勝手に映画批評

勝手に映画批評

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

クロサウルス

クロサウルス

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

あのですね@ Re[1]:スター・ウォーズ/最後のジェダイ(12/29) 王島将春さんへ エゼキエル書が書かれた当…
池永真義@ Re:バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(04/04) 映画批評、拝読しました。 私も学生時代…
仲嶺亜也菜@ Re:許されざる者(01/15) 仲嶺亜也菜 鶴田葵
今更ブログを見に来た男@ Re:宇宙兄弟(03/17) めちゃくちゃ同意しますね。本当に映画は…
背番号のないエースG @ Re:チャーリーとチョコレート工場(05/31) 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
2011.09.21
XML
カテゴリ: 戦争


監督 キャスリン・ビグロー
主演 ジェレミー・レナー

 キャスリン・ビグロー監督の元夫ジェームス・キャメロン監督の「アバター」を破り、米アカデミー賞の作品賞・監督賞を受賞したことで有名になり、ヒットした、イラクでの米軍爆発物処理班の姿を描いた作品です。

 2004年、イラク・バグダッドが舞台です。2003年3月20日に戦闘が始まり、5月1日のアメリカの「戦闘終結宣言」により、正規軍同士による戦闘は終わりましたが、占領軍である米軍などに対し、即席爆発装置IED(身近なものを利用して作る簡単な小型爆弾)などによるレジスタント的攻撃が頻発し、多くの兵士や民間人が犠牲になっていました。そんなときの首都バグダッドの爆発物処理班ですから、最前線中の最前線の最も重要な仕事を受け持っている兵士の物語です。

 あと39日で任務終了という爆発物処理班に、爆死した班長に代わりやって来たジェームズ軍曹(ジェレミー・レナー)を中心に、その日常(?)をドキュメンタリータッチで、淡々と描いていきます。
 このジェームズ軍曹が少し変わった男でした。爆発物処理ばかり従事しているベテランで、その処理した爆弾数は、バグダッドに来てから処理した2件も含めて873個だそうです。(本人談)爆弾がたくさん出てくるとどこかしらうれしそうな感じになり、わざわざ防爆スーツを脱いでみたり、爆弾の部品をコレクションしたり、そして、爆弾を処理した後は必ず一服して、充足感に浸るのです。
 彼は、明らかに、爆弾を処理する緊張感を楽しんでいます。爆弾を無事処理し、生きて帰れたことで、自分自身の生を実感し、満足感を得ています。もっと言ってしまえば、爆弾処理に命をかけることが生きがいになっているのです。
 映画のラスト、任務を終えたジェームズ軍曹は、アメリカに帰り、家族と暮らしています。しかし、何かしらそわそわし、落ち着きません。そして、再び防爆スーツに身を包む彼の姿で、映画は終わります。


 また、この映画、当時(現在?)のイラクの状況が、非常にリアルに表現されています。
 爆発物が仕掛けられるのは、街中で、そこでは、露店で肉を売っていたり、子どもがDVDを売っていたり、爆発物処理班の車が渋滞に引っかかったり、山羊の群れが通りかかったり、タクシーが突っ込んできたり、銃を持って敵を追っかけている米兵の横を子どもが走っていたり、爆発物を処理する様子を建物の2階から見物していたり、まさに、日常生活の中と戦争のミスマッチが描写されています。
 また、子どもの死体に爆弾を仕掛けられていたり、無理やり爆弾を体に巻かれた男が現れたりといった、悲惨な状況も隠さず描写されています。
 そして、爆発物を処理するときは、常に銃を構えた相棒に守られています。それは、どこにテロリストがいるか分からないからです。周りにいる市民とテロリストの区別がつかないからです。

 2003年の「戦闘終結宣言」後、オバマ大統領が2010年8月31日に改めて正式な「終結宣言」をするまでに、米兵の死者は4000人を超えるそうですが、この映画は、その状況を非常にリアルに描き出し、戦争の悲惨さを訴える反戦映画の秀作です。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.09.22 02:24:16 コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: