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工事会社はどうやって選ぶのか?もちろん、設計と工事を分離する場合ですが・・・「入札をするのが一番いい方法なんですよね?」は建設委員長。建築に詳しい知り合いの方から聞いたそうですが・・・「入札というのは、見積り金額だけで工事会社を決める方法ですよ。見積り内容を検討しないで決めるのは危険だと思いますよ」「でも、設計図に仕様が全部書いてあるんだから・・・」「それが、見積り落しも結構ありますし・・・実は、工事会社がお寺の予算情報を入手して、その金額に合わせて見積りを作ってしまう様なこともあります。そういういい加減な見積書を基にして現場監理はできません」「見積り落しなんて、工事会社の責任でしょう。そんなことまでこちらが心配してあげる必要はない」という委員もみえましたが・・・結局、見積り合わせ(競争見積り)という形で工事会社を決めることになりました。これは、設計図に基づいた詳細な見積書を提出してもらい、各社の内容を比較検討して工事会社を決める方法です。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 30, 2009
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久しぶりに日経新聞の景気指標を見て、目を疑いました。建設工事受注の前年比が7月は42.8%減、6月は28.0%減、5月は41.9%減・・・惨憺たる有様です。ニュースで大きく取り上げられている自動車はどうだろう?と目を移すと・・・新車販売台数は前年比で0.5%減!つまり、建設業界には今、自動車業界とは比べものにならないくらいの大不況が襲っているということなのです。どうりで・・・先日、臨済宗寺院の本堂・庫裡耐震補強及び書院新築工事の見積もりが工事会社3社から提出されました。見積りを出す前の概算は予算オーバーだったのですが・・・減額案は見積り金額が出てから考えようということで見切り発車をしました。もちろん、経営状況が良好な建設業者に見積りを依頼しました。ところが、全社の見積り金額がお寺の予算内!お寺としては万々歳、でも・・・「設計士さんに見積りの内容をよく検討してもらって・・・それから皆でよく考えようじゃないか」は建設委員会。とても賢明な判断だと思います。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 29, 2009
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多治見市の臨済宗 永保寺の本堂再建工事が進んでいます。臨済宗寺院の本堂としては珍しくむくり屋根になるので、妻壁の破風板の取り付ける掛魚(げぎょ)と呼ばれる彫刻も一般的なものでは不釣合いです。今回の工事は平成15年に火災で全焼した本堂の再建ですが、旧本堂の掛魚には雲と鶴の彫刻が施してありました。ただ、図柄が細かくて、何が彫ってあるのか?知っている人は皆無という状態だったので、いろいろ探して、やっと見つけたピンボケ写真で確認。「多分、これは鶴だよね」そこで、思い切って図柄を変えてみようと思いました。モチーフは鳳凰。実は、隣接する大玄関の唐破風の笈形(おいがた)の図柄が鳳凰。焼失前の彫刻があまりに秀逸だったので復元することになっているのです。実際に描いてみると・・・幅が1.7m!さて、気に入っていただけるでしょうか? 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇永保寺本堂・庫裡 〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 28, 2009
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本堂が完成したので、建設会社がお客様に引渡しをしようと思ったら・・・「ちょっと待ってください。まだ、手直しの一部が直っていないんだから引渡しなんておかしくないですか?」は住職。確かに完了検査で指摘した手直しの一部が完了していません。ただ・・・お寺が頼んだ仏具店が本堂の中に出入りしています。「もし、何かあったらどちらが責任をとるのか?心配なんですよ」は、現場監督。住職と現場監督の考え、どちらも理解できますが・・・実は、引渡しをすると火災保険の被保険者が工事会社からお寺に移ることになります。だから、軽々にできることではありません。結局、手直し工事が完全に終わるまで引渡しはしない。そのかわり引渡しが完了するまでは、仏具店が本堂に入る時に現場監督の許可を得ることになりました。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 25, 2009
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名古屋市の西山浄土宗 善光寺に鉄筋コンクリート造の本堂が完成しました。この本堂にはいろいろなアイデアが盛り込まれていますので、そのひとつをご紹介します。本堂は、耐震強度を高くするため、鉄筋コンクリート造で箱を造りその上に鉄骨の屋根を載せています。ということは、天井の上に鉄筋コンクリート造の床(屋根)があるということです。この床を利用しない手はない!本堂の天井裏は半端な広さではないのですから・・・そこで、考えました。写真をご覧ください。手前にシルバーの箱があって、そこから蛸の足のようにパイプがぐねぐね伸びていますよね?これはエアコンとダクトです。これならフィルターの掃除も、機械のメンテナンスも容易にできます。次に、美術館の展示台のようなものが見えますよね?これは屋根から取り入れた光を本堂の天井に落す煙突です。じゃあ、何故煙突の途中に穴が開いているのか?実は、この煙突には本堂の照明が吊り下げられていて、ここから電球を取り変えることができるというわけです。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 17, 2009
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千葉県で真言宗寺院の本堂・客殿耐震改修、庫裡の新築を設計しています。設計図が完成したので、現場説明会を行ないました。見積りを希望する建設会社は8社。その会社を売上げ、自己資本比率、技術者数、寺院建築の経験の有無などの項目で一覧表にし、建設委員会で数社に絞っていただきました。当日は、各建設会社を1時間おきにお寺へ呼び、見積り依頼書と設計図を渡し、工事内容を説明しました。工事をする伽藍が3棟あるので、図面が200枚になってしまい、説明は予想以上に手間取りました。各社が大変熱心な様子をご覧になって・・・「皆さん一生懸命見積もってくださるようなので、安心しました。今日おみえになった会社ならどこに決まっても文句はないですね」と、副住職。説明を担当した私とスタッフも同感。とてもいい現場説明会になりました。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 15, 2009
