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2013.04.06
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カテゴリ: SF
ブラジル1



監督 テリー・ギリアム
出演 ジョナサン・プライス キム・グライスト ロバート・デ・ニーロ イアン・ホルム

 テリー・ギリアム監督お得意の変な映画です。架空の国を舞台にした、SF風刺映画です。

 クリスマスの夜、ショー・ウィンドウがテロのために爆発します。こわれなかったTVでは情報省次官のヘルプマンが、情報管理の重要性を力説しているところを写し出しています。
 情報省の官吏がオフィスに現われた虫を追いかけ、はたき落された虫がタイプライターの上に落下。おかげで、タイプ中の容疑者の名前がタトル(Tuttle)からバトル(Buttle)に変わってしまいます。
 平凡なバトル一家に情報省の連中が闖入し、有無を言わせずにバトル氏を連れ去ってしまいます。その様子を目撃した、上の階に住む女トラック運転手ジル(キム・グライスト)は抗議するが、相手にされません。
 情報省記録局ではカーツマン局長(イアン・ホルム)が、局員のサム(ジョナサン・プライス)にバトルの件について問い正そうとして、彼の欠勤に気づき怒っていました。
 その頃、サムは銀色の羽根をつけたヒーローに扮し、美女と出会う夢をみていました。局長の電話で起こされて情報局へ向かいます。そこで、抗議に来ていた夢の女性そっくりのジルを見かけます。

 その夜、サムは、アパートの通気口が故障したので、セントラル・サーヴィスに電話しますが、夜間の修理はしないと言われてしまいます。すると、そこへ、タトル(ロバート・デ・ニーロ)と名乗る武装した男が現れ、非合法の修理屋だと自己紹介して修理をします。公式にはセントラル・サーヴィスしか工事をしてはいけないのだが、書類仕事が嫌でもぐりの修理工をしているのだそうです。
 翌日、サムはバトル家に検束費用の超過分払いもどし小切手を届けに行き、出かけようとするジルを見つけ、追いかけますが、逃してしまいます。
 アパートにもどると、セントラル・サーヴィスの係員が勝手に入り込み、タトルにやらせたなと怒り、部屋を散らかしたまま帰ってしまいます。その夜、彼はまたヒーローになってサムライ・モンスターと戦う夢を見ます。
 サムは、ジルのことを調べるために、情報省剥奪局への昇進を承知し、出頭します。
 そこでは旧友のジャックが容疑者を拷問し、白衣を血だらけにしていました。ジャックはバトルの誤認逮捕を隠蔽するために、目撃者のジルを拘留しなくてはと言います。何とかジルを救いたいサムは、僕にまかせてくれと言い、受け付けにまた抗議に来ていたジルを連れ出すのです。

ブラジル2

 邦題は“未来世紀”となっていますが、原題は“Brazil”(主題歌の題名をそのまま映画の題名にしたそうです。実在の“ブラジル”という国とは無関係です。)となっており、冒頭に“20世紀のどこかの話”とクレジットが入るので、実は誰も未来のお話だとは言っていないのです。ということは、邦題を付けた日本の配給会社が勘違いしているだけということでしょうか?公開が1985年で、その時点より15年以内という設定ですから、あまり未来という認識ではないでしょう。邦題を付ける人というのは、映画を見ていないのでしょうか?(冒頭すら。)
 舞台は、個人情報が政府によって管理され統制されている、架空の国です。その情報省に務める役人が主人公です。この国民の個人情報をつかさどるであろう、情報省が巨大な役所として描かれており、いかに国民の情報を多く細かく処理しているか、というのがうかがえます。
 そういった情報統制ももちろん、役所を始め、町中に書類があふれている様子、役所の役人たちが怠慢で仕事をしていない様子、町には情報があふれ、整形手術など、健康に関する産業がはびこっている様子、貧富の差が激しい様子、そして、自らの不祥事を隠ぺいしようとするお役所仕事の様子、現代社会の病的な部分をより強調した社会として、この架空の国は描かれているのです。
 そんな中で、情報省に勤めるエリート社員、つまり富裕層に属する男が、どう見ても貧困層に属する、トラック運転手の女に惚れてしまい、社会に反抗し転落して行く姿が描かれているのです。
 そこに、転落する男サムの妄想が絡んで来て、だんだん妄想と現実の区別が分からなくなってくるのです。どこまでが現実で、どこからがサムの妄想なのか、しっかりと見極めて、ストーリーをしっかりと把握してください。

ブラジル3

 ということで、なかなか面白いカルト映画の名作です。






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Last updated  2013.04.07 01:23:38
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