時間かかるだろうにこんなにちゃんと書いてくれてどうもありがとう。議論も深まるし嬉しいです。

>私にはやはり重点は裁判の制度の問題だと思いますよ。かぐやさんのご指摘の通り充分な土台の上でなければ誤解を与えるという点では同意できます。かぐやさんの指摘というのは女性問題への関心の高さを示すものではあるのですが、この映画への指摘としては私にはしっくりきません。映画の論点があくまで"日本の裁判・掲示制度の腐敗"ならば、そこに論点を絞って進めるべきだと思います。

主な論点がそこでも、見てる人はそれ以外の情報などをも吸収している。そし、場合によってはそのサブテーマのほうが影響力が大きい場合がある。女性の視点をテーマにしたメジャーな映画がないからこそ、こういうところで出てくる女性像やわずかにでもある「女性の視点」に気を使うことが必要だと思うんです。それに気づかずに「社会派」といわれるような映画を作っているのであれば、贔屓目に見ても軽率だと思わざるを得ません。

(2007年02月15日 19時36分38秒)

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2007年02月13日
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最近、けっこう映画漬けの生活を送っている。

その中で、いかにも避けたい映画があったりする。

「それでもボクはやってない」

日本の裁判制度の問題点を指摘するものだそうだ。

ふ~~ん・・・。

で、どういうふうに問題点を浮かび上がらせるのかと言うと・・・。

痴漢の犯人に間違われたあるフリーターの「現行犯逮捕」されてからの物語を追うことで、だそうだ。

ふ~~~ん・・・・。


で、痴漢された中学生の女の子のほうの話は?


けれど、重視されないのだろうな、と思う。

この監督は、そういえば、しがない中年男の浮気願望をファンタジー化した映画を作って、すごく評価された人だったなぁ。


そういえば、欧米の映画界は
ちょー女嫌い要素の濃かった「誰も知らない」も
少女・処女に対する、すごくねじれた偏愛を表現した「弓」と「サマリア」も
高く評価した。

「誰も知らない」、「弓」、「サマリア」の3本共に共通して言えることだけれど
いまや大声で言えないような男のロマンやプライドを取戻す(=女性を従来のように再度抑圧しようとする)テーマが根底に流れたりするのよね。

なんで欧米の映画界は
そういう映画を作る東アジアの監督達をそんなに高く評価するんでしょう。

なんか、自分達の中の<失われた>何かを


よくわからないけど・・・。


「それでもボクはやってない」。
題材にするんだったら、別の犯罪でも良かったんじゃない?
万引きとか。
いっそのことレイプとか。


裁判制度を問題にするんなら、
題材はそこら中に転がってるのに。

女性に対する暴力の取り締まりはまだまだですよ。
それでも、女性に対する暴力自体が慣習化していたから
今度はそれが取り締まられるようになると、すぐ
「やりすぎなんじゃないか」って・・・。

この映画は、その「やりすぎなんじゃない?」って声を助長するように思う。

たかが痴漢なのに、って意識を人にまた植えつけると思う。

こういう映画を作りたいなら、
痴漢は許さない行為、って常識が浸透してからにしてほしいです、本当。

「それでもボクはやってない」をごらんになった方がありましたら、
ぜひご感想を聞きたいです。

よろしくお願いします。


ぷちっ。







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最終更新日  2012年04月07日 17時24分11秒
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設定が痴漢  
KSD_farfalla  さん
であるという理由は、充分にあるような気がします。万引きよりもレイプよりも、何よりも"物的証拠"に欠ける犯罪で、私たちが普通に朝満員電車で通学しただけで疑われる可能性が高いからなのだと思います。また、確かに万引きやレイプなどの犯罪でも裁判問題は起こるのですが、"身に降りかかる度合い"が他にに比べたらはるかに高い点がこの犯罪を利用した理由だと思います。まして、この映画のテーマが"裁判問題"であるなら、見る人にとって自分がそういう危機に陥る可能性が最も高い犯罪でなければ、真に"裁判制度の問題"に共感させることが難しいのではないでしょうか?

