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江戸の正月。七草のばんの小料理屋。おかみの養女、羽子板になるほど評判のお蝶の身に・・・江戸三小町を襲う事件。首のところを真っ二つに切られた羽子板はいったい誰が何の為に?『羽子板娘』 他10編収録。横溝正史の、“捕物帳”。初めて読みます。五大捕物帳のひとつなのだとか。ちなみに他の4つは、『半七捕物帳』 岡本綺堂、 『右門捕物帳』 佐々木味津三、『銭形平次捕物控』 野村胡堂、 『若さま侍捕物手帖』城昌幸。縄田一男氏の解説より。主人公は【佐七】。人形をみるような男ぶりのためについた綽名、人形佐七。てっきり人形遣いだと思っていたのに、ちょっと残念(笑)こんなことを言うのもなんですが、実はあまり覚えていない。読了したの3ヶ月以上も前だし、この前に読んだ2作が凄かったから印象が薄い。本に対する確固とした評価基準がないから、読む順番でかなり変わってしまいます。また、この本は2003年に出た傑作選・新装版。ここで選び出された10話が、当時発表された順番になっていない。なので、「え、あんた誰だよ?」といったこともあり、ちょっと拍子抜け。二の子分・豆六は、シリーズ十八話の『蛍屋敷』(この本では5話目)から登場するらしいが、この本の3話目の『笑い茸』(シリーズ何話目かは載っていない)で既に出てきている。で、5話目『蛍屋敷』で“新弟子登場”という話が・・・この本で【佐七】を初めて読む、という人もいるだろうし(私もそうだ)一月から季節順に並べるのもいいが、もう少し配慮があってもよかったのではないか。ほら、悪いところばかり印象に残ってる(笑)「そういうもんだ」(月日順)と思って読めば、一話一話は流石の出来。『双葉将棋』と『風流六歌仙』はとても良かった。(というあやふやな記憶。笑)今、ぱらぱらとめくると、かなり面白そうなんだけど、金田一シリーズのほうが好きだな。『人形佐七捕物帳』 横溝正史 光文社時代小説文庫 (2003年1月初版1刷発行)・・・・・・・・・・・・・最終更新日 2004年08月06日 12時55分11秒テーマ変更の為更新(内容そのまま)
2004年03月31日
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山中で宮本武蔵に育てられた松永誠一郎。師の遺言に従い、26で初めて江戸に出たのは、新吉原の記念すべき営業開始初日のことだった・・・いやぁ、これまた、ものすご~~~~く面白い本でした。はじめて隆さんの本を読んだのですが、“居住まいを正した山田風太郎”(微妙な言い方)といった感じで、想像力に溢れ仕掛けや謎もテンコ盛りで、読み応えがありました。吉原、花魁、傾城屋、夜の世界の開幕を告げる三味線の音色 ~ 【みせすががき】頬を濡らす誠一郎。太夫・・・琴、鼓、三味線にすぐれ、茶道、香合、立花に通じ、書道、和歌、俳諧、絵画をよくした。(P92)『客を振る』権利が存在した、時代の最高教育を受けた女性たち。誠一郎の敵娼(あいかた)となる、高尾。初会。引付の儀式、その他諸々。幻斎、勝山、道哲、おしゃぶ、おばばさま、おれん(おまけ)。一筋縄ではいかない人物ばかり。南光坊天海、庄司陣右衛門 ・・・柳生と裏柳生。宗冬と義仙。柳生一族を震撼させた二十五年前のあの事件・・・『神君御免状』の謎。 なぜ吉原なのか? 家康の事情。誠一郎出生の秘密とは? 徳川の思惑。あらゆる世俗の権力の『不入の地』である公界 『道々の輩』 踊る傀儡師。ひゃやぁー、もう書ききれない!読みどころ有りすぎ!!うーん、凄いぞー、凄い、凄いよー。内容説明にもなりきれず、お間抜けな感想で申し訳ない。が、これは読むしかないでしょう。こんな私が言っても説得力がないでしょうが、この本は 夢の助さんのイチオシでもあります!信頼度が増したでしょ?解説によると、吉原自体は小説にとってありふれた素材のようだが、ここまで正面から採り上げた作品を読んだことはなかったので、まずその方面での驚きが一つ。太夫の品位の高さだとか、様々な儀式、自治が認められた吉原の特殊性など。それプラス、武蔵の弟子 対 柳生 の図式。その格闘。(それだけではないけど)&歴史のIF。「え、あの人が?」というような(笑)。この天海は、いや展開は他の作品へと繋がる布石。さらにさらに、って挙げていったら切りが無い(同じことの繰り返しになってしまう)とにかく、満足。夢の助さん、ありがとう!この本の前に読んだ『スロータハウス5』と続いたこの2冊。読書の喜びを堪能できました。こんな贅沢をして良いのだろうか?というほど幸せな気持ちにつつまれた。しつこいがもう一度。これぞ小説を読む醍醐味。面白かったー!と、少し落ち着いて(笑)隆慶一郎さんは、なんとこの作品がデビュー作!しかも60を過ぎてから・・・わずか5年の作家活動で、1989年に急逝。惜しまれます。『吉原御免状』 隆慶一郎 新潮文庫(平成元年九月発行)・・・・・・・・・・・・・・最終更新日 2004年07月19日 22時15分14秒テーマ変更の為更新(内容そのまま)
2004年03月30日
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それは、こう始まる― 聞きたまえ― ビリー・ピルグリムは時間のなかに解き放たれた。随分と久しぶりの読書感想です。ヴォネガットといえば、まぁとにかく、猫のゆりかごさんのところをご覧下さい。時間のなかに。ゆきあたりばったりに、解き放たれる。 制御不能。戦場、プール、パーティー会場、戦場、精神病患者を収容した病棟、トラルファマドール星、戦場・・・ビリーの時間旅行(というほど悠長なものではないが)は、従軍牧師助手として参戦した第二次大戦を中心に語られる。捕虜となり、連れて行かれたのは・・・ ドアに大きく【5】と書かれた、屠殺場(スローターハウス)。そして、ドレスデン空襲。 壊滅。 見つめる作者の眼。あらゆる出来事を行き当たりばったり、自分の誕生と死を何回も見て自分がどのような道を歩むのか、あらかじめ分かっている。トラルファマドールの時間感覚自体が全く非日常的であり、想像するのも困難であるわけだが。・多くのすばらしい瞬間の深みをそこで一度にながめることができる・楽しい瞬間をながめながら、われわれは永遠をついやすずっとこのままでいたい。だが、もし本当にずっとこのままでいたら、気が狂ってしまうかもしれない。時は流れているから、名残おしく、残酷で、救われる。“そういうものだ。”と言うしかなくて、これではやっていけないと思うが、それでも構わない気もする。未来に対する思いを持つことが出来るのなら。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて、常にも増して、まとまりのない短文を連ねただけになってしまった。ほんとただの覚書(?????と思っても攻撃しないように)私みたいに軸が定まらずに、あっち行ったり、こっち行ったりだと読めば読むほど感想が書けなくなる。何もわかってないのではないか? と。まぁ、きっと誰だってそんなものだ(本当にそうですか?みなさま)と都合よく解釈して適当に書いてしまうけど。別にこれで食ってるわけじゃないんだし(笑)そんなことはともかく、「そろそろ感想書こう!」と本をひらいてみる度に、ふと読み返したくなる、という非常に困った(?)シロモノでした。普段ほとんど再読しないのに、何度チョロチョロ読んだことだろう。“いい読書じゃ”と自己満足(笑)『SLAUGHTERHOUSE-FIVE』 by Kurt Vonnegut,Jr. 1969『スローターハウス5』 カート・ヴォネガット・ジュニア (ハヤカワ文庫)1978年発行
2004年03月29日
