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大河ドラマで爆走中の山本勘助は、信州にいくつかの城を築いた。小諸城もその1つで、ここに「鏡石」という石がポツンと置かれている。勘助が、自分の顔をここに映したそうな。 勘助という人物は、あまり信憑性のない語り草の上で生きてきた。だから、この鏡石のいわれにも疑問が残る。 ところがどっこい。昨年来、怒涛のように押し寄せる「風林火山」の経済津波は、小諸城に残されたこの石をも洗い清め、なんと「鏡石クッキー」なるお土産を作り出した。炭が使用されているとのことだが、お味の方は...。 歴史的な信憑性のない人物に、どこか通じる味である。 さて、これも信憑性のない話だが、映画やドラマと違い、勘助は醜い顔であったらしい。このクッキーを食べて、通常の鏡に顔を映し出すと、ほぼ勘助並みの顔を見ることができる、という説もある。
2007.03.31
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まち外れの集落に、かなりレトロな建物が残っている。少子高齢化の波と、よろず屋商店激減の波にさらされ、この建物は経済の塩っ辛い渦潮に飲み込まれてしまった。 ここは、数年前まで特定郵便局だった。丸型ポストの風情と、キャッシュコーナーの近代的な設備が、歴史の流れを同時に伝える代物である。倒壊もせず、取り壊しもせず、人の匂いのする痕跡だけが微妙に風化している。柱や床のほこりっぽさが、土器や化石に成長する前の産声にさえ感じてしまう。 建物の裏側は、特定郵便局だけあって普通の住居のよう。と、雨どいを見てびっくり。郵便局のマークがくっきりと刻まれていた。 「郵政民営化」なる単語も、このところすっかり聞かなくなった。人も言葉も、郵便局も、時間の中にそっと足跡を残す生き物なのだ。諸行無常。雨どいに残された郵便マークだけは、かすかなプライドを誇示している。
2007.03.30
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日本酒の「ぬる燗」のことを、中京から関西にかけては「どん燗」というらしい。行き着けの小料理Aで、女将さんのS子ちゃんに教えてもらった。以来僕は、「どん燗ちょうだい」で通している。信州では「どん燗」などという言い方はしないが、なんとなく言葉の響きが好きになってしまった。 青い二重マルがついた杯は冷酒とか冷酒に合うけど、「どん燗」を美味しく受け止めるには、それなりのぐい呑みが必要だ。僕がこの店で常用しているぐい飲みを紹介しよう。 「どん燗」との相性はバツグン。縁が厚いところと薄いところがあって、舌触りも良い。若干斜めになっているので、酒の流し込みがスムーズなのである。 このぐい呑みは、この店の大将Iちゃんにプレゼントしてもらった逸品。「どん燗」を頼むと、このぐい呑みを出してくれることになっている。 今夜も「Iちゃん、どん燗1本ね」と注文。が、後部座席のお客さんが、おかしな目つきで僕を見ている。きっと、「店の人に向かって『鈍感』はないだろう」と思っているに違いない。この鈍感め!
2007.03.29
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春っぽくなってきたので、頭の中のつぼみもふくらんできた。このところ結構忙しいので、誰かとバカッ話にでも花を咲かせよう。塾講師のMちゃんを誘い、居酒屋経由でバーに行く。今夜はギムレットをいただこう。 Mちゃんは、とてもおとなしい旦那さんと結婚し、幸せな人生を送っている。が、その過去は決して明るいものではなかった。実家がまちの繁華街にあるので、小さな頃から酔っ払いと付き合ってきたという不幸せな過去を持つ。 例えば、愛犬にまつわる物語の数々からも、彼女を取り巻いていた環境の複雑さを察することができる。毎晩餌を与えてくれる酔っ払いとか、頼んでもいないのに愛犬を散歩させてくれる酔っ払い。挙句の果てには、愛犬から強奪した犬小屋で寝ている酔っ払いなど、もらい泣きするエピソードは数知れない。 そんな彼女も大人になって、今では立派な酔っ払いに成長。嫌いな食べ物は、なぜかカレーライスである。
2007.03.28
