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ドイツから里帰りしていたYさんの要請に応えて、彼女の滞在期間中「対話の動き」を集中してやりました。対話は話す・聴くが基本です。どう話しかけるか、どう聴き取るか、です。それとともに「対話の動き」が成立するには、対話ができるからだになっていなければなりません。「対話の動き」の持つ、もう一つの大きな意味です。そして、こちらの方が基礎です。野口三千三があらゆる角度から探求し、わたし達に伝えていることで、わたし達が了解し、変わらなければならないのが「からだ」と「からだの動き」の概念です。それに向けて野口はたくさんのことばを残しています。これもその一つです。「私は『生きもののからだの動きは、もともと、液体的なものの流れ・気体的なものの流れとしてとらえなければ、どうにもならないのではないか」という感じを強くもっている」(野口三千三)更に深めた考察から、からだの実感の伴ったことばで言い表したのがこのことばです。「真空の柱」(野口三千三)まだ対話は出来ない、無理だと判断するしかないことがあります。あるいは、教室の参加者の側から「なんだか全く分らない、難しい」と言われることがあります。まだからだが変わっていないからです。しかし、その判断は正しいとは言えません。では何時になったら始められるのか、その人が「変わりたい」と思った時から、だからです。出来ても出来なくても、上手でも下手でもそんなこととは関係なく、「対話の動きは」されなくてはなりません。やりながら「対話」のできるからだ、「真空の柱」に変化して行けばいい。「真空の柱」になっていれば、そこにどんな「情報」が入ってきても、「情報の受容・伝達・処理・反応」が当たり前のようにされるのですから。そして、他者からの「情報」が入ってくるのが「対話の動き」なのですから。一人の中の「情報の受容・伝達・処理・反応」が悪くてからだが繋がらない人、したがって動きがきもちよく出来ない人は当然のことだから心配は要りません。伝え手として自省すべきは、一人の動きが上手くできているとして、間違った方向に向かっていることに気がつかないでいることです。そうならないためにも、いつでも「対話」のできるからだになっていなくてはなりません。「対話の動き」の持つ、もう一つの大きな意味です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「対話」どできるからだになりたいと、大阪のグループは歩き出したばかりです。いっしょに歩き出しませんか?******************************************** 「継続して初めてわかることがあります。だからもう半年」 ● 【大阪で野口体操を!】2期生募集 ●********************************************「光がたくさん入ってくる感じ…」「ほぐれてゆるんでいく感じ…」(参加者の感想より)2月に1回体験もできます。まずはおためしを。●日程/月1回第2土曜日(計6回)13時~17時 3月8日(土)、4月12日(土)、5月10日(土) 6月14日(土)、7月12日(土)、8月13日(土)●会場/大阪市内 そのつど、参加者にご連絡します。 ※興味のある方は、一期生とともに 初回の3月8日(土)に体験できます。 【1回体験申込み】こちらをクリックしてください。●詳細/特典あり! こちらをクリックしてください。●問合せ/mail★ii-life.com(すがのかよ) ※★を @ に、変えてください。
Jan 31, 2008
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ああ、少し、少しだけ本気になってくれました。少しでいいのです、本気になってくれれば。いや、彼らも本気なのです、本気になるところがズレていただけで。初めての発表会です。発表会前のどの学生もへとへとで、休みたいところを出席してきました。先週の本気の「何故休むのだ」が伝わったのかもしれません。しかし今日もやっぱり言ってしまいました。時間を守らないのは勿論のこと、ちんたらちんたら集って来てぐたーっとしてお喋りです。「狂言」の後だからです。授業の間中、背筋も伸ばし、やったこともない正座で、眼鏡すら許されません。狂言はすべての準備を終えて、先生を呼びにゆきます。全員真っ直ぐ前を向いて正座で先生を迎えます。何でそうするのですか?先生に言われたから、ですか?それが決まりだから、ですか?守らないと怒られるから、ですか?それにはわけがあって、そのわけはすべての大切なものと繋がるから形になったのです。あなたたちはセリフも、ダンスも歌も、そうやって意味もなく形だけやっているのですね。いつもそうするように、発表会の前は「野口マッサージ」です。「マッサージはひとからやってもらう体操」(野口三千三)学生たちは他人のからだに直接触れることで様々なことを発見してゆきます。からだの仕組みや、動きまでも。それが一人ひとり違うことも。加減も一人ひとり違うことが分ります。他者の存在をその人のからだから実感してゆきます。「任せる感覚」が「力を抜く感覚」であることも否応なく分ります。そして、任せればからだはこんなに柔らかくなることも。「僕はからだが硬いんです」と劣等感に打ちのめされ、涙ぐんでいた学生も、ナンダ、すごく柔らかくて優しいからだをしているじゃないか、と言われて頬に紅が注しました。「あの…、からだがすっごく楽になって…、満たされました」と。自分のからだには「気」があり、他者の「気」と繋がることも分ります。さあ、気(息を)合わせ、発表会でやりたいことをやり切るのだよ。「人間のからだには『気』が流れている」(野口三千三)表現することの疑問がいろいろ打ち明けられ、彼らは教室から出て行こうとしません。
Jan 30, 2008
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「外からの情報を正確に受け入れ、それをその他の部分に伝達し、そして適切に処理して、反応するということは、真の意味での生きものの柔軟性の本質なのである」(野口三千三)地球と繋がって「ぶら上っているからだ」は、足の下がふさがっていません。脚の中も空いています。胴体も空いています。肩も蓋がはずれ、頭にも蓋がしてありません。つまり足の下から頭のてっぺんまで空いていなければ、地球と繋がって「ぶら上っているからだ」とは言えません。その空いた管の中を、エネルギーが自由につたわって流れます。地球と繋がって「ぶら上っているからだ」に、外からの情報が入るとどんな動きが生まれるのか…。情報はどこから入ってくるか分りません。どこから入ってきても入ってきたところから受け入れ、最終的には足の下に流れてゆきます。その時からだの中には波が生まれます。どんな波が生まれるのか、そこに入ってきた情報によって違います。一つとして同じ波はありません。毎回違う無数の波を生み出すことができます。「波の動き」という固定した動きをなぞっていただけだと、外からの情報に反応できません。転ぶ、飛ばされる、固まる、あるいは固めて自分の「波の動き」に変えてしまう。それに気がつき、素直に認め、驚きの声を上げたのは声優の牧薫子さんです。「『波の動き』という固定した動きをなぞっていただけだったのかもしれない…。そもそも立っている時から、そう、いつでもどんな時でも、足の下が空いていて地球と繋がっていなかったと思う。動きの始まった時から決まった動きとして始めていました。いやー、なんか…、根本的に…、」その正直さ素直さに支えられた感度は、からだの条件の悪さも不器用さも味方に変えて大きく飛躍する時が来るでしょう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ******************************************** 「継続して初めてわかることがあります。だからもう半年」 ● 【大阪で野口体操を!】2期生募集 ●********************************************「光がたくさん入ってくる感じ…」「ほぐれてゆるんでいく感じ…」(参加者の感想より)2月に1回体験もできます。まずはおためしを。●日程/月1回第2土曜日(計6回)13時~17時 3月8日(土)、4月12日(土)、5月10日(土) 6月14日(土)、7月12日(土)、8月13日(土)●会場/大阪市内 そのつど、参加者にご連絡します。 ※興味のある方は、一期生とともに 2月8日(土)体験できます。 【1回体験申込み】こちらをクリックしてください。●詳細/特典あり! こちらをクリックしてください。●問合せ/mail★ii-life.com(すがのかよ) ※★を @ に、変えてください。