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ハードカバーにまで手を出すようになってしまい困っている。重いし、場所とるし。そろそろ読むか。(と言うのも、単なる口癖みたいなものなので有言実行とはなかなかいかない)猫のゆりかごさんの影響で(と、人のせいにしてみる)【ハヤカワSFシリーズ Jコレクション】を集めたいと想っている。このくらいの大きさ、表紙の硬さは充分許容範囲である。以前から所持していたのは、『太陽の簒奪者』 野尻抱介『グラン・ヴァカンス 廃園の天使一』 飛浩隆『アイオーン』 高野史緒『ノルンの永い夢』 平谷美樹ここ1,2ヶ月で入手したものは、『傀儡后』 牧野修『ウロボロスの波動』 林譲治『ロミオとロミオは永遠に』 恩田陸『忘却の船に流れは光』 田中啓文『フィニイ128のひみつ』 紺野あきちか『楽園の知恵 あるいはヒステリーの知恵』 牧野修 読了は、『アイオーン』のみ。(順調。笑)このシリーズは見つけたら即買い。値段は関係ない。一番読みたい『アマチャ・ズルチャ』深堀骨 とは残念ながらまだ出会っていない。他、ここ4日間の買い物日記で挙げなかった成果を。『絶叫城殺人事件』 有栖川有栖『ぶらんこ乗り』 いしいしんじ『綺霊』 井上雅彦『修禅寺物語』 岡本綺堂『邪魔』上・下 奥田英朗『FLY,DADDY,FLY』 金城一紀『利休の密室』 川田武『あなたの魂に安らぎあれ』 神林長平『東京大学応援部物語』 最相葉月『風と光と二十の私と』 坂口安吾『僕のなかの壊れていない部分』 白石一文『シクラメンと、見えない密室』 柄刀一『デブはダイエット飲料だと3倍の量を飲む』 長井秀和『沈黙/アビシニアン』 古川日出男『木製の王子』 麻耶雄嵩『DIVE!!3』 森絵都『魔剣天翔』 森博嗣『太陽黒点』 『山屋敷秘図』 山田風太郎『幽霊鉄仮面』 横溝正史『月夜の記憶』 『磔』 吉村昭『ハリガネムシ』 吉村萬壱『新本格猛虎会の冒険』 東京創元社んー、買いすぎ。今、真っ先に探しているのは、『ラッシュライフ』伊坂幸太郎。あと『UMAハンター馬子』は“闇に光る目”はどこにでもあるけど、その前が全く見付からない!と思っていたら・・・学研M文庫?なんで?ロッテの勝率が5割に行ったら、買うのを休止しようと思う。休止したい。
2004年03月28日
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1~32巻まで一気買い!こんな私は子供でしょうが、大人でしょうか?品物は。『ONE PIECE ワンピース』 尾田栄一郎 ジャンプ・コミックス漫画かよ!そう、漫画です。海賊王を目指す!ってヤツです。最近あまり本が読めなくて(買ってはいたくせに)漫画でも読みたいなと思い、つい。(つい、じゃない!)『BECK』を読んでから気になっているハロルド作石の『ゴリラーマン』1~16 まで(¥950)と迷ったのですが、こちらは19巻まで出ているようで完結していなかった。まぁ、『ワンピース』も完結はしていないのだが、現在出版されている分は全部揃っているということなので、こちらを選択。32巻、約8千円。ひとつながりにパッケージされていて長さは50センチ弱。思わず笑ってしまう物体である。さて、私は子供か大人か。うーん、それぞれに葛藤があって、なかなかこんな買い物はしないのではなかろうか?それにしても、ジャンプ・コミックスを買ったのは随分久しぶり。週刊のジャンプ自体は、小学生の頃、当時一緒に住んでいた祖母が買ってきてくれたのが最初だった。何年かはわからないが、【11号】だった。目玉は文句なく『キン肉マン』で、私も当然それが読みたかった。タッグチームトーナメントで、キン肉マン&グレートがアシュラマン&サンシャイン相手に戦っていた気がする。当時、コミックでウォーズマンの体内で戦っていたアシュラマンたちしか知らなかった私には、まさしく未知の世界でとても興奮したのを覚えている。夢の中で『キン肉マン』50巻とかが売っている本屋を見つけてとてもうれしかったり。週間誌とコミックの関係もよくわかっていなかったなぁー。(TVの生と録画の違いがよく解らなかったように)と、マニアックな話はさておき。『ワンピース』(別にさておかなくてもいいか、笑)作者が同じ歳のようだ。なるほど、共感できる部分がある。バイキングといえば、ビッケ。 とか(笑)泣ける漫画として有名である(?)が、私はそんなに泣かなかった。“ヒルルクの桜”で号泣したのはお約束の部類だろう。ありゃ泣くって。ウエストがやたら細いのと(いくらなんでも細すぎだろ、笑)、キャラが多くてゴチャゴチャしているのは気になるが、ワイワイと楽しげで最後には笑っているのがいい。ストーリー的にも伏線がきちっと効いていて、なかなか侮れないものがあるのだ。あまり普段漫画を読まない方も、機会があれば、一気買い → 一気読みをしてみてはいかがでしょうか?今回はこれくらいで。(いつもが長すぎ)
2004年03月27日
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古本は安い。うん、安い。確かに安い。文庫100円は最早見慣れた感があるが、最近はハードカバーも安い。もともと、本は文庫派。通勤中に電車の中で読むのがほとんどなので、大きいのだとつらい。満員電車だし。あとは、部屋の収納能力の問題。場所はなるべくとらないほうがいい。しかし・・・安ければ買わない手はない。(こんなことばかり言うから・・・・・・・・・・・・)ハードカバーは半額よりちょっと高め、くらいのところが多いけど、中にはそんなこと関係ないところも。『誰か』 『ブレイブ・ストーリー』上・下『ドリームバスター』 『ドリームバスター2』 宮部みゆき『阿修羅ガール』 舞城王太郎『ニシノユキヒコの冒険』 川上弘美『カルプス・アルプス』 嶽本野ばら『ZOO』 『失われた物語』 乙一『真夜中のマーチ』 『マドンナ』 奥田英朗『ダーク』 『柔らかな頬』 桐野夏生『図書館の神様』 瀬尾まいこ『豆腐小僧』 京極夏彦『ジェシカが駆けつけた7年間について』 歌野晶午私がこれらの本を手に入れるには、数年後の文庫まで待たなければと思っていたのに。うれしい誤算。うーん、でも早すぎだろ。(とまた買っておきながら偽善発言をしてしまう)ちなみに、一つの店、一回の買い物で、ではありませんよ。最近、ミステリーランドの本もちょこちょこ出てきてますね。あまり安くなってはいませんが。文庫化。当然、全ての本がされるわけではないですよね?また、ハードカバーが出てから文庫化するまでの時間もマチマチ。このタイミングと判断が難しい。「これ欲しいけど、もうすぐ文庫化されそうだしなぁー。」「これもいいけど、だいぶ昔の本だな。文庫化されているかもな。」で、とりあえず(ここが問題か)買ってしまい、あとで文庫を見つける羽目に。【改稿】という文字が見えたり、解説者が好きな作家だったりすると・・・今度は文庫のほうまで買ってしまう。まずいでしょ、それは。 でも。あと、ハードカバーで持っている本が、読了する前に文庫化されると何故だか、悔しい気持ちが生じる。負けた・・・と。実際、負けたかどうか知らんが、新刊の本屋でその作品を見つけたとき、新しい本を見れたという喜びと(最近、古本屋が多いもので)「オレのアイツが変わってしまった・・・」という昔の女を想うかのような寂しさ。って、わかりませんな。あと、文庫化でもう一つ。『リアル鬼ごっこ』 文庫化されていますね。やはり、売れたのはホントだったんだ。はーぁ。でもやはりいい部分もあるのでしょう。評価されている方もいますし。『鬼ごっこ』という題材の選び方と、わかりやすさかな。本屋でパラッとめくってみました。改稿されているかどうかはわかりませんでしたが、誰が解説を書いているのだろうと。『ダ・ヴィンチ』の編集長?の方かな。(私の記憶では)どんなに売れようが、私には受け入れがたいですが。
2004年03月26日