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必ず買う雑誌であれば、定期購読をお勧めする。わざわざ本屋さんに行かなくて済むし、買い忘れが防げるからだ。僕が定期購読している雑誌は、ちょいと背伸びした壮年レベルの「サライ」と、釣り人の心をくすぐる「月間つり人」である。 時々、本屋のおじさんは発行日からずいぶんと経って配達してくれるが、それはそれ、で我慢している。 僕の定期購読歴は、幼稚園時代にさかのぼる。「たのしいようちえん」は最古の記憶。僕は幼稚園だったけど、隣の家のHちゃんは保育園だったので、この本を見ては「たのしいほいくえん」と言っては指差していたので、僕にもらったひっかき傷が絶えなかった。学研の「科学と学習」とか、「蛍雪時代」とかも読んだけど、面白過ぎてページをめくるのが苦痛だった。 この「つり人」は、隅々まで目を通すことはないけど、自分が釣り人だということを毎月証明してくれているようで、やめられない。おかげで、本棚の下で2mを超える列を作るまでに成長。たまーに崩れては、大きな音を立てて「つり人ここにあり」をアピールしている。
2007.03.27
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行者ニンニクとの初めての出会いは、黒部川上流を2泊3日で遡行した時だった。もう、10年近く前の夏のことだ。山道に自生している行者ニンニクを採り、満天の星空の下で特製味噌汁の具にした。いっしょに行った郵便局長さんが、「かっちゃん、今夜は眠れないぜ。同行の女性にちょっかい出すなよ」と忠告されたことを覚えている。 以来、何度かこの山菜を食べてきたが、独特の香りがあの時の光景を思い出させてくれる。 夕方、通称「へべれけレンジャー」と「同じく伊坂重蔵」から電話。「かっちゃんさん、今夜一杯やろうよ」という勧誘だった。 Iちゃんの店に行くと、ドーンと出てきたのが山菜の天ぷらだった。案の定、女将のS子ちゃんが「かっちゃん、今晩は眠れないわよ」と耳打ちする。おいおい、そんなに精をつけさせてどうするつもり? 行者ニンニクは色々な食べ方があるけど、天ぷらは最高だ。香りと旨味が衣にギュッと仕舞われている。脳裏をよぎるのは満天の星空。この美味さを讃えて「行者ニンニク座」なる星座を作ってみたい気分になる。 満天の星空から一転、下界に降りると目の前にいるのは飲み仲間の面々。せっかく夜空に輝いていた「行者ニンニク座」が、旅芸人の「行者ニンニク一座でござーい」みたいな雰囲気に飲み込まれる。うーん、眠れそうにない。
2007.03.26
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山梨県韮崎市から長野県佐久市までを一晩かけて歩く「佐久市強歩大会」は、結構過酷なイベントである。韮崎市から1000m登って700m下るという標高差と、20℃近い温度差、全長78kmという道のりが立ちはだかる。 去年、僕はこの大会に出場した。友人、知人、家族までを「どうしたの?」と驚かせた。誰が見ても、僕はそんな「根性」系の人間ではない。なぜか。それまでは「そんな大会」程度に思っていたのだが、いつしか「そんな大会」にさえ参加していない自分が、情けなく思えたからだ。 桜が散り始めた暖かな韮崎市をスタート。1000人近くいた出場者の最後尾を歩いた。最高地点の清里付近で、いきなり雪が降ってきた。思った以上に「そんな大会」は手ごわい。結局、最後尾を余裕で歩いていたことでチェックポイントの通過制限時間に間に合わず、TKO負け。残り11kmの地点だった。これが、その時の僕のゼッケンである。 この前、主催する佐久市から参加申込書が届いた。4月中旬に行う大会の申し込み期限が迫っていたが、僕は参加を取りやめた。後輩A君に、「今年は僕が出場して、かっちゃんさんの借りを返してきます」と言われたからだ。 そんなA君に、僕は昨年使った靴ずれ防止パッドや寒さに耐えるインナーを渡した。「頑張れA君、だけどこれだけは言っておく。絶対に完歩するな!」
2007.03.25
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仲間内に好評の「ふれあい場末飲み屋ツアー2007春~お宅営業してますか?~」の第2弾は、国道沿いのホコリっぽい空間に埋もれているK食堂にする。駐車スペースは5台ほど。本当はもっと停められるのだが、食堂の自家用車や既に心肺停止状態のトラックがあるため、お客さんの入店を無言で阻害している。この駐車場の隅にプレハブ風の屋外トイレがあって、入店まで間に合わない人々の憩いの場になっている。 さて、この食堂は店内のディスプレイが実に味わい深い。中央に構える石油ストーブ、カラーボックスに詰まれた少年マンガ、無造作に飾られたサボテンのような植物...。 その中でも僕の目をクギ付けにしたのが、店内の隅に置かれたテーブルである。1つのテーブルに4つのイスがあるのだが、壁際のイスはテーブルと壁に挟まれ、どう見ても人が座れない。不要なようでいて、それでも「収まりがいいから」程度の妥協が見え隠れしている。 次に、西側の壁に貼られたカレンダーである。取引先に年の暮れにいただいたであろうカレンダーが、キッチリと飾られている。先ほどのテーブルとは打って変わり、見事なまでの心遣いだ。「今日は何日、何曜日だっけ?」なんて時に、カレンダーの的をしぼる楽しみが増えようというものだ。 僕が注文したのは「チャーシューメン」(550円)である。この店の造りをそのまま味にしたようなラーメンだった。いっしょに入店した僕の後輩2人もラーメンを注文したが、「かっちゃんさん、まあまあってとこですね」。 僕らの入店後、「相模」ナンバーのおじいさんと、生ビールの後でラーメンとチャーハンを食べたおじさん、店に入るなり週刊誌を2冊抱えて窓際の席についた営業マンみたいな人が続いた。勇気なくして入店できない場末食堂に、すっかり溶け込む人々の姿が実にまぶしかった。
