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12月17日(火)松田理奈のコンサートに行ってきました(紀尾井ホール)。 ・モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第33番、ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番、ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ「遺作」、ヴァイオリン・ソナタ、ツィガーヌ(清水和音) 今年最後のコンサートです。 本調子ではなかったようで、音に今一つ魅力が感じられませんでした。また、線が細い上にアプローチが淡白なことから、伝わり方がどうしても弱くなってしまい、紀尾井ホールでありながら届いて来ませんでした。本来意欲的な構成となっている後半のラヴェルを聴かない手は無いのですが、残念ながらブラームスをもって今年の聴き納めとさせて頂きました。
2019年12月17日
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12月15日(日)大阪フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました(ザ・シンフォニーホール)。 ・アンダーソン:クリスマス・フェスティバル、ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」(高橋絵理、小川明子、西村 悟、デニス・ビシュニャ、大阪フィルハーモニー合唱団) とつとつと語りかけて来るような第九でした。 どちらかと言うと重々しく、緊迫感、緊張感に包まれて厳かとも言えるのですが、音楽の流れに淀み、揺らぎが一切無く「重たさ」を感じさせないのが不思議なところです。局所的な変動を除いて全体的にテンポはほとんど動かさないのですが、このテンポ設定が実に素晴らしいのです。普通であれば一本調子であったり単調になりがちですが、そんなことは一切なく、絶妙なバランス感と構成力で極めて高い音楽性を感じさせるのです。特に2楽章の配合は絶品でした。ソリストは高橋と西村が存在感を示し、合唱は至って普通、オケは健闘も綻びが目立ちましたが、総合的には非常に満足度の高い演奏でした。ザ・シンフォニーホールデビューでしたが、舞台が近く親近感と言うか一体感があって良いホール、質の高いオーディエンスでした。 今年になってコンサートに本格参戦した訳ですが、最大の収穫は間違い無くマエストロ井上道義との出会いでありました。
2019年12月15日
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12月14日(土)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(東京芸術劇場)。・リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲、リスト:ピアノ協奏曲第1番(ダニエル・ハリトーノフ)、チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」今日の一押しはハリトーノフのリストです。カサドはタクトを持たずに体全体で表現するタイプながら指示は結構細かく出していました。スペイン奇想曲はまとまりがある演奏で個人技も含めオケの質の高さが感じられましたが、全体的には至って普通でした。ハリトーノフはテクニックが凄かったです。見た目は大柄でグイグイ押してきそうなイメージなのですが、思ったより打鍵は強くなく、濁らず滑らかかつクリアに音が聴こえて来るので、このコンチェルトを堪能できました。ゴーダのテンポの速さも今までに経験の無いほどだったのですが、ダイナミックかつ明快に弾ききり見事でした。アンコール(ショパン:練習曲作品10-4)も物凄いスピードで駆け抜けましたが、こちらはあまりクリアさは無く、今の彼にはリストの方がより聴き応えを感じました。後半のチャイコフスキーは陽陰で言えば陽なのですが、活き活きした印象はなく、表現のレンジが狭くやや平坦に聴こえました。また、各フレーズへの踏み込みも淡白で、全体的に音楽が軽い印象を受けました。オケは善戦しており各パートは良かったのですが、先週ゲルギエフの超名演を聴いた直後だったこともあり、最後まで退屈感が拭い去れませんでした。
2019年12月14日