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続きものに嵌る。よくあることだ。キャラクタに愛着もわくし、次がどういう展開になるのか、非常に気になる。んで。順番に読み進めたならば、まず犯すことはないであろう間違い。同じ巻を、2度買ってしまう!表紙を見れば思い出す。もし前巻から時間が空いてしまっても中身をちょっと見れば気が付く。そう、読んでいれば。それが正しい姿である。しかし、私は1巻を読み終わっていないのにも関わらず、続きを買ってしまうという非常に困った性癖を持っている。「もし、1巻を読んでつまらなかったらどうするんだ?続き持ってても意味無いでしょ?読まなくなるでしょ?」そう、少々おかしいのである。自覚はしている。ほんのちょっとだけ、バカなのである。が、同じ巻を何度も買ってしまうと、自分はかなりバカなのではないか?と疑ってしまう。現在集めている途中の主なもの。(どれも文庫)◆『窯変 源氏物語』 橋本治 1~4、6、11、13シンプルな表紙で巻ごとに違うのだが、これが思ったよりも判別しにくい。そんなに古本で置いてあるほうではないから見つけると思わず・・・6巻を3度、買ってしまった気がする。「確か、真ん中のほうから空いていたよな・・・」と。◆『街道をゆく』 司馬遼太郎とびとびで面倒なので所持巻は書かないが、全部で15冊くらいか。買った時に、地域を頭に入れているのでダブルことはあまりない。◆『ローマ人の物語』 塩野七生 1~6これは流石にどこまで買ったのかよく覚えている。今、文庫化されているのは7まででいいのかな?◆『奇貨居くべし』 宮城谷昌光 春風篇、火雲篇、天命篇これは逆にわかりづらい。通し番号ではんく~~篇となっているので。背表紙の(【 み 36 ○】縦書き)や、裏表紙の解説文を見ればわかるのだが、パッと見てはわからない。↑の所持本は1,2,と5巻。◆『魔界水滸伝』 栗本薫 1~12最近ようやく間が埋まった。が、20まであるらしい。(第二部完結?)そうと知っていれば手を出すこともなかったのに(?)栗本薫といえば、『グインサーガ』。私には手が出せませんが(6月に95巻発売?)一人暮らしをしている弟が「全巻もってる、読んでる」というのを聞いて驚いた。本なんて全く読まなかったのに。兄さんはうれしい(涙。笑)でも私の所持本には興味がないようだ。兄さんは悲しい。◆『デルフィニア戦記』 茅田砂胡 1、3~5これまたわかりづらい。これくらわかるだろって?(おっしゃるとおり)現在どこまで出ているのか、どれくらい続いているのか不明。2巻も買ったはずなんだけど見付からない。(最近整理が行き届いてない)すると、買ったあとに見付かったりするんだな、これが。◆『ジハード』 定金伸治 1~3文庫版は6が最終巻。これはひとりで勝手にだまされた。何気なく1巻は買っていて、その後も1冊買っていた(あまり自覚症状なし)ある時、3巻を手に取ったとき、本の後ろの解説文を読んでみたら、「解説、乙一」の文字があるではないか!「へぇー、これは買いだ」と思った(笑)表紙の絵を見たような気がしていたのだが、乙一の解説だと驚いた覚えはないから、多分勘違いだろうと・・・。しかしそれこそが勘違いだった(ややこしい)うちに、3巻あった! いや、それどころか、1、2巻をよく見てみると。。。【解説・乙一】なんと、初(?)の解説連載!? やられたー。結局、全巻の解説が乙一なのかな?◆『失われた時を求めて』 マルセル・プルースト 井上究一郎訳ちくま文庫版、全10巻ですが、所持しているのは1、3のみ。多くの古本屋をのぞいていますが、なかなか置いていない。いや、【1巻】のみは、結構ある。それなりにある。が、1巻“しか”ない!本当に無い。(一度だけ3巻を見つけたので購入)これは、もしかして、というかもしかしていなくても・・・皆、1巻で挫折した? せめて10巻まで買ってから、挫折してください。私のような趣味・本買い、の為に(笑)都合よすぎ。他にも完結したシリーズものの、幾セットかあります。『指輪物語』、北方三国志、森博嗣のS&Mだとか。全部読んだ、っていうのがなかなかないけど。はぁー、どうしようもないねぇ。ろくに読めもしないのに、何故買うのか?それは100円だからである。「おい、なんだよ、100円なら買っちゃうぞ!」と。(理由になっていない?)もし古本屋に置いてあったとしても値段を見て、そのままスルーすることもある。(プルーストなら半額でも買う気はあるが)なので、余計に買ったかどうか混乱してしまうのかもしれない。まぁそんなことはともかく、揃っているとなんだか気持ちがいい。というだけのくだらない理由なのかもしれない。
2004年03月25日
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一つの事(対象)にノメリ込むと、それに裏切られた時に辛い。臆病な私は、逃げ道を用意する。今日、黒木(ロッテ)が勝てなかったら、帰りに本でも買って帰ろう。何のこっちゃ。でも、そうでもしないと気持ちの整理がつかない。よくわからない理屈ではありますが、ショックを受けるであろう結果が待ち受けているかもしれないときに、それを和らげる自分にとって都合がいい“すり替え”を行うのだ。黒木は負けたけど、本が買える。 → 自分にとってはプラスマイナスゼロ。(もちろん、程度問題があって、マイナスのダメージが遥かに大きいのであるが、自分を誤魔化すのが重要なのである。必要以上に追い込んではいけないのだ。)そんなこともあって、いざ古本を買いに。つまり負けたのです。しかも2週連続。(全盛期の球速が戻らない今、コントロールと駆け引きで勝負をしなければならないのに、押し出し2つを含む四死球8って…)マリンから帰る時にしか通らない道に、BOOKOFFを見つけていたのだ。店の前の通りが凄っい渋滞中だったのだが、構うことなしに。2回の成果。普段来れないところだと、新鮮味があって良い『探偵の秋あるいは猥の悲劇』 岩崎正吾『第六大陸 1』 小川一水『午前三時のルースター』 垣根涼介『恐竜ラウレンティスの幻視』 『フランケンシュタインの方程式』 梶尾真治『ねむりねずみ』 近藤史恵『西行』 白州正子『都筑道夫のミステリイ指南』 都筑道夫『ぬるーい地獄の歩き方』 松尾スズキ『白波五人帖 いだてん百里 山田風太郎妖異小説コレクション』『青春探偵団』『八犬傳(上・下)』『みささぎ盗賊』 山田風太郎以上 文庫。 (山田風太郎も100円で良いのでしょうか?うれしすぎ)『殺しも鯖もMで始まる』 朝暮三文(【密室本】なのに、封が切られていないぞ。しかも100円!)『忘却の船に流れは光』 田中啓文『楽園の知恵 あるいはヒステリーの歴史』 牧野修(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション。流石に100円とはいかない)さて、話を元に(?)戻して。もし、熱狂的などこかのチームのファンで、その試合に負けたら、人生が終わってしまうのではないか?というほどガックリきてしまうなんて人がいたら、チームの勝ち → ごはんなしチームの負け → ごはんが食える。くらいやってみたらどうだろう。(ちょっと極端か。おかず一品増やすとか・・・イマイチだなぁー)昔、電波少年でこれと逆の企画があったが、それだとあまりに辛すぎる。負け続けたら、救われない。そして現実は、結構厳しいのだ。信じるものが報われるとは限らない。(言っていて、悲しくなってきた)これらは全て、ロッテの低迷から現実逃避する一ファンの戯言です。でも選手はもうちょい死ぬ気でやってね♪
2004年03月24日
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最近もててもてて仕方なく、女が増えてどうしようもない。なのでどんどん捨ててやった。もうある意味、お祭り状態。そんなヤツはどこかにいるのだろうか?いるのだろう。あーあ、何言っているんだか。これは買い物日記でした。戸梶祭り開催中!『なぎら☆ツイスター』『湾岸リベンジャー』『ギャングスタードライブ』『未確認家族』『アウトリミット』というわけで戸梶圭太の未読本(見所持本)をまとめ買い。いづれも文庫ではないが、200円均一。以前、この店に来たときには一冊もなかったので、同じ人がまとめて一気に売ったのだろう。私の為にわざわざ、ありがとうございました。(なので古本屋で“戸梶祭り”と銘打っていたわけではない)戸梶本は、『闇の楽園』『溺れる魚』しか読んでいない。が、学校の先輩でもあり気になる存在である。(ならもう少し読めよ)これからだ。でも、発行から少し経っているものもあるので文庫化されているかもなぁ。本。増えてはいるが、捨てることはない。威張ってはいる(笑)(成果を見せびらかしたいという蒐集家の悲しいサガ?)タイトルに偽りあり。ですが、例によって適当に一時使用したかっただけなので、許してやってください。まぁ、対象が何であれ、こんなフェスティバルは嫌だなぁ。増えたから捨ててしまって威張る(開き直る)。そんな祭り。お金。産業廃棄物。ペット。プライド。体重。登場人物。どうもしっくりこない。無理があったか。(でも反省してない)