Jan 29, 2008
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もう満杯で、何も入りません。ぎっしり詰まって隙間もありません。そこには何も入りませんから、あとはその上にべたべた貼り付けるだけです。そこに詰まっているものは、そんなに後生大事にしなければならないものなのですか?それだってそんなにギュウギュウ詰めにしていたのではあまり働いてくれるとはおもいませんが、それでも、そんなに大事なものならばそれを大事にしていったらいいのです。その上にべたべた貼り付けるのはやめましょう。後生大事に守っているものと、その上に貼り付けているものは相容れません。その二つを持つことは贅沢でもなんでもなく、もともと同時に持つことの出来ないものです。そんな努力はバカバカしく、時間の無駄となるでしょう。肩が凝る、腰が痛い、頭痛がする…体調がどうも。人がイヤ、人のやることに腹ばかりたつ、人に会いたくない…人間関係がどうも。イライラする、心配ばかり、不安だ…何も信じられないような。仕事も異性も趣味も…何も上手く行かないような。こんな自分をしあわせだと思えないなら、今まで守ってきたものが自分を不幸にしているのかもしれません。だったら大事に守ってきたもの、それを捨てるしかないのです。勇気を持って自分で捨てるのです。出て行ってくれとお願いしても絶対に嫌がります。俺様が居たから今まで道を踏み外さないでここまで来れたんだぞ、と脅しに掛かります。一番大事に守ってきたなものから捨てることをお勧めします。一番大きくのさばり、眼を光らせて新しいものははじき出そうとしているからです。そいつは感覚や実感も組織しています。感覚なんて敵だからです。そいつの都合のいい実感しか実感として認めません。自然の摂理なんて敵の大将です。上手く行ったら思い切って次に大事なものを捨てましょう。いいえ、そんなことをしなくても味方を引き連れて出て行ってくれるかもしれません。「『母なる大地』ということばの実感が、少しづつ分るようになって来た。それは『母なる地球』ということであった。『大地』は『まるごと全体の地球』のほんの一部の現われなのだ。『意識としての自分』が『まるごと全体の自分』のほんの一部の現れであるように……。私が今まで見てきた大地は地球のほんの一部の現れの、そのまたほんの一部に過ぎなかったのだ」(野口三千三) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・******************************************** 「継続して初めてわかることがあります。だからもう半年」 ● 【大阪で野口体操を!】2期生募集 ●********************************************「光がたくさん入ってくる感じ…」「ほぐれてゆるんでいく感じ…」(参加者の感想より)2月に1回体験もできます。まずはおためしを。●日程/月1回第2土曜日(計6回)13時~17時 3月8日(土)、4月12日(土)、5月10日(土) 6月14日(土)、7月12日(土)、8月13日(土)●会場/大阪市内 そのつど、参加者にご連絡します。 ※興味のある方は、一期生とともに 2月8日(土)体験できます。 【1回体験申込み】こちらをクリックしてください。●詳細/特典あり! こちらをクリックしてください。●問合せ/mail★ii-life.com(すがのかよ) ※★を @ に、変えてください。
Jan 28, 2008
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今日の教室はいろんなことがあって、こぼれ落ちるほどの内容でした。そのいろんなことには、すべて「ひと」がいます。だからすべては人との関係の中で「こと」は起きます。ことはその人の「からだの動き」となって表れます。この教室では、一人ひとりの「からだの動き」と関わることがその「ひと」と関わることであり、その「こと」と関わることです。今日は特別の方達が何人も参加されていました。体験学習の四回目で、入会するかどうかを今日決める人。ドイツからの里帰りに野口教室参加のプランを組み込んで、テーマーを持って来ている人。大阪の教室から、ビデオで見た動きを体感したいと夜行バスに乗って来た人。名古屋から、からだがきつくて…、と重いからだを予定より早く運んできた人。問題のはっきりしている人問題のはっきりしていない人それを放っておいてもいい人、放っておいた方がいい人、放ってはおけない人、これは、いつも参加されている方達にも同じことが言えます。そんな人たちが一堂に会して、同じ動きをします。老若男女、経験の深い浅い、一回だけの人、みんな一緒に動きます。全体の中に自分を曝して、だからなお、自分が見え、その一人ひとりが見えてきます。伝え手にも、参加者同士にも。それで発見や気付きの深まる人、逆にガッカリする人、飛躍する人、この「場」をどう納めるかは最終的にはその人の選択ですが、何かを求めておいでになったのですから、スタッフは感覚を全開してその人の「こと」に当たります。選ばれた動きです。「立つ・歩く」「その場弾み(ゆすり)」「波の動き」「ぶら下げの動き」「腕立てはずみあがり」「対話の動き」これだけある動きは、スピードが変わっても、リズムが変わっても、一つの動きです。からだは地球と繋がり、地球からエネルギ-をもらい、そのエネルギ-は、からだの中を土台である足の下から末端に向けて伝わって行く一つの動きです。選ばれたことばの一つです。「からだの動きにおいて、からだの中身に、『波・うねり・捻り・渦巻き・ゆり・ふり』など、それらの多重構造の流れ、つたわりがないとき、その動きは『いのち』を失ったといってよく、新しい動きの世界は開かれない」(野口三千三)「ことば」と「からだの動き」の一致に向かって「こと」が起こるのです。一致していてもしていなくても、良かろうが悪かろうが、その人独自の「こと」が。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日大阪から夜行バス乗って、この眼で見たい、この手で直接に触れたい触れられたいとやって来たkさんはどんな感想を持たれたのでしょうか…。******************************************** 「継続して初めてわかることがあります。だからもう半年」 ● 【大阪で野口体操を!】2期生募集 ●********************************************「光がたくさん入ってくる感じ…」「ほぐれてゆるんでいく感じ…」(参加者の感想より)2月に1回体験もできます。まずはおためしを。●日程/月1回第2土曜日(計6回)13時~17時 3月8日(土)、4月12日(土)、5月10日(土) 6月14日(土)、7月12日(土)、8月13日(土)●会場/大阪市内 そのつど、参加者にご連絡します。 ※興味のある方は、一期生とともに 2月8日(土)体験できます。 【1回体験申込み】こちらをクリックしてください。●詳細/特典あり! こちらをクリックしてください。●問合せ/mail★ii-life.com(すがのかよ) ※★を @ に、変えてください。
