2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
全6件 (6件中 1-6件目)
1
無事、南アルプスから下山したその日、椹島からまっすぐ自宅へ戻ったのが水曜日。 木曜は予備日として確保していたので、ドタやシュラフ、朝露で濡れたテントを干したりしながら、体の休養。 そして週末の金曜日。 まじめに出勤して18時になると、目の前のデスクに座っている相棒に目配せをしてさっさと退社。まっすぐ近くの焼き肉屋へ。 ただ、両足靴擦れは、新しい皮膚ができてなくズルムケのまんまの俺は、革靴があたるとやっぱり痛くて、それをかばいながらロボコップ歩きをしている。 登山ってのは、旅行と同じで、計画・準備をする楽しみ、実行(登山)する楽しみ、下山してからの楽しみの3種類があって、今日は下山後の楽しみ、そう、打ち上げである。 学生時代にワンゲルにいたときも、打ち上げってのは恒例の掟みたいなもので、リーダーが完全に仕切って後輩を飲み屋に連れて行って、豪快に飲み、そして費用も先輩持ちなのである。 3年前に、この相棒と室堂~薬師~折立と縦走したときは、奈良に戻らず室堂近くのキャンプ場に1泊して打ち上げをしたのだが、今回はいったん戻ってからの打ち上げ。 とにかく、打ち上げは登山した高揚感そのままに望むのが大切なので、1日出社したとはいえ、金曜日の今日はベストだろう。 とりあえず、焼き肉盛り合わせ1kg注文。 そして、生ビールで豪快に乾杯。 肉が出てくる前にビールが空いちゃった。 追加でビール。 そして肉、肉、肉。ビール、ビール、ビール。 ご飯やキムチや焼き野菜やユッケなどのサイドオーダーは一切せず、ひたすら肉を食い続けるのである。 まだ完全に体が山モードのままで、脂を欲している状態なので、肉もビールも豪快に進みます。 そして、山でお互いしんどかったこと、絶景だったこと、いろいろ話も進みます。 ビールをお互いジョッキ4杯、肉は二人で1kg食い尽くしたあと、もう一皿追加して、胃袋が脂まみれになったところで、無事打ち上げ終了。 これだけ食って飲んで、6,000円とちょっと。 今回の山行で、ペースが上がらず迷惑をかけ、そしてグイグイ俺を引っ張ってくれた相棒に感謝の気持ちを込めて、今回の打ち上げ費用は俺持ち。 これでひとまず、夏山南ア登山の一連のイベントが終了。 お互い、満足して家路についたのであった。 が、俺はうちに帰ってから、さらに缶ビール2本(700ml)飲んで、ようやく夢の世界へ突入。 いやぁ、ここまでやってこそ、清く正しい夏山イベントの集大成ってな感じですな。
2009年08月07日
コメント(2)

夕べの雨もいつの間にか止んで、霞んではいるが、空は晴れている。 3時起床、お決まりの炊き置きご飯を、フカヒレスープの素で雑炊さらさら。 パッキングを済ませてから、赤石小屋そばから、昨日制覇した赤石岳へ別れを告げる。 方向を変え、悪沢岳にガンを飛ばしてやる。 次はお前に登ってやるからな。 聖岳にも別れを告げた。 実にええ山々。 5時出発。 椹島に向けて、一気に標高を落としていくと、ぐいぐい富士山も見えなくなっていく。 入山4日目の疲れはあるが、下りは楽。 標高差1,400mを4ピッチ(3回休憩)で、8時過ぎに椹島へ到着。 両足靴擦れという惨憺たる障害があったにせよ、予定コースを全て無事踏破。 そして、絶景も堪能できた。 これ以上、望むモノは何も無い。 椹島でガッツリ相棒と握手。 「ありがとう、そしてお疲れさん!」 俺の口から最初にありがとうという言葉が自然に出たのは、今回の山行は、俺の靴擦れのおかげでペースが上がらない中、彼がペースメークに力を発揮してくれたことにあるだろう。 ええ山々だった。思い残すことはない。敢えて言うなれば、また南アに来たいと思ってしまう自分がいるということかな。 これにて、清く正しい夏の南アルプス、悶絶しつつも爽快な天空闊歩が幕を閉じたのであった。・ガイド本の歩行時間 3時間35分(少し古いエアリアマップ)・我がパーティーの歩行時間 2時間34分(休憩を除いた実質歩行時間)・我がパーティーの行動時間 3時間14分(休憩を入れた時間) おしまい