2007.03.24
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南米アマゾンの原生林に、モノハチョウというチョウが生息しているらしい。ちょいと立ち寄った飲食店の壁に、このチョウの羽根を巧みに配列した作品が飾ってあった。 メタリックブルーの羽根は、角度を変えて見ると様々な色に変化する。燐粉の結晶が、死に絶えたチョウを生き返らせている。うちの母親にどこか共通している。 子どもの頃、カブトムシの標本を作ろうと思っていた時期があった。でも、死んでしまったカブトムシに興味が持てず、お墓を作る方に勤しんだ。もともと、死に絶えたものに魅かれない性格なのだ。釣った魚も、生きているから輝く。だから、このチョウの作品はとても美しいけど、どこか命の息吹が感じられず、ワクワクしない。作品を見て、ジャングルの中を飛び回る青い羽根を、つい想像してしまうのだ。 そういえば、「赤い羽根募金」とか「緑の羽根募金」とかって、今でもやっているのかな?きれいなチョウを育む募金制度があれば、「青い羽根募金」なんていうのもいいかも。本末転倒なところが、この企画の真骨チョウです。
2007.03.23
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浅間山の登山口で温泉宿を営むY君によると、山菜は採りたてが一番美味いという。例えば、ウドはあらかじめ味噌を持参し、採ったウドの皮をナイフで剥いてその場で食べると「最高ですよ」という。なんて贅沢なんだ。今年の山菜採りには味噌とかマヨネーズとか持参してみよう。 今夜の宴席。うっかりそんな話を聞いてしまったので、僕は無償に山のモノが食べたくなった。居酒屋Sのメニューに、「タケノコ」が顔を出している。まんまと決定。 焼いたタケノコを、ふき味噌で食べる。タケノコの香りとふきの香りが混ざり合う。酒が進まないわけがない。食感は「シャキッ、グニュッ」である。来る山菜採りに、ふき味噌を持参するのもいいかも。芽吹きの山中で、「シャキッ、グニュッ」を再現しちゃうぞ。 そんなこんなで飲み過ぎる。グニュッとしている自分を、明日の朝までにシャキッとしなければならない。
2007.03.22
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昼間はお食事処Y館の主として働いているKさんは、夜になると 焼き鳥Tの主になる。家の近所にある焼き鳥屋なので、ちょくちょく飲みに行くが、たまに面白いメニューをサービスしてくれるのでうれしい。 先輩Nさんとカウンターを陣取った今夜は、「乾麺のそば」が出てきた。KさんはY館で手打ちそばを出しているが、「今夜は本格的なそばじゃなくて、家庭でできる美味しい乾麺そばってところかな?」と言っている。 ポイントは、そばつゆに入れた生卵である。温かいそばに卵を乗せた「月見そば」があるんだから、冷たいそばでも合わないわけがない。ご家庭でも、ぜひご賞味あれ。 ところで、今夜の店には酔っ払い親父が大集合。地区内の道路清掃や河川清掃ついでに、「僕とNさんで酔っ払い清掃を実施するぞ」と親父さんたちに通達。「良いアイデアだが、自分の首を絞めないように」とエールを送られる。
2007.03.21
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玄関前の石段の陰に、ふきのとうが1つ顔を出していた。思い起こせば、去年の夏、ここにふきの葉が茂っていた。 これが、庭の土手とか近くの空き地にあったなら、僕はきっと採取していたに違いない。採りたてのふきのとうは、香りも強いし苦味も強い。酒の肴には持って来いだ。が、玄関先に出てきたので、採る気になれないでいる。毎朝、ここを通る楽しみができたようで、何となくうれしくなっている。 もう少しすると、この玄関先の植え込みにはナズナが生えてくる。あれも、酒の肴になるのだ。春の肴が、次々と土の中から湧いてくる時期になったんだ。お酒は湧いてはこないけど。
2007.03.20
