おおむね好意的に受け止められているようだ。皐は式での友人代表スピーチをやるのだと今から張り切っている。式場も決まり、両家族の顔合わせも済んで後は諸々の準備に追われている。正真とはあれから何度かデートをし、手料理を振舞った。そう言えば、源治に食べさせたいと手作りクッキーの試作品をしこたま正真に味見させたことがあったっけ。生焼けや固すぎるのもあったりで今思えば申し訳ない事をしたものだ。今度はあの頃より上達したクッキーを食べて貰おう。上機嫌でそれ以外のおもてなしメニューを考えているといつのまにやら最近正真のことばかり考えているのに気付く。源治の写真立てを撫でながら、自身の心境の変化に一抹の寂しさを感じていた。正真との婚約発表から暫く経った頃、自社ビルから出た桃音は一人の若い女性に呼び止められた。あなたが松下桃音さん?問いかけられて肯定すれば、この泥棒猫っと怒鳴りつけられた。唖然とする彼女に女性はあなたが横から正真君を取ったせいで私フラれたのよ、しかもこんな一般家庭生まれの女をなんで!呆気に取られて一言も返せないうちに女性は言いたいだけ言うとさっさと立ち去っていく。どうやらあの人が正真君が言ってた社長令嬢のようだが、まだ向こうは諦められないらしい。正真への想いを自覚し始めた途端にこれか、何やら大荒れしそうな予感にため息が出た。数日後、社内に桃音に関する根も葉もない悪評が広まり・・・。契約婚ものです。亡くなった恋人が忘れられず恋から遠ざかっていた桃音の恋人込みで愛する正真が一つの形として契約婚に踏み切りますが、いつしか桃音も彼の愛情に触れ想いを寄せるように。これなら問題なくゴールインできるじゃない。そう思っていた頃にお邪魔虫登場ですよ。亜里沙はずっと正真にアタックし続けていたものの、桃音を思い続けていた彼が靡くはずもなく。そうこうしているうちに桃音との婚約発表で亜里沙は激怒。彼女に喧嘩を売りに行ったわけです。このお嬢様もまぁ本気で彼が好きだったんでしょうけど、さすがに家柄で文句つけるのは見苦しい。しかもあの悪評を流したのもこのお嬢様。謂れの無いことに一時桃音も皆から白い目を向けられるも、皐を始め、彼女の人となりを知る同僚たちはそんなわけないだろ、と真に受けませんでした。しかし、自分のことはいいけれど、正真まで悪く言われるようになっていたので桃音は胸を痛めます。そんな彼女を他所に、彼もまた父である会長は噂の出所について調査を進め、それが亜里沙の仕業だと突き止めるのでした。そして創立記念パーティーで正真は正式に桃音との婚約を発表。亡き親友との約束と自らの長年の想いを込めて婚約に至った経緯を語ります。桃音の悪評についても事実無根ときっぱり否定した彼の堂々とした姿に出席者は大きな拍手を送ると、亜里沙と上出社長はぐぬぬ。まだ家柄がどうこう言い出す社長にそんなことよりあなたの娘はどういう了見であんなことしでかしたんで?と問えば、はて?亜里沙が桃音の悪評をバラまいた張本人だと知って社長はビックリした後、平謝り。好きならどんなことをしてもいいわけじゃないと滾々と会長にも説教され、漸く娘の愚かさを知った社長は二度と関わらないと約束し問題は解決するのでした。本当にこのお嬢様はただの世間知らずだったので、さすがに相当絞られたらしくもう反省した後、家事手伝いを止め、働きに出ることを決めたそう。諸々の問題が片付き、源治の写真が見守る中二人の挙式の様子が描かれて本編は幕。おまけの番外編はその後日談で約一年半後、長男を授かった桃音の妊娠判明から出産までの日々のエピソードでした。読んでて何回泣いたか知れないお話です。もう、正真の覚悟もだけどやっぱり源治がいい人過ぎて・・・。聊か重いテーマでしたが、だからこそ番外編での幸せな家庭の一コマが効いて来ると言う内容でした。名作。評価:★★★★★
2026.07.17
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8月27日 フェアリーキス 包帯殿下の呪いを愛でていたら、左遷侍女なのに溺愛されています 小桜けい9月3日 ヴァニラ文庫 冷徹騎士侯爵様は日陰者の薬師令嬢をとことん愛して幸せにしたい(仮) 佐倉紫9月4日 集英社 無能魔女の甘すぎる誤算 成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが 三沢ケイ9月8日 ブシロードワークス 召喚されたぽっちゃり聖女は、異世界をたくましく生きる 星名こころ9月18日 一迅社文庫アイリス 雇われ聖女と恋する魔王(仮) まなほし央9月25日 チュールキス文庫more エリート弁護士との秘密の婚姻関係 ~愛する旦那様でしたが、契約結婚解消します!~ 佐木ささめ9月28日 フェアリーキスピュア 王立図書館司書の侯爵夫人は離縁を望む 忘れ去られた王女の日記が紡ぐ運命の糸 東原ミヤコ10月2日 IRIS NEO 私、モブのはずでは? ~嫌われ悪女なのに推しが溺愛してくる~(仮) 皿うどん10月22日 蜜猫文庫 氷血と恐れられる国王陛下と死に戻り王女の政略結婚(仮) 御厨翠(敬称略)もう10月の予定が・・・。
2026.07.16
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2026年6月期スターツ出版文庫著者:時岡継美(敬称略)玉蘭は元平民で、後宮入りした最下位の妃候補。後宮内で虐げられていたが、何故か美麗の皇帝・皓月のお渡りがあり、子を身籠ってしまう。唯一の味方である妃候補・揚揚に相談すると、身の安全のため、しばらく懐妊したことは黙っているよう勧められ、その通りにしていたが…。揚揚は玉蘭を裏切り、偽装懐妊で皓月の気を引こうとして!? さらには、揚揚に殺人未遂の濡れ衣まで着せられてしまう玉蘭。絶体絶命のピンチの中、皓月だけは一途に玉蘭を愛し、全てをかけて守ってくれてーー。後宮大逆転シンデレラストーリー。 ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 玉蘭=辺境の村で機織りをしていた平民の娘。 巫女の資質を認められ後宮入りする。 皓月=耀華国の新皇帝。玉蘭を気に入る。 楊楊=玉蘭の友人。 芳夫人=巫女たちの教育係。先代皇帝の巫女。 皇太后=皓月の母親。先代皇帝の后。 秋香=玉蘭付きの女官。耀華国皇帝は竜神の末裔と言われている。故に、その伴侶となる者も巫女としての資質を持つ者から選ばれる。半年ほど前に先代皇帝が身罷り新皇帝が即位した。それに合わせて、新たな巫女たちが後宮に召喚されているらしいが、玉蘭は平民の自分には関係のない話だと思っていた。が、数日後、皇宮から巫女選定の役目を担った使者たちが訪れ、住民達は騒然。皇帝を支える巫女は皆何かしらの力を持っているらしい。村長の家に集められた独身の女たちは使者が持参した水晶に手を当てるよう指示され、いよいよ玉蘭の番。恐る恐る掌を当てると淡く光った。その弱弱しい光に使者たちは皆困惑していたが、協議の末に玉蘭は後宮に連れて行かれることが決まった。翌日、両親と村の衆に見送られ彼女は王都へ旅立った。巫女に貴賤は無い。確かに後宮には平民生まれの巫女も何人かいた。しかし、やはりここにもカーストはある。宰相の娘だという麗凛がその頂点ならば、玉蘭は底辺に当たる。とは言え、後宮の外れに建つこの宮は他の宮に比べるとみすぼらしいけれど、故郷で両親と住んでいたボロ屋よりよっぽど広いし快適だ。それに世話係の女官・秋香は出来た女官で随分と助けられている。その秋香から、もうすぐ陛下がいらっしゃいますよ。と報告を受け生返事をする。今日は月が綺麗ね。皇帝・皓月はどうしてだか、初のお渡りの日以来、玉蘭を気に入り週に何度も通って来る。多分、ただの気まぐれだ。私が滅多に見ない田舎娘だから・・・。聞こえよがしな陰口には傷つくが、そんなこと言われずとも本人が一番判っている。最下位の巫女が陛下の寵愛を戴いている。目を吊り上げているのは巫女たちだけではなく、先帝の巫女を務めていた芳夫人も玉蘭を虫のように毛嫌いしていた。やはり平民は学が無いと嘲笑い、巫女たち全員の務めである清めの儀も全て丸投げされて、早朝に神代を抜け出し出て行く玉蘭を見送って皓月はため息を吐いた。竜神さまはいると思います。最初の渡りの日、目を輝かせて彼女は言った。飾らないその言葉や話に知らず笑みがこぼれ、足繁く通っていたが、少々多すぎたか。他の巫女にも気を配って下さいと宦官長に苦言を呈され思案していた所、玉蘭が芳夫人にいびられているのを知った。皓月の母である皇太后のライバルだったという芳夫人はプライドが高い。皓月が玉蘭に目をかけているのが気に食わないのだろう。しかし、全員の持ち回りである清めの儀を彼女一人に押し付けるとは。流石に見過ごせず、それはいかがなものかと夫人に言えば、渋々全員にやらせると言う形で落ち着いた。最近の玉蘭は体調が悪いのか、あまり食欲もないそうだから清めの儀がひと月に一度に変わって休めるようになるはず。後で桃でも届けよう。皓月がそう考えていると、玉蘭と仲の良い巫女・楊楊の懐妊が報告され固まった。どういうことだ、皓月は玉蘭としか夜を共にしていない。聊か潔癖な性格の皓月は、他の巫女たちとはただ会話し少し酒を飲んだら宮を出ていた。だから楊楊の懐妊はあり得ないのだ。真偽を問い質すと、これが自分の力なのですと楊楊は微笑んだ。陛下と私の竜気が合わさり処女受胎したのだと。侍医に診察させると妊娠はしていないようだが、竜気がどうこう言われると迂闊な事は言えないと言う。結局、産まれてみないとと困り顔。この発表に玉蘭はショックを受けているだろう、嘆息しつつ宦官長からの言葉もあって、皓月は暫く彼女の宮に出向くのを控えたのだが、これが後に要らぬ誤解を生むことに。まさか楊楊が私と同時期に懐妊するなんて・・・。秋香も気付いていそうだが、自分から尋ねてこないのをいいことに玉蘭は自分が妊娠していると確信していた。ここ最近体調不良なのは十中八九そのせいだ。先に楊楊に指摘され、多分と答えたら危険だから暫く陛下にも言わない方が良いよ釘を刺されていた。なのに、その楊楊が先に公表するなんて。その意図は測りかねるが、彼女が皓月のお気に入りなのは判っていた。だって、陛下から貰ったという簪を大事にしてたもの。私だけじゃない、後宮にいる巫女たち全てが陛下のものなんだから。現にあれ以来陛下の渡りがない。それから暫く経った頃、久しぶりに玉蘭の元を訪れた皓月はお守りだと自らが狩った牡鹿の角を加工した佩玉を手渡した。