2009年08月05日
コメント(4)

「渓遊よぉ、あれが荒川、赤石だ。」 ちょうど20年前、まだハタチの時、北岳~間の岳~西農鳥岳~塩見岳とテント泊で縦走した時、塩見のピークでワンゲルの先輩から教えて貰った。 いつかは行ってみたいな、とぼんやり20年間思い続けていたその赤石岳に、いよいよ今日立つのである。 3時起床。夕べ炊いておいたご飯に永谷園のお茶漬け。そこに、鷹の爪をほんの少しちぎって入れると、ピリ辛となって食が進む。 5時出発。 両足かかとの靴擦れは、消毒用に軟膏を塗ってガーゼで覆い、さらにテーピングを三重にしているが、ずる剥け状態なので、やっぱり痛くて、ペースは上がらず。 ちょっと標高を稼いで、程なく百間平(ひゃっけんだいら)に出ると一気に視界が開け、目指す赤石も逆光の中、どかんと存在感も露わに鎮座している。 今朝もええ天気。そして人も少なく、気持ちがいい。 赤石岳~聖岳~大沢岳のパノラマ 大沢岳~中央アルプス~仙丈~荒川~悪沢の大パノラマ 左奥から仙丈ヶ岳、塩見岳、荒川前岳、悪沢岳 この迫力は俺の下手な写真技術では表現不可能。いやはや絶景に心健やか和やかである。 百間平からの大絶景、これぞ縦走登山の醍醐味。 靴擦れは痛むにもかかわらず、歩くことが楽しいと体が叫んでいる。 中央アルプス。 縮小した写真では判別できないが、肉眼では駒ヶ根付近の中央自動車道がはっきり見て取れるほどの展望の良さ。 振り返ると、どかんと聖岳、その右に兎岳。 その鞍部の向こうはイザルガ岳と光岳。 赤石岳もぐんぐん近付いてくる。 赤石岳直下のトラバースに差し掛かると、百間平の向こうに、昨日俺を散々苦しめたナカモッコリ山(中盛丸山)があいかわらず、モッコリしていた。 この山、どの方角から見ても、実にモッコリしていて可愛くかっこいい。 トラバースでは、緩やかな登りなのだが、10分歩けば、相棒との差が5分拡がるってなくらい、俺のペースは相変わらず上がらない。「俺よぉ、次、生まれ変わったらワンゲルなんか入らずに切手収集クラブに入るわ。もう絶対山なんかやんねぇぞ。」「渓遊さん、マジっすかっ??」 かかとの痛みをかばいながら一歩一歩、少しずつ少しずつ。 山は足を止めずに歩き続ければ、必ず辿り着く。 富士山も雲の陰から、こっそり俺を応援している。 赤石岳、頂上直下。 先にピークに着いた相棒が、ザックを下ろさずに俺を待ち、カメラを片手に俺ににっこり、そして無言でうなずき、頂上を知らせてくれた。 やがて俺の視界にピークの標柱が入ったところで、俺もようやくにっこり。 ・・・あれ? なんで標柱がぼやけるの・・・? 視界がにじんでる。 あれれれ・・・。 俺、顔は笑ってるのになあ。 10時30分、赤石岳ピーク制覇。 20年前からの思いが成就されたからなのか、靴擦れでつらかったのか、なんでか分からんが、ピークに着いて精神が開放されたのだろうか。 うちを出てからここまで4日目。長かったなあ。 まあ、客観的に見て、死ぬほどしんどく険しく長いコースじゃない。 ただ、それなりに年を取っきて、何歳までテントを担いで縦走できるかなあ、と思い始めてもいる。が、テントが好きなので、体力の許す限り小屋泊まりじゃなくて、テント泊で山に登り続けていきたい。 そして、今回の山行を無事に行けたなら、次のチャンスには、荒川三山を、これまたテント担いで1人で登りたい。昨日、相棒に荷物を持とうかと提言されたときに、かたくなに拒んだのは、このコースを20キロのザックを担いで踏破出来なければ、次の山行への自信につながらないからってのも理由の一つにある。 俺はそれほど体格や体力に恵まれてるわけじゃないし、日々の体作りもままならぬ状態だから、いろいろ考えていたんだろう。 そんなこんなの俺1人の勝手な葛藤で溜まったガスが、ここ赤石岳のピークで一気に抜けちゃったのだろう。 南アルプス北部方面、黙って俺達を歓迎してくれている。 