Jan 27, 2008
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二人はこの病院のデイケアで知り合いました。精紳の障碍を抱えた二人は、もう二十年の年月、寄り添い支えあってきました。彼は両親と一緒に暮らしていたのですが、お母さんが亡くなられた時からお父さんと共にお姉さんの家にいます。お姉さんは結婚していてその子供と五人で、仲良く暮らしています。彼女は、両親が離婚しお兄さんと共に暮らしていましたが、お父さんだけが戻ってきて、それでも三人で仲良く暮らしています。今日、離れて一人で暮らしていたお母さんが亡くなられたと知らせが入りました。心臓の発作だったこと、発見が遅れたこと、あまりのショックで涙も出ないこと、先ず彼に知らせてきます。二人は一緒にいたいときは彼女の家で過ごします。一週間に三泊ほどです。もう長年連れ添った夫婦のようで、周囲の者たちにも見守られています。彼は全国でも例を見ない、患者からスタッフになりました。スタッフ仲間からも信頼され、「いざという時にはMさんがいる」とむしろ頼られているぐらいです。デイケアのメンバーの本当の気持ちを一番よく理解できるのは彼だからです。メンバーも彼を信頼しています。自分たちのほとんど全部を受け入れてもらえるのは、病院側のスタッフではないのです。多分世間では通用しない弱さをメンバーの一人ひとりが抱えています。誰でも思わず、注意したくなる、小言の一つも言いたくなる、横を向いて嫌な顔もしたくなる。常識破りの弱さです。彼もまた世間では、男らしくない男として一掃されるに違いありません。彼はどんな常態のメンバーのことも決して陰で悪口を言わない、怒らない、困った時は口ごもるだけ、悲しそうな顔でじっと見るだけです。そしていつも笑っています。わたし達を支えている常識や約束事を、立派に守れる時間はそう長くはありません。二十歳まで教育を受け、六十歳の定年前にもうすでに立派ではいられなくなります。それでも頑張りに頑張ってたった四十年間を常識や約束事の中で過ごせる人はそうはいません。この常識や約束事は誰が決めたの?一見弱弱しそうなMさんのからだの動きは、自然の摂理・原理に支えられ、力強く逞しいものです。今、MさんとSさんの二人は結婚をするために都営住宅に応募しています。外れてなかなか当たらなくても二人は何時までも応募して、結婚の意志は捨てないでしょう。「野口体操は、既成の固定した枠を破り捨て、自由な大地に生きることだ。それは大自然の原理という巨大な枠を発見することでもある。この枠は束縛するものではなく、存在すること生きることを成り立たせ、真の自由とは何かを示す枠である。極めてきびしくはげしいおきて(掟)である」(野口三千三) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あなたの常識や約束事はそれでいいの? ******************************************** 「継続して初めてわかることがあります。だからもう半年」 ● 【大阪で野口体操を!】2期生募集 ● ********************************************「光がたくさん入ってくる感じ…」「ほぐれてゆるんでいく感じ…」(参加者の感想より)2月に1回体験もできます。まずはおためしを。●日程/月1回第2土曜日(計6回)13時~17時 3月8日(土)、4月12日(土)、5月10日(土) 6月14日(土)、7月12日(土)、8月13日(土)●会場/大阪市内 そのつど、参加者にご連絡します。 ※興味のある方は、一期生とともに 2月8日(土)体験できます。 【1回体験申込み】こちらをクリックしてください。●詳細/特典あり! こちらをクリックしてください。●問合せ/mail★ii-life.com(すがのかよ) ※★を @ に、変えてください。-------------------------------------------
Jan 26, 2008
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すべてが終わっても終わり切らない感情を閉じ込めて、こんな形で決着をつけようとします。「私に魅力がないのです。無表情で…笑顔を見せたこともない気がします。私は自信がないんです。いつかは私から離れて遠くに行ってしまうのではないか…、いつも不安でした。私が悪いのです。ハッキリしないし、決められないし…。」私は自信がないと言っているのに、不思議なぐらい自信を持って、私はだダメなんだと言います。何が悪いのか分らないけれど、私が悪い…。すべては私の責任…。他人には計り知れない涙が滲みます。I さんは食事も喉を通らない、夜も眠れない日をすごし、ほとんど鬱状態のからだで体操にやって来ました。「でも、初めて好きだと打ち明けることができたんだから、どんな結末でもそれは素晴らしいこと。」「私は嫌だ、絶対嫌だとなぜ主張しなかったの?」「自分に対する失礼は許してはならない。」「自分を責めることはない。」本気で仲間からの叱咤激励が出ます。けれども I さんは、はいはいと頷くばかりです。賛成しているのか、儀礼的な相槌だけなのか分りかねます。I さんに沁みていったと感じたのは、仲間のこのことばでした。I さん。あなたはほんとうに魅力的よ。はっきりしないと思っていることもあなたが繊細だから、決められないと思っていることもあなたの思いやりの深さ、わたし達はあなたが大好き。あなたは愛する力も愛される力ももっている、だって魅力的だもの。はらはらと涙がこぼれ落ちます。「自分自身を尊敬することのできない者が、他の人をほんとうに尊敬できるとは思えない」(野口三千三)******************************************** 「継続して初めてわかることがあります。だからもう半年」 ● 【大阪で野口体操を!】2期生募集 ●********************************************「光がたくさん入ってくる感じ…」「ほぐれてゆるんでいく感じ…」(参加者の感想より)2月に1回体験もできます。まずはおためしを。●日程/月1回第2土曜日(計6回)13時~17時 3月8日(土)、4月12日(土)、5月10日(土) 6月14日(土)、7月12日(土)、8月13日(土)●会場/大阪市内 そのつど、参加者にご連絡します。 ※興味のある方は、一期生とともに 2月8日(土)体験できます。 【1回体験申込み】こちらをクリックしてください。●詳細/特典あり! こちらをクリックしてください。●問合せ/mail★ii-life.com(すがのかよ) ※★を @ に、変えてください。-------------------------------------------
Jan 24, 2008