皓月は明日から各地を回る巡行の旅に出る。ひと月はかかるそうなのでまた会えなくなるのが寂しい。だが、彼もまたお揃いの佩玉を持っていくのが判り、胸が熱くなった。数日後、楊楊が食欲がないならと薄荷水を土産に携えやって来た。悪阻は大丈夫なの?と尋ねると私は軽い方だからと微笑み、あなたの方こそと逆に心配された。陛下が戻られたら私も報告するつもり、そう話すと、その方がいいと同意してもらえた。楊楊の邪魔をするつもりはない。ただあの人に知ってもらいたいから。最近暑いからよく眠れる香を差し入れするわね、そう言って楊楊は自分の宮に帰って行った。届けられた香は確かに良い香り。秋香に頼んで香炉に火を入れてもらい横になった彼女は奇妙な夢を見た。無意識に起きようとするも金縛りにあったみたいに動けない。必死にもがく玉蘭の耳に子供の声がこっちだよと呼ぶのが聞こえて彼女は目を覚ました。秋香も同じように金縛りに逢っていたようで、起きるや否や激しい咳をした。その背をさすっていた玉蘭は、慌ただしく入って来た兵たちに拘束され大混乱。彼らが言うには、なんと楊楊が呪詛を掛けられケガをしたのだと言う。呪術師に調べによりそれが玉蘭の宮から発されたものだと判り容疑が晴れるまで拘束されると話した。独房に入れられた玉蘭はまだ膨らんでいないお腹に手を当て礼を言った。ありがとう、あなたが助けてくれたのね。目を覚ます直前、導くように声をかけてくれらのは絶対にこの子だ。問題はこれからのこと。身に覚えのない事だと幾度も言ったが疑いは晴れず、更には芳夫人による証言で益々拙い事態に。楊楊だけでなく陛下の御子殺害は重罪として皓月の留守中だと言うのに、玉蘭の処刑が決まり・・・。この事件は楊楊と芳夫人が手を組んで仕掛けた罠でして、玉蘭は嵌められただけでした。当然、楊楊は妊娠していません。よくもまぁ竜気が交わったおかげとかいう嘘つけるよなぁ、皇帝相手に。それと呪詛の痕跡は単にお腹の子によって呪い返しされたからです。でもおかげでそれが証拠になってしまい彼女は大ピンチ。しかし、玉蘭は咄嗟に、呼び出した竜に真偽を問うという竜卜占を希望。胸騒ぎを覚えて急ぎ帰ってきた皓月の承認を受けて後日竜卜占が執り行われることに。当然、無罪なので竜が出てくれば無実は証明されるけれど、竜が出てこないときは罪が確定してしまう。あまりにも危険な賭けに気を揉む皓月に絶対に竜を呼んでみせるときっぱりと言い放つ玉蘭。儀式当日、彼女の呼びかけに姿を見せた竜は、この事件の犯人達に襲い掛かり、という展開です。その際、玉蘭の秘められた力も明かされ正にその性質から、正に二人は会うべくして会ったのだと判明。そうと判ればあいつらに勝ち目などあるはずもなく。ホント、最後まで反省しない胸糞女たちだったので、この一連の流れはスッキリしました。こんなんだから選ばれないんですよ、あなた達。騒動後、皓月がどれだけ玉蘭に惚れているか皇太后にバラされてしまい何とも気の毒。諸々全てお見通しだった皇太后さまが作中一番怒らせてはいけない人だったのかも。評価:★★★★☆
2026.07.15
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2026年5月刊ベリーズファンタジー著者:池中織奈(敬称略)溺愛される妹とは対照的に「見苦しい」と虐げられる王女オルテンス。ある日、妹の代わりに大国の冷酷王・デュドナの元へ花嫁候補として送られてしまう。彼はこれまで多くの令嬢を殺めたと噂されていた…。死を覚悟したオルテンスは「一思いに殺してください」と頼むが、なぜか断られーーおいしい食事にお昼寝と、予想外の生活が待っていた! そんな中、自ら仕事を買ってでる頑張りやなオルテンスを城中の人が慕い、次第にデュドナの優しさも溢れ距離が縮まってゆく。その頃、彼女を厄介払いした小国の家族は窮地に陥り、大国にいるオルテンスの利用を企むが…。 ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 オルテンス=王族扱いされていなかった王女。 妹の身代わりでメスタトワ王国へ送られる。 デュドナ=メスタトワ王国国王。 ミオラ=オルテンス付きの侍女。ローサリティ=オルテンスの異母妹。小国・サーフェーズ王国第一王女オルテンスは、家族に疎まれ幽閉同然の暮らしを送っていた。薄暗い部屋に押し込まれ、異母妹のローサリティからの暴力に耐える日々。そんな毎日に耐え忍んでいたオルテンスは久々に外出を許可された。数年ぶりに顔を合わせた父は、娘の顔を見るやメスタトワ王国に行けと命じた。若き国王が妃を探しているそうで、各国王女を花嫁候補として寄越すよう伝達があったらしい。メスタトワ王国は大陸一の大国、妃に選ばれればその国は強大な後ろ盾が得られると言う。ならば、性格はともかく美しいローサリティを送った方が勝機はありそうに思う。忘れられた存在の自分を送る意味は一体?数日後、オルテンスはメスタトワ王宮の謁見の間にいた。ベールを外した彼女は開口一番、ごめんなさいと謝罪の言葉を述べると「痛いのは嫌なのでどうか一思いに殺してください」と叫んだ。本人は至極真剣であったが、国王デュドナと側近達は皆呆気に取られており、いち早く正気に戻ったデュドナはその予定はないが、とキッパリ。だって、メスタトワ国王と言えば、冷酷王と名高く気に入らない者たちの首を撥ねまくる悪魔だって・・・。出発日の前日に「可哀想なお姉さまぁ、きっと美しいローサリティじゃないって到着早々に殺されちゃうわね」くすくすと笑う異母妹に散々脅されていたオルテンスは、すっかり自分が死ぬものと思い込んでいた。王女はお疲れのようだから、とデュドナが近くに控えていた侍女に世話を任せると部屋から出て行った。湯あみを済ませ、ふかふかのベッドに寝転がっていたオルテンスは、この状況が信じられなかった。これは夢?ムニっと頬をつねると普通に痛い。あー、でもお腹空いたなぁ。そんなことをぼんやり考えているとミオラという侍女がお食事の時間ですと呼びに来た。なんとデュドナと二人っきりでの晩餐らしい。え、王様とお食事!?驚く彼女にミオラが言うにはある程度親睦を深めなければ人となりは判りませんから、とのこと。どうやら、オルテンスの前にやって来た王女たちは皆デュドナのお眼鏡に叶わなかったらしい。とは言え、自分などもっと無理だろう。晩餐で供されたメニューはどれも絶品だった。温かくて誰かと一緒に食べる食事の何と美味しいことか。必死に食べているその姿に随分美味そうに食うな、とデュドナに感心され、はしたなかったかなと我に返る。そんな彼女に褒めているんだ。そう言って彼は笑った。オルテンスがこの国にやって来て一週間ほど経った。どういう事情か、サーフェーズ王国は自慢の王女ではなく今まで全く表に出て来なかった第一王女を寄越して来た。差し詰め、冷酷王の評判を聞いてローサリティが殺されては困ると死んでも惜しくない方の娘を送って来たのだろう。王女とは思えない程ガリガリで小柄、手入れもされていない髪を見てミオラは憤慨し、サーフェーズ王家について調べてくれと頼まれた。ミオラに言われるまでもなく調べるつもりだったので、早急に影を放ったが読んでて腹が立つほどの酷い調査結果に眉を潜めた。王妃が先に王の子を産んだ側妃を疎み、側妃亡き後はその娘を虐待、か。ほとんど幽閉状態で庭に出ることすら禁じ、異母妹は召使に命じて彼女を鞭打たせていたとは。食事も何度も抜かれることが多かったようだしあの痩せ細りように納得した。ミオラに事情を話せば、私たちが王女様をしっかり管理しますので、と王女付きの侍女達がチーム一丸となって彼女の世話を焼いている。調理場の者も王女様のためにと腕を振るっているそうだし、どうやらあの娘は大人の庇護欲をそそる存在らしい。王宮ではオルテンスの可愛らしさを称える話で持ち切りだ。デュドナの側付のセールイまで彼女にぞっこんで、あの方を妃にすべきですと毎日煩い。まぁ確かに可愛らしいし性格も良い。プライドだけは高い姫たちばかりだった花嫁候補の中でオルテンスはかなり異質だった。もの知らずだがバカではなく、ミオラがそれとなく行っている教育にもすぐ追い付き、今ではこの国の施政についても学んでいると言う。季節が変わった頃、デュドナの命で魔法使いのクシャ卿に引き合わされたオルテンスは自分に掛けられている魔法誓約が悪質なものだと知らされた。父からは「単に自死できなくするものだ」と聞いていたが、それだけでなく誓約はオルテンスの心臓に絡みつき、一言命じるだけで彼女を死に至らしめる魔法。クシャ卿の顔が怒りで何とも言えない表情をしている。きっと良い人なんだな。他人事ながらぼんやりと考えていた彼女に、ミオラは解除は可能ですか?と彼に詰め寄っている。解除用の術式を組むのに少々時間はかかりますが、と言いつつ可能ですとクシャは余裕の笑みを見せた。私なんかの為に、そう呟けば王女様が死んだら私が悲しいです!泣きそうなミオラの顔を見て、思わず私が生きていたら嬉しい?と尋ねていた。勿論です!!侍女たちの声に胸が熱くなる。結果、自分も大変な目に遭ったがクシャの努力の賜物で魔法誓約は解かれ、それからなんだか身体も軽い。先日はデュドナとお忍びデートに連れて行ってもらい有意義な時を過ごした。無邪気に喜ぶ彼女を見続けるうち、デュドナの気持ちも決まった。俺の妻になる気はないか?そう問われてオルテンスは頷き、二人の結婚が大陸中に公表された。結婚式の準備が迫る中、ドレスの仮縫い中だった彼女はデュドナからサーフェーズ王が招待もされていないのに式に出席するつもりらしいこと、追い返すために手荒なことになっても構わないかと意思確認をされた。許可なく越境するのだから咎められても文句は言えない、それが後に戦争になろうともだ。構いません、オルテンスは彼に告げすべての采配を任せた。数か月後、二人の挙式当日。サーフェーズ国王とその家族は国境で止められ・・・。日陰の王女と大国の若き国王との恋物語です。追い出されるか殺されるか、どこか諦めていたオルテンスは何故か花嫁候補として訪れた先でその愛らしい性格と容姿で皆をメロメロに。多くの味方を得て、やがて王妃にと望まれます。しかし、デュドナは彼女を虐げ続けたサーフェーズ王家には彼女との結婚だけ報告するも挙式には呼びませんでした。そもそも呼ばれると思ってんの?どの面下げて?と言わんばかりに大陸中に、彼らが妃になるオルテンスをどう扱っていたかを大々的に公表。あいつらに出席する資格はないよ、と先制していました。なのに、メスタトワ国王の妃はうちの王女だとサーフェーズ王は強硬に式への出席と国への援助を要請するため、無理矢理国境を押し通ろうとしてメスタトワ国軍に捕縛されます。マジでバカなの?こいつら。しかもローサリティがデュドナに擦り寄り、余計に怒りを買って投獄の憂き目に。あまつさえ、生意気なのよとオルテンスの面会を望んだ妹は誓約を発動させようとしますが、残念、とっくにその魔法誓約は解除されていました、という。この出来事はデュドナを激怒させ、サーフェーズ王家の運命はもはや風前の灯火。ザマァというにはかなり厳しい顛末に読んでてちょっとびっくり。冷酷王は伊達じゃなかったです。おまけの番外編は二つ。王妃になったオルテンスのとある一日と、そんな彼女に心酔しているミオラ目線の日常の一コマでした。ヒロイン・オルテンスが本当に可愛くてそりゃ皆メロメロになるわ、と納得。評価:★★★★☆
