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寺院伽藍の至るところに彫刻が施されています。この図柄のモチーフは何だろう?鎌倉時代や室町時代に建てられた伽藍の彫刻はとてもシンプルで、彫ったというよりは削った程度の図柄です。もちろん例外はありますが・・・ところが江戸時代以降になると、彫刻の図柄はとてもバラエティーに富んできて、動物や植物や・・・日光東照宮を代表とするようなリアリティーあふれるものになっていきます。しかし、ある時期から近年に向けて、これでもか!というようなごてごて図柄よりシンプルな図柄が好まれるようになって・・・最近では、ツタや雲をモチーフにした図柄が一般的です。ただ、向拝周りの木鼻、蛙叉、手挟みなどには、現在でも獅子や象、龍などの具象的な彫刻が施されます。さて、現在、愛知県の浄土宗寺院本堂を造っています。その唐破風玄関に施す彫刻の図柄は、信州の善光寺本堂の懸魚を参考にして描いています。これがなかなか面白い。モチーフは・・・ツタの芽かな? 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Feb 26, 2009
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多治見市の臨済宗 永保寺の本堂・大玄関再建工事が進んでいます。現在は、大工が木材を刻んでいるので、現場の工事はこれといって進んでいません。ただ、現場の定例会議だけは1ヶ月に1回のペースで開かれています。いつもは山内寺院、事務局、工事監督そして私たち設計士が参加して行っていますが、昨日は老師、棟梁にも参加してもらいました。大玄関の唐破風屋根下の天井に何を張るのか?「格天井になりますが、設計図では鏡板がヒノキの板になっています。ただ、ちょっと木目が単調になってしまう恐れがあるので・・・杉の根杢板を貼ったらどうでしょうか?」と、現場監督が提案しました。「値段は変わらないの?」と老師。「同じ値段で結構です」「この板は杉の根元ですねえ。木目が荒々しくていいですよねえ」と私。「根杢板は割れないのでお薦めですよ」は棟梁。・・・全員一致で根杢板を貼ることになりました。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇永保寺本堂・庫裡 〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Feb 25, 2009
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名古屋市の西山浄土宗 善光寺の本堂を造っています。この本堂の構造は鉄骨鉄筋コンクリート造です。つまり、鉄筋コンクリートの中に鉄骨が入っているのです。写真をご覧ください。鉄筋の中に鉄骨が立っています。先ず、鉄骨を立てて、その外に鉄筋を組んでいくのですが、これがなかなか難しい。鉄骨を貫通する鉄筋もあるので、事前にしっかり図面を描いて、工場で穴を開けていきます。なんでそんな苦労をしてまで鉄骨鉄筋コンクリート造を採用したのか?それは、本堂の中にコンクリートの柱を見せたくなかったからです!本堂の間口は13.8mあるので、鉄筋コンクリート造では不可能・・・じゃあ、鉄骨鉄筋コンクリート造で、ということになりました。本堂の中には、直径36センチのケヤキ丸柱が立ち、天井はヒノキ製の格天井になります。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Feb 18, 2009
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愛知県の曹洞宗寺院の住職が事務所を訪ねてみえました。「5年前から開山堂を造りたいと思って、いろいろ考えているんですけど・・・。他の設計士さんにも相談したんだけど、しっくりこなくて」話をお聞きすると、境内には相当の高低差があるので、その高さを利用して、1階をホール、2階を開山堂にしたいという希望。これだけはっきりとした希望があるのに、どうしてそれを叶える案が出なかったんだろう?とても不思議です。同じような条件で、過去に造った伽藍の写真をお見せすると・・・「全く、こういうことです。伝統的な建築ばかり設計している方に相談したのがいけなかったのかなあ」住職はホールで講演会を開いたり、研修会を催したり・・・いろいろな企画をお持ちのようです。「一度お寺に伺ってもいいですか?是非、プランを練らせてください」「お願いします」 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇永保寺本堂・庫裡 〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Feb 17, 2009
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愛知県稲沢市の真言宗智山派 長福寺で鉄筋コンクリート造の本堂を造っています。そのご本尊は韓国製になります。住職が韓国でその作状況を写真に収めてきました。台座に乗った大日如来は光背付きで約3.1m。この大きさは設計に織り込み済みなので問題なし。ただ、前室にお祀りする天女が・・・1.9mと予想外の大きさ。「これは迫力あるなあ!!」いやあ、このお寺の住職は実行力と独創性が並外れ。私たちもついていくのがやっとです。そうは言っても建築の完成は間近。仏像も今月末には舟に乗り込むそうです。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇永保寺本堂・庫裡 〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Feb 16, 2009
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千葉県の真言宗寺院から、本堂の耐震補強の相談を受けました。千葉県!!愛知県のわが事務所から、少し遠すぎないか?と、一瞬たじろぎましたが・・・住所を聞くと・・・現在本堂を造っている埼玉県草加市の光明寺の直ぐ近く!これはラッキーだなあと思い、現場の打ち合わせの前にお寺へ伺いました。本堂の造りはとても簡素で、構造もシンプルです。「このご本堂なら、思っていらっしゃるより少ない工事費で耐震補強できますよ」「そうですか。・・・実は、現在の庫裡は狭くて、師匠夫婦と私たち家族が同居できる広さがないんです。先ず、庫裡を建て直して・・・庫裡として使っているこの建物を耐震補強して・・・でも、曳き屋しないと・・・今は客殿がなくて、行事のあと本堂でお食事をしていただいているので・・・現在の庫裡を客殿として使って・・・」考えれば考えるほど、どうしたらいいのかわからない。といった様子。「私も、現状を把握しないとアイデアが湧きませんので、一度スタッフを連れて実測に来ます。それからマスタープランを作りましょう」「私は何をすればいいですか?」「法務局へ行って境内の公図を取ってきてください」 【菅野企画設計】は、寺院建築・和風住宅・古民家再生を得意とする設計事務所です。≫≫ 菅野企画設計 HP≫≫ 寺院完成ギャラリー≫≫ Instagram(寺院)≫≫ Instagram(住宅)≫≫ Pinterest◆本社◆ 愛知県一宮市木曽川町黒田往還南60-3 TEL 0586-84-2003◇関東事務所◇ 横浜市中区太田町6-79アブソルート横濱馬車道ビル4階 TEL 045-264-9160