>痴漢は許さない行為、って常識が浸透してからにしてほしい

気持ちは痛いほどわかるのですが、同時にプロデューサーの言いたい、"この映画の論点で被害者になった人たち(またはこれからなりうる人たち)"も考えなければならないので難しいですね。
最も問題なのは、マスコミの取り扱い方では無いでしょうか? (2007年02月14日 07時54分01秒)

あーーー  
きよん。 さん
まだ見ていないし、見る予定もないですが・・・。
確かに、KSD_farfallaさん の仰るとおり
最も身近で起こりうる犯罪でしかも犯人逮捕するのに非常に困難な現状がある犯罪、てのはあると思う・・・。
むずかしぃっすね~。
内容見てないんで映画に対するコメントはできないけど。
しかもやってないのに女性にはめられて(訴えるのが趣味な人、いますから…)困ってる男性も
居るようですので・・・。
でもメインテーマは裁判制度の問題点指摘、かぁ。
陪審員制度始まるからか~。

(2007年02月14日 09時57分38秒)

KSD_farfallaさん  
Re:設定が痴漢
>何よりも"物的証拠"に欠ける犯罪

うん。

>私たちが普通に朝満員電車で通学しただけで疑われる可能性が高いから
>"身に降りかかる度合い"が他にに比べたらはるかに高い点がこの犯罪を利用した理由

起訴される相手である「私たち」にKyokoちゃんが女性である自分を入れてるのが非常に興味深い。

一般論として、一般の女性は男性の視点からものを見て、共感して、納得することを求められるけど、逆はそうじゃない。それが、「痴漢」を題材にしたときに、痴漢され、間違った相手を「現行犯逮捕」してしまったかもしれない女性の痴漢されたことに対する苦悩や、間違った相手を起訴してしまったのかなどなどの苦悩に向けられたのではなくて間違って逮捕された相手側にカメラが向けられた理由なのだと思う。そういう社会的風潮が腹立たしい。

>気持ちは痛いほどわかるのですが、
>"この映画の論点で被害者になった人たち(またはこれからなりうる人たち)"も考えなければならないので難しい
>最も問題なのは、マスコミの取り扱い方では無いでしょうか?

痴漢・レイプされた女性の話はあくまで「女性の話」であって「社会問題」ではない。

痴漢・レイプなど(被害者は女性ばかりではないけれど、確率的に女性が多いもの)が、明らかに社会的規範として「社会問題」であると認知される前に、その共通認識を揺るがすような映画を作るのは時期尚早だと感じます。裁判過程を問題にしたいのだったら、別の題材もあったと思う。痴漢を題材として扱うのだったらもっと注意が必要なのじゃないかと思う。どうも予告編からはそういうのが汲み取れない。・・・そして、困ったことに見る気が全くしない。苦笑。

問題はマスコミだけじゃないと感じます。マスコミはある意味正直に社会の様相と反応を映し出している。だから余計に腹立たしいのです。
(2007年02月14日 11時58分47秒)

きよん。さん  
Re:あーーー
>まだ見ていないし、見る予定もないですが・・・。
>確かに、KSD_farfallaさん の仰るとおり
>最も身近で起こりうる犯罪でしかも犯人逮捕するのに非常に困難な現状がある犯罪、てのはあると思う・・・。
>むずかしぃっすね~。
>内容見てないんで映画に対するコメントはできないけど。
>しかもやってないのに女性にはめられて(訴えるのが趣味な人、いますから…)困ってる男性も
>居るようですので・・・。

でも、それはそもそも痴漢を告発できる少数の女性のさらに少数の話でしょ?それこそ、実際痴漢をして告発されてない男性のほうがずっと人数が多いはず。そして、何百回と痴漢されても何も言えずにいる女の子も。こういう連想が起きるだろうから、この映画のテーマに疑問を持つのです。

>でもメインテーマは裁判制度の問題点指摘、かぁ。
>陪審員制度始まるからか~。

そういうことがあるのか・・・。
なるほどね。
(2007年02月14日 12時01分51秒)

Re:KSD_farfallaさん(02/13)  
KSD_farfalla  さん
月野 かぐやさん

予告編を見たのですが、私にはやはり重点は裁判の制度の問題だと思いますよ。かぐやさんのご指摘の通り充分な土台の上でなければ誤解を与えるという点では同意できます。かぐやさんの指摘というのは女性問題への関心の高さを示すものではあるのですが、この映画への指摘としては私にはしっくりきません。映画の論点があくまで"日本の裁判・掲示制度の腐敗"ならば、そこに論点を絞って進めるべきだと思います。たしかに、女性の気持ちを示す映画があってもいいはずですが、悲しい事に、その映画が"売れるほどの社会に受け入れられている"場合でしか、社会問題を指摘した映画は効力をなさないのが実情。(この点での怒りはお察しします。)
ただ、この映画の視座は、裁判制度の危うさ。他の犯罪であってもいいとは仰りますが、痴漢ほど証拠に乏しく誰かが犯人とされる可能性の高い条件設定はないと思います。(密室・人混み・思い違い・犯罪・日常) "貴方は覚えのない犯罪で突然「被告人」になりました。"という視聴者への舞台設定で多くの人が通過する環境が「満員電車での痴漢行為」です。 (2007年02月14日 14時54分38秒)