2026.07.14
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2026年4月刊マーマレード文庫著者:桜井響華(敬称略)パイロットの優羽青と恋に落ち、いつか彼の操縦する飛行機に乗ることを夢見ていた碧玲。けれど優羽青の幼なじみの嘘のせいで別れを決意し、彼との連絡を絶った直後に妊娠が発覚!優羽青への想いを胸に秘め、一人で娘を産み育てていたある日、運命の再会を果たす。ずっと碧玲を想い続けていたという彼から、変わらぬ深い愛情で娘ごと包み込まれ…。 ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 花村碧玲=元カレの裏切りで失恋し、恋から遠ざかっていたOL 英優羽青=副操縦士。マッチングアプリで碧玲と知り合う。 麻由奈=優羽青の幼馴染み。 夕愛=碧玲の親友。バレンタインが間近に迫った二月のある日のこと、親友の夕愛と出掛けていた碧玲は彼女から新しい恋を勧められていた。結婚を前提に交際していた恋人と別れて以来、元気がない碧玲が気になっていたのだろう。確かに恋人の浮気が原因だったのだし、いつまでも引き摺ってるのは生産的ではない。どうせならイケメンで高収入な人を捕まえようと夕愛と共にマッチングアプリに登録した。すると、めぼしい男性はいないかとスクロールしていた夕愛が声を上げた。パイロットがいる、そう言われて見せられた画面をのぞき込めば、確かに職業欄にパイロットとある。顔写真もハンサムだし、思わず詐欺を疑った。実際、マッチングアプリでその手の詐欺は多いらしい。訝しんでいると、まぁ会ってみようよ。怪しい感じがするならお付き合いを断ればいいんだから。夕愛の言葉にそれもそうかと頷き、メッセージを送ってみると意外にも返信は早く、後日会うことになった。登録者名「そら」を名乗る人物は、その日先輩パイロットの佐川を連れて待ち合わせ場所に現れた。佐川は少々チャラい感じだが「そら」は優しそうな人だった。同席した夕愛は佐川を気に入ったようだが、そのチャラさが少々引っ掛かっているらしい。連絡先を交換したいと言われても珍しく渋っているのを横目に、碧玲は「そら」もとい英優羽青といい雰囲気に。現在国際線の副操縦士だという彼は現在機長を目指して猛勉強中なのだそうだ。元々パイロットは彼の父が憧れていた職業だったが、喘息持ちのため夢を断念しており、それを引き継ぐ形でパイロットになったと言う。機長になったら父の体調が良い時期に自分が操縦する飛行機で旅行に連れて行くのが目標だと語る優羽青はなんて素敵なんだろう。実はこのマッチングアプリはあまりにも女っ気のない優羽青を見かねた佐川が自分と一緒にと勝手に登録したものらしい。それでも、今日はあなたに遭えてよかったと思います。まっすぐ目を見て言われて、私もですと頷く。優羽青とは、その日連絡先を交換して別れた。奇跡的に初のマッチングで相手を見つけてしまった碧玲と優羽青は早々にアプリを退会。あれ以来、トークアプリで連絡を取り合い、何度かデートを重ねた。夕愛は結局佐川と連絡交換はせず、地道に婚活を続けている。どうやら一目惚れだったらしい佐川は夕愛を諦めきれないようだがこればっかりは自分達にもどうしようもない。その日は優羽青のマンションでおうちデート。するとインターホンが。応対していた優羽青が珍しく厳しい声で「帰ってくれ」と追い出そうとしているので、気になって見に行くと同年代か少し下に見える女性が。あなたが優羽青の彼女?と女性に問われ、肯定すると観念したのか、優羽青が女性を紹介してくれた。麻由奈と名乗った女性は彼の幼馴染みでかなり長い付き合いだと言う。優羽青の彼女なら私とも仲良くしてくれる?グイグイくる麻由奈と連絡先を交換すると、しょっちゅうメッセージが届く。優羽青がフライトで留守の間は買い物に行ったりとそれなりに仲良くしていたのだが、いつしか彼女はデートにまで付いて来るように。追い返そうとする彼を私なら気にしてないからと宥め、同行を許しながら、麻由奈の優羽青への想いを察して複雑な気持ちになる。それから暫く経った頃、大事な話があると麻由奈にカフェまで呼び出された碧玲が耳にしたのは衝撃の事実。なんと麻由奈は優羽青の子を妊娠していると言うのだ。母子手帳とエコー写真も日付からしてどう見ても本物。ごめんなさい、でもこの子の父親を撮らないで、涙交じりの麻由奈の言葉に私はまた二股かけられていたの?と茫然。しかし、こうして麻由奈が来たってことは事実なのだろう。碧玲は潔く身を引く決意をした。スマホのキャリアを変え、完全に連絡を絶ったある日。体調を崩した彼女は一つの可能性に気付き検査薬を使ってみると陽性反応が出た。事情を話して夕愛に相談すると辛かったね、そう言って抱きしめてくれた。やはり碧玲は妊娠していた。まさか、麻由奈と同じ頃の妊娠だなんて、もう笑うしかない。それでも産むと決めていた。実家の両親、特に父には物凄く怒られたが、結局許してくれてその翌年に産まれた娘・碧羽にメロメロだ。そんな娘もそろそろ八ヶ月になる。碧玲が優羽青の前から姿を消して二年近くが経っていた。ほぼ実家に居候状態なのが申し訳なくて、家事代行サービスの会社で働き始めた碧玲は、作家のはなさき青一の家事代行依頼を受けた。本名が英とあってギョッとしたが珍しい名字でもいないわけではないので、どうか優羽青とは無関係の家のように、と戦々恐々。奥さんが自転車事故で入院中とのことで掃除と昼食&夕食作りを頼まれた。その日は何事もなく終わったものの、翌日英家を訪れると優羽青とバッタリ。やっぱり優羽青君のご実家だったのね、とガックリ。もうここまで来たら観念するしかない。話をしたいと言う彼の言葉に頷き、翌日会う約束をした。カフェで対峙した優羽青にお子さんは元気?と話しかけると怪訝そうな表情をした彼は、何か察しが付いたのかゆっくりため息を吐くと。俺は独身だよきっぱり。その答えに硬直していた碧玲はじゃあ麻由奈ちゃんが言っていたのは、と顔面蒼白の彼女を見て彼は当人から聞いたと言う話を語り始め・・・。まんまと恋人の幼馴染みの嘘に騙され、勝手に雲隠れしてしまった碧玲。なにかと優羽青に依存していた麻由奈は、彼が碧玲と幸せになるのが許せずあんな酷いことを・・・。確かに麻由奈は妊娠してましたが、行きずりの男性との火遊びで出来た子で、優羽青に父親になって欲しいと頼み込みするも色よい返事は貰えなかったので腹を立てて起こした行動でした。というか、そりゃ断られて当たり前(^_^;)麻由奈は父親が優羽青だと碧玲に吹き込み、結果あんなことに。てか、疑いなよ碧玲ちぁん。それか、ちゃんと優羽青を問い詰めてれば要らぬ心配せずとも良かったのに。誤解も解け、碧玲の実家にこれまでの謝罪を兼ねて実家に挨拶に来てくれた優羽青にはほぼ非はなく、娘の思い込みで起きたことと知ったお父さんの落胆ぶりは想像がつく分、可哀想。申し訳ないけど、今回のヒロイン結構アホ寄り?(苦笑)まぁ、娘がまだ物心つく前に復縁出来て良かったと思いました。その後、麻由奈とも決着がつき、二人は入籍。夕愛は何だかんだ佐川さんとくっつくのかなぁって感じのラストでした。おまけの番外編は入籍から数か月後の後日談で、妻と娘を愛しく思う優羽青目線のお話。評価:★★★★
2026.07.13
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8月20日 オーバーラップノベルスf 役立たずと国を追い出されましたが、 魔物と話せるのは真の聖女である私だけでした! ~隣国の魔皇帝に愛され幸せになります~ 沢野いずみ モーニングスターブックス はじめまして、こんにちは。 ~文通歴13年交際0日の親友と、初対面で結婚することになりました~ 守野伊音9月1日 アーススター・ルナ 用済み聖女の最後の仕事 命じられたのは蛮族伯との結婚でした 道草家守 毒牙令嬢ヴェロニカの華麗なる断罪 ~毒と魔術を操って国をお掃除してさしあげます~ 砂礫零9月5日 ベリーズファンタジー この結婚は王命ですから。 初夜で拒絶された花嫁です、それでは自由にやらせていただきます 夏目みや 水に流してなんかいませんが? ~無自覚のモラハラでも忘れてなんていないので、 「成婚を落とせ」という手紙はただの起爆剤です。~ ぽんぽこ狸9月10日 Mノベルスf 傷物の人形令嬢は隣国のワケあり辺境伯に囚われ、心のナカまで愛でられる。 かのこ ベリーズ文庫 俺様ドクターと1億円借金ヒロインの契約結婚だったはずが 若菜モモ ハイエンドマリッジ ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~ 伊月ジュイ 偽の婚約をしたら、凄腕SATの溺愛に捕まりました にしのムラサキ 結婚したくないはずの俺様社長に、成婚退会を強行されました 森野りも マーマレード文庫 敏腕外交官の元カレと再会したら、内緒で産んだ子供ごと愛されました(仮) 西篠六花 屋根裏部屋の伯爵令嬢ですが、国王陛下の愛され花嫁になりました(仮) ひなの琴莉9月15日 ビーズログ文庫 見殺しにされた私が助けるわけないでしょう? 青空一夏(敬称略)9月も多いなぁ(^_^;)あと、アニメ「鬼の花嫁」、webラジオを聞くにどうやらコミカライズ版の進行を準拠に展開するみたいですね。ということは原作小説1巻分で12話ってこと?おまけに円盤は全6巻。さすがはアニプレックスと言うべきか。
2026.07.12