2004年03月23日
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山田風太郎『甲賀忍法帖』の漫画化。時は慶長19年、徳川家では長子・竹千代派、次子・国千代派に分かれ、三代将軍の座をめぐって骨肉の争いを繰り広げていた。そんななか、幕府後見人・南光坊天海は、家康にある進言をする。忍者の殺し合いにより、徳川の世継を決める!徳川の侍を死なせることなく、問題の解決をはかる。これにより、甲賀 対 伊賀 、十人 対 十人 の命をかけた忍法合戦 !!この設定、結構強引だと思いますが(笑)、そんなことを感じさせないパワーがあるんですよね。忍術合戦ってだけで何だかわくわくするではないですか!と、いってもそこは山田風太郎!一筋縄ではいかないし、綺麗でもない。何でもあり!四百年の怨敵同士も、服部半蔵と交わした“不戦の約定”の為に休戦状態。甲賀弦之介と伊賀の朧は祝言の日取りも決まろうかというこの時・・・“甲賀卍谷衆 対 伊賀鍔隠れ衆” の殺戮合戦開始!おっと、これは漫画の紹介だった。せがわさんの絵は始めて見ますが、雰囲気がありますね。オドロオドロしさもあるし、ちょっとコミカルな面もある。(初っ端に出てきた【家康】にはビビッた。笑)以前チラッと見た『魔界転生』(石川賢 画)よりこちらのほうが断然良い!展開も非常にはやい。各忍者をもっと掘り下げて見たいという気もするが、スピード感を選んだこのやり方は成功かも。私としては【くノ一】にもっと妖しい魅力があればなぁと。(【陽炎】とか)漫画を読んでいて、改めて感じたのは荒唐無稽な忍者たちの面白さ。(やはり原作が凄い。よくもこんなに思いつくものだ。ストーリーも○!)原作を全く知らない弟たちにも好評でした。現在4巻まで。続きが読みたいっす。『バジリスク 甲賀忍法帖』 1~4 原作 山田風太郎 漫画 せがわまさき (講談社 アッパーズKC)
2004年03月22日
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もう自分には縁が無い。そう思っていた。何度も惜しい場面があった。でもダメだった。しかし、来る日も来る日もクラブを振り続けた。“出張という名のもとのゴルフ” を月に何度するのだろう?が、ついに・・・ホールインワン 達成 ! 私ではなく、父ですが。190ヤードを5番アイアンで。「これはなかなかのもんだぞ」というが、何がなかなかなのかようわからん。そう、私はゴルフを全くやらんのです。(少なくとも30になるまで絶対にやるつもりは無い。つきあいが嫌なのです)実際のプレーは3月のこと。が、そこからが結構大変。どうやら【ホールインワン保険】とやらに入っていたらしい。(マジかよ)仕組みはよくわからんが、「もう一度やれば間違いなくモトが取れる」(父談) のだとか。お世話になった皆様へのご報告。文章をつくり(私も、言葉のチェック、校正等に参加させられた)プリントし(制作部が背景を入れるなどして作成)記念品をつけて郵送。(営業が発注を手伝い、管理が発送)仕事させい!その後、続々くる「この度はおめでとうございます」の電話。(某スポーツ新聞社の社長からは直筆の手紙が届いた)未だに、である。(只今5月) いったい何人に贈ったの?こういうものなのか??酔うと同じ話を何度もする父。 新しいレパートリーが出来たことだろう。まぁでも、説教じゃないし、良しとするか。今後、何十回とホールンインワンをするのだろう。自らの話の中で、頭の中で。それはとても幸せなことだろう。おめでとう。と言っておこう。一つの夢が叶ったのだ。良かった。し~か~~し、いつも一緒のゴルフ仲間Y社長は、ホールインワンを過去に3度達成。まだまだ先が・・・でもホドホドにして下さい。居ないときに限って、トラブルおこんのよ、会社では。そんな父は、今、サイパン。(今日から日曜まで)遊びすぎ。
2004年03月21日
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現代の女子高生がタイムスリップして、劉備軍の軍師に!!え、そんな三国志漫画あるの?と思って、ここに来られた方、ごめんなさい。これは、『BECK』 ハロルド作石 のなかの劇中作?です。(もっとも、上記内容は『龍狼伝』 山原義人 そのまんまらしいですが)というわけで、前日の日記の続きです。『BECK』について。音楽とは離れた部分もなかなかナイスなのである!ハロルド作石とは波長があう(笑)・野球好き (主人公の名前、あだなをみただけでわかるだろう)・三国志好き (これも間違いないのである。『ハッピー~』は全48巻)・プロレス好き (私はそれほど好きでもないが、蝶野の顔くらい分かる)それはさておき。兄弟の多い、我が家。誰かが漫画を買ってくると、皆が読み、うちのなかで流行る。(普通の小説だとこうはいかないのが、少しサビシイ)当然、『BECK』もそうだった。すると、皆がそれぞれ読み出すので、次に読みたいと思っている巻が一時的行方不明になることも多い。しかも今回は、古本で売っていたものをとりあえず間が1冊空いてしまってもいいか、という感じでそろえた。そんななか、弟が「16巻ない?」と探していた。私は17巻を読んでいるところだったので、16巻の行方の鍵を握っているのは私だ。しかし、ちょっと探してみても見付からない。すると弟は、「ま、いいや。それ(私の手元の17巻)終わったら貸して」と言うではないか!なにぃー!間を空けて読むの?本当に?信じられん。内容飛ぶじゃん(当たり前だ)。そんな適当に読むの?(まぁ私が真剣に読むということでもないが、幾ら何でもねぇ。)それだと、後から16巻読んでも楽しみ半減だろ。もったいない。なんてことは無いことに私は結構、衝撃を受けた。そういえば、うちの母親も似ている。母は2時間ドラマを良く見ているが、途中で寝てしまうことがある。それでも、残り30分とかに、むくっと起きて、またTVを見だす。「途中見てないでしょ?」「でも最後が気になるから」おーい。そんなんでいいのかー?過程が面白いのではないの?結果だけ見れば満足なの?そうなら、いつも最後だけ見ればいいのに。と、毎度思っていた。私は途中が抜けると「もういいや」と思ってしまうほうで(その時点で創り手の意図した作品とは違っているのだから)そのためか、連続ドラマが見れない。毎週かかさずに見るなんて無理そう。ビデオを撮ってまで見たいと思うほど好きではないし、面倒だ。なら、はじめから見るのはやめよう。というようになる。いやー、どうでもいい話が長くなってしまった。だけどもうちょっと。次の日、本屋で16巻の背表紙を見て気づいた。「これ、持ってない!」= まだ読んでいない!そう、うちに16巻は初めから無かったのだ。探してもあるわけがない。私は、何の問題もなく、15→17 と読んでいたのだ。どう?これ。普通、気づくだろ?おかしいんじゃないの?あんた。って、私だ(笑)うげぇー、所詮似たもの家族か。むしろ、私のほうが・・・言い訳をさせてもらうならば、15から17まで読む間に、2日くらい経っているのだ。って焼け石に水か。さて、話を元に戻して。凝り性な私は、ガイドブック的な、0巻、00巻も買ってしまった。『ハッピー☆三国志』の文字につられて(笑)その中で0巻の、作者ハロルド作石と甲本ヒロトの対談が良い。曲をつくる、という話の流れで、甲本の言葉。「つくるときに3分でできているからといって、本当に3分でできているとは、僕は思っていない。それはあくまでイメージが形になる瞬間なんで、それが25歳のときにできた曲なら、25年かかっているんだと思う。」うん、かっこいい。さて、最後に内容とは関係ない話ですが(ってほとんど全部だ)【ベック】と聞くと、どうしても去年ヤクルトにいた【ベッツ】を思い出してしまう。ピーピー(笛の音) “ベッツ!” ピーピー “ベッツ!” この応援自体は、生では1度(1試合)しか聞いていないはずだが、頭から離れず。別に、ヤクルトファンでもベッツファンでもないのだが・・・ちなみに、作者のハロルド作石さんが、ロッテのマスコット【マーくん】に入っていた!というのは、ネタですからね。って、誰も信じていないか。『ハッピー☆三国志』 ・・・ ないです。でも読みたい。