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昨年開店した中華料理Mは、畑に囲まれた郊外にある。本格中華の売り込みが自信ありげ。先輩・U女史に誘われ、初めて足を踏み入れる。 本格中華と言えども、僕はほかの店と比較したくなって、「五目ラーメン」と「半チャーハン」を注文する。ラーメンが失敗した場合、チャーハンの「半」がそれをフォローしてくれるかもしれないし、チャーハンは中華料理の基本だと聞いたことがあるからだ。 いきなり、自分の失敗に気付く。実は、僕は猫舌なのだ。「五目ラーメン」は、ネットリとしたあんかけラーメンで、温度が下がりにくい。「ウー」とうなったままラーメンをにらみ付け、僕は「半チャーハン」から「フオッ、フオッ」と食べるしかない。冷ましながら食べたので、今ひとつ味がわからなかった。 ちなみに、U女史が食べたのは「すっぱ辛ラーメン」。 本人は「美味いよ、これ」と汗をかきかき喜んでいる。彼女は、ホットコーヒーに氷を入れて飲むほどの猫舌女だが、「すっぱ辛ラーメン」は、舌の上ではなく胃袋で熱さを感じる一品だったらしい。
2007.03.19
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朝食抜きのままランチタイムを迎えた理由は、夜遅くまで飲んでいたからだった。熱燗で飛ばし過ぎたのが問題だ。冬に逆戻りした最近の天候が、灯油の消費量を上げるようにアルコール摂取量を後押ししている。 昨夜お世話になった先輩Oさんの御食事処Mに、昼食を食べに行く。店に入るなりOさんに、「先ほどはどうも」と挨拶を受ける。 朝食の分も蓄えようと、ラーメンとミニ焼肉丼をお願いする。 考えてみれば、若干の酒が残っているのを忘れていた。それでなくても、Oさんの店は量が多い。「ミニ」であっても、通常の店のボリュームに近いのだ。これだけの量を食べきるには、ちょいと気合を入れないといけない。 ムリして食べたからか、二日酔いは解消したが、お腹がいっぱいで動けない。昨夜と同じように「フーッ」とため息をつきながらのツライ顔で店を出ることに。さながら、産婦人科を出てきた出産間近のご婦人か、荒行を終えた修行僧のような気分である。
2007.03.18
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「営業中」の看板を見ることが少ないラーメン屋Kは、数百km西に移動した信州でも「本場喜多方ラーメン」を看板にしている。オープンしてかれこれ5、6年。開店後は駐車場が混雑していたけれど、今ではアスファルトのすき間からペンペン草が顔を出し、冷たい北風に揺れている。こんな店こそ、勇気を振り絞って入ってみたい。先輩U女史を誘い、入店する。 醤油、味噌、塩の3種類で、それぞれに「チャーシュー」や「ネギ」といったメニューがある。麺は太麺と細麺を選べる。僕は「味噌チャーシュー」、U女史は「醤油チャーシュー」で、大冒険を敢行する。 ラーメンがテーブルに乗る。さて、「味噌チャーシュー」の味はどうかな? ...。まるで、しょうゆのような味付け。ずいぶんアッサリしている味噌スープに驚く。見た感じは醤油ラーメン。喜多方に味噌ってのは、こんなに薄味なのか。ずいぶん風変わりな喜多方ラーメンだ。 と、U女史が「あーっ、あたしのラーメン味噌味なんだけど!」とデカイ声を張り上げる。いかん、僕が食べていたのは「味噌チャーシュー」ではなく、「醤油チャーシュー」だったのだ。喜多方ラーメンに、とんだ味噌をつけてしまった。
2007.03.17
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先輩のYさんが、京都旅行から帰ってきた。「歳をとった母親と、今後いつ旅行に行けるかわからないから」と、群馬の実家のお母さんとお姉さんを連れだったという。春を待つ古都の旅のお土産に、ちりめんじゃこをもらった。 「女性は、母親と仲がいい」という話をよく聞く。男ではこうはいかない。この時期の京都は寒かったに違いないけど、きっと温かな思い出を刻んできたのだろう。 ちりめんじゃこは、酒の肴にもなるけど、お茶漬けにして食べると最高だ。素朴で飾り気がないのに、深い味わいが隠れている。Yさんとお母さん、お姉さんはそれぞれの人生を歩みつつも、時折寄り添っては親子の味わいを深めている。 人生の旨味を増すためには、ちりめんじゃこのように噛み締め方が大切なんだな。
2007.03.16