Feb 11, 2009
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名古屋市の西山浄土宗 善光寺で鉄筋コンクリート造の本堂を造っています。私は、虹梁や蛙叉、懸魚の彫刻の図柄はオリジナルで描くことにしています。このお寺の図柄もひとつひとつ原寸図を描きました。そして、先ずは妻壁部分を並べて、住職に見てもらいました。「こういう仕事は設計士さんの領分ではないと思っていましたが・・・」と住職。確かに、一般的には設計士の行う仕事ではないかもしれませんが、私は、これも建築のデザインの一部だと思っているのです。ガウディの設計した建物は、彫刻と建築のデザインが一体化していますよね。日光東照宮だって、そうです。設計士は建築のデザインだけして、あとは彫刻家や左官屋さんに任せる・・・というのは、ちょっと違うのではないかと私は思っています。ただ、やりすぎはいけません。実際に手を動かす職人の意見をよく聞くこと。これは絶対に必要です。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Feb 10, 2009
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埼玉県草加市の浄土真宗本願寺派 光明寺で鉄筋コンクリート造の本堂を造っています。工事は終盤に入り、内装工事がどんどん進んでいます。本堂の天井ができてきました。参拝者が座る外陣(げじん)の天井は、木造本堂の軒をイメージした格天井にしました。垂木状の角材がご本尊のお座りになっている内陣に向かって伸び、上昇していく・・・そして内陣は、従来の木造本堂の設えを踏襲して、オーソドックスなデザインでまとめました。外陣の照明は、垂木状の格縁の間にスリット状に埋め込み、すっきりさせます。「それにしても、窓が少ない割りに明るいですねえ」実は、屋根のトップライトから明かりを取っているのです。本堂はお昼に使うことがほとんどですよねえ。できるだけ外光を取り入れて省エネを図ることも大切なことだと思っています。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Feb 9, 2009
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現在、多治見市の臨済宗 永保寺本堂・大玄関を造っています。といっても、大工が工場で木を刻んでいる最中なので、現場には何も建っていませんが・・・その刻みの様子を検査し、打ち合わせをするために高山市の八野大工へ行きました。八野棟梁は昨年完成した庫裡に引き続き、本堂、大玄関の木工事にも腕をふるってもらいます。ただ、八野棟梁は原寸図を描いたり、打ち合わせをしたり・・・実際の加工は、弟子たちが行っています。先ず、工場で唐破風の原寸図を検査し、拝み位置の破風板幅を3cmほど広くしてもらいました。その後、破風板や本堂の隅木の検査をしました。寺院伽藍は曲線を多用するので、幅広の材から切り出す必要があります。ただ、寺院で使う木材は高価なので、切り出したあとの木材を捨てるのはもったいない!!そこで、うまく曲がった木材を見つけます。これが材木屋さんの腕の見せ所。そして、大工さんは、その材から必要な材料を木取るように工夫します。今回も、一箇所大きな節がありましたが、何とか工夫して木取ることができました。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇永保寺本堂・庫裡 〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Feb 4, 2009
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名古屋市の西山浄土宗 善光寺で鉄筋コンクリート造の本堂を造っています。屋根は瓦葺きの入母屋造りで、妻壁が正面に見える妻入りという形になります。妻壁には虹梁、蛙叉、束が、破風板の中央には懸魚(げぎょ)と呼ばれる彫刻が装飾されます。私は、いつも彫刻の図柄をオリジナルで描くことにしています。さて、懸魚の図柄のモチーフは何にしようか?いろいろ考えて、このお寺の本山を参考にすることにしました。先ず、大きな机の上で下絵を描き、壁に貼って、バランスを確かめます。描き始めてみると・・・今まで採用したことがない独特なデザインだということに気がつきました。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Feb 3, 2009
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現在、多治見市の臨済宗 永保寺の本堂を造っています。伽藍の建設には石をたくさん使います。今回は、中津川市蛭川の花崗岩を使います。中国産花崗岩のほうが安いのですが・・・「同じ金額で頑張りますので、是非、地元蛭川の石を使わせてください」は石屋さん。伽藍の工事には、感動的なことがよく起こります。人は必ずしもお金のためだけに仕事をしているわけじゃないのです。その石屋さんに案内されて、蛭川石の切り出し場に行きました。断崖絶壁の石切り場を仰ぎ見ると、目がくらくらするほどです。石切り場には大きな石の塊が無数に積まれています。「石はいくらでもありますので、たくさん使ってくださいよ」いやあ、日本にも良質な石がたくさんあるんですねえ。認識を変える必要があります。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇永保寺本堂・庫裡 〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Feb 2, 2009
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