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2013.01.24
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カテゴリ: ドラマ
シンデレラマン1



監督 ロン・ハワード
出演 ラッセル・クロウ レネー・ゼルウィガー ポール・ジアマッティ

 まだまだ年末年始に撮りためた映画の紹介は続きます。
 世界恐慌期に、実在したボクサー・ジェームズ・J・ブラドッグの物語です。

 1928年、上り調子で世界戦も間近なボクサー、ジェームズ・J・ブラドッグ(愛称ジミー、ラッセル・クロウ)は、妻メイ(レネー・ゼルウィガー)と3人の子どもと豪邸に暮らしていました。
 5年後、1933年、ブラドッグ一家は、ぼろいアパートで暮らしていました。世界的な大不況のため、港での日雇労働も毎日できるわけでなく、貧困にあえいでいたのです。
 そんな中、試合の準備中、マネージャーのジョー(ポール・ジアマッティ)は、ジミーが右手を痛めていることに気付きますが、金を稼ぎたいというジミーに熱望され、試合をすることを容認してしまいます。
 その試合中、ジミーはますます右手を痛めてしまい、クリンチを繰り返すしかなく、無気力試合と判断され、無効試合となり、ファイトマネーももらえず、ライセンスも取り上げられてしまいます。

 ジミーは、恥も外聞も捨て、救済センターに援助を求め、ボクシング委員会にも無心に行き、何とか滞納していた電気代を払うことができ、子どもたちを呼び戻しました。
 そんな状況を知ったジョーは、試合直前にけがをした選手の代わりに出場する話を持ってきます。そして、その試合でジミーは勝ってしまうのです。
 ジミーの実力を再認識したジョーは、家財道具を売り払い、ジミーのライセンスを復活させ、試合を組んできました。ここからジミーの快進撃が始まります。

シンデレラマン2

 冒頭、ボクサーとして絶好調のジミーでしたが、突然5年後、つまり世界恐慌に入ってからの、貧困にあえいでいる場面に切り替わります。その間、何があったのかは、詳しく語られておりません。確かに社会全体が突然、大不況に陥ってしまうのですが、ボクサーとして好成績を上げていれば、そんなに落ち込むことはないはずですが、その辺何が起こっていたのかは、はっきりわかりません。
 その後、けがが原因の無気力試合でライセンスを取り上げられ、貧困のズンドコ、じゃなくてどん底になってしまうのですが、マネージャーのジョーが持ちかけてきた、実は期待の新鋭の“かませ犬”としての意味合いだった試合で、ジミーは貧困のどん底の中、ろくにトレーニングもしていないのに、勝ってしまいます。そして、その後は、連戦連勝の快進撃です。
 ジェームズ・J・ブラドッグというボクサーは、どうやらすごく強いボクサーのようです。じゃあ、いったい1928年から1933年の、この映画で語られていない5年間の間、いったい何があったのでしょうか。
 冒頭の好調な場面からいきなり何の説明もなく、貧乏な場面に移ってしまい、「あれ、いったい何があったの???」と疑問に感じながら、その後の貧困のどん底であえいでいる姿を見せられてしまうので、ますます「???」という頭のまま、話が進んでしまい、感動のストーリーのはずが、いまいち乗り切れませんでした。

 それから、ライセンスを取り上げられる原因となった無気力試合になってしまったときのクリンチの仕方が、タックルのように肩からぶち当たっていき、いかにもクリンチをするためだけに前に向かっているように見え、そんな見え見えのクリンチなら、無気力試合と認定されてもしょうがないなあ、と思ってしまいました。
 だから、その後の貧困な場面に感情移入できませんでした。
 そして、後半の快進撃が、トレーニングをしている描写がほとんどないので、全くリアリティを感じられませんでした。だって、最後は世界タイトルマッチまで行ってしまうんですよ。必死のトレーニングをしなければ、そこまで上がっていくのは容易なことではないでしょう。
 トレーニングをせずに連戦連勝でき、世界タイトルマッチまで進めるのでしたら、とんでもない天才ボクサーで、貧困にあえいでいた時期というのはいったい何なんだ、という話になりますよね。


シンデレラマン3

 このお話、基は実話ですから、お話の展開に間違いはないでしょう。
 だから、実際は空白の5年間の間には、のっぺきならない事情があるのだろうし、快進撃の裏には、本当はすごいトレーニングをしているはずです。
 どうも、貧困にあえいでいるブラドッグ一家の描写に力を入れるあまり、大事な部分を省略してしまったのではないでしょうか。これは、脚本家の責任でしょうか。せっかくの感動のシンデレラストーリーが台無しです。

 ということで、非常にがっかりした、という次第です。
 主役のラッセル・クロウが、貧乏なボクサー役ということで、非常にスマートになっており、役作りのために、結構大変な減量をしたんだなあ、と思うと、非常に残念でなりません。





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Last updated  2013.01.25 03:20:17
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