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隣町に住む友人Rちゃんは、何の根拠もないのに「牛飼いRちゃん」と呼ばれている。牛を飼育しているわけでもないし、ウシ年生まれでもないのに、独特の風貌が「牛を飼っているに違いない」と思わせている。 30代半ばに差し掛かった女性に対して、「そんなヒドイことを」と思われる人も多かろうが、彼女自身は「あたしって、どーして牛飼いと間違われるんでしょうねぇ、ウハハハハッ」と、いつも腹筋から笑い声を響かせている。 そんなRちゃんが、青森を旅した。4泊5日のバス旅行だという。本人は、「婚前旅行ということにしておいてください。ウハッ、ウハハハハッ」と言い置きをしたが、送り出した友人たちは、「Rちゃんは牛の買い付けに行くらしい」と信じ切っていた。 今日、Rちゃんが青森の旅から帰ってきた。「青森は吹雪で大変でした。日頃の行いがよろしいようで。ウハッ、ウハハハハッ」と、相変わらず腹筋から笑い声を発している。地図帳を広げ、「ウハハハハッ、あたし、ここに行って来たんですよ、ウハッ」と指さしたのは、つがる市やむつ市、大間町だった。おみやげは、「大間本まぐろサブレー」だった。 「サブレ」ではなく、「サブレー」というところが青森らしさ。Rちゃんならではのチョイスである。さっくり香ばしいこのサブレーには、なんと本マグロが入っている。買った張本人のRちゃんでさえ、なぜか「えっ?本当にマグロ入っているんですか?ウハッ、ウハッ」と腹筋で驚いている。 Rちゃんは、恐山のイタコに興味を抱いていたらしい。が、厳冬の恐山は「入山禁止」で、憧れのイタコには合わずじまいだったそうな。「今度は、牛ではなくてイタコの買い付けに行って来ようかな。ウハハハハッ」。Rちゃんの泣き声が、腹筋からしぼり出される。Rちゃんの顔が、イタコに見えた。
2007.03.15
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ほっかほか亭を切り盛りするMちゃんは、大層な体つきで友人、知人を魅了している。朝から晩まで忙しい彼女だが、この体格を維持できるのは、「残り物のお弁当を処理しているから」との見方が大勢を占めている。 Mちゃんは、とても気の利く女性で、小宴会でオードブルを注文したりする時、僕の好物のタコさんウインナーを特別に作ってくれたりする。 声が大きい。身体が大きい。目鼻立ちの作りが大きい他は、人に対して害はない。ただ、近くにいると気圧が急低下するので要注意。本人曰く「私は低気圧ガール」。酸欠に陥った身体を回復させるには、Mちゃんのお弁当が最適...という図式なのだ。
2007.03.14
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イタリアワインは奥が深い。フランスやチリワインとどこが違うのか。美味しいのか、美味しくないのかという点において、僕自身あんまりよくわからないという事実が、奥の深さを逆に証明している。 酒屋のK君が主催する「イタリアワインの夕べ」なるイベントに誘われた。 会場はフランス料理店。コース料理と何種類かのイタリアワインを楽しむイベントだ。今夜は白3種類、赤4種類が登場。その都度K君に「もう1杯ちょうだい」とおねだりしていたので、さすがにビンテージなんかどうでもよくなる。 イタリア語は、特有の「...ッレルロ」とか「...ネッリ」みたいな、小さな「ッ」の間隔が難しい。ワイングラスをズラリと並べて暴飲したけれど、今ひとつじょう舌になれない理由がここにある。 今回のイベントには、「主人を留守番させて、泊まりがけで安曇野から来ました」という謎の女性も同席。どのワインを飲んでも「バターの味がするわ」と主張していた。ワイン同様、人間の味覚の奥深さも実感する。
2007.03.13
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山国信州は、海の幸を加工して食べる。鮮魚なんて代物は、今でさえ高速道でビュンと運べるけれど、山越え谷越えの道が新鮮な海の幸を受け入れなかった。塩や味噌漬け、干物に姿を変えた魚介類が、山国の人にとっての「海の幸」だったのだ。 それでも、加工品ならではの美味さを誇る品物もある。僕の大好物・マグロの粕漬けはその代表格だ。ステーキのような歯ごたえと、酒粕の相性がバツグン。硬過ぎず柔らか過ぎず焼く。酒粕に焼き目が付いているところが最高で、この食材のメインイベントとして僕は位置付けている。 僕が住む地方のスーパーには、たいてい並んでいる。ほかの魚に比べると、ちょっと値段が高い家庭の味である。で、市内で唯一、マグロの粕漬けをメニューに取り入れている食堂が、先輩Oさんが経営するお食事処Mである。昼でも夜でも飲める店で、僕は頻繁に酒の肴として注文する。1枚350円。 今夜は、1皿では足りずに2皿目を「焦げるっくらいに焼いてね」と注文。マグロの粕漬けの姿を思い浮かべながら、至福の熱燗をいただく。と、熱燗が冷たくなり始める。 「Oさん、マグロまだっすか?」 「いっけね、忘れてた!」 グリルの中で黒こげになったマグロの粕漬けは、「本日最後の1枚でした...」。