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若者たちが変わってきています。子供たちは時代とその社会で育てられ、その価値観にたっぷり浸かって来たのですから、当然といえば当然のことです。「今時の子供たち」は何時の時代にもいます。今時の子供たちは…と嘆く大人たちは、若者たちの姿に、わたし達大人が作ってきた時代と社会が鮮明に投影されていることを思い知るべきです例えば、ここ舞台芸術学院では、六十年間演劇学校だったものが大きく逆転して、ミュージカルを目ざす若者がほぼ全員となりました。演劇を目指す若者でも、ミュージカルもやりたい、ミュージカルをやるために演技を先に、と言います。ミュージカル科の学生の目ざすところも、最近は具体的ではっきりしています。大手のミュージカル劇団です。父母も同意の目標です。この流れは他の専門学校でも同じで、いち早くその方向に切り替えなかった学校は倒産しています。演劇もまた時代とその社会のものです。もちろん今も演劇はやられています。紀伊国屋演劇賞を取った若い人の脚本を読み、舞台を観ると、これが演劇人たちが若者に手渡してきた演劇なのか、と眼を見張ります。若者たちが変わり、演劇が変わってきています。野口体操はミュージカル志向の若者からはほとんど要求されていません。表現の基礎に必要だと言われ、やってみるか、とやってみれば、思いもよらない世界に出くわし、ただただ驚くばかりです。分り易くて、カッコよくなくては彼らのミュージカルではないのです。こんな雲をつかむようなことは必要ないのです。分り易くていいし、分り易くなくてはなりません。カッコ悪いなんてとんでもない。しかし、どんな世界を分かり易く見せてゆくのか、何をカッコいいとするのかが問題です。あなたのやりたいことはそれなの?本当に、それでカッコいいの?あなたの体の中にあなたのやりたいことも、どう表わすかも、カッコよさもすべて在るのです。「授業とは、それぞれの人が、自分の力で自分の裡(なか)に、新しいい世界を発見しそれを育て、そのことに驚き喜ぶことである」(野口三千三) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~自分のからだの裡(なか)に在る可能性を探ろうとする人たちが、大阪にも集っています。 ******************************************** 「継続して初めてわかることがあります。だからもう半年」 ● 【大阪で野口体操を!】2期生募集 ●********************************************「光がたくさん入ってくる感じ…」「ほぐれてゆるんでいく感じ…」(参加者の感想より)2月に1回体験もできます。まずはおためしを。●日程/月1回第2土曜日(計6回)13時~17時 3月8日(土)、4月12日(土)、5月10日(土) 6月14日(土)、7月12日(土)、8月13日(土)●会場/大阪市内 そのつど、参加者にご連絡します。 ※興味のある方は、一期生とともに 2月8日(土)体験できます。 【1回体験申込み】こちらをクリックしてください。●詳細/特典あり! こちらをクリックしてください。●問合せ/mail★ii-life.com(すがのかよ) ※★を @ に、変えてください。-------------------------------------------
Jan 23, 2008
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驚きました。すごい。ことばにならない感動でした。今までいたるところで何度も言ってきました。「立って歩けなくなったら、四つん這いで歩けばいい」と。それをさせないのは周囲の、本人自身の常識や既成概念である、と。しかし、その話を聞いたほとんどの人は失笑ぎみでした。まるで絵空ごとを聞くようでした。こうなったら自ら実行してやるぞ、と決心はしていましたが、その機会はもう少し先のようでした。ご近所の素晴らしくおいしいパンを作っている「こんがりぱんや」には、九十九歳のおじいさんがおいでです。最近ぐっと弱られました。冬だということもあって、日課だった散歩もされていません。それでも、朝一番にテレビ番組に印をつけて大好きな番組を見る楽しみは健在です。時々粗相はあっても自分で用も足され、食事は居間の食卓で召し上がります。昨日今日のことは分りませんが、最後の戸締りは自分の仕事とされていました。パンの工房と居間がつづきになっています。そこに置かれてある大きな食卓のここがおじいさんの場所と決まった椅子に座って、一眠りです。人の出入りの多い居間がおじいさんに安心感を与え、そこでの眠りが一番お気に入りです。結果、昼夜逆転の傾向が出てきて家族は心配です。大鼾が部屋中に響き渡っている時があっても、おじいちゃんはそこから追い払われることはありません。一日一日、眼に見えて老いてゆかれます。もう子供にかえったようなところがあって、思いも寄らない発想、ことばが笑いを誘います。ご家族の苦労はまた別にあるのは当然ですが、ご家族はおじいちゃんの今生きる姿に連れ添っています。今日初めて、おじいちゃんがご自分の部屋から居間に出て来るのに、四つん這いでおいでになるのを見ました。実際に四つん這いで生活されている方を見るのは初めてでした。誰がそうしろと言ったわけでもない、おじいちゃんが自分で選んだ今一番確かなおじいちゃんの「立つ・歩く」です。最後まで自分に残された持てる力を出して生き切る姿は、観念的な理想論を弾き飛ばすものです。「野口体操というもの。何時、どこの、誰かが気づき考え工夫して、形作った『〇〇体操、〇〇健康法』というもので、それを手本として学ぶ、というものではない。今、ここで、自分が自分にとってどのような存在の仕方がいいのかを、自然の原理(神)に直接貞(き)く(自然直伝)ことを主として、それぞれの自分が自分の裏(なか)で気付き見つけ育てあげる、というものである」(野口三千三)おじいちゃんはごく当たり前に、「野口体操」をなさっておいででした。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~自分の「野口体操」を伝え合いましょう、ここ大阪でも。******************************************** 「継続して初めてわかることがあります。だからもう半年」 ● 【大阪で野口体操を!】2期生募集 ●********************************************「光がたくさん入ってくる感じ…」「ほぐれてゆるんでいく感じ…」(参加者の感想より)2月に1回体験もできます。まずはおためしを。●日程/月1回第2土曜日(計6回)13時~17時 3月8日(土)、4月12日(土)、5月10日(土) 6月14日(土)、7月12日(土)、8月13日(土)●会場/大阪市内 そのつど、参加者にご連絡します。 ※興味のある方は、一期生とともに 2月8日(土)体験できます。 【1回体験申込み】こちらをクリックしてください。●詳細/特典あり! こちらをクリックしてください。●問合せ/mail★ii-life.com(すがのかよ) ※★を @ に、変えてください。-------------------------------------------
Jan 22, 2008