2004年03月20日
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近頃、あまり漫画を読まなくなった。特に週間誌、月刊誌を買わなくなった。しかし以前は、手当たり次第(笑)。主に少年ものを。(週刊、月刊、ヤング)ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオン、スピリッツ・・・『BECK』も、何に連載されていたのか(いるのか?)覚えていないんだけど、チョコチョコ読んでいた(【グレートフルサウンズ5】のあたり)。その後、漫画自体から遠ざかり気味だったのでご無沙汰していたが、たまたま見た“王様のブランチ”で、『BECK』が紹介されており(観た時にはほとんど終わっていたのだが)、猛烈に読みたくなってしまった。いざ古本屋、そしてもちろん単行本全巻購入へ(笑)うーん、漫画ってあまり安くならないんだね。(人気があるからなのか?)5巻くらいまでなら100円で買えるかと思っていたが甘かった。全部350円也。最新刊に近いものは置いてなかったので、普通の本屋で購入。で読む。また読む。一気に読む。むさぼり読む。やはりいいのー。冴えない中学生が、一人の男との出会いによって輝きだす。主人公・コユキ(田中幸雄)は、誰にも負けない素晴しい才能を持っていた。それは、【べらぼうに歌がうまい】こと!BECKというバンドの一員となったコユキのサクセスストーリー。(だと思う)なにぶんご都合主義なところもありますが、苦労もするし、挫折もする。コユキは泣いて、笑って、喜んで、弾いて、歌う。正直いって、私は音楽に全然詳しくない。洋楽はあまり聴かないし(ベックもジェフ・ベックもよくわからんほど。でもロッド・ベックは知っている!)楽器もやらない。音楽論的なことは全くわからない。でも毎日何らかの音楽は聴いているし、カラオケも歌う。好きな曲もたくさんある。いろいろなアーティストや名曲、ギターが出てきたりするこの作品、楽しみきれてない部分もあるだろうが、それでも面白い。内容の細かい点(重要ではない)について少し触れると、サクが初めてドラムをたたく場面。野球漫画『キャプテン』で、イガラシが初めてピッチャーをやった場面を思い出した。オイオイ、もっとはやく言えよー!って。こんな我慢強い子、実際にはいません(笑)あと、最初は中学生だったコユキも、すくすく成長するわけで、次第に顔が大人びて来た。頼りない中学生の頃が好きな私としては、ちょっと残念というか馴染めない感がある。まぁーそれでも、急に身長が伸びたときの孫悟空ほどの違和感ではないが(ドラゴンボールも変なのーと思いつつすぐ慣れたけど)。まだまだ書きたいことがあるので、二回に分けよう。名案だ(笑)『BECK』1~18 ハロルド作石 講談社コミックス
2004年03月19日
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酒のために、巨万の富を築いた暮葉家は経営が行き詰まり今や風前の灯だった。酒量とともに、才覚情熱が無くなっていった当主、飲みすぎで早死にした当主。現当主・左近になっても、傾きはとめられず・・・さて、とにかく【酒】である。酒、酒、酒、酒。酒を飲まなきゃ始まらない、というようなファンタジー(?)60億の負債を抱えた左近は、屋敷の明け渡しを明日に控え、美酒の風呂につかった。掌にすくった酒を飲み、このまま酔っ払い、溺死しても構わないと思いながら。と、ここから急展開。お稲荷に棲む狐が気付き、蓬莱の仙人の使いと出くわす。さらに弟子を見に来た仙人・鉄拐李もやってきて、左近の風呂場に入りこむ。その様子を見るなり、左近に何かを感じ取った仙人は・・・ここからいろいろと入り乱れて、救世主、徳利真人、酒仙、酒徳、魔酒 などなど。仙界を巻き込んでの大騒動になるわけです。オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』まで登場してしまう。このあたりはなかなか興味深く面白かった。(作者は西洋史学科卒とのこと)実は、読了したのはかなり前のことで細かいことはあまり覚えていないのだが、とにかく【酒】に対しての思い入れが凄かった。(というより全てが酒)それも気持ちよい酒がほとんどなので、読んでいても悪い気がしない。何だか、ふらふら~とよろめいてしまうような雰囲気である(どんなだ?)実際よくわからない部分もあった気がするが、ここまで徹底されると潔くてよい。最後の対決シーン(とても変わっているが)も迫力があった。この感想も何だかよくわからないうちに終わってしまおう。第5回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。『酒仙』 南條竹則 新潮文庫 (平成八年十月発行)
2004年03月18日
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・ついに見つけた!【水虫治療法】(あやしい)・1日の売上が自腹の、“のど飴”分だけという【健康食品売場でのバイト】・怠け者の心をがっちり掴んだ【睡眠学習枕】の正体とは?・ジィさんの【死】と、【メルヘン】化・面白そうだから採用された?二ヶ月間の【OL時代】などなど。それぞれ10~15ページの17つのエッセイ。さくらももこのエッセイは、とっても面白い。という話を何処かで聞いた気がしたので読んでみた。(ちなみに、ちびまる子ちゃんは好きである。そんなに見てないけど)爆笑!というほどではなく、まぁまぁそれなりに。(つまらん感想だ)ちょっと思っていた雰囲気とは違う部分が多かった。そんななか、『乙女のバカ心』における空想の数々、【夢見る恋の日記帳】なんていうのには“らしさ”を感じた。まさしく、「あたしゃ情けないよ」とまる子が言い出しそうである。(と思ったら、巻末前の『その後の話』にそのまま書いてあった。笑)もっとのほほんとした人なのかと思ったが、結構シビアだし、言うことは言っている。『週間誌のオナラ』では、かなり辛辣に女性週間誌批判。無理もないけど。『メルヘン翁』は、友蔵爺さんが亡くなったときの話だが、「爺さんに対して、何の思い入れもなかった」と言い切ってしまうところが凄い。どうして、もちびまる子ちゃんのかわいいお爺さんを思い出してしまうが、全然違うようだ。それと比べて、父ヒロシに対する思いは、何だかホッとさせる。さきほど触れた巻末前の『その後の話』。これがなかなか面白い。各エッセイについて、その後の話を書いているのだ!(そのまんま!)書きっぱなしで終わる場合がほとんどだと思うのだが、後日談があると得した気分になる。そう、そう、得した気分といえば、私が幾つかのさくらももこ作品の中から、この本を選らんだのには大きな理由があったのだ!それは、【巻末お楽しみ対談 (VS 土屋賢治)】の存在。(いや、別にVSとはどこにも書いてないけど)土屋センセイ、完全に圧倒されてます(笑)『もものかんづめ』 さくらももこ 集英社文庫 (2001年3月第1刷)おっと、気が付いたらもう5月だ!