2007.03.12
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念願の「ふれあい場末飲み屋ツアー2007春~お宅営業してますか?~」の第1弾は、S寿司になった。細い通り沿いにたたずむ怪しげな店構えが、僕の頭の中で「名店」と「迷店」の狭間をさまよっていたのだ。 間口は狭い。写真に写っているのはG君(スリーサイズは上から100、100、100)。彼も興味を持っていたらしい。仲間6人で勇気を出して暖簾をくぐる。 小あがりに席をとる。白樺の木でできた人形や、イセエビの剥製、無造作に飾られた造花が痛ましい。「とりあえず」の瓶ビールは、シャキシャキ鳴っている。絶妙に凍っているのだ。計算されたものかどうかは不明。 さて、肝心な寿司はこんな感じ。 見た感じは普通の寿司。強いて言えば、イクラとウニの軍艦巻きが目玉か。ツアー仲間が一口食べる。「うわっ」と言ったまま、視線が一点から動かない。 僕はエビからいってみる。表現するにはかなり難しい味と遭遇。酢飯が絶妙にネチャネチャしていて、いなり寿司から油揚げをはがしたような、隣のおばあちゃんが作ってくれた2日前の太巻きのような...。こんなに不味い寿司は食べたことがない。仲間の意見を集約すると、「こいつは、ちょっと...」だった。 カウンターには常連さんらしきお父さんが1人。ところが、髪結いMちゃんに言わせると「満席の日もあるから不思議でしょ」とのこと。味だけがこの店の売り物ではないようだ。いかにも、場末の王道をひた走るS寿司は、気付け薬代わりの熱燗がやたらすすんでしまった。
2007.03.11
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Y君の宿の朝食は、周辺の木々を見ながらゆっくりと楽しめる。僕らが食べ始めると、おばあちゃんチームがやって来る。敬老の意を表して「おはようございます」と声をかけると、しわがれ声の挨拶が返ってくる。山の宿の朝を、すがすがし迎える。 おばあちゃんチームの会話は、他愛のない内容だ。元気の良いおばあちゃんが、おとなしいおばあちゃんに何か言っているが、おとなしいおばあちゃんは言われていることに耳を貸さない。芯の強い明治生まれか、若干遅れた大正生まれの世代か。おばあちゃんたちの会話は、驚くほどかみ合わない。言葉づかいから、この地方の方々だと察する。 Y君の宿を出て、山道を降りる。こんな景色が続く。 おばあちゃんの白髪のような山並み。春は近い。
2007.03.10
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浅間山の登山口、Y君の温泉宿は、県道を折れて4kmの山道を行く。木々に囲まれた道は未舗装で、ノウサギやカモシカなんかが飛び出すこともある。スピードを出すと車が跳ねるので、ゆっくり、ゆっくり宿を目指す心構えが必要だ。 昨年秋に、マツタケの土瓶蒸しにKOされ、新年会で褐色の温泉にKOされたので、今回はマージャンでメンバーをKOしてやろうと仲間の1泊2日の宴会にやってきた。 玄関前に車を停めた時、女性グループの姿が見える。何の期待をするわけでもないが、腹筋からトキメキがわきあがる。が、腰の上から急角度で前傾姿勢になっている方々が何人かいて、老人クラブ系湯治ツアーだと確認。先ほどまでのトキメキは、浅間山上空へと抜けていった。 ここはひとつ、宴席で気を取り直そう。Y君の宿は、周辺で採れるキノコや山菜を食べさせてくれる。 フキ味噌やウドの和え物は、香りが命。ほろ苦さ中に、春を告げる植物の息吹が漂う。お子様にはわからない味。先ほど見かけたおばあちゃんたちにはわかる味だ。 絶品の馬刺し。行者ニンニクでいただく。これは精がつきそう。おばあちゃんたちも徹夜でマージャンができるぐらいのスタミナがつく。 宴会後、さっそくマージャン大会を挙行。午前3時までジャラジャラする。こたつ板のマージャン卓だと、長時間のマージャンはさすがに腰に来る。マージャンを終え、部屋に向かう僕の腰は、おばあちゃん並みに曲がっていた。
2007.03.09