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月曜クラスを閉める日が迫って来て、後ろ髪ひかれてなりません。何ともこのままでは終えることができない残念さがあります。簡単にどうにかなるものではないけれど、ましてあと二ヶ月間と区切って出来るものではないけれど、何かやり残しているのです。「からだは右半身と左半身に分かれている」「右半身と左半身もその正中面も、空いている」「動きは基本的に土台から末端に伝わってゆく」(野口三千三)そして「力を抜けば抜くほど力がでる」(野口三千三)それらを何年間もかけてからだの動きで確かめてきました。あと少しでその一つひとつが手を取り合ってくれるのではないかと期待できるのです。今は一つひとつバラバラになっているとしか見えないけれども、やがてまるごと全体が捉えられるのではないか…。残された時間でやって来たことが繋がってくれる作業ができるとすれば、何をすることが一番このグループの力になるのか。それも具体的なからだの動きでなければなりません。なぜなら、左・右半身のことも、空いていることも、動きの伝わりのことも…、頭では理解されているし、いや、頭で理解されているだけなのかもしれないからです。具体的なからだの動きと言えば、からだの中の流れがいま一つ具体的になっていません。だから、からだの動きも流れではなく筋肉と骨格の緊張によって示そうとしてしまいます。これでは「対話の動き」が成立しないのも無理もありません。からだの中の流れと、それが確かなものになっているか否かが問われる「対話」を、残された時間でやってゆくと決め、皆さんに伝えました。わたし達はそんなにできていないのか、というガッカリした気持ち…。しかしそれは嫌でもすぐに「対話の動き」で納得せざるを得ません。聴き手になって、どこを触れられても、どんなことばを投げかけられても伝わってこない…。話し手になって、どこを触れいいか、どんなことばを投げかけていいか、ことばを失ってしまう…。ひょっとして、日常のことばもちゃんと相手に話してこなかったし、聴いてこなかったのでは?そうね、と小さく頷くこのグループは、ほとんど六十代の集まりです。まるで赤子が一から歩き出すように、転びながらも立って歩いて行こうとする姿には頭が下がります。******************************************** 「継続して初めてわかることがあります。だからもう半年」 ● 【大阪で野口体操を!】2期生募集 ●********************************************「光がたくさん入ってくる感じ…」「ほぐれてゆるんでいく感じ…」(参加者の感想より)2月に1回体験もできます。まずはおためしを。●日程/月1回第2土曜日(計6回)13時~17時 3月8日(土)、4月12日(土)、5月10日(土) 6月14日(土)、7月12日(土)、8月13日(土)●会場/大阪市内 そのつど、参加者にご連絡します。 ※興味のある方は、一期生とともに 2月8日(土)体験できます。 【1回体験申込み】こちらをクリックしてください。●詳細/特典あり! こちらをクリックしてください。●問合せ/mail★ii-life.com(すがのかよ) ※★を @ に、変えてください。-------------------------------------------
Jan 21, 2008
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日増しに寒くなってゆきます。寒い中、顔を凍らせるようにしてみんな教室に集まってきます。しかも毎週です。来て良かったという経験をして帰ってもらいたい、そう願って持てるものほとんど丸出し状態で提出しています。しかしそのほとんどは伝え手のからだに収められたものだから、伝えるといっても実に不確かです。その不確かさがはっきりするのが「対話の動き」です。「対話の動き」ですから一人では成立しません。聴く人と語りかける人の関係こそ対話の真骨頂です。「関係」などという観念に走りがちなことばも、からだの動きなので具体的です。「そんなつもりではなかった。」「こう思っていたのに…、」は一切通用しません。曖昧だと思われるもの、繊細なものも、そのまま動きに表れます。気分や雰囲気にも、からだは厳しく反応してきます。語りかけるということは、外からの情報です。聴くとはその情報の「受容・伝達・処理・反応」(野口三千三)です。今日は、語り手と聴き手でに分かれて、情報の出し方・情報の受け取り方を学びました。どんな情報の出し方をすればどんな波が起こるのか…。入ってくる情報をまっさらなからだで受け止めるにはどんな聴き方をすればいいのか…。「波の動き」は「次のどんな動きに対しても応ずることのできる準備ともなる」(野口三千三)からだになることでもあります。他者からのどんな働きかけにも応ずることのできるからだの準備とはどんな準備なのか、野口三千三は、「立った楽な感じのままで、……少しでも不必要な緊張によるかたまりがあるとこの動きはうまく伝わっていかない」(野口三千三)と簡単なことばで、準備されたからだの内容を指し示しています。確かに「対話」が成り立たない時、からだには「不必要な緊張によるかたまりがある」のです。からだの動きを、「不必要な緊張」で表現しようとしていることがわかります。それは、悪しき表現方法ではないか、もっと自由に表現できるからだを獲得してもらいたい、そのからだのイメージは確実に伝え手(スタッフ)としてもっていたい、その努力は惜しみません。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・******************************************** 「継続して初めてわかることがあります。だからもう半年」 ● 【大阪で野口体操を!】2期生募集 ●********************************************「光がたくさん入ってくる感じ…」「ほぐれてゆるんでいく感じ…」(参加者の感想より)2月に1回体験もできます。まずはおためしを。●日程/月1回第2土曜日(計6回)13時~17時 3月8日(土)、4月12日(土)、5月10日(土) 6月14日(土)、7月12日(土)、8月13日(土)●会場/大阪市内 そのつど、参加者にご連絡します。 ※興味のある方は、一期生とともに 2月8日(土)体験できます。 【1回体験申込み】こちらをクリックしてください。●詳細/特典あり! こちらをクリックしてください。●問合せ/mail★ii-life.com(すがのかよ) ※★を @ に、変えてください。-------------------------------------------
Jan 20, 2008
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「こんな文化はどこにもないよ。I ちゃんの大切な話なのに、そんな大声で…、笑い飛ばして…、」と言いながらもワハハワハハと一番大声で笑っているのは、いさめようとしているOさんです。I ちゃんの恋に口出しし、男の不誠実を寄って集ってけなしまくっているのです。いろいろワケあって、I ちゃんの恋はこのクラスの一大テーマなのです。恋の行く末をまるで自分の家の姉か、娘か、孫のように気にし、じれったく思い、見守っています。はらはらしながらじーっと見守ってきて、I ちゃんが男の身勝手を口にしたとたん、緊張の糸が切れたかのように教室に轟音が巻きあがりました。正確に言うとI ちゃんが男の身勝手を口にしたわけではありません。「それは男の身勝手だよ、不誠実だよ」と、周りが騒ぎまくっているのです。I ちゃんはと言えば、恋敵らしき女のために弁解を惜しみません。んもう~。地団駄踏んで、ここまで。一まず落ち着こうではないか。と体操が始まりました。この教室はもう三十年近くやっています。少しずつこぼれ聴いた一人ひとりの断片的な情報はあります。三十年間も毎週一回集っていると、例え断片の情報でも知らず知らずのうちに繋がってその人の姿かたちが見えてくることはあります。外側の情報を繋げたものです。家族はいるのか、仕事は何か、年は幾つか…。けれども、ほとんどからだの動きしか見ていません。からだの動きが多くを語り尽くします。あるいは家族にも語られていないこと、自分でも認識されていないことまで。それぞれのからだの動きに立ち会ってきただけで、もう一つの新しい関係が生まれたのです。一定の価値の基準をこえた感があります。表層の親切や気遣いを必要としない確かな関係です。家族ではないけれど、しかし本当に個人的な新しい関係の家族と言ってもいいかもしれません。「体操におけるすべての運動の在り方において、深刻な重大問題が、底に深くひそんでいることを知ってほしいと心から願うのである」(野口三千三)