続き  
KSD_farfalla  さん
私は昨年の春学期と、来週また別の方を学校に招きました。お二方ともレイプ疑惑で逮捕され死刑囚となり、晴れて冤罪が証明されて10年程の監獄生活からでてきた方たちです。痴漢問題から随分と飛ぶようなのですが、裁判の制度を変えるには私たち一般の目がもちろん必要不可欠であり、実はそれを実感を持って聞いてもらうのは大変な困難です。このような形で自分が加害者とされる何て誰も思いませんから。この映画では10日この拘留だと思いますが、冤罪のミニチュア体験版というのが私の印象です。これが可能となるのは、多くの人たちが、"自分が痴漢行為の加害者だと思われるかもしれない"という危機感があってこそ可能だと思うのです。

私は中学から高校にかけて痴漢行為の被害者でした。やはり何か行動に起こす事はできなかったのですが(というより、間違えなのか故意なのか解釈するのに時間がかかった)、ある日、自分が男性の恥部に触れていないかどうかあまり気を使ってなかったことに気がつきました。私はきっと加害者でもあります。そこでもし捕まったところで、故意ではなくても、証拠はないですし、一体どんな扱いを受けるか想像できません。以来色々自分が他人に触れている場合のポジションにはかなり気を使うようになりました。男性と女性とでは精神的ダメージは違いますが、少なくとも満員電車のマジョリティの人間(男性)は"犯罪者になりたくない"と毎朝毎晩奮闘している人がほとんどだと言うのが実際のケースだと思いますよ。そういう"ちまたの"人たちがこの映画で冤罪について考えるんだと思います。 (2007年02月14日 14時55分44秒)

続きの続き  
KSD_farfalla  さん
つまり、「間違って逮捕された相手側にカメラが向けられた理由」は、冤罪への指摘であり、「痴漢犯罪」への征伐ではないのだと認識してます。そのため、「共通認識を揺るがすような映画」と指摘される点に納得いかないのです。
痴漢問題も冤罪問題も比較できない社会問題であり、後者を扱うために前者が非常に有効だという事なんだと思います。

もちろん。私も見て(見れ)ないので本当のところは、かぐやさんの指摘の方が強いのかもしれませんが。 (2007年02月14日 15時14分51秒)

わたしも見てないのですが  
よんひゃん さん
見た方のブログを読んだら、テーマの問題点とともに、女性弁護士がヒステリックに描かれているという記述が。
http://d.hatena.ne.jp/mbakecil/20070121/p2
すべてつながっているんでしょうけどね。 (2007年02月15日 08時03分27秒)

Re:きよん。さん(02/13)  
きよん。 さん
>でも、それはそもそも痴漢を告発できる少数の女性のさらに少数の話でしょ?それこそ、実際痴漢をして告発されてない男性のほうがずっと人数が多いはず。そして、何百回と痴漢されても何も言えずにいる女の子も。こういう連想が起きるだろうから、この映画のテーマに疑問を持つのです。

んだ。
それはそうだ。
痴漢は犯罪。
公的に発表さる作品のイメージとかテーマによって
見る側の感じ方がそれぞれだから
怖いこと、あるもんね。

そうそう、陪審員制度、ではなくて
正式には裁判員制度、というみたぃ。
選ばれたら行かなきゃなんないんだよね。

-----
(2007年02月15日 10時17分28秒)

KSD_farfallaさん  

KSD_farfallaさん  
>痴漢ほど証拠に乏しく誰かが犯人とされる可能性の高い条件設定はないと思います。(密室・人混み・思い違い・犯罪・日常)

う~~ん。確かにそうなんだけど、それならばそういう題材を使う上での注意点はあるような気がする・・・。

>レイプ疑惑で逮捕され死刑囚となり、晴れて冤罪が証明されて10年程の監獄生活からでてきた方たち
>痴漢問題から随分と飛ぶよう
>裁判の制度を変えるには私たち一般の目がもちろん必要不可欠であり、実はそれを実感を持って聞いてもらうのは大変な困難