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2026年7月刊noicomi COMICS著者:富樫じゅん/クレハ(敬称略)キャラクターの素顔に迫る詳細プロフィールから、あやかしが息づく世界観の徹底解説までーー。『鬼の花嫁』の魅力を余すことなく収録したファンブック。美麗イラストギャラリーや、物語を振り返って楽しめる名場面すごろくなど、絶対に見逃せない企画が満載。さらに、“あのふたり”の禁断秘話を描いた描き下ろし漫画や、原作・クレハ先生の書き下ろし小説など、本書だけの特別コンテンツも目白押し。この一冊で物語のすべてがわかる、完全保存版! ↑楽天ブックスより内容紹介引用アニメ化を記念してか、シリーズ初の公式ファンブックが出ました。noicomi COMICSレーベルでの発売のため、内容もコミカライズ版準拠と言った所。書きき下ろしの漫画と小説はかなりギャグ寄りな内容で、こういうお話大好き。正直これだけでも一見の価値あり。企画として、キャラクター人気投票結果や、クレハさんと富樫さんとの対談も。1位は案の定、玲夜でしたけど、小鬼ちゃんの人気が意外。道理で短編集やおまけ漫画等で出張ってるわけだ。因みに私の推しキャラの千夜さんです。全体的に見て、お買い得な一冊だと思いますが、付録のカレンダーとしおりの形状はちょっと(^_^;) 使いたい人は、真ん中あたりのページに鋏を入れないといけないので果たしてそんな猛者はいるのやら。最初のページにとじ込みで入れるとかじゃダメだったんでしょうかね。最近よくある雑誌のクリアカード&クリアしおりの付録みたいな。はっ、もしかして二冊買えってこと!?取り敢えず、描き下ろしのしおりを使いたい気持ちは山々なれど二冊買いは無理なので眺めるだけに留めるとします。評価:★★★★☆
2026.07.11
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2026年7月刊noicomi COMICS著者:富樫じゅん/クレハ(敬称略)「柚子以上に俺が愛おしく思う存在などいない」ミコトが差し向ける龍の攻撃から、なんとか一命を取り留めた柚子。しかし、回復して安心したのも束の間、ミコトを連れてホテルへ入る玲夜を目撃してしまいーー。彼の愛を信じていた一方で、なかなか屋敷に帰ってこない日々への不安に揺れる。玲夜の行動の目的はいったい何なのか?そして明かされる、“最初の花嫁”にまつわる真実。そこには龍の力が暴走するきっかけとなった謎が隠れていて…? ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 東雲柚子=玲夜の花嫁。ミコトの嫉妬により命を狙われる。 鬼龍院玲夜=鬼のあやかしのトップ・鬼龍院家の跡取り。 透子=柚子の親友。 荒鬼高道=玲夜の側近。 鬼龍院千夜=玲夜の父。現鬼龍院家当主。一龍斎ミコト=龍の加護により守られた一龍斎家の令嬢。原作小説三巻目「龍に護られし娘」編の完結巻です。透子を庇ってトラックにはねられた柚子は奇跡的にかすり傷で済んだが、その日以来、玲夜が顔を見せることは無かった。しかし、数日後、透子と出掛けた先で玲夜がミコトと高級ホテルに入っていくのを見てしまい大混乱。そんな彼女を見て、透子は一芝居を打ってまんまと玲夜を猫田家に呼び出すことに成功。柚子が危ないとほのめかしただけですっ飛んできたのを見るに、ミコトに気が移ったとか有り得ない。だから自信を持って、こうなったら本音を若様にぶつけなと透子に発破をかけられた柚子は、ミコトに嫉妬していたこと、玲夜が何も言わずに一人でカタを付けようとしていたことが悔しいと吐露。しまいには花嫁を辞めるとまで言われて珍しく玲夜が狼狽。観念して、千夜と二人で進めていた作戦の概要を語り、蚊帳の外にしていて悪かったと柚子に謝罪します。蟠りが解け、透子を交えての話し合いになると、あの事故自体が透子を狙ったものだったとの説明が。そして龍をけしかける際は必ずミコトは自分から加護を外すと判り、厄介な龍さえ剥せれば勝機はこちらにある。敢えて玲夜が囮になり、手酷くミコトを振って龍をけしかけさせれば・・・。玲夜が危険な目に遭うのは、と心配する柚子を他所に、透子は判ってないわねと作戦の穴を指摘。ああいうタイプはフった本人より、その相手に憎しみが行くものよ。それもそうかと納得する面々で柚子は自分が囮になると手を挙げます。危険だと玲夜は渋るも、柚子の願いにより渋々承諾。千夜の協力で、屋敷に結界を張るも難なく突破され、ついに龍と柚子が対峙し・・・。柚子の前世についてほのめかされる重要エピソードですね。始まりの花嫁・サクのお話は原作小説の短編集エピソード0でも語られていますが、サクの心境を知ってからだと原作四巻で龍が語った過去バナは本当に胸糞。マジで一龍斎の先祖許すまじ。実は神獣だったまろとみるくの協力もあって見事龍は解放され、柚子の加護に付くのですが、やっぱりデフォルメされてました。柚子の腕にだっこちゃんの如く張り付いている姿が可愛い。そんな龍の加護を失ったミコトは恨みを買って家諸共没落の憂き目に。嬉々として一龍斎を潰している千夜さんが作中一番怖い人なのかもしれない。おまけとして鬼の花嫁のスピンオフ「鬼姫」の試し読みが収録されています。さて、今月四日深夜から始まったテレビアニメ。絵も綺麗だしキャストも豪華で良いのではないでしょうか。原作小説一巻分を四話区切りでやるなら丁度この三巻目がラストエピソードになる感じ?評価:★★★★★
2026.07.10
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2026年5月刊ベリーズファンタジー著者:ごろごろみかん(敬称略)冷たい容姿を理由に夫である国王から見向きもされない第三側妃・マリア。そんなことは気にも留めず、お飾りライフを楽しんでいたある日、第一側妃の息子で不吉な赤目を持つ第一王子・ルンハルトと出会う。孤独だった二人は、次第に互いにとってかけがえのない存在に。その裏で、マリアは赤目のせいで不当な扱いを受けるルンハルトを守り、腐敗した王宮を立て直すため、横暴な国王を失脚させる策を密かに巡らせていた。マリアが王弟・アルヴィンや様々な有力者の協力を得ていく中、何も知らない彼らが気づく頃には、破滅はすぐそこまで迫っていて…!? ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 マリア=エリセリュン国王の第三側妃。冷遇されていた王子と知り合い交 流するうちに国王の退位を目論む。 アルヴイン=国王の甥。赤い瞳なことから王族扱いされていなかった。 ルンハルト=国王と第一側妃の間に産まれた王子。 セラフィーナ=第一側妃。息子を疎んじている。 マチルダ=第二側妃。フランチエスカ=マリアの姉。冷酷そうに見える容姿から、可愛げが無いと夫であるエリセリュン国王から見向きをされていない第三側妃・マリア。父王の命でこの国の嫁いで来たものの、参ったわねぇ、これは。大好きな姉がルナリア王国に嫁いで以降、別段祖国にはもう思い入れも無いのだが、こうも軽んじられているのは聊か気分が悪い。どの国にもいい顔をして二国から妃を迎え入れた国王だが、結局自国の筆頭公爵の令嬢セラフィーナを第一側妃とし、その実家共々重用していると聞く。故にマリアと同じく、外国から嫁いで来たマチルダ妃も肩身の狭い想いをしているようだ。一度話をしていたけれど、マチルダ妃は随分と大人しくて気の弱そうな方だったな。マリアより三ヶ月早く輿入れした彼女は苛烈な性格のセラフィーナに随分虐められていたらしい。かくいうマリアも何度か嫌がらせを受けたが、睨みつけただけで向こうはビビって逃げてしまったので、この時ばかりは己の顔に感謝した。ひと月ほど経った頃、あまりにも暇なので庭の散策をしていると子供の泣き声が聞こえて彼女は足を止めた。見ると植え込みの側にしゃがんだ男の子が鼻を啜っている。どうしたの?と声をかければ、驚いたように顔を上げた少年の顔にハッとする。赤い目・・・。それにこの顔。髪色と言い、恐らく国王とセラフィーナの一人息子・ルンハルト王子に違いない。第一側妃との子なのだから、さぞ大事にされていると思いきや、随分と薄汚れているし、四歳の割に小柄な体。どう見ても育児放棄されているようにしか見えない。王子ならば、普通は護衛や世話役と数人の供を連れているはずだ。これは一体どういうこと?その日はあまり話は出来なかったが、気になって何度か庭園を訪れていると自然と親しくなり、ルンハルトに懐かれるように。そうこうしているうちにマリアはルンハルトの親戚だと言うアルヴィンと知り合った。彼もまた赤い瞳をしておりずっと冷遇されているそう。先王の兄の子で、現国王の甥に当たる人だと言うのに、赤い瞳が何だって言うのよ!!他人事ながら憤慨するマリアに、きっとあなたが異国の方だからでしょう、とそう言ってアルヴィンは苦笑した。それほどこの国の民の赤い瞳への畏怖は強いのだと言う。でも、ルンハルトのように幼い子まで理不尽な目に遭うのは許せない。憤るマリアに、実は、と口を開いたアルヴィンが言うには、ルンハルトのために赤い目が不吉などというバカげた逸話を払拭するため、古い文献を調べているそうだ。この国を危機に陥れた悪魔の瞳が赤だったとか、どう考えても眉唾な伝説ばかり。しかし、郊外にある研究室地下の資料室に王家の先祖について書かれた資料を見つけたらしい。彼の話を聞いて、以前から少しずつ考えていた作戦をアルヴィンに話すと、彼は目を見開いた。国王を退位させ、あなたが王位に就くのです。彼は先王の兄の子、母親は平民らしいが血筋的には充分資格はある。いつまでも正妃になれないせいか、セラフィーナの暴虐は増すばかり。先日、マリアは彼女に突き飛ばされ、危うくナイフで刺される所だった。まぁ、返り討ちにしてやったけど・・・。加えて王はセラフィーナの実家であるシャッテンヴァルト公爵家とその取り巻きばかりを重用し、多くの貴族から反感を買っている。こんなのがあの優しいルンハルトの両親だなんて。アルヴィンが王位に就くなら力を貸すと祖国の父からも返信が来て準備は万端。そもそも先日の一件で、夫は重大な契約違反をしてるのに果たして気付いているのやら。マチルダ妃とその祖国・セレニア皇国からも色よい返事が来て後はアルヴィンが貴族をどれだけ味方に付けられるかが鍵になる。数か月後、アルヴィンがまとめた資料によれば、やはり赤い瞳が不吉の証などという文献は無く、御殿医が残した資料で元々赤い瞳は王族にのみ現れるものという一文が見つかった。五百年前の王は赤い瞳だったそうだが、後に弟に暗殺され王位を簒奪された。もしかしなくてもこれって弟王子が自らの行動を正当化するために喧伝したデマ!?