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終活への助走?それとも、断捨離の一環?あるいは、単なる気まぐれなお片付け?なんのつもりかはよくわかんないけど、昨日、100枚近くのLPレコードたちが2箱の段ボールにぎゅうぎゅう詰めにされた状態で、佐川急便のあんちゃんによって運び出された。もうすぐセタガヤレコードセンターに到着して、やがて査定という名の厳しい選別が始まるだろう。もう二度とわしの元には戻って来ない懐かしのレコードたちの中から、話のネタに丁度いいやつを5枚選んでみた。これは、今は亡きルー・リード率いるヴェルヴェット・アンダーグラウンドの記念すべきファーストアルバム、The Velvet Underground & Nico である。まあ、いわゆるロックの名盤と言われているものの中の一枚ではある。が、名盤だからといって、あぐらをかいているわけにはいかない。中古レコードの世界では、上のジャケットのように、一部に損傷が認められたりするのは致命的。たとえレコード盤自体に問題がなくても、こいつの商品価値は大きく下落する。さらには、日本人コレクターによって非常に重要視される帯がついてない!いかに名盤と言えども、これでは二束三文の価値しか付けてもらえない。(例えば10円とか)場合によっては、買取り不可(0円)になるおそれもある。こんなトホホなジャケットを選んだのは、ひとえに若かりし頃のちょっとした失敗談を懐かしむためである。今思い返すと、当時はひょっとして、ベルベットの音楽よりむしろアンディ・ウォーホルによるデザインで有名なこのジャケットに惹かれていたのかもしれない。Peel slowly and see (ゆっくりと皮を剥いて中を見てごらん) という指示に従って、わしは購入後にさっそくシールの皮を剥き始めた。シールだからなめらかにペロンと剥がれて、きっと中からバナナの実(果肉)が現れるに違いないと思っていたのだが、結果は悲惨だった。少し剥がしたところで、ごらんのように下の紙ごとビリっと破れてしまったのである。そこで、もう手が止まってしまった。これはもともと剥がせるものじゃないんだと思い諦めた。でも、おかしいな。たしかにバナナの絵はシール状になっているし、剥がして見るようにとの指示までつけて、これは一体何なんだ。剥け剥け詐欺か? 笑謎は氷解しないまま時が流れ、後日、雑誌か何かでキレイに皮が剥けている写真を見て、呆気にとられた。バナナの実はクリーム色ではなく、ピンクだった。さすがウォーホル!これは洒落がわかる人以外は見てはいけないものなのかもしれない。国内盤で高値がつくのは、初回プレスの盤に帯やライナーノーツなどの付属品がすべて揃った美品に限られる。また、帯にもいろいろあって、レアなものには当然プレミアがつく。上のアルバムはキング・クリムゾンのサードアルバムにあたる Lizard である。セタガヤレコードはこいつに¥50000の値をつけている。わしもこのレコードを持っていたので、一瞬、やったぜベイビー(古〜)と思ったが、帯なしは一気に価値が下落する(たぶん¥200くらい)ことを思い出し、その理不尽さに身悶えした。 笑まさに、たかが帯と侮るなかれだ。普通の人ならすぐ捨ててしまう付属品が長い時間を経てもちゃんと残っていること自体が貴重なのだという。さらに、上の帯のように限定的で珍しいやつは価値が跳ね上がる。これは「花帯」といって、1970年代にワーナー・パイオニアが展開した「ロックエイジ・キャンペーン」などで採用された特殊なデザインの帯なんだそうな。そういえば、わしも昔、どこかでこれを見かけたような覚えがある。でも、まさかこんなペラペラの紙切れに将来こんな値がつくなんて思ってもみなかった。まあ、今にして思えば、ただ単にコレクターの才覚がなかったにすぎないのだが…昨日送った100枚のLPレコードの中で、帯つきのものはわずか6枚。そのうちの1枚は事前にLineで仮査定してもらった。それが上にあげたザ・スミスのSTRANGEWAYS, HERE WE COME である。「ほれ、刑務所に着いたぜ」といういかにもスミスらしいガラの悪いタイトルのついたこのレコードには、¥1000でもつけば上出来と思っていたのに、なんと結果は¥7000〜¥10000と出た。ウッホホーイ!