2004年03月17日
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1570年、初夏。“今まで現れた最も残忍で冷酷な武将であり領主である”と町の人がいう、尾張の大殿(シニョーレ)とは如何なる人物か?外国人の船員の眼が捉えたその姿とは・・・宣教師を送りとどけるのが役目だった、ある船員の報告。その私信が伝えるのは、16世紀末の日本、そして【織田信長】。信長は、三好、浅井・朝倉により南北挟撃を受けていた。一つの巨大な転回期にさしかかったこの国が辿る道。“ただこの王国を大きな疾風怒濤が襲い、全体が鳴動し、激昂し、新しい時代を産もうと歯をくいしばっている・・・” フロイスの説明 境。都。岐阜。安土の町々。この時代、日本に生きたイエズス会聖職者たちと信長の交流。さてさて。学生の頃、『背教者ユリアヌス』を読んで以来の辻氏の作品。この人の文章は、とても 澄んでいる 。語り手である船員は聖職者ではないし、敬虔さに溢れている人物というわけでもないのに、何だか身がスッと引き締まるような感じがしてしまう。信長に対しての描写がその思いをより強くする。オルガンティノらキリシタン宗門にみせる人懐っこさとは裏腹の、孤独の影と苦悩の刻印。「事がなる」ために自分のすべてを犠牲にする。「事がなる」ために他人に徹底的な献身を要求する。何よりも大事なのは、「理にかなう」方法を遂行すること。今更何を、と言われてしまうかもしれないが、“信長”に対しての興味がフツフツとわいてきた。信長を描いたもの、題材にしたものは、それこそ数え切れないくらいあるだろう。そのうちの幾つかでも、触れてみたいと思った。『安土往還記』 辻邦生 新潮文庫 (昭和47年4月発行)・・・・・・・・・・・・・・・・・何度も言っていますが私は日本史オンチです。光栄のゲームでいうと(ここらあたりで既にオカシイ)『三国志』は一から七まで(ローマ数字が機種依存文字やらで使えない!)一通りやりましたが、『信長の野望』は、PCで【烈風伝】をやったのみです。この時代、じっくり見れば見るほど面白くなりそう。・・・・・・・・・・・・・・・・最終更新日 2004年04月27日 07時06分47秒テーマ変更の為更新(内容そのまま)
2004年03月16日
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ひっそりと船に乗り、身一つで出港した。渡って、帰り、また渡る。約半世紀ぶりの、三度目の海峡。人生最後の仕事をする為に・・・各章のはじめに、現在の河時根(ハーシグン)の海峡越えが描かれる。そして思いは、半世紀前へと。始めて、海峡を越えたのは自分の意思ではなかった。戦時下、17の秋。身体の弱い父親の代わりに、大韓海峡を渡り日本へ。生まれたときから、日本は私たちの主人だった。連れて行かれたのは・・・炭坑だった。過酷。過酷。過酷。炭坑は、生きている者にも冷たかったが、死者に対しても冷酷だった。常に死と隣り合わせの劣悪な環境。吉村昭 『高熱隧道』 を思い出した。しかし、ここは物理的な熱さ以上の耐え難い仕打に満ちて、最早、人としての尊厳などは皆無である。強制と支配。理不尽な扱いと屈辱を受ける日々。闘い、追い詰められ、それでも生きる。事件。逃亡。束の間の光明。そして二度目の海峡越えへ。やがて時は経ち、“三たびの海峡”。河時根がやらねばならないこと。河時根を待っているのは・・・帚木さんの、シャキッとした清潔感のある文章が好きなのだが、それを感じて味わう余裕はなかった。武力侵害と経済的搾取。植民地支配と、その後の国家分断。これを読んで解った気になるのは、虫が良すぎるのかもしれない。【強制連行】について、非常にあやふやな知識しかない為、ここで語るのは心許ない。ネットで検索をしても情報が錯綜していていて却って混乱する。小説は小説であって必ずしも真実が語られるというわけではないのかもしれないが、ある一側面から考えることがあっても良いと思う。両国の歴史の狭間で翻弄された人々が居たのは間違いないのだから。『三たびの海峡』 帚木蓬生 新潮文庫 (平成7年8月発行)久しぶりの読書感想日記。うーむ、難しい。
2004年03月15日
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“もう本を置く場所がない”古本屋行きを控えていた、ひとつの理由である。最近、リスト化が間に合わず(または、内容を把握しきれず)既に持っている本を買ってしまうということも増えた。 (あるいは、単に記憶力が低下しているだけかもしれない)確実な解決策ではないが、本棚を整理しなおすことにした。この狭い部屋には、これ以上本棚を増やすわけにはいかない。空間的にも、経済的にも、傍目にも、我が目にも厳しいものがある。でも本は棚に置いておきたい。文字通り“積んで”積読にするのはちょっと躊躇う。(別にいいんだけど)背表紙が全て見えるように並べる事が出来れば、自己満足この上なく壮観なのだが、現実的には望むべくもない。仕方ない、それは我慢しよう。(というか、どうやったって無理!)しかしそれでも収納方法を見直す必要がある。そこで、“本棚を拡げよう!作戦”に切り替える。秘密兵器登場!!その名は・・・【下敷き】。別にここまで引っ張るほどのものでないのは承知してます。癖なんです。わが部屋の本棚たち。奥行きは、だいたい25cm~28cmくらい。文庫の奥行きは、ほぼ10センチちょっとだから、普通に置くと2列になる。「あともうちょっと奥行きがあれば、3列置けるのに・・・」というわけで、下敷き登場。前の列の本の下にかませて、底の部分を延長させてやる。5、6cmもあれば充分か。そして下敷き部分に、本を置いていけばいい。1列目が、真ん中の2列目となり、さらに新しい列が加わる。いやー、もっといい方法は幾らでもあると思います。でもこれも手っ取りばやくて、なかなか便利なのですよ。今までも一部の本棚には導入していたのですが、今回はもっと範囲を広げて。全部で10枚くらい使ったかな?しっかり数えてはいませんが、恐らく200冊くらいは収納能力UPしたかと。ただ問題点として・圧迫感がある。・奥の本(特に3列目)がとりにくい。ということがありますが、背に腹は変えられない。こうでもしないと本が増やせない。シリーズものや、同じ作者の本を後ろに配置すればそれほど不便も感じない。・・・・・・・・・・・・・・・途中で追記。問題点追加。【地震に弱い】気をつけましょう。頭の上に置くのはよくないです。・・・・・・・・・・・・・・・・というわけで、問題が一つ解決したので古本屋行き自粛、解禁。 早っ(笑)購入した本。『ぼくのキャノン』 池上永一『ルー=ガルー』 京極夏彦『カンバセイション・ピース』 保坂和志『安楽椅子探偵アーチー』 松尾由美『ウェブ日記 レプリカの使途』 森博嗣以下文庫『ライオンハート』 恩田陸『図書館が面白い』 紀田順一郎『鬼趣談義 中国幽鬼の世界』 澤田瑞穂『銀杏散りやまず』 辻邦生『恐怖』 筒井康隆『時代の風音』 堀田善衞 司馬遼太郎 宮崎駿『叛旗兵』、『妖説太閤記(上・下)』 山田風太郎『逆まわりの世界』、『ゴールデン・マン ディック傑作集3』 フィリップ・K・ディック『タイタス・クロウの事件簿』 ブライアン・ラムレイ ポイント、割引券などを使って全部で3千円弱。満足。あとは読むだけだ。
2004年03月14日
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昭和20年に運行を停止した沖縄県営鉄道。沖縄戦の最中発生した列車大爆発事故。真相は不明なまま、歳月が過ぎた・・・ん~、これだと内容紹介にはならんなぁ。ともかく、やぎ地獄に次ぐ、【沖縄もの!】ということで。ミステリ作家である“ポテト”こと【牧薩次】が、次の作品の舞台として選んだのは沖縄。“県営鉄道”で殺人事件を・・・薩次は取材の為、恋人・【キリコ】とともに沖縄を訪れる。もと県営鉄道・那覇駅などを探し歩くが、今でその痕跡はほとんど無かった。(県営鉄道略図、現地の実際の写真(現況)なども掲載されている)取材旅行を続ける中、母親の看病の為、帰郷したキリコの旧友・【佳弓】との再会。そして、ホテルで起きた不思議な出来事。“突然、佳弓が老婆になってしまった!?”続いてさらに衝撃的な事件が! “庭で、列車に轢かれて死亡した男”絡んでくるのは、社長と院長と、一人の女。そして、あの列車大爆発事故。といったところ。この3つの謎が思ったよりもしっかりしていたので、まぁまぁ面白かったです。表紙の“女性の絵”の印象などから、内田康夫っぽいのか?(1冊しか読んだことがないので、あくまでイメージ)と思ったが、出てくるキャラクターを見るとユーモアミステリなのかな?と感じ、さらには、所々に写真が挿入されていて、ガイドブック?なんてふうにも。(飲み屋、夢枕獏に似たマスターの写真、なんていうのもある。古めだが)まぁー、このへんのバランスは絶妙というか、微妙というか(笑)いろいろな切り口があって楽しいといえば楽しい。スラスラ読めました。実はシリーズものらしいのだが、メインキャラクターの性格がイマイチ掴めなかったのが残念。ちなみに、県営鉄道は実在してた。本土なみの交通機関として活躍し、人々にも親しまれたようですが、戦火のうちに、駅・レール・列車を失い、その歴史に幕を下ろす。(P18)ちなみにちなみに、作者の辻真先さんは、アニメ・『一休さん』のシナリオをずっと担当していた、とのことです。もっといろいろ読んでみたくなりますな。『沖縄県営鉄道殺人事件』 辻真先 講談社文庫 (1993年6月第1刷発行)
2004年03月13日
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そろそろ動き出さねば・・・凝り固まっちまう。まだ、もやもやが晴れたわけではないけど。進んでみなければ。(わざわざいうほど、たいした歩みではないが)と、もちろん楽して日記を埋めようなんて魂胆では…もう一ヶ月経ってしまって流石に無理。ぼちぼち、こつこつ、ゆらゆら、ふらふら、クラクラ…え?なんて言いつつ、3/12分を埋める往生際の悪い私。果たして?