Jan 17, 2008
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今日一人の学生を相手に「だらだら休んではダメじゃないか。何故気楽に休むのだ。」と本気になってしまいました。教室がしんとなって、こちらの本気が伝わって初めて学生たちも本気になってくれしまいました。授業が終わったあと、他の学生が一人立っていました。「私にも言ってください。さんざん説教はされましたけど、本気で言われたことがないんです。」お説教か…、両親は全くお説教はしませんでした。あんなにやんちゃな子供だったのに、不思議なぐらい信用されていました。信用されていることを信じられました。過激な祖母が、ときどき悪ガキの孫を懲らしめようと、竿を片手で高々と持ち上げながら追いかけて来ました。けれども、祖母はお説教ではなく本気に怒っていました。それを囃し立てながら逃げ回るこちらもほんとのおてんばでした。お説教をされるのは誰だって好きではありません。まして若いうちは、お説教を聞く耳なんて持ち合わせてはいません。「冷酒と親の説教はあとから効く」という諺めいたことばも、若い頃から何度も聞かされました。だけれど、冷酒の方だけ聞いていました。お説教はなぜ届かないのか。本当に自分の経験から出た正直なことばではないからです。仲良くしましょう、やさしくしましょう悪口はやめましょう、こんな一般論だけならその辺にごろごろ転がっています。あの子嫌い、どうしても一緒に遊びたくないの、だって…、こんな経験を頭ごなしに押しとどめようとするのがお説教です。あの子嫌いもあの子と仲良くしたいも、同じく感覚の力で、経験の中から捉えてゆくものです。その上、「あなたのために言っているのよ」なんて、余計なお世話というものです。責任を持ってわたしはこう思う、わたしはこう感じたと言って欲しい、それがその人の経験を通してその人の中から出てきたことばであれば、それだけでいい。若者たちも敏感です。お説教かその人から出た正直なことばか、感じ分けます。「『負けて、参って、任せて、待つ』この四つの和語は漢字の『信』と近く、私は『すべてのもの・ことのそれぞれの霊力(ちから)を認めてそれを尊重しそのもの・こととの関係において、空間的・時間的・エネルギー的に、ある程度の間を空け(空間)間を待ち(時間)、そのもの・ことに干渉・お節介・命令・管理・監督しないで、そのもの・ことの本来のなりゆきのままにすること』であると思っている」(野口三千三)
Jan 16, 2008
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今年最初の「体験コース」の方が二人、おいでになりました。前回のご希望を今日にゆずって頂いての参加です。先週は、内輪の「福袋の授業」だったからです。期待し待っていただいての体験参加のお二人だけに、からだが期待でわくわくされている様子が滲み出ていました。男性は、からだの動きの楽しさをすでに知っているからだでした。もう少し新しい刺激が欲しい、今までと違ったアプローチをしてくれる場が欲しい、捜し求めているからだは、伝え手のことばに鋭く反応してきました。「原初生命体の手が出てきます」からだがほころび、嬉しそうに「新しい手」が出てきます。刺激を待ち構え、感度よく呼応して来るからだに、伝え手も刺激を受けました。女性は、正直なからだで、正直な感想を話してくださいました。「最初に伺ったおはなしの段階では、頭では分ったようなつもりになっていたけれど、実際のからだの動きでは思うようには動けませんでした。」野口三千三のことばの指し示す先にこの動きが在る、とは思えないということでしょう。頭で理解したものより想像を超えたからだの動きが具現化されて目の前に存在している、その驚きをどう感じ取るのか、いやだと思うのか、良いと感じるのか、いいなあと魅せられてゆくのか、こんなの気持ち悪いと忌み嫌うのか、土曜日、大阪のスタッフ、中西友紀さんから聴いたことばが思い出されます。「私は今までほとんどのことばは理解されてきました。でも野口体操のことばは何を言われているのか、全く分りません。体操をやっていても自分が何をしているのか、全くわかりません。こんなこと、こんな感覚ははじめてです。だからやりたいんです。」うん。それ、悪くない、いいじゃないかと思いました。驚きが困惑に変わり、一気にからだを固めて離れてゆく人はたくさんいます。そこまで分からなくて、「だからやりたい」と思う。興味津々新しいことに向かって分ろうとしてゆく。そのことを野口三千三はこんなことばで言い表しています。「『あ』→『あら』『あれ』→『そう』→『うーむ』これは私の理解の図式です。最後の『うーむ』が出た時が『本当』ということです。こう考えてくると、私たちは無意識の間に、認識の働きを全部、自分のからだの全体でやっていることが分ります。決して脳だけでやっているのではない良い証拠が上の図式です」(野口三千三)
Jan 15, 2008
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★大阪で野口体操を―とりあえず半年★の五回目が終わりました。来月で終わりです。そして、ニ期目の継続がほとんど決定しています。一期生が中心にならなければ「継続」の意味を失ってしまいます。見事に彼等は核となる力を自らに中から掘り出し、集め、磨きました。一ヶ月にたった一回の経験が、稽古場を離れてもそれぞれの生きる場で息づいていた証です。みんなの中にどんな落ち方をしているのか…、からだの動きに分った、困っている、嬉しい、不快だ…、そのほとんどが表れます。やがて時間を置いてその内容をじっくりとメールで伝えてくださる方がいらっしゃいます。溝井典子さんもそのお一人です。自彊術を長年学んでこられた溝井さんの、教室の前日・後日の素直な経験をお読み下さい。★1月11日(金)「明日また野口体操ができるのを楽しみにしています。なかなか落ち着いて物事を整理する時間がありません。これは問題だ・・・と、自分を見失う・・・と新年を迎えるにあたりかなり反省もし、まずは身辺(部屋ですが…)の整理をしました。今日は11日、また探し物をしている状態です。実は先日メールを送った直後にブログで「意識」が取り上げられていました。アンケートに「意識」を記入したのはそれもあってのことです。前回の体操はそれがずっと気になっていました。自彊術は全ての動きを意識的にする体操です。何年も馴染んできたその方法から離れることはとても難しいです。ただからだに一種の痛みを伴う、私にとってはまるで修行のような自彊術でしたが、操体を経験したことにより自彊術の動きそのものに気持ち良さが出てきました。そんな中での大阪での野口体操の実施でした。操体から野口体操。運命を感じ参加させて頂きました。最初はほんの体験のつもりでしたが、そのえたいの知れない魅力に(先生の魅力にも)はまって来ています。先生からのことばかけによってうまれたうごきから、体操の後に関節のなめらかなうごきを実感できます。これは自彊術とは全く違う方法ですが終わったあとの気持ちよさは同じものです。この不思議さに自然に「継続」です。