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神奈川県海老名市の日蓮宗 海源寺の本堂を設計しています。本堂の屋根は銅板葺きで設計が進んでいますが・・・「本瓦風に葺く方法は大変高価につくので、一文字葺きではいけないでしょうか?」写真をスクリーンに映しながら建設委員会の皆さんに質問しました。「何かすっきりしすぎていて寂しいなあ。やはり隅棟や下り棟は欲しいよね」と住職。委員の皆さんも同感という表情。「そうですか。じゃあ、いっそのこと本瓦葺きにしたらどうでしょう。そのほうが安く済むと思いますが」と提案しました。すると・・・「瓦は嫌だなあ!!」皆さんの反発に驚いて、その理由を訊ねると・・・この地域では、関東大震災の記憶が未だ生々しく残っていると聞いて、なるほど!と納得しました。実は、愛知県では今でも伊勢湾台風の恐怖が記憶に残っていて、つい最近まで、地震より台風に備えた伽藍の設計を求められたのです。地域性ですね。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇海源寺本堂 〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 14, 2009
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昨日は静岡県の3か寺を訪ね、打合せをしました。私の事務所は愛知県にありますが、最近は県外のお寺からもお話をいただけるようになり、とてもうれしく思っています。一日に3箇所のお寺を、なんて滅多にあることではありませんが・・・私を待ってくださっている住職、建設委員の方々とお会いするのはとても楽しみで、苦ではありませんから、ご心配なく。「相談したいことがあるんですが、一度お寺に来てもらえますか」なんて電話がかかってきて、早速お寺に向かう時のわくわくした気持ち。住職や檀家の方々の希望・要望を聞く楽しみ。打ち合わせが進んで設計図をお持ちする緊張感・・・工事がどんどん進んでいく喜び。完成した時の住職の輝いた顔を見た時の安堵感。いやあ、設計士は素敵な仕事だと思います。たまには、皆さんの期待を重く感じることもありますが・・・伽藍をお造りしたお寺を久しぶりに訪ねた時に、住職やお庫裡さんがにこにこ迎えてくだされば、もうそれで元気百倍。また、頑張ろうと思います。写真は、昨日伺ったお寺の周りに広がっていたお茶畑です。こんなきれいな所にいざなってくださった大きな力に感謝感謝です。寺院建築の設計 : 菅野企画設計 伝統構法で快適な生活を実現:古民家再生寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 11, 2009
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多治見市の臨済宗 永保寺で大玄関再建工事が進んでいます。現場では現在屋根工事と左官工事を行なっていますが・・・大工も工場で造作材の加工など出番に備えて準備を整えています。八野大工の工場を訪ね、現在の状況を確認しました。写真は、唐破風玄関の軒裏に張る桧の板を曲げているところです。ご存知のように、唐破風は湾曲した屋根になりますが、軒裏も同じように湾曲します。軒裏にはその曲線に沿う垂木を配し、その上に桧の板を張ります。垂木と直角方向に張れば問題はないのですが、垂木方向に張ろうと思うと、板も湾曲している必要があります。「サワラ板は曲がりやすいんですがねえ。桧板はさて、どこまで曲がってくれるかなあ」は棟梁。中島工務店が用意した板はとてもきれいな桧板ですが・・・サワラではこんな幅広で無節の板はとても手に入りません。これ以上の贅沢はいえません。こんな素晴らしい工事に関われる幸せを感じながら工事を進めています。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇永保寺本堂・庫裡 〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 9, 2009
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名古屋市の西山禅林寺派 桜誓願寺の本堂が完成間近です。この本堂は、交通量の多い道路を見下ろす高台に建っています。「信号待ちしている車の中から見上げていて、後ろの車にクラクション鳴らされる人がたくさんいますよ。ははは」は住職。この本堂で住職が特にこだわられたのは屋根の形。寄棟屋根にシビが載った美しい屋根を造って欲しいというご希望でしたが・・・私なりにいろいろ研究して、イメージした形がほぼ思い通り完成しました。住職は「坂の下から見上げると、まるで鳥が羽をひろげて今にも飛び上がろうとしているように見えますよ」お庫裡様は「夜、本堂に照明をつけると格子から光が漏れてほんとうにきれいですよ」と、大変喜んでいただいている様子で、とてもうれしく思っています。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 8, 2009
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静岡県の木造本堂を調査しました。このお堂は、築200年以上経っていて、枯淡な味わい深い外観をしています。境内は茶畑に囲まれた高台にあり、背の高い杉木立に覆われた姿は水墨画を彷彿とさせます。今回の現況調査は「この本堂を残すために一番いい方法」を探るために行なったのですが・・・床下に入って一本一本柱の足元を調べていくうちに、絶望的な気持ちになりました。多くの柱が腐朽菌の餌食になっていて、スポンジ状になっているし、礎石が沈下したため柱の根元に差し木をして急場しのぎがしてあります。板縁が取り付いているところから雨が柱に沁みこみバリバリに割れているところもありました。はっきりいうと、補強の方法はないというのが結論です。傷みが激しいのは、山独特の菌の存在と柱が杉だったことが大きな原因だろうと思いました。そんな調査結果を檀家の皆様にお話しました。当日は30人以上の人が本堂に集まり、私の発表に耳を傾けてくださいました。「新築したほうがいいということですか?」という質問に「残念ですが・・・」とお答えしました。 寺院建築の設計 : 菅野企画設計本堂を地震から守る:伝統構法による耐震診断・補強 寺院完成ギャラリー:〇 木造伽藍 〇 RC・鉄骨造伽藍 〇 納骨堂・山門・鐘楼 ○ Facebook ○ Instagram ○ Pinterest
Sep 2, 2009
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