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12月7日(土)マリインスキー歌劇場管弦楽団のコンサートに行ってきました(東京文化会館)。・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番(藤田真央)、交響曲第5番藤田真央圧巻でした!!当初コンチェルトを弾く予定だったセルゲイ・ババヤンは、主催者の発表で「本人の都合により出演ができなくなりました」とのことで急遽藤田真央に変更となりました。ババヤンの来日リサイタルは予定通りのようなので健康上の理由では無いものと推測されます。キャンセル魔として有名だったミケランジェリでさえ協奏曲をキャンセルするのは稀であったと聞きますが(事実私もミケランジェリのリサイタルは運悪く全てキャンセルとなりましたが、協奏曲は無事実演に接する機会がありました)、今回のキャンセルは何らかのトラブルが発生した等のよんどころない理由があったということなのでしょうか?。藤田は重々しさはないのですが決して軽いと言う訳ではなく、音に暖かみがあって心地の良いピアノです。明らかにこの若手が主導する形で進行していく中、テクニックは申し分ないばかりか全く機械的ではなく、情感豊かかつ冷静、明快明晰で見事なパフォーマンスを見せました。直前の代役起用でこの大曲をどう仕上げてくるのか注目していたのですが、「仕上げる」とは極めて失礼な表現であると猛省したほどの驚異的な完成度を示し、唖然とさせられた程でした。加えて、2楽章で抜群の存在感を見せたヴァイオリンとチェロのソロをはじめ伴奏の質の高さも申し分なく、私がこれまで聴いたピアノ・コンチェルトにおいては最も強く印象に残った実演となったのです。ゲルギエフのチャイ5は過去に何回か聴いているのですが、4楽章を除いて「こんなんだったかな~?」と何度も自分の記憶に問いかけました。テンポの動きが目まぐるしく、落とすところは極端に遅くすることでより強調を際立たせる等、以前にも増して個性的な印象でした。先日の「悲愴」ではそのような印象を受けなかったことから余計強く感じたのかもしれませんが、正直一部にややくどさを感じました。しかしながら、オケは2楽章のホルンが頼りなった等の些末な綻びはありましたが、一貫して安定した力量を発揮したことで細部への拘りを包み込み、全体的には聴き応えがあり満足度が高いパフォーマンスでした。
2019年12月07日
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12月6日(金)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(NHKホール)。・メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」序曲、グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲(ニキータ・ボリソグレブスキー)、ベルリオーズ:幻想交響曲まずは序曲。マテウスは端正でかっちりした音楽造りです。ただ、少しかっちり感が強めで流れのスムーズさを削いでいる印象で、躍動感が出てきていませんでした。気のせいだとは思いますが、何となくオケも演奏しづらそうに見えました。ボリソグレブスキーは線は細めで滑らかさはあるのですが、音のクリアさが不十分で残念ながら届いて来ませんでした。何か、もやもやしている内にこの短いコンチェルトが終わってしまった印象でした。後半の幻想交響曲です。全体的な印象はメンデルスゾーンと変わらずかっちりしているのですが、随所に特徴的な表現が見られました。目立ったヴァイオリンの抑制や木管の大胆な強調、2楽章のトランペットの強調、5楽章の荒ぶれたような木管の跳ねさせ等々。チャレンジングとも言えるのですが、効果的とは受け止められなかったのが正直なところです。場面場面を最大限表現しようとしている意図は伝わってくのですが、やや一貫性に欠けると言うか軸がぶれてしまっている印象でした。しかし、刺激的であった事は間違いなく、マテウスが今後どのように飛躍していくのか大きく興味を持ちました。
2019年12月07日
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12月5日(木)マリインスキー歌劇場管弦楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」、ロココの主題による変奏曲(アレクサンドル・ブズロフ)、交響曲第6番「悲愴」やはりロシア物は鉄板でした。ゲルギエフが名を知られるようになって間もない頃のインパクトが凄まじかったことを鮮明に覚えているのですが、一時期新鮮さも薄れややマンネリ感やオーバーワークによる疲れからか精彩を欠いているように感じられたことがあって、しばらく聴いていませんでした。今回も超過密スケジュールと演目の多さに正直強い不安を抱えて臨んだのですが、全くの杞憂でした。まずは「ロココ」から。ブズロフは音に深みと伸びがあるのに加えて、従来のロシア系チェリストとはちょっとイメージが違いソフトで暖かみがありました。