この「継続」を続けるために、スタッフの方々がご尽力されていること本当にありがたく感謝しております。なんらかの協力を、とは思っているのですが、私自身自彊術との違いに戸惑っている有様です、いましばらく時間をください。★1月13日(日)「昨日はありがとうございました。アンケートにも書かせて頂きましたが、やはり回を重ねる毎に「意識」が邪魔をしていることを感じ、難しさを感じます。からだを信じない自分が居て、これは体育が苦手科目だった小学生のときの感覚を呼び起こさせます。それから、12月に先生から言われた「その触れ方は、依存を生む」とのひとこともずっと私の中にあります。また自彊術の話で恐縮ですが、自彊術には体操とは別に療法が存在し、その療法が体操の本になっているため平行して行われます。人によってその触れ方に差があることは常々感じていたのですが依存を生む触れ方という表現はとても衝撃的で、納得できるものでした。昨日「掌」を介しての伝え方をしましたが、掌から伝わってくるものはその人の性格までも伝えるように感じます。複数の方と組ませて頂いたことはとても有意義でした。私には「依存」的なものがあり、それは生育歴にも関係していることをカウンセラーをしている知人に指摘され、最近知りました。先生がブログに書かれていること、自分のことを言っているのではないかと思うことがよくあります。野口体操が健康体操ではなく、生き方に関わっているということをようやくじわじわと感じています。原初生命体感覚が働けば、生き方も楽になっていくと確信しています。改めて野口体操に出会えたことに感謝します。」
Jan 14, 2008
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ちょっと遅いけれど、お正月だから、自分の名前を、自分のからだに刻印するように、からだで書いてみよう。伝え手はそれを今日のテーマにしました。その時その時に出合った「漢字」「やまとことば」を調べてきたけれど、それにしても、そもそも「字」という字はどんな成り立ちなのだろうか…。今まで「字」には関心を持って調べてきたけれど、肝心の「字」という字は調べていなかった。伝え手は、野口先生が新しい気づきや発見の時そのように表現されたように、「はっとおどろき、あわてふためいて」「字」について調べてきました。先生の息吹が、代を変えてここでもも感じられます野口三千三が遺した蔵書があります。先生がいつでも調べられるように自分が座っているすぐ後ろに置いてあった辞書です。何冊かの辞書の中に、白川 静氏の辞書があります。その一冊、「字統」の379ページを開くと、「字」という字が出てきました。ああ、やっぱり…、先生は調べておいででした。大事とするところはボールペンで線が引かれ、要の字は〇で囲んでありました。「からだの動きはことばであり、ことばはからだの動きである」(野口三千三)と定義する野口三千三は、「甲骨文」まで遡り、「漢字」「やまとことば」に到り、さらに「書」にも親しみました。そして、自分のからだで「字」を書くに到ります。「ひらがな(いろは…)は、多くの日本人が長い時間をかけて創り上げた『からだの動きのモデル・サンプル』である、といってもよい。『コトバ・文字』は無数のものことの本質をを抽出し、それぞれが混乱することなく識別できることを条件として、創り出されたものである。中国において漢字が、甲骨文字から楷書に移り変わる中で、できるだけ楽にしかも早く気持ちよく書けて混乱しないよう工夫されたのが草書である。更に日本人が単純でしかも明確に区別できる差異をもたせた通り道を探して出来上がったのが『ひらがな』である」(野口三千三)確かに、「ひらがな」は「からだの動きのモデル・サンプル」でした。足のしたからのエネルギー、右半身・左半身、からだのなかに起こる波の動き、それら全てが一つになってからだで「ひらがな」が書けます。いや、実は全ての動きは、自然の原理が一つになって成り立っているのです
Jan 13, 2008
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この教室は、ほとんど全員が十年選手、二十年選手です。皆それぞれ、こつこつとじっくり自分の問題と取り組んできました。職場の異動で片道三時間も掛かる地に毎朝出勤しているIさんが新春初めての稽古に参加してくれました。「僕にはやっぱり必要なので…。2月から日曜日の教室に参加する計画を立てています。ブログも毎日読んでいます、いろいろのことを考えるのに僕にはやっぱり必要なので。」きっとブログに添えられる野口三千三のことばが、彼の力になっているのでしょう。時々バランスを崩していたIさんです。時には生きてゆくのも危うく感じられることもありました。それはからだにもそのまま表れていました。そのIさんがここまで安定し、適応して、自分の仕事を大切にし、趣味にボランテアに生き生き活動できるようになれたのは驚きです。「子供の頃からからだが弱くてほとんどからだを動かすことはなかったです。」正にそうだったのだろう、そうでなければこんなからだになる筈はない、と思われるほどのからだの硬さです。一見、十年経った今もその硬さはそれほど変化があるようには見えません。しかし、そう見えますが、実はものすごく変わったのです。この違いは、当のIさんと、そばにより添って見守ってきた者にしか分りません。Iさんの存在は、伝え手の側にこそ大きな変更を求め、迫ってきました。今まで言ってきたことのほとんどすべてが口だけのものにしか過ぎなかったと言われても仕方がないと思いました。当初、何とかしようと必死でした。思うようにならなければ相手にも自分にもガッカリし、相手に疑問を感じたり、自分の力の無さを嘆いたりのくりかえしでした。Iさんとの関係は、「負けて参って任せて待つ。間をあけ間をまつ」(野口三千三)の具体でした。それが出来た時、やがて外に表れないほどのIさんの微細な変化を感じ取ることできるようになりました。それが出来た時、はじめてIさんの存在まるごとを受け入れることができたのでした。
Jan 10, 2008
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からだが硬いと悩んでいる学生がいます。硬いとは何を指し、柔らかいとはどんな状態を言うのか、それについて本当に考え尽くされてはいません。その学生は勿論のこと、世の中もそうです。そしてただ嘆いていいるだけです。大体は他の人との比較の中で硬い柔らかいをきめます。中には生まれつきとか、遺伝だという人もいます。しかしそんなことはありません。兄弟でも親子でも嘘のように違います。そしてそのほとんどが関節の固さを訴えてきます。しかしこれもそんなことはありません。関節そのものの故障の場合は、立つことも歩くこともままならないのです。関節を取り巻く筋肉たちが不自由なのです。冷え等の外的な条件による場合もあります。冷えは冬だけとは決まっていません。真夏だって冷えます。まして、クーラ-の冷えは尋常ではありません。暖めるだけでさまざまの故障が解決します。からだが硬いと言い張っている人の、暑いだの寒くないだのという感覚なんか、ほとんどアテになりません。もっと問題なのは、自分の内側の問題です。その学生は自分の不自由さにやっと気がついたのです、大人になって。初めて、からだに関心を持ったのです。遅いのです、からだに関心を持つのが。あるいはやりたいことが出てきて、初めてその不自由さが気になり始めたのです。そして、できの悪い道具だと自分のからだを軽蔑し始めます。からだは道具ではありません。錆びた道具を放置するように、自分のからだをかえりみようとはしません。からだが自分自身だと認識せず、からだを錆びつかせたのはだれか。自分です。それなのに他人と比較して早くああなりたいと焦り、からだの動きを始めてもすぐイヤになります。自分の内側の問題で一番問題にすべきなのが、関節や筋肉はまるで硬くないのに、からだが硬いと思い込んでいる人です。からだの動きが悪いだけなのです。これこそからだが硬いといえます。からだの概念、からだの動きの概念の変革が求められます。自分自身と深く関わったこの問題が一番問題で、ここが変わることができれば、「体操による人間変革」(野口三千三)となりましょう。そうすれば、他の人と比較したり、角度などの数値にとらわることなく、関節や筋肉の硬さだけが気になることはなくなるでしょう。じっくりと気持ちよく自分自身とつき合いながら、いつのまにやら硬さは解けてゆくでしょう。