意外なところにお宝が潜んでいるもんやな。でも、なんでスミスにこんな値がつくん?そう思い、AIに尋ねてみると、こういう回答が返ってきた。「活動期がCDへの移行期と重なりオリジナル盤の流通量が少ないことに加え、世界的なアナログ盤ブームと根強いコレクター需要が重なっているためです。」なるほど。そもそも初回のプレス枚数から足りてないんだ。その上、買った人がなかなか手放さないが故に、市場での流通量が極端に少ないのだろう。ということは、CD世代のコアなファンにとって、わしみたいなジジイが自宅のケースの中に眠る古いレコードを市場に戻してやるのは、実にありがたいことなのかもしれない。先程から言っているように、日本の中古レコード市場においては、帯なしはほとんど価値がない。ゴミ同然とまでは言わないまでも、名盤レベルのレコードですら、100〜200円で売れれば御の字。では、もともと帯がついていない輸入盤はどうか。試しに1枚、仮査定してもらった。上にあげた after the heat は、ブライアン・イーノがドイツのアンビエントシーンをリードしていたCLUSTERのメンバー、メビウス&ローデリウスと組んだアルバムで、いまだに高い評価を得ている一枚である。で、査定結果は「800〜2,500円 *プレスによる」というものだった。初回プレスだと、最高で2,500円か。思ったとおり、かなりの高値である。では、初回プレスかどうかはどうやって確かめるのか。これはレコード盤の内周(レーベルのすぐ外側の音溝がない空白部分)に刻印された英数字のコード(マトリックス番号)を見るとわかる。例えば、上の after the heat の場合は、ST SKY021 - A1 とある。この 「A1」とか、レコードによっては「S1」などと表示されているコードの末尾の数字が小さいほど初回プレスの可能性が高いらしい。というわけで、上のレコードはMade in Germanyの初回プレス盤であることが判明したので、他に減点材料がない限り、¥2,500で買い取られる公算が高い。トーキング・ヘッズのアルバムジャケットはどれもアーティスティックでかっちょええけど、どれか一枚と言われたら、このMore Songs About Buildings and Food をあげる。わしは長い間、このポラロイド写真をグリッド状に並べたフォトモザイクふうのイメージを、この前亡くなったデイヴィッド・ホックニーのパクリだと思っていた。ところがである。このアルバムを手放すにあたって、ちょっと気になったので、いちおうネットで調べてみたところ、まるっきり逆だということが判明した。トーキング・ヘッズがこのアルバムを発表したのが1978年。一方、ホックニーが「ジョイナー」と呼ばれるポラロイドを使ったコラージュ作品を本格的に発表し始めたのは1982年頃だという。明らかにトーキング・ヘッズの方が先駆者で、ホックニーの方が彼らのアルバムジャケットにインスパイアされ、それを発展させたのではないかと指摘する声が多い。では、この夥しいポラロイド写真を並べて一つの大きなイメージを合成するという技法は誰が思いついたかと言えば、何とバンドのフロントマンであるデイヴィッド・バーンらしい。バーンがアイデアを出し、ジミー・デサナという人が写真を撮って一枚の絵に仕上げたという。まあ、プロデューサーのブライアン・イーノ同様、デイヴィッド・バーンもアートスクールの出身だし、やっぱりそのへんのセンスは並のミュージシャンとは全然違うってことかな。ついでの話だけど、Speaking in tongues の初回盤の写真なんかもネットに上がっているので、試しに見てごらん。クリアヴィニールの盤面にあのラウシェンバーグのコラージュをプリントしたシートが被さって、 art-mindedな人であれば、音を聞く前にノックダウンされること間違いなし。 笑
2026.09.20