エマの疑問に静かに頷いたアルヴィンも同じ考えのようで、味方になってくれた貴族にもその資料を配布し、時が来るのを待った。下準備が進むうち、公衆の面前でセラフィーナが失態を犯し、その評判はがた落ち。こちらは何もしていないのに勝手に転がり落ちてくれるのは楽でいい。年が明け、祝賀会の夜、国王に新年の挨拶を述べたマリアは、彼に退位を促し・・・。一見、悪女なヒロインが嫁ぎ先で冷遇されている王子と出会い、彼を助けたいと奮闘。ルンハルトの親戚アルヴィンとも知り合い、彼女は兼ねてより考えていた計画を耳打ちします。現王を退位させ、あなたが王位に就けばいい、と。ルンハルトとも交流を重ね、実母よりも懐かれ始めた頃、不吉とされていた赤い瞳に関する真実が判り、そろそろあいつを引き摺り落とす頃合いとアルヴィンと二人行動に移します。先陣を切ったのはマリアで、セラフィーナによる殺人未遂の件で、祖国モントヴァルト王国との契約違反を突きつけられた王の顔色は土気色。しかも、マチルダ妃の故郷セレニア皇国がモントヴァルト王国と手を結び、さらにはルナリア王国も同盟に加わり挟撃されたら大国であるエリセリュンもひとたまりもない。その後、国王は病気を理由に退位し、アルヴィンが即位します。マリアはアルヴィンの求婚を受け翌年結婚し、ルンハルトを養子に迎えれ物語は幕。一応、アルヴィンの母親の秘密など、クライマックスで色々判明することもあるんですが、長くなるのでその辺は敢えて割愛しています。マリアと敬愛する姉・フランチェスカとの手紙のやりとりも大きなきっかけになったりと、押し花の件は上手い伏線だなと思いました。あと、とにかくルンハルトくんが可愛い評価:★★★★☆
2026.07.09
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2026年6月刊ベリーズ文庫著者:にしのムラサキ(敬称略)仕事で自衛隊基地を訪れたシングルマザーの明優。なんと娘の父親である航空自衛官・駆と再会する。妊娠発覚直後、明優はある事情から逃げるように姿を消した。なのに駆は執愛滾る笑みを浮かべ、「待ってたよ。俺は君なしでは息もできないんだ」と言ってきて…!自分の元へ戻ってくるよう仕組んだ彼を怪しんでいたがー「死ぬまで離さないって言ったろ?」執着の裏に隠された底なしの一途愛が明らかに!? ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 羽村明優=家族の協力を得ながら子供育てるシングルマザー。 天瀬駆=明優の元カレのエリート航空自衛官。 羽村美空=駆と明優の娘。 天瀬聡子=駆の再従姉。 天瀬藍那=駆の遠縁で自称許嫁。実家で二歳の娘を育てながら在宅SEの仕事をしている明優は、大口の仕事が入ったからと本社から都内にある航空総隊に赴くよう頼まれ上司と現地へ。妙に胸が騒ぐのはここが航空自衛隊の本部だからだろうか。でも飛行機が置いていないし、あの人はいないわよね?仕事の打ち合わせを終えると、見計らっていたようなタイミングでこのプロジェクトの指揮官が明優に会いたいと明優一人だけ別室に呼ばれることに。担当者が天瀬一尉と声をかけているのを耳にして彼女は肩を落とした。入るよう促された明優はかつての恋人・天瀬駆と対峙していた。駆とは三年前まで交際していた。娘・美空も彼との子だ。当時、転勤で福岡の会社に勤めていた時に知り合い、そのひと月後に彼からの告白で交際をスタート。三ヶ月後には同棲もしていた。美空を授かったのもその頃のこと。毎日が幸せだった。しかし、ある日突然彼女はある選択を迫られることに。会社が吸収合併され、新たに赴任したCEO夫妻は天瀬と名乗り、明優を呼び出すと駆と別れるよう命じたのだ。当然突っぱねたが、兄夫婦は放置しているが甥っ子は大事なうちの後継でね。酷薄な笑みを浮かべたCEOは「だから、判るね?」と猫なで声で問いかけた。実家とは縁を切っていると以前、駆から聞いてはいた。もう戻るつもりはないし、結婚してもわざわざ知らせないと言っていたのも今なら判る。彼は心底実家の面々を嫌っていたから。何なのこの人達。終いには金が欲しいのか、とバカにされて流石の明優もブチギレ。聞く耳持たずにいたら最後の手段とばかりに仲の良い社員達全員減俸にすると宣言。しかも駆に航空自衛隊を辞めさせることもできるとほのめかされ、とうとう明優は折れたのだった。自分への嫌がらせより、他人への害の方が効果があると見抜かれてしまった時点で彼女に勝ち目はなかった。駆のことなら特に。結局、妊娠を告げられないまま一人東京に戻った明優は実家に身を寄せた。詳しい住所は教えてないから駆も探しようがないだろう。そう思っていたのだが、思いがけない縁でこうして再会してしまうとは。制服姿の彼を見てまだ自衛官を続けていられたことに胸を撫で下ろす。ふいに抱き寄せられて目を丸くしていると、もう大丈夫だからと囁かれた。全部片付いたと言うけれどどういうこと?なんと駆は美空のことも知っていた。それにこうして仕事を依頼し、呼び出したと言うことは彼は何もかもお見通しだったのだろう。色々話したいことがある。そう言われて彼女は頷いた。日を改めて対峙した彼が語ったのは天瀬家のお家騒動について。旧財閥の天瀬家は未だに畏怖を込めて天瀬財閥と呼ばれており、血統主義であった。しかし当主で総帥でもある駆の祖父の直系は一人娘の彼の母のみで父は婿養子だったそう。当然ながら総帥は娘婿ではなく駆を後継にしたがっていた。だが駆には航空自衛官という夢があり、説得を続けた結果漸く許しを得たと言う。総帥の意向ならと周囲も黙っていたのだが、三年前に当主が急死。遺言には駆を後継にという文言と全財産の贈与と記載されていた。そしてもし駆が放棄するならばその妻と子に権利を委譲すると。駆は放棄するつもりだったのだが、そうなると明優と美空に財産と後継の話が行ってしまう。焦ったのは親戚達だ。それでCEOたちがあんなことを・・・。CEOは総帥の妾の子だそうで、いくつか会社は貰ったが、総帥にはなれないことを長くコンプレックスに思っていたらしい。そこで自分達が後見している遠縁の娘・藍那を駆に嫁がせようと明優の排除に動いていた。そういえば、CEOとの話のあと、若い女性の声で駆と別れろと電話で脅されたこともあったっけ。その時はもう身を引くつもりだったから・・・。明優が姿を消した後、すぐに彼は天瀬家の誰かの仕業だと気付いたらしい。先ずは父親に確認を取り兼ねてより握っていた弱みをチラつかせて手出しを禁じると、再従姉の聡子に連絡。優秀ながら女ということで外部の会社に追いやられていた聡子に総帥にならないかと持ち掛け、協力を得た。その後、叔父夫婦と藍那の裏を掴み報復を果たした頃には明優が姿を消してから一年以上経っていた。あれだけ脅せばもう手は出さないだろうと思ったものの、他にも総帥の座と財産に目がくらんで二人に害を成さない者たちが出ないとは限らない。会いたい気持ちを押さえて探し当てた明優の家族とコンタクトを取り、彼女達を見守ってくれるよう頼んでいた。想像以上内容に明優も茫然。天瀬財閥ともなると受け継ぐ側も大変だ。しかも知らない間に自分と美空も相続者になる所だったなんて。駆によれば、次の総帥は彼の再従姉の聡子が継いだそうで、もうバカな騒ぎは起こらないはずだと言う。多分、漸く後顧の憂いが晴れたからこうして彼も会う決心がついたのだろう。そして俺を守ってくれてありがとうと頭を下げられ明優は涙をこぼした。もう一度やり直したいの言葉に頷いたが、問題は美空のこと。パパがいると言ったことが無いのでどう反応するか。二人で実家に帰ると家族は復縁を喜び、駆を歓迎。実はずっと養育費も貰っていたのだと母から聞いてビックリ。内緒にしてくれって頼まれたから、でももういいわよねと笑う母に苦笑しつつ、ずっと守られていたんだなと自覚する。そうするうちに弟がお迎えに行っていた美空が漸く帰って来た。だが、娘は見知らぬ男性である駆を激しく拒絶し・・・。財産狙いの親戚のせいで離れ離れになっていた恋人たちの復縁ストーリーです。+シークレットベビー。叔父さんも色々嫌な目に遭ったのかもだけど、明優を虐めたことで駆の怒りを買って立場を失くしていました。ここでやめときゃいいのに、しつこく藍那をけしかけ明優を脅す始末。しかし、母になった明優は強かった。何であなたたちの言うこと聞かないといけないんですか?と逆に返され、ぐぬぬとなってるところに乗り込んで来たのは駆と聡子。いい加減にしときなさいと叱責を受け、連れて行かれます。一方、駆を毛嫌いしていた美空もだんだん打ち解け、やがて彼を「ぱぱ」と呼ぶように。十年後くらいを描いたエピローグでは、天瀬家の賑やかな日常が描かれていました。書き下ろしの番外編は新婚時代の二人のお話。金持故のゴタゴタは額が大きいだけに巻き込まれた方も大変で、明優ちゃんはホント、頑張った。キャラとしてはアニメキャラが初恋で以降恋が出来ないと言う聡子さんがお気に入りです。総帥になった途端、製作会社を買収したと言うオタクも極まれりなことしてる辺り、そう言えば数年前に某国の王族が資金を出して製作したロボットアニメがあったけなぁと思い出しました。評価:★★★★☆叔父さん、諦めわるすぎぃ
2026.07.08
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7月下旬 レジーナブックス 茶番には付き合ってられません わらびもち 笑顔で冷遇する婚約者に疲れてしまいました ユユ8月4日 小学館文庫キャラブン! 呪いの猫と後宮夜話 ~月夜のまじない妃と眠れない皇帝~ 高井うしお8月5日頃 ソーニャ文庫 さようなら婚約者様。これにてお別れいたしましょう(仮) 宇奈月香 片想い中の騎士様に催眠術をかけたら 「俺の最愛の人」と激重感情をぶつけられています(仮) あさぎ千代春8月7日 レジーナ文庫 「デブはでていけ!」と追放されたので、 チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します 綺羅もも8月19日 アルファポリス文庫 あやかしさんの古民家カフェで、ほっと一息しませんか(仮) 野生のイエネコ 大正帝都の灰かぶり姫 孤独な少女は至幸の愛を知る 朝永ゆうり 集英社オレンジ文庫 鈴掛紬の針しごと 日暮里ミシンカフェ営業中 竹岡葉月起きたら昼近くてビックリ。気圧の影響か眠くて仕方ない・・・。色々予定が狂ってしまい前倒しで購入予定リストになりました。
2026.07.07