いや、全然飛躍してないと思います。
ただし、私が経験した土壌とKyokoちゃんが今いる土壌とが似ているとすれば、レイプ・強姦は犯罪かどうかということが建前上でも論争になりえないそちらの状況と、女性に対する暴力が、悠然と公共の場で行われ、それが本当の本当に犯罪なのかどうかすらについてのコンセンサスが出来上がってない今の日本という土壌の違いは見逃せないと思います。アメリカでは夫婦間でもレイプがありうると発想が知識層を中心にじわじわと広まりつつあるけれども、日本では夫婦間のセックスがレイプでありうるなんて発想すら受け入れられないと思う。この環境の違いは大きいし、無視できないと思う。

そして、裁判制度というひとつの社会問題を問題化する過程で、ある意味それよりも深刻な問題である(と私は思う)女性に対する暴力問題を犠牲にするのは浅はかだと思うわけです。責任は重い。どうして社会問題を提起する上で「裁判制度」問題を取るのか、「女性問題」を取るのかという二者択一問題になるのか。本来なら切っても切れない間柄にあるものなのに。

(2007年02月15日 19時37分25秒)

KSD_farfallaさん  
>冤罪のミニチュア体験版

まさにそのとおりだと思います。

>多くの人たちが、"自分が痴漢行為の加害者だと思われるかもしれない"という危機感があってこそ可能

そしてその中には、「魔が差して」痴漢行為に走ったことのある人も含まれていると思います。勘違いされる可能性だけでここまで訴えかける内容になったとは思われないんじゃないかな。

>ある日、自分が男性の恥部に触れていないかどうかあまり気を使ってなかったことに気がつきました。
>私はきっと加害者でもあります。

こういう発想や視点の転換は非常に大切だと思うし、Kyokoちゃんの思慮深さを表すものだと思います。が、ここでの多数の男女の感じ方の違いは下でも言ってるように無視できないと思います。

>少なくとも満員電車のマジョリティの人間(男性)は"犯罪者になりたくない"と毎朝毎晩奮闘している人がほとんどだと言うのが実際のケースだと思いますよ。

どうでしょう。ここらへんは水掛け論になってしまうと思うのですが、そんなに故意に痴漢をしている人が少ないのだったら、なんで「(普段から)痴漢をされたことがある」と言う人がこんなに多いのだろうと思います。満員電車だから?じゃあ、なんで女性専用車両を増やすことに不満を漏らす男性が多くいるのだろう?誤解されなくなってホッとする、というふうには考えないのだろうか?

>痴漢問題も冤罪問題も比較できない社会問題であり、後者を扱うために前者が非常に有効だという事なんだと思います。

ごめんなさい。これについてはこの前の返事でも触れたと思うんですけど、どうも予告編を見たり、宣伝ポスターとかをいろいろ見た限りでは(^^;)、そんなにバランスが良いようには見えません。実際見てからまた報告したほうがいいかな。でもお金を出してまではみたくないので、早くても何ヶ月か先です。ごめんね。

(2007年02月15日 19時42分18秒)

よんひゃんさん  
Re:わたしも見てないのですが
>見た方のブログを読んだら、テーマの問題点とともに、女性弁護士がヒステリックに描かれているという記述が。
http://d.hatena.ne.jp/mbakecil/20070121/p2
>すべてつながっているんでしょうけどね。

リンクのご紹介ありがとうございました。
その先にも書き込みしておきました。
やっぱりなぁ~~というのが印象ですが。女性弁護士までヒステリックに描写するなんて、程度が低すぎ・・・。まあ、見ずにここまで言ってるのも問題なので、そのうち(DVDで出てから)見ようかと思ってますが。

(2007年02月15日 19時44分19秒)

きよん。さん  


>公的に発表さる作品のイメージとかテーマによって
>見る側の感じ方がそれぞれだから
>怖いこと、あるもんね。

なんだよね・・・。

>そうそう、陪審員制度、ではなくて
>正式には裁判員制度、というみたぃ。
>選ばれたら行かなきゃなんないんだよね。

ああ、そうなんだ。正しい情報をどうもありがとう。
あれ、面倒くさい・・・。人の問題意識は高くなるけど、裁判の質が上がるかというとはなはだ疑問だしさぁ。あ、でもこの映画はじゃあ裁判員制度には反対なのかな??どうなんだろ?
(2007年02月15日 19時46分24秒)

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