これまで20年の山行で、ここ赤石が一番つらく、そして一番達成感を得られ、思い出深いピークになったなあ。 相棒とガッツリ握手を交わし、記念撮影。「俺よぉ、赤石、一番好きな山になったで。」「でっしょぉ~! で、渓遊さん、下山したら、切手収集クラブに入会届け出出しますか?」「ばっかやろぉ、下山したらビールだろ、ビール。椹島(さらわじま)の生ビールに決まってんだろ。 おめぇ、山、やめられるわけねぇだろが。」「そぉっすよね~。俺も山やめられませんっ!」 切手収集をアホにしたり笑うつもりは毛頭ありませんが、俺の性分には合わない。やっぱり山なのである。 さて、感傷に浸るのはほんの5分。 ピークと言えば恒例の儀式が待っている。 聖岳ピークでのP缶に続く、恒例儀式の第2段。 ピークラーメンである。 もちろん、サッポロ1番塩ラーメン。それも缶詰のコーン入り。 これば不味い訳がない。胃袋にしみ入る塩味なのである。 ピークをしっかり堪能したら、去りがたい気持ちを抑えて赤石小屋に向けて下り始める。 あっという間に赤石のピークが遠ざかる。 でっかい岩の固まりだなあ。 赤石小屋までひたすら大下り。 疲れの溜まってきた足には下りもしんどいが、周りはお花畑。 砲台休憩所を過ぎたところで、上の方でガラッと変な音。 振り返ると、なんと、俺達の下ってる谷筋の隣の谷の上部から、俺の体くらいある岩が崩落! 「らくーーっ!(落石!)」 ひと抱え以上もある岩が、俺の目の前をまるでゴムまりのように跳ね飛んで落ちていく。 かなりビビった。 崩落がもう少し早かったら、流れ弾がこっちに飛んできていただろう。 少し登り返して、砲台休憩所ですれ違った登りのおじさんが、元気でいるのを遠目に確認し、再び下山開始。 14時、赤石小屋到着。 ここはテントサイトが水はけの悪い所ばかりでサイト選択に結構悩んだ。 が、まずはビールにサバ缶。 俺が撮影している間、相棒はラジオを聞きながら、天気図作製。 今夜の晩飯はシーフードカレー。 いつも通りのベーコンと、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンのカレーなのだが、どこがシーフードカレーなのかというと、干しエビが入っているということで、シーフード。 このやけに細かいこだわりが、食を進めるのである。 晩飯の最中から結構な雨。 雨音を聞きながら、ちょっとだけ寝薬的にウイスキーを舐めて、20時就寝。 フライシートをたたく雨音が、憂鬱なれど、夢見心地に気持ち良い最終日の夜なのであった。・ガイド本の歩行時間 6時間45分(少し古いエアリアマップ)・我がパーティーの歩行時間 5時間41分(休憩を除いた実質歩行時間)・我がパーティーの行動時間 8時間30分(休憩を入れた時間)
2009年08月04日
コメント(2)

3時起床。 その前に、ふと目が覚めてしまったのだが、周りの木々の陰がテントに映っているがテントの中から見て取れる。 月明かりの陰である。つまり晴れてるってこと。 昨日ラジオ気象通報を聞いて付けた天気図では、南ア近辺は気圧の谷に入ってるような、日本海の高気圧の勢力圏に入ってるような、なんとも予想しがたい雰囲気だったので、ちょっとにんまり。 そして、テントのチャックを開けて空を見上げると、お漏らししそうなくらいの星空と、天の川がドバァーっと広がっていた。 5時、聖平小屋を出発。 小屋から数分で、南アの稜線に合流し、後はひたすら聖岳を目指す。 久々の太陽。 天気がいいと、山歩きも実に楽しいもんですな。 光岳(てかりだけ)も見えた。 南アの奥深さを感じさせる山並み。 どっか~んと富士山。 登山者共通の無意識信仰宗教の本尊である富士山。登山中に富士山が見えると良いことが起きると誰もが信じて疑わない。それがこんなに近くにばっちり見えると、「南無阿弥陀仏、アーメン、ハレルヤ・・・」。気持ちよい1日が過ごせそうだ。 とにかく標高を稼ぐのみ。 標高を稼ぐと、景色も一段と良くなる。 南ア南部。 進行方向には、聖岳。 聖岳、山というより、これはまるで壁である。 