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2026年5月刊ヴァニラ文庫著者:すずね凛(敬称略)皇帝ヴィクトルの花嫁選びの日、妹の侍女として同行したオメガのエディット。想定外の発情が、まさか皇帝の発情を誘発してしまった!? 強引に部屋に連れ去られはしたなく乱れさせられて。苛烈で甘いひと時ののちヴィクトルは、エディットをつがいとすると宣言。彼は「あなたしかいない」と言うけれど、オメガの皇妃など前代未聞と猛反発が起こり!? ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 エディット=アルファ家系に生まれたオメガとして虐げられていた。 ヴィクトル=帝国の若き皇帝。エディットを妃に迎える。ボーマルシェ=宰相。ヴィクトルの親代わりで国を裏から動かしている。 アナベル=宰相の娘。ヴィクトルの妃候補だった。クザヴィエ帝国国民は三つの特質に別れている。優秀なアルファと特に代わり映えのしない一般人気質のベータ。そして発情という気質を持つ希少種のオメガ。身分の高い者はほぼアルファに占められ、ベータはそれに付き従う。しかし、オメガはその特質から人々に淫婦と呼ばれ、底辺の扱いを受けていた。そんな差別社会で、オメガに産まれてしまったエディットは伯爵令嬢ながら使用人以下の扱いを受けているのは仕方ない事なのかもしれない。異母妹の召使を命じられた地味な装いの彼女を誰も伯爵令嬢とは想像もしないだろう。時は流れ、新たな皇帝の即位に伴って花嫁選びの儀の開催が全貴族家に報らせれた。今年十六になる異母妹は美人なのが自慢であわよくば皇帝の目に留まるかもと大はしゃぎ。兼ねてより手配していたドレスの出来も素晴らしいし、もしもがあるかもと両親も上機嫌なのを見てエディットは俯いた。あの方が結婚される・・・。新皇帝ヴィクトルはエディットの初恋の人だった。数年前、家族で出かけた湯治先で、一人温泉に入れてもらえずに表で待たされたことがあった。雪が降りしきる中、凍えそうだったエディットに自分の手袋をくれた少年。アルファの特徴・額の花形の痣で一目でアルファだと判ったが、大抵のアルファはオメガを厭っている。家族でさえあんな調子なのに、何て優しい方なのだろう。だが、側仕えが「いけません、殿下」と少年に耳打ちしているのが聞こえて、恐れ多くも彼が皇太子殿下だと知った。慌てて礼をとるエディットにヴィクトルが手を振り去っていくのを、ずっと見つめ続けていた。あの手袋は今でも大事に仕舞ってある。見つかれば異母妹に取り上げられてしまうから迂闊に付けていけなかったけれど、辛い時はこの手袋を抱きしめて勇気を貰っていた。でも、この想いもいい加減封印しなければ。どうしても自分も王宮に行きたいと両親に頼み込むと飽く迄侍女扱いとしてならと渋々許可が出た。遠くで一目見られるだけでいい。それで諦められるから・・・。花嫁選びの儀で選ばれるのはアルファの令嬢のみ。しかし、アルファ同士は発情し難いという致命的な欠点があった。特に皇家は純血主義のアルファ、新皇帝になる度に跡継ぎ問題には頭を悩ませており、そこで考え出されたのがオメガの発情を利用すると言うもの。床入り前にオメガの発情フェロモンを嗅がせてその気にさせる。成功率も高く大抵は蜜月期間中に子を授かると言う。当て馬役に呼ばれたのだろう、王宮内の目立たない場所に控えている赤い髪の少女が見えた。稀に失敗することもあるらしく、その場合当て馬は処分されると聞いている。本当に同じ「人」扱いされていないのね、私たち。複雑な心境ながらどうかあの子が死なないよう成功を祈った。遠目でも一目会えれば、そう願っていたエディットの想いは見事に裏切られた。ここはあんたに相応しくない。リゼットにきっぱり言われ宴会場に入らせてもらえなかった。異母妹は姉を虐めるのを楽しみにしている節がある。珍しく王宮に行きたいと必死に頼んでいたから直前で追い出すつもりだったのだろう。音楽が微かに聞こえる中庭の噴水のヘリに座っていると、突然発情の兆しが出て彼女は混乱した。オメガとして産まれながら十六を過ぎても兆しが無く、出来損ないのレッテルを貼られていた自分がまさかここで発情するなんて。毎月高額な抑制剤を飲まずに済んでいたのは助かったが、発情に無縁だったせいで薬を持ち合わせていない。これは襲われても文句は言えない、と隠れる場所を探そうとしていたら大丈夫か?と声をかけられた。顔を上げると夢にまで見た人が目の前に立っている。髪の色でオメガと判ったのだろう、しかも発情しているのを悟ったのか徐に顔を寄せたヴィクトルにキスされてエディットの頭は真っ白。嬉しい気もちを通り越してこれは拙いと必死に彼を引き剥がそうとしたが、時すでに遅し。散々乱されなんとか発情が治まってぐったりする彼女をヴィクトルが抱き上げるとすたすたと歩き出した。衛兵が明けた扉を抜け、未だ彼の腕の中だと気付いてじたばたしていたエディットは、自分を妃にすると言うヴィクトルの宣言に唖然。オメガを皇妃に!?宰相とその娘のアナベルは真っ先に反対の声を上げたが、もう契りを交わしたから撤回は出来ないとしれっと告げられ、ワナワナ震えている。茫然としている実家の面々の姿も見えてなんとも居た堪れない。契りと言っても一方的に発散させられただけで最後までしたわけではない。まだ引き返せるが完全に番ってしまえばどちらか死ぬまで番は解消されなくなる。用は済んだと蜜月期用の寝室に向かうヴィクトルに考え直してくれるよう頼んだが、もう俺はあなたに発情してしまっている。故に無理だと押し切られ、結局そのまま押し倒されてしまった。なし崩しに皇妃になってしまったが、思い続けた人と結ばれて嬉しいのは確か。それならば私は彼を支えられる皇妃になろう。そう決意したのはいいものの、当然ながらオメガの皇妃を受け入れる貴族は少なかった。色々嫌がらせも受けたし、面と向かって批判を受けたこともある。それでも実家にいた頃に比べればなんてことはない。リザベルや継母の方がよっぽど怖かったし強烈だった。その家族が、エディットが皇妃になった途端に擦り寄り自慢の娘だと言い出した時は苦笑したものだ。その家族も、お前たちが皇妃に何をしていたか知っているぞとヴィクトルに詰められ、王宮への出禁を食らいすごすご引き上げて行った。何も話したことは無かったのに、どうして実家でのことを知っているの?あの夜、当て馬役として召し上げられていた少女はマルタと言った。異例の皇妃選抜だったことで彼女は処分されるはずだったらしい。しかし、それを止めたのがヴィクトルでお前たちなら皇妃も気を許せるだろうと控えの当て馬役数人のオメガをエディット付きの侍女に据えた。こうした経緯から侍女たちの皇帝夫妻への忠誠心は強く、エディットにとっても心強い味方になったのだった。ひと月ほど経つとエディットの努力が漸く認められ、味方も増えて来た。ローランド公爵夫人を含め、アルファの女性陣からなる「薔薇の婦人会」の大半の者たちから認められたのは大きい。これは、飴と鞭というヴィクトル推奨の一芝居のおかげでもあったのだけれど、一度打ち解ければ皆悪い者達ではない。しかし、今日も王宮内の庭園で楽しくお茶を嗜んでいたら事件が。エディットにお茶を注いだ給仕が突然悶えだしたと思うと近くの令嬢を襲ったのだ。その者だけでなく、近くにいた数人の給仕たちも。護衛騎士に取り押さえられた彼らは一様に「皇妃さまから甘い匂いがして」と証言。オメガの発情特質が悪さをした、という噂が社交界に広がり、婦人会も無期限の活動休止に。だが、これはどう考えてもおかしい。オメガは初体験を終えると発情しなくなるからだ。故にエディットから誘淫のフェロモンは出ない。侍女達も抑制剤を飲んでいるし、該当者がいない以上、何者かの手によるものだろう。今回の婦人会は宰相の娘・アナベルが指揮を執っていて給仕たちも宰相の家が手配した者たち。怪しいな・・・。ヴィクトルが側近に宰相家を探らせると案の定、アナベルの企みだと判った。給仕たちは媚薬を盛られていただけで、事件後は金を渡され口を噤むよう命じられていたらしい。アナベルは王宮の出入りを禁じられ、宰相は皇妃の無実を発表するよう命を受けた。それが宰相のプライドをいたく傷付けたこともヴィクトルは重々承知している。おそらく、邪魔なエディットを消すために手を打ってくるはずだ。意図せずにエディットが懇意にしていた魔術師の老婆が宰相の子飼いの薬師をしていたのを知ったヴィクトルは罠を張り・・・。オメガバースものです。一応、男性のオメガはいないことにされているので、BL要素は徹底的に排除されている模様。それはさておき、このジャンルは苦手な方もいると思うので読まれる場合はご注意を。徹底的な血筋主義の皇家がオメガの皇妃を迎え入れたことで貴族社会は混乱するも、ヒロインの努力によって環境は変わりつつありました。これからは差別も無くなっていくかもしれない。オメガの希望になっている皇帝夫妻でしたが、それを良しとしない者が不気味な動きを。皇妃の立場を失くして退位させればいいと先陣を切って宰相の娘がことを起こすもあっさりヴィクトルに抑えられ、ほぼ社交界追放の憂き目に。そこで宰相がエディット暗殺を謀るんですが、魔術師がエディットの味方に付いたおかげでこちらも不発に終わります(死んだふりで欺かれていたと言う)こんなことをしでかせば宰相もタダでは済まず、って感じだったんですけど、最後の最後でヴィクトルのある秘密が明かされることに。これは代々アルファで構成されていた皇家の歴史を揺るがすことになるんですが、オメガを妃に迎えたことと合わせ、帝国の歴史が代わる発端となります。その後、ヴィクトルの治世から差別も無くなり、という終わり方でした。この作家さんらしい内容で、展開もまぁ読めてしまうんですけど、だからこそ大団円のラストは気持ちいいと言いましょうか。評価:★★★★☆
2026.07.06