2004年03月12日
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駅の階段を、一段飛ばしで駆け上がる女性。は、見た事がない。スニーカーでも履いているならば、また違うのかもしれないけど。駅の階段を、一段飛ばしで駆け下りる男性。も、見た事がない。多分、危ないからだろう。何が言いたいのか?私自身は、いつも自然に、一段飛ばして階段を昇っている。別に急いではいない時にも。少しでも、足の上げ下げの回数を減らしたいのか?(一段ずつ昇るのと、どちらが実際エネルギーを使うのだろう)“私は、こんなに身軽なのさ” という無意識のアピール?(誰に対してなのかはわからない。むしろ、危機感の裏返し&悪あがきか)もうだいぶ前のことだが、「どうして、一段飛ばすの?」と言われたことを、何故かふと今朝思い出した。階段くらいゆっくりと昇りたいものだ。だがしかし、足が勝手に・・・ちなみに降りる時は、リズミカルに(笑)傍からみると、気持ち悪かったりするのかな。ちょっと自意識過剰気味。
2004年03月11日
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起きて、食って、歩いて、読んで、仕事して、食って、仕事して、飲んで、読んで、歩いて、寝て、夢を見た。こんなもんだ。いつもではないけど。この前日の日記。半角4134文字。アホか!(笑)理想とは程遠いな~。
2004年03月10日
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偶にはこんな時もあります。何の為に? 何してるんだろ? と自問する。決して埋める為に楽をしているわけでは・・・
2004年03月08日
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樋口一葉 『たけくらべ』 から始まり、福沢諭吉、正岡子規、小泉八雲、石川啄木、岡倉天心・・・森鴎外『高瀬舟』、芥川龍之介『奉教人の死』 ・・・それぞれの作品によってひきおこされる文章世界から、自らの考えや思い入れを語り、(たまにほとんど関係ないこともある)自身が描いた淡い【風景画】を添える。各3ページほどのエッセイ。上に挙げた他には、呉秀三、寺田寅彦、北原白秋、萩原朔太郎、野口雨情、菊池寛、柳田国男、尾崎士郎、中勘介、谷崎潤一郎、伊藤整、亀井勝一郎山本周五郎、中山義秀、川端康成、吉野せい、中野重治、岩下俊作、吉野源三郎、小林秀雄、田中美知太郎、石川惇などなど。目次より羅列。(それぞれ一冊ずつ本のタイトルも挙げられているが割愛。)あと、古典落語 『富久』 というのがある。ここまでのものは、未読。読んだことのあるものは、以下5作品のみ。夏目漱石 『硝子戸の中』、 梶井基次郎 『檸檬』、 宮沢賢治 『春と修羅』中島敦 『山月記』、 幸田文 『おとうと』 うー、こんなもんなんです。(名前を始めて聞いた人も何人かいる。)檸檬、山月記は教科書、春と修羅は漫画の中で。全部で36の書名とスケッチ。1986年1月から88年12月まで、講談社の雑誌『本』に連載されたもののようです。そんなに難しいことを言っているわけではなく、気楽に書いたもの。全く、書名と関係ない話で終わっているものもあるくらい(笑)あまり構えずに読めるし、絵でイメージがわくし、目の保養にもなる。こういうのもいいなー。印象に残っているのは、・梶井基次郎 『檸檬』 絵は、京都三条と麩屋町の交わったところ。・田中美知太郎 『哲学入門』 絵は、京都の【哲学の道】。檸檬に添えた絵は、表紙にも使用されている。『読書画録』 安野光雅 講談社文庫(1995年5月第1刷発行)
2004年03月07日
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風の強い日だった。会社のメンバー全員集合。休みの土曜日 スーツ禁止。夕方 待ち合わせ場所は 鎌倉。(ちなみにうちの会社は千代田区にある)Aさんの送別会。湘南で行うことになった。ちょっとした小旅行 江ノ電に乗る。オールバックでやってきた社員が一名。海が見える。大きくはない店。夕陽をバックに座る。酒。料理。酒 料理。でてくるでてくる。サラダ 貝 パスタ。パスタ パスタ 肉 肉。食え 食うのだ まだいける。これでもか うまいからいいけど。お酒は何でもあるから好きなものをどうぞ。皆 若いからいくらでも食べれるでしょ。これ下げるから 片付けちゃってよ。まだまだ料理ありますからね。次のお酒 何にしますかあなたも空いてるねビール ワインご注文はどっち違あのー送別会なのでそろそろ一言ずつ皆さんから Aさんへ短い間でしたがお世話になりました短い間でしたがお世話になりましたいろいろと教えて頂き感謝してますまた何処かで会えると信じていますずっと隣に座って一緒に仕事してだいぶ生意気を言って困らせた意見が食い違うことも多かった・・・最後には必ず一歩引いてくれて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんて言っていいのかわかりません・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとうございましたお世話になりました潤して笑って膨らんで 外に出たら当然真っ暗。砂浜まで降りていき 波を聞き、夜を感じ、砂を踏む最後に握手して 終わった。お疲れ様でした。どうも。
2004年03月06日
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【円紫師匠と私】シリーズ第二弾。書店の国文のスペースにて。7、8冊の本の向きが逆にされていた。そして次に来た時、今度は10数冊まとめて上下が逆さになっていた・・・『朧夜の底』江美の誘いで、軽井沢へ。チェスの【クイーン】が消えて・・・現れたのは何処?隠したのは誰?その真の目的とは?『六月の花嫁』と 『夜の蝉』 の3話収録。うーん、あらすじ並べてもあまり楽しくないですねぇ。やはり、北村さんが書いてこその謎であり、雰囲気。 「この雨を、きみにあげよう」 江美ちゃんは、ちょこんと首をかしげる。 私は窓を指さして、いった。 「つー、ゆー」 (P101 『六月の花嫁』の一コマ。)つい謎以外の部分に目がいってしまいますが、謎解き自体もなかなか凄い。『朧夜の底』メインのトリックには吃驚!そうくるか!私は箱付の本との付き合いがほとんどなく、こんな発想は全く出てきませんが、これ実行出来てしまうのでは?もちろん、嫌ぁ~な悪意を感じますけど。謎解き以外にも、チラ、チラっと見え隠れする問いかけだとか、ちょっとした心の動き、つぶやき、会話文などが、気持ちよくすーっと入ってくる。「あー、本を読んだなぁ~」という気にさせてくれるシリーズである。(妙なこと言ってる?)【私】、江美ちゃん、正ちゃん、の三人いいですね。いろいろな要素があるのだろうが、共通して一番感じるのは “誠実さ”。誰の立場に立ったとしても、根底で信頼してしまうと思う。(これは円紫さんも同じですが)彼女らの誠実さを強く感じてしまうだけに、それと相対するような人物、感情が出てくると、そのギャップにハッとする。ちょっと襟を正されたような、背筋を伸ばしたような気になるのは、私が穢れてしまっているからだろうか?(苦笑)“純真無垢” に描かれている、というわけでは必ずしもないのだが、北村さんの文章が、物語の中を占める空気が、そうさせてしまうのだ。何だかきちんとまとまらない。ミステリの感想ではないな。けどこのへんで。『夜の蝉』 北村薫 創元推理文庫 (1996年2月初版)