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寿司屋で、いくつものネタを食べなくなった。美味しければ、量はさしたる問題にはならないのだ。それに、僕は飲む時あまり食べない。 今夜も、1カンだけを注文する。赤貝。湯ぶりの仕方がいい感じだ。 子どもの頃は、エビや、かんぴょう巻きばかり食べていた。当然、ワサビはぬき。今じゃコハダみたいなヒカリものや、アオヤギみたいな貝類、淡白なヒラメなんかが好きになってしまった。好みのネタって変わるもんだ。 さて、熱燗とつまみでチビチビやった今夜も、この赤貝でじゅうぶん。なのだが、いっしょに店に入ったクリーニング屋のK君は、「えっ、マジっすか?」と驚いている。もっと食べたいらしい。 以前、運送屋を営むM君とこの店に入った時も、締めはフグにぎりでお勘定。M君は今でもそのことを根に持っていて、「寿司屋でフグだけって、どういうことっすか!」と苦情を寄せてくる。 日本酒も米からできているから、寿司をつまみにたくさん飲むことができない。酒と寿司、どちらを選ぶかの分岐点で、僕の場合はどうしても酒の道を選んでしまうのである。
2007.03.08
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飲む気はなかったのに、赤ちょうちんを見たばかりに暖簾をくぐる。灯りに向かってすり寄る虫のようだと、我ながら不思議な習性を自覚する。 焼き鳥Tは、僕のように近くに住む虫のような人々がブンブン飛んでくる。カウンター5席、小あがり8席ほどの小さな構えが、虫たちにとっては心地よい宿り木なのだ。 大将のTさんは、そんな虫のような人々に、いつも1品を付けてくれる。今夜は焼きグリだった。 去年の秋に収穫されたクリは大分県産。なかなかの大きさである。これを、ホイルに包んで炭火で焼いてある。ちょいと味噌を塗ったところがオツだ。 「甘いものが苦手なかっちゃんでも、結構イケるでしょ」 「素材自体の甘さは気にならないし、穀物のつまみは酒に合うね」 焼き鳥だったら2、3本で帰ろうと思ったのに、季節はずれのクリの美味さが過ぎた酒を誘う。「シュッ、シュッ、酒」ってな具合の「熱燗殺虫剤」は、4、5本もあれば効果を発揮する。かっちゃん虫と隣り合わせたお兄さん虫は、クリに舌鼓を打ったばっかりに、たちまちコロリとやられる。無念。
2007.03.07
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後輩K君はクリーニング屋を営んでいる。この業界は結構忙しいらしく、朝は早い時で6時から、夜は8時過ぎまで働いている。彼はゲームを多少やる程度の無趣味人間だが、1日のメリハリを酒で保っている。 飲み始めると止まらなくなるのがクセで、小学生の娘が「行ってきまーす」と登校するのと同時に、「ただいまー」と朝帰りすることもある。そんな生活リズムなので、これまでに何回か家から閉め出され、クリーニング店の片隅で生活したこともある。 「着るものは毎日クリーニングできるし、洗い場で身体も洗えます」という、まるでナンキン虫のような生活を、彼はそれほど苦痛に感じていない。とても可哀想なのはK君の家族である。彼に反省を促そうと、飲みに誘った。 同級生D君の居酒屋で「タニシ味噌」を食べる。 D君は、田んぼよりも水の湧き出る場所のタニシを獲る。その方が泥臭くなくて美味しいそうな。でも、「最近はタニシが獲れなくて、場所を探すのに一苦労する」らしい。 タニシは、カタツムリみたいに家を背負って生活している。なので、家から締め出されることもない。「おいK君、おまえもタニシを見習って、家を背負って生活したらどうだ」と指導する。K君は、タニシのように閉口した。
2007.03.06
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結婚式でいただいた引き出物カタログを、ほったらかしにしていたことを思い出した。選ぶ楽しみはあんまりないけど、せっかくだから選定作業に入ろう。 ふむふむ、エステや英会話の体験チケットなんかもあるんだ、最近のは。募金を兼ねた商品もあるぞ。宝石っぽい貴金属系やキッチン用品なんかはお馴染みさんだな。あやしいブランドの時計とか小物なんかもあるけど、僕に似合いそうなものはないや。同じ価格帯でそろえているんだろうけど、「高級シルバーネックレス」と「スリッパ2P」が同レベルだとはとても思えない。どちらを選ぶかと問われて、「こんなスリッパほしかった!」なんてヤツがいたらお目にかかりたい。 ブツブツ言いながらも、僕は渓流釣り用のタモに決めた。 釣った魚をすくったりキャッチする時に使う道具だ。コンパクトに収納できるタイプなので、山歩きが伴う釣りには最適だ。川の流れに浸してビールを冷やすこともできるし、砂金集めにも活用できそう。頭にかぶってハダカ踊りをする時に盛り上がるぞ。 ちょっと前までは専用ハガキに記入して注文していたけど、今はインターネットで発注できる。買い物のありがたみって、結構薄れているんだな。
2007.03.05