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2026年3月刊ベリーズファンタジー著者:蒼井美紗(敬称略)魔道具作りの天才令嬢カトリーヌ。王命により第一王子セドリックの婚約者となるが、浮気三昧の彼に冷遇される日々を送っていた。そんな中、公衆の面前で「下賤な趣味を持つ地味女」と侮辱され…ついに婚約破棄を決意。手を組んだのは度胸ある美貌の親友コレット。カトリーヌが作った魔道具を駆使し、コレットが“浮気相手”としてセドリックに接近。ふたりで彼の弱みを着実に握っていきーー王子ともども国の転落が始まる…! 一方カトリーヌは稀代の才能を認められ大国へ招待されて大活躍! 虐げられ才女が友情と知性で幸せを掴む、痛快ざまぁ開幕! ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 カトリーヌ=婚約者であるバカ王子に振り回されていたが、親友の言葉で婚約破 棄を決意する。魔道具製作が得意。 エルベルト=竜族の青年。カトリーヌの窮地を救った命の恩人。 コレット=カトリーヌの親友の伯爵令嬢。 セドリック=ファーブル王国第一王子。カトリーヌの婚約者。あんなバカ王子はあなたは相応しくないわ。親友のコレットは、セドリックの愚かな行いを目にする度にそう溢していた。自分に勿体ないかはさておき、そうは言っても王命で決まったこの婚約を覆すのは至難の業だ。セドリックが廃嫡にでもならない限り、近い将来、カトリーヌはセドリックに嫁ぐ。愚痴の止まらないコレットに「心配してくれてありがとう」と微笑めば、こうなったらやっぱりアレを実行するしかないわっ!そう言って立ち上がったコレットは、兼ねてより考えていたと言う作戦を語った。本当にうまく行くのかしら。下手をすればコレットも危ないのに・・・。とにかく、彼女発案の作戦はカトリーヌの父・カルディエ侯爵も賛同し、婚約破棄出来た暁には、コレットにいい縁談を紹介すると約束。作戦遂行までは怪しまれないよう私たちは会わない方がいいわ、そうコレットに言われて、暫くはお互い単独行動を心掛けている。どうせなら彼女に護身用のアイテムを渡そう。逆上したセドリックに襲い掛かられても逃げ出す時間を稼げるよう、小さな氷の礫を発射できるものとかいいわね。そこで材料の魔鉱石を採りに護衛騎士二人を連れて素材採集に向かったカトリーヌはそこで狂暴な魔物に襲われた。死を覚悟した時、救いの手を差し伸べたのは一人の青年。常人とは違うオーラに一目で竜族だと判った。ファーブル王国は竜神に護られていると言われている。竜族は竜神の眷属で、この国では神に連なる者として恐れ敬っていた。青年はエルベルトと名乗り、とある理由で人里まで下りて来たと言う。カトリーヌが魔道具の素材を採りにここまで来たのだと話せば、まさしく俺が求めていた人だと協力を仰がれた。彼と彼の妹・ライアは竜族でありながら魔法制御が得意でないのだそう。特にライアの方は深刻で悩み続けた末にすっかり引き籠りになってしまっていた。だが、補助アイテムを使えば制御も上手く行くかもしれない。切実な話にカトリーヌは魔道具作りを引く受けたのだが、ふと閃いてエルベルトに協力を依頼。以前から考えていた。魔鉱石に魔力を注いでそれを核にすれば、効果も上がるのではと。だが、魔法は竜族のみが扱える力。もどかしく思っていた矢先にエルベルトと知り合えた。依頼の品を成功させるためにも協力は不可欠。事情を話すと任せておけというので侯爵邸に連れ帰ることに。考察は的中。コレット用の護身アイテムが成功するとエルベルトの依頼品に取り掛かる。一週間ほど経って出来たそれは想像以上の出来で二人手を散り合って喜んだ。そんな折、セドリックが先触れもせず屋敷に現れ、受け答えが気に食わないとカトリーヌにお茶をぶっかけ帰って行った。その状況を聞いたエルベルトはブチギレ。俺もコレット嬢の作戦に乗ると手を挙げると侯爵が手を回し、彼を舞踏会会場に入れてくれた。そしていよいよ舞踏会本番。セドリックが最近お気に入りのコレットから訴えられた嫌がらせの犯人を勘違いし、まんまとカトリーヌに婚約破棄を突きつける。悦に浸る彼に、私を虐めたのはカトリーヌさまではありませんよ。しれっと犯人は別人だとコレットに訂正されたセドリックは段々血の気が引いた表情を浮かべ・・・・よくある悪役令嬢の断罪イベントに習い、向こうから婚約破棄してもらおうと計画を立てたコレット。セドリックのお気に入りの男爵令嬢はポッと出の自分が気に食わないはずだ。どうせなら派手に虐められて犯人の名を伏せてセドリックに泣きつけばどうなる?案の定、普段から婚約者を疎ましく思っていたセドリックはこれ幸いとカトリーヌを問い詰め、婚約破棄だと言い出す始末。当然カトリーヌに泥を被らせるわけにはいかないので、婚約破棄されたらすぐ犯人はデボラだと申告。元よりカトリーヌに嫌味三昧の令嬢諸共、セドリックの顔を潰すことが出来たとコレットはほくそ笑みます。親友の幸せのためにここまでするとは天晴。努力の甲斐あってセドリックはついには国王からも見放されるのですが、これには神にも等しい竜族のエルベルトからの口添えも大きく、結果廃嫡になってしまったセドリックはカトリーヌにたちへの恨みからある事件を起こし、という展開です。その間、エルベルトとカトリーヌとの恋愛事情なんかも描かれて大団円なラストでした。タイトル的にもう少しずる賢いヒロインかと思いきや、最後まで聖人すぎる子だったなぁという印象。てか、いくら王子が付いてるからと言っても、高々男爵令嬢が格上の侯爵令嬢に聞こえよがしに悪口とか普通はあり得ないんですけどね。命知らずすぎる。評価:★★★★
2026.07.05
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昨日(7月3日)までに購入した本です。ヴァニラ文庫5月刊。うっかり買うの忘れてまして、棚差しにされてたのを見つけ慌てて購入。とはいえ、すずねさんは4月末発売のガブリエラブックスもまだ入手できてないんだよなぁ(^_^;)角川ビーンズ文庫6月刊異世界アラサーブックカフェの作家さんですね。ビーンズ文庫が最近あんまり買えてないのは積読が多いからです。メルティアブックス6月刊初めてのレーベルです。 ベリーズファンタジー6月刊2点前回購入出来てなかった分ですが、まだあと一冊あったような・・・。フロースコミックス6月刊。やっぱりマクシーは可愛い♡ スターツ出版文庫6月刊3点今月の蜜猫文庫はまた追々。毎週土曜日は仕事の兼ね合いもあり、感想記事を書けないことが多くなると思います。
2026.07.04
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2023年5月刊ヴァニラ文庫Miel著者:あかつきもも花(敬称略)留学先で出会った公輝と恋に落ちるも、身分差を感じて彼の前から姿を消した美那。その後、妊娠が発覚し、一人で息子を産み育てていた。そんなある日、会社の副社長として公輝が目の前に現れる。「二度目は逃がしてあげないよ」別れから四年がたっているのに、一途に美那を求めてくる公輝。息子ごと愛情を目いっぱい注がれる日々が始まって…!? ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 前川美那=留学時代の恋人との子どもを育てているシングルマザー。戸ノ崎公輝=大企業の御曹司で副社長。美那の元カレ。前川乃恵瑠=公輝と美那の息子。戸ノ崎信人=公輝の叔父。リビングフロントホールディングス社長。ショッピングモールの運営会社の企画部に勤める美那は、三歳になる息子と二人暮らしのシングルマザー。魔のイヤイヤ期も終わってもまだまだ手のかかる時期。退勤時間になり、数分歩く従業員向けの保育園にいる息子・乃恵瑠を迎えに行く。ああ、やっぱりあの人に似てるなぁ。乃恵瑠を見ているとしみじみ思う。交換留学先のニュージーランドで出会った公輝とは三か月間だけの交際だった。何も告げずに帰国し、少しして妊娠に気付いたのだが海外用の携帯は解約してしまっていたので連絡しようも無かった。いや、本当は電話番号も覚えている。勝手に姿を消したのも連絡絵を入れなかったも単に自分の意気地がなかったからだ。住む世界が違い過ぎるのよ・・・。だからこの選択に悔いは無い。そう思っていた。数日後、新しい副社長として就任の挨拶に現れた男性を見て、美那は茫然。なんでここに公輝くんが。しかも副社長!?金持のお坊ちゃまだと思ってはいたけれど、うちの会社の御曹司なら納得だ。ニュージーランドでは現地スタイルに則り、お互い下の名前でしか名乗らなかったため、今思えば彼の名字も知らなかったのよね。挨拶の言葉を述べる彼はまだ末席にいる美那に気付いていないようなのが救いだが、これは終わったら早々に退席しないと。しかし、結局彼に見つかってしまい、話がしたいから時間を作って欲しいという言葉に渋々頷く。翌日、よく眠れなかった彼女は先輩社員の岸に相談。さすがに名前は伏せたが、息子の父親に図らずも再会してしまったと言うと、岸もあんぐり。乃恵瑠を引き取りたいとか言われたらどうしよう。心配なのは息子の親権だ。彼のことだから息子がいると判ればそのままにはしないはず。不安を吐露する美那にまぁ初っ端からそんな急展開にはならないよと励まされ、それもそうかと心を落ち着けた。取り敢えずちゃんと話すよう諭され、公輝からのコンタクトを待った。が、まさかの社員用の個別アカウントにメールが入っててギョッとしつつ、そう言えば私のメアド向こうは知らないんだったとガックリ。翌日、実家の母にお迎えを頼み、美那は待ち合わせ場所へ。人目を気にしないための配慮からか、ホテルの一室で公輝と向き合うと、一昨日会社の保育園から子供の手を引いている君を見たんだ。徐に言われた話に彼女は観念してあなたとの子よと告げると、もしやと思っていたのかやっぱりと彼は肩の力を抜いた。後を付けたわけじゃないんだ、本当に偶然見かけて、慌てて言いつくろう公輝にしてみれば、相当衝撃だったのだろう。子どもの年齢的に自分の子だと当たりを付けても不思議はない。でも、子どもまで産んでくれたのにどうして俺の前から消えたの?当然の疑問に美那は嘆息すると、ただ自分に自信が無かっただけだと答えた。あなた、激安スーパーでさらに値引きされた総菜買ったことある?どう考えても育ちの違うあなたとは多分格差を感じて辛くなるから、当時は本気でそう思い込んでいたのだ。今思えば、公輝に対して勝手にレッテルを貼っていたのだと思う。それに拍車をかけたのは、彼の父からかかって来た突然の電話だった。公輝の父は別に交際に反対だとかは言ってなかったはず、寧ろ息子を頼むめいたことを言われた気がするけれどどうしてだかそれを素直に受け取れていなかった。やっぱり住む世界が違い過ぎる。元々帰国間際だったこともあって、日本での連絡先すら告げずに美那は公輝の前から姿を消した。今思えばなんてばかなことをしたんだろう。一方、公輝も敢えて美那を探そうとしていなかった。きっと彼女なりに何か思う所があったに違いない。それでもずっと忘れられず、意外な場所で再会した時は心底驚いたそう。