スケール感もあり、聴き応えがある素晴らしいチェロでした。「悲愴」は指揮者、オケともに十八番、大げさに言えば目をつぶっていても出来る演目だけあって、文句のつけどころはありませんでした。3楽章までは速めのテンポでうねりを織り混ぜながら畳みかけ、4楽章はゆったりと深く歌い上げていくまさに「ゲルギエフの悲愴」でした。終曲時は計っていないので正確ではありませんが、1分程静寂のまま拍手が起きず息が詰まりそうになるほど緊迫、気迫の感じられる演奏でした。ですが、今日の主役は「悲愴」ではなく間違いなく「冬の日の幻想」でした。ゲルギエフがスコアを食い入るように見つめながら寸分の隙も見せず緻密に運んでいく構成力は見事としか言いようがなく、終始集中力と緊迫感が持続されていました。ゲルギエフらしさという意味では「悲愴」に軍配が上がりますが、オケも熟成された響きで尖ったところがなく安定感抜群で圧倒的な出来栄えでした。特に1,2楽章は痺れました。1曲目にして聴き手の集中力はほぼ全て持って行かれる程の引き込まれ様だったように、全体を通しても極めて満足度が高く、総合的に見て今年のベスト・コンサートでした。
2019年12月05日
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12月4日(水)ヴィキングル・オラフソンのコンサートに行ってきました(紀尾井ホール)。・ラモー:クラヴサン曲集組曲ホ短調より、クラヴサン曲集組曲ニ長調より、ドビュッシー:スティリー風タランテッラ、雪は踊っている、雪の上の足跡、オンディーヌ、ピアノのために、ヒースの茂る荒れ地、ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」ラモー、ドビュッシーは凄演でした!前半はラモーとドビュッシーを一部織り混ぜながら通して演奏されたのですが、凛とした雰囲気の中緊迫感のある見事なパフォーマンスでした。オラフソンは繊細で何とも柔らかいタッチで、更に音色は暖かみがありました。ピアノを弾いていると言うよりは、内面から音楽が溢れ出してくるようなイメージで、作為的であったりぎこちなさは微塵もなく極めて自然でした。音の強弱を相当細かく変化させているのですが、自然な色合いに仕上がっているのが驚異的で、それが躍動感やきらびやかな印象につながっていて極上の空間を導き出していました。ラモーとドビュッシーの融和も妙で、何とも魅力的な演奏でした。 後半の「展覧会の絵」は、「ヒース・・・」に続けて終音が残っているうちに始まったのですが、プロムナードがドビュッシーの雰囲気を引き継いで弱いトーンで幕開けしました。それ以後は低音部の強打とペダルの多用が凄まじく、激しく濁っておどろおどろしいほどでした。前半とは打って変わってテクニカルで、やや力任せの印象だったのに加えて技術的にも綻びが目立ったことから、残るものもなく残念でした。前後半があまりにも対象的だったことから、どう受け止めてよいのやら混乱気味に会場を後にしました。
2019年12月04日
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12月1日(日)エマニュエル・チェクナヴォリアンのコンサートに行ってきました(HAKUJU HALL)。・バッハ:ヴァイオリン・ソナタBWV1016、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」、ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番、クライスラー:ウィーン風狂想的幻想曲、シューベルト:華麗なるロンド(マリオ・ヘリング)物凄い24歳でした。チェクナヴォリアンは元々体をあまり動かさないのですが、体とヴァイオリンの角度がこんなにぶれないヴァイオリニストを初めて見ました。線がしっかりしていてかつ伸びやか、艶やかで、雑味や曇りがなく非常に美しい音がストレートに迫って来ました。前半のバッハは明る目の音色がマッチ感という意味ではやや疑問であったし、ベートーヴェンは全体的にテンポがやや速めの進行で表現の一部に物足りなさを感じる場面も見られましたが、高音部の質の高さが際立っていてバッハ3楽章とベートーヴェン4楽章が特に素晴らしかったです。後半はやや一本調子に感じさせる部分もありましたが、相変わらずそれを補って余りある素晴らしい音に圧倒されました。どれも熱演だったのですが、中でも冷静ながら情感豊かに表現していて深みがあったブラームスが強く印象に残りました。先日の読響との共演で聴いたシベコンも含めて高い才能を感じたことから、今後の飛躍が期待できる逸材として注目していきたいと思います。
2019年12月01日
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