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普段の酒の席で、僕は食べる量が少ない。酒の量が多いので、そんなにお腹に入らないし、美味しいものがあれば大して量はいらないのだ。 魚介類の肴で言うと、このわた、からすみ、うに、白子、くちこ、アンキモ、貝のワタ...みたいな珍味で充分な時が多い。 調理方法で言うと、干物、塩焼き、漬け、あぶり、練り、刺し、煮浸し、躍り食い...であればニコニコ将軍になる。 3次会まで突入した一昨夜の宴会の締めは、小料理Aだった。大層なカニが入ったらしい。越前ガニがドーンと出される。 ところが、僕はそれほどカニが好きではない。食べている時に会話はなくなるし、身を取り出す作業が苦手なのだ。たまに、殻のトゲで痛い思いをする時もあるし。 そんな時、Iちゃんが「かっちゃん、これどう?」と、カウンターの上に導入した魚の陳列ケースを指さす。キンメやキュウリウオなんかがズラリと並んでいる。僕はカワハギを指さして「これお願い」。カワハギはキモでいただくと最高だ。 4人の宴席は、カニ派とカワハギ派に分裂。コアな部分でいくと、ミソ派とキモ派の戦いになる。僕はキモ派の特攻隊長なので、カニに向かってグーパンチ。グーとチョキで僕が勝ち、勝利の美酒に酔いしれる。
2007.03.04
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ご近所にできた居酒屋Sは、若者向けのこ洒落た造りで、この店の名物は「トイレ」であるそうな。塾講師Mちゃんが情報を収集した結果、「一見の価値アリ」との結論に達し、のこのことトイレをのぞきに行く。 入口はこんな感じである。(塾講師Mちゃん撮影) 内部はこんな感じである。(塾講師Mちゃん撮影) 入れ墨のような風合いである。 トイレだけのぞいて帰る訳にはいかない。とりあえず、アルコールは「電気ブラン」。ブランデーやワインなどの酒がチャンポンされている。浅草のKバーで飲んで以来、僕はこの酒に親しみを感じている。肴は何にしよう。カツオのタタキなんかもいいな。...と、おかしなメニューを発見。はっ?カタタタキ? んー。これを注文しよう。 店員のおねえさんが注文を取りに来た時、「カタタタキ」をお願いしようと思い、ふとおねえさんの手を見る。唖然。手の甲には剛毛が生えそろっているではないか。こんな手でカタタタキされたら大変だ。恐る恐る「すごい毛ですね」と話しかけると、「えーっ、これは毛ではありません」と、ほっぺを膨らませて言う。マジマジと見たら、ペンで書いたメモだった。 うら若き女性に大変失礼なことを言ってしまったので、反省の意味を込めて「ニンニク揚げ」を食べる。カラッと揚げたニンニクは、緑色の毛に花を咲かせていた。
2007.03.03
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雪もさほど降らないのに、信州はすっかり小春日和。「梅は咲いたか桜はまだかいな」に歌われる時期になってしまった。季節の足音がちょっぴり急ぎ足になっている。 近所のリンゴの木。ふと見てみたら、つぼみが膨らんで、そろそろ花が咲きそうな気配になっていた。 雪が降ろうが降るまいが、縦横に根をはやした植物は、土やお日様と相談したうえで花の咲く時期を選んでいるのだ。リンゴの木が花を咲かせるのは、もうすぐだ。 「梅は咲いたか?」の歌を思い出したところで、せっかくだから我が家の女中犬・うめの鼻も撮影。 こっちの花は、寒かろうが暑かろうが、年中ヒクヒク動いている。僕はというと、釣りに行く時間が作れず、鼻をひくひくして涙ぐんでいる。
2007.03.02
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高校時代の友人D君が、居酒屋を切り盛りしていた事実を知ったのは、つい2日前だった。この店の前を何度も通りかかっていたのに、今までぜんぜん知らなかったのだ。その事実を教えてくれた幼なじみに誘われ、Hという居酒屋に行く。 D君は工業系の大学に進学したが、いろいろあって今はカウンターの向こう側にいる。客商売に向いているとは思えなかったけど、彼の場合は職業が人間の器を作ったのだろう。高校時代は子どものような顔つきだったD君が、立派な大人に成長していた。 D君の仕込んだ地鶏鍋をつつきながら、クラス会開催の話がまとまる。昔は、この鍋のように色々な仲間が同じ器の中でグツグツしていたのだ。まだまだ子どもだった頃を思い出しながら飲んでいたら愉快になって、いい歳した野郎3人はすっかり子ども返りしてしまう。で、ついついD君の自慢料理をカメラに収め忘れる。 ということで?昼食に食べたお弁当屋さんの「お子さまランチ」を撮る。 お子さま並みの量だと思いきやそうでもない。大人にも対応できる。子どもと大人の境目に苦しむのは、お弁当とて同じなのだ。
2007.03.01
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