2004年03月05日
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というわけで、日付がバラバラな近況報告です。タイトルは、ちょっと悪ぶってみました。今日、会社に行こうとしたら、マイカーのタイヤがパンクしてた。いつもなら、これで1500字くらいの日記になるけど(笑)加工する気力がないのでそのまんまで。(だって、タイトルが思い浮かばないし)パンクって puncture からきてるのか。というかその単語自体があやふや。英語、壊滅状態です。ちょっと体調が悪くなって、仕事をはやく切り上げて帰宅すると、次の日がめちゃくちゃ大変。(いやー、普通の人にとってはたいした仕事量じゃないかもしれないけど、私にとっては・・・)書きたいネタはそれなりにあるんだけど・・・最近は読書も進んでいません。話がガラリと変わるが、今日CDを買った。『 BLUE A TRIBUTE TO YUTAKA OZAKI 』Cocco が 『ダンスホール』 で参加しているので。(尾崎も嫌いではない。)デビュー前に、レコード会社の人から広瀬香美の「ロマンスの神様」でデモテープをとるように言われて、「私の歌いたいのは、こういう歌ではない」と拒否した人である。(注:聞いた話を適当に再現しているので正確ではなく、真偽も不明です。)尾崎を聞いていたのか? という興味と、参加することになった経緯も気になっていた。まぁ、それは歌詞カードにしっかりと書いてありました。(須藤さん、やりましたな)他の参加アーティストは、ミスチル、橘いずみ、宇多田ヒカル、槙原敬之など。ちなみに、広瀬香美は参加していない。(私は広瀬香美も嫌いではない。)他にマンガ二冊。『バガボンド』19巻 一番読みたいのは『リアル』だけど『サトラレ』 6巻 絵はあまりうまくないけど、設定が好き。あと、どうしても古本で見付からなかった『吉原御免状』 隆慶一郎探せば絶対あると思うのだが、わけあって古本をしばらく買うのはやめようと思うので。こんなところっす。さてこれを書いているのは、3月24日。日記の日付は3月4日。特に意味はない。毎日分の日記をつける、という夢(目標からいつの間に・・・)はまだ棄ててない。多分そうだと思う。ので。さて、ここから粘りをみせられるか?あがいてみよう。だが、もう24日か・・・。はやすぎるぞ!タイトル。思いっきり消化不良(笑)やはり続けて書かなければダメだ。勘が鈍る。「いつもと変わらないよ」という意見もあるかもしれませんが。
2004年03月04日
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「撃てるもんなら撃ってみろ!」「おお、撃ってやらぁ」飲んだくれた帰り、遊歩道で拾った拳銃。壊れたモデルガンだと思い、ふざけ半分で引き金を・・・ふぅ。面白かった!!こういうの大好きです。ノリとしては、『陽気なギャングが地球を回す』のような感じかな。(違うといわれれば全然違うのかもしれないが)もともと“集団プロフェッショナルもの”が好きだというのがある。数人の仲間でワイワイガヤガヤというのが楽しくていい。ちなみにこの話ではこんなメンバー。流々亭天馬・・・前座の落語家時村和也・・・自主映画監督三川広介・・・貧乏役者高杉可奈・・・見習いライター仲の良い四人が、“拳銃”をめぐって繰り広げる珍騒動(?)先に“プロ”と書いたが、ここではちょっと違う。プロと言えないことはない者もいるが、いづれも駆け出し。それぞれが自分の将来を真剣に考えなければならない。ここで“青春モノ”という側面が出てくる。この辺りがまたまた“好み”なのだ。物語は二つ目への昇進を目指す、入門5年目の天馬を中心に進む。噺家という設定は、最近結構多くて、いい味を出している事が多い。(本物は全く知らないのですが)当然、落語の話も出てくる。“死ぬなら今”など章題を見ても明らか(らしい)。これがまたわかりやすい。(【粗忽】という言葉も、落語では良く使われるとか)この天馬を中心に、4人が絡んでくる。(ちなみに一番上のセリフは時村→天馬)広介の部屋を溜まり場に、似た境遇の4人が今日も集まる。私としては、ちょっと地味な広介が一番気になっていましたが。大きな役割を果たすのは、【拳銃】。撃つ、撃つ、撃つ、撃つ・・・・・そして。実は、かなり都合の良い展開である。こんなに巧くいくのか?という場面も少なからずある。【拳銃】についても、「おいおい、そんなんでいいの?」という部分も。だけど、それでもいい。気にならない。私は好きだ。読んでいるだけで楽しい。一人一人かわっていく様子がうれしくて引き込まれる。まぁ、でも幾つかの書評サイトなどを見てみると・・・ほとんど、“おすすめマーク” などは付くいていない。他の作品にはよく付いていた。これより面白いのがまだ幾つもあるのか?それとも単なる好みの問題か?なんにしろ、個人的にとても楽しみな作家をまた一人見つけたのは間違いない。第12回小説すばる新人賞受賞作品。『粗忽拳銃』 竹内真 集英社文庫 (2003年10月第1刷)
2004年03月03日
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二十年間勤めた製紙会社をクビになった。求人広告を調べて、履歴書を送った。 だが・・・採るべき道は唯一つ。うーん、何だか凄いぞ。斧を持って襲いかかってくる殺人鬼!!という話ではないんだけど。主人公のバーク・デヴォア、ある意味もっと怖いかも。裏表紙に普通に書いてありますが、念の為反転。この下から、ある思いつきで、自分と同じく再就職を目指す元同業者達の履歴書を手に入れたデヴォア。彼はその中で、自分より有利な(もしくはほぼ同じ)位置にいて、再就職の障害と成り得る人物を数名ピックアップした。そしてその数名が皆死ねば、自分が就職出来ると考えた・・・ここまで。これで殺人鬼の誕生である。感情が欠如しているわけではない。見るからにどこかオカシイのでもない。妻を、息子を愛している。何より、自分を大切にしている。家族が幸せを得る為にした決断とは?わたしとわたしの家族の面倒を見るのは、わたししかいないのだ。(P227)オイオイ、と思っているうちに、どんどんページが進んでしまうのである。快楽的に罪を犯しているのではなく、怯え震え、悩み後悔する。しかし、それでも優先してしまうものがある。そして時には淡々と・・・文章はとても読みやすく、話の展開、構成が面白い。間に挟まる幾つもの履歴書。妻との間がうまくいかなくなり、カウンセリングを受けたりもする。息子は問題をおこし、父は行動をおこす。ブラックユーモアがききまくり、読者を嘲笑う。バカなことだとは分かっている。自分がその立場にいても、絶対そうはならないだろうと思う。でも、今の世の中、本当に大丈夫なんだろうか?という疑問も付きまとう。周りが見えず、自分で精一杯。自分と、自分が愛するものが潤うのなら・・・もしかしたら、私も・・・・ なんて。何を考えても、何が起きても、不思議じゃない。のが、怖い。そんなことを感じさせる話でした。いや絶対大丈夫だけどね。多分。『THE AX』by Donald E.Westlake 1997『斧』 ドナルド・E・ウェストレイク 文春文庫(2001年3月第1刷)
2004年03月02日
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