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234ニレケヤキ 2019 5/7撮影パキプス mimulk_jp さんのスレッドより上の2枚の写真を見て、勘のいい人は、わしがこれから何を言い出すか、おおよその見当はついているのではなかろうか。そう。久しぶりに何かと何かが似ているシリーズである。ニレケヤキとパキプスが似ていると感じるには、当たり前のことながら、両者を共に知っていなければならない。シニアの人であれば、ニレケヤキの盆栽は知っていても、2010年代から流行り出したパキプスのことは知らないケースが多いのではないか。逆に、パキプスにハマる若い世代の人がニレケヤキを知らない可能性はけっこう高いかもしれない。わしの場合は、庭にたまたまニレケヤキの鉢植えがあったので、これは知っていたわけだが、パキプスのことは、つい最近まで知らなかった。塊根植物(コーデックス)で以前から知っていたのはその代表格であるパキポディウム・グラキリスくらいかな。なので、オペルクリカリア・パキプスが「コーデックスの王様」であるなんてことなども、SNSで珍奇植物の画像を漁り始めるまではほとんど知らんかったもんね。ただ、初めて見た時から、パキプスにはなんとなく懐かしい感じを抱いていた。たぶん、一目見て、あっ、これ、ニレケヤキじゃん、と思ったような気がする。まず、葉っぱがよく似ている。それから、盆栽チックな樹形や細い枝が折れ曲がりながら伸びている感じもそっくり。以後、パキプスの画像を見るたびにニレケヤキのことを思い浮かべてきた。たぶん他の人もそう感じているのではないか。ふとそう思い、先日、AIに尋ねてみた。すると、思ったとおり、やつもそれを肯定した上で、両者の類似点をいくつか挙げてきた。そして、終いに、植物好きの間では、ニレケヤキをパキプス風の盆栽に仕立てて楽しむ人が増えている、というようなことなども教えてくれた。この話はひょっとしてハルシネーションかもしれないが、実際のところ、パキプスが高級品過ぎて庶民にはなかなか手が出せないのは事実。けど、わしは期せずして、もうすでにニレケヤキを似非パキプスに仕立ててしまっているので、あとはめっちゃリッチな気分に浸るだけでいいのだ。 そうすれば、気分はきっとバカボンのパパなのだ。 笑235これは、ついこの前、ほたみね(ほたるみねらる)さんがインスタグラムで動画配信したラバール鉱山(フランス)産のフローライトである。あれ?ラバール鉱山って、もうとっくに閉山しているはずなんだけど…まあ、でも、たまにこういうこともあるらしい。どうやら、現地のコレクターや許可を得た採掘チームが新しい鉱脈やポケットを発見し、限定的な再発掘を行なっているみたいだ。今回、ほたみねさんがずらっと並べたラバール産のフローライトは2025〜2026年にかけて産出されたおニューなものだという。ちなみに、上の石は速攻で売れたようだ。わしもラバール産のフローライトを一個持っているが、それに比べると、この青蛍はずいぶんと淡い空色が特徴的。薄ければ薄いほどいいという人にとっては、たまらなく愛しいのではないか。また、動画配信の前に店主がこの石につけたコメントもなかなかチャーミング。共鳴する人もきっといるのではないかと思い、一部カットした上でコピーしてみた。「この空色が店主を狂わせる…!あああ最高です…!!澄んだ空色の蛍石は、店主が石沼に落ちるきっかけとなったもので、とても思い入れが深いです。それはLa Barre鉱山の蛍石ではなく、7歳くらいの頃に買ったイリノイ州の八面体フローライトでしたが、この空の色に魅入られたといいますか。心揺さぶられる色なのです。」店主の鉱物愛がストレートに伝わってくるようで、なんかとってもいいなあ。それにしてもだ。ふつう、7歳の少女がイリノイ州の八面体フローライトを買うか? めっちゃ早熟じゃん。 笑やっぱ、こういう筋金入りの愛好者が将来鉱物屋(いしや)になるんだろうな。いや、そういう人にこそ、鉱物屋になってほしい。この話、プチ気に入った。気に入ったついでに、いつかどこかで使いたいと思っていたバシュラールの文を、その7歳の頃の少女にプレゼントしよう。(「サファイア」を「フローライト」に、「空の紺碧」を「澄んだ空色」に置き換えて読んでね。)「諸君はサファイアの青をあたかも石が空の紺碧を集めたかのように、《大気的に》夢見ることができる。」(『空と夢』ガストン・バシュラール著 宇佐見英治訳 )イリノイ州 Cave-in-Rock 産 八面体フローライト エヌズミネラルよりわしが持っているラバール産フローライトペンライトの光を当てて、明るめに写してみた。
2026.09.08
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