しかも息子まで産まれていたとは、嬉しさ半分戸惑い半分な気持ちだと打ち明けられ、この人もこんなに動揺するんだなと妙な感動を覚えた。息子に会いたいと頼まれ、今度連れて行くと答えれば泣きそうな表情に胸が痛くなる。その際、結婚を前提に再び交際を申し込まれたが、乃恵瑠があなたを拒絶するようなら結婚は出来ないときっぱり。子どもの気持ちが最優先という条件に彼も頷いた。次の週末、公輝のマンションに乃恵瑠を連れて行くと最初は人見知りを発動し、彼の顔を見ようとしていなかった。これは拙いか、と心配していると部屋がホテルのようだとそのうち大はしゃぎ。帰る頃には随分と彼に打ち解けていたのでホッとした。思ったより早く公輝に慣れてくれたおかげで、息子を交えての二人の交際も順調に進んでいる。それから数か月。互いの両親にへの挨拶について考え始めていた頃、どうも彼の様子がおかしい。何か懸念事項でもあるのかと思い切って尋ねると、もしかしたら少し騒ぎになるかもしれないと神妙な顔で告げられた。要は私も一応の覚悟しておけということか。そんなある日、突然社長室に呼び出された美那は、数日後に公輝と自分のことが週刊誌の記事になると聞いて驚愕。しかもその書かれ方が、自社のシンママと交際している副社長が云々という醜聞めいた内容だった。社長は公輝の叔父に当たるため、こういう記事が出るのは甚だ遺憾だと言う。君たちが真剣交際しているのは報告を受けて知っているが、と前置き、申し訳ないがと言い渡されたのは美那を九州支社に転属させるという辞令で・・・。シークレットベビーものです。彼氏が桁外れの金持ちなことにビビり、逃げ出してしまったヒロインが妊娠に気付き、後に出産。両親を始め、色々な人達の手を借りて息子を育てていたら数年後に彼氏と再会。母になったことで心身ともに逞しくなっていたヒロインは当時の自分の弱さを認め、お互いまだ思い続けていたこともあって復縁します。でも結婚は息子の気持ち最優先にしたのは英断ですね。公輝は実父ですけど、息子にしてみればただの母親の知り合いですから、まったく懐かないと言う可能性もあったわけで。シンママの再婚相手と上手く行かず、が原因で起きた傷ましい事件も多いから、息子が嫌がるなら結婚は出来ないときっぱり言える当たり、偉いよ美那さん。まぁ、結局この辺りは完全にただの懸念だったので、そろそろ入籍をと考えていたらなんと二人の交際を面白おかしく書き立てた記事が週刊誌に載ると聞いてビックリ。会社と甥を守るため、申し訳ないけど君たち親子は九州支社に行ってくれないかと非情な命令に困惑しているとその必要は無いですよ。そう言って入って来たのは公輝でした。この記事は差し止めたこと、まったくよくもやってくれましたね、と彼は社長を見据えます。僕がいなくなれば総帥になれると思ってましたか、叔父さん。公輝の言葉に見る見る狼狽える社長は、兄である会長にも見限られて退職に追い込まれるのでした。この社長さん、物凄く優秀で人を見る目もあるのにそれよりもっと出来の良い、双子の兄(公輝の父)には勝てず、甥を追い落として次の総帥の座に就くつもりだったのです。長い間積もっていたコンプレックスのせいで自ら墓穴を掘るとは、随分と勿体ない事をしたもので。突然の社長辞任という騒動後、二人は結婚。エピローグではその二年後の戸ノ崎家の様子が描かれて物語は幕。ヘイトキャラがいなかったおかげでサクサク読めるお話でした。にしても、乃恵瑠って結構なキラキラネームですよね。評価:★★★★
2026.07.03
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2026年4月刊スターツ出版文庫著者:藍せいあ(敬称略)傷を癒す異能を持つ梨花。父と継母、義姉はその能力を利用して医院を営むが、梨花への還元は一切なし。それどころか、梨花は奴隷のように扱われていた。そんなある日、断片的な未来を見る異能を持つ義姉・綺羅羅が『皇帝の花嫁に選ばれる未来』が見えたと言う。翌日、凛々しく眉目秀麗な皇帝・白牙が確かに家にやってくるが…。「姉ではない。お前が俺の花嫁だ」綺羅羅の予知はとんだ勘違い。花嫁に選ばれたのは梨花だった。白牙に愛され、懐妊する梨花。嫉妬に狂った綺羅羅は新たな予知をもとに、梨花を追いかけ後宮入りするが…。 ↑楽天ブックスよりあらすじ引用登場人物 梨花=庶子なことから義母に虐げられていた少女。 優れた治癒の力を持つ。 白牙=白虎の国の皇帝。梨花を妃に迎える。 皇太妃=先代皇帝の妃。 綺羅羅=梨花の異母姉。わずかながら未来予知の力がある。 仔巴=梨花付きの世話係。王都からほど遠い・蘭の村で医院を営んでいる父の家で梨花は使用人以下の扱いを受けていた。特に義母からの当たりが強く、今日も何かと難癖を付けては梨花を鞭打ち憂さを晴らすのを、異母姉の綺羅羅が止めに入り漸く理不尽な折檻が終わった。美しく優しい姉は家族の中で唯一の味方だ、自慢の娘の執り成しで渋々鞭を引っ込めた義母は先程とは打って変わって笑みを見せた。美味しいお菓子があるからと綺羅羅を促し母屋へ帰っていくのを見送り、身体を起こした梨花は痛みに耐え傷が治るのを待った。類稀な治癒力、戯れに手を突けた女が産んだ娘を持て余しつつ、父はこの力を喜び大いに利用した。朝昼晩問わず義母にこき使われ、合間には病院の手伝い。毎日へとへとになりながらも病一つにも罹らないのは自身をも癒す治癒の力のおかげだろう。そんなある日、綺羅羅が皇帝の妃に選ばれる夢を見たと朝から大はしゃぎ。未来予知の力を持つ娘が言うのだから予知夢に近い無いと父と義母も大層の浮かれよう。実際に妃に選ばれた者の家の屋根に刺さるらしい白虎の矢まで飛んできて。皆の喜びは最高潮。綺羅羅をしっかり磨き上げろと厳命された梨花は目も回るような忙しさだった。だが、こんな時まで彼女は嫌がらせを受け、しまいには花街に売られそうに。皇帝が迎えにやって来る日は、梨花もこの家を出される日。お前は絶対納屋から出るなと閉じ込められていた彼女は、突然開けられた扉の音に驚いて身を起こした。見ると銀色の髪に上等な着物をまとった青年が立っている。俺の妃をこんなところに閉じ込めたのは誰だ!?その問いかけに父と義母はしどろもどろ。ビビりまくりの両親を他所に私を迎えに来て下さったのではないのですか?と青年に問いかけているのを見て、この方が皇帝なのだと思い当たる。皇帝は梨花の前にやって来ると迎えに来た、そう言って手を差し出した。諦めきれない綺羅羅が追いすがるのをお前は誰だ、とひと睨みで黙らせ、梨花を乗って来た馬車に乗せると慌てて走って来た父達に梨花に対する扱いについて問い質した。返答如何によっては罰を下す。その言葉にちょっとした誤解があったのだと苦しい言い訳をしていた父は冷や汗ダラダラ。綺羅羅の無礼な態度については不問にしてくれると判った上、後に梨花の支度金も寄越すの言葉に父も納得がいったようだ。文句を言いたげな義母を黙らせ、馬車を見送った。しかし、こんなことはあってはならないと馬車を見つめる者が一人。私、ちゃんと予知夢を見たのに!あいつが陛下を盗ったのよ、絶対許さない。美しい顔を歪ませた綺羅羅は異母妹への恨みを募らせた。あの日から暫く経った。世話係の仔巴に髪を梳かされ、美しい衣に身を包んだ梨花は今でも夢の中にいるようだった。白虎皇帝・白牙の寵愛を受け、世継ぎの誕生を心待ちにされているのはかなりのプレッシャーだが、幸せでもあった。仔巴から聞いた話によれば、白虎の矢で選ばれた妃とでなければ皇帝は子を成せないのだそうだ。どういうシステムなのかは判らないが、そのせいで度々跡継ぎ問題に直面しているそう。先帝の皇妃は白牙を産んでくれたが身体を壊し早くに亡くなっている。その後妻である皇太妃が未だ権力を持っており、白牙の頭を悩ませていた。仔巴は気を遣ってか、その辺りのことは多くを語らず、この皇家の事情についてはあちこちで耳にした噂の類から知ったことだ。皇帝の本能で選ばれた皇妃に皆一抹の不安や不満を覚えていることも承知している。だからこそ、もっとちゃんとしなければと思う。白牙と皇太妃が火花を散らす中、梨花が懐妊。大喜びの白牙は梨花を気遣い、仔巴には一層気を配るよう命じた。梨花が御子を産めばその地位は盤石のものとなる。未だ皇太妃の元にある首飾り・妃の証も漸く返却さるだろう。あれがまだあの女の元にあるおかげで、皇太妃につく者も多い。愛は与えられないが、と先帝が後妻に渡したのがあの首飾りでそれが皇太妃を増長させた。それ故少しでも早く取り戻しておきたい。御子さまが産まれたならば喜んで、と皇太妃は言っていたが、要はそれまでは絶対に渡す気はないと言うこと。下手をすれば梨花に危害を加えるかもしれない。梨花の実家についても調べさせていると言うし、こちらも警戒しておかなければ。そんな折、皇太妃の口利きで綺羅羅が梨花付きの世話係として白牡丹宮に召し上げられ・・・。自分の未来予知は絶対、と信じ込んでた綺羅羅でしたが、多分、梨花の未来を視たんだろうなぁ。白牙に全然相手にされてないのに勝手な思い込みで梨花の傍仕えになったのは良かったものの、なかなか白牙に近づけない。業を煮やして私も御子を授かりましたと妊婦のフリをした綺羅羅によって梨花は窮地に陥り、という展開です。綺羅羅が最後までバカ女だったおかげで、皇太妃の計画はパァ。実は、梨花が選ばれた理由も最後に語られててああそういうこと、と矢が云々とか言う伝説より妙に納得。最後は、皇帝の子が一人じゃ不安なんですよ、みたいな意見で即妃を迎えろと煩かった宰相も黙っちゃったんじゃないかってくらい、結構な子沢山になったらしい二人が最後まで仲良くやっていたらしくほっこりしました。なるほど、それで梨花が丈夫と何度も言及されてたわけね・・・。ヒロインの親切心が最後色んな形で戻って来るのも良いです。
2026.07.02
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1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 11位 12位 13位 14位 15位 16位 17位 18位 19位 20位 21位 22位 23位 24位 25位 26位 27位 28位 29位 30位 今回、あと一歩のところで30位内に入れなかった記事が毎日じりじり伸びて来ているので次回はまた入れ替わりがありそうです。
2026.07.01
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