Jan 9, 2008
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新年最初の火曜教室は、待望の豊田早苗の初めての授業で幕が開きました。新春なので、「福袋の授業」と名づけられました。何が出てくるか分らない、出て来てのお楽しみ、というわけです。充実した二時間でした。 ことさら新しいことがやられたわけではありません。新しい発見が語られたわけでもありません。やられていることが、自分自身と確実に繋がっていることが安心できました。選ばれた動きも、その動きに添えられたことばも、受け売りや背伸びがまるでなく、まさに彼女自身の中から出てきて、受け取る側の「原初生命体」に沁みました。驚いたのは何年も前、舞台芸術学院の学生だった頃に伝えたことが彼女のからだに残っていることが感じられたことでした。真面目に授業を受けていたんだなあとも思い、その頃の自分を振り返りました。野口三千三のことばをいくつか選びだし板書された中に「次々に現れるからだの状態の『初体験』を楽しむ営みを体操という」(野口三千三)ということばがありました。「わたしの今日のこの時間も『初体験』として楽しみたいです。」二時間の集中力からみて、彼女にとっても充分楽しい時間であったろうと見て取れました。当人はどうだったのでしょうか…。彼女の「初体験」の緊張感は、いい感じで受ける側にも伝わってきました。その緊張感が逆に、今まで繰り返しやられてきた動きを「初体験」の新鮮さに変えてくれました。終わった後、いつものようにスタッフ会議があります。労をねぎらうことばがかけられ、好評も伝えられた後に、今後の課題も話し合われました。手垢のついた既存のことばを使ってからだの動きの説明をしない。受講している人たちのイメージが膨らんで自らの力で動きだせることばを探す。からだへの効能は結果としてあるもの、それは目的ではない。呼吸が浅く声がでていないなどの個人的な条件の克服。まだまだ課題は山積みで、それを達成するには沢山の経験を積まねばならないことは確かです。しかし、こうやってスタッフの間で率直に問題点が出されているかぎり、野口体操教室は健康に機能してゆくことでしょう。いい伝え手になるだろうと思われました。
Jan 8, 2008
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この病院のデイケアは今日からでした。「休みだったのでテンションが上がらず、低迷しています。」と報告を受けました。多少の違いはあっても、基本的に沈んでいるのが彼らの日常です。今日が初日なら、そして野口体操から一年が始まるのなら、率直に「不安」について触れてみようと、積極的になりました。「不安」は哲学の出発点といってもいい人間の根本的な問題です。最も人間的な問題を彼等はまともに受け止め、「不安」に占領されています。「彼等は自分にOKを出せない人たちです。」デイケアのチーフが言いました。それはそうです。「あなたより、もっと大変な人だって立派にちゃんとやっている。」「くだらない。小さなことで、くよくよするんじゃない。」「何をつまらないことを気にしているんだ。」「もっとしっかりして。」いつもそう言われ、否定され続けてきました。安心して悩むことすら許されませんでした。そうして本当に病気になってしまいました。繊細だというのは欠点ではありません。気になる、気にかかるというのも欠点だとは思えません。繊細だとか、気になるというのは感性であり、むしろ一つの力です。何も気にならない、何もかもヘッチャラという図々しい人より、はるかに魅力的です。しかし彼等には、繊細だったり気になるということが自分のマイナスのイメージにしかなっていないのです。繊細で気になることが、からだの中身を感じる手がかりになるのです。からだの中身の確認です。「からだの中身の確認だって?自分の存在なんて確かめようがない。だから人はいろいろなことをやりたがる。不安だからだ。」重いことばで不安を訴えてきます。では、具体的な動きで一つひとつ自分のからだを確認してゆきましょう。その積み重ねでがやがて「からだの重さ」「重さのながれ」に実感が持てるようになるでしょう。からだの実感を持つことは、実に頼りになることなのです。だって、からだは自分自身なのですから。「体操の特質は、人間が言語や文字、頭の中だけでわかってしまったかのように思い込んでいる事柄を、自分のからだによる生体実験によって、皮膚をふくめて、その内側の全感覚で見つめ・味わい・確かめ・計算し・考え・納得し・判断し・行動することである。そしてそのことがたんなる言葉の遊戯でなく「実感」としてつかめるようになったときに、体操が初めて人間のために役立つものとなる」(野口三千三)
Jan 7, 2008
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新しい年が明けました。遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年も野口体操教室のこと、暮らしの中の野口体操、そして、「からだの動きの実感を手がかりにして、自分とは何か、人間とは何か、自然とは何か、地球とは何かを探検する営みを体操という」(野口三千三)の探検の過程を、報告してゆきたいと思います。どうか、このどこまでも続く営みを共に営み、また見守ってくださいますように。教室にはみんなのニコニコ顔が集まりました。九十二歳の母上とお二人でお正月を過ごされたOさん。おかあちゃんに思いっきり甘えてきたMさん(おかあちゃんって彼の妻です)。「二週間の休みは長すぎるよ」はTさん。I さんご夫妻もいつものようにお二人揃っての出席で、本当にうれしいです。ドイツから里帰りをしている舞踏家のYさんも日曜日初めての参加です。……他にもそこに居てもらわなくては始まらないあの人・この人、みんなそれぞれの冬休みを過ごして、集まってきてくださいました。さあ、深く横隔膜を下ろして(息が入ってきて)、ゆっくり息を吐きながら今年初めての授業の始まりです。野口三千三著「原初生命体としての人間」 第三章 息と「生き」の中に、早々に出てくるのが「基礎運動」です。野口三千三は五つの動きを基礎運動として上げています。「その場跳び}(ゆすり)「上体のぶらさげ」 「上体ぶらさげ」における対話「腕立伏臥でのはずみあがり」「波の動き」「ジェット(噴流)の動き」この動きをとおして、「呼吸法こそ、その動きの本質である」(野口三千三)ことを伝え、経験させようとしています。教室は〇十年やって来た人も、今日初めての人も一緒です。当然経験の内容は違いますが、そのことが教室を熟成させてゆきます。今日の「上体ぶらさげ」における対話では、経験を積んだ人がまだ経験の浅い人に話しかけることを通して、逆に自らの経験の未熟さや、呼吸の大切さ、呼吸を合わせることの難しさを知ります。今日もいくつもやれませんでした。次回に持ち越しです。
Jan 6, 2008
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