圧倒的な迫力で富士山も鎮座している。 そして、聖平から、小聖岳まで標高差400m、さらに小聖岳から350m、壁の如き登りである。 すでに、このとき、両足かかとの靴擦れは皮が破れてずるむけ状態。 登りで後ろ足を踏ん張って前に出すときに、激痛が走り、力が入らない。そしてペースも全く上がらない。 それでも、ひたすら歩けば必ず頂上には着く。 聖平から登ること標高差750m、朝8時半に、標高3,013mの聖岳(前聖岳)のピークにぽっかり歩き付いた。 おお、赤石岳! その左側遠くには、仙丈ヶ岳も見えている。 南方面には、上河内岳や茶臼岳が。 北西の遙か遠くには、北アルプスの山々が。 槍ヶ岳、穂高岳、笠ヶ岳・・・。 いや、靴擦れの痛みをしばし忘れて、絶景によだれを垂らしそう。 そして、ピーク恒例儀式第一弾。 P缶(ピーカン)。ただひたすらに甘いフルーツ缶詰だ。 下界では、このシロップは甘すぎて絶対に飲めないのだが、激しく登りを征した後は、さっぱりした飲料水のようにごくごく飲めるのである。 いや、なに、幸せのタバコ一服。 こうして、本日のメインとなるピークはあっさりと制覇した。 だが、勝負はこれからである。 せっかく標高を稼いで、3,013mの聖岳まで来たのに、一気に400m下って、と思ったら、今度は200m登って、兎岳へ。 左のピークが兎岳。 アホみたいな登りが見て、気が滅入る。 兎岳から振り返ると、聖岳。 南アはデカイ。1個の山がでかくて、アップダウンも半端じゃない。 兎岳から、150m下って、100m登って小兎岳へ。 両足靴擦れは、それを無意識にかばうものだから、体の他の場所に負担がかかって、疲労倍増。 ペースもさらにダウン。 気力も体力も全然大丈夫。ただ、思うように歩けないのが参る。 ちょっと参ったな、の絵。 いつもなら高山植物の写真をたくさん撮るのだが、20キロを超えるザックのまま中腰で花の写真を撮る余裕が今回は全く無し。 唯一撮ったシャクナゲの写真。 小兎岳から100m下って、150m登って中盛丸山へ。下りはなんとか普通に歩けても、登りに入った途端、ペースががた落ち。「渓遊さん、荷物、少し持ちましょうか?」 とうとう出た、相棒の苦渋の発言。 7つも年下だが、俺より山の経験豊富でパーティーのリーダー経験も多い彼の発言。 単に俺がしんどそうだから荷物を持ってあげようか、という情けでは無い。このペースで進むと、今日のサイト地の到着が遅くなることを懸念しての発言。 サイト地に着くのが遅くなると、積乱雲が発達して雷雨の中を歩かなければならないという危険性、また俺一人だけ異常に体力を消耗して明日への行動に響くという懸念もある。 我ら二人パーティーをきっちり今日の目的地に到着させ、さらには予定通り下山させるための発言なのである。「すまん、でもまだ行けるわ。だけど、百間洞が16時ちょと過ぎて天気図付けられんかもしれんけど、それだけ勘弁してや。」 気力十分、体力は足をかばって余分に消費はしているが、まだ行ける。 中盛丸山はなかなかモッコリした山だったので、自然とナカモッコリ山と我がパーティーでは呼ぶことになった。 ナカモッオリ山のピークで、つらさのあまり半分精神が壊れかかってる俺。「渓遊さん、靴擦れどうですか?」「ん、神の領域に入って、痛みを感じなくなってきた。」 聖岳がどんどん遠くなっていく。 百間洞(ひゃっけんぼら)の小屋とサイト地がようやく見えてきた。 ナカモッコリ山から300mの下り・・・。 15時50分、百間洞山の家にやっとのことで到着。 サイト受付をしてビールも買って、サイト地へ徒歩8分。 ザックを放り出し、テントを張る前にザックの上に座り込んで、まずはビール。 そして、おもむろにドタを脱ぐと、ぱっくり皮がずる剥けていた。 サイト地は雛壇。4テン(4人用テント)以上だと、張る場所が限られる。 ついでに、水もトイレも小屋まで行かないといけない。 靴擦れのおかげで必要以上に体力を使って疲れて、食欲がもうひとつ。 そんなときに活躍するのが、サッポロ一番塩ラーメンである。こいつは食欲が無いときでも結構あっさりさっぱり食えて重宝する。 しかもチャーシュー入り(レトルト)。 ただ、チャーシューは一口食っみてたら酸っぱくなっていたので、すぐさまダスター(ゴミ袋)へ直行。 胃が少し落ち着いたところで、本日のメインディッシュ。 少な目のご飯と、肉じゃが。 肉じゃがは、ベーコン、ジャガイモ、タマネギ、人参、しらたきを日本酒、醤油、ダシのもと、砂糖で煮込んだもの。 昨夜は赤ワイン、今夜は日本酒、煮込む水分が水じゃないと、こんなにも旨いとは、感動である。 結構疲れたんだろう。この後、ウイスキーをちょっとなめて、あっさりと夢の世界へ吸い込まれていったのであった。・ガイド本の歩行時間 8時間25分(少し古いエアリアマップ)・我がパーティーの歩行時間 7時間40分(休憩を除いた実質歩行時間)・我がパーティーの行動時間 11時間13分(休憩を入れた時間)
2009年08月03日
コメント(2)

朝3時半、起床。 今日は椹島から聖平小屋まで、標高差1,100mの登りのみである。 夕べ炊いておいたご飯に高級フカヒレスープの素と湯をぶっかけ、さらに唐辛子を少しちぎって、ピリ辛フカヒレ雑炊にして、朝飯とした。初めて試したけど、これ、意外と旨かった。 相方は定番の永谷園のお茶漬けである。 5時、椹島を出発。昨日バスで登ってきた林道を下って、聖岳登山口までのロード。 入山日という高揚感を削いでくれる空からの小雨。 聖岳登山口からはいよいよ山道。と、いきなり250mの急登。 ここでいきなりやっちまった。 踵のテーピングが甘かったようだ。急激な登りで両足踵にピリピリした靴擦れの気配が。 俺のグローネルのドタ、今年で3シーズン目。 踵が靴擦れしやすいので、テーピングもやって、ソックスも三重履きでばっちりのはずだったが、やっちまった。 聖沢吊橋のたもとで、ドタ(重登山靴)を脱いで、踵を更に三重にテーピング処理。 さて、気を取り直して、再び650mの激登り。 しかし、いったん靴擦れの兆候が出ちゃうと症状は後戻りしない。両足の靴擦れが更に本格的にずれずれになって来ていて実につらい。後ろ足を前に出す度に踵がドタに当たって痛む。そして、シーラーで防水処理をしたドタも降り続く雨のおかげで浸水気味で、それが余計に靴擦れを酷くさせていっているのだろう。 心は無、ひたすら登るのみ。 心が無だと、記憶の貯金箱から突如いらん記憶が脳裏に飛び出してくることがある。 「しまった~!」 「え、どうしました、渓遊さん?」 「週明けの会議の業務進捗表を作って出しとくの忘れとった~!」 「渓遊さ~ん、そりゃ無いっすよぉ、絶対ペナルティっすよぉ。下山したら生ビールもんですよ!」 そう、同じ職場で組んでるこのパーティ、仕事でストレスのたまった精神を解放するために、山行中は仕事の話は絶対禁止、加えて下ネタ以外の会話も禁止という厳しい掟があってこそ成り立っているのである。 んな感じで、俺のペースが落ちてはいるものの、気力だけは絶好調をキープし続けている。 本来なら聖岳東尾根が見えるであろう滝見台でも谷筋以外の展望は無し。 雨も降るのでカメラもザックにしまい込んでしまって写真も無し。 12年使ったゴアテックスのカッパも、しっかりスプレーとアイロンがけをしたにも関わらず、撥水してくれなくて、ついでに浸水しているのか、それとも激しい発汗のせいでか、シャツもズボンもパンツもびしょ濡れ。濡れていないのは、ズボンのちょうどふくらはぎが当たる辺りのみ。 ドタの中も結局浸水してグチュグチュ音を立て始めている。 しかし、下ネタと気力は絶好調で、15時過ぎにようやく聖平小屋に到着。 全身びしょ濡れのこの状態で、小屋に泊まるか、テントを張るか、しばし考えた結果、テントを張ることに。後輩は全然元気で端からテント張る気だったのが背中を押してもくれた。 濡れた服は根性の着干し(着たまま体温で乾かすこと)である。 まあ、天気は相変わらずで雨も落ちているが、雨さえ気にしなければ、テントは自由で快適だしね。 お楽しみの晩飯は、ビーフシチュー。 もちろん生野菜を使っている。ご飯も研いでないけど白米を炊いたもの。 そして、このビーフシチュー、なんと歩荷してきた赤ワインで煮込んである。 今回のザック重量は、二人とも約22キロ。 重さが気にならないと言えば嘘になるが、赤ワインで煮込んだビーフシチューを一口食えば、そんなつらさもすべてぶっ飛ぶくらい旨いのである。 晩酌は、500円ビールと、俺の隠し歩荷のサンマの蒲焼き缶詰。 重い缶詰を担ぐアホーはそんなにいないと思うが、やっぱり旨いんだよなあ。 軽い酔いで気持ち良くなったとことで20時消灯。 標高2,260mの聖平テントサイトにて、フライシートを激しくたたく雨音が、俺を夢の中へと導いていくのであった。・ガイド本の歩行時間 7時間40分(少し古いエアリアマップ)・我がパーティーの歩行時間 7時間45分(休憩を除いた実質歩行時間)・我がパーティーの行動時間 10時間15分(休憩を入れた時間) ※最近のガイド本は小屋泊まりを前提としてあるようで、コースタイムが以前のガイド本より短くなっているような気がします。そのため、ちょっと古いエアリアマップ(山と高原地図 昭文社)のちょっと時間のかかるコースタイムを基本として今回のテント泊の山行計画を立てました。
2009年08月02日
コメント(0)

朝6時、夕べからうちに来て泊まっているパーメンと二人で奈良の我が家を愛車で出発。(パーメンとは、パーティーメンバーの略) 本日目指すは静岡県は大井川の源流部、椹島ロッジである。 いよいよ南アルプス登山のスタートとなった。 今回のパーメンは、3年前に立山の室堂平から薬師岳を一緒に縦走した会社の後輩と俺の二人。 今日は車での移動のみなので、気は楽。 だが、西名阪、名阪国道、東名阪、伊勢湾岸と来たところで雨。あまり期待できない気圧配置ではあったのだが、やはりテンションが下がりますな。 この後、東名を走って相良牧ノ原ICからは下道へ。 あとはひたすら大井川沿いを上流に向かって走るのみ。 昼過ぎには畑薙第一ダム手前の臨時駐車場へ到着。 だが、ここでも雨が降ったりやんだり。 14時半発の東海フォレストの送迎バスで登山基地椹島へ。 このバスは、路線バスではなく、送迎バス。 この付近一帯はぜぇ~んぶ東海パルプの社有林。それを管理したり、付近の山小屋を運営しているのがグループ会社の東海フォレスト。 なんで路線バスの許可が取れなかったのかは知らないが、フォレストが運営している山小屋を利用する予定の人や利用した人だけが乗ることの出来るのがこの送迎バスなのである。 能書きはそれぐらいにして、1時間の送迎バスで椹島ロッジ到着。 今日の行動はこれにて終了。 本当はロッジに隣接するテントサイトにテントを張る予定だったが、時々強く降る雨の中、テントを張るのはどうも気が乗らない。 明日の入山でいきなり1,000m登るのにテントを濡らして重くしたくないし。 真ん中の小屋が登山者専用の小屋、通称登山小屋。 (下山後撮影) これが中身。 (下山後撮影) しばらく悩んで、結局登山小屋に素泊まりすることに決定。 綺麗なロッジがあるのに、こんな小屋を使う人は少ないはず、小屋を広々少人数で使えるなと思いきや、関東のワンゲル夏合宿団体様18人が入り乱れ、結構満員となってしまった。 そしてお楽しみの晩飯。 小屋のそばに自炊専用の建家があって、そこで飯を作るのである。 初日ということで、贅沢にも生の牛肉、生野菜(たまねぎ、人参、白菜、しいたけ)、しらたき、そして研いでない白米。 味付けに日本酒、醤油、砂糖。 周りで同じように自炊をされている方々が、代わる代わる我々の飯を覗きに来ては、「うぉ~! 生野菜だ! 白米だぁ!」とパニックになって踊り始めている。 きつくなるだろう山で、飯というのは楽しみの一つじゃないですか。 湯を加えてできちゃうご飯は軽量で手軽だけど、味気無いしねぇ・・・。 いやぁ、それにしても旨かった。 明日からのロングコースを前に、十分鋭気を養い、夜7時に消灯。 さて、明日からいよいよ南ア縦走へ突入である。
2009年08月01日
コメント(4)
全6件 (6件中 1-6件目)
1