勝手に映画批評

勝手に映画批評

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

クロサウルス

クロサウルス

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

あのですね@ Re[1]:スター・ウォーズ/最後のジェダイ(12/29) 王島将春さんへ エゼキエル書が書かれた当…
池永真義@ Re:バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(04/04) 映画批評、拝読しました。 私も学生時代…
仲嶺亜也菜@ Re:許されざる者(01/15) 仲嶺亜也菜 鶴田葵
今更ブログを見に来た男@ Re:宇宙兄弟(03/17) めちゃくちゃ同意しますね。本当に映画は…
背番号のないエースG @ Re:チャーリーとチョコレート工場(05/31) 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
2013.06.30
XML
カテゴリ: ドラマ
ザファイター1



監督 デヴィッド・O・ラッセル
出演 マーク・ウォールバーグ クリスチャン・ベール エイミー・アダムス メリッサ・レオ

 「ダークナイト」ではヒース・レジャーに「ターミネーター4」ではサム・ワーシントンに、主役でありながら、強烈な個性の脇役に喰われ、子役時代から積み上げてきた演技派としてのプライドを傷つけられてきた(勝手な推測)クリスチャン・ベールが、かつて「マシニスト」で見せたようなストイックな役作りを見せ、見事主役を喰ってアカデミー賞・ゴールデングローブ賞の助演男優賞をはじめ、数々の賞をかっさらった作品です。
 実在するプロボクサー、ミッキー・ウォードと、そのトレーナーであり異父兄のディッキー・エクランドの姿を描いた伝記映画です。(エンドロールで、現在の本人たちが出てきます。)

 かつて“ローウェルの誇り”と呼ばれ、5階級制覇の偉大なチャンピオン、シュガー・レイ・レナードからダウンを奪ったことがあることが自慢のディッキー・エクランド(クリスチャン・ベール)は、薬に溺れ身を持ち崩し、現在は弟のトレーナーに専念してます。一方、同じくボクサーで、父親違いの弟ミッキー・ウォード(マーク・ウォールバーグ)は、兄とマネージャー役の母アリス(メリッサ・レオ)の言いなりで、彼らが組んだ明らかに不利なカードで一勝もできず、不遇の日々を送っていました。
 ある日、ミッキーはバーで働くシャーリーン(エイミー・アダムス)と出会い、気の強いシャーリーンに押し切られながらも、いい関係を作っていきます。
そんな中、ディッキーが窃盗の現行犯で逮捕され、既に逮捕歴のある彼は実刑となり、投獄されてしまいます。
 ミッキーの父は息子の将来を案じ、別のトレーナーに話をつけ、ミッキーは家族と決別、シャーリーンと共に新しい人生へと旅立つ決意をします。


ザファイター2

 才能あるボクサーが、手っ取り早く金を稼ぐために、プロモーターの母親とトレーナーの兄に、時には、階級を無視して9kgも体重が重い選手と戦わされたりと、強豪選手の咬ませ犬のような仕事ばかりさせられていました。
 それが、兄が逮捕を機に、父親の手引きで、きちんとしたトレーナーに付き、才能を開花させ、出所した兄と母親も改心・仲直りして、一家団結して世界戦に挑むという、予想通りの展開でした。
 そんな予想通り進むわかりやすい物語なのですが、やっぱり見どころといえば、俳優陣の非常に気合の入った鬼気迫る演技でしょう。
 まず、なんといっても不良な兄ディッキー役のクリスチャン・ベールです。
 「マシニスト」の例でもわかる通り、徹底した役作りに定評がある彼ですが、今回は、十数kgの減量をし、歯並びを変え、後頭部にはワザとハゲを作ったそうで、目はギラギラして焦点が定まらず、挙動不審な感じは見るからにヤク中、そしてルーズで下品な言動、それでいて、しまった筋肉質の体で、窓や塀を軽々飛び越える身軽さを見せる男です。いったいこれが、大富豪で正義感に燃え、夜な夜な悪人を退治する男、あるいは抵抗軍のカリスマ的指導者と同じ人物とは全く思えません。本当にヤク中になってしまったのかと思ってしまうような鬼気迫る演技でした。
 もう1人の注目は、母親役のメリッサ・レオという人、実年齢は、マーク・ウォールバーグとは十歳しか違わないのですが、金に汚く言動は下品、気が強くわがままで、すべて自分の思い通り進まないと気が済まない、思いっ切りいやな女を好演し、僕自身も思いっ切り嫌悪感を抱いてしまいました。彼女は、この演技で、アカデミー賞助演女優賞をはじめ、数々の賞を受賞しました。
 ミッキーの彼女になるシャーリーン役のエイミー・アダムス(いつになくセクシーさを出し)と、ミッキー役のマーク・ウォールバーグ(ボクサーらしいマッチョな体に肉体改造するなど)も、頑張ってはいましたが、やっぱり、前出の2人にははっきり言って負けていましたね。
 しかし、これは個々の演技の問題ではなく、脚本あるいは編集の問題だと思いますが、ディッキーの出所後、兄と母が改心と仲直りをし、再びミッキーのスタッフに加わり、世界戦へ向かっていくところの、2人が改心した過程がよくわからず、唐突な感じがしたのが非常に残念でした。兄ディッキーは、獄中で、自分の再起のためとか騙されて撮影されていた映像が、かつての天才ボクサーがヤク中になって転落していく姿を描いたドキュメンタリー番組になっているところを観せられたことを機に、獄中生活の中で猛省をしたということが推測されますが、母親に至っては、おそらくはミッキーに新しいトレーナーを紹介した父親が説得したのだと思いますが、全くその描写がなく、なぜおとなしくなったのか、まったくわかりません。前半の演技が迫力たっぷりだっただけに、その訳わからない変貌ぶりに、非常に違和感を持ってしまいました。

ザファイター3

 ということで、終盤の変化があまりにも唐突だったので、今ひとつ感動できなかったのですが、クリスチャン・ベールの鬼気迫る名演技を観るだけでも価値がある作品を今回は紹介しました。
 しかし、あのただただ騒いで茶化して、まとまる話もぶち壊してしまう、思いっ切りおバカなお姉さんたち(なんと7人)って、どうにかならなかったんですかね。もううっとうしくてたまりませんでした。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.07.12 00:42:19
コメントを書く
[ドラマ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: