型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2019.01.19
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テーマ: 絵画 芸術(8)
カテゴリ: 新しいこと
パリにいた94年からの3年間、携帯電話やインターネットがまだ普及せず、
固定電話の国際電話やFAX、手紙、特に絵葉書で日本とやりとりしていましたが、
教員を5年してから行ったこともあり、日本から多くの人が訪ねてきてくれました。
コンサートにもよく行きましたが美術館にもよく行きました。
自分の所望する音楽がパリでどのように活かせるかは難しいことでしたが、
美術からのヒントがそれを確信に変えてくれる気がして、
日本のガイドブックにある美術館は全て行きました。
中にはマイナーなものや観光的な博物館もありますが、
行けるだけ行った結果、やはり名の知れた美術館が素晴らしく、

ルーヴル、オルセー、オランジュリーにはそれぞれ10回以上は行きましたし、
現代アートのポンピドゥセンターは特に関心がありました。
家から近かったマルモッタン美術館のモネを見てから、
モネの家のあるジヴェルニーにも何度か行きました。

美術の変遷は音楽のそれと密接に関連があり、
美術が音楽よりやや先の時代を進んでいます。
ピカソが人生の中でスタイルを変えていったことが、
ストラヴィンスキーのそれと似ていること、
今日本でも有名になった、構図がキャンパスからはみ出ているナビ派を、
サン=ジェルマン=アン=レーのドニ美術館で見たこと、
モディリアーニ、カンディンスキー、クレーから、

近現代の作風や変遷に音楽と同じくらい興味がありました。

例えば、ルノアールやモネのような印象派と、
ドビュッシー、ラヴェルの印象主義と言われる作風には共通点を感じます。
そこで自分との関心で気づいたことが、
エルンスト、ダリ、マグリットといったシュルレアリスムにあたるものが、

もちろん絵画は見える具象であるわけですから、
抽象である音で表現したりすることは、
音楽そのものや聴き方の概念を変えたり固定する必要があります。
しかし、絵画によって自分のやりたい意欲がますます湧きました。

もっとも大きな問題点は、
絵画であってもシュルレアリストの作風は明快なスタイルはあっても、
筆致や技法というその人のレトリックを持っているわけではないことです。
その意味では同じ主義の画家はともかく、
美術界全体としてそれを簡単には絵画と認めないのではないだろうか、
もちろんアカデミックな部分で絵が下手では描けないことですが、
新しい絵画として認めるだろうかということです。

シュルレアリスムは20世紀前半までの過去の作風と言った音楽評論家がいましたが、
留学していた頃から四半世紀が過ぎた現代、
まさにその系譜をたどっているのがバンクシーです。
バンクシーの絵は簡単に真似できてしまうでしょう。
しかし、そのメッセージ性と存在するコンセプトが芸術です。




都内で見つかったそれらしき絵は上のものではありませんが、
どうやら本物のようです。
落書きと作品を分別した都知事は責められていますが、
芸術をどう考えるかというとても良い機会とも思います。





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最終更新